盗撮事件の逮捕と示談

2019-10-03

盗撮事件の逮捕と示談

Aさんは,京都府京田辺市のスーパーマーケットで,動画撮影モードにした状態のスマートフォンを入れた買い物かごを床に置いて,Vさんのスカート内を撮影しました。
Vさんが買い物かごに動画撮影モードのスマートフォンが入っていることに気づいて通報し,Aさんは京都府の迷惑防止条例違反(盗撮)の容疑で,京都府京田辺市を管轄する京都府田辺警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんの逮捕を聞き,どうにかAさんを釈放してもらえないかと悩んだAさんの家族は,まずは刑事事件を取り扱っている弁護士に相談しました。
弁護士にそしてAさんへ面会に行ってもらい,Aさんの意向や盗撮事件の詳細を確認した上で,釈放に向けて被害者であるVさんへの謝罪や弁償を行い,示談締結を目指した弁護活動をしてもらうことにしました。
(フィクションです。)

~迷惑防止条例違反(盗撮)~

公共の場で盗撮をした場合,各都道府県で定められた迷惑防止条例違反となり,処罰される可能性があります。
最近では公共の場や公共の乗り物以外の場所の盗撮行為も迷惑防止条例で規制する都道府県も出てきており,そういった場所や乗り物での盗撮行為が迷惑防止条例違反になるかどうかには,事件の起こった都道府県によってばらつきがあります。
しかし,公共の場での盗撮行為については,どの都道府県で行ったとしても迷惑防止条例違反となる可能性が高いといえます。

例えば京都府の場合,京都府迷惑行為防止条例京都府迷惑防止条例)3条2項1号で,公共の場での盗撮行為が禁止されています。

京都府迷惑防止条例3条2項
何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、前項に規定する方法で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
1号 みだりに、着衣で覆われている他人の下着等を撮影すること。
注:「前項に規定する方法」とは、京都府迷惑防止条例3条1項の「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」のことを指します。

この条文に違反して公共の場で盗撮を行った場合,1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます(京都府迷惑防止条例10条2項)。
さらに常習としてこういった盗撮行為を行った場合は,2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます(京都府迷惑防止条例10条4項)。

今回のケースで考えれば,スーパーマーケットは誰でも立ち入ることができるため,公共の場に当たると考えられます。
Aさんは,買い物かごに入れたスマートフォンをVさんのスカート内が映るように差し入れ盗撮しているので,Aさんの行為は迷惑防止条例違反(盗撮)となる可能性が高いです。

なお,京都府の場合,実際に盗撮を行わなくても,撮影目的で撮影機器を差し出すなど場合にも盗撮を行ったのと同様に処罰されます。

京都府迷惑防止条例3条2項
何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、前項に規定する方法で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
2号 みだりに、前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣の中をのぞき込み、又は着衣の中が見える位置に写真機その他の撮影する機能を有する機器を差し出し、置く等をすること。

ですから,今回のAさんのケースでもしも撮影ができておらず,スマートフォン内にVさんのスカートの中の映像が録画されていなかったとしても,Aさんは京都府の迷惑防止条例違反として検挙されることも考えられるのです。
なお,この場合の刑罰は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金となります(京都府迷惑防止条例10条1項)。

~盗撮事件の逮捕と示談~

盗撮をしてしまったことについて争いがない場合,弁護士に依頼し,被害者に謝罪と賠償を行い,示談をすることによって,逮捕をされている場合でも早期釈放が実現する可能性が高まります。
示談締結という事実は,被害者の処罰感情のおさまりや,被疑者の反省や証拠隠滅・逃亡の意思のないことを主張するための大きな事情の1つとなるのです。
さらに,示談締結のタイミングによってはそもそもの刑事事件化を防ぐことや,不起訴処分によって前科がつかずに済む可能性があります。

ただし,盗撮事件の場合は被害者と面識のない場合が圧倒的に多く,そうした場合はそもそも連絡を取ることが不可能です。
捜査機関も,加害者である被疑者に直接被害者と連絡を取らせることは難しいと考えるでしょうし,被害者自身もそういった事態は避けたいと考えることが多いです。
それでも無理に連絡を取ってしまえば証拠隠滅ととらえられてしまう可能性も否定できません。

だからこそ,信頼のおける第三者として弁護士を間に挟んで示談交渉を行うことがおすすめされます。
弁護士限りということであれば連絡をしてもよいと言ってくださる被害者の方も少なくありませんし,弁護士であれば,いざ示談を締結するというときにも適正な示談書を作成して将来の紛争の蒸し返しを防止することもできます。
いずれにしても,早期に弁護士に依頼し,示談交渉をするのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,盗撮事件についての初回無料法律相談(在宅捜査を受けている方向け)・初回接見サービス(逮捕・勾留されている方向け)も行っております。
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