Archive for the ‘少年事件’ Category
少年事件と試験観察
少年事件と試験観察
少年事件と試験観察について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市東山区に住んでいるAさん(高校1年生)は、近所の高校に通うVさんと喧嘩になり、Vさんに対して全治1ヶ月程度の大けがを負わせてしまいました。
Aさんは、喧嘩を目撃していた通行人の通報で駆け付けた京都府東山警察署の警察官に傷害罪の容疑で逮捕され、京都府東山警察署に留置されることとなりました。
実はAさんは、中学生の時にも喧嘩による傷害事件を起こしており、保護観察処分となったことがありました。
またしても同じ傷害事件を起こしてしまったことから今回は少年院送致となるかもしれないと警察官から聞いたAさんの両親は、どうにかAさんを社会内で更生させることはできないかと考え、京都府の少年事件を取扱っている弁護士に相談することにしました。
そこでAさんの両親は、少年事件と試験観察について弁護士から詳しい説明を聞きました。
(※この事例はフィクションです。)
・少年事件の終局処分
少年事件では、成人の刑事事件と異なる手続きや処分が取られます。
未成年の者は可塑性、すなわち柔軟性が高く、矯正教育などをすることで更生できる可能性が高いとされているため、少年事件では少年の更生を重視した手続・処分が取られることとなっているのです。
少年事件では、捜査機関が捜査を終了した後は事件は原則として全て家庭裁判所に送られます(全件送致主義)。
これは、少年の更生のためには専門的な立場から少年自身の資質や少年のいる環境について調査することが求められるため、少年事件の専門家がいる家庭裁判所に調査や判断を委ねようというシステムなのです。
少年事件では、基本的にはこの家庭裁判所での調査を経た上で家庭裁判所で開かれる審判を受けることになります。
審判の結果下される処分は、成人の刑事事件で処される刑罰とは異なり、その犯行・非行をしたことへの「罰」というわけではなく、あくまで少年の更生のための処分(保護処分)という扱いです。
例えば、少年院や児童自立支援施設などの施設に送致して今までいた環境から離れて更生を目指す処分(少年院送致・児童自立支援施設送致)や、保護司や保護観察所と定期的に連絡を取りながら社会内で更生を目指す処分(保護観察処分)があります。
少年院送致というと成人の刑事事件でいう刑務所に行くようなものだとイメージされがちですが、前述のようにあくまで保護処分は更生のための処分であるため、刑務所とは性質が異なります。
少年院の中では、生活習慣の矯正や学校で行われるような教育、就業指導・支援など、少年の社会復帰のための活動が行われています。
・試験観察とは?
しかし、少年院送致が少年のための処分であったとしても、少年院に入っている間は社会から切り離されて生活することになります。
一度社会から全く離れてしまうと、少年院から出てきてもなかなかスムーズに社会復帰できないという悩みを抱える方がいることも事実です。
そういったことを避けたいと、少年院送致を回避したい、社会内で更生を目指したいと考える方も少なくありません。
こうした場合に取られる手段の1つとして、試験観察を目指すという活動が挙げられます。
試験観察とは、文字通り、試験的に観察する期間を設ける処分を指します。
試験観察は、審判の場で少年の処分をどういったものにするのかすぐに決められない場合に取られます。
試験観察となった場合、決められた期間を家庭裁判所の観察のもと過ごし、その期間中の少年の生活態度や様子などによって最終的な処分が決められることになります。
この試験観察期間は、少年の自宅で過ごす場合もあれば、民間の協力者や専門施設に指導を委ねてその指定された場所で過ごす場合(補導委託)もあります。
今回のAさんの事例を見てみましょう。
Aさんは以前にも同じような傷害事件を起こして家庭裁判所から保護処分を受けているようです。
すでに社会内でやり直す機会をもらっていたのにまた同じことを繰り返してしまったことから、更生のためには今までの環境と切り離して生活することが必要と判断され、少年院送致となる可能性もあると考えられます。
こうしたことから、少年院送致を避けたいと考えるのであれば、前回よりもより具体的な手段で社会内での更生が可能であることやそのためにAさん本人やその周囲の家族が具体的に行動し続けられることを示していく必要があると考えられます。
ですから、弁護士と共にAさんやその家族で更生のための環境づくりを行うと共に、その成果を家庭裁判所に見て判断をしてもらえるよう試験観察を目指していく活動が有効であると考えられるのです。
ただし、試験観察はあくまでその期間中試験的に少年やその周囲を観察し、その様子によって最終的な処分を決めるものです。
試験観察を目指すことを最終目的としてしまうのではなく、さらにその先も見据えながら、更生できる環境を整えることが重要です。
そのためには、少年事件の専門知識がある弁護士のサポートを受けることが効果的です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、成人の刑事事件だけでなく少年事件の取り扱いも行っております。
京都府の少年事件にお困りの際は、お気軽にご相談ください。
チケット譲渡詐欺事件で逮捕
チケット譲渡詐欺事件で逮捕
チケット譲渡詐欺事件で逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
東京都に住む高校2年生のAさんは、SNSで人気アイドルグループXのコンサートのチケットを譲渡する相手を募集しました。
すると、京都府宮津市に住むVさんがAさんの募集に応えて連絡してきたことから、交渉の結果、AさんはVさんにチケットを譲ることを伝えました。
しかしAさんは実際にはアイドルグループのチケットを持っておらず、元々チケット代金を募集相手からだまし取ろうと考えていたため、Aさんはその考え通りにVさんからチケット代金だけをだまし取りました。
チケットが発送されてこないことを不審に思ったVさんが京都府宮津警察署に相談したことで事件が発覚し、Aさんは京都府宮津警察署に詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、自宅から離れたところで逮捕されてしまったAさんのことを心配し、京都ですぐに少年事件の逮捕に対応してくれる弁護士に相談をしました。
(※この事例はフィクションです。)
・子どもが逮捕されてしまったケース
今回のように20歳未満の子どもが逮捕された場合、少年事件として扱われ、手続きが進められます。
しかし、少年事件だからといって逮捕されないということはなく、少年事件であっても逮捕の必要があると判断されれば逮捕され身体拘束を受けた上で捜査されることになります。
身体拘束され、家族や友人とも切り離されて1人で捜査を受ける状況は、未成熟である子どもに大きな負担となってしまうことが予想されます。
さらに、チケット譲渡詐欺事件でAさんのようにSNSを利用した手口であった場合、後述のようにチケット譲渡の取引先であった被害者が届け出た警察署によってはお子さんが住んでいる住所とは違う住所地の管轄の警察署が逮捕や捜査を行うことも考えられます。
そうした場合、ご家族もなかなか面会に行けませんし、お子さん自身も強い不安を感じられることでしょう。
だからこそ、チケット譲渡詐欺事件で逮捕されたら、少年事件に迅速に対応が可能な弁護士に相談すべきと言えます。
・チケット譲渡詐欺事件の逮捕
昨今、SNSなどで見知らぬ人と気軽にやり取りができてしまうこともあり、チケット譲渡詐欺という手口の詐欺事件が目に付くようになりました。
チケット譲渡詐欺とは、上記事例のAさんのように、実際にはチケットを譲る気はないにもかかわらずアイドルグループのコンサートやバンドのライブ等のチケットを譲渡するように装い、チケット譲渡予定の相手からチケット代金をだまし取る詐欺のことです。
このチケット譲渡詐欺事件は、先述のようにSNSやインターネットを通じて引き起こされることが多いです。
そうなると、詐欺行為の被害者が詐欺行為をしている当事者とは離れた土地に住んでいるというケースも当然起こり得ます。
こうした詐欺事件の場合、被害者が被害を届け出た先の警察署が捜査を行うことが多いため、先ほど触れたように、チケット譲渡詐欺事件を起こした被疑者(今回であればAさん)の住んでいる場所とは離れた場所にある警察署が捜査をしてそこに逮捕・留置されてしまうということも起こり得るのです。
特に今回のAさんのような少年事件の場合、被疑者は未成年であることから逮捕によって日常と全く異なる環境に置かれることで精神的にも不安定となる可能性があります。
さらに住所地と離れた場所で家族の面会も難しいというような状況になれば、その負担はより大きくなってしまうおそれがあります。
そうした負担を軽減するためにも、弁護士が接見に通って様子を見る、家族からの伝言をこまめに伝える、アドバイスを行うといった活動も重要になってくるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、京都支部を含めて、全国に13支部展開しています。
家族がチケット譲渡詐欺事件などで離れた警察署に逮捕されてしまった場合でも、全国に展開しているからこそ迅速な対応が可能です。
逮捕された方向けの初回接見サービスのお申込みは24時間いつでも専門スタッフが受け付けていますので、夕方や夜の逮捕にもすぐに動き出すことができます。
京都府のチケット譲渡詐欺事件の逮捕にお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご相談ください。
子どもが強盗未遂事件で逮捕されたら
子どもが強盗未遂事件で逮捕されたら
子どもが強盗未遂事件で逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
17歳の高校生Aさんは、小遣い欲しさに高齢者から金品を奪い取ることを思いつきました。
Aさんは、京都府亀岡市にある商業施設で買い物をしていた80歳の女性Vさんの鞄を奪い取ろうとしました。
しかし、Aさんの予想よりもVさんが抵抗したためAさんは鞄を奪い取ることができず、そうしているうちにVさんの声を聞いて人が集まってきたため、Aさんはその場から逃げ出しました。
その後、通報を受けて捜査を開始した京都府亀岡警察署の警察官により、Aさんは強盗未遂罪で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、子どもが強盗未遂事件を起こして逮捕されたと聞いてどうしてよいか分からなくなり、少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(※令和2年8月10日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・強盗未遂罪
強盗罪というと、凶器などを手に家や店舗に押し入って金品を脅し取るような、いわゆる押し入り強盗がイメージされやすいです。
しかし、今回のAさんのケースのように、凶器を用いないケースや、家や店舗に押し入らないケースでも強盗罪は成立する可能性があります。
刑法の条文では、強盗罪は以下の条件に当てはまる場合に成立するとされています。
刑法第236条
第1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
第2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
金品を奪い取るような強盗事件の場合、刑法第236条第1項に該当する強盗罪が成立することになり、多くの強盗事件でこの条文に当てはまる強盗罪が成立することになります。
強盗罪が成立するには、他人の財物を奪う手段として暴行や脅迫を用いている必要があります。
この時用いられる暴行や脅迫は、相手の反抗を抑圧する程度の強さが必要とされています。
つまり、相手が反抗できないほどの強さで暴行や脅迫をして金品を奪うことで強盗罪が成立するということになります。
ですから、たとえ凶器を使用していなかったとしても、例えば相手の手足を押さえつけるなどして相手の反抗を押さえつけて金品を奪えば強盗罪となるのです。
そして、注意しなければいけないのは、例えば最初はひったくりや置き引きのような形で相手の財物を奪おうと考えていたとしても、被害者が抵抗したことに対抗してその抵抗を押さえつけて財物を奪い取れば、強盗罪が成立してしまうということです。
今回のAさんはどのような態様でVさんの鞄を奪い取ろうとしたのかは定かではありませんが、Vさんの抵抗を押さえつけるような形で脅迫や暴行を用いていたのであれば、強盗罪や強盗未遂罪の成立が考えられます。
また、今回のAさんは、強盗罪の実行に着手しているものの、結果としてVさんの鞄=財物を奪い取るまでには至っていません。
ですから、Aさんには強盗未遂罪(刑法第243条)が成立すると考えられるのです。
・子どもが強盗未遂事件で逮捕されてしまったら
Aさんは20歳未満であることから、この強盗未遂事件は少年事件として扱われることになります。
少年事件では、基本的に刑罰を受けることはありません。
少年の更生のための「保護処分」という処分を受けることが基本的な少年事件の終局処分です。
しかし、少年が少年事件を起こしてしまった環境などによっては、保護処分ではなく刑罰を受けさせる刑事手続きに移す、いわゆる「逆送」が行われることも考えられます。
「逆送」された少年事件は、成人の刑事事件のように起訴か不起訴か判断され、起訴されれば有罪・無罪を裁判で決められることになります。
有罪となれば刑罰を受けることになり、刑務所に行くことも考えられます。
「逆送」されずに少年事件の手続きによって処理されることとなったとしても、強盗未遂罪のような重大な犯罪を起こしてしまった場合、現在の環境に大きな問題があると判断され、その環境から切り離して更生を目指すことが適切=少年院送致などの施設送致という処分が下されることも考えられます。
当然、少年院送致も少年の更生を目指す「保護処分」であることから、少年のためにならない処分というわけではありません。
しかし、少年院に入ってしまえば、その期間社会から遠ざかってしまうことも否定できません。
スムーズな社会復帰のためにも、少年院送致を避けたいと考えるご家族も少なくありません。
このように、強盗事件や強盗未遂事件は「逆送」の有無にかかわらず少年やその家族にとって大きな影響を及ぼす処分が下されることが考えられます。
だからこそ、強盗事件や強盗未遂事件で子どもが逮捕されてしまったら、早期にできる弁護活動・付添人活動を始めることが求められるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件・少年事件専門の弁護士が、逮捕直後から少年審判や刑事裁判までフルサポートを行います。
強盗事件や強盗未遂事件で子どもが逮捕されてしまったら、お気軽にご相談ください。
少年事件で退学阻止
少年事件で退学阻止
少年事件で退学阻止を目指す弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府舞鶴市に住んでいる高校生のAくん(17歳)は、少年事件を起こして、京都府舞鶴警察署に任意同行されました。
Aくんは、逮捕まではされなかったものの、後日再び取調べに京都府舞鶴警察署まで出頭するよう言われました。
Aくんの両親は、今回の少年事件によって、Aくんが退学になったりないかどうか不安に思い、少年事件に強い弁護士の初回無料法律相談を受け、今後の対策や可能な弁護活動について詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・少年事件を起こしたら退学?
上記事例のAくんは、逮捕まではされていないものの、少年事件を起こして警察にお世話になっている状態です。
逮捕されずに捜査が進む場合、在宅のまま過ごし、取調べ等の必要があるときだけ警察署などに呼ばれて捜査を受ける、という形で進んでいきます。
このような状態の時に、少年本人やそのご家族が心配することの1つとして挙げられるのが、学校はどうなるのか、という問題です。
実際に、少年事件を起こしてしまったことで、学校を退学になってしまうのではないか、と心配される少年やご両親は多くいらっしゃいます。
現在では、少年事件を起こして警察から取調べを受けたり逮捕されたり、ということになれば、原則として警察などから学校へ通知が行く制度になっています。
そのため、少年事件を起こしたことを学校へ知られないようにすることを完璧に防げる、というわけではありません。
しかし、弁護士が学校への通知を控えてもらえるように警察に働きかけることはできますから、まずは弁護士から警察へ打診してもらうことも1つの手でしょう。
さらに、弁護士が少年事件のサポートにつくことで、もしも学校への通知が行われたとしても、その後少年が更生し、再び少年事件を起こさないようにするための環境調整が行われていることなどを主張することで、退学といった厳しい処分を避けてもらえるよう、サポートすることもできます。
そもそも、今回のAさんは在宅で捜査を受けていますが、もしも逮捕されてしまっていた場合、釈放を目指さなければ学校に事件が露見してしまったり、欠席日数の超過により単位を落としてしまったり停学や留年となってしまったりすることも考えられますから、そういった場合にも退学回避のためには弁護士のサポートが必要になるでしょう。
少年事件によっては、弁護士が学校と協力し、少年の更生のための環境を整えることもありますから、在宅捜査なのか逮捕されているのかに関係なく、まずは弁護士に相談してみることが望ましいでしょう。
少年にとって、自身の通う学校は、自分の生活の大きな部分を占める大切な場所です。
少年事件を起こしてしまっても、今まで頑張ってきた学校で更生に向けてやり直したいと考える少年やご両親は多いと思います。
少年事件の終局処分では、少年が再度犯罪をしないか、きちんと更生できる環境であるかどうかといったことが重視され、処分が決定されることから、就学先は重要な要素の1つとなります。
弁護士と協力しながら、就学先の確保や進路の決定などをすることで、少年事件でより適切な処分を判断してもらうことにもつながっていきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件・少年事件専門の弁護士が、少年事件を起こしてしまった少年自身やそのご家族のサポートを行います。
学校を退学になるのを避けたいと御悩みの方は、一度、弊所の弁護士にご相談ください。
初回無料法律相談のお申込みや、逮捕されてしまった方向けの初回接見サービスのお申込みは、0120-631-881から受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。
性犯罪で子どもが逮捕
性犯罪で子どもが逮捕
性犯罪で子どもが逮捕されてしまった際の対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Bさんは、高校1年生の息子Aさんと夫のCさんの3人で、京都府城陽市に住んでいます。
ある日、夜遅くになってもAさんが帰宅せず、学校に問い合わせてもAさんは帰宅したとの話でした。
そこでBさんとCさんが最寄の京都府城陽警察署に連絡してみたところ、警察官から、「息子さんは京都府城陽警察署にいるが、詳しいことは話せない。女性の関係で少し話を聞いている」と言われました。
BさんとCさんは心配して京都府城陽警察署を訪れましたが、警察官から「息子さんは逮捕されている。今日は息子さんとは会えない」と言われてしまいました。
Aさんに何が起こったのかも分からない状況に困ったBさん・Cさんは、弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・逮捕されている?どんな容疑をかけられている?
今回の事例のように、家族が帰宅せず、警察署に問い合わせたらその警察署で話を聞かれていた、というケースはしばしば見られます。
こうした場合、すでに刑事事件・少年事件の被疑者として逮捕されていたり、逮捕される予定であったりということを警察官から伝えられる場合もありますし、刑事事件・少年事件の被疑者となっていることや逮捕についてぼかした回答しか得られないという場合もあります。
というのも、刑事事件・少年事件の被疑者となっていることや逮捕されていることは、非常にデリケートな情報であり、他人に勝手に伝えることは避けなければならないためです。
もしも家族を装った他人に逮捕の事実等を漏らしてしまえば個人情報の漏洩をしてしまうことになりますから、警察も慎重な対応をしています。
ですから、問い合わせた時に回答をもらえないということもあり得るのです。
同様に、刑事事件・少年事件の被疑者として話を聞かれていることや逮捕されていること等が分かったとしても、どういった犯罪の容疑で話を聞かれているのか、逮捕されているのかといったことを詳しく聞かせてもらえないこともあります。
Aさんの事例のように、「何関連で話を聞かれている」と大まかな説明を受けるだけの場合もあります。
このような場合、この先の手続きや対応はどのようになるのか、そもそもどういった犯罪の容疑で被疑者になったり逮捕されたりしているのか、ご家族としては心配や不安が大きい状況となってしまいます。
そこで、こうした場合には弁護士への相談が効果的です。
もしもすでに逮捕されている場合には、弁護士が逮捕されている方のもとへ接見に行くことができます。
例えば、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部には初回接見サービスがあります。
Aさんの事例でそうであったように、逮捕直後は原則として一般の方の面会はできません。
ごくまれに警察官が時間を取ってくれるということもあるようですが、基本的には家族であっても面会はかないません。
だからこそ、先ほどのように全く事情の分からない中で逮捕の事実のみ知って不安が大きい、という状況も少なくないのです。
しかし、弁護士の場合、たとえ逮捕直後であっても接見(面会)することが可能となります。
さらに、弁護士が接見する場合には、時間の制限はなく、立ち合いの警察官もいません。
ですから、どういった容疑で逮捕されているのか、本人の認識はどういったものなのか、取調べに対応する際の注意や被疑者の権利はどのようなものか、ということを刑事事件・少年事件の専門家である弁護士と詳しく話すことができるのです。
もしも逮捕されずに自宅へ帰されるような場合にも、極力早めに弁護士に相談することが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の場合、初回無料法律相談が効果的です。
逮捕されていないからといって、刑事事件・少年事件を放置していいことにはなりません。
刑事事件・少年事件の流れや権利を知って取調べ等に臨むことで、意図しない自白をしてしまったり、状況が分からないまま手続きが進んでしまったりというリスクを下げることができます。
特に、今回のAさんのような性犯罪を起こしてしまったであろう少年事件の場合、少年自身が家族に事件について話すことを避けたがってしまうことも考えられます。
事件解決のためにも再犯防止のためにも、第三者であり専門家でもある弁護士のサポートを受けながら更生を目指すことが有効な手段の1つです。
今回の事例のように、子どもや家族が刑事事件・少年事件に関わったようだが今どういった状況なのか分からないという場合にも、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部のお問い合わせ用フリーダイヤル0120-631-881にお電話ください。
専門スタッフがご相談者様の状況に合わせたサービスをご案内させていただきます。
脅迫事件と示談交渉
脅迫事件と示談交渉
脅迫事件と示談交渉について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさん(17歳)は,京都市西京区にある飲食店でアルバイトをしていました。
Aさんは常々,アルバイトの同僚であるVさん(16歳)の態度に腹を立てていたのですが,ある日,どうにもVさんの態度に我慢ならなくなってしまいました。
そこでAさんは,Vさんに対してメッセージアプリで「お前のことなんてもう知らん」「俺はその筋の人と交流があるんや。もうその人に頼んだから,どうなるか覚悟しとき」などのメッセージを送りました。
このメッセージを見て恐怖を抱いたVさんが両親に相談したことをきっかけに,Vさんらは京都府西京警察署に相談。
京都府西京警察署が捜査を開始し,Aさんは京都府西京警察署の警察官に脅迫罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は,Vさんへの謝罪やAさんの釈放を求め,弁護士に何かできる活動はないかと相談することにしました。
(フィクションです。)
~脅迫罪~
人の生命,身体,自由,名誉又は財産に対し,害を加える旨を告知して人を脅迫した場合,脅迫罪(刑法222条1項)が成立します。
刑法222条1項(脅迫罪)
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
脅迫罪の条文にある「脅迫」とは,一般に人を畏怖させるに足りる害悪の告知をいいます。
脅迫罪の成立には,告知が相手方に到達して認識されたことは必要ですが,実際に相手方が畏怖したことまでは必要ありません。
脅迫罪の「脅迫」に当たるかどうかは,具体的諸事情を勘案して判断されます。
今回のAさんは,Vさんに対してメッセージを送っていますが,そのメッセージの内容から,そういった内容のメッセージを受け取れば,一般的に生命,身体等を害されるのではと畏怖するのに十分といえ,脅迫罪に当たる可能性が高いといえるでしょう。
~脅迫罪と示談交渉~
成人の刑事事件であれば,初犯であれば執行猶予判決が見込まれますが,示談が成立すれば前科を回避できる可能性もあります。
ですから,脅迫をしたことに争いがないのであれば,刑事事件に強い弁護士に依頼し,示談をすべきといえるでしょう。
脅迫事件において早期に示談が成立すれば,不起訴となり,前科がつかない可能性もあります。
また,示談が成立していれば,起訴されたとしても,略式起訴で,罰金を納付するだけですむ可能性もあります。
しかし,少年事件の場合,成人の刑事事件とは処分の種類も重視する部分も異なるため,示談が成立したからといって「不起訴」のような扱いにはならないことが多いです。
少年事件は原則的に全ての事件が家庭裁判所に送られることになります。
では少年事件として扱われる脅迫事件で示談交渉が全く不必要なのかというと,そうではありません。
謝罪や示談ができていることは,少年自身の反省や,その家族の事件への向き合い方を主張する1つの材料となります。
さらに,今回のAさんのように捜査段階で逮捕されてしまっている場合には釈放を求める活動をしていくことが考えられますが,この際,被害者との示談ができている=謝罪・賠償ができているという事情があれば,釈放を求める際に有利な事情となりえます。
被害者との示談ができている,もしくはその意向で活動しているということは,被害者に対して証拠隠滅等の働きかけをしない意思であるといえる事情となりえるからです。
しかし,示談交渉を自分たちのみで行うことには困難が伴うことも多いです。
弁護士に示談交渉を任せるメリットとしては,例えば以下のようなものが考えられます。
まず,相手の連絡先を知らなくても,弁護士であれば,捜査機関に問い合わせ連絡先を取得できる可能性が高まるということが挙げられます。
次に,示談交渉は当事者だけだと揉めてしまいがちですが,弁護士という第三者を介在させることで,スムーズにまとまる可能性があることです。
特に今回のような,加害者も被害者も未成年という少年事件では,親同士の話し合いとなることから,ヒートアップしてしまうことも考えられますから,適切な知識のある第三者を挟むことは有効であると考えられます。
そして,弁護士が示談書を作成して,示談が成立したことを明確化するとともに,紛争の蒸し返しを防ぐことができることもメリットの1つです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は,刑事事件だけでなく少年事件の弁護活動・付添人活動も行っています。
脅迫事件の示談交渉等にお悩みの際は,まずはご相談ください。
学生同士の強要事件で逮捕
学生同士の強要事件で逮捕
学生同士の強要事件で逮捕された場合について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
高校2年生のAさんは,京都府綾部市の路上を通行中,違う高校に通うVさんと肩をぶつけてしまいました。
Vさんの名札から自分より年下であることが分かったにも関わらず,Vさんが自分に誤りもせずにいたことに腹を立て,AさんはVさんの胸倉をつかむなどした上で,「殺すぞ。謝れ」などと言ってVさんを土下座させました。
様子を見ていた通行人が通報し,Aさんは駆け付けた京都府綾部警察署の警察官に,強要罪の容疑で逮捕されました。
Aさんの両親は,Aさんが帰宅しないことを心配し,最寄の京都府綾部警察署に相談したところ,Aさんが逮捕されたことを知りました。
対応した警察官から,「すくなくとも今日明日は家族でも会えない」と言われたAさんの両親は困り果て,どうすればよいのかを少年事件も取り扱う弁護士に相談してみることにしました。
(フィクションです。)
~強要罪~
生命等に害悪を加える旨を告知して脅迫し,人に義務のないことを行わせた場合,強要罪が成立し,3年以下の懲役が科せられます(ただし,今回のAさんのように20歳未満の者の場合は少年事件となるので原則刑罰を受けることはありません。)。
刑法223条(強要罪)
1項 生命,身体,自由,名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し,又は暴行を用いて,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害した者は,3年以下の懲役に処する。
2項 親族の生命,身体,自由,名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害した者も,前項と同様とする。
3項 前二項の罪の未遂は,罰する。
強要罪は,暴行・脅迫によって人に「義務のないこと」をさせた場合に既遂となります。
脅迫又は暴行により意思活動の自由を現実に侵害しなければ,強要罪は既遂とはなりません。
「義務のないこと」とは,法律上の義務がないことをいいます。
法的に強制されない限り,行動の自由は保護されるべきだからです。
今回の事例を考えてみましょう。
Aさんは,Vさんの胸倉をつかむなどしたうえで,「殺すぞ。謝れ」と言ってVさんを脅迫し,Vさんに義務がないのに土下座することを強要しています。
胸倉をつかむ行為は強要罪の「暴行」に当たると考えられますし,「殺すぞ」と言った言葉は「生命…に対し害を加える旨を告知して脅迫」していると考えられます。
そして,もちろんVさんがAさんに土下座をする義務はありません。
このように,暴行・脅迫行為の結果,Vさんは義務のない土下座をさせられていますから,Aさんの行為は強要罪(刑法223条1項)となる可能性が高いと考えられるのです。
成人が起こした強要事件においては,早期に被害者と示談することで,不起訴となったり,裁判で執行猶予判決を受けることのできる可能性が高まります。
しかし,Aさんのような少年事件では,不起訴という考え方はなく,原則としてすべての少年事件が家庭裁判所へ送られます。
それでも,被害者への謝罪・弁償ができているのかどうか,少年本人や家族の事件との向き合い方はどのようなものか,といった事情は処分を決めるうえで考慮されますから,少年事件に強い弁護士にサポートしてもらいながら,少年事件の手続きに対応していくことが望ましいといえるでしょう。
~子どもが逮捕されてしまった~
Aさんの両親がそうであったように,基本的に逮捕されてからすぐは,ご家族であっても逮捕された本人と会うことはできません。
ごくまれに,捜査機関が事情を酌んで短時間だけ面会を許可することもあるようですが,これはあくまで例外的なものであり,原則としては逮捕に引き続く身体拘束である「勾留」がつくか,勾留されずに釈放されるまでは面会はできません。
だからこそ,逮捕直後に取調べ対応のアドバイスをしたり,本人の言い分を把握したりするためには,弁護士に面会に行ってもらうことが効果的なのです。
今回のAさんの強要事件のように,被害者への対応や釈放を求める活動,その後の家庭裁判所へ送致された時のための準備等,逮捕を伴う少年事件には行うべき活動が多くあります。
まずはお早めに,少年事件も専門に取り扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご連絡ください。
ご相談者様にぴったりのサービスを,専門スタッフがご案内いたします(0120-631-881)。
半グレに所属して傷害事件
半グレに所属して傷害事件
半グレに所属して傷害事件を起こしてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府京丹後市に住む18歳のAさんは、自身の通う高校の卒業生であるBさんらが所属する、いわゆる「半グレ」の集団に所属していました。
Aさんは半グレの仲間たちとたびたび夜間に外出したり学校をさぼったりしていましたが、Aさんとしては悪ぶりたいだけであり、実際に犯罪に手を貸したり参加したりということはしていませんでした。
しかしある日、京都府京丹後市内の路上で、通行人のVさんと口論になると、半グレの仲間たちと一緒になってVさんを殴りました。
他の通行人が通報したことにより、Aさんは半グレの仲間たちと一緒に京都府京丹後警察署に傷害罪の容疑で逮捕されることになりました。
Aさんは自身が逮捕されるほどの大事を起こしてしまったことに動揺し、両親が逮捕を知って悲しんでいることを知って、半グレから抜けて更生したいと思っているようです。
(※この事例はフィクションです。)
・半グレ
ニュースなどで「半グレ」「半グレ集団」といった言葉を耳にしたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
半グレは、暴力団に所属せずに犯罪を繰り返す不良集団のことを指しているとされています。
半グレの「グレ」は、不良などになることを指す「グレる」という言葉や、暴力団に所属していないながらも犯罪を繰り返すことから「グレーゾーン」であることなどによるとされています。
さて、この半グレですが、暴力団とは異なりその構成は若者が中心となっているといわれています。
暴力団のように上下関係がはっきりしてピラミッドのように組織が作られているわけではなく、暴走族等からそのまま半グレに移行したり、年代でまとまったりして半グレになったりということもあるようです。
そのため、先輩後輩関係から10代で半グレ集団と関わってしまうこともあると考えられるのです。
・傷害事件
人に暴力をふるえば刑法の暴行罪が、それによって相手に怪我をさせてしまえば傷害罪が成立することはすでにご存じの方も多いでしょう。
刑法204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑法208条(暴行罪)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
今回のAさんは18歳であるため基本的に刑罰を受けることにはならないと考えられますが、成人の刑事事件として考えれば、複数人で暴行をくわえた傷害事件は悪質性・危険性の高い犯行であると判断され、厳しい処分が下される可能性も考えられます。
なお、集団で暴行をしている場合や常習的に暴行・傷害行為をしている場合などには、暴力行為処罰法違反という犯罪になるかもしれないことにも注意が必要です。
・半グレと少年事件
先ほど触れたように、半グレの構成は若者が多いことから、10代の未成年者であっても半グレに所属してしまう可能性はあります。
Aさんも半グレに所属しており、そこで傷害事件を起こしてしまっているようです。
未成年者が犯罪をしてしまった場合には、少年事件として処理されていくことになりますが、そこで重要なポイントとなるのは、少年自身が更生するのに適切な環境が整えられるのか否かということです。
例えば、半グレに所属して少年事件を起こしてしまったのに、その半グレとの関係を断ち切れない、断ち切る気がないといった環境のままでは、少年を現在の環境に戻して更生させることは難しいと判断されてしまいやすいと考えられます。
今回のAさんのような少年事件では、Aさん自身がやってしまったことを反省し、被害者への謝罪の気持ちをもつことはもちろんですが、これからの生活でどのような点を改めて再犯を防止していくのかということも重要なのです。
そうした環境の調整やその調整活動の証拠化には、少年事件に強い弁護士のサポートが心強いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、少年事件も専門に扱う弁護士が初回無料法律相談や初回接見サービスも行っておりますので、まずはお問い合わせください(0120-631-881)。
お年玉の兄弟喧嘩から少年事件(傷害事件)④
お年玉の兄弟喧嘩から少年事件(傷害事件)④
お年玉の兄弟喧嘩から少年事件(傷害事件)に発展してしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
会社員のBさんは、妻のCさんと息子のAさん(17歳)・Vさん(15歳)の4人で京都市西京区に住んでいます。
年が明け、AさんとVさんはBさん・Cさんや親戚からお年玉をもらいました。
しかし、もらったお年玉の額の違いでAさんとVさんは口論になり、取っ組み合いの兄弟喧嘩となってしまいました。
そして結果的にAさんがVさんを一方的に殴る展開になってしまいました。
Bさん・Cさんは兄弟喧嘩を止めようとしましたが、Aさんが激しく怒っていた様子だったため、これ以上ひどいことにならないようにしなければいけないと考え、京都府西京警察署に通報しました。
Aさんは駆け付けた警察官に傷害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Bさん・Cさん・Vさんはまさか兄弟喧嘩でAさんが逮捕されることになるとは思わず、慌ててしまいました。
Bさんらは、Aさんの学校が始まる前になんとか釈放してもらえないか、兄弟喧嘩であることからどうにか穏便に済ますことはできないか、と少年事件を扱う弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・兄弟喧嘩事件と釈放を求める活動
前回までの記事で、少年事件全体を通しての身体拘束について説明してきました。
では、Aさんの事例を見ながら、どういった形で釈放を求めていく活動をしていけるのか考えてみましょう。
まず、Aさんはお正月の冬休みのうちに傷害事件を起こしてしまい、逮捕されてしまっているようです。
前回の記事で取り上げた通り、逮捕を伴う少年事件の場合、捜査段階では最大23日間の身体拘束が考えられます。
事例の中でBさんらが心配しているように、Aさんは通っている学校がありますから、どうにかそれまでに釈放をしたいということになるでしょう。
冬休みがどれほどの期間取られているかは学校にもよりますが、捜査段階の最大23日間は冬休み期間中であったとしても、観護措置を取られて加えて4週間も身体拘束されるとなれば、高確率で学校にも影響が出てしまうことになります。
ですから、Aさんらの要望を叶えるためには、逮捕・勾留の段階で釈放を求めることはもちろん、観護措置ともならないよう活動をしていく必要があるということになります。
しかし、前回までの記事で取り上げた通り、少なくとも捜査期間中に関しては、傷害事件の加害者であるAさんと被害者であるVさんが同居している状態であることを、証拠隠滅のおそれがあるととらえられてしまう可能性があります。
ですから、釈放を求めていく場合には、例えば両親であるBさん・CさんのどちらかがAさん・Vさんそれぞれにつき、捜査が落ち着くまではAさん・Vさんが別々の場所で過ごすなど、証拠隠滅のおそれがないといえる状況を作り、釈放を求めることが考えられます。
また、家庭裁判所に送られた段階で観護措置を避ける活動でも、Aさん・Vさんが同じような状況を作り出さない環境を整えられていることや、今回事件を起こしてしまった原因を考えられていることを主張する必要が出てくるでしょう。
こうした事情や環境を作り出すことだけでなく、作り出したことを証拠として適切に主張するためには、少年事件に強い弁護士のサポートが重要となります。
少年事件に強い弁護士であれば、どういった環境をどのように整えるべきなのかといったアドバイスが可能です。
逮捕・勾留の伴う刑事事件・少年事件では厳しい時間制限があるために、弁護士への早めの相談・依頼をすることで釈放を求める機会を多く得ることができますから、子どもが逮捕されてしまった場合にはお早めに弁護士へ相談されることをお勧めいたします。
・年末年始に相談できる弁護士
さて、今回のAさんの傷害事件はお正月に起きた事件です。
早めに弁護士に相談したいと思っても、年末年始はなかなか営業している法律事務所が見つからない、ということも考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、年末年始も通常通り、無料法律相談の受付や初回接見サービスの受付を行っています。
京都府の少年事件にお困りの際は、遠慮なく弊所弁護士までご相談ください。
お年玉の兄弟喧嘩から少年事件(傷害事件)③
お年玉の兄弟喧嘩から少年事件(傷害事件)③
お年玉の兄弟喧嘩から少年事件(傷害事件)に発展してしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
会社員のBさんは、妻のCさんと息子のAさん(17歳)・Vさん(15歳)の4人で京都市西京区に住んでいます。
年が明け、AさんとVさんはBさん・Cさんや親戚からお年玉をもらいました。
しかし、もらったお年玉の額の違いでAさんとVさんは口論になり、取っ組み合いの兄弟喧嘩となってしまいました。
そして結果的にAさんがVさんを一方的に殴る展開になってしまいました。
Bさん・Cさんは兄弟喧嘩を止めようとしましたが、Aさんが激しく怒っていた様子だったため、これ以上ひどいことにならないようにしなければいけないと考え、京都府西京警察署に通報しました。
Aさんは駆け付けた警察官に傷害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Bさん・Cさん・Vさんはまさか兄弟喧嘩でAさんが逮捕されることになるとは思わず、慌ててしまいました。
Bさんらは、Aさんの学校が始まる前になんとか釈放してもらえないか、兄弟喧嘩であることからどうにか穏便に済ますことはできないか、と少年事件を扱う弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・少年事件と観護措置
前回の記事では、少年事件が警察と検察に捜査されている段階での身体拘束について触れましたが、今回の記事ではまず、少年事件が家庭裁判所に送られた後の身体拘束について触れていきます。
少年事件の手続きとしては、警察や検察での捜査の後、家庭裁判所に事件が送致され、そこで調査や審判が行われ、少年の処分が決まるという流れが原則です。
前回の記事で、捜査段階では最大23日間の身体拘束が考えられると触れましたが、実は少年事件で考えられる身体拘束はこれだけではありません。
少年事件では家庭裁判所に送致された後も身体拘束をされる可能性があり、それが「観護措置」という措置です。
少年法17条
1項 家庭裁判所は、審判を行うため必要があるときは、決定をもつて、次に掲げる観護の措置をとることができる。
1号 家庭裁判所調査官の観護に付すること。
2号 少年鑑別所に送致すること。
2項 同行された少年については、観護の措置は、遅くとも、到着のときから24時間以内に、これを行わなければならない。
検察官又は司法警察員から勾留又は逮捕された少年の送致を受けたときも、同様である。
3項 第1項第2号の措置においては、少年鑑別所に収容する期間は、2週間を超えることができない。
ただし、特に継続の必要があるときは、決定をもつて、これを更新することができる。
4項 前項ただし書の規定による更新は、1回を超えて行うことができない。
ただし、第3条第1項第1号に掲げる少年に係る死刑、懲役又は禁錮こに当たる罪の事件でその非行事実(犯行の動機、態様及び結果その他の当該犯罪に密接に関連する重要な事実を含む。以下同じ。)の認定に関し証人尋問、鑑定若しくは検証を行うことを決定したもの又はこれを行つたものについて、少年を収容しなければ審判に著しい支障が生じるおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある場合には、その更新は、更に2回を限度として、行うことができる。
5項 第3項ただし書の規定にかかわらず、検察官から再び送致を受けた事件が先に第1項第2号の措置がとられ、又は勾留状が発せられた事件であるときは、収容の期間は、これを更新することができない。
(略)
観護措置は、その少年事件で適切な処分を決めたり審判をスムーズに進めたりするために、少年本人の資質やその周囲の環境について専門家が調査や検査を行ったりするために、少年を少年鑑別所に収容する措置です。
少年法では原則2週間とされていますが、通常4週間程度とられることが多いです。
逮捕・勾留されたまま家庭裁判所に送られた少年事件ではそのまま観護措置に移行することも多いです。
特に、前回の記事で取り上げた勾留に代わる観護措置をされていた場合には、基本的にそのまま少年法の観護措置が取られることになっています。
説明したように、観護措置は少年に適切な処分を判断するためのものですから、少年本人にとって悪いことだけの措置というわけではありません。
しかし、4週間身体拘束されてしまうということは、約1か月学校や就業先と連絡は取れず出勤・出席することもできないということになります。
逮捕・勾留されている場合、最大で約2か月近くの期間就業先や学校に行けないということは少年にとって大きな不利益となりかねません。
ですから、逮捕・勾留から釈放を求める活動や、観護措置をせずに在宅での調査を求める活動を望まれる方も多いでしょう。
そうした時に頼りになるのが弁護士です。
弁護士と協力することで、釈放を求める活動を効率的に行っていくことができます。
刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部でも少年事件での釈放を求める活動についてのご相談・ご依頼を受け付けていますので、まずはお気軽にご相談ください。