Archive for the ‘少年事件’ Category

少年によるDV事件

2021-09-20

少年によるDV事件

少年によるDV事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

〜事例〜

Aさんは、京都市上京区に住んでいる17歳の男子高校生です。
Aさんは、母親と兄弟と一緒に生活していましたが、気にくわないことがあると日常的に母親に対して暴力をふるっていました。
ある日、Aさん宅から激しい物音を聞いて不審に思った隣人が通報したことで、Aさんは暴行罪の容疑で京都府上京警察署逮捕されてしまいました。
Aさん逮捕の連絡を聞いたAさんの祖父母は、家庭内のトラブルが警察沙汰になったことに驚くと同時に、今後どのように対応すべきなのか分からず、困ってしまいました。
そこでAさんの祖父母は、京都府少年事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・DVと少年事件

DVとは、「domestic violence」の略であり、いわゆる家庭内暴力のことを指します。
DVというと、親が子どもに対して暴力を振るうなどするケースが思い浮かびやすいですが、あくまで「家庭内」の暴力であることから、大人が子どもに対して行うものと限定されているわけではありません。
今回の事例のAさんのように、子どもから親への暴力、子どもから大人に対して行うDVも存在します。

令和2年版犯罪白書によると、少年によるDVの認知件数は、平成24年から毎年増加しており、令和元年に認知された少年によるDVは3,596件だったそうです。
令和元年に認知されたDVを就学・就労別に見ると、一番多いのは中学生によるDV(1,525件)であり、その次に高校生(1,082件)、小学生(631件)となります。
特に近年は小学生によるDVが大きく増加しており、前年度に比較して40%も増加しているという数値が出ています。
そして、家庭内暴力の対象としては(同居の家族に限る)、母親が2,187件と最も多く、次いで父親が403件、兄弟姉妹が329件となっています。
さらに、家財道具等に暴力を振るうケースも465件認知されています。
こうした数値を見ると、子どもによるDVは少ないものではないということが分かりますし、近年では小学生という低年齢の子どもによるDV事案も少なくない数があるということが分かります。

DV事件、特に子どもによるDV事件では、「家庭内のトラブルだから大事にはならない」「子どもが反抗しているだけで大したことではない」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、人に暴力を振るう行為は刑法の暴行罪(刑法第208条)に、暴力によって人に怪我をさせれば傷害罪(刑法第204条)となります。
その他にも、DVの態様によっては、器物損壊罪や侮辱罪、名誉毀損罪など、様々な犯罪に触れる可能性があります。
家庭内で起こったこととはいえ、犯罪になることであれば刑事事件少年事件となりうることであり、警察などの捜査機関や裁判所が絡む話になってくるのです。

今回のAさんのような未成年者の起こした少年事件では、少年のその後、更正できる環境を整えることが重要です。
DV事件のように生活の拠点である家庭で起きた少年事件では、特にその環境調整活動に力を入れる必要がありますが、家族が当事者となるため、なかなか当事者だけで今までの問題を解決し環境を改善することは難しいことも多いです。
だからこそ、少年事件を取り扱う専門家の弁護士のフォローを受けながら手続きに臨んでいくことが望ましいと考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、子どもによるDV事件についてもご相談・ご依頼を承っています。
京都府少年事件にお困りの際は、お気軽にご相談ください。

半グレ同士の喧嘩で傷害事件

2021-09-13

半グレ同士の喧嘩で傷害事件

半グレ同士の喧嘩で傷害事件を起こしてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都府木津川市に住む18歳のAさんは、自身の通う高校の卒業生であり、素行のよくないBさんらが組織する、いわゆる半グレ集団に所属していました。
Aさんは半グレの仲間たちとたびたび夜間に外出したり学校をさぼったりしていました。
ある日、京都府木津川市内で、Aさんが所属している半グレグループとは異なる半グレグループXと喧嘩になってしまい、AさんはBさんらと一緒になって半グレグループXに所属している人たちを殴ったり蹴ったりして暴行し、怪我を負わせてしまいました。
喧嘩を目撃した人が通報したことにより、Aさんは半グレの仲間たちと一緒に京都府木津警察署に傷害罪の容疑で逮捕されることになりました。
Aさんは自身が逮捕されるほどの大事を起こしてしまったことに動揺し、両親が逮捕を知って悲しんでいることを知って、半グレから抜けて更生したいと思っているようです。
(※この事例はフィクションです。)

・「半グレ」とは?

ニュースなどで「半グレ」「半グレ集団」といった言葉を耳にしたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
半グレは、暴力団に所属せずに犯罪を繰り返す不良集団のことを指しているとされています。
半グレの「グレ」は、不良などになることを指す「グレる」という言葉や、暴力団に所属していないながらも犯罪を繰り返すことから「グレーゾーン」であることなどによるとされています。

この半グレは、暴力団とは異なりその構成は若者が中心となっているといわれています。
暴力団のように上下関係がはっきりしてピラミッドのように組織が作られているわけではなく、暴走族等からそのまま半グレに移行したり、年代でまとまったりして半グレになったりということもあるようです。
そのため、先輩後輩関係から10代で半グレ集団と関わってしまうこともあると考えられるのです。

・喧嘩による傷害事件

多くの場合、人に暴力をふるえば刑法の暴行罪が、それによって相手に怪我をさせてしまえば傷害罪が成立します。
殴る蹴るの喧嘩となった場合、これらの犯罪の成立が考えられます。

刑法204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法208条(暴行罪)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

今回のAさんは18歳であるため、少年事件として扱われ、基本的に刑罰を受けることにはならないと考えられます。
しかし、成人の刑事事件として考えれば、集団で暴行をはたらいたことによる傷害事件は悪質性・危険性の高い犯行であると判断され、厳しい処分が下される可能性も考えられます。

・半グレと少年事件

先ほど触れたように、半グレの構成は若者が多いことから、10代の未成年者であっても半グレに所属してしまう可能性はあります。
Aさんも半グレに所属しており、そこで傷害事件を起こしてしまっているようです。

先述したように、未成年者が犯罪をしてしまった場合には、少年事件として処理されていくことになります。
少年事件で重視されるのは、少年自身が更生するのに適切な環境が整えられるのか否かということです。
例えば、半グレに所属して少年事件を起こしてしまったのに、その半グレとの関係を断ち切れない、断ち切る気がないといった環境のままでは、少年を現在の環境に戻して更生させることは難しいと判断されてしまいやすいと考えられます。

今回のAさんのような少年事件では、Aさん自身がやってしまったことを反省し、被害者への謝罪の気持ちをもつことはもちろんですが、これからの生活でどのような点を改めて再犯を防止していくのかということも重要なのです。

そうした環境の調整やその調整活動の証拠化には、少年事件に強い弁護士のサポートが心強いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、少年事件も専門に扱う弁護士が初回無料法律相談や初回接見サービスも行っておりますので、まずはお問い合わせください(0120-631-881)。

触法少年と児童相談所

2021-08-26

触法少年と児童相談所

触法少年児童相談所について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都府八幡市の中学校に通う12歳のAさんは、ある日、近所に住んでいる女性Vさんに注意されたことをきっかけにVさんと口論になりました。
そして、AさんはVさんに対して暴行を加え、Vさんに全治1ヶ月の大けがを負わせてしまいました。
その様子を目撃した通行人が京都府八幡警察署に通報たことで、京都府八幡警察署の警察官が現場へ駆け付け、Aさんを要保護児童として一時保護し、児童相談所に通告することにしました。
京都府八幡警察署からの連絡でAさんが児童相談所に保護されたことを知ったAさんの家族は、少年事件を取り扱っている弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・触法少年事件と一時保護

14歳未満の少年が犯罪に該当する行為を行った場合、触法少年事件と呼ばれ、その少年のことは触法少年と呼ばれます。
刑法では、14歳未満の者について刑事責任能力をないものとし、罰しないとしています。

刑法第41条
14歳に満たない者の行為は、罰しない。

そのため、14歳未満の少年が犯罪に該当する行為をした場合、つまり、触法少年事件の場合、触法少年が逮捕されることはありません。
つまり、14歳未満の少年が犯罪に該当する行為をしたとしても、刑法上14歳未満は刑事責任能力がないとされてることからそもそも犯罪が成立しないため、逮捕できないのです。

では、触法少年少年事件を起こしても全く身体拘束を受けることがないのかというと、そうではありません。
児童福祉法では、児童相談所長が必要と認める時には「一時保護」を行う、または行わせることができるとされています。

児童福祉法第33条第1項
児童相談所長は、必要があると認めるときは、第26条第1項の措置を採るに至るまで、児童の安全を迅速に確保し適切な保護を図るため、又は児童の心身の状況、その置かれている環境その他の状況を把握するため、児童の一時保護を行い、又は適当な者に委託して、当該一時保護を行わせることができる。

このうち、「第26条第1項の措置」とは、児童やその保護者を福祉施設へ送致する等の措置を指します。

上記事例のAさんも、要保護児童(保護の必要がある児童)として一時保護されています。
一時保護は原則として保護者や子ども自身の同意が必要ですが、子どもを放置することでその子どもの福祉を害すると判断された場合はその限りでないとされています(児童相談所運営指針より)。

・児童相談所への通告

先ほど挙げたように、刑法第41条の規定により、14歳未満の者が犯罪に該当する行為をしても犯罪は成立しない(罰せられない)ということになります。
しかし、刑法上犯罪が成立しない(罰せられない)からといって、少年事件を起こした触法少年に対して何の手続きも処分もなく少年事件が終わるということではありません。

少年法では、触法少年について、警察官の調査の結果、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」、「死刑又は無期若しくは短期2年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪」に触れると考えられるときや、「家庭裁判所の審判に付することが適当であると思料するとき」に、児童相談所長に事件を送致しなければならないとされています。

少年法第6条の6第1項
警察官は、調査の結果、次の各号のいずれかに該当するときは、当該調査に係る書類とともに事件を児童相談所長に送致しなければならない。
第1号 第3条第1項第2号に掲げる少年に係る事件について、その少年の行為が次に掲げる罪に係る刑罰法令に触れるものであると思料するとき。
イ 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪
ロ イに掲げるもののほか、死刑又は無期若しくは短期2年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪
二 前号に掲げるもののほか、第3条第1項第2号に掲げる少年に係る事件について、家庭裁判所の審判に付することが適当であると思料するとき。

さらに、児童福祉法では、要保護児童を発見した者は、児童相談所へ通告しなければならないとされています。

児童福祉法第25条第1項
要保護児童を発見した者は、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。
ただし、罪を犯した満14歳以上の児童については、この限りでない。
この場合においては、これを家庭裁判所に通告しなければならない。

この児童相談所への通告を要する要保護児童とは、「保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童」(児童福祉法第6条の2第8項)とされています。
この要保護児童の定義には、不良行為や犯罪行為をしたり、そういった行為をするおそれのある児童を含みますから、触法少年も要保護児童に該当するケースが多いのです。

そして、この児童相談所への通告や送致がなされると、そこから、触法少年に対してどのような処遇がなされるのか決定されます。
具体的には、訓戒を与えたり、児童自立支援施設等に入所させたり、家庭裁判所に送致して審判を受けたりという処遇が挙げられます。
このうち、家庭裁判所へ送致されて審判を受けるということになれば、それまでの期間に家庭裁判所調査官からの調査を受け、少年事件を起こしてしまった原因や今後少年が再犯をせずに更生するために必要なことを専門的に探っていくことになります。
その後、少年の更生に適切であると考えられる処分、例えば少年院や児童自立支援施設への送致や保護観察処分などが下されることになります。

少年事件では、少年の更生により適切な環境・処分となるよう、少年自身だけでなく少年の周りの環境も整えていく必要があります。
この環境調整活動は、当事者のみで行うよりも専門家のサポートを受けて行っていくことでより効果的なものになると考えられます。
さらに、今回のAさんの事例のように、被害者が存在する少年事件では被害者対応も必要となってくるでしょうから、まずは少年事件を取り扱っている弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、触法少年事件を含む少年事件・刑事事件を取り扱っています
少年事件は成人の刑事事件とは異なる手続きや処分があることでイメージしづらい部分も多いですが、触法少年事件となるとより一般の方に分かりづらくなってしまうおそれもあります。
まずは弁護士の話を聞くだけでも少年事件の全体像を把握しながら手続きに臨むことが期待できますから、お気軽にご相談ください。

逮捕されていない少年事件も弁護士へ

2021-08-16

逮捕されていない少年事件も弁護士へ

逮捕されていない少年事件を弁護士に相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市南区の中学校に通っている中学3年生のAくん(15歳)は、ある日、出かけた先の京都市南区にある商業施設内の階段で、前を歩いていた女性Vさんのスカートの中をスマートフォンで盗撮してしまいました。
盗撮行為の目撃者が通報したことで、Aくんは駆け付けた京都府南警察署の警察官に任意同行されることになりました。
しかし、Aくんは逮捕されることなくその日のうちに帰宅を許され、後日また京都府南警察署に呼び出されて取調べを受けることになりました。
Aくんの両親は、逮捕されないのであれば大事にはならないのではないかと思っていましたが、少年事件は通常の刑事事件と異なる手続きであるということを知り、不安を感じて弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・逮捕されていない=弁護士は不要?

上記事例のAくんは、盗撮をした疑いで京都府南警察署に任意同行され、逮捕されることなく帰宅を許されています。
このような場合、今後は取調べのために何度か警察署に呼び出される、いわゆる在宅事件として捜査が進むことになるでしょう。
事例のAくんも、後日京都府南警察署で取調べを受けることになっているようです。

こうした、逮捕されずに手続きが進んでいく在宅事件の場合、「大事になっている」という感覚はわきにくいかもしれません。
逮捕されてしまえば、身体拘束によって家族とも会えなくなりますし、学校や職場にも通えなくなりますから、すぐにでも釈放をしてほしいと考える方が多く、弁護士のサポートが早急に必要であると考える方が多いでしょう。
ですが、逮捕されていない在宅事件では、通常通り自宅で生活することができますし、取調べのない日は職場や学校に通うことができますから、なかなか緊急性が高いようには見えず、弁護士に弁護活動を頼むほどのことではないのではないか、と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、逮捕されていない在宅事件においても、弁護士の役割は非常に大きいものなのです。

例えば、今回のAくんの事例を考えてみましょう。
Aくんは中学3年生の未成年ですから、Aさんの両親が聞いた話のとおり、成人の刑事事件とは異なる少年事件として手続きが進んでいくでしょう。
少年事件の場合、たとえ捜査段階で逮捕されずに在宅事件として進められていたとしても、事件が家庭裁判所に送致された後、観護措置という措置が取られれば、少年は一定期間(平均的には4週間程度)、鑑別所に収容されることとなってしまいます。
そうなれば、学校へ行けなかったり、就業先に行けなかったりといった不都合が出てくることはもちろん、少年本人や家族にも負担がかかってしまうことになりかねません。

さらに、家庭裁判所へ送致されるまでの取調べ等の手続きは、成人の刑事事件とほとんど同様の手続きによって行われます。
たとえ未成年でも、被疑者として1人で取調べに臨まなければならないのです。
未成熟な少年が、捜査官相手にきちんと主張したいことを貫けるかどうか、という問題も出てきます。
かけられている容疑が冤罪であった場合はもちろん、そうでなくとも目的や手段、実際にやったこと等を自分の認識通り話せるかどうかによって、処分にも大きな影響が出てしまう可能性があります。

また、今回の事例のAくんのような盗撮事件では、被害者の方への謝罪や賠償をしていくことも考えられるでしょう。
盗撮事件においては、被害者の方は見ず知らずの方であることも多いです。
そうした中で謝罪や賠償を行っていくには、まずは被害者の方と連絡を取るために連絡先を教えてもらわなければなりませんが、通常、捜査機関は盗撮をした当事者に直接被害者の連絡先を教えることはしません。
盗撮された被害者としては、当然加害者側に対して処罰感情や恐怖を感じていることも多いためです。
そうすると、被害者に対して自分たちだけで謝罪や弁償をするということは難しくなってしまいます。

そして、少年事件の場合、終局処分は家庭裁判所が少年の更生にとって適切な処分を判断することで決まります。
少年の更生にとってよい環境を自分たちで作れているかどうかという点は、この判断の際に重視されることの1つです。
そのためには、少年の更生のためにどういったことが必要なのか、現在の環境からどこをどう変えるべきなのか適切に把握し、行動する必要があります。

このように、たとえ逮捕をされていなくとも、刑事事件・少年事件の専門的知識が必要な活動は多く存在します。
特に、少年事件の場合は、前述のように家庭裁判所に事件が送致されてからも身体拘束のリスクがある上に、終局処分での判断が少年の更生に適切かどうかという点で考えられることから、逮捕されていないから軽く済むに決まっている、ということはありません。
まずは専門家の話を聞いてみるというところから、刑事事件・少年事件を把握してみることをおすすめします。

京都府の少年事件でお困りの際は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士まで、ご相談ください。
弊所の弁護士は、盗撮事件などの性犯罪から、傷害事件などの暴力犯罪、万引きなどの財産犯罪まで、幅広く活動しています。
初回無料法律相談もございますので、逮捕されていない在宅事件の少年事件を起こしてしまったという方もお気軽にご相談ください。

未成年の大麻取締法違反事件

2021-04-08

未成年の大麻取締法違反事件

未成年大麻取締法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都市下京区に住む中学生です。
Aさんは、大麻について興味を持っており、SNSを通じて大麻を購入し、自分の部屋に購入した大麻を保管していました。
大麻を購入してしばらくした頃、Aさんに大麻を販売した売人が京都府下京警察署の捜査によって摘発され、購入履歴からAさんの自宅にも京都府下京警察署が家宅捜索に訪れました。
家宅捜索によってAさんの部屋から大麻が発見され、Aさんは大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、まさか中学生であるAさんが違法薬物を所持していたとは思いもよらず、突然の逮捕に困り果ててしまいました。
そこでAさんの家族は、とにかく専門家の力を頼ろうと、京都府の逮捕や少年事件に対応している弁護士に接見を依頼し、詳しい話を聞いてみることにしました。
(※令和3年3月1日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・未成年の大麻所持事件

多くの方がご存知のように、大麻は所持しているだけでも犯罪となる違法薬物です。
以下のように、大麻取締法では原則として大麻の所持を禁止しており、大麻を所持することは大麻取締法違反となります。

大麻取締法第24条の2第1項
大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。

Aさんの家族が考えていたように、大麻のような違法薬物は簡単には手に入れられないだろう、未成年が大麻を所持することはできないだろうというイメージもあるでしょうが、実際には未成年による大麻所持事件は起きています。

法務省による令和2年版犯罪白書によると、令和元年に大麻取締法大麻に関連した麻薬特例法違反で検挙された20歳未満の者は609人とされています。
大麻に関連して検挙される未成年は平成26年から年々増加傾向にあり、令和元年は前年よりも42パーセント増加しているとのことでした。
さらに、大麻取締法違反で検挙された者で事件当時就学していた247人(20歳以上の者も含む)を就学状況別に見ると、大学生132人、高校生109人、中学生6人という内訳であったそうです。
これを見れば、たとえ「未成年だから」「まだ中学生/高校生だから」といって大麻取締法違反事件とかかわらないとは言えないということがお分かりいただけると思います。

それでも、「不良集団とかかわっていなければ大麻などの違法薬物に関わる機会もない」と思う方もいらっしゃるでしょう。
ですが、先ほど挙げた令和2年版犯罪白書によると、令和元年に大麻取締法違反により鑑別所に入った少年441人のうち、57.1パーセントは暴力団や暴走族、地域的不良集団などの不良集団とのかかわりはない少年たちだったそうです。
つまり、普段から素行のよくないグループとつるんでいなくとも、大麻取締法違反事件に関わってしまう可能性もあるのです。
未成年による大麻取締法違反事件は件数が非常に多いというわけではありませんが、全くかかわりのない話でもないということがお分かりいただけたのではないでしょうか。

・未成年の大麻取締法違反事件と弁護士

では、実際に自分の子供が大麻取締法違反事件に関わってしまったらどうすべきかというと、まずは弁護士に相談し、迅速に弁護活動・付添人活動に取りかかってもらうことをおすすめします。

令和2年版犯罪白書では、鑑別所に入った少年451人の終局処分の内訳が、少年院送致が47.5%、保護観察が30.2%、検察官送致(年齢超過含む)が1.8%、不処分・審判不開始が0.7パーセント、未決が20パーセントとなっています。
当然少年が鑑別所に入らずに終局処分まで進む少年事件もあるため、未成年による大麻取締法違反事件全てを含めての処分結果ではありませんが、それでも少年院送致が半数程度を占めていることからも、大麻取締法違反事件が重く考えられていることが分かります。
だからこそ、少年事件刑事事件に詳しい弁護士のサポートを受けながら、適切な処分を目指していくことが有効と考えられるのです。

さらに、令和2年版犯罪白書によれば、令和元年に大麻取締法違反で検挙された20歳未満の者609人のうち、59人は以前大麻取締法違反で検挙されたことがあり、再度大麻取締法違反で再非行をした少年だとされています。
約10パーセントの少年が同じ犯罪を繰り返してしまっていることからも、再犯防止の対策を具体的に立てた上で実行していく必要があることが分かります。
少年事件では、少年が更生するために適切な環境を用意することが非常に重要ですから、そういった意味でも再犯防止策に取り組むことは大切です。
ただし、当事者だけではなかなか取り組みづらいということも事実ですから、専門家である弁護士にアドバイスをもらいながら取り組んでいくことが望ましいといえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、大麻取締法違反のような薬物事件にも対応しています。
成人の刑事事件だけでなく、少年事件にも数多く対応している弁護士だからこそ、少年事件の始まりから終わりまで丁寧なサポートが可能です。
まずはお気軽にご相談ください。

学校内の盗撮事件を弁護士に相談

2021-03-25

学校内の盗撮事件を弁護士に相談

学校内盗撮事件弁護士に相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都市東山区内にある高校に通う高校1年生です。
Aさんは、インターネット上で盗撮された画像や映像を見るうちに、自分でも盗撮をしてみたいと思うようになり、自分の通っている学校内にある教室、更衣室やトイレに度々小型のカメラを仕掛けては盗撮するようになりました。
しかしある日、Aさんが仕掛けたカメラを女子生徒が発見したことから学校内盗撮事件が発覚。
被害の届け出を受けた京都府東山警察署が捜査をすることになりました。
捜査の結果、Aさんが盗撮行為をしていたことが判明し、Aさんは京都府東山警察署に取調べのために呼び出されることになりました。
Aさんの両親は、まさか自分の子供が通っている学校で盗撮事件を起こすとは思ってもおらず、今後どうしたらよいのか分かりません。
そこでAさんの両親は、Aさんと一緒に、少年事件に対応している弁護士に今後について相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・学校内の盗撮事件

今回のAさんは、自分の通う高校の教室や更衣室、トイレにカメラを仕掛け、盗撮していたようです。
こうした行為は、京都府の迷惑防止条例(「京都府迷惑行為等防止条例」)で禁止されている行為です。

京都府迷惑防止条例第3条
第2項 何人も、公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物にいる他人に対し、前項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 通常着衣等で覆われている他人の下着等を撮影すること。
第3項 何人も、住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる他人に対し、第1項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 当該状態にある他人の姿態を撮影すること。

「前項に規定する方法」とは、京都府迷惑防止条例第3条第1項にある「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」のことを指します。
一般的な盗撮事件の場合、下着姿や裸の姿を盗撮するという方法自体が「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」であることが多いと言えるでしょう。

そして、京都府迷惑防止条例の第3条で禁止している盗撮行為は、盗撮が行われた場所が「公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物」(第2項)であることや「住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」(第3項)であることに限定されています。
今回のAさんの事例では、学校内の更衣室やトイレが盗撮が行われた場所となっていますが、それぞれ「教室」「更衣室、便所」という京都府迷惑防止条例が帰省している場所に当てはまります。
そのため、Aさんの盗撮行為は京都府迷惑防止条例違反にあたると考えられるのです。

なお、もしもAさんが仕掛けたカメラが仮に撮影できていなかったとしても、京都府では盗撮目的でカメラを仕掛けること自体も迷惑防止条例で禁止されていますから、たとえ盗撮が出来ていなかった場合でもAさんの行為は京都府迷惑防止条例違反となります。

京都府迷惑防止条例第3条第4項
何人も、第1項に規定する方法で第2項に規定する場所若しくは乗物にいる他人の着衣等で覆われている下着等又は前項に規定する場所にいる着衣の全部若しくは一部を着けない状態にある他人の姿態を撮影しようとして、みだりに撮影機器を設置してはならない。

・学校内の盗撮事件を起こしてしまったら

今回のAさんは未成年であることから、刑罰を受けることは原則ありません。
しかし、場合によっては被害者との接触を考慮され逮捕されてしまう可能性もあります。
さらに、学校内盗撮事件を起こしてしまったということから、学校から何かしらの処分を下されることも考えられます。
刑事手続きの面でも、今後の学校への対応の面でも、少年事件だから、学校内の出来事だからといって放置することは望ましくありません。

弁護士に相談・依頼することで、逮捕・勾留されている場合の身体解放活動や取調べへのアドバイスをしてもらったり、学校への対応やそのサポートをしてもらったりすることが期待できます。
もちろん、被害者の方やその保護者の方への謝罪や示談交渉も、弁護士を間にはさむことで円滑に行うことが期待できますから、まずは少年事件に対応している弁護士に相談してみることがおすすめです。

たとえ学校内の出来事であっても、法律に違反すれば当然刑事事件少年事件として捜査・立件されうることになります。
「子供のやったことだから」「学校内のことだから」と軽視せず、まずは専門家に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、少年事件も取り扱っている弁護士初回無料法律相談を受け付けています。
逮捕・勾留されている事件向けのサービスもございますので、まずは遠慮なくご相談ください。

子どもの痴漢事件を弁護士に相談

2021-01-14

子どもの痴漢事件を弁護士に相談

子どもの痴漢事件弁護士に相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都府八幡市に住んでいるBさんは、会社員である夫のCさんと高校生になる息子のBさんと3人で生活しています。
ある日、Bさんのもとに京都府八幡警察署の警察官から連絡があり、「Bさんが京都府八幡市内の駅で痴漢事件を起こしたということで京都府八幡警察署で取調べをしている。親御さんが迎えに来てくれるのであれば今日は家に帰ってもらう」と言われました。
Bさんはまさか自分の子どもが警察のお世話になるとは思ってもおらず、急いで京都府八幡警察署に向かったところ、Aさんと一緒に帰宅するよう伝えられました。
しかし、そこで警察官から「次回の取調べはまた連絡する」と伝えられ、さらにAさんとも事件について詳しく話すことができなかったBさんは今後の対応に不安を抱き、少年事件を取り扱う弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・子どもが痴漢事件を起こしてしまったら

今回のBさんのように、子どもが痴漢事件を起こしてしまい、突然警察署から連絡が来たというケースは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる少年事件のご相談の中でも少なくありません。
親御さんからしてみれば、突然子どもが事件を起こしたということで、混乱されることも多いです。
子どもが本当に痴漢事件を起こしたのか信じられない思いの方もいらっしゃるでしょう。

しかし、実際に子どもの立場からすれば、自分が犯罪にあたる行為をしてしまったことは親には言いづらいことです。
特に、今回のAさんが起こしてしまったとされる痴漢事件のような性犯罪の場合、多感な時期の少年が自分の性癖等に関わることを親に言うということはハードルが高いことです。
そのため、本当は痴漢行為をしてしまっているのに親だけには自分はやっていないと否認してしまったり、親と痴漢事件について詳しく話し合えなかったりするケースも存在します。

ですが、少年事件の終局処分は、少年の更生にどういった処分が適切かといった点を重視して決定されます。
少年自身や少年の周囲の家族が、起こしてしまった痴漢事件に向き合えていないと判断されれば、その環境のままでいることは少年の更生に適切ではないと判断されてしまう可能性が出てくるのです。
例えば、少年院送致などの施設に送致する処分によって、現在の環境から切り離して更生を目指す処分なども考えられるとなってくるのです。

社会内での更生を目指すのであれば、まずは家庭内や学校内での生活を整え、さらに少年自身の内省を深める、ご家族など周囲の方と事件に向き合って再犯防止のための策を考え構築する、といった活動が重要となってきます。
そういった活動をするためには、やはり少年自身と少年の周囲の方がきちんと事件自体に向き合い、なぜ少年事件を起こすに至ったか、少年事件を起こしてしまうことで被害者や周囲の人にどういった影響を与えてしまうのか、どうすれば繰り返さずに済むか等を考え話し合うことも重要なこととなります。

それでも、先ほど触れたように少年事件を起こしてしまった子ども自身からすると、家族に事件の話をすることのハードルは高いため、少年事件に対応している弁護士の力を借りることをおすすめします。
弁護士という第三者かつ専門家であれば、身内には言いづらいことも相談することができるため、家族には打ち明けづらいことがあっても弁護士には話せるというケースも少なくないのです。
例えば弊所では、痴漢事件などを含む少年事件では、お子さんと親御さんで部屋を分けて事情を聴きとるといった対応を取ることもあります。
少年事件に対応している弁護士であれば、当然少年事件の手続やそのポイントは熟知していますので、お話を聞いたうえで、少年自身へのアドバイスはもちろん、それに基づいた家族へのアドバイス、環境づくりのご提案をしていくことが期待できるのです。

もちろん、疑いをかけられた痴漢事件冤罪である場合にも、弁護士のサポートを受けることがおすすめされます。
少年事件であっても、成人の刑事事件同様、捜査機関による取調べは行われます。
まだ未熟な部分もある少年が1人で臨むには、不安も大きいことでしょう。
弁護士へ相談することで、取調べへの対応の仕方や注意点などを事前にアドバイスしてもらうことができますから、不本意な自白をしてしまうリスクや不安の軽減に期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、「子どもが痴漢事件を起こしてしまった」「少年事件の対応に不安を感じている」という方のご相談も受け付けています。
在宅事件の場合は初回無料で法律相談をご利用いただけるため、お気軽にご相談いただけます。
京都府少年事件痴漢事件にお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

少年事件と試験観察

2020-11-26

少年事件と試験観察

少年事件試験観察について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市東山区に住んでいるAさん(高校1年生)は、近所の高校に通うVさんと喧嘩になり、Vさんに対して全治1ヶ月程度の大けがを負わせてしまいました。
Aさんは、喧嘩を目撃していた通行人の通報で駆け付けた京都府東山警察署の警察官に傷害罪の容疑で逮捕され、京都府東山警察署に留置されることとなりました。
実はAさんは、中学生の時にも喧嘩による傷害事件を起こしており、保護観察処分となったことがありました。
またしても同じ傷害事件を起こしてしまったことから今回は少年院送致となるかもしれないと警察官から聞いたAさんの両親は、どうにかAさんを社会内で更生させることはできないかと考え、京都府少年事件を取扱っている弁護士に相談することにしました。
そこでAさんの両親は、少年事件試験観察について弁護士から詳しい説明を聞きました。
(※この事例はフィクションです。)

・少年事件の終局処分

少年事件では、成人の刑事事件と異なる手続きや処分が取られます。
未成年の者は可塑性、すなわち柔軟性が高く、矯正教育などをすることで更生できる可能性が高いとされているため、少年事件では少年の更生を重視した手続・処分が取られることとなっているのです。

少年事件では、捜査機関が捜査を終了した後は事件は原則として全て家庭裁判所に送られます(全件送致主義)。
これは、少年の更生のためには専門的な立場から少年自身の資質や少年のいる環境について調査することが求められるため、少年事件の専門家がいる家庭裁判所に調査や判断を委ねようというシステムなのです。

少年事件では、基本的にはこの家庭裁判所での調査を経た上で家庭裁判所で開かれる審判を受けることになります。
審判の結果下される処分は、成人の刑事事件で処される刑罰とは異なり、その犯行・非行をしたことへの「罰」というわけではなく、あくまで少年の更生のための処分(保護処分)という扱いです。
例えば、少年院や児童自立支援施設などの施設に送致して今までいた環境から離れて更生を目指す処分(少年院送致・児童自立支援施設送致)や、保護司や保護観察所と定期的に連絡を取りながら社会内で更生を目指す処分(保護観察処分)があります。

少年院送致というと成人の刑事事件でいう刑務所に行くようなものだとイメージされがちですが、前述のようにあくまで保護処分は更生のための処分であるため、刑務所とは性質が異なります。
少年院の中では、生活習慣の矯正や学校で行われるような教育、就業指導・支援など、少年の社会復帰のための活動が行われています。

・試験観察とは?

しかし、少年院送致が少年のための処分であったとしても、少年院に入っている間は社会から切り離されて生活することになります。
一度社会から全く離れてしまうと、少年院から出てきてもなかなかスムーズに社会復帰できないという悩みを抱える方がいることも事実です。
そういったことを避けたいと、少年院送致を回避したい、社会内で更生を目指したいと考える方も少なくありません。

こうした場合に取られる手段の1つとして、試験観察を目指すという活動が挙げられます。
試験観察とは、文字通り、試験的に観察する期間を設ける処分を指します。
試験観察は、審判の場で少年の処分をどういったものにするのかすぐに決められない場合に取られます。
試験観察となった場合、決められた期間を家庭裁判所の観察のもと過ごし、その期間中の少年の生活態度や様子などによって最終的な処分が決められることになります。
この試験観察期間は、少年の自宅で過ごす場合もあれば、民間の協力者や専門施設に指導を委ねてその指定された場所で過ごす場合(補導委託)もあります。

今回のAさんの事例を見てみましょう。
Aさんは以前にも同じような傷害事件を起こして家庭裁判所から保護処分を受けているようです。
すでに社会内でやり直す機会をもらっていたのにまた同じことを繰り返してしまったことから、更生のためには今までの環境と切り離して生活することが必要と判断され、少年院送致となる可能性もあると考えられます。
こうしたことから、少年院送致を避けたいと考えるのであれば、前回よりもより具体的な手段で社会内での更生が可能であることやそのためにAさん本人やその周囲の家族が具体的に行動し続けられることを示していく必要があると考えられます。
ですから、弁護士と共にAさんやその家族で更生のための環境づくりを行うと共に、その成果を家庭裁判所に見て判断をしてもらえるよう試験観察を目指していく活動が有効であると考えられるのです。

ただし、試験観察はあくまでその期間中試験的に少年やその周囲を観察し、その様子によって最終的な処分を決めるものです。
試験観察を目指すことを最終目的としてしまうのではなく、さらにその先も見据えながら、更生できる環境を整えることが重要です。
そのためには、少年事件の専門知識がある弁護士のサポートを受けることが効果的です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、成人の刑事事件だけでなく少年事件の取り扱いも行っております。
京都府の少年事件にお困りの際は、お気軽にご相談ください。

チケット譲渡詐欺事件で逮捕

2020-11-05

チケット譲渡詐欺事件で逮捕

チケット譲渡詐欺事件逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

東京都に住む高校2年生のAさんは、SNSで人気アイドルグループXのコンサートのチケットを譲渡する相手を募集しました。
すると、京都府宮津市に住むVさんがAさんの募集に応えて連絡してきたことから、交渉の結果、AさんはVさんにチケットを譲ることを伝えました。
しかしAさんは実際にはアイドルグループのチケットを持っておらず、元々チケット代金を募集相手からだまし取ろうと考えていたため、Aさんはその考え通りにVさんからチケット代金だけをだまし取りました。
チケットが発送されてこないことを不審に思ったVさんが京都府宮津警察署に相談したことで事件が発覚し、Aさんは京都府宮津警察署詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、自宅から離れたところで逮捕されてしまったAさんのことを心配し、京都ですぐに少年事件逮捕に対応してくれる弁護士に相談をしました。
(※この事例はフィクションです。)

・子どもが逮捕されてしまったケース

今回のように20歳未満の子どもが逮捕された場合、少年事件として扱われ、手続きが進められます。
しかし、少年事件だからといって逮捕されないということはなく、少年事件であっても逮捕の必要があると判断されれば逮捕され身体拘束を受けた上で捜査されることになります。
身体拘束され、家族や友人とも切り離されて1人で捜査を受ける状況は、未成熟である子どもに大きな負担となってしまうことが予想されます。

さらに、チケット譲渡詐欺事件でAさんのようにSNSを利用した手口であった場合、後述のようにチケット譲渡の取引先であった被害者が届け出た警察署によってはお子さんが住んでいる住所とは違う住所地の管轄の警察署が逮捕や捜査を行うことも考えられます。
そうした場合、ご家族もなかなか面会に行けませんし、お子さん自身も強い不安を感じられることでしょう。
だからこそ、チケット譲渡詐欺事件逮捕されたら、少年事件に迅速に対応が可能な弁護士に相談すべきと言えます。

・チケット譲渡詐欺事件の逮捕

昨今、SNSなどで見知らぬ人と気軽にやり取りができてしまうこともあり、チケット譲渡詐欺という手口の詐欺事件が目に付くようになりました。
チケット譲渡詐欺とは、上記事例のAさんのように、実際にはチケットを譲る気はないにもかかわらずアイドルグループのコンサートやバンドのライブ等のチケットを譲渡するように装い、チケット譲渡予定の相手からチケット代金をだまし取る詐欺のことです。

このチケット譲渡詐欺事件は、先述のようにSNSやインターネットを通じて引き起こされることが多いです。
そうなると、詐欺行為の被害者が詐欺行為をしている当事者とは離れた土地に住んでいるというケースも当然起こり得ます。
こうした詐欺事件の場合、被害者が被害を届け出た先の警察署が捜査を行うことが多いため、先ほど触れたように、チケット譲渡詐欺事件を起こした被疑者(今回であればAさん)の住んでいる場所とは離れた場所にある警察署が捜査をしてそこに逮捕・留置されてしまうということも起こり得るのです。

特に今回のAさんのような少年事件の場合、被疑者は未成年であることから逮捕によって日常と全く異なる環境に置かれることで精神的にも不安定となる可能性があります。
さらに住所地と離れた場所で家族の面会も難しいというような状況になれば、その負担はより大きくなってしまうおそれがあります。
そうした負担を軽減するためにも、弁護士が接見に通って様子を見る、家族からの伝言をこまめに伝える、アドバイスを行うといった活動も重要になってくるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、京都支部を含めて、全国に13支部展開しています。
家族がチケット譲渡詐欺事件などで離れた警察署に逮捕されてしまった場合でも、全国に展開しているからこそ迅速な対応が可能です。
逮捕された方向けの初回接見サービスのお申込みは24時間いつでも専門スタッフが受け付けていますので、夕方や夜の逮捕にもすぐに動き出すことができます。
京都府チケット譲渡詐欺事件逮捕にお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご相談ください。

子どもが強盗未遂事件で逮捕されたら

2020-08-20

子どもが強盗未遂事件で逮捕されたら

子どもが強盗未遂事件逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

17歳の高校生Aさんは、小遣い欲しさに高齢者から金品を奪い取ることを思いつきました。
Aさんは、京都府亀岡市にある商業施設で買い物をしていた80歳の女性Vさんの鞄を奪い取ろうとしました。
しかし、Aさんの予想よりもVさんが抵抗したためAさんは鞄を奪い取ることができず、そうしているうちにVさんの声を聞いて人が集まってきたため、Aさんはその場から逃げ出しました。
その後、通報を受けて捜査を開始した京都府亀岡警察署の警察官により、Aさんは強盗未遂罪逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、子どもが強盗未遂事件を起こして逮捕されたと聞いてどうしてよいか分からなくなり、少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(※令和2年8月10日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・強盗未遂罪

強盗罪というと、凶器などを手に家や店舗に押し入って金品を脅し取るような、いわゆる押し入り強盗がイメージされやすいです。
しかし、今回のAさんのケースのように、凶器を用いないケースや、家や店舗に押し入らないケースでも強盗罪は成立する可能性があります。
刑法の条文では、強盗罪は以下の条件に当てはまる場合に成立するとされています。

刑法第236条
第1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
第2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

金品を奪い取るような強盗事件の場合、刑法第236条第1項に該当する強盗罪が成立することになり、多くの強盗事件でこの条文に当てはまる強盗罪が成立することになります。

強盗罪が成立するには、他人の財物を奪う手段として暴行や脅迫を用いている必要があります。
この時用いられる暴行や脅迫は、相手の反抗を抑圧する程度の強さが必要とされています。
つまり、相手が反抗できないほどの強さで暴行や脅迫をして金品を奪うことで強盗罪が成立するということになります。
ですから、たとえ凶器を使用していなかったとしても、例えば相手の手足を押さえつけるなどして相手の反抗を押さえつけて金品を奪えば強盗罪となるのです。
そして、注意しなければいけないのは、例えば最初はひったくりや置き引きのような形で相手の財物を奪おうと考えていたとしても、被害者が抵抗したことに対抗してその抵抗を押さえつけて財物を奪い取れば、強盗罪が成立してしまうということです。
今回のAさんはどのような態様でVさんの鞄を奪い取ろうとしたのかは定かではありませんが、Vさんの抵抗を押さえつけるような形で脅迫や暴行を用いていたのであれば、強盗罪強盗未遂罪の成立が考えられます。

また、今回のAさんは、強盗罪の実行に着手しているものの、結果としてVさんの鞄=財物を奪い取るまでには至っていません。
ですから、Aさんには強盗未遂罪(刑法第243条)が成立すると考えられるのです。

・子どもが強盗未遂事件で逮捕されてしまったら

Aさんは20歳未満であることから、この強盗未遂事件少年事件として扱われることになります。
少年事件では、基本的に刑罰を受けることはありません。
少年の更生のための「保護処分」という処分を受けることが基本的な少年事件の終局処分です。
しかし、少年が少年事件を起こしてしまった環境などによっては、保護処分ではなく刑罰を受けさせる刑事手続きに移す、いわゆる「逆送」が行われることも考えられます。
「逆送」された少年事件は、成人の刑事事件のように起訴か不起訴か判断され、起訴されれば有罪・無罪を裁判で決められることになります。
有罪となれば刑罰を受けることになり、刑務所に行くことも考えられます。

「逆送」されずに少年事件の手続きによって処理されることとなったとしても、強盗未遂罪のような重大な犯罪を起こしてしまった場合、現在の環境に大きな問題があると判断され、その環境から切り離して更生を目指すことが適切=少年院送致などの施設送致という処分が下されることも考えられます。
当然、少年院送致も少年の更生を目指す「保護処分」であることから、少年のためにならない処分というわけではありません。
しかし、少年院に入ってしまえば、その期間社会から遠ざかってしまうことも否定できません。
スムーズな社会復帰のためにも、少年院送致を避けたいと考えるご家族も少なくありません。

このように、強盗事件強盗未遂事件は「逆送」の有無にかかわらず少年やその家族にとって大きな影響を及ぼす処分が下されることが考えられます。
だからこそ、強盗事件強盗未遂事件で子どもが逮捕されてしまったら、早期にできる弁護活動・付添人活動を始めることが求められるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件少年事件専門の弁護士が、逮捕直後から少年審判や刑事裁判までフルサポートを行います。
強盗事件強盗未遂事件子どもが逮捕されてしまったら、お気軽にご相談ください。

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