Archive for the ‘財産事件’ Category

(京都府亀岡市)振り込め詐欺とだまされたふり作戦②

2019-06-21

(京都府亀岡市)振り込め詐欺とだまされたふり作戦②

~前回からの流れ~
京都府亀岡市に住んでいるVさんは、Aさんから、Vさんの息子を装った電話を受けました。
AさんはVさんに「事故を起こしてしまって示談金100万円が必要だ。今から友人を向かわせるから100万円を渡してくれ」と伝えました。
Vさんは、とりあえず話を聞きましたが、よく報道されている振り込め詐欺だと思い、相手にしないようにしようと考えました。
すると、今度は京都府亀岡警察署の警察官を名乗るBさんから電話が入りました。
Bさんは、「私は京都府亀岡警察署の警察官です。今捜査している振り込め詐欺グループの電話番号リストにこの番号があったので電話させてもらいました。もし振り込め詐欺グループから電話があれば、だまされた作戦にご協力ください」と言ってきました。
Vさんは、警察官が張り込んでいるのでだまされたふりをしてお金を渡してほしいというBさんの言葉を信じて、自宅にやってきた息子の友人を名乗る人物に100万円を渡しました。
しかし、その後いくら待っても警察から連絡が来ないことを不審に思ったVさんが、京都府亀岡警察署に連絡すると、Aさんという警察官がいないこと、現在だまされたふり作戦を頼んでいる事件がないことを知りました。
そこでVさんは、今までの経緯を京都府亀岡警察署に話し、被害届を出しました。
その後の捜査により、AさんとBさん、友人役をしたCさんが、詐欺罪の容疑で逮捕されました。
(※この事例はフィクションです。)

・だまされたふり作戦を装った詐欺事件

前回の記事では、振り込め詐欺だまされたふり作戦について触れました。
今回は、Aさんらの詐欺事件のような、だまされたふり作戦を装った詐欺事件について取り上げます。

振り込め詐欺事件は、複数人が一緒になって役割分担をして、詐欺を計画・実行していることも多い詐欺事件です。
だまされたふり作戦を装った詐欺事件でも、被害者にあたかもだまされたふり作戦に協力しているかのように思わせるため、典型的な振り込め詐欺を装った電話をかける役(今回の事例で言えばAさん)と、その詐欺についてだまされたふり作戦を提案する警察の役(今回の事例であればBさん)、さらに現金やキャッシュカードを受け取るいわゆる「受け子」の役(今回の事例で言えばCさん)といった役割分担がなされていることが多いです。
だまされたふり作戦を装った詐欺事件では、先に詐欺らしき怪しい電話がかかってきた後で警察を名乗る電話が来ることから、後でかかってきた警察を装った電話を信じてしまいやすく、さらにだまされたふり作戦に協力して犯人を検挙するのだという善意からも信じてしまうこともあるようです。

だまされたふり作戦を装った詐欺の場合、「警察に協力してだまされたふりをしているだけなので犯人はすぐに検挙され、お金等はすぐに返ってくる」と被害者に信じ込ませることで、お金等をだまし取っていることから、ほかの手口の詐欺同様、刑法の詐欺罪にあたります。

刑法246条(詐欺罪)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪の「人を欺いて」とは、簡単に言えば「人をだまして」ということになりますが、このだます内容については、その事実が嘘であると知っていれば(その事実についてだまされていると知っていれば)、被害者が財物を渡さなかったであろう内容である必要があるとされています。
今回のようなだまされたふり作戦を装った詐欺事件では、被害者が本物の警察のだまされたふり作戦に協力しているのであって、犯人の検挙やお金の返還がなされると思って財物であるお金を渡しているということになります。
もしもこれが本物のだまされたふり作戦でないと知っていれば、お金を渡さなかったでしょうから、詐欺罪の「人を欺いて」にあたることになるのです。

・だまされたふり作戦を装った詐欺事件の弁護活動

先ほど触れたように、だまされたふり作戦を装った詐欺事件では、複数人共犯者が存在することが多いです。
そうなれば、口裏合わせを防止するために、逮捕・勾留といった身体拘束を伴う捜査が行われる可能性も高く、さらに弁護士以外との接見を禁止する接見禁止処分も付される可能性があります。
そうなれば、身体拘束によって会社や学校にいけないだけでなく、ご家族とも面会できずに1人で長期間の身体拘束期間を乗り切らなければなりません。
これは被疑者にとって非常に負担の重いことです。
弁護士に依頼することで、ご家族との伝言のやり取りを行えるだけでなく、この接見禁止処分自体をご家族に限って解除する活動もしてもらうことができます。

さらに、詐欺事件には被害者が存在するため、弁護士を通じて謝罪と弁償を行い、示談締結を目指すことも重要な活動の1つです。
だまされたふり作戦を装った詐欺事件は計画性もあり、悪質であると判断される可能性があります。
きちんと謝罪を行い、被害弁償を行うことで、反省の意を伝えることができます。
こうした活動にも、専門家である弁護士の力が大きな助けとなります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士詐欺事件にも迅速に対応いたします。
まずはお電話にて、お気軽にお問合せください。
(フリーダイヤル:0120-631-881

(京都府亀岡市)振り込め詐欺とだまされたふり作戦①

2019-06-19

(京都府亀岡市)振り込め詐欺とだまされたふり作戦①

京都府亀岡市に住んでいるVさんは、Aさんから、Vさんの息子を装った電話を受けました。
AさんはVさんに「事故を起こしてしまって示談金100万円が必要だ。今から友人を向かわせるから100万円を渡してくれ」と伝えました。
Vさんは、とりあえず話を聞きましたが、よく報道されている振り込め詐欺だと思い、相手にしないようにしようと考えました。
すると、今度は京都府亀岡警察署の警察官を名乗るBさんから電話が入りました。
Bさんは、「私は京都府亀岡警察署の警察官です。今捜査している振り込め詐欺グループの電話番号リストにこの番号があったので電話させてもらいました。もし振り込め詐欺グループから電話があれば、だまされた作戦にご協力ください」と言ってきました。
Vさんは、警察官が張り込んでいるのでだまされたふりをしてお金を渡してほしいというBさんの言葉を信じて、自宅にやってきた息子の友人を名乗る人物に100万円を渡しました。
しかし、その後いくら待っても警察から連絡が来ないことを不審に思ったVさんが、京都府亀岡警察署に連絡すると、Aさんという警察官がいないこと、現在だまされたふり作戦を頼んでいる事件がないことを知りました。
そこでVさんは、今までの経緯を京都府亀岡警察署に話し、被害届を出しました。
その後の捜査により、AさんとBさん、友人役をしたCさんが、詐欺罪の容疑で逮捕されました。
(※この事例はフィクションです。)

・振り込め詐欺

振り込め詐欺は、電話や手紙などによって被害者をだまし、金銭の振込をさせる手口の詐欺です。
振り込め詐欺は注意喚起も多くなされており、報道でもよく取り上げられるタイプの詐欺ですから、振り込め詐欺ときいてどういった詐欺なのかイメージしやすいという方も多いでしょう。
振り込め詐欺の例としては、オレオレ詐欺や架空請求詐欺、還付金詐欺が挙げられます。
振り込め詐欺はその名前の通り、刑法246条に規定のある詐欺罪にあたる犯罪行為です。

刑法246条(詐欺罪)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

振り込め詐欺では、被害者の親族や関係者や公務員、そのほかの会社の職員など別の身分を装ったり、嘘の事実を本当のように伝えたりしてお金を振り込ませているため、「人を欺いて財物を交付させ」るということになるのです。

・だまされたふり作戦

こうした振り込め詐欺や特殊詐欺といった詐欺事件に対して、最近注目されているのが「だまされたふり作戦」です。
だまされたふり作戦は、その名前の通り、詐欺にだまされたふりをして、詐欺事件の被疑者の検挙を行うというものです。
詐欺のターゲットとされた被害者が、振り込め詐欺事件でだますための電話がかかってきた段階で詐欺だと気づき、警察に通報した場合、警察と協力して振り込め詐欺事件の被疑者を検挙する、というパターンが多いです。
この時、振り込め詐欺の中でいわゆる「受け子」と呼ばれている、金銭やキャッシュカード等を被害者から受け取る役割をしている人が現行犯逮捕されるケースが多く、そこから振り込め詐欺グループが検挙されていくこともあります。

このだまされたふり作戦で実際に被疑者が検挙されているケースもあり、報道されることもあります。
ですから、だまされたふり作戦についてご存じの方も少なくないかもしれません。
しかし、上記事例のように、このだまされたふり作戦を騙って詐欺をする手口も現れ始めています。
次回の記事ではこの手口について詳しく触れていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門に取り扱っています。
振り込め詐欺事件ももちろん、弊所弁護士が迅速に対応を開始いたします。
振り込め詐欺事件は集団で行われることも多く、そうしたことから逮捕・勾留がなされることも珍しくありません。
身柄解放活動や身体拘束時の対応を含め、弁護士に早急に相談されることがおすすめです。
0120-631-881ではいつでもお問合せを受け付けておりますので、まずはお気軽にお電話ください。

パンのシールで窃盗罪?

2019-05-27

パンのシールで窃盗罪?

京都府舞鶴市に住む主婦のAさんは、ある企業が毎年春に行っている、商品のパンについているシールを数枚集めると景品と交換できるキャンペーンを毎年楽しみにしており、今年の春もキャンペーンが始まったのを知るや否や、一人で近所のスーパーに駆け込みました。
ところが毎年買っている好みのパンが販売中止になっており、他のパンを買ってシールをもらおうと思いましたが、あるパンについているシールがはがれかかっているのを見て、シールだけ持って行ってしまえば、わざわざ好きでもないパンを買わなくても済むことに思い当たりました。
Aさんは、「シール自体はペラペラの紙みたいなものでいかにも価値がなさそうだし、商品のパンそれ自体を盗むわけじゃないから、犯罪じゃないだろう」と思い、シール10枚をそれぞれパンからはがし、自宅に持ち帰りました。
その後、商品からシールがはがされているのを見たスーパーの従業員は、シールをはがされた商品は販売できないことを理由に、その商品すべてを廃棄処分にしました。
その後、監視カメラでAさんがシールをはがしているのを確認した従業員が京都府舞鶴警察署に通報し、Aさんは窃盗罪の容疑で警察官に逮捕されてしまいました。
Aさんの行った行為は犯罪に当たるのでしょうか?
(この話はフィクションです)

~窃盗罪とは~

刑法第235条に規定される窃盗罪は、他人の占有(せんゆう)する他人の財物を窃取することによって成立する犯罪です(なお、自己の財物であっても窃盗罪が成立するケースはあります)。
「財物」は、財産的価値を持つものでなければなりませんが、ここでいう財産的価値とは、市場で値段がつくというような狭い意味のものではなく、所有権の対象となりうる物として広く解されています。
よって、経済的価値を持つものはもちろんとして、所有者の主観的な価値のある物、あるいは悪用されることを防ぐために自分の手元に置いておくことにより生じる利益がある物なども、窃盗罪における「財物」となります。
もっとも、本来は所有権の対象となるような価値があるものでも、価値が少なすぎるもの(例えばメモ一枚、ちり紙13枚など)を窃取した場合には窃盗罪にいう「財物」であるとはみなされず、犯罪が成立しない場合もあります(財物性の否定)。

~パンについているシールは「窃盗罪における『財物』」か~

では、事例の中に登場するキャンペーン用シールは窃盗罪の客体たる「財物」に当たるのでしょうか。
シールそれ自体は商品として販売されているわけではなく、したがって価格がついているわけではありません。
しかし集めるとキャンペーンの景品と交換できるということは、客観的な交換価値を持っており、経済的価値があるといえます。
また、シールには、はがされないことにより予定通り商品本体を商品棚に陳列できることになるという主観的な価値もあります。
したがって、シールには財産的価値があるといえることになりそうです。
メモ用紙一枚やちり紙と同等程度の価値しかないとはいえないことも明らかでしょう。
したがって、Aさんの摂取したキャンペーン用シールは、窃盗罪における「財物」に当たるといえるでしょう。
となると、今回のAさんには窃盗罪が成立してしまいそうです。

しかし、犯罪が成立してしまったとしても、できることはあります。
早期に弁護士からアドバイスを受け、弁護活動をしてもらうことにより、不起訴処分獲得早期釈放の可能性は多分にあります。
大事なのはまずいち早く、頼れる弁護士に相談し、活動を開始してもらうことです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所であり、あなたの早期釈放のために全力を尽くします。
逮捕・勾留されてお困りの方、そのご家族・ご友人の方はぜひ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください。

初回法律相談:無料
京都府舞鶴警察署までの初回接見費用:0120-631-881でご案内いたします。

滋賀県彦根警察署に逮捕・勾留されたら

2019-05-26

滋賀県彦根警察署に逮捕・勾留されたら

Aさんは滋賀県彦根市にある高齢者Vさんの自宅に滋賀県彦根警察署の警察官を名乗り訪問し、「預金が盗まれた疑いがある」「確認のためにキャッシュカードを渡してほしい。その暗証番号も教えてほしい」と、キャッシュカード2枚を騙し取りました。
その後、Vさんの家族が騙されたことに気づき通報したことで捜査が開始され、Aさんは滋賀県彦根警察署詐欺罪の容疑で逮捕され、その後勾留されてしまいました。
Aさんは弁護士に働きかけてもらうことによって早期釈放を望んでいますが、具体的にどのようなことをしてもらえるのでしょうか。
(フィクションです。)

~逮捕・勾留されたら~

逮捕は、通常警察官により行われます。
そして、逮捕により最大72時間身柄を拘束され、その間に、検察官がさらなる身体拘束が必要だと判断した場合、勾留の請求が裁判所に対してなされ、裁判所がそれを認めれば勾留がなされます。
勾留とは、逮捕に引き続く身柄拘束を意味します。
勾留原則10日間までですが、やむを得ない事由がある場合には勾留延長がなされ、さらに10日間勾留が認められます。
逮捕の期間が最長で72時間(3日)、勾留の期間が最長で20日となるので、逮捕・勾留による身体拘束は最長で23日間となります。
さらに、検察官により起訴された場合には、釈放される、あるいは保釈がなされない限り、さらに長期の拘束がなされることになります。

~逮捕・勾留の影響~

このような長期にわたる身体拘束である逮捕勾留を受けることには、多くのデメリットがあります。

まず、逮捕勾留されている期間中は通常、警察官による取調べが行われます。
身体が拘束された上での警察官による厳しい追及は、精神的に大きな負担になります。

捜査の過程で、勤めている会社・職場に事件の情報が伝わり、懲戒解雇などの不利益が科されるおそれがあります。
というのも、捜査機関から積極的に会社に情報が伝えられることは通常ありませんが、捜査上の必要性から会社に捜査がおよぶ場合がありますし、逮捕勾留がなされれば、必然的にその期間は会社を欠席・欠勤しなければならなくなることから、それを発端に事件が発覚する場合があるからです。

さらにご家族の方は、ご本人に代わってさまざまな関係者に対する対応を余儀なくされます。
上記のように、ご本人が勤めている会社に対しての状況説明もしなければならないでしょう。

このように、逮捕勾留がなされた時の被疑者・そのご家族に対する負担はとても大きなものになります。
しかし、刑事事件に強い弁護士が早期釈放を目指して関係機関に働きかけることによって、普段と変わらない日常生活への早期復帰を目指すことができます。
では、このような事態に対して弁護士がどのように対応・介入できるかをご紹介します。

~早期釈放のための弁護士の活動~

①検察官・裁判所への働きかけ
逮捕されたあと、留置の必要性があるかどうかは警察官の裁量に任されているため、逮捕中では、身元の引受先がきちんとあることを示すなど、留置の必要性がないことを主張し釈放を求めます。
また、検察官による勾留の請求がなされないよう、あるいは請求がなされても裁判官に認められないように、勾留する必要性がないことを検察官・裁判官双方に訴えることも重要です。
さらに、勾留された場合にも、準抗告という法律上の制度を用いて、勾留は必要のないものであり被疑者は釈放されるべきだ、という不服申し立てをすることができます。
準抗告が裁判所に対してなされると、一度裁判官に認められた勾留が本当に法律上認められるかどうかが審査され、取り消されるべきと判断された場合には、勾留は取り消され、被疑者は釈放されることになります。

②事件収束への働きかけ
示談を成立させることは、事件収束を目指す上で非常に効果的な手立てです。
示談はあくまで当事者同士の私法上の事件解決の方途の一つですので、刑事事件を直接終わらせられるものではありません。
しかし、示談というかたちの解決がなされていることは、本人に改悛の気持ちがあり、被害者の処罰感情の低下があるという評価につながります。
このような評価は不起訴処分につながる可能性を高めることはもちろん、逮捕勾留からの釈放がなされる可能性も高めるものです。

このように早期釈放を実現するために効果的な示談ですが、加害者と被害者の方同士で直接交渉をすることは困難な場合が多いです。
被害者の方の気持ちになると頷けることですが、加害者と直接示談交渉をするどころか、直接会いたくないというような人もいます。
また、交渉についてノウハウを蓄積した専門家の方が、示談締結が成功する可能性が高いといえます。
円満な早期示談締結のために、示談交渉は経験の豊富な弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

滋賀県彦根警察署逮捕されている方の早期釈放を望まれるご家族・ご親族・ご友人の方は、ぜひ「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」の弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」の刑事専門弁護士は、被疑者の方の早期釈放に向けた迅速な行動をお約束します。

初回法律相談:無料
滋賀県彦根警察署までの初回接見費用:41,460円

オヤジ狩りで恐喝罪③

2019-05-25

オヤジ狩りで恐喝罪③

~前回からの流れ~
17歳のAさんは、学校の同級生や先輩たちのグループ数人と一緒になって、夜ごと京都市西京区の路上でいわゆるオヤジ狩りをし、被害者から金品を巻き上げていました。
オヤジ狩りの被害が多発したことを受けて、京都府西京警察署は警戒を強化し、その結果、Aさんらは恐喝罪の容疑で逮捕されるに至りました。
Aさんの両親は、これをきっかけにAさんに更生してほしいと思ったものの、そもそもAさんがこの後どういった流れでどのような処分を受けることになるのか、全く分かりません。
さらに、まずはとにかくAさんと話をしたいと警察署に行ったものの、警察からは「逮捕されてすぐは会えません」と言われてしまいました。
困り果てたAさんの両親は、京都滋賀少年事件を多く取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

前回は、Aさんの起こした恐喝事件が家庭裁判所に送られる前の段階での弁護活動について注目しました。
少年事件は、家庭裁判所に送られる前までは成人の刑事事件とほとんど変わらない手続きを踏んでいきますが、家庭裁判所に事件が送られた後は、成人の刑事事件とはガラッと変わった特殊な手続きを踏むことになります。
今回は、Aさんの恐喝事件が家庭裁判所に送られた後、どういった活動が考えられるのか見ていきましょう。

・家庭裁判所送致後の付添人活動

捜査後、少年事件は家庭裁判所に送致されます。
原則として全ての少年事件が家庭裁判所に送致されることとなっており(全件送致主義)、家庭裁判所では少年の更生のために適切な処分は何かを判断するために、少年の資質や環境を調査し、審判を開きます。
弁護士は、捜査段階では「弁護人」として少年やその家族をサポートしますが、事件が家庭裁判所に送致された後は「付添人」として少年やその家族をサポートします。

付添人としてついている弁護士の活動としては、まずは環境調整をすることが挙げられます。
少年事件における環境調整とは、簡単に言えば、少年が更生しやすい環境を整えていくことです。
例えば、今回のAさんであれば、同級生や先輩たちとグループになって、夜ごとオヤジ狩りをしています。
再びこうした少年事件を起こさないようにするためには、交友関係に注意することや、夜間の外出についての見直し、規則正しい生活を送るための対策を少年と家族で考えていかなければなりません。
また、環境調整はこういった外的な要因を考えることだけでなく、少年自身の内省を深めることも含まれています。
Aさんがオヤジ狩りがなぜいけないことだったのか、オヤジ狩りの被害者の気持ちや損害はどのようなものなのかを考え、自分の中で反省を深めることも、更生にはまた必要なことでしょう。

こうした環境調整を行うことで、少年の更生に適した環境づくりを行い、少年が少年院等の施設に入ったりしなくても更生できるということを主張していくことが考えられますが、そもそもどういった活動をすべきなのか、また、活動をしたとしてもそれをどのように証拠化していくのか等は、少年事件の知識や経験がなければなかなか分からないことです。
だからこそ、弁護士がそのサポートを行うことが重要なのです。

また、捜査段階で被害者への謝罪・弁償ができていない場合は、家庭裁判所へ事件が送致された後でもそうした被害者対応を弁護士にしてもらうことが考えられます。
少年事件において最も重視されるのは少年の更生という観点であるため、示談をしたからといって処分がなくなるといったことはありません。
しかし、被害者への対応をきちんとしているかどうかは、少年自身が反省できているのかどうか、家族が事件のことをどう受け止めているのかということを推し量ることのできる事情です。
そのため、全く被害者対応をせずにいてもよい、というわけでもないのです。

前述した環境調整をするためにも、早期から弁護士に相談・依頼することがおすすめされます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく少年事件についても専門的に取り扱っています。
だからこそ、少年事件の付添人活動についても遠慮なくご相談いただけます。
初回接見サービスや初回無料法律相談は0120-631-881でいつでもお申込み可能です。
まずはお気軽にお電話ください。

オヤジ狩りで恐喝罪②

2019-05-24

オヤジ狩りで恐喝罪②

~前回からの流れ~
17歳のAさんは、学校の同級生や先輩たちのグループ数人と一緒になって、夜ごと京都市西京区の路上でいわゆるオヤジ狩りをし、被害者から金品を巻き上げていました。
オヤジ狩りの被害が多発したことを受けて、京都府西京警察署は警戒を強化し、その結果、Aさんらは恐喝罪の容疑で逮捕されるに至りました。
Aさんの両親は、これをきっかけにAさんに更生してほしいと思ったものの、そもそもAさんがこの後どういった流れでどのような処分を受けることになるのか、全く分かりません。
さらに、まずはとにかくAさんと話をしたいと警察署に行ったものの、警察からは「逮捕されてすぐは会えません」と言われてしまいました。
困り果てたAさんの両親は、京都滋賀少年事件を多く取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

Aさんは、オヤジ狩りをしたことで恐喝罪の容疑をかけられ、京都府西京警察署に逮捕されています。
このような場合に弁護士に依頼した時、どういった活動が考えられるのでしょうか。
今回は少年事件が家庭裁判所に送られる前、少年が被疑者として扱われる捜査段階での活動に注目します。

・捜査段階での弁護活動

Aさんのような20歳未満の者が起こした少年事件であっても、逮捕や勾留といった身体拘束を伴う捜査が行われることはあります。
逮捕に引き続く勾留については、成人の刑事事件に比べて厳格な要件のもと勾留をするかしないかが決定されますが、それでも逮捕され、それに引き続いて勾留されてしまうケースも多いです。
被疑者といっても20歳未満の少年ですから、慣れない場所に1人で取調べに対応しなければいけない上、家族とも友人とも満足に会えずに過ごすということは、少年の身体的・精神的負担となることは想像にたやすいでしょう。
もちろん、学校に通っていたり働いていたりする場合には、それも欠席・欠勤しなければなりませんから、そうした負担も大きいです。
ですから、逮捕・勾留の回避、逮捕・勾留からの釈放を目指しての活動が考えられます。

逮捕・勾留は、簡潔に言えば証拠隠滅や逃亡のリスクがある場合に認められます。
ですから、逃亡や証拠隠滅をする可能性のないことを主張することで釈放を求めていくことが考えられるのですが、そのためには逃亡や証拠隠滅のおそれのない環境を作ったり、懸念される事情をフォローしていったりしなければなりません。
そうした主張は、刑事事件について専門的な知識のある弁護士だからこそ的確に行うことができます。

また、オヤジ狩りによる恐喝事件の場合、オヤジ狩りの被害者が存在します。
その被害者への謝罪や弁償も、捜査段階から取り掛かることによって、少年本人の内省を深める時間をじっくり取ることもできますし、被害者にも迅速な対応を行うことができます。
早い段階で示談が成立すれば、逮捕・勾留からの釈放への大きな助けにもなります。

このほか、捜査段階で弁護士が行う活動として重要なものの1つとして、取調べ対応へのアドバイスも挙げられます。
少年事件では、成人の刑事事件のように刑事裁判を受けたり刑罰を受けたりといったことは原則的にありません。
しかし、取調べにおいて供述した内容は、後に家庭裁判所に送致されて処分が下される際の重要な証拠となりますから、軽視できるものではありません。
被疑事実を否認している場合はもちろん、非行を認めている場合であっても、自分の意図しない供述とならないように注意しなければなりません。
ですが、どこにどういった注意をすべきなのか、自分は取調べに際してどんな権利を持っているのかという点は、成人であっても把握しきれていないことが多いです。
特に少年事件の場合、まだ成長途中の少年だからこそ、捜査官の誘導に乗ってしまったり、上手く自分の主張を伝えられなかったりということも見られます。
だからこそ、専門家である弁護士が少年へのフォローを行うことが望ましいと言えるでしょう。

このように、少年事件でも捜査段階から弁護士のできる活動は多くあります。
捜査段階から弁護士に依頼することで、家庭裁判所へ事件が送致された後に向けた準備も時間をかけて進めていけるというメリットもあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に迅速に対応できるよう、お問い合わせ用フリーダイヤルは24時間いつでもご利用いただけます(0120-631-881)。
専門スタッフがご案内いたしますので、まずはお気軽にお電話ください。

次回はAさんが家庭裁判所に送致された後の付添人活動について取り上げます。

オヤジ狩りで恐喝罪①

2019-05-23

オヤジ狩りで恐喝罪①

17歳のAさんは、学校の同級生や先輩たちのグループ数人と一緒になって、夜ごと京都市西京区の路上でいわゆるオヤジ狩りをし、被害者から金品を巻き上げていました。
オヤジ狩りの被害が多発したことを受けて、京都府西京警察署は警戒を強化し、その結果、Aさんらは恐喝罪の容疑で逮捕されるに至りました。
Aさんの両親は、これをきっかけにAさんに更生してほしいと思ったものの、そもそもAさんがこの後どういった流れでどのような処分を受けることになるのか、全く分かりません。
さらに、まずはとにかくAさんと話をしたいと警察署に行ったものの、警察からは「逮捕されてすぐは会えません」と言われてしまいました。
困り果てたAさんの両親は、京都滋賀少年事件を多く取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・オヤジ狩りと成立する犯罪

オヤジ狩りとは、少年など比較的年齢層の若い者が中年の男性を標的として襲い、金品を巻き上げることを指します。
オヤジ狩りでは、オヤジ狩りをする方が集団で被害者を脅したり、暴行や凶器を用いて脅したりすることで金品を巻き上げるケースが多いようです。
オヤジ狩りでは一体どういった犯罪が成立するのでしょうか。
以下で成立しうる犯罪を見ていきましょう。

①恐喝罪
上記事例のAさんが容疑をかけられて逮捕されているように、オヤジ狩りで成立する犯罪としては、まず恐喝罪が考えられます。
恐喝罪は、刑法249条に規定されている犯罪です。

刑法249条(恐喝罪)
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

恐喝罪のいう「恐喝」とは、脅迫または暴行を用いて相手を畏怖させ、財物の交付を要求することを言います。

脅迫は害悪の告知(害悪を加えることの告知)、暴行は有形力の行使を言います。

この時、脅迫または暴行の程度が相手の犯行を抑圧しない程度であることが求められます。
そして、この「恐喝」によって畏怖した被害者が財物を引き渡すことによって、恐喝罪は成立します。

オヤジ狩りは被害者を脅して金品を巻き上げる行為ですから、恐喝罪に当たりえます。

②強盗罪
オヤジ狩りで成立する犯罪として、もう一つ考えられるのが強盗罪です。
強盗罪は刑法236条に規定されている犯罪です。

刑法236条(強盗罪)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

強盗罪の「暴行又は脅迫」は、①の恐喝罪とは異なり、相手の反抗を抑圧するに足りる程度であることが求められます。
そして、強盗罪のいう「強取」は、暴行・脅迫によって被害者の反抗を抑圧し、被害者の意思に反して財物の支配を自分(又は第三者)に移すことを指します。
①で取り上げた恐喝罪とこの強盗罪はどちらも暴行や脅迫を用いて他人の財物を手に入れる犯罪ですが、恐喝罪は財物を被害者から交付させるいわゆる「交付罪」であるのに対し、強盗罪は財物を被害者から奪ういわゆる「奪取罪」であるのはこういった理由からです。

さらに、この強盗罪を犯してしまった際に被害者に傷害を負わせてしまった場合には強盗致傷罪、被害者を志望させてしまった場合には強盗致死罪が成立します。

オヤジ狩りでも、暴行・脅迫の程度が被害者の反抗を抑圧するほど強いと判断された場合には、強盗罪が成立することになるでしょう。
暴行・脅迫の程度については、その態様や互いの年齢・人数・性別・体格、犯行の時間帯や場所等、様々な状況を考慮して判断されます。

事例のAさんは20歳未満であることから少年事件の手続きにのっとって処分が決められるため、原則として刑罰を受けることはありませんが、①の恐喝罪も②の強盗罪も非常に重い犯罪です。
「子どもがやんちゃしただけ」と軽く考えず、まずは専門家の弁護士に相談されることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、成人の刑事事件のみならず、少年事件についても数多くの取り扱いがございます。
まずはお気軽に、お問い合わせ用フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
京都府西京警察署までの初回接見費用:3万6,800円)

次回の記事では、Aさんに対してどういった弁護活動・付添人活動が考えられるのか、詳しく見ていきます。

車を乗り回して横領事件②

2019-05-19

車を乗り回して横領事件②

~前回からの流れ~
京都府京丹後市の派遣会社で働くAさんは、ある日、郵便局の配送の仕事を引き受けることになりました。
その際、Aさんは郵便局から配送のために郵便局の車を使用するよう言われました。
しかし、Aさんは業務時間中に業務を行うのが嫌になり、配送の仕事をせずに郵便局の車を利用して遊びに出かけてしまいました。
Aさんが配送から戻ってこないことに気づいた郵便局員が捜索願いを出したことで、京都府京丹後警察署が捜査を開始したところ、Aさんが市内の駐車場に車を停め、車内でくつろいでいるところを発見しました。
Aさんは京都府京丹後警察署横領罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和元年5月15日NHKNEWSWEB配信記事を基にしたフィクションです。)

・横領罪と業務上横領罪

前回の記事では、Aさんが横領罪に当たりえるということを取り上げました。
ここで、横領罪という犯罪の中で「業務上横領罪という犯罪もあるのではないか」とイメージされる方も多いのではないかと思います。
特にAさんのような仕事中の横領事件については、業務上横領罪ではないか、と考える方もいらっしゃると思います。

ここで、横領罪と業務上横領罪の条文を見比べてみましょう。

刑法252条(横領罪)
自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。

刑法253条(業務上横領罪)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

横領罪業務上横領罪では、このように受ける可能性のある刑罰の重さが全く異なります。
条文上異なる部分と言えば「業務上」かどうかという部分ですが、これはどういった部分から判断されるのでしょうか。

業務上横領罪のいう「業務」とは、「委託を受けて他人の物を占有・保管する事務を反復継続して行う地位」であるとされています。
なお、この「業務」は仕事(職業)である必要はありません。
この地位に基づいて横領行為をすれば業務上横領罪となり、この地位が認められなければ(単純)横領罪となるということになります。

今回のAさんは、確かに仕事中ではありました。
しかし、Aさんは派遣会社の仕事として郵便局の配送業務を振られたということですので、ここに「反復継続」しているということが認められず、単なる横領罪となったのではないかと考えられます。

・横領事件の弁護活動

横領事件では、横領によって損害が発生していることがほとんどであることから、被害賠償を含めた被害者対応をすることが考えられます。
特に今回のAさんの場合には、横領行為そのものによって発生した損害、例えば車を使用することによって発生する使用価値の減少等以外にも、郵便物の配送の遅れや信用失墜等によって発生する損害も考えられます。
こうした際には、どういった損害が考えられるのか、どのようにその損害を弁償していくのか、ということも考えていかなければなりません。
そしてそれらを考慮しながら示談交渉も行わなければなりません。
弁護士に依頼することで、示談交渉そのものや、示談交渉の内容についての検討の際の負担を減らすことが期待できます。

また、Aさんのように逮捕されている横領事件では、その身柄解放のために弁護士に活動してもらうことが考えられます。
逮捕から勾留までは、最長でも72時間の間に決定がなされます。
横領事件自体の検討や釈放の可能性を高めるための準備を入念に行うためには、早い段階から弁護士に相談し、意見を取り入れることが重要であると言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、迅速な対応を行うために、お問い合わせ用フリーダイヤルは24時間いつでも通じるようになっています(0120-631-881)。
京都府滋賀県横領事件を含む刑事事件で逮捕されてお悩みの際には、まずはお気軽にこちらまでお電話ください。
京都府福知山警察署までの初回接見費用:お電話にてご案内いたします。)

車を乗り回して横領事件①

2019-05-18

車を乗り回して横領事件①

京都府京丹後市の派遣会社で働くAさんは、ある日、郵便局の配送の仕事を引き受けることになりました。
その際、Aさんは郵便局から配送のために郵便局の車を使用するよう言われました。
しかし、Aさんは業務時間中に業務を行うのが嫌になり、配送の仕事をせずに郵便局の車を利用して遊びに出かけてしまいました。
Aさんが配送から戻ってこないことに気づいた郵便局員が捜索願いを出したことで、京都府京丹後警察署が捜査を開始したところ、Aさんが市内の駐車場に車を停め、車内でくつろいでいるところを発見しました。
Aさんは京都府京丹後警察署横領罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和元年5月15日NHKNEWSWEB配信記事を基にしたフィクションです。)

・横領罪

横領罪は、刑法252条に規定されている犯罪です。

刑法252条(横領罪)
自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。

横領という言葉を聞くと、会社等のお金を自分の懐に入れるというイメージが強いかもしれませんが、条文を見ていただければお分かりいただける通り、横領罪の対象は「他人の物」であり、金銭に限定しているわけではありません。
そのため、例えば上記事例の車であったり、楽器や骨とう品といったものであっても、それが自己の占有する他人の物であれば、横領すれば横領罪となります。

先ほども触れた通り、横領罪の対象となる物については、「自己の占有する」「他人の物」とされています。
なお、横領罪の「物」には、不動産も含むとされています。
この「他人の物」とは言葉通り、自分以外の他の人の物であるということを指しますが、「自己の占有する」という部分が分かりにくいのではないかと思います。
そもそも横領罪での「占有」とは、物に対しての事実上または法律上の支配のある状態のことを指します。
つまり、「自己の占有する他人の物」とは、「自分が事実上又は法律上支配している他人の物」ということになります。
横領罪では、この「占有」がその物の所有者と横領を行った者との委託信任関係に基づく占有である必要があるとされています。

そして、「横領」とは、その委託物について「不法領得の意思を実現するすべての行為」を言うとされています(最判昭和28.12.25)。
「不法領得の意思」とは、「他人の物の占有者が委託の任務に背いてその物につき権限がないのに、所有者でなければできないような処分をする意思」であるとされています(最判昭和24.3.8)。

さて、今回のAさんは、配送業務に使用するために郵便局の車を預けられている状態です。
車はそもそも郵便局の物ですから横領罪の言う「他人の物」ということになるでしょう。
Aさんは配送業務をするためにその車を借り、鍵等も渡されていると考えられます。
こうしたことから、Aさんは郵便局から車の管理権限を委託されていたと考えられますから、車は「自己の有する他人の物」となります。
そしてAさんはその車を、委託された任務である配送業務には使わずに、私用で乗り回してしまっています。
私用で車を乗りまわすという行為は、Aさんに与えられた権限を超えていると考えられますし、所有者でなければできない行為でしょう。
ですから、Aさんは車を「横領」したと考えられ、そのためにAさんには横領罪が成立すると考えられるのです。

このように、横領罪1つとっても条文の中に分かりづらい言葉が紛れていたり、過去の判例からその意味や解釈を推し量っていかなければならなかったりします。
こうした作業ができるのが、専門知識のある弁護士です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門に扱う弁護士が、ご相談者様の悩みを解消すべく迅速に対応します。
京都府滋賀県横領事件にお困りの際は、弊所弁護士までご相談下さい。

次回の記事では、横領罪の中の種類と弁護活動について触れていきます。

不倫発覚から刑事事件~ほう助犯

2019-05-14

不倫発覚から刑事事件~ほう助犯

~前回からの流れ~
京都府向日市に住んでいるAさんは、ある日、夫のBさんと知人であるVさんが不倫していることを知りました。
Aさんは怒り心頭となって、Vさんを自宅に呼び出すと、「今回のことを許してほしいと思うなら払えるだけ慰謝料を支払え。そうでなければVさんの職場にでも近所にでも不倫のことをばらまいてそれ相応の代償を払ってもらうから」と言い放ちました。
Vさんが「今は手持ちのお金がない」と言ったところ、Aさんは「では車でATMまで連れて行くからそこでお金をおろして支払え」と言い、Vさんを車に乗せると近くのATMまで連れていき、そこでVさんに預金を引き出させ、慰謝料として300万円を支払わせました。
Aさんの夫であるBさんは、一連の出来事の最中ずっとAさんのそばにいましたが、Aさんの剣幕を見て、特に止めることもせずに黙ってみていました。
その後、Vさんが京都府向日町警察署に相談したことから、Aさんは恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そして、Bさんも恐喝罪監禁罪ほう助の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

・ほう助犯

前回までの記事では、Aさんを中心に恐喝・監禁事件を検討してきました。
今回の記事では、Bさんについて考えていきます。
Bさんは、恐喝罪と監禁罪のほう助犯として警察か取調べを受けていますが、そもそも「ほう助犯」とはどういったことを指すのでしょうか。

刑法62条
正犯を幇助した者は、従犯とする。

いわゆるほう助犯は、刑法62条のこの条文に当てはまる人のことを指します。
「幇助」は「ほうじょ」と読み、その意味は、(犯罪行為を)実行することを容易にする行為を言います。
つまり、ほう助犯と言われた場合、ある犯罪をする人を手助けして、その犯罪行為の実行を容易にした、という疑いが欠けられていることになります。
このほう助犯ほう助という行為については、物理的方法でも精神的方法でも構わないとされています。
物理的な方法でいえば、殺人をしようという人に対して凶器を渡すようなことが考えられます。
対して精神的な方法でいえば、犯罪をしようとする人に対して激励をするようなことが考えられます(なお、激励などによって犯罪をする意思を促進したり強固にしたりした場合にはほう助犯ということになりますが、犯罪をするつもりのない人に新たに犯罪をする意思を生じさせた場合にはほう助犯ではなく「教唆犯」となります。)。

ここで今回のBさんを考えてみましょう。
Bさんは、AさんのVさんに対する恐喝罪と監禁罪のほう助犯の容疑をかけられているようですが、Bさん自身はAさんに加勢したり、何か道具を準備したりということはしていないようです。
黙って見ていただけのBさんにも、ほう助犯は成立する可能性があるのでしょうか。

ほう助犯は、先ほど確認したように、正犯(犯罪を実行する本人)の犯罪実行行為を容易にすれば成立します。
今回のBさんの場合、Aさんの行為を止めずに黙って見ていることによってAさんが恐喝行為や監禁行為をすることを容易にしていると捉えることができます。
そのため、Bさんに恐喝罪と監禁罪のほう助犯が成立する可能性が出てくるのです。
このように、「何もしない」ということをすることでほう助と判断される可能性があることに注意が必要です。

ほう助犯となった場合、正犯の受ける可能性のある刑罰よりも軽い範囲で刑罰を受けることになります(刑法63条)。

・Bさんの注意点

今回のBさんは、ほう助犯として取調べを受けることになっていますが、ここで注意すべき点があります。
それは、もしも取調べで自分の認識と違う発言をしてしまったり、そういった認識なく誘導に乗ってしまったりした場合、不当に重い犯罪の容疑をかけられてしまう可能性があるということです。

先ほど触れたように、ほう助犯は正犯よりも受ける可能性のある刑罰が軽くなります。
しかし、ほう助犯ではなく共犯(ここでいう「共犯」とは、単に一緒に犯罪に関わったという意味の「共犯」ではなく、犯行の共謀をしたり実行を一緒にしたりといった「共犯」を指します。)であるとされてしまえば、犯行を実行した正犯と同じ範囲で刑罰を科される可能性が出てくるのです。
そうなれば、本来受けるべき刑罰よりも不当に重い刑罰を受けてしまう可能性が出てきてしまうのです。
例えば、実はAさんと共謀して恐喝行為や監禁行為をしていたのではないか、Aさんの恐喝・監禁行為にもっと積極的に加担していたのではないか、と疑われ、取調べでも聞かれるかもしれません。
そうした際、自分の思う主張の通りに供述を行えなければ、知らず知らずの間に冤罪をかけられてしまうかもしれないのです。

これは恐喝・監禁事件に限らず、刑事事件全般に言えることです。
だからこそ、ほう助犯などの容疑をかけられてしまったら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門弁護士までご相談ください。
取調べの対応の仕方から被害者の方への対応まで、刑事事件を専門に扱う弁護士が一貫してサポートを行います。
お問い合わせは0120-631-881までお電話ください。
京都府向日町警察署までの初回接見費用:3万7,200円)

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