子どもが強盗未遂事件で逮捕されたら

2020-08-20

子どもが強盗未遂事件で逮捕されたら

子どもが強盗未遂事件逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

17歳の高校生Aさんは、小遣い欲しさに高齢者から金品を奪い取ることを思いつきました。
Aさんは、京都府亀岡市にある商業施設で買い物をしていた80歳の女性Vさんの鞄を奪い取ろうとしました。
しかし、Aさんの予想よりもVさんが抵抗したためAさんは鞄を奪い取ることができず、そうしているうちにVさんの声を聞いて人が集まってきたため、Aさんはその場から逃げ出しました。
その後、通報を受けて捜査を開始した京都府亀岡警察署の警察官により、Aさんは強盗未遂罪逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、子どもが強盗未遂事件を起こして逮捕されたと聞いてどうしてよいか分からなくなり、少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(※令和2年8月10日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・強盗未遂罪

強盗罪というと、凶器などを手に家や店舗に押し入って金品を脅し取るような、いわゆる押し入り強盗がイメージされやすいです。
しかし、今回のAさんのケースのように、凶器を用いないケースや、家や店舗に押し入らないケースでも強盗罪は成立する可能性があります。
刑法の条文では、強盗罪は以下の条件に当てはまる場合に成立するとされています。

刑法第236条
第1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
第2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

金品を奪い取るような強盗事件の場合、刑法第236条第1項に該当する強盗罪が成立することになり、多くの強盗事件でこの条文に当てはまる強盗罪が成立することになります。

強盗罪が成立するには、他人の財物を奪う手段として暴行や脅迫を用いている必要があります。
この時用いられる暴行や脅迫は、相手の反抗を抑圧する程度の強さが必要とされています。
つまり、相手が反抗できないほどの強さで暴行や脅迫をして金品を奪うことで強盗罪が成立するということになります。
ですから、たとえ凶器を使用していなかったとしても、例えば相手の手足を押さえつけるなどして相手の反抗を押さえつけて金品を奪えば強盗罪となるのです。
そして、注意しなければいけないのは、例えば最初はひったくりや置き引きのような形で相手の財物を奪おうと考えていたとしても、被害者が抵抗したことに対抗してその抵抗を押さえつけて財物を奪い取れば、強盗罪が成立してしまうということです。
今回のAさんはどのような態様でVさんの鞄を奪い取ろうとしたのかは定かではありませんが、Vさんの抵抗を押さえつけるような形で脅迫や暴行を用いていたのであれば、強盗罪強盗未遂罪の成立が考えられます。

また、今回のAさんは、強盗罪の実行に着手しているものの、結果としてVさんの鞄=財物を奪い取るまでには至っていません。
ですから、Aさんには強盗未遂罪(刑法第243条)が成立すると考えられるのです。

・子どもが強盗未遂事件で逮捕されてしまったら

Aさんは20歳未満であることから、この強盗未遂事件少年事件として扱われることになります。
少年事件では、基本的に刑罰を受けることはありません。
少年の更生のための「保護処分」という処分を受けることが基本的な少年事件の終局処分です。
しかし、少年が少年事件を起こしてしまった環境などによっては、保護処分ではなく刑罰を受けさせる刑事手続きに移す、いわゆる「逆送」が行われることも考えられます。
「逆送」された少年事件は、成人の刑事事件のように起訴か不起訴か判断され、起訴されれば有罪・無罪を裁判で決められることになります。
有罪となれば刑罰を受けることになり、刑務所に行くことも考えられます。

「逆送」されずに少年事件の手続きによって処理されることとなったとしても、強盗未遂罪のような重大な犯罪を起こしてしまった場合、現在の環境に大きな問題があると判断され、その環境から切り離して更生を目指すことが適切=少年院送致などの施設送致という処分が下されることも考えられます。
当然、少年院送致も少年の更生を目指す「保護処分」であることから、少年のためにならない処分というわけではありません。
しかし、少年院に入ってしまえば、その期間社会から遠ざかってしまうことも否定できません。
スムーズな社会復帰のためにも、少年院送致を避けたいと考えるご家族も少なくありません。

このように、強盗事件強盗未遂事件は「逆送」の有無にかかわらず少年やその家族にとって大きな影響を及ぼす処分が下されることが考えられます。
だからこそ、強盗事件強盗未遂事件で子どもが逮捕されてしまったら、早期にできる弁護活動・付添人活動を始めることが求められるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件少年事件専門の弁護士が、逮捕直後から少年審判や刑事裁判までフルサポートを行います。
強盗事件強盗未遂事件子どもが逮捕されてしまったら、お気軽にご相談ください。