Archive for the ‘性犯罪’ Category
夏フェスで痴漢事件
夏フェスで痴漢事件
Aさんは、京都府舞鶴市で開催される夏フェスに参加することにしました。
その夏フェスは、野外に組まれた特設会場でアーティストがライブを行うというものでした。
Aさんは、ライブに参加していましたが、その際、自分の前に好みの女性Vさんがいることに気が付きました。
「こんな人混みの中なのだから、触ったところでばれないだろう」と考えたAさんは、Vさんの臀部を触ったり、胸を触ったりしました。
違和感を覚えたVさんが声を上げたことからAさんの犯行が発覚し、警備員が通報したことにより、Aさんは京都府舞鶴警察署に痴漢事件の被疑者として逮捕されることとなりました。
(※この事例はフィクションです。)
・夏フェスで痴漢事件
いわゆる「夏フェス」が多く開催される時期となりました。
夏フェスは、野外で行われるものからドームやホールで行われるものまで多種多様で、多くの人たちが参加し、楽しんでいます。
今回のAさんが参加した夏フェスは、野外での音楽フェスのようですが、そこでAさんは痴漢事件を起こし逮捕されてしまっています。
Aさんはどういった犯罪に問われることになるのでしょうか。
①京都府迷惑行為防止条例違反
多くの痴漢事件では、各都道府県の迷惑防止条例違反という犯罪が適用されます。
京都府では、「京都府迷惑行為防止条例」という条例が定められていて、その中には以下のような条文があります。
京都府迷惑行為防止条例3条1項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
1号 みだりに、他人の身体の一部に触ること(着衣の上から触ることを含む。)。
今回のような夏フェスの会場は、不特定多数の人が訪れる場所であることから、「公共の場所」であると考えられます。
その夏フェス会場で、AさんはVさんの臀部や胸を触っています。
見知らぬ人に臀部や胸をいきなり触られることは、「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」であるといえるでしょうから、Aさんの痴漢行為は京都府迷惑防止条例違反となると考えられます。
こうした痴漢行為で京都府迷惑防止条例違反となった場合には、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」となります(京都府迷惑行為防止条例10条1項)。
②強制わいせつ罪
Aさんの痴漢行為の態様によっては、①で取り上げた京都府迷惑防止条例違反ではなく、刑法上の強制わいせつ罪となることも考えられます。
刑法176条(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
臀部や胸をもんだり、衣服の中にまで手を入れたりしていたような場合、その痴漢行為自体が強制わいせつ罪のいう「暴行」であり「わいせつな行為」であると認められ、強制わいせつ罪が成立する可能性があります。
強制わいせつ罪が成立した場合、①の京都府迷惑防止条例違反とは異なり、法定刑に罰金刑が規定されていませんから、起訴=公開の法廷で刑事裁判を受けるということになり、執行猶予がつかなければ刑務所に行くことになります。
最近では、ライブ会場やフェス会場での痴漢・盗撮行為も問題視され話題となっており、アーティストからそういった行為をしないように、というPRもされるほどです。
ここまで見てきたように、どれほど人混みであったとしても、痴漢行為をすることはれっきとした犯罪ですから、注意しましょう。
痴漢行為をしてしまった場合には、被害者への謝罪・弁償をはじめとして、さまざまな活動をすることが考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、痴漢事件のご相談・ご依頼も多くいただいています。
京都の痴漢事件にお困りの際は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。
熱中症の看病で強制わいせつ罪を疑われた?
熱中症の看病で強制わいせつ罪を疑われた?
ある日、Aさんが京都市南区を歩いていると、通行人の女性Vさんがふらふらと歩いており、道端にうずくまってしまったのを目にしました。
Aさんは大変だと思い、Vさんに近づいて様子を見ると、どうやらVさんは熱中症になってしまったようでした。
Vさんの意識がぼんやりしていることから、すぐに看病をしなければならないと考えたAさんは、救急車を呼んだうえでVさんを日陰に誘導し、飲み物を渡し、Vさんの胸元のボタンを外したりベルトを緩めたり、濡れタオルをあてるなどして体を冷やしたりしていました。
すると、別の通行人Wさんが通りかかり、その様子を見て「男性が意識のない女性の服を無理矢理脱がせて体を触っている」と勘違いし、京都府南警察署に通報してしまいました。
Aさんは駆け付けた警察官に、熱中症の看病をしていただけだと説明しましたが、強制わいせつ罪の容疑で話を聞かれることになってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・熱中症の看病で強制わいせつ罪?
最近は気温も高く、最高気温が38度や39度となる日もあります。
全国的に暑い日が続いており、報道などでも繰り返し言われているように熱中症に注意が必要な時期となっています。
今回のAさんは、その熱中症になってしまったVさんの看病をしていたところ、強制わいせつ罪の容疑をかけられてしまったようです。
もちろん、こうした状況であった場合に事情を話して分かってもらえることも多いでしょうが、犯罪を疑われてしまうこともあるのでは、と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
もし強制わいせつ罪そうなってしまった場合、どうなるのでしょうか。
まず、Aさんが容疑をかけられている強制わいせつ罪は、刑法176条に規定されています。
刑法176条(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪においては、「暴行」が「わいせつな行為」と一体となっている場合でも成立が認められます。
例えば、別途殴ったりする分かりやすい「暴行」がなくとも、抱き着いたり胸やお尻をもんだりといった行為が「暴行」であり「わいせつな行為」であるとされ、強制わいせつ罪となることがあるのです。
今回のAさんは特にVさんに個別に暴行をふるっているわけではありませんから、看病のためにVさんの体に触れた(もしくは触れたように見えた)ことがこうしたとらえ方をされてしまった可能性もあります。
また、相手に意識がないような場合には、刑法178条の準強制わいせつ罪を疑われる可能性もあります。
刑法178条(準強制わいせつ罪)
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
「人の心神喪失若しくは抗拒不能」とは、簡単に言えば人が意識を失うなどして抵抗できない状態になっていることを指します。
そうした状況に相手を陥らせたり、相手がそうした状態になっていることを利用してわいせつ行為をした場合に成立するのが準強制わいせつ罪です。
しかし、Aさんはあくまで熱中症の看病のためにVさんに触れていたのであり、わいせつな行為をしようとしていたわけではありません。
そもそもAさんの行為はあくまで看病であり、その行為にわいせつ性があったとは考えにくいです。
さらに、Aさん自身も熱中症の看病をしようと動いていたわけですから、強制わいせつ罪や準強制わいせつ罪の故意もなかったと考えられます。
ですから、強制わいせつ罪や準強制わいせつ罪を疑われてしまったら、そうしたことを具体的な事情に基づいて主張して、Aさんの行為が強制わいせつ罪や準強制わいせつ罪に当たらないと主張していくことが重要でしょう。
例えば、今回の場合、Aさんは熱中症の看病に必要なこと以外でVさんの体には触れていないようですし、救急車も呼んでいます。
そうしたことから、Aさんの行為にはわいせつ性がなく、Aさん自身もそうした認識はしていなかったと主張していくことになるでしょう。
ただし、「看病にかこつけて体を触ってしまおう」などと考えていたような場合には、行為のわいせつ性や故意が認められ、強制わいせつ罪や準強制わいせつ罪が成立する可能性があることにも注意が必要です。
そうでないかどうかは、看病に必要なこと以上に過剰な行為をしていないか、周囲の状況はどうだったか、といった詳しい事情を考慮して判断されることになるでしょう。
冤罪を主張するには、取調べ時の対応が非常に重要です。
しかし、被疑者本人1人で捜査官と対峙しなければならない取調べにおいて、自分の主張を間違いなく話し続けることは、実はとても負担の大きいことです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、そうした冤罪事件のご相談もお受けしています。
刑事事件専門の弁護士がフルサポートいたしますので、冤罪事件にお困りの際はお気軽にご相談ください。
下着泥棒で示談②
下着泥棒で示談②
~前回からの流れ~
Aさんは、京都府京丹後市の会社に勤務していますが、ある日、帰路にあるとあるマンションの1階のベランダに女性の下着が干してあるのが目に入りました。
Aさんは、それを見て、「どんな女性が住んでいるのだろう」と思い、帰り道にその部屋の様子を気にするようになり、Vさんという女性が住んでいることを知りました。
そしてついに、AさんはVさんの部屋のベランダ内に侵入し、干してあったVさんの下着を盗み出しました。
下着がなくなったことに気づいたVさんは、京都府京丹後警察署に下着泥棒の被害に遭ったと相談しました。
京都府京丹後警察署が捜査をした結果、防犯カメラの映像などからAさんの犯行が発覚し、Aさんは下着泥棒をした住居侵入罪・窃盗罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、Vさんに謝罪し示談したいと考えており、Aさんの家族もそれに賛成していますが、どのようにしたらよいのかわからずに困っています。
(※この事例はフィクションです。)
・示談したい…どうすれば?
下着泥棒事件では、今回の事例のVさんのように被害者が存在します。
被害者が存在するため、当然被害者の方へ謝罪したい・被害弁償をしたい・示談をしたいと考える方も多くいらっしゃいます。
しかし、下着泥棒事件は窃盗事件(場合によってはAさんのように住居侵入事件も)とはいえ盗まれたものは下着ですから、被害者にとっては性犯罪的な側面もあります。
そうしたことから、加害者のことを怖いと思う被害者の方や、処罰感情の強い被害者の方も多くいらっしゃいます。
そうすると、なかなか当事者同士で話し合うことは難しく、そもそも捜査機関に被害者の方に謝罪や弁償をしたいので連絡を取りたいといっても取り次いでもらえなかったり断られたりすることも珍しくありません。
そこで、弁護士に相談することが重要となってきます。
弁護士が示談交渉をする際は、捜査機関を通じて被害者の方に連絡を取ってもらうことが多いです。
そこで被害者の方に了承を得られれば、弁護士が被害者の方とお話をして、謝罪や弁償をさせていただきたいと交渉していくことになります。
その示談交渉の際には、被害者の方の個人情報を弁護士限りでとどめておくことができます。
つまり、被害者の方の情報を加害者側が知るというリスクをなくすことができるため、被害者の方も安心して示談交渉に臨むことができるのです。
また、弁護士は刑事事件・法律のプロです。
被害者側の要望も加害者側の要望も適切な折り合いをつけられるよう、法律的な観点からの提案も期待できます。
・示談の内容は?
そもそも示談とは、お互いの間で争いごとを解決することを指します。
先ほど触れたように、被害者の存在する刑事事件では、示談締結を目指した活動を行うことも多いです。
それは、示談締結により、被害弁償ができていることや、加害者側の反省の気持ち、被害者の処罰感情のおさまりなどを表すことができ、それによって処分に影響を及ぼすことが多いこともあるためです。
よく「示談」という言葉でイメージされるのは、示談の際に被害弁償金や慰謝料等が含まれる示談金を被害者の方へお支払いするというものですが、示談は単に示談金の支払いだけを意味するものではなく、事件によってさまざまな内容が見られます。
例えば、よく見られるのは、お互い今後は接触をしないといういわゆる接触禁止という内容を盛り込むことです。
痴漢や盗撮といった性犯罪事件では、被害者の方が万が一にも加害者に会いたくないという要望を持たれている場合には、事件現場付近に近づかないようにすることや、事件の起こった電車の路線を使用しないようにすること、といった具体的な条件を示談の内容に入れることもあります。
他にも、二度と再犯をしないという約束を入れることや、盗撮などのデータがあればそれを抹消することといった条件を加えることもありますし、被害者の方から「今回の示談で加害者を許します」という具体的なお許しの言葉をいただくこともあります。
また、刑事だけでなく、民事上の争いもその示談によって解決するという文言を盛り込み、今後お互いに蒸し返しによってトラブルが起きないようにすることも多く見られます。
このように、示談といっても金銭の支払いだけでなく、色々な内容を盛り込むことができます。
もちろん、示談金についても、被害弁償金のみで示談締結をする場合もありますし、例えば今回の下着泥棒事件で、Aさんに家を知られて怖いと思ったVさんが引っ越しをしていた場合などは、そうした費用も含めて示談金を支払うことも考えられます。
示談と一口に言っても、色々な面で柔軟な対応が求められるのです。
ただし、被害者側にも加害者側にもできないことは存在しますから、お互いの言ったことを全て了承していくといったことはできないこともあります。
そうした時こそ、弁護士がお互いの要望を聞き、お互いの納得できる着地点を目指して提案をしていくことになります。
弁護士に相談することで、そういったメリットも期待できるのです。
それは示談交渉を数多くこなしてきた専門家だからこそ可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、さまざまな刑事事件の示談交渉についてご依頼をいただいています。
刑事事件の示談交渉にお困りの際は、まずはお気軽に弊所弁護士までご相談ください。
京都の盗撮事件で逮捕②
京都の盗撮事件で逮捕②
~前回の流れ~
Aさんは、京都市上京区にある駅構内で、
①女性客Vさんのスカートの中を、スマートフォンを差し入れることで盗撮しました。
②駅にある女性用トイレに入り、個室内に盗撮用カメラを仕掛け、女性客がトイレを利用する様子を盗撮しました。
Aさんは他の利用客から京都府上京警察署に通報され、盗撮事件の被疑者として逮捕されることになりました。
Aさんの家族は、接見を依頼した弁護士から盗撮事件の詳細を聞くと同時に、どういった部分がどの犯罪にあたるのか説明を受けました。
(※この事例はフィクションです。)
前回の記事では、駅でスマートフォンを利用した①の盗撮の手口がどういった法律・条例のどの部分に違反することになり得るのかを詳しく見ていきました。
今回の記事では、②のような、トイレ等にカメラを設置して盗撮する手口の盗撮事件についてみていきます。
・②の盗撮の手口
トイレなどに盗撮用のカメラを仕掛けて盗撮する手口の盗撮事件も、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる盗撮事件のご相談によくみられるケースです。
こうした盗撮事件の場合にも、まず考えられるのは各都道府県の迷惑防止条例違反の成立です。
京都府の場合、前回の記事で挙げた迷惑防止条例3条の中に、こういった盗撮の手口に対応した規定があります。
京都府迷惑行為防止条例3条3項
何人も、みだりに、公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所における当該状態にある他人の姿態を撮影してはならない。
駅のトイレは、利用する人を特定せずみんなに開放されているものですから、「公衆便所」といえるでしょう。
そこでトイレを利用する様を盗撮しているのですから、「公衆が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所における当該状態にある他人の姿態」を撮影しているといえます。
こうしたことから、Aさんの②の盗撮行為には京都府迷惑行為防止条例3条3項違反が成立すると考えられます。
この条文の刑罰は、先ほど紹介した①の迷惑防止条例違反と同様に、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となっています(京都府迷惑行為防止条例10条2項)。
そして、こちらも同様に、常習的にこうした盗撮行為をしていた場合にはさらに重い刑罰が下されることになっています(京都府迷惑行為防止条例10条4項)
なお、こうした盗撮カメラをトイレ等に設置する態様の盗撮事件では、状況によっては迷惑行為防止条例違反ではなく、刑法の建造物侵入罪が成立することもあります。
刑法130条(建造物侵入罪)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
建造物侵入罪では、その建造物の管理者の意思に反して建造物に入ることで「侵入」したと考えられます。
例えば、トイレに入る際、盗撮目的であれば、管理者としてはトイレに入ることを許可することはしないでしょう。
さらに、盗撮目的でトイレに入るのであれば、「正当な理由」とも言えません。
こうしたことから、カメラを設置する態様での盗撮事件では、管理者の意思に反してトイレに侵入したとして、建造物侵入罪が適用されることもあるのです。
前回から見てきたように、名称としては同じ「盗撮事件」であったとしても、その手口によって該当する法律・条例の部分が異なったり、成立する犯罪が異なったりします。
容疑を否認している場合はもちろん、盗撮を認めている場合であっても、自分にどういった法律・条令のどの部分に違反した容疑なのか把握しておくことは、冤罪や不当に重い処罰を避けるためにも非常に重要です。
京都府の盗撮事件にお困りの際は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
京都の盗撮事件で逮捕①
京都の盗撮事件で逮捕①
Aさんは、京都市上京区にある駅構内で、
①女性客Vさんのスカートの中を、スマートフォンを差し入れることで盗撮しました。
②駅にある女性用トイレに入り、個室内に盗撮用カメラを仕掛け、女性客がトイレを利用する様子を盗撮しました。
Aさんは他の利用客から京都府上京警察署に通報され、盗撮事件の被疑者として逮捕されることになりました。
Aさんの家族は、接見を依頼した弁護士から盗撮事件の詳細を聞くと同時に、どういった部分がどの犯罪にあたるのか説明を受けました。
(※この事例はフィクションです。)
・盗撮事件の手口と該当する犯罪
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、性犯罪事件のご相談も多く寄せられますが、その中でも比較的多くみられる事件の1つが盗撮事件です。
カメラ付きスマートフォンの普及や、カメラの小型化等もあり、盗撮をしようと思えばできてしまう環境であるのかもしれません。
しかし、「盗撮罪」という分かりやすい名前で犯罪が規定されているわけではありませんが、当然ながら盗撮は立派な犯罪です。
今回は、上記事例のAさんの①②の盗撮の手口を見ながら、具体的にどういった盗撮がどういった規定に反することになるのか検討していきます。
・①の盗撮の手口
①では、Aさんはスマートフォンを利用してVさんのスカートの中を盗撮しています。
こうしたスマートフォンを利用した盗撮は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる盗撮事件のご相談にも多く見られます。
さて、こうして行われた盗撮の場合、まず該当する可能性のある犯罪として挙げられるのは、各都道府県で定められている、いわゆる迷惑防止条例違反でしょう。
京都府の場合、「京都府迷惑行為防止条例」という迷惑防止条例が定められています。
この中では、「公共の場所」と「公共の乗物」、さらに「その他公衆の目に触れるような場所」での盗撮行為が禁止されています。
京都府迷惑行為防止条例3条
1項 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
2項 何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、前項に規定する方法で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
1号 みだりに、着衣で覆われている他人の下着等を撮影すること。
2号 みだりに、前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣の中をのぞき込み、又は着衣の中が見える位置に写真機その他の撮影する機能を有する機器を差し出し、置く等をすること。
Aさんが盗撮を行った場所は駅ですから、「公共の場所」での盗撮行為といえるでしょう。
スカートの中にスマートフォンを差し入れる行為は、当然「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」であると考えられます。
こうした方法によってスカートの中=「着衣で覆われている他人の下着等」を撮影したのですから、Aさんの①の盗撮行為は、京都府迷惑行為防止条例3条2項1号に違反する行為であると考えられるのです。
この違反については、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」という刑罰が科せられます(京都府迷惑行為防止条例10条2項)。
そして、常習的にこうした盗撮行為をしていた場合には、さらに重い刑罰が下されることになっています(京都府迷惑行為防止条例10条4項)。
なお、2号の方の規定では、盗撮目的で撮影機器を差し出したり設置したりすることも禁止されていますから、たとえAさんの①の行為でVさんのスカートの中が撮影できていなかったとしても、2号の規定に反することになります。
さらに、こうした撮影機器を差し出す場合の他にも、駅の階段に盗撮目的でカメラを設置したような場合も、2号の規定に違反することになります。
この迷惑防止条例は都道府県ごとに細かい部分や法定刑が異なるため、盗撮事件がどの都道府県のどういった場所で起こったものなのか把握することも非常に大切です。
都道府県によっては、「公共の場所」等以外の場所についても迷惑防止条例で盗撮行為を禁止している場合があることにも注意が必要です。
なお、迷惑防止条例で禁止している場所に当たらない場所での盗撮は、軽犯罪法で規定されている「窃視の罪」とされることもあります。
軽犯罪法1条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
23号 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
スマートフォン等の撮影機器をを差し出すタイプの盗撮事件だけでも、これだけ該当しうる犯罪があり、それぞれ基になる法律・条令の条文が異なることがお分かりいただけたと思います。
自分に、家族にどういった容疑がかかっているのかよく分からない、という場合こそ、詳しい知識と経験を持つ弁護士に相談することがおすすめです。
0120-631-881では、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による各サービスをご案内しています。
まずはお気軽にお問い合わせください。
京都のガールズバーで児童福祉法違反事件
京都のガールズバーで児童福祉法違反事件
Aさんは、京都府城陽市内でガールズバーを経営しています。
Aさんは、そのガールズバーで、17歳のVさんを18歳未満であると知りながら雇い、接客の際に性的な行為をさせていました。
しばらくそうした営業を行っていたAさんでしたが、ある日、Aさんのガールズバーに京都府城陽警察署の警察官がやってきて、Aさんは児童福祉法違反の容疑で、京都府城陽警察署に逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、なかなか帰宅しないAさんを心配して、近所の京都府城陽警察署に問い合わせたところ、Aさんが城陽警察署に留置されているらしいことがわかりました。
しかし、Aさんがどういった容疑で逮捕されているのか、そもそも逮捕されている状態なのかどうか、詳しいことを教えてもらうことはできませんでした。
そこで、Aさんの家族は、京都の刑事事件に対応している弁護士に相談し、Aさんのもとへ接見に行ってもらうことにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・児童福祉法違反
児童福祉法という法律は、文字通り、児童の福祉の保障のための法律で、児童の健やかな成育や生活の保障、愛護などを理念とし、児童のための施設や禁止行為について規定しています。
児童福祉法では、満18歳未満の者を「児童」と定義しています。
今回の事例のAさんがガールズバーで働かせていたVさんは17歳ですから、児童福祉法の「児童」であることになります。
児童福祉法34条6号では、「児童に淫行をさせる行為」を禁止しており、これに違反して児童に淫行をさせた場合、10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はその併科という刑に処されます(児童福祉法60条1項)。
上記事例のAさんは、ガールズバーを経営する立場にあり、Vさんを17歳と知りながら雇って接客をさせ、性的な行為をさせていたのですから、児童福祉法のこの条文にあたると考えられます。
この他にも、「満15歳に満たない児童に主席に侍する行為を業務としてさせる行為」(児童福祉法34条5号)などが児童福祉法違反とされています。
児童福祉法違反事件では、初犯でも執行猶予がつかずに実刑判決が下る可能性があります。
特に、今回の事例のAさんのように、児童福祉法違反のガールズバーなどの店を経営していたような場合や、児童を何人も雇って性的な行為を繰り返させていたような場合は、犯情が悪いと判断され、下される判決が重くなることが予想されます。
・児童福祉法違反事件の弁護活動
児童福祉法違反の場合、児童福祉法が保護しているものが児童の福祉等であるため、示談をしてすぐに解決、ということにはなりにくいです。
ですから、贖罪寄附やボランティア活動を通して社会に貢献することで反省の意を示したり、ご家族等周囲の方と協力して再犯防止のための対策を立てたりすることでより軽い処分を目指していくことが考えられます。
しかし、示談といったある種分かりやすい弁護活動でない活動をするとなった場合、どういった活動をするべきなのか、してもらうべきなのか、なかなかイメージしにくい部分があるでしょう。
だからこそ、刑事事件について経験・知識のある弁護士のサポートを受けながら取り組んでいくことが必要とされるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が、児童福祉法違反事件にお困りの方のお力になります。
Aさんのように、逮捕されたもののご家族に連絡がなかったり、逮捕についてご家族が詳しい話を教えてもらえないといったケースも多いです。
0120-631-881では、いつでも相談予約や初回接見サービスのお申込みを受け付けています。
京都の刑事事件にお困りの方は、お気軽に弊所の弁護士までご相談ください。
強制わいせつ罪の少年事件と示談
強制わいせつ罪の少年事件と示談
京都市東山区に住んでいるAさん(10代)は、自宅の近くで強制わいせつ事件を起こし、京都府東山警察署の警察官に強制わいせつ罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、どうにか被害者の方へ謝罪し、示談して穏便に解決できないかと思い、少年事件に強い弁護士に相談しました。
そこでAさんの両親は、刑事事件と少年事件の違いを弁護士から詳しく聞き、少年事件と示談の関係について教えてもらうことになりました。
(※この事例はフィクションです。)
・少年事件で強制わいせつ罪…示談すれば解決?
強制わいせつ罪のような性犯罪事件では、当然被害者の方がいらっしゃいますから、被害者の方に謝罪し、被害弁償をすることがまず思いつきやすい弁護活動の1つでしょう。
そして示談を締結すれば、穏便に解決できる、というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
成人の刑事事件の場合、犯行態様や前科等、そのほかの事情にも左右されるものの、強制わいせつ事件で被害者の方と示談が成立すれば、不起訴処分が下されるなど大きな効果が出ることが多く見られます。
一方、少年事件は、成人の刑事事件とは違い、成人の刑事事件でいう「不起訴処分」にあたるものは原則として存在せず、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されることになります(全件送致主義)。
これは、少年事件の手続きが、少年の更生に重きを置いていることからこうした手続きがとられているのです。
少年の更生のためには、専門的な見地から、少年事件が起こった原因や、再犯防止のための対策を考えなければなりません。
その専門家が、家庭裁判所なのです。
警察や検察は少年事件の専門家というわけではないため、少年事件の専門家である家庭裁判所に原則的に全ての少年事件を送致することで、少年事件それぞれに適切な判断を下せるようにしているのです。
ですから、少年事件の場合、原則的には、示談が締結できたからといって家庭裁判所に送られることなくすぐに事件が終了する、というわけではないのです。
では、少年の起こした強制わいせつ事件については、被害者の方と示談することは意味がないことなのか、というとそうではありません。
被害者の方のケアのためにも、少年が今後更生するためにも、被害者の方にきちんとした謝罪を行うことや、被害弁償を行うことは非常に大切です。
被害者の方へ謝罪や弁償ができていることは、少年自身やその家族が、起こしてしまった強制わいせつ事件について、被害者の方についてどう考え受け止めているのかを表すことになります。
被害者の方への謝罪の気持ち、少年事件を起こしてしまったことへの反省の気持ちは、少年が更生するうえで非常に重要なものです。
そのため、謝罪や示談が行われていることは、少年にとって有利な事情として働くことが多いです。
しかし、強制わいせつ事件のような性犯罪の示談は、大変複雑です。
弁護士のような専門家でも、まとめあげるには大変な労力と気遣いが必要です。
まずは弁護士に相談し、そこから被害者の方への謝罪・示談をどうすべきか、一緒に考えましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、刑事事件・少年事件専門の弁護士ですから、上記事例のような事件のご相談ももちろん対応可能です。
初回は無料の法律相談のため、お気軽にご利用いただけます。
少年事件にお困りの方は、0120-631-881で、相談予約をお取りください。
専門スタッフが丁寧にご案内します。
サイバーパトロールでわいせつ電磁的記録媒体陳列罪発覚
サイバーパトロールでわいせつ電磁的記録媒体陳列罪発覚
兵庫県に住んでいるAさんは、とある動画投稿サイトに、自身が全裸になった動画や性器を露出した動画を複数件投稿していました。
するとある日、京都府木津警察署の警察官がAさん宅にやってきて、Aさんはわいせつ電磁的記録媒体陳列罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、動画の件で兵庫県に住んでいる自分が京都府木津川市にある京都府木津警察署に逮捕されることは全く想定外のことであったため、非常に驚きました。
Aさんの家族は、全国展開している刑事事件に強い弁護士の初回接見サービスを利用し、Aさんのもとへ弁護士を派遣しました。
弁護士がAさんの話を聞いた結果、Aさんは京都府木津警察署のサイバーパトロールによって動画を発見され、検挙されたことがわかりました。
(※令和元年6月25日日テレNEWS24配信記事を基にしたフィクションです。)
・わいせつ電磁的記録媒体陳列罪
今回のAさんの逮捕容疑であるわいせつ電磁的記録媒体陳列罪は、刑法175条に規定されている犯罪です。
刑法175条(わいせつ物頒布等)
わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
この条文は、一般に「わいせつ物頒布等罪」と呼ばれており、内容としてはAさんの逮捕容疑であるわいせつ電磁的記録媒体陳列罪のほか、わいせつ物頒布罪等も含まれています。
わいせつ電磁的記録媒体陳列罪のいう「わいせつ物」とは、「徒に性欲を興奮又は刺激せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反する」ものを指すといわれています。
つまり、①徒に性欲を刺激又は興奮させるものであり、②一般人の正常な性的羞恥心を害するものであり、③善良な性的道義観念に反するものであるという、3つの要件を満たすものがわいせつ電磁的記録媒体陳列罪のいう「わいせつ物」となるのです。
わいせつ電磁的記録媒体陳列罪は、この「わいせつ物」である「電磁的記録媒体」=動画や写真などのデータを、不特定多数の人が認識できる状態に置く=「公然と陳列」した場合に成立する罪です。
さて、今回のAさんは、自身が全裸になった動画や性器を露出した動画を動画投稿サイトに投稿していたようです。
これらの動画の内容は先ほどの「わいせつ物」の3つの要件に当てはまるといえるでしょう。
動画投稿サイトに投稿された動画は、もちろん不特定多数の人が見る可能性のある状態にありますから、「公然と陳列」されているといえます。
これらのことから、今回のAさんの行為にはわいせつ電磁的記録媒体陳列罪が成立しうるということになるのです。
・弁護活動
わいせつ電磁的記録媒体陳列罪は、性秩序の維持等を保護するために規定されていると考えられています。
つまり、わいせつ電磁的記録媒体陳列罪は社会に対する犯罪であり、法律上具体的な被害者は存在しません。
そのため、具体的被害者の存在する刑事事件(例えば痴漢事件等)とは異なり、被害者への謝罪や弁償を行って示談を締結し、刑罰の軽減や釈放を目指すことができません。
だからこそ、そのほかしょく罪寄附や再犯防止策の構築などを専門的な知識・経験をもつ弁護士のサポートを受けながら行い、刑罰の軽減や釈放を目指していく必要があるのです。
わいせつ電磁的記録媒体陳列事件は、Aさんの事例のように、被疑者自身が住んでいる場所に近い警察署が検挙を行うとは限りません。
現在では、多くの警察署でサイバーパトロールが行われており、遠隔地の警察署がサイバーパトロールの結果わいせつ電磁的記録媒体陳列行為を発見するということも十分あり得るのです。
そうなった場合、ご家族もなかなか被疑者のもとへ行くことも難しく、事件の状況を把握するのにも一苦労です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、全国に13支部を展開する刑事事件専門の法律事務所です。
わいせつ電磁的記録媒体陳列事件に御困りの際は、弊所弁護士までご相談ください。
京都府南丹市の児童ポルノ製造事件
京都府南丹市の児童ポルノ製造事件
Aさんは,SNSで知り合った京都府南丹市在住の小学6年生のVさんを,自宅に呼び,Vさんの裸の写真を撮りました。
帰宅したVさんがAさんに裸の写真を撮られたことを親に話したことで,親が京都府南丹警察署まで通報しました。
その後,Aさんは,捜査を開始した京都府南丹警察署の警察官に児童ポルノ規制法違反(製造)の容疑で逮捕されました。
Aさんの家族は,Aさんが警察に連れていかれたことで慌ててしまい,どうしたらよいのかわからなくなってしまいました。
そこで,Aさんの家族は,インターネットで弁護士を探し,すぐに対応をしてくれるという刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
~児童ポルノ規制法違反(製造)~
児童ポルノを製造することは,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童ポルノ規制法)で禁止されています。
児童ポルノを製造した場合,3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科せられます(児童ポルノ規制法7条4項,2項)。
「児童ポルノ」には,衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを写した写真等が含まれます(児童ポルノ規制法2条3項)。
18歳未満の児童であるVさんの裸を撮影した写真は児童ポルノ(児童ポルノ規制法2条3項1号)に該当します。
ですから,その写真を作成することで児童ポルノ製造をしたAさんの行為は,児童ポルノ規制法違反となる可能性が高いのです。
なお,今回のAさんの場合,小学6年生のVさん相手に児童ポルノ製造を行っています。
もしもこの際,Vさんにわいせつな行為をしていれば,児童ポルノ製造による児童ポルノ規制法違反だけでなく,刑法上の強制わいせつ罪や,児童福祉法違反といった別の犯罪も成立しうることに注意が必要です。
~弁護活動~
児童ポルノ規制法違反(製造)の罪は,前述のとおり,決して軽い犯罪ではありません。
警察への相談や通報によって刑事事件化すれば,逮捕されてしまう可能性も低くありません。
もし,児童ポルノ規制法違反事件で警察の捜査を受け,逮捕され,刑事事件になれば,自宅や職場等を捜索され,事件が周囲に知れてしまうおそれがあります。
さらに,取調べでは,児童ポルノの入手先や余罪についても追及されることになるので,事前に信頼できる刑事事件専門の弁護士に相談する事をお勧めします。
また,児童ポルノを製造したことに争いがないのであれば,弁護士に相談して示談することをお勧めします。
示談ができれば,略式罰金等によって公の法廷に立たずに事件を収束させることができる可能性が出てくる他,裁判になったとしても有利な情状となります。
しかし,児童ポルノ製造事件での示談の相手方は,被害者本人が未成年であるため,被害者の親となりますが,自分の子供が被害に遭っているわけですから,被害感情を強く持っていらっしゃる方も多いです。
そうした場合,当事者同士のやりとりでは,示談交渉が難しい場合もあります。
その意味でも,第三者的立場で専門的な意見を述べることのできる弁護士に依頼すべきです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,児童ポルノ製造事件等,児童に関連する刑事事件のご相談も受け付けております。
事件の性質上,児童ポルノにかかわる刑事事件はなかなか人に相談しづらいという声も聴かれます。
弁護士であれば,相談内容が外に漏れる心配もありませんから,安心してご相談いただけます。
京都府の児童ポルノ製造事件に御困りの際は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。
逮捕されなかったのに後から身体拘束?
逮捕されなかったのに後から身体拘束?
Bさんは、息子である高校1年生のAさんと夫であるCさんと京都市右京区で暮らしています。
ある日、Bさんは、京都府右京警察署から、Aさんを痴漢事件の被疑者として取り調べている、という連絡を受けました。
Bさんが急いで京都府右京警察署に行くと、警察官から、「お母さんも迎えに来てくれていることだし、逮捕はせずに帰します。ただ、後日取り調べが残っているのでまた連絡します」と伝えられました。
その後、何度か京都府右京警察署に取り調べに呼ばれていたAさんでしたが、逮捕されずにすんでいたため、BさんとCさんはそれほど大事ではないのだろうと考えていました。
しかしある日、家庭裁判所から連絡が来ると、Aさんは少年鑑別所に収容され、4週間の観護措置を取られることになりました。
BさんとCさんは突然の身体拘束に驚き、少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・後から身体拘束される?
今回の事例のAさんは20歳未満であるため、Aさんの起こした痴漢事件は少年事件として処理されます。
少年事件は成人の刑事事件とは異なった手続きや制度も多く、一般の方からするとわかりづらいことも多いです。
今回のAさんは、逮捕されずに捜査されていたものの、家庭裁判所に事件が送致された後に身体拘束されることになったようです。
逮捕されずに捜査されてきたのに、後から身体拘束されるような事態になることはあるのでしょうか。
まず、少年事件であっても、捜査段階、つまり、家庭裁判所に事件が送致される前は成人の刑事事件とほとんど変わらない手続きを踏みます。
ですから、被疑者が少年である少年事件でも、逃亡や証拠隠滅のおそれが認められれば、成人同様逮捕や勾留といった身体拘束をされることも考えられます。
しかし、今回のAさんは逮捕されずに帰宅を許されています。
内容が複雑でない事件であれば、逮捕されずに複数回取り調べがされているような状況であれば、その後逮捕や勾留によって身体拘束をされるということは考えにくくなります。
ですから、Aさんについても、逮捕されずに帰宅を許されていること、その後の取り調べも在宅捜査として進められていることからすれば、今後身体拘束されるおそれは少ないと見ることができます。
ただし、先ほど触れたように、Aさんの痴漢事件は少年事件です。
少年事件と成人の刑事事件の手続きの違いの1つに、「観護措置」の有無が挙げられます。
少年事件では、警察や検察といった捜査機関での捜査が終了した後、家庭裁判所に事件が送られます。
その後、家庭裁判所では少年の更生のためにどういった処分が望ましいかを決めるために、少年本人の性格や資質のほか、少年の周囲の環境や経歴といったことを調べていきます。
この際、より専門的に少年の資質を調べることが必要であると判断された場合には、少年鑑別所に少年を収容して調査を行う「観護措置」がとられることがあります。
この「観護措置」は、捜査段階に行われる逮捕・勾留といった身体拘束とは性質や目的が違うため、たとえ捜査段階で逮捕の必要がないと判断されて在宅捜査で手続きが進められてきた少年事件でも、家庭裁判所に送致されたら観護措置の必要があると判断された、ということが起こりうるのです。
実際に、今回のケースのAさんのように、逮捕・勾留されずに捜査されてきた少年事件が、家庭裁判所送致後に観護措置を取られ、少年が身体拘束を受けることになった、というケースはまま見られます。
観護措置は、より専門的に少年の資質等を調べてもらうことのできる措置であるため、少年にとってデメリットばかりがあるわけではありません。
例えば、本人や家族の気づかない問題が、専門家が少年の暮らしぶりを見ることによって明らかになるということもあります。
しかし、観護措置を取られてしまえば、少年は一定期間鑑別所の外に出ることができません。
観護措置は通常4週間程度とられることが多いため、それだけの間学校や職場を休むことになってしまいます。
だからこそ、観護措置を回避する、観護措置の時期をずらしてもらう、一時的に観護措置を取り消してもらうといった方法を弁護士と検討し、協力して取り組んでいくことが求められるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、0120-631-881で専門スタッフが24時間いつでも弊所弁護士によるサービスをご案内しています。
逮捕・勾留を伴う少年事件はもちろん、逮捕・勾留がなかったのに家庭裁判所送致後に身体拘束をされてしまったという少年事件に御困りの方もお問い合わせください。