釈放・保釈してほしい

1 釈放とは?

釈放とは、被疑者・被告人を留置場に留置する理由や必要性がなくなった場合にその身柄を解放することです。

釈放のメリットは以下のものです。

  1. 逮捕されたことが周りの人に知られずにすむことが多い
  2. 会社や学校を辞めずにすむ可能性がある
  3. 事件解決や裁判に向けた十分な準備ができる

逮捕・勾留されると、学校や会社に行くことができません。

逮捕・勾留が長引けば、逮捕されたことを周囲の人に知られたり、会社や学校を休む状態が続いて解雇や退学になったりする危険が高まります。

一方で、釈放が認められれば、捜査は継続しますが、会社や学校に行くことができ、以前の生活に戻ることができます。

また、早期に会社や学校に復帰できれば周りの人に事件を知られるおそれも少なくなります。逮捕・勾留後に速やかに釈放されることは極めて重要です。

釈放された後は、警察や検察から必要な時に出頭要請があり取調べに応じることとなります。

家に戻り通常の生活に戻ることができるうえ、必要な時に弁護士と連絡をとることができますので、裁判に向けた十分な準備をすることが可能となります。

 

2 起訴前の釈放

(1)検察庁に送致する前の釈放

警察官は、被疑者を逮捕してから48時間以内に、その身柄を検察官に送る手続をしなければなりません(送検)。

しかし、取調べの中で犯罪の嫌疑がないと判断されたり、事件が極めて軽微であったりした場合には、身柄を検察官に送ることなく釈放されます。

このようなケースでは、特に弁護士が行動を起こさなくとも釈放されることとなります。

しかし、釈放されたからといって当然に捜査が終了したとは言い切れません。

取調べの中で被疑者に不利な供述調書を取られてしまうことの無いように十分注意する必要があります。

 

(2)検察庁に送致後、勾留請求前の釈放

逮捕手続からの早期の身体解放がかなわないのであれば、次の策として、被疑者を勾留させないための活動が必要となります。

被疑者が検察庁に送致されると、検察官はさらに被疑者を取り調べ、勾留請求するかどうかを決定します。

勾留期間は、原則として10日間と定められており、勾留を延長しても特別な犯罪を除いて勾留の期間は最大限20日間です。

弁護士は、検察官に対し勾留の理由と必要性がない(勾留の要件をみたさないこと)との意見書を提出する、又は、面談の上、意見を述べて勾留せずに在宅捜査に切り替えるように申入れを行います。

弁護士の働きかけが功を奏せば、被疑者の勾留請求を回避し、釈放を勝ち取ることができます。

なお、被疑者が自白をしている事案簡明な暴行事件等で被疑者の住所、職業が定まっている場合は、検察官が勾留請求しないこともあります。

 

(3)勾留請求後、勾留決定前の釈放

検察官が裁判官に対し勾留請求した場合、弁護士は、裁判官に対して勾留請求を却下するよう申入れをします。

いくら検察官が勾留請求しても、勾留する理由や必要性が認められないと裁判官が判断すれば、勾留されることはありません。

そこで、弁護士は裁判官に対して勾留決定をしないよう説得を試みるのです。

弁護士の説得により裁判官が検察官の勾留請求を認めなければ、被疑者は釈放されます。

 

(4)勾留決定後、勾留決定を覆すことによる釈放

①「準抗告」、「勾留取消請求」、「執行停止の申立て」

裁判官が勾留を決めると、容疑者は10日~20日間は留置場や拘置所等の留置施設に勾留されることになります。

この段階で弁護士が付いていれば、裁判官の勾留決定に対して「準抗告」という手続きを行うことができます。

準抗告とは勾留決定をした裁判官の判断が誤っていることを求める手続きであり、勾留決定をした裁判官以外の別の裁判官に申立てを行います。

準抗告が認められると釈放されますが、極めてハードルが高くなかなか認められないという現実があります。

なお、勾留に対する準抗告が認められないならば、憲法違反や判例違反を主張する特別抗告という手段がありますが、これもやはりハードルが高いです。

準抗告以外に釈放を目指す方法として、勾留の要件である勾留の理由や必要性が事後的に喪失したとして、「勾留取消請求」をすることが考えられます。

勾留決定後の事情の変化とは、例えば、被害者との間での示談成立、ご家族との同居が可能になった等です。

このことから、早期に弁護士をつけて示談を獲得することが有益であることがご理解いただけると思います。

更に、病気治療のための入院、ご家族の方の危篤または死亡、ご実家が大規模災害に遭遇した、就職試験、入学試験等の事情がある場合に「勾留の執行停止の申立て」をするという方法があります。

より早い段階で弁護士にご相談していただければ、釈放のための弁護活動をできるチャンスが増えます

 

②勾留場所についての準抗告

通常、警察署の留置施設を勾留場所とする決定がなされていることが多いです。

しかし、留置場は警察署の中にあり、警察官が24時間支配できる環境にあります。

そこで、警察署とは離れた場所にある拘置所に勾留場所を変更してもらうよう申入れ(勾留場所についての準抗告)をします。

 

③検察官に対する早期釈放の申入れ

勾留後、検察官は裁量で被疑者の身体拘束を解くことも可能です。

そこで、弁護士が検察官と交渉して早期の釈放を目指します。

 

3 起訴後の釈放(保釈)

(1)保釈とは?

保釈とは、保釈保証金(いわゆる保釈金)の納付を条件として住居等の制限のもとに被告人の身体拘束を解く釈放制度です。

起訴後に身体拘束を解放する方法として最も重要な手段といえます。

保釈請求は検察官による起訴の前には行うことはできません。

保釈の多くは、弁護人弁護士からの請求によってなされ、弁護士が裁判所や裁判官に保釈を請求する手続きをして、それが認められれば保釈金を納付して釈放されることになります。

 

(2)保釈保証金はいくらぐらい用意するの?

一般の刑事事件であれば、200万円前後となることが多いですが、事件によっては500万円を超える場合もあります。

中には、経済的ご事情で保釈保証金を用意できないご家庭もあるかと思います。

そのような場合、保釈保証金を立替えてくれる団体や弁護士協同組合がありますのでこの制度を利用するのも一考です。

但し、一定の手数料・負担金及び弁護士協同組合を利用する場合にはご収入の要件等が課されます。

なお、保釈金は、被告人が証拠隠滅などをせずにきちんと裁判に出頭していれば、裁判終了後に返却されます。

保釈についてご不安な点がありましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

 

(3)保釈のメリットは?

釈放の個所で述べたメリットと同じく

  1. 逮捕されたことが周りの人に知られずにすむことが多い
  2. 会社や学校を辞めずにすむ可能性がある
  3. 事件解決や裁判に向けた十分な準備ができる

ことが挙げられます。

 

4.保釈の流れ

保釈してほしい

 

5.保釈が認められるには?

(1)保釈が認められるかどうかの判断期間

保釈請求から保釈許否の判断が出るまでの期間は、一般的に2~3日です。

土日をはさむ場合は4~5日かかることもあります。

 

(2) 保釈が認められるための条件

保釈が認められるためには、

・被告人が証拠隠滅をする危険がないこと
・被告人が被害者や事件関係者及びその親族などに接触する危険がないこと
・被告人が逃亡する危険がないこと

の3点を説得的に主張することが特に重要です。

また、保釈を勝ち取るために、被告人の身元を引受ける身元引受人の存在も重要です。

 

(3)保釈の条件

刑事訴訟法では、裁判所は保釈を認めるにあたって、保釈条件を付することができると規定されています。

例えば、住む場所が指定されたり、被害者の方との接触が禁止されたりすること等があげられます。

 

(4)保釈の種類

保釈には、権利保釈、裁量保釈、職権保釈の3種類があります。

(権利保釈)

刑事訴訟法89条により、被告人が以下の6つの事由(権利保釈除外事由)のいずれにも当たらない場合に、裁判所が保釈を認めなければならない場合です。

  1. 死刑、無期、短期1年以上の懲役刑や禁固刑に当たる罪を犯したものであるとき
  2. 以前に死刑、無期、長期10年を超える懲役刑や禁固刑に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき
  3. 常習として長期3年以上の懲役刑や禁固刑に当たる罪を犯したものであるとき
  4. 罪証隠滅のおそれがあるとき
  5. 被害者やその事件の関係者や親族の身体もしくは財産に害を加えまたはこれらの者を畏怖させる行為をするおそれがあるとき
  6. 被告人の氏名または住所がわからないとき

 

(裁量保釈)

上記の6つの権利保釈除外事由のいずれかに当たる場合でも、裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅する恐れの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができます(改正刑事訴訟法90条)。

 

(職権保釈)
被告人の勾留が不当に長くなった時に、裁判所が請求または職権で保釈を認める場合です。

 

6.保釈請求がみとめられない場合、どのような手段があるの?

(1)再度の保釈請求

保釈請求の回数に制限はありません。

時期をみて再度、保釈請求を試みることはとても有益な手段です。

例えば、共犯者が逃走していたため保釈請求が却下されたが、共犯者が逮捕された場合や、被害者との接触の虞を理由に保釈請求が却下されたが、ご家族の協力を得て引越しをした場合等が考えられます。

 

(2)準抗告・特別抗告

裁判官の保釈却下決定に不満があるとして不服を申し立てる方法です。ただし、ハードルは非常に高いです。

 

7.保釈が取り消されることはあるの?

下記の場合に保釈が取り消される可能性があります。

  1. 召喚を受け正当な理由なく出頭しないとき
  2. 逃亡し、または逃亡の疑いに相当な理由があるとき
  3. 罪証を隠滅し、または罪証隠滅の疑いに相当な理由があるとき
  4. 被害者その他事件の審判に必要な知識を有する者もしくはその親族の身体・財産に害を加えもしくは加えようとし、またはこれらの者を畏怖させる行為をしたとき
  5. 住居の制限その他裁判所の定めた条件に違反したとき

また、その際には、同時に保釈保証金の全部または一部が没取される可能性があります。

そして、保釈が取り消す決定があると、被告人は刑事施設に収容されます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件を専門に取り扱う弁護士が、直接「無料相談」を行います。

被疑者が逮捕された事件の場合、最短当日に、弁護士が直接本人のところへ接見に行く「初回接見サービス」もご提供しています。

 

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