Archive for the ‘財産事件’ Category

バイクで通行人のバッグをひったくり、強盗致傷罪の容疑で逮捕された事例②

2024-09-04

バイクで通行人のバッグをひったくり、強盗致傷罪の容疑で逮捕された事例②

バイクでひったくり

バイクで通行人のバッグをひったくり、強盗致傷罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府京丹後市の路上をバイクで走行していたAさんは、身なりの良い女性Vさんを見つけ、Vさんのバッグをひったくろうと考えました。
Aさんはバイクに乗りながらVさんに近づき、すれ違いざまにVさんのバッグを掴みました。
Vさんはバッグを奪われないように必死にバッグにしがみつきましたが、バイクに引きずられる状態になってしまったため、命の危険を感じてバッグから手を離しました。
VさんはAさんにバッグを奪われ、バイクで引きずられたことから、ひざに擦り傷を負いました。
後日、Aさんは強盗致傷罪の容疑で京都府京丹後警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

勾留阻止

今回の事例では、Aさんは強盗致傷罪の容疑で逮捕されたようです。
Aさんは、有罪や無罪などの判断が出るまで家に帰ることはできないのでしょうか。

結論から言うと、裁判などが終わっていない状態でも家に帰ることができる場合があります。

弁護士は、勾留が判断される前(逮捕後72時間以内)であれば、検察官や裁判官に対して、勾留請求に対する意見書を提出することができます。
この勾留請求に対する意見書では、勾留されることで被る不利益や、家族の監視監督により証拠隠滅や逃亡のおそれがないことなどを主張し、検察官や裁判官に釈放を求めます。
勾留が決定してしまうと更に最長で20日間身体拘束が続きますから、勾留請求に対する意見書を提出して勾留を阻止することができれば、勾留された場合に比べて身体拘束を受ける期間を大幅に短縮することができます。

身体拘束を受けている間は当然ながら仕事や学校には行けませんから、勾留によって身体拘束が長引くことにより、長期間無断欠勤や欠席をすることになったり、長期間連絡が取れない状態に陥ることで、職場や学校に逮捕されたことを知られてしまう可能性が高くなってしまいます。
勾留を阻止して身体拘束を受ける期間を短くすることで、職場や学校に逮捕されたことを知られずに済む可能性があります。

前回のコラムで解説したように、強盗致傷罪の法定刑は無期又は6年以上の懲役(刑法第240条)であり、刑法の中でも科される刑罰の重い犯罪だといえます。
重い刑罰を科される可能性のある事件では、逃亡のおそれがあるとして、勾留が決定してしまう可能性が高いといえます。
今回の事例のAさんの逮捕容疑は強盗致傷罪ですから、事例のAさんは勾留されてしまう可能性が高いと考えられます。
とはいえ、必ずしも科される刑罰の重い犯罪を犯すと勾留されてしまうわけではありません。
ですので、ご家族が強盗致傷罪などで逮捕された場合には、一度弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービスを行っています。
数々の刑事事件で勾留阻止を実現してきた弁護士に相談をすることで、早期釈放を実現できる可能性があります。
ご家族が強盗致傷罪などの刑事事件で逮捕された方は、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

バイクで通行人のバッグをひったくり、強盗致傷罪の容疑で逮捕された事例①

2024-09-01

バイクで通行人のバッグをひったくり、強盗致傷罪の容疑で逮捕された事例①

バイクでひったくり

バイクで通行人のバッグをひったくり、強盗致傷罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府京丹後市の路上をバイクで走行していたAさんは、身なりの良い女性Vさんを見つけ、Vさんのバッグをひったくろうと考えました。
Aさんはバイクに乗りながらVさんに近づき、すれ違いざまにVさんのバッグを掴みました。
Vさんはバッグを奪われないように必死にバッグにしがみつきましたが、バイクに引きずられる状態になってしまったため、命の危険を感じてバッグから手を離しました。
VさんはAさんにバッグを奪われ、バイクで引きずられたことから、ひざに擦り傷を負いました。
後日、Aさんは強盗致傷罪の容疑で京都府京丹後警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

強盗罪

刑法第236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

強盗罪とは簡単に説明すると、世間一般の人が抵抗することが困難な程度の暴行や脅迫を行い、財物を奪うと成立する犯罪です。

今回の事例では、AさんがVさんをバイクでひきずり、Vさんのバッグを奪っています。
バイクで人をひきずる行為は暴行にあたります。
また、Vさんが命の危険を感じたように、バイクでひきずる行為は命が脅かされる危険性があり、加害者に抵抗することは難しいでしょうから、世間一般の人が抵抗することが困難な程度の暴行だと判断される可能性があります。
AさんはVさんにバイクでひきずるという暴行を加えて財物であるバッグを奪っていますから、今回の事例では、Aさんに強盗罪が成立する可能性があります。

強盗致傷罪

刑法第240条
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

強盗致傷罪とは簡単に説明すると、強盗犯が人にけがを負わせると成立する犯罪です。

今回の事例では、バイクでVさんをひきずった際に、Vさんのひざに擦り傷を負わせていますから、Aさんに強盗致傷罪が成立する可能性があります。

強盗致傷罪の法定刑は無期又は6年以上の懲役と、刑法のなかでもかなり重い刑罰が規定されています。
刑事事件の弁護経験豊富な弁護士による弁護活動で、少しでも科される刑罰を軽くできる可能性があります。
強盗致傷罪などの刑事事件でお困りの方は、一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部ご相談ください。

マンションのベランダから下着を盗んだ下着泥棒が逮捕された事例③

2024-08-30

マンションのベランダから下着を盗んだ下着泥棒が逮捕された事例③

下着泥棒

前回のコラムに引き続き、マンションのベランダに干してある下着を盗んだ事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府南丹市にあるマンションに住む会社員のAさんは、女性の下着に興味がありました。
隣に住むVさんが女性だと気づいたAさんはベランダからVさんの部屋のベランダに移動して、干してあるVさんの下着を盗みました。
後日、Aさんは窃盗罪住居侵入罪の容疑で京都府南丹警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

下着泥棒と不起訴処分

前々回のコラムで解説したように、下着泥棒をした場合には、住居侵入罪窃盗罪が成立する可能性があります。

刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

住居侵入罪の法定刑は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金です。
また、窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

住居侵入罪窃盗罪、どちらも懲役刑が規定されていますから、有罪になれば懲役刑が科される可能性があります。
また、有罪になれば、罰金刑で済んだとしても、前科は付くことになります。

刑罰を科されたり、前科が付くことで、現在の仕事を解雇されたり、何等かの悪影響を及ぼすかもしれません。
何とか刑罰や前科を回避する方法はあるのでしょうか。

刑罰や前科を回避に向けた弁護活動として、示談交渉があげられます。

刑事事件では、被害者と示談を締結することで、不起訴処分を獲得することができる場合があります。
不起訴処分とはその名の通り、起訴しない処分を指し、不起訴処分を獲得することができれば、刑罰を科されたり、前科が付くことはありません。

示談交渉であれば弁護士に依頼しなくても加害者本人ができるのではないかと思われる方もいるかもしれません。
ですが、今回の事例の被害者は加害者の隣人であり、住居などの被害者の個人情報が加害者に知られている状態です。
そのような状態で、加害者本人から接触されれば被害者は恐怖を感じるでしょうし、話しを聞いてもらえない可能性が高いです。
また、証拠隠滅を疑われてしまう可能性もありますので、加害者本人が直接被害者に示談交渉を行うことはおすすめできません。
弁護士を介して示談交渉を行うことで、円滑に示談を締結することができる場合もありますので、示談交渉を行う際は、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
豊富な弁護経験を持つ弁護士に相談をすることで、不起訴処分を獲得できる可能性があります。
示談を考えている方、示談交渉でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

マンションのベランダから下着を盗んだ下着泥棒が逮捕された事例②

2024-08-28

マンションのベランダから下着を盗んだ下着泥棒が逮捕された事例②

下着泥棒

前回のコラムに引き続き、マンションのベランダに干してある下着を盗んだ事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府南丹市にあるマンションに住む会社員のAさんは、女性の下着に興味がありました。
隣に住むVさんが女性だと気づいたAさんはベランダからVさんの部屋のベランダに移動して、干してあるVさんの下着を盗みました。
後日、Aさんは窃盗罪住居侵入罪の容疑で京都府南丹警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

逮捕と釈放

今回の事例では、Aさんが隣の部屋に住むVさんの下着を盗んだとして、窃盗罪住居侵入罪の容疑で逮捕されています。
Aさんはマンションの隣の部屋のベランダに侵入し下着を盗んだわけですから、Vさんの住所を当然知っている状態です。
このような場合には、被害者に接触することで証拠隠滅が容易だと判断され逮捕勾留されてしまう可能性が高いといえます。

勾留は、逮捕後72時間以内にするかどうかの判断が行われます。
検察官が勾留請求をしなかったり、裁判官が勾留請求を却下した場合には、勾留されずに釈放されることになります。
弁護士は、勾留の判断が行われるまでの間であれば、検察官や裁判官に対して、勾留請求に対する意見書を提出することができます。
例えば、釈放後はAさんが自宅ではなく実家で両親の監督の下で暮らすなど証拠隠滅ができないように対策を講じること、勾留されることで解雇されるおそれがあることなどを意見書で主張し、釈放を求めることで、早期釈放を実現できる可能性があります。

また、勾留が決まった後であっても、裁判所に対して、勾留決定に対する準抗告の申し立てを行うことができます。
準抗告の申し立てが認容されれば、勾留満期を待たずに釈放されることになります。
勾留最長で20日間にも及びますから、勾留満期を迎える前に釈放されることで、解雇などの処分を防いだり、少しでもかかるストレスを軽減できる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は刑事事件に精通した法律事務所です。
数々の刑事事件で早期釈放を実現してきた弁護士による身柄開放活動で、釈放を認めてもらえるかもしれません。
勾留阻止を目指す場合には逮捕後72時間以内に意見書を提出する必要があるなど、身柄開放活動は時間との勝負になります。
ですので、ご家族が逮捕された場合には、できる限り早く、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部ご相談ください。

マンションのベランダから下着を盗んだ下着泥棒が逮捕された事例①

2024-08-25

マンションのベランダから下着を盗んだ下着泥棒が逮捕された事例①

下着泥棒

マンションのベランダに干してある下着を盗んだ事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府南丹市にあるマンションに住む会社員のAさんは、女性の下着に興味がありました。
隣に住むVさんが女性だと気づいたAさんはベランダからVさんの部屋のベランダに移動して、干してあるVさんの下着を盗みました。
後日、Aさんは窃盗罪住居侵入罪の容疑で京都府南丹警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

窃盗罪

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

窃盗罪とは、簡単に説明すると、人の物を持ち主の許可なく、自分や第三者の物にした場合に成立する犯罪です。

下着泥棒の場合は、他人の下着を持ち主の許可なく自分の物にするわけですから、窃盗罪が成立します。
今回の事例のAさんにも窃盗罪が成立する可能性が高いでしょう。

住居侵入罪

刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

住居侵入罪とは、大まかに説明すると、住居に正当な理由や居住者の許可なく侵入すると成立する犯罪です。
住居とは、人が現在生活を送っている建物をいいます。

今回の事例では、AさんがVさんの下着を盗むためにVさんの部屋のベランダに侵入しています。
ベランダも建物の一部ですし、Aさんが侵入した隣の部屋にVさんは住んでいるわけですから、Aさんが侵入したVさんの部屋のベランダは住居にあたります。
VさんはAさんがベランダに侵入することを許可していないでしょうし、下着を盗むために侵入する行為は侵入するための正当な理由とはいえません。
ですので、Aさんには窃盗罪だけでなく、住居侵入罪も成立する可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
刑事事件に精通した弁護士による弁護活動で、不起訴処分などのより良い結果を得られる可能性があります。
窃盗罪住居侵入罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

転売目的でドラックストアで化粧品の万引きを繰り返し窃盗罪の容疑で逮捕された事例

2024-08-11

転売目的でドラックストアで化粧品の万引きを繰り返し窃盗罪の容疑で逮捕された事例

万引き

転売目的で化粧品の万引きを繰り返し、窃盗罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

Aさんは3か月ほど前から、万引きして手に入れた化粧品をフリマアプリで転売することでお金を得ていました。
いつも通り、Aさんは京都府向日市にあるドラックストアに行き万引きをしようとしていたところ、以前から万引き被害を認識していた店員がAさんの来店に気づいて通報し、Aさんは窃盗罪の容疑で京都府向日町警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

万引きと窃盗罪

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

窃盗罪を簡単に説明すると、人の物を持ち主の許可なく、自分や他人の物にすると成立する犯罪です。

万引きでは、お店の持ち物である商品を代金の支払い(お店の許可)なく自分の物にするわけですから、窃盗罪が成立する可能性が高いです。
今回の事例では、Aさんは化粧品の代金を支払うことなく万引きしていたようですので、Aさんに窃盗罪が成立する可能性があります。

転売目的による窃盗

Aさんはフリマアプリで転売する目的で万引きを繰り返していたようです。
転売目的での万引き事件では、盗品でお金を得ることになりますし、自分で消費する以上に物を盗むことになりますから、悪質性が高いと判断される可能性があります。
悪質性が高いと判断された場合には、そうでない場合に比べて科される量刑が重くなってしまいます。

窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金であり、決して科される罪の軽い犯罪だとはいえません。
また、罰金刑で済んだり執行猶予付き判決を得られたとしても、有罪になってしまうと前科が付くことになります。
前科が付くことで今の生活や今後の生活に悪影響を及ぼす可能性もありますから、万引きだからと楽観視せずに、弁護士に相談をすることをおすすめします。

刑事事件では、被害者と示談を締結することで、不起訴処分執行猶予付き判決を得るうえで有利な事情として働く可能性があります。
今回のような万引き事件では、お店相手との示談になります。
お店相手の示談交渉の場合は、お店の経営方針などから謝罪や賠償を断られてしまうことが多々あります。
一度お店に謝罪や賠償の申し入れを断られている場合であっても、再度弁護士が交渉することで応じてもらえる場合がありますから、万引き事件示談交渉を考えている方は弁護士に相談をすることが望ましいといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
万引き事件の弁護経験が豊富な弁護士に相談をすることで、少しでも良い結果を得られるかもしれません。
万引き事件でお困りの方は、万引き事件に精通した弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

ホテルの総務部長が消耗品を水増し請求して逮捕

2024-08-04

ホテルの総務部長が消耗品を水増し請求して逮捕

財産犯

ホテルの総務部長が消耗品の水増し請求を行い、逮捕された事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事件概要

京都府中京警察署は、京都市中京区にあるホテル「ザ ホテル オンリーワン」の総務部長Aを背任罪の疑いで逮捕しました。
Aは、ホテルの総務部長として、ホテルで使用される消耗品の購入を一任されていました。
しかし、Aは株式投資で大きな損失を出してしまい、その補填のため急激に資金繰りに困るようになりました。
Aは、長年取引で親しい間柄となっていた「古都日用品株式会社(C社)」から、消耗品を購入する際に水増し請求を行うことを思いつきました。
通常ならば、消耗品の月間予算は50万円程度ですが、AはC社と共謀し、毎月75万円を請求させることにして、水増しされた25万円はAとC社で山分けしていました。
顧問税理士が決算書を見て異変に気づき、ホテルに報告したことで事件が発覚しました。
警察の取り調べに対し、Aは「株式投資で大きな損失を出してしまい、その補填のため急激に資金繰りに困っていた。利益が出たら返そうと思っていた」と容疑を認めています。
(フィクションです)

背任罪とは?

刑法第247条が規定する背任罪は、他人のためにその事務を処理する者(①)が、自己もしくは第三者の利益を図り、または本人に損害を加える目的(②)で、その任務に背く行為(③)をし、本人に財産上の損害を加える(④)犯罪です。

背任罪の主体は、「他人のためにその事務を処理する者(①)」です。
本件のAは、ホテルの総務部長として、必要な消耗品の購入を一任されていました。
したがって、Aは、背任罪が規定する「他人のためにその事務を処理する者」に該当する可能性があります。

また、背任罪が成立するためには、「自己もしくは第三者の利益を図り、または本人に損害を加える目的(②)」が必要です。
ここでの「本人」とは、背任行為の行為者に事務処理を委託した者を指します。
本件では、Aが総務部長として消耗品の購入を一任していたホテルが「本人」に該当します。
そしてAは、消耗品の水増し請求分を懇意にしている取引先と山分けしていたため、自己と第三者の利益を図ったことになります。
したがって、図利・加害目的があったと評価される可能性があります。

次に、「任務に背く行為(③)」背任罪の成立に必要です。
背任行為とは、事務処理者として信義則上当然行うべき行為をしなかったことを指します。
本件では、Aは、ホテルの総務部長として、適正価格で消耗品を購入することを任されていましたが、それに反して親しい間柄の取引先に水増し請求させ、過大な代金をホテルに支払わせていました。
したがって、任務に背く行為があったと言えます。

最後に、「本人に財産上の損害を加えたこと(④)」も必要です。
本件では、ホテルが毎月25万円分多く支払っていたため、Aは本人に財産上の損害を与えたことになります。
以上の点から、本件では背任罪が成立する可能性が高いと言えるでしょう。

なるべく早く弁護士に相談を

背任罪を犯してしまった場合には、早期に被害者との間で示談を成立させることが重要です。
加害者自ら示談交渉を行うのは、被害者の強い処罰感情により難しい場合が多いため、弁護士に相談することをお勧めします。

早い段階で被害者との間で示談を成立させ、真摯な謝罪と損害の弁償を行えば、不起訴処分となる可能性があります。
不起訴処分にならなかった場合でも、判決前に示談を成立させることで、量刑が軽減されたり執行猶予付き判決を得る可能性が高まります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、背任事件など刑事事件に関する豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
数多くの示談交渉を成功させてきた弁護士が、被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得や量刑の軽減を図ることができます。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。

私物の電動キックボードを傷つけられた男が3万円を脅し取った疑いで逮捕

2024-08-02

私物の電動キックボードを傷つけられた男が3万円を脅し取った疑いで逮捕

財産犯

私物の電動キックボードを傷つけられた男が3万円を脅し取った疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事件概要

京都府山科警察署は、自営業を営む男性A(35)を恐喝罪の疑いで逮捕しました。
Aは、自分の私物である電動キックボードをコンビニの駐輪場に停めて買い物をしていたところ、同じ駐輪場に停めてあったシェアリングサービスの電動キックボードと勘違いしたV(24)が、誤ってAの電動キックボードの運転スイッチを押してしまいました。
その結果、キックボードが壁にぶつかり、本体が凹んでしまいました。
Aがコンビニから出てきた際、この状況に気付き、Vに対して「どうしてくれるんや!」と怒鳴り、「弁償しないとボコボコにするぞ」と脅しました。
驚いたVは、財布に入っていた3万円をAに渡してしまいました。
この一部始終を目撃していた他の買い物客が警察に通報し、駆けつけた警察官によりAは逮捕されました。
取り調べに対し、Aは「自分の財産を壊されて怒りが収まらなかった」と容疑を認めています。
(フィクションです)

恐喝罪とは

刑法第249条1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

本件で、AはVに対して「ボコボコにするぞ」と脅して現金3万円を受け取っており、このAの行為は恐喝罪に該当する可能性があります。

まず、恐喝罪にいう恐喝とは、①財物交付に向けられた、人を畏怖させるに足りる脅迫または暴行であり、②その反抗を抑圧するに至らない程度の行為を指します。
本件で、Aは「ボコボコにするぞ」と言ってVを怖がらせています。
これは身体に対する害悪の告知であり、Aの発言は財物交付に向けられた人を畏怖させるに足りる脅迫に該当します(①)。

次にAの行為は、Vの反抗を抑圧するに至らない程度と言えるでしょうか。
仮に、反抗を抑圧する程度の脅迫に該当した場合、恐喝罪ではなく強盗罪の成否が問題となります。
例えば、鋭利な刃物などの凶器を被害者に向けて脅迫した場合、要求に応じないと命の危険があるため、金品を差し出すしかありません。
このような場合、反抗を抑圧する程度の脅迫に該当し、恐喝罪ではなく強盗罪が成立する可能性があります。

本件では、Aは「ボコボコにするぞ」と脅しましたが、凶器を用いたわけではありませんので、反抗を抑圧する程度の脅迫とは言えないでしょう。
したがって、Aの発言は恐喝に該当すると考えられます(②)。

以上より、Aには恐喝罪が成立する可能性があります。

できるだけ早く弁護士に相談を

恐喝罪の法定刑は十年以下の懲役です。

執行猶予がつくためには、下される量刑が三年以下であることが必要ですから、恐喝罪を犯した場合には執行猶予がつかない可能性があります。
仮に執行猶予がつかず実刑判決が下った場合、刑務所に拘束されるため、日常生活に大きな影響を及ぼしますから、量刑を3年以内に抑えることができるかどうかが非常に重要になってきます。

下される量刑を抑えるには、被害者との間で示談を成立させることが重要です。
ただし、本件のように、脅迫された被害者からすると、加害者とは関わりたくないと思う可能性が高いため、本人自ら示談交渉を行うのは困難です。
そこで、交渉のプロである弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、示談交渉を数多く成立させてきた豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣無料法律相談のご予約は0120-631-881にて受け付けております。

全国チェーンの居酒屋の雇われ店長が水増し請求して逮捕

2024-07-31

全国チェーンの居酒屋の雇われ店長が水増し請求して逮捕

犯罪行為で得たお金

居酒屋の雇われ店長が水増し請求した疑いで逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事件概要

京都府中京警察署は、全国展開する居酒屋チェーン「乾杯家」の京都支店の店長Aを背任罪の疑いで逮捕しました。
「乾杯家」京都支店の雇われ店長として、店舗の飲料や食材の購入を一任されていたAは友人の経営する飲料会社Dと共謀し、特製ハイボールの購入に関して水増し請求を行いました。
通常、京都支店の規模では、毎月の特製ハイボールの仕入れ値は250万円程度ですが、水増し請求によって毎月500万円が仕入れ値として計上されていました。
そのため、チェーン本部の経理担当者が異変に気づき、事件が発覚しました。
警察の取り調べに対し、Aは「家族の医療費を賄うために水増し請求を思いついた」と容疑を認めています。
(フィクションです)

背任罪とは?

刑法第247条が規定する背任罪は、他人のためにその事務を処理する者(①)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的(②)で、その任務に背く行為(③)をし、本人に財産上の損害を加える(④)犯罪です。
背任罪の主体は「他人のためにその事務を処理する者(①)」です。本件Aは、全国展開する居酒屋「乾杯家」の京都支店の雇われ店長として、京都支店の物品の購入を一任されていたため、「他人のためにその事務を処理する者」に該当します。

次に、背任罪が成立するためには「自己もしくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的(②)」が必要です。
ここでの「本人」とは、背任行為の行為者に事務処理を委託した者を指します。
本件では、Aを雇用している「乾杯家」のオーナーが「本人」にあたります。Aは、「本人」であるオーナーに対して水増し請求分を負担させ、知人と利益を分け合っていたため、図利・加害目的があったと評価されます。

さらに、背任行為(「任務に背く行為(③)」)が背任罪の成立に必要です。
背任行為とは、事務処理者として当該事情の下で信義則上当然行うべく期待される行為をしなかったことをいいます。
本件では、Aが店舗の特製ハイボールの仕入れにおいて、適正価格で購入するという任務に背いて水増し請求を行っていたため、背任行為があったと言えます。

最後に、「本人に財産上の損害を加えたこと(④)」も必要です。
本件では、オーナーは水増し請求により毎月250万円の余分な支出をしていたため、Aが本人に財産上の損害を与えたことになります。
以上より、本件では背任罪が成立する可能性が高いと考えられます。

なるべく早く弁護士に相談を

背任罪を犯してしまった場合には、早期に被害者との間で示談を成立させることが重要です。
早い段階で示談を成立させ、真摯な謝罪と損害の弁償を行えば、不起訴処分になる可能性があります。
仮に不起訴処分にならなかったとしても、判決前に示談を成立させることで量刑が軽くなったり執行猶予付き判決が得られるかもしれません。

示談交渉は、自分で行わずに弁護士に任せることをおすすめします。
本件Aは、「乾杯家」京都支店の店長としてオーナーから信頼されていたにもかかわらず、それを裏切って損害を与えたように、背任罪の加害者は被害者からの信頼を裏切って損害を与えています。
したがって、加害者自ら示談交渉に乗り出しても対応してもらえない可能性が高いです。
しかし、弁護士相手であれば被害者が示談交渉に応じてくれることがありますので、弁護士に一度相談されることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、背任事件をはじめとする豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得や量刑の軽減執行猶予付き判決の獲得が期待できます。
できるだけ早い段階で、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部ご相談ください。

閉店作業中の美容室で店員にナイフを突きつけて現金を奪った男を逮捕

2024-07-28

閉店作業中の美容室で店員にナイフを突きつけて現金を奪った男を逮捕

財産犯

閉店作業中の美容室で店員にナイフを突きつけて現金を奪った男が逮捕された事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事件概要

京都府南警察署は、京都市内に住む無職の男性(36)を逮捕した。
男は、京都市南区にある美容室に営業時間後に侵入し、レジ締め作業をしていた女性スタッフに対し所持していたナイフを突きつけて「レジの金を全てよこせ。出さないとナイフで刺すぞ」と脅し、恐怖で抵抗できない女性スタッフからレジの金を奪い取ったとして、強盗罪の疑いで逮捕された。
(フィクションです)

強盗罪とは

刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

本件で、男は、ナイフを美容室の店員に突きつけてお金を無理矢理奪ったとして、強盗罪の疑いで逮捕されています。
このような行為がなされると、被害者が死亡したり怪我をしたりといったことが発生しやすいと言えますから、強盗罪は、とても危険で悪質な犯罪と言えます。
強盗罪に当たる行為が、単に人の財産に対する侵害行為にとどまらず人の生命・身体・自由に対する侵害行為という側面も有するため、法定刑は5年以上の有期懲役となっています。

手段としての「暴行又は脅迫」

強盗罪を規定する刑法236条によると、強盗罪「暴行または脅迫」を手段とする犯罪です。
このように犯罪の手段として「暴行または脅迫」が用いられたことを要する犯罪は、強盗罪以外にも恐喝罪などがありますが、各犯罪によって、「暴行」「脅迫」の意味内容は異なると解されています。

強盗罪の場合、暴行・脅迫は財物を無理やり奪い取る手段として規定されていますから、本罪における暴行とは、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使を意味し、脅迫とは、反抗を抑圧するに足りる程度の害悪の告知を言います。
また、反抗を抑圧するに足りる程度とは、簡単にいうと、抵抗することが困難な程度のことをいいます。
問題となった行為が、被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫であるか否かは、「社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものかどうか」という客観的基準によって決せられます(最判昭和24年2月8日)。

この判断は、暴行又は脅迫の態様、行為者及び被害者の状況、日時や場所などを総合考慮して判断されます。
その中でも特に暴行又は脅迫の態様が重視されます。
例えば、加害者が殺傷能力の高い凶器を使用した場合には、社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫と判断される可能性が高くなります。

本件の容疑者は、営業終了後の美容室にのレジに入っていたその日の売上金(財物)を手に入れようとして、レジ締め作業をしていた女性スタッフにナイフを突きつけたようです。
本件において、容疑者は男性である一方で、被害者は女性です。
一般に、女性の方が男性より力は弱い上に、容疑者はナイフという殺傷能力の高い凶器を突きつけていますから、被害者の女性スタッフが男に対して抵抗すること難しいと言えるでしょう。
したがって、男が女性スタッフにナイフを突きつけた行為は、反抗を抑圧するに足りる程度の有形力の行使、すなわち強盗罪における暴行に当たると言えそうです。

加えて、男は女性スタッフに対し、レジ金をよこさないとナイフで刺すぞと脅しています。
ナイフで刺すというのは、身体に対する害悪の告知です。
本件状況のもとで、女性スタッフが男に反抗するのは非常に難しいでしょうから、この行為は強盗罪における脅迫にあたりそうです。

したがって、男は、暴行と脅迫を手段として、その日の美容室の売上金(財物)を奪ったとして、強盗罪が成立する可能性があります。

できるだけ早く弁護士に相談を

本件では執行猶予がつかない可能性があります。
というのは、執行猶予がつくためには懲役刑の場合は下される量刑が3年以下である必要があるのに対し、強盗罪の量刑は5年以上の有期懲役となっているからです。
執行猶予がつかない場合、刑務所に服役することになり今まで通りの社会生活を送ることはできなくなります。
会社にお勤めの場合には、解雇される可能性が高いでしょう。
ただし、強盗罪を犯した場合であっても、被害者に真摯に謝罪して示談が成立していれば、刑の減軽がされて、3年以下の懲役が下され、執行猶予がつく可能性があります。
したがって、示談を成立させることができるかどうかが重要となります。

もっとも、加害者本人が示談交渉を直接行うことはおすすめできません。
というのは、本件のように従業員に対しナイフを突きつけ、大切な売上金を奪い取った加害者に対し、被害者側は強い処罰感情を有しているでしょうし、そのような加害者と直接連絡をとることに恐怖を感じるのが通常だからです。
そこで、示談交渉は弁護士に一任されることをおすすめいたします。
加害者からの連絡を断固拒絶している被害者も、弁護士とであれば連絡を取ることに応じてくれるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、強盗事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得のほか、量刑を軽くしたり執行猶予付判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。

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