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窃盗事件と略式罰金

2021-03-22

窃盗事件と略式罰金

窃盗事件略式罰金について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

〜事例〜

京都府宮津市に住んでいるAさんは、近所のスーパーで万引きをしたことによる窃盗事件により、京都府宮津警察署で捜査を受けていました。
Aさんは以前にも万引きをしたことがあり、その時は不起訴処分となったものの、「今回は不起訴では終わらないぞ」と警察官に言われてしまいました。
Aさんは、自分がどういった処分を受けるのか不安になり、弁護士に相談したところ、予想される処分に略式罰金という処分があると言われました。
そこでAさんは、略式罰金がどういった処分なのか弁護士に詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・刑事事件の流れと略式罰金

窃盗事件を含む刑事事件では、まず警察が事件を発見して捜査することが多いでしょう。
そして警察が捜査を完了したところで、事件は警察から検察へ移される(送られる)ことになります。
ニュースなどでもよく耳にする「送検」とは、その刑事事件を警察から検察に移すことをいいます。
事件が送検されたら、今度はその刑事事件の担当となった検察官が、被疑者を起訴するかどうかを判断することとなります。

刑事事件で被疑者となり、起訴されると裁判となります。
よく言われることではありますが、日本では起訴された刑事事件の99%は有罪となっています。
ですから、前科を回避したいと考える方などは、被疑者となってしまったら第一に起訴を回避する=不起訴処分を獲得するために弁護士に弁護活動をしてもらうなどすることになります。

ここで今回のポイントとなる「略式罰金」に関わることですが、通常、検察官は地方裁判所に公訴提起=起訴をすることになるのですが、一部の比較的軽微な犯罪については簡易裁判所に公訴提起=起訴をすることができます。
一部の比較的軽微な罪とは、裁判所法第33条第1項第2号に規定されている以下の犯罪です。

裁判所法第33条第1項
簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。
第2号 罰金以下の刑に当たる罪、選択刑として罰金が定められている罪又は刑法第186条、第252条若しくは第256条の罪に係る訴訟

まとめると、罰金以下の刑に当たる犯罪や、選択刑として罰金が定められている犯罪がこの対象とされていることになります。

例えば、今回の事例のAさんは、万引きによる窃盗罪(刑法第235条)の被疑者となっています。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」となっていますので、窃盗罪は「選択刑として罰金が定められている犯罪」に当たります。
つまり、Aさんの事例では、Aさんの窃盗事件は簡易裁判所に起訴される可能性があるといえます。

検察官が簡易裁判所に起訴する場合には、検察官は略式命令請求書を提出して書面審査のみによる簡便な手続を請求することができます。
この手続を略式手続といいます。
略式手続による起訴が略式起訴と呼ばれるもので、よくドラマなどで見る公開の法廷で行われる正式な裁判に対して簡単な手続きであることから略式起訴、略式手続きなどと呼ばれてい流のです。
この略式手続では、後述のように罰金刑しか科せないことから、略式手続を経て罰金刑となることを略式罰金と呼んだりもします。
今回のAさんも、略式手続を経て罰金刑となる可能性があるため、弁護士から略式罰金の可能性があると言われたのでしょう。

この略式罰金の手続きでは、正式起訴されて行われる裁判と異なり、公開の法廷で行われることもなく、何日も裁判所に行く必要がないことから、正式裁判を避けて略式罰金にしてほしいと考える方もいらっしゃいます。
しかし、略式罰金の手続きをするにも希望すればできるというわけではなく、いくつかの条件があります。

①簡易裁判所が管轄する事件であること
先ほど挙げたように、容疑をかけられている犯罪が上記の裁判所法第33条第1項第2号に当てはまらなければなりません。

②100万円以下の罰金・科料に当たる事件であること
①に該当する犯罪であっても、事件の重大さなどから罰金刑以下の刑では不適当と判断される場合があります。
略式罰金を行うためには、相当であると考えられる刑が100万円以下の罰金または科料でなければいけません(それ以上の金額は簡易裁判所が取り扱いできないため。)。

③被疑者が容疑を認めていること
検察官は略式罰金の手続を行う前に被疑者に略式手続について説明し、略式罰金の手続によることに異議がない場合に限って略式命令を請求できることとなっています。
略式罰金の手続きでは、公開の裁判は開かれず、書面のみで審理が行われます。
迅速で行われる上、被告人として公開の法廷に立つ必要がないことはメリットでもありますが、同時に裁判の場で反論することができないため、デメリットでもあるのです。
ですから、容疑を認めているいわゆる「認め」の事件にしか略式罰金の手続きは適用できないのです。

そして、罰金刑であっても有罪となり刑罰を受けることに変わりはありませんから、略式罰金を受けるということは前科がつくことになります。
略式罰金によるメリット・デメリットを弁護士とよく相談しながらどのような処分を目指していくのか、どういった処分を受け入れるのか決めていくことが良いでしょう。

刑事事件の処分や手続きはさまざまで、一般に浸透していないことも多いです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、略式罰金の手続きなど、刑事手続きについてのご相談も多く承っています。
窃盗事件などの刑事事件にお悩みの際は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。

品物を預かって盗品保管罪に

2021-03-11

品物を預かって盗品保管罪に

品物を預かって盗品保管罪に問われたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

〜事例〜

京都市左京区に住んでいるAさんは、骨董品店を営んでいるBさんから「店が手狭になったから品物を数店預かってくれないか」と骨董品を数点渡されました。
Aさんは、「預かるくらいならいいか」と思い、自宅で骨董品を預かり、しばらく保管していました。
しかし、実はこの骨董品は数日前にBさんが京都市左京区にあるVさん宅から盗んだ盗品だったのでした。
後日、Vさん宅の窃盗事件京都府川端警察署に捜査され、Bさんが窃盗罪の容疑で捜査されることになり、そこでBさんが盗品をAさんに預けたと供述したことから、Aさんは盗品保管罪の容疑で話を聞かれることになってしまいました。
困ったAさんは、弁護士に対応を相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・盗品関与罪〜盗品保管罪

今回Aさんが疑われている盗品保管罪は、盗品関与罪と呼ばれる犯罪の1つです。
盗品等関与罪は、刑法第256条に定められている犯罪です。

刑法第256条
第1項 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。
第2項 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪(刑法第235条)や詐欺罪(刑法第246条第1項)などの財産罪を犯した人が、これらの犯罪によって得た財物をどう処分しようと、そのことによって改めて盗品等関与罪で処罰されることはありません(このような行為を不可罰的事後行為といいます。)。
しかし、窃盗罪を犯した本人や詐欺罪を犯した本人以外の人については、この盗品等関与罪が成立する可能性があります。

盗品等関与罪は、盗品等を譲り受けることなどによって本犯の被害者が盗品等の回復を行うことを困難にしたり、本犯により生じた違法な財産状態を維持・継続させることになるために処罰されます。
例えば、窃盗罪の被害を受けた人(盗まれた人)からすれば、被害品=盗品が盗んだ本人から別の人に移ってしまえばそれを取り戻しにくくなるということです。

盗品等関与罪が成立し得る具体的な態様としては、譲り受け、有償処分のあっせん、運搬、保管があります。
このうち、今回のAさんが疑われているのは盗品保管罪ということになります。

盗品等関与罪は故意犯ですから、目的物が盗品等であることを認識・予見していなければ処罰されることはありません。
今回のケースでは、AさんはBさんからのしばらく預かっていてほしいという依頼を受け、盗品である骨董品を保管しています。
しかし、Bさんから骨董品を預かり保管していた時点で、Aさんがこの骨董品が盗品であることを認識・予見していたかどうかは事例からはわかりません。
もしもAさんがBさんが売買などによって正当に所有している骨董品であると認識していた場合、盗品保管罪の故意はないことになり盗品保管罪は成立しません。

ただし、判例によれば、保管開始後、保管中に盗品であることを知った場合にも故意を認め盗品保管罪が成立するとされています。
ここでの故意は、譲り受けや保管などの目的物が盗品等であることを確定的に知っていることまでは必要ではなく、もしかしたら盗品かもしれないと思いながら敢えて譲り受けたり保管するなどの意思を有していた場合(いわゆる未必の故意)にも認められます。
ですから、今回のケースでは、Aさんの認識や当時の状況を詳しく聞いた上で主張を組み立てていく必要があると言えます。

取調べなどで主張をしていくには、自分にかけられた容疑の犯罪がどのような犯罪であるのか、自分の認識はどのようなものなのか、客観的な事情はどういったものがあるのかといった詳しい事情を専門的に検討しなければいけません。
だからこそ、弁護士に細かく相談することがお勧めです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回無料法律相談も受け付けています。
預かり物から盗品保管事件に巻き込まれてしまった方は、まずはお気軽に弊所弁護士までご相談ください。

治療費水増し請求による詐欺事件

2021-02-01

治療費水増し請求による詐欺事件

治療費水増し請求による詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

〜事例〜

Aさんは、京都市山科区で個人病院を経営しています。
Aさんは、患者の通院日数を実際よりも多く記載された診療報酬明細書(レセプト)を保険会社に提出して、実際よりも多い治療費を受け取る、いわゆる治療費の水増しをしていました。
しかし、保険会社の調査によりAさんの水増し請求行為が発覚。
保険会社は京都府山科警察署に被害を届け出て、京都府山科警察署が捜査を開始しました。
その後、Aさんは詐欺罪の容疑で京都府山科警察署に逮捕され、Aさんの逮捕を心配したAさんの家族は、京都府詐欺事件に対応している弁護士に、Aさんの元に接見に行ってもらうことにしました。
(※令和3年1月19日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・治療費の水増し請求

治療費の水増し請求は、今回のAさんの事例のように病院や整骨院など、治療をする側の人が行うことによって実際の治療費よりも多い治療費を得る行為です。
そもそも、治療費は病院等で治療を受けた患者から全額を受け取るわけではありません。
患者が負担して病院等へ支払う分だけでなく、保険から病院等へ支払われる分があるのです。

患者が負担する分の治療費は、患者が病院等へ行った際に支払われることになるでしょう。
これに対し、保険が負担している分の治療費については、病院等が該当患者の診療内容等を診療報酬明細書(レセプト)に記載し、保険が負担する分の治療費を支払う機関に提出し、審査を受けることで病院側へ支払われます。
すなわち、この流れを悪用し、提出する診療報酬明細書(レセプト)に実際の診療内容よりも多い診療内容を記載し、本来受け取れる治療費よりも多い治療費を受け取るというのが、治療費の水増し請求の手口なのです。

・治療費の水増し請求は詐欺罪になる

治療費の水増し請求行為は、刑法の詐欺罪に当たると考えられます。

刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪の条文には、「人を欺いて」「財物を交付させ」るという詐欺罪が成立するための条件が定められています。
「人を欺」く行為は欺もう行為とも呼ばれ、ただ単に嘘をつくだけではなく、相手が財物を交付するかどうか判断する時に重要な事項について偽ることだとされています。
詐欺罪が成立するには、この欺もう行為によって相手が騙され、騙されたことで相手が財物を交付するという判断を下し、財物が交付されるという流れを辿ることになります。
なお、欺もう行為をした時点で詐欺罪の実行に着手したと判断され、詐欺未遂罪が成立するとされています。

今回のAさんの行ったような治療費の水増し請求行為は、診療報酬明細書(レセプト)に嘘の内容を書いて治療費を請求することになります。
治療費を支払う側としては、診療報酬明細書(レセプト)の内容が異なっているのであれば、当然その分の治療費を支払うことはありません。
ですから、Aさんは詐欺罪の「人を欺」く行為=欺もう行為をしていることになります。
今回の事例の場合、Aさんは保険会社から水増し請求した治療費をもらっていることから、「財物を交付させた」こととなり、詐欺罪が成立すると考えられるのです。

ここで、もしもAさんが水増しした内容の診療報酬明細書(レセプト)を提出したものの、保険会社の審査でその水増しが発覚したような場合も考えておきましょう。
先ほど触れたように、詐欺罪は欺もう行為をした時点で詐欺未遂罪が成立します。
確認したように、Aさんが水増しした内容の診療報酬明細書(レセプト)を提出して水増しされた治療費を請求する行為自体が欺もう行為に当たるため、たとえ保険会社の審査で水増し請求が発覚して治療費が支払われるところまでに至らなくても、詐欺未遂罪が成立すると考えられます。

治療費水増し請求による詐欺事件では、被害額が大きくなってしまうことや、余罪の詐欺事件が複数存在することも考えられます。
刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、そうした詐欺事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
被害者対応の円滑化や、複数ある事件の取り調べ対応のポイント把握など、弁護士のサポートを受けることで得られるメリットは大きいでしょう。
まずはお気軽にご相談ください。

転売目的で万引きしてしまった

2021-01-07

転売目的で万引きしてしまった

転売目的万引きをしてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市左京区に住むAさんは、近所のドラッグストアで化粧品を万引きしてはそれを転売することを繰り返していました。
ある日、Aさんはいつものように近所にあるドラッグストアで化粧品約1万円分を万引きしたのですが、万引きの被害を受けてAさんをマークしていた警備員に犯行を目撃されて逮捕されると、京都府下鴨警察署の警察官に引き渡されました。
その後の京都府下鴨警察署の捜査によって、Aさんが転売目的で万引きを行っていたということや余罪も多くあることが判明しました。
Aさんの逮捕の知らせを受けたAさんの夫は、万引き事件にも多く対応している弁護士に相談したいと思い、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・転売目的で万引きしてしまった

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部に寄せられるご相談の中でも、「万引きをしてしまった」「万引き事件を起こして捜査されている」という内容のご相談は多く見られます。
その万引きの理由としても、「自分が欲しかった・使いたかった」というもの以外に、今回のAさんの事例のように転売を目的としたものも少なくありません。
特に、漫画本や化粧品、電化製品などを万引きし、リサイクルショップやネットオークション、フリマアプリなどを利用して転売する、という手口が多いようです。

このような転売目的の万引きは、悪質性が高いと判断され重い処分になりやすいといわれています。
これには、転売という目的があって万引きをしているために計画性のある犯行であると判断されやすい、さらに万引きしたものを転売することによって喪失し利益を得ているため悪質性が高いと判断されやすいなどの理由があるようです。

それでも、「単なる万引きなのだから大したことにはならないのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、万引きという言葉に置き換えられソフトに聞こえるかもしれませんが、万引きという行為は窃盗罪という犯罪です。

刑法第235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となっており、懲役刑、つまり刑務所に行くという刑罰も規定されていることが分かります。
たとえ万引きの初犯であったとしても、被害額やその手口などによっては、正式裁判になったり懲役刑になることはありうる話なのです。
ですから、「単なる万引きだから」と軽く考えず、早めに弁護士に相談し、専門家の意見を聞いてみることをおすすめします。

・転売目的の万引きから窃盗罪以外も成立?

ここまで見てきたとおり、万引き行為には窃盗罪が成立しますが、今回のAさんの事例のようにすでに万引きしたものを転売したことのある場合、さらに気を付けなければいけないことがあります。
それが、転売先に対する詐欺罪が成立する可能性があるということです。

刑法第246条第1項(詐欺罪)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪は、簡単に言えば人を騙して財物を引き渡させることで成立する犯罪です。
万引きした物を転売する際、多くの場合はフリマアプリを通じて転売したり、リサイクルショップ等で転売したりするケースが見られます。
しかし、リサイクルショップ等では、万引きなどの窃盗行為の被害品等でないことを確認した上で買い取りを行うことが多いです。
その際、万引きした物をそうでないと偽って転売すると、店側に「万引きの被害品ではない」と偽って代金を渡させる=「人を欺いて財物を交付させ」る行為であると判断され、詐欺罪に該当する場合があるのです。
これはリサイクルショップでの転売に限ったことではなく、万引きしたものの転売にはこうした詐欺罪の成立といったおそれがあるため、注意が必要なのです。

詐欺罪は、窃盗罪とは異なり、罰金刑の規定がありません。
つまり、起訴されれば必ず公開の法廷に立つことになり、有罪となれば執行猶予がつかなければ刑務所に行くことになるということです。
転売目的の万引き事件から、このような重大な結果に結びついてしまうこともあるのです。
そのため、やはり万引き事件だからと甘く考えず、弁護士に相談することが望ましいと考えられるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、万引き事件転売に関連する詐欺事件のご相談・ご依頼も多く受け付けています。
京都府万引き事件転売に関連した刑事事件にお困りの際は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。

ひったくり事件で逮捕されたら

2020-12-24

ひったくり事件で逮捕されたら

ひったくり事件逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市下京区の商店街は、年末年始ということもあり、少し人通りが多くなっていました。
21歳のAさんは、その商店街で買い物をしていた76歳のVさんのバッグを後ろから自転車に乗ってひったくるという、いわゆるひったくり事件を起こしました。
目撃者が京都府下京警察署に通報し、京都府下京警察署の捜査の結果、Aさんはひったくりをした容疑で逮捕され、Aさんが逮捕された旨はAさんの両親に連絡されました。
Aさんの逮捕を知ったAさんの両親はどうすればいいのか分からずにいましたが、年末年始の時期に入っていたこともあり、なかなか相談できる弁護士が見つかりません。
そこでAさんの両親は、インターネット検索で出てきた、年末年始も対応している刑事事件を取り扱う弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・ひったくり

ひったくりとは、物を持って歩いている歩行者や前かごにバッグなどの荷物を入れている自転車に近づき、すれ違いざまや追い越しざまに、歩行者の持っている物や自転車の前かごに入っている荷物を奪い取って逃走する行為のことを指します。
ひったくりの手口としては、バイクや自転車などの乗り物に乗って犯行に及ぶ手口が多く、ひったくりの被害者は女性や高齢者が多いと言われています。
今回のAさんも、自転車に乗ってひったくりの犯行をしたようです。

ひったくり事件では、犯人は犯行後すぐに逃走してしまう上、犯人が自転車やバイクに乗っていることも多いことから、犯人を現行犯逮捕するというケースはそう多くないと考えられます。
犯人が何度か同じようなひったくり行為を繰り返していた場合、ひったくりの被害者・目撃者の証言や防犯カメラの映像、警察官の巡回などによって犯人が発覚し、逮捕されるというケースが度々見られます。

刑事事件として捜査される=逮捕されるというわけではありませんが、逮捕は逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあると判断されれば行われる可能性が出てきます。
ひったくり事件の場合、犯人は犯行現場から逃げてしまっているか、あるいは犯行現場から逃げようとしていることから、捜査中にも逃亡のおそれがあると判断されて逮捕を伴う強制捜査となる可能性があるのです。

・ひったくりは何罪?

ひったくりは、一般的には「窃盗罪」として刑事罰の対象となると考えられています。
窃盗罪というとこっそり人の物を取ってしまう、というイメージがあるかもしれませんが、ひったくりも持ち主の同意を得ずに持ち主の管理下にある物を自分の物にしてしまう行為であることから、一般的には窃盗罪に当たると考えられているのです。

刑法第235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

しかし、ひったくり=必ず窃盗罪となる、というわけではありません。
過去の裁判では、自動車やバイク等を利用して走りながらひったくりを行った場合において、強盗罪にあたると判断された例も存在します。

刑法第236条第1項(強盗罪)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

これは、ひったくりの被害者がひったくられた物を渡すまいとして被害品から手を離さない状態となっている時に、ひったくり犯の方が手を離さなければひったくりの被害者はバイクや自転車に乗ったひったくり犯にひきずられるような格好になることから、ひったくり犯が手を離さなければひったくりの被害者の生命・身体に重大な危険をもたらすおそれのある暴行を用いていると判断されたことによります。
強盗罪のいう「暴行」とは、相手方の反抗を抑圧するに足りる暴行であることが求められますが、ひったくり犯が自転車やバイクに乗ってひったくりの被害者を引きずる行為はこの「暴行」にあたり、その「暴行」を加えて財物を奪い取っているために強盗罪であると判断されたのです。

ですが、自転車やバイクを使ったひったくりが必ず強盗罪になるわけではなく、これもケースバイケースに判断されることです。
お悩みになっているひったくり事件が何罪にあたるのかによってその後の見通しや対応も異なってきますから、まずは専門家である弁護士に相談してみることが望ましいといえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門の弁護士による初回無料法律相談や初回接見サービスの受付を年末年始問わず受け付けています(お問い合わせ:0120-631-881)。
年末年始であっても、逮捕や捜査といった刑事事件の手続は進んでいきます。
まずはお気軽にお電話ください。

チケット譲渡詐欺事件で逮捕

2020-11-05

チケット譲渡詐欺事件で逮捕

チケット譲渡詐欺事件逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

東京都に住む高校2年生のAさんは、SNSで人気アイドルグループXのコンサートのチケットを譲渡する相手を募集しました。
すると、京都府宮津市に住むVさんがAさんの募集に応えて連絡してきたことから、交渉の結果、AさんはVさんにチケットを譲ることを伝えました。
しかしAさんは実際にはアイドルグループのチケットを持っておらず、元々チケット代金を募集相手からだまし取ろうと考えていたため、Aさんはその考え通りにVさんからチケット代金だけをだまし取りました。
チケットが発送されてこないことを不審に思ったVさんが京都府宮津警察署に相談したことで事件が発覚し、Aさんは京都府宮津警察署詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、自宅から離れたところで逮捕されてしまったAさんのことを心配し、京都ですぐに少年事件逮捕に対応してくれる弁護士に相談をしました。
(※この事例はフィクションです。)

・子どもが逮捕されてしまったケース

今回のように20歳未満の子どもが逮捕された場合、少年事件として扱われ、手続きが進められます。
しかし、少年事件だからといって逮捕されないということはなく、少年事件であっても逮捕の必要があると判断されれば逮捕され身体拘束を受けた上で捜査されることになります。
身体拘束され、家族や友人とも切り離されて1人で捜査を受ける状況は、未成熟である子どもに大きな負担となってしまうことが予想されます。

さらに、チケット譲渡詐欺事件でAさんのようにSNSを利用した手口であった場合、後述のようにチケット譲渡の取引先であった被害者が届け出た警察署によってはお子さんが住んでいる住所とは違う住所地の管轄の警察署が逮捕や捜査を行うことも考えられます。
そうした場合、ご家族もなかなか面会に行けませんし、お子さん自身も強い不安を感じられることでしょう。
だからこそ、チケット譲渡詐欺事件逮捕されたら、少年事件に迅速に対応が可能な弁護士に相談すべきと言えます。

・チケット譲渡詐欺事件の逮捕

昨今、SNSなどで見知らぬ人と気軽にやり取りができてしまうこともあり、チケット譲渡詐欺という手口の詐欺事件が目に付くようになりました。
チケット譲渡詐欺とは、上記事例のAさんのように、実際にはチケットを譲る気はないにもかかわらずアイドルグループのコンサートやバンドのライブ等のチケットを譲渡するように装い、チケット譲渡予定の相手からチケット代金をだまし取る詐欺のことです。

このチケット譲渡詐欺事件は、先述のようにSNSやインターネットを通じて引き起こされることが多いです。
そうなると、詐欺行為の被害者が詐欺行為をしている当事者とは離れた土地に住んでいるというケースも当然起こり得ます。
こうした詐欺事件の場合、被害者が被害を届け出た先の警察署が捜査を行うことが多いため、先ほど触れたように、チケット譲渡詐欺事件を起こした被疑者(今回であればAさん)の住んでいる場所とは離れた場所にある警察署が捜査をしてそこに逮捕・留置されてしまうということも起こり得るのです。

特に今回のAさんのような少年事件の場合、被疑者は未成年であることから逮捕によって日常と全く異なる環境に置かれることで精神的にも不安定となる可能性があります。
さらに住所地と離れた場所で家族の面会も難しいというような状況になれば、その負担はより大きくなってしまうおそれがあります。
そうした負担を軽減するためにも、弁護士が接見に通って様子を見る、家族からの伝言をこまめに伝える、アドバイスを行うといった活動も重要になってくるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、京都支部を含めて、全国に13支部展開しています。
家族がチケット譲渡詐欺事件などで離れた警察署に逮捕されてしまった場合でも、全国に展開しているからこそ迅速な対応が可能です。
逮捕された方向けの初回接見サービスのお申込みは24時間いつでも専門スタッフが受け付けていますので、夕方や夜の逮捕にもすぐに動き出すことができます。
京都府チケット譲渡詐欺事件逮捕にお困りの場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご相談ください。

フィッシングメールによる詐欺事件②電子計算機使用詐欺罪

2020-10-01

フィッシングメールによる詐欺事件②電子計算機使用詐欺罪

フィッシングメールによる詐欺事件で、特に電子計算機使用詐欺罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都市南区に住むVさんに、「私は銀行の委託を受けて、口座の不正利用を調査している業者のものです。あなたの銀行口座が不正に利用されていないかチェックするために、URLにあるサイトで口座情報を登録してください」といったメールを送り、Vさんを架空の業者のサイトに誘導すると、口座番号や契約者情報、暗証番号といった情報を入力させました。
そうしてVさんの口座情報等を手に入れたAさんは、その情報を利用してネットバンキングのVさんのアカウントにアクセスし、Vさんの口座から自分の口座に200万円送金しました。
後日、見覚えのない送金に気付いたVさんが京都府南警察署に被害を訴えたことでAさんの犯行が発覚。
捜査の結果、Aさんは不正アクセス禁止法違反電子計算機使用詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・電子計算機使用詐欺罪

前回の記事では、今回のAさんのフィッシングメールを送る行為や、フィッシングメールで取得した情報を用いてVさんのネットバンキングのアカウントにアクセスした行為が不正アクセス禁止法違反となることに触れました。
今回の記事では、Aさんのもう1つの逮捕理由である電子計算機使用詐欺罪について触れていきます。

電子計算機使用詐欺罪は、刑法に定められている犯罪の1つです。

刑法第246条の2
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、10年以下の懲役に処する。
※注:「前条」とは、刑法第246条に規定されている詐欺罪のことを指します。

オレオレ詐欺などで詐欺罪という犯罪名はよく聞かれるところですが、電子計算機使用詐欺罪という罪名はなかなか聞きなれないかもしれません。
詐欺罪が「人を欺いて財物を交付させた」場合に成立するのに対し、電子計算機使用詐欺罪は、簡単に言えば人ではなくコンピューターを騙した場合に成立します。
電子計算機使用詐欺罪の「電子計算機」とは、簡単に言えばコンピューターのことです。

今回のAさんは、ネットバンキングのVさんのアカウントにアクセスして自分の口座に送金を行っているのですが、これは本当は行為者がVさんではない(Aさんである)にも関わらず、コンピューターに行為者がVさんであるかのように偽って指令を出し処理をさせ、それによって不正にお金を自分のもとに送って手に入れていることになります。
そのため、Aさんには電子計算機使用詐欺罪が成立すると考えられるのです。

・不正アクセス禁止法違反と電子計算機使用詐欺罪

まとめると、今回のAさんには、フィッシングメールを送ったことによる不正アクセス禁止法違反と、Vさんのアカウントにアクセスしたことによる不正アクセス禁止法違反、ネットバンキングを利用してVさんのお金を自分のもとに送ったことによる電子計算機使用詐欺罪の3つの犯罪が成立すると考えられます。
そして、これらは全て手段と目的の関係にあります。
フィッシングメールを送ったのはVさんのアカウントにアクセスするためであり、VさんのアカウントにアクセスしたのはAさんのもとにお金を送金するためだ、という関係です。

このように、複数の犯罪を犯してしまった時、その関係性が目的と手段となっている場合を「牽連犯」と呼び、以下の刑法の条文に基づいて刑罰の重さが決められます。

刑法第54条
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

つまり、今回のAさんでいえば、フィッシングメールを送ったことによる不正アクセス禁止法違反は「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(不正アクセス禁止法第12条第4号)、不正アクセス行為による不正アクセス禁止法違反は「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(不正アクセス禁止法第11条)、電子計算機使用詐欺罪が「10年以下の懲役」(刑法第246条の2)であるため、最も重い電子計算機使用詐欺罪の「10年以下の懲役」という範囲内で刑罰が決められることになるのです。

フィッシングメールに関わる詐欺事件では、このように複数の犯罪が成立しうる上、その関係性などの検討も必要になってきます。
さらに、詐欺行為の被害者が複数の地域に散らばり複数人存在するケースもあり、弁護活動を広範囲にわたって行うことが求められることも考えられますから、全国の刑事事件に強い弁護士に相談することが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門弁護士フィッシングメールによる詐欺事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
京都支部以外にも12都市に支部があるため、複数の地域での詐欺事件が問題になる場合でも安心してお任せいただけます。
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フィッシングメールによる詐欺事件①不正アクセス禁止法違反

2020-09-24

フィッシングメールによる詐欺事件①不正アクセス禁止法違反

フィッシングメールによる詐欺事件で、特に不正アクセス禁止法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都市南区に住むVさんに、「私は銀行の委託を受けて、口座の不正利用を調査している業者のものです。あなたの銀行口座が不正に利用されていないかチェックするために、URLにあるサイトで口座情報を登録してください」といったメールを送り、Vさんを架空の業者のサイトに誘導すると、口座番号や契約者情報、暗証番号といった情報を入力させました。
そうしてVさんの口座情報等を手に入れたAさんは、その情報を利用してネットバンキングのVさんのアカウントにアクセスし、Vさんの口座から自分の口座に200万円送金しました。
後日、見覚えのない送金に気付いたVさんが京都府南警察署に被害を訴えたことでAさんの犯行が発覚。
捜査の結果、Aさんは不正アクセス禁止法違反電子計算機使用詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・フィッシングメールとは

フィッシングとは、インターネットのユーザーから個人情報やID、パスワードといった情報をだまし取る行為のことをいいます。
このフィッシングを誘うメールがいわゆるフィッシングメールというもので、多くの場合、金融機関や有名企業、有名人を騙ったメールが送られます。
そして、そのメールに記載されているURLなどからフィッシングサイトへ誘導し、個人情報やID、パスワードといった情報を入力させるという手口が典型的な手口です。

実は、このフィッシング行為自体も犯罪行為です。
不正アクセス禁止法(正式名称:不正アクセス行為の禁止等に関する法律)では、以下のようにしてフィッシング行為を禁止しています。

不正アクセス禁止法第7条
何人も、アクセス制御機能を特定電子計算機に付加したアクセス管理者になりすまし、その他当該アクセス管理者
であると誤認させて、次に掲げる行為をしてはならない。
ただし、当該アクセス管理者の承諾を得てする場合は、この限りでない。
第2号 当該アクセス管理者が当該アクセス制御機能に係る識別符号を付された利用権者に対し当該識別符号を特定電子計算機に入力することを求める旨の情報を、電子メール(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成14年法律第26号)第2条第1号に規定する電子メールをいう。)により当該利用権者に送信する行為

不正アクセス禁止法第12条
次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第4号 第7条の規定に違反した者

フィッシングメールを送るということは、差出人を金融機関や有名企業であるかのように偽ってメールの受信者を騙し、個人情報やID、パスワードといった情報を入力することを求める旨のメールを送ることになります。
つまり、フィッシングメールを送る行為は、不正アクセス禁止法の言うところの「アクセス制御機能を特定電子計算機に付加したアクセス管理者になりすまし、その他当該アクセス管理者であると誤認させて」「当該アクセス管理者が当該アクセス制御機能に係る識別符号を付された利用権者に対し当該識別符号を特定電子計算機に入力することを求める旨の情報を、電子メール(中略)により当該利用権者に送信する行為」となるのです。

・他人のアカウントにアクセスする行為

フィッシング行為により、IDやパスワードといった情報を入手し、それを基に勝手に他人のアカウントにアクセスすれば、それもまた不正アクセス行為として不正アクセス禁止法違反となります。

不正アクセス禁止法第2条第4項
この法律において「不正アクセス行為」とは、次の各号のいずれかに該当する行為をいう。
第1号 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く。)

不正アクセス禁止法第3条
何人も、不正アクセス行為をしてはならない。

不正アクセス禁止法第11条
第3条の規定に違反した者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

不正アクセス禁止法第2条田4項第1号のいうように、そのアカウント所持者の同意なく他人のIDやパスワードを利用して他人のアカウントにアクセスし、アカウントにアクセスしなければできないような行為をできる状態にすることは不正アクセス行為として規制されています。
例えば、今回のAさんの事例のように、ネットバンキングは契約者個人のアカウントにアクセス・ログインしなければ、送金などネットバンキングの利用をする事はできないように制限されています。
ですから、個人のアカウントにそのIDやパスワードを利用してアクセス・ログインすることでネットバンキングをその個人として利用することができるようになり、「アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為」であるといえるのです。

つまり、今回のAさんは、フィッシングメールを送る行為による不正アクセス禁止法違反と、Vさんのアカウントにアクセスしたことによる不正アクセス禁止法違反の2つの不正アクセス禁止法違反があることになるのです。

不正アクセス禁止法違反などの特別法違反事件はなかなか馴染みのないことが多く、どの行為にどの条文の犯罪が該当するのかなど、分かりにくいことも多いかもしれません。
しかし、自分や家族にどういった容疑がかかっているのかきちんと把握することは、取調べなどに対応する上でも非常に重要です。
弁護士に相談し、詳しい説明を聞いておくことが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、フィッシングメールに関わる不正アクセス禁止法違反事件のご相談も受け付けています。
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子どもが強盗未遂事件で逮捕されたら

2020-08-20

子どもが強盗未遂事件で逮捕されたら

子どもが強盗未遂事件逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

17歳の高校生Aさんは、小遣い欲しさに高齢者から金品を奪い取ることを思いつきました。
Aさんは、京都府亀岡市にある商業施設で買い物をしていた80歳の女性Vさんの鞄を奪い取ろうとしました。
しかし、Aさんの予想よりもVさんが抵抗したためAさんは鞄を奪い取ることができず、そうしているうちにVさんの声を聞いて人が集まってきたため、Aさんはその場から逃げ出しました。
その後、通報を受けて捜査を開始した京都府亀岡警察署の警察官により、Aさんは強盗未遂罪逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、子どもが強盗未遂事件を起こして逮捕されたと聞いてどうしてよいか分からなくなり、少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(※令和2年8月10日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・強盗未遂罪

強盗罪というと、凶器などを手に家や店舗に押し入って金品を脅し取るような、いわゆる押し入り強盗がイメージされやすいです。
しかし、今回のAさんのケースのように、凶器を用いないケースや、家や店舗に押し入らないケースでも強盗罪は成立する可能性があります。
刑法の条文では、強盗罪は以下の条件に当てはまる場合に成立するとされています。

刑法第236条
第1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
第2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

金品を奪い取るような強盗事件の場合、刑法第236条第1項に該当する強盗罪が成立することになり、多くの強盗事件でこの条文に当てはまる強盗罪が成立することになります。

強盗罪が成立するには、他人の財物を奪う手段として暴行や脅迫を用いている必要があります。
この時用いられる暴行や脅迫は、相手の反抗を抑圧する程度の強さが必要とされています。
つまり、相手が反抗できないほどの強さで暴行や脅迫をして金品を奪うことで強盗罪が成立するということになります。
ですから、たとえ凶器を使用していなかったとしても、例えば相手の手足を押さえつけるなどして相手の反抗を押さえつけて金品を奪えば強盗罪となるのです。
そして、注意しなければいけないのは、例えば最初はひったくりや置き引きのような形で相手の財物を奪おうと考えていたとしても、被害者が抵抗したことに対抗してその抵抗を押さえつけて財物を奪い取れば、強盗罪が成立してしまうということです。
今回のAさんはどのような態様でVさんの鞄を奪い取ろうとしたのかは定かではありませんが、Vさんの抵抗を押さえつけるような形で脅迫や暴行を用いていたのであれば、強盗罪強盗未遂罪の成立が考えられます。

また、今回のAさんは、強盗罪の実行に着手しているものの、結果としてVさんの鞄=財物を奪い取るまでには至っていません。
ですから、Aさんには強盗未遂罪(刑法第243条)が成立すると考えられるのです。

・子どもが強盗未遂事件で逮捕されてしまったら

Aさんは20歳未満であることから、この強盗未遂事件少年事件として扱われることになります。
少年事件では、基本的に刑罰を受けることはありません。
少年の更生のための「保護処分」という処分を受けることが基本的な少年事件の終局処分です。
しかし、少年が少年事件を起こしてしまった環境などによっては、保護処分ではなく刑罰を受けさせる刑事手続きに移す、いわゆる「逆送」が行われることも考えられます。
「逆送」された少年事件は、成人の刑事事件のように起訴か不起訴か判断され、起訴されれば有罪・無罪を裁判で決められることになります。
有罪となれば刑罰を受けることになり、刑務所に行くことも考えられます。

「逆送」されずに少年事件の手続きによって処理されることとなったとしても、強盗未遂罪のような重大な犯罪を起こしてしまった場合、現在の環境に大きな問題があると判断され、その環境から切り離して更生を目指すことが適切=少年院送致などの施設送致という処分が下されることも考えられます。
当然、少年院送致も少年の更生を目指す「保護処分」であることから、少年のためにならない処分というわけではありません。
しかし、少年院に入ってしまえば、その期間社会から遠ざかってしまうことも否定できません。
スムーズな社会復帰のためにも、少年院送致を避けたいと考えるご家族も少なくありません。

このように、強盗事件強盗未遂事件は「逆送」の有無にかかわらず少年やその家族にとって大きな影響を及ぼす処分が下されることが考えられます。
だからこそ、強盗事件強盗未遂事件で子どもが逮捕されてしまったら、早期にできる弁護活動・付添人活動を始めることが求められるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件少年事件専門の弁護士が、逮捕直後から少年審判や刑事裁判までフルサポートを行います。
強盗事件強盗未遂事件子どもが逮捕されてしまったら、お気軽にご相談ください。

置き引き事件で準現行犯逮捕

2020-08-06

置き引き事件で準現行犯逮捕

置き引き事件準現行犯逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都府木津川市の道路で、傍らに荷物を置いて電話をしていたVさんの荷物を手に取ると、素早くその場を去ろうとしました。
しかし、Vさんは荷物を取られたことにすぐに気が付き、Vさんの荷物を持って逃げるAさんを「待て、泥棒!」などと声を上げながら追いかけました。
途中でAさんは追いかけてきたVさんに捕まり、その場で通報を受けた京都府木津警察署の警察官に引き渡されました。
Aさんは、窃盗罪の容疑で準現行犯逮捕されたこととなり、京都府木津警察署に留置されることになりました。
その知らせを聞いたAさんの家族は、すぐに弁護士に相談してAさんの様子を見てきてもらったうえで、準現行犯逮捕とは何か、今後の手続きはどのようになるのかなどを詳しく聞くことにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・置き引き

そもそも、置き引きとは、置いてある他人の荷物を勝手に持って行ってしまうことを指し、窃盗行為の1種類であるとされています。
状況によっては占有離脱物横領罪という犯罪が成立することもありますが、置き引きは多くの場合、刑法の窃盗罪が成立するとされています。

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

今回のAさんも、Vさんの傍に置いてあったVさんの荷物を勝手に持っていくという置き引きの態様であることから、この窃盗罪が成立すると考えられます。

・準現行犯逮捕とは?

現行犯逮捕とは、皆さんがご存知のように、現在犯罪をしている人や現在犯罪を行い終わった現行犯を逮捕することを指します。

刑事訴訟法第212条第1項
現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。

刑事訴訟法第213条
現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。

現行犯逮捕はまさに犯罪が行われていたり行い終わったりしているその場で犯人を逮捕することから冤罪の危険性も少ないとされ、通常の逮捕とは異なり、「逮捕状なくして」できる逮捕です。
さらに、現行犯逮捕は「何人でも」できるとされていることから、警察官や検察官だけでなく、一般人もすることができます。
一般人の行った現行犯逮捕は「常人逮捕」や「私人逮捕」と呼ばれることもあります。

では、今回のAさんがされた準現行犯逮捕とはどういった逮捕なのでしょうか。
刑事訴訟法では、先ほど挙げた「現行犯人」でなくとも、以下の条件に当てはまった場合には「現行犯人」とみなすとしています。

刑事訴訟法212条第2項
左の各号の一にあたる者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。
第1号 犯人として追呼されているとき。
第2号 贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。
第3号 身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。
第4号 誰何されて逃走しようとするとき。

つまり、まさに犯行現場であるという状況でなくとも、上記の条件に当てはまれば現行犯人と同じように現行犯逮捕ができるということになります。
こうしたことから、刑事訴訟法第212条第2項に該当して現行犯逮捕されることを、現行犯逮捕に準ずることから「準現行犯逮捕」と呼ぶのです。

今回のAさんは、置き引きをしてからすぐにVさんに見つかり追いかけられていますから、「罪を行い終つてから間がないと明らかに認められる」と言えるでしょう。
そして、AさんはVさんに「待て、泥棒!」と声を上げられながら追いかけられていますが、これは「犯人として追呼されているとき」に当たります。
こうしたことから、Aさんは「現行犯人」とみなされることになりますから、準現行犯逮捕されうることになります。
先述のように、現行犯逮捕は警察官でない一般人でも可能な逮捕ですから、今回の場合はVさんがAさんを準現行犯逮捕し、京都府木津警察署の警察官に引き渡したということになるでしょう。

現行犯逮捕準現行犯逮捕されてしまうと、突然周囲と連絡がつかなくなってしまい、逮捕された方の家族も心配されることが多いです。
特に準現行犯逮捕の場合には、本当に準現行犯逮捕の条件に当てはまっているのか、手続きに誤りはないのかなど検討すべきことも多いです。
だからこそ、準現行犯逮捕されてしまったらまずは弁護士に相談しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、365日いつでもお問い合わせを受け付けていますので、京都府準現行犯逮捕にお困りの際はお気軽にお問い合わせください。

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