Archive for the ‘財産事件’ Category

万引きGメンに現行犯逮捕されたら

2020-03-23

万引きGメンに現行犯逮捕されたら

万引きGメン現行犯逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都府木津川市に住むAさんは、生活費を節約したいとの思いから、ここ何か月か近所のスーパーで万引きをすることを繰り返していました。
その日もスーパーに行って万引きをしてしまったAさんでしたが、スーパーの出入り口から店を出たところ、スーパーの万引きGメンに腕をつかまれ、「万引きしましたよね」と言われ、逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは京都府木津警察署の警察官に引き渡され、警察署の留置場に留置されることになりました。
Aさんの家族は、京都府木津警察署からAさんが現行犯逮捕されて警察署にいるということを聞き、慌てて弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・万引き

万引きと言ってしまえば聞こえは軽いかもしれません。
しかし、万引き窃盗罪という立派な犯罪の一種です。
窃盗罪を犯した者は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

刑法235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

万引きという言葉の軽さや、初犯で被害額が少ない場合には弁償や謝罪をすることで微罪処分や不起訴処分となることも多いことから、万引きを繰り返してしまうという方も少なくありません。
確かに、万引きで長期の有期刑となることはなかなか多くなく、特に初犯の場合は大事にならずに済む場合も少なくないことから、「万引きくらいではたいしたことにならない」と思ってしまうかもしれません。
しかし、それはあくまで初犯であったり、被害額が少額であったり、謝罪や弁償やできて被害者・被害店舗が許してくれたりといった事情が重なったがためのことであることが多いです。
たとえ少額の万引きであろうと、前科・前歴があったり、余罪が大量にあったりした場合は、当然、刑罰も重い処分となってきます。
万引きだからと甘く考えずに、刑事事件に強い弁護士に早期に相談し、してしまった万引き行為の対処だけでなく、今後万引きを繰り返さないよう、当事者だけでなくその周囲の人と弁護士と協力して考えていくことが、真の事件解決への一歩となります。

・万引きGメンに逮捕されることがある?

警察の特集やテレビ番組などで、いわゆる万引きGメンと呼ばれる私服警備員を見たことのある方もいるでしょう。
万引きGメンは、あくまで警備員などの民間の企業の者です。
しかし、今回のAさんのように、万引きGメン現行犯逮捕されることもあります。
一般人が警察などの捜査機関のように人を逮捕することはできるのでしょうか。

実は、現行犯人の逮捕=現行犯逮捕の場合、警察などの捜査機関でなくとも犯人を逮捕することは可能です。

刑事訴訟法213条(現行犯逮捕)
現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。

刑事訴訟法の現行犯逮捕の条文では、「何人でも」と書いてあります。
つまり、現行犯逮捕の場合、捜査機関に限らず、誰でも犯人を逮捕をすることができるのです。
したがって、今回のような私服警備員や万引きGメンであっても、万引きの現場を目撃していた場合、犯人を逮捕できる、ということになります。

万引きGメンなどの私人に逮捕された被疑者は、その後すみやかに警察などに引き渡されます(刑事訴訟法214条)。
そしてその後、今回のAさんのように警察署の留置場に留置され、取調べ等を受けることになるでしょう。
取調べに臨む際には、被疑者のもつ権利や手続きの流れなどをきちんと把握して臨む方が望ましいです。
弁護士に接見してもらい、アドバイスをもらっておくことがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕直後から弁護士が接見へ向かう初回接見サービスのお申し込みも受け付けています。
専門スタッフがご案内しますので、現行犯逮捕の知らせを受けてお困りの際は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。

PTAでの業務上横領事件

2020-03-01

PTAでの業務上横領事件

PTAでの業務上横領事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都市上京区に、近所の小学校に通う息子と夫と暮らしています。
Aさんは息子の小学校のPTAで、会費を管理する係を3年ほど行っていたのですが、ある日、生活費が少ないことに悩んだAさんは、手元に管理していたPTAの会費に手を付けてしまいました。
しかし、他のPTA会員が帳簿を見て不審に思ったことからAさんの横領が発覚。
PTAは京都府上京警察署業務上横領罪の被害届を提出し、Aさんは京都府上京警察署の警察官に業務上横領罪の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんは、逮捕されてから、取調べの対応をどうしたらよいのか、この身体拘束がいつまで続くのか等、ずっと困惑していますが、逮捕されていることから誰にも相談できず困り果てています。
そこに家族の依頼によってやってきた弁護士が接見。
Aさんは刑事事件の流れについて相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・仕事でなくても業務上横領罪?

業務上横領罪は、「業務上自己の占有する他人の物を横領した者」を、10年以下の懲役に処すると規定しています(刑法253条)。

刑法253条(業務上横領罪)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

業務上横領罪と聞いて皆さんがイメージされるのは、銀行員や会社の経理係がお金を着服する、という犯行態様ではないでしょうか。
「業務上」という言葉がついていることから、業務上横領罪はどうしても「仕事中にその仕事をしている人が横領する犯罪」というイメージがつきやすいです。
しかし、Aさんのような、PTAの会費の管理をする係というような、私たちに身近なところにある役職であっても、お金を横領すればこの業務上横領罪が成立する可能性があるのです。

実は、業務上横領罪の「業務」とは、イコール仕事のことではないのです。
たとえ職業としてお金を管理していなくても、社会的立場に基づいて反復継続してお金の管理を行っていれば、この「業務」に当てはまるのです。
ですから、AさんのようにPTAの会費を管理する係として継続してお金の管理を行っていたような場合にも、この業務上横領罪の「業務」に当てはまる可能性が出てくるといえるのです。
他にも、大学のサークルや町内会の会計係としてお金を管理していて横領を行った場合なども、業務上横領罪に該当する可能性があります。

・逮捕されたらどうする?

Aさんのように、逮捕されてしまった人は、身体拘束されて外界とのコンタクトを絶たれた中で、取調べ等に対応していかなければなりません。
逮捕されることを何回も経験している、という方はそう多くないでしょうから、皆さん不安に思われるでしょう。
相談したくとも逮捕されていれば他の方に相談することもできませんし、家族とも自由に会うことはできません。
取調べでどう対応していいのか、刑事事件の流れはどんな風に進んでいくのか、把握しなければいけないけど分からない、ということは多いです。

そんな時こそ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部をご利用ください。
弊所の弁護士は、初回接見サービス等を通して、被疑者・被告人の方やその周囲の方の不安を取り除けるよう活動いたします。
まずは0120-631-881までお問い合わせください。
専門スタッフがご相談者様の状況に合ったサービスをご案内いたします。

ごみの持ち去りで刑事事件③占有離脱物横領罪

2020-02-10

ごみの持ち去りで刑事事件③占有離脱物横領罪

ごみの持ち去りから刑事事件に発展したケースで、特に占有離脱物横領罪の容疑をかけられた場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都府宇治市に住んでいる22歳の学生です。
ある日、Aさんは近所のごみ捨て場に自転車が捨てられているのを発見しました。
見たところ、それはまだ使えそうな自転車であったうえ、有名な自転車ブランドの物でした。
そこでAさんは、「拾って行って自分で使おう。捨てられている物なのだから問題ない」と考え、自転車を持ち帰ると使用していました。
しかし、Aさんが自転車を使っていたところ、巡回中の京都府宇治警察署の警察官に声をかけられました。
警察官曰く、Aさんの乗っていた自転車が盗難届の出ている自転車であるとのことです。
後日京都府宇治警察署で話を聞かれることとなったAさんでしたが、その前に弁護士に相談し、捨ててあった自転車を拾っただけなのに何か問題になるのか聞いてみることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

・ごみを持ち去って占有離脱物横領罪に?

前回までの記事で、ごみの持ち去りで成立しうる犯罪について、各自治体の条例違反や窃盗罪などに触れましたが、もう1つ成立しうる犯罪があります。
それは、刑法に定めのある占有離脱物横領罪です。

刑法254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

前回の記事で取り上げた通り、誰かがその物を事実上支配・管理している状態である「占有」のある他人の物を無断で自分の物としてしまえば、窃盗罪となってしまいます。
しかし、この世の全ての物が誰かの支配・管理下にあるわけではない、つまり、「占有」のない物があることはお分かりいただけるでしょう。
誰もその物を支配・管理していない=「占有」のない状態である他人の物=「占有離脱物」について自分の物としてしまった場合に成立するのが、この占有離脱物横領罪なのです。
以下で詳しく見ていきましょう。

まず、占有離脱物横領罪が対象としている物は、「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物」です。
「遺失物」とは、その物を占有(支配・管理)していた人の意思によらずにその物が占有していた人の支配・管理から離れてしまい、さらにまだ誰の支配・管理下にもない状態の物を指します。
「遺失物」の代表例としては、道端に落ちている落し物が挙げられます。
道端に落ちていた落とし物をいわゆる「ネコババ」したような場合には、この罪の成立が考えられます(この場合、罪名としては占有離脱物横領罪ではなく遺失物横領罪と呼ばれることが考えられます。)。
そして、「漂流物」とは、水中にある「遺失物」のことを指します。
さらに、「その他占有を離れた」とは、その物を支配・管理していた人の意思に基づかずにその人の支配・管理下から離れたということを指します。
ですから、占有離脱物横領罪の対象となる物は、簡単に言えば「支配・管理していた人のもとをその人の意思によらずに離れてしまった他人の物」ということになります。

占有離脱物横領罪は前述の対象となる物を、「不法領得の意思」に基づいて自分の支配・管理下に置く=「横領」することで成立するとされています。
「不法領得の意思」とは、大まかに説明すると、権限がないにもかかわらず自分の物でないとできないような処分をする意思のことを指します。

今回のAさんの事例を考えてみましょう。
Aさんが持ち帰った自転車は、盗難届のあった自転車でした。
盗難届を出しているということは、自転車の持ち主はまだ自転車は自分の物であると考えていると思われますから、自転車は持ち主の意思に反してその支配・管理下から離れてしまった持ち主の物=占有離脱物横領罪にいう「占有を離れた他人の物」でしょう。
Aさんはその自転車を自分の物としてしまったわけですから、占有離脱物横領罪の「横領」にあたる行為をしてしまったと考えられます。
これらのことから、Aさんは占有離脱物横領罪の容疑をかけられてしまったと考えられるのです。

なお、盗難届が出ていないごみ捨て場に捨ててあった単なるごみであっても、持ち帰れば占有離脱物横領罪が成立する可能性があることにも注意が必要です。
例えば家電や空き缶といった資源ごみ・リサイクルごみ等は、リサイクルなどの使い道があるものです。
自治体ではこういったごみを活用する事業等がある場合もあり、決められた場所に捨て、決められた業者が回収・活用することになっているところも多いです。
そうした場合には、それらのごみは決められたごみ捨て場に捨てられた時点で自治体の物=「他人の物」となることもあり、事実上の支配・管理がないからといってそれを勝手に自分の物としてしまえば、占有離脱物横領罪となる可能性が出てくるということなのです。

今まで見てきたように、ごみの持ち去りであっても刑事事件となってしまう可能性はあります。
軽く考えてしてしまった行動が思わぬ刑事事件のきっかけとなってしまうこともありますから、そうなった場合には遠慮なく専門家である弁護士のサポートを求めましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門の弁護士によるサービスを土日祝日問わず受け付けていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

ごみの持ち去りで刑事事件②窃盗罪

2020-02-08

ごみの持ち去りで刑事事件②窃盗罪

ごみの持ち去りから刑事事件に発展したケースで、特に窃盗罪の容疑をかけられた場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市伏見区に住んでいるAさんは、ある日、近所のごみ捨て場に自転車が停められているのを発見しました。
Aさんが見てみたところ、その自転車はまだ使えそうであったため、Aさんはその自転車を持ち帰って使用していました。
するとある日、Aさんが自転車を使用して買い物に出ていた際、巡回していた京都府伏見警察署の警察官から職務質問を受けました。
そこで調べてみると、その自転車は盗難届が出されているものであったことが判明しました。
Aさんはごみ捨て場にあったから持ってきただけだと話しましたが、窃盗罪の容疑で京都府伏見警察署で話を聞かれることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・ごみを持ち帰って窃盗罪?

ごみ捨て場に捨ててある物はごみとして捨てられたものであるから持ち帰っても問題ないだろうと考えている方もいるかもしれません。
まだ使えそうなものがごみ捨て場にあった場合、Aさんのように「もったいない」と考えてしまうかもしれません。
ですが、だからといってごみを持ち帰ってしまえば、刑事事件に発展してしまう可能性があるのです。
前回の記事で取り上げたように、地方自治体によっては条例によってごみの持ち去りを禁止しており、禁止命令に反した場合の刑罰まで定めているところもあります。
しかし、今回のAさんの事例で登場する京都市ではごみに関する条例に罰則は定められていません。
それでも刑事事件になってしまう可能性はあるのでしょうか。

まずは、今回のAさんが容疑をかけられている窃盗罪について検討してみましょう。

刑法235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪のいう「他人の財物」とは、他人が「占有」している他人の財物のことを指すとされています。
「占有」とは、人がその財物を事実上支配・管理している状態のことを指します。
さらに、「占有」があるのかどうかは、人がその物を事実上支配している状態であるかどうかという客観的な要素と、人がその物に対して事実上支配する意欲や意思があるかどうかという主観的な要素を総合的に考慮して判断されます。
つまり、窃盗罪の客体となる物は、他人が事実上支配・管理している他人の物、ということになります。

そして、窃盗罪にいう「窃取」とは、先ほど触れた「占有」をしている人の意思に反して、その占有している人の財物に対する「占有」を排除し、財物を自分や第三者の「占有」下に置くことを指します。
すなわち、すでにその物を支配・管理している人の意思に反してその物を自分や他の人の支配・管理下にしてしまうことが窃盗罪の「窃取」なのです。

窃盗罪の典型例として挙げられる万引きで考えてみれば分かりやすいでしょう。
お店の商品はもちろん、お店の支配・管理下にあるといえます。
お店の中に陳列されていることからも、お店が事実上支配・管理していると考えられますし、お店側も商品はお店が支配・管理しているものであると認識しているはずですから、商品にはお店の「占有」があるといえるでしょう。
ここから、商品は窃盗罪のいう「他人の財物」であると考えられます。
しかし、万引きの場合はその商品を会計せずに持ち去って自分の物としてしまいます。
これは商品を「占有」しているお店の意思に反することであり、商品を自分の「占有」下に移していることですから、窃盗罪のいう「窃取」にあたると考えられ、窃盗罪が成立するということになるのです。

では、今回のAさんの事例を考えてみましょう。
そもそも、Aさんはごみ捨て場にあった自転車だからと自転車を持ち去っていますが、その自転車が本当に捨ててあったものなのかどうかということが問題となります。
事例では詳しく書かれていませんが、もしもたまたま自転車の持ち主がごみ捨て場近くに用事があり自転車を停めていただけであれば、自転車の「占有」は持ち主のもののままと考えることもできます。
そうなれば、その場から自転車を持ち去ってしまったAさんには窃盗罪が成立する可能性も出てくることになります。

なお、もしも捨ててあった自転車であったとしても、ごみ捨て場がその自治体等の管理する場所であり、そこに捨てられていたものが自治体等の支配・管理下にあると判断された場合には、持ち去ったものによっては窃盗罪となる可能性もあります。
ごみということは財産的価値がなく、窃盗罪のいう「財物」といえないのではないかとも考えられますが、窃盗罪の「財物」の財産的価値については判断が分かれています。
過去の事例ではメモ1枚やちり紙13枚といったものについて、財産的価値がわずかであるとして窃盗罪の「財物」とはいえないとした事例も見られますが、例えばAさんの持ち帰ったような自転車などは、まだそれ自体として使用できたり、リサイクルする物としての価値があったりと判断されれば、財産的価値がある=窃盗罪の「財物」にあたる、と判断される可能性もあります。

このように、ごみの持ち去りだと思っていても、窃盗罪となる可能性はあります。
では、自転車が捨てられていた場合で誰の占有にもなかった場合には、持って帰ってしまっても犯罪は成立せず、刑事事件化することはないのでしょうか。
こちらは次回の記事で取り上げていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、ごみの持ち去りから窃盗事件に発展してしまったというご相談もお受けしています。
お困りの際は遠慮なく、弊所弁護士までご相談ください。

偽造大型免許で刑事事件④複数の犯罪

2020-01-15

偽造大型免許で刑事事件④複数の犯罪

偽造大型免許から刑事事件に発展したケースで特に複数の犯罪が成立する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都府京田辺市にある運送会社で働いています。
ある日、Aさんは上司から、「Aさんが大型トラックを運転できるようになると任せられる業務も増えて助かる。給料もアップするし大型免許を取得してみたらどうだ」と話されました。
Aさんの会社では、大型免許を取得すると給料が上がる給与体系になっていました。
Aさんは普通運転免許しかもっていなかったため、その話を聞いて大型免許を取得することに決め、上司にもその旨を伝えました。
しかし、教習所に通って試験を受けたものの、Aさんは大型免許の取得試験に落ちてしまいました。
それでも給料が上がることなどをあきらめきれなかったAさんは、インターネットで偽造運転免許を購入できることを知り、自分の名義の偽の大型免許を購入し、上司に大型免許を取得したとして報告し、偽造大型免許を提示しました。
その後、Aさんは大型免許取得者として給料を上げてもらい、いわゆる大型トラックを使用する業務をこなしていました。
すると後日、Aさんは京都府京田辺市の道路で行われていた京都府田辺警察署の交通検問で運転免許証の提示を求められ、偽造大型免許を提示しました。
そこで警察官に偽造大型免許が偽物であることを見破られ、Aさんは無免許運転による道路交通法違反と偽造有印公文書行使罪の容疑で逮捕されてしまいました。
その後、Aさんが家族の依頼によって接見に訪れた弁護士に相談したところ、Aさんには詐欺罪の成立も考えられると伝えられました。
(※令和2年1月8日福井新聞ONLINE配信記事を基にしたフィクションです。)

・複数の犯罪が成立する刑事事件

刑事事件と一口に言っても、それぞれ成立する犯罪の種類はもちろん、数も異なります。
例えば、今回のAさんは、複数の種類・数の犯罪を犯してしまっています。

前回までの記事をまとめると、Aさんには以下の犯罪が成立すると考えられます。
①会社の上司へ偽造大型免許を提示したことによる有印公文書行使罪
②警察官に偽造大型免許を提示したことによる有印公文書行使罪
③大型免許を持たずに大型自動車を運転した無免許運転(道路交通法違反)
④大型免許を取得したと見せかけて給料を受け取った詐欺罪

これらの関係を見ていくと、①の会社の上司へ偽造大型免許を提示した行為は、④の大型免許取得者用の給料を受け取るための行為であるといえます。
つまり、④という目的を達成するために①という手段を使ったということです。
このように、複数の犯罪が成立する場合にそれぞれが手段と目的の関係にあるケースを「牽連犯」と呼びます。
牽連犯の関係にある場合、刑罰の重さは以下のような形で判断されます。

刑法54条1項
(略)…犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。

つまり、①と④については、その法律で定められている刑罰の範囲のうち、最も重い刑罰の範囲で判断されるということです。
①の有印公文書行使罪の法定刑は1年以上10年以下の懲役であり、④の詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役です。
「1年以上」という下限が定められていることから、①の有印公文書行使罪の方が重い刑といえるため、①と④の関係では、「1年以上10年以下の懲役」の範囲で刑罰が判断されることになります。

しかし、②・③の犯罪や、それらと①・④の犯罪はそれぞれがばらばらの関係であり、目的・手段の関係になっているわけでも、同じ1個の行為で別の犯罪に当たっている(この場合「観念的競合」という考え方になります。)わけでもありません。
こうした場合を「併合罪」と呼びます。

刑法45条
確定裁判を経ていない2個以上の罪を併合罪とする。(以下略)

併合罪のケースでは、以下のように刑罰の重さを判断します。

刑法47条
併合罪のうちの2個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とする。
ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。

併合罪という言葉からは、全ての犯罪の刑罰を単純に足して刑罰の重さを判断するというイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。
併合罪の場合は、最も重い刑について定めた刑の長期の1.5倍が長期となる範囲で判断されるのです(ただし、但し書きにあるようにそれがそれぞれの犯罪の刑の長期の合計を超えることはできませんから、合計を超えるような場合は刑の長期の合計が長期となる範囲で判断されることになるでしょう。)。

例えば、Aさんの場合、有印公文書行使罪の法定刑は「1年以上10年以下の懲役」、無免許運転(道路交通法違反)の法定刑は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」、詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
となると、最も重い刑について定めた刑の長期は「(1年以上)10年以下の懲役」ということになりますから、「15年以下の懲役」の範囲でAさんに下される刑罰が判断されることになるでしょう。

複数の犯罪が成立している刑事事件では、このように刑罰の範囲だけでも非常に複雑で、刑事事件の知識がなければ見通しを立てることも大変です。
複数の犯罪の相互関係等を専門的立場から考えることのできる弁護士に相談し、見通しや弁護活動について詳しく聞くことをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門弁護士がご相談者様のニーズに合わせたサービスをご用意しています。
逮捕されてしまっている方、在宅捜査を受けている方、刑事事件化が心配な方など、状況を問わず、遠慮なくお問い合わせください。

偽造大型免許で刑事事件③詐欺罪

2020-01-13

偽造大型免許で刑事事件③詐欺罪

偽造大型免許から刑事事件に発展したケースで特に詐欺罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都府京田辺市にある運送会社で働いています。
ある日、Aさんは上司から、「Aさんが大型トラックを運転できるようになると任せられる業務も増えて助かる。給料もアップするし大型免許を取得してみたらどうだ」と話されました。
Aさんの会社では、大型免許を取得すると給料が上がる給与体系になっていました。
Aさんは普通運転免許しかもっていなかったため、その話を聞いて大型免許を取得することに決め、上司にもその旨を伝えました。
しかし、教習所に通って試験を受けたものの、Aさんは大型免許の取得試験に落ちてしまいました。
それでも給料が上がることなどをあきらめきれなかったAさんは、インターネットで偽造運転免許を購入できることを知り、自分の名義の偽の大型免許を購入し、上司に大型免許を取得したとして報告し、偽造大型免許を提示しました。
その後、Aさんは大型免許取得者として給料を上げてもらい、いわゆる大型トラックを使用する業務をこなしていました。
すると後日、Aさんは京都府京田辺市の道路で行われていた京都府田辺警察署の交通検問で運転免許証の提示を求められ、偽造大型免許を提示しました。
そこで警察官に偽造大型免許が偽物であることを見破られ、Aさんは無免許運転による道路交通法違反と偽造有印公文書行使罪の容疑で逮捕されてしまいました。
その後、Aさんが家族の依頼によって接見に訪れた弁護士に相談したところ、Aさんには詐欺罪の成立も考えられると伝えられました。
(※令和2年1月8日福井新聞ONLINE配信記事を基にしたフィクションです。)

・詐欺罪

前回までの記事では、Aさんが偽造大型免許を警察官に提示したり上司に提示したりする行為が偽造有印公文書行使罪にあたること、さらに普通免許しかもっていないのに大型自動車を運転したことが無免許運転(道路交通法違反)にあたることに触れました。
しかし、今回の事例では、Aさんは弁護士から、さらに詐欺罪の成立も考えられると言われています。
Aさんの行為のどの部分が詐欺罪に当たりえるのでしょうか。

まず、詐欺罪は刑法246条に規定されている犯罪です。

刑法246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪の典型的な例としては、いわゆるオレオレ詐欺に代表される特殊詐欺や、還付金詐欺といったものが挙げられるでしょう。
詐欺罪の「人を欺いて」という行為は、「欺罔行為」とも呼ばれ、その物を引き渡すかどうかの判断をする際に重要な事項を偽ることであるとされています。
つまり、財物を引き渡させるために、その事実が嘘であると分かっていればその財物を引き渡さなかっただろうという事実について嘘をつくことで詐欺罪の「人を欺」く行為となるのです。
その欺罔行為によって相手が騙され、財物を引き渡すことで詐欺罪が成立します。

今回のAさんの行為を考えてみましょう。
Aさんの勤める会社では、大型免許を取得している人は給料を上げてもらうことができることになるという明確な基準があります。
そしてAさんは、実際には大型免許を取得していないにも関わらず、偽造大型免許を示すことで大型免許を受けたかのように見せかけ、給料を上げてもらっています。
もちろん、会社としては大型免許を取得しているという事実があるからこそ、Aさんの給料を大型免許取得者として上げているわけですから、その資格が嘘であるなら給料を上げることはしないでしょう。
すなわち、上司等会社の人間をだますことによって、Aさんは上がった給料の分だけお金=財物を引き渡させていると考えられるのです。
ですから、Aさんには詐欺罪の成立も考えられるということになるのです。

ちなみに、詐欺罪には未遂罪も規定されており、財物の交付に向けた「人を欺」く行為を開始した時点で詐欺未遂罪が成立するとされています。
今回のケースで言えば、例えば偽造大型免許を見せられた上司が偽造大型免許であることを見抜いたとしても、Aさんには詐欺未遂罪が成立する可能性が出てくるということになります。

たとえ特殊詐欺のような組織的犯行が行われていない詐欺事件であったとしても、偽造有印公文書行使罪などほかの犯罪が絡むことによってより複雑になってしまうこともあります。
刑事事件専門の弁護士が所属する弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、こうした刑事事件のご相談も受け付けていますので、お気軽にご相談ください。

偽造大型免許で刑事事件②無免許運転

2020-01-11

偽造大型免許で刑事事件②無免許運転

偽造大型免許から刑事事件に発展したケースで特に無免許運転について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都府京田辺市にある運送会社で働いています。
ある日、Aさんは上司から、「Aさんが大型トラックを運転できるようになると任せられる業務も増えて助かる。給料もアップするし大型免許を取得してみたらどうだ」と話されました。
Aさんの会社では、大型免許を取得すると給料が上がる給与体系になっていました。
Aさんは普通運転免許しかもっていなかったため、その話を聞いて大型免許を取得することに決め、上司にもその旨を伝えました。
しかし、教習所に通って試験を受けたものの、Aさんは大型免許の取得試験に落ちてしまいました。
それでも給料が上がることなどをあきらめきれなかったAさんは、インターネットで偽造運転免許を購入できることを知り、自分の名義の偽の大型免許を購入し、上司に大型免許を取得したとして報告し、偽造大型免許を提示しました。
その後、Aさんは大型免許取得者として給料を上げてもらい、いわゆる大型トラックを使用する業務をこなしていました。
すると後日、Aさんは京都府京田辺市の道路で行われていた京都府田辺警察署の交通検問で運転免許証の提示を求められ、偽造大型免許を提示しました。
そこで警察官に偽造大型免許が偽物であることを見破られ、Aさんは無免許運転による道路交通法違反と偽造有印公文書行使罪の容疑で逮捕されてしまいました。
その後、Aさんが家族の依頼によって接見に訪れた弁護士に相談したところ、Aさんには詐欺罪の成立も考えられると伝えられました。
(※令和2年1月8日福井新聞ONLINE配信記事を基にしたフィクションです。)

・無免許運転

無免許運転と聞くと、そもそも運転免許証を受けずに全く免許を持っていない状態で自動車を運転するケースを思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、今回のAさんは普通運転免許証は持っているようです。
こうしたケースでも、実は無免許運転になりうることに注意が必要です。

道路交通法では、運転免許について、以下のように定めています。

道路交通法84条
1項 自動車及び原動機付自転車(以下「自動車等」という。)を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許(以下「免許」という。)を受けなければならない。
2項 免許は、第一種運転免許(以下「第一種免許」という。)、第二種運転免許(以下「第二種免許」という。)及び仮運転免許(以下「仮免許」という。)に区分する。
3項 第一種免許を分けて、大型自動車免許(以下「大型免許」という。)、中型自動車免許(以下「中型免許」という。)、準中型自動車免許(以下「準中型免許」という。)、普通自動車免許(以下「普通免許」という。)、大型特殊自動車免許(以下「大型特殊免許」という。)、大型自動二輪車免許(以下「大型二輪免許」という。)、普通自動二輪車免許(以下「普通二輪免許」という。)、小型特殊自動車免許(以下「小型特殊免許」という。)、原動機付自転車免許(以下「原付免許」という。)及び牽けん引免許の十種類とする。

そして、道路交通法85条1項の表において、「大型自動車」を運転しようとする場合には、第一種免許の「大型免許」を受けなければならないとしています。
この「大型自動車」とは、道路交通法施行規則2条によると、「大型特殊自動車、大型自動二輪車、普通自動二輪車及び小型特殊自動車以外の自動車で、車両総重量が一一、〇〇〇キログラム以上のもの、最大積載量が六、五〇〇キログラム以上のもの又は乗車定員が三〇人以上のもの」とされており、いわゆる「大型トラック」と呼ばれているものはこの大型自動車に分類されるトラックなのでしょう。

そして、道路交通法では無免許運転を以下のように禁止しています。

道路交通法64条
1項 何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第5項において準用する第103条第4項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。

道路交通法117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
1号 法令の規定による運転の免許を受けている者(第107条の2の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで(法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。)又は国際運転免許証等を所持しないで(第88条第1項第2号から第4号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が1年を超えている場合を含む。)運転した者

つまり、たとえ普通運転免許を持っていたとしても、道路交通法の定める「大型自動車」を運転しようというときにはそれだけでは足りず、「大型免許」を受けていなければそれは運転免許の効力のある範囲外の許されていない範囲での運転をしていることになりますから、無免許運転ということになってしまうのです。
このように、無免許運転は全く運転免許を持っていないというケース以外にも成立しうることに注意が必要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無免許運転事件などの交通違反に関わる刑事事件のご相談も受け付けています。
今回のAさんのような、偽造大型免許に関わる無免許運転事件では、無免許運転以外の部分の容疑も絡み合い、複雑な刑事事件となることが考えられますから、こうしたケースでは早期に弁護士までご相談ください。

偽造大型免許で刑事事件①偽造有印公文書行使罪

2020-01-09

偽造大型免許で刑事事件①偽造有印公文書行使罪

偽造大型免許から刑事事件に発展したケースで特に偽造有印公文書行使罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都府京田辺市にある運送会社で働いています。
ある日、Aさんは上司から、「Aさんが大型トラックを運転できるようになると任せられる業務も増えて助かる。給料もアップするし大型免許を取得してみたらどうだ」と話されました。
Aさんの会社では、大型免許を取得すると給料が上がる給与体系になっていました。
Aさんは普通運転免許しかもっていなかったため、その話を聞いて大型免許を取得することに決め、上司にもその旨を伝えました。
しかし、教習所に通って試験を受けたものの、Aさんは大型免許の取得試験に落ちてしまいました。
それでも給料が上がることなどをあきらめきれなかったAさんは、インターネットで偽造運転免許を購入できることを知り、自分の名義の偽の大型免許を購入し、上司に大型免許を取得したとして報告し、偽造大型免許を提示しました。
その後、Aさんは大型免許取得者として給料を上げてもらい、いわゆる大型トラックを使用する業務をこなしていました。
すると後日、Aさんは京都府京田辺市の道路で行われていた京都府田辺警察署の交通検問で運転免許証の提示を求められ、偽造大型免許を提示しました。
そこで警察官に偽造大型免許が偽物であることを見破られ、Aさんは無免許運転による道路交通法違反と偽造有印公文書行使罪の容疑で逮捕されてしまいました。
その後、Aさんが家族の依頼によって接見に訪れた弁護士に相談したところ、Aさんには詐欺罪の成立も考えられると伝えられました。
(※令和2年1月8日福井新聞ONLINE配信記事を基にしたフィクションです。)

・偽造有印公文書行使罪

今回のAさんについて、まず成立が考えられる犯罪として、偽造有印公文書行使罪という犯罪が挙げられます。

刑法158条(偽造公文書行使等)
第154条から前条までの文書若しくは図画を行使し、又は前条第1項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。

参考:刑法155条1項(有印公文書偽造罪)
行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、1年以上10年以下の懲役に処する。

Aさんがインターネットで購入したのは、偽造されたAさん名義の大型免許です。
そもそも、大型免許などの運転免許証は各都道府県の公安委員会によって発行されるものです。
Aさんが手に入れた偽造大型免許は、本来であれば公安委員会=公務所もしくは公務員が作成するべき文書であり、さらに公安委員会の印章(簡単に言えばハンコ)が用いられている文書です。
それを公安委員会ではない、運転免許証を作成する権限のない第三者が作成したものですから、Aさんの手にした偽造大型免許は、刑法155条1項のいう「公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造」した物であるといえます。
つまり、Aさんの購入した偽造大型免許は刑法158条の「第154条から前条までの文書若しくは図画」であるといえます。

Aさんは、その偽造大型免許を利用して大型トラックを運転し、京都府田辺警察署の交通検問で提示しています。
さらに、Aさんは会社の上司にも偽造大型免許を大型免許を取得したとして提示しています。
これらの行為はこの偽造大型免許を使っていることにほかならず、「行使」しているといえるでしょう。
そのため、Aさんはこれらの偽造大型免許の使用それぞれについて、偽造有印公文書行使罪に問われていると考えられるのです。

今回のAさんはすでに偽造された大型免許を購入しているようですが、自分で大型免許を偽造してしまったような場合は、さらに有印公文書偽造罪も成立することになります。
運転免許証の偽造や偽造された運転免許証の利用だけでも、これだけの犯罪が成立してしまうのです。
どちらも非常に重い刑罰が設定されていますから、これらの刑事事件の当事者となってしまったらすぐに弁護士に相談しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、偽造有印公文書行使罪有印公文書偽造罪のご相談も刑事事件専門弁護士がお受けいたします。
まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。
ご相談者様の状況に応じ、専門スタッフが弊所弁護士によるサービスをご案内いたします。

侵入盗事件で逮捕されたら

2020-01-07

侵入盗事件で逮捕されたら

侵入盗事件逮捕されたケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市北区に住むAさんは,ある日,近所に住んでいるVさんが,「今自宅には200万円の現金が保管してある」と話していたのを聞き,Vさん宅からその200万円を盗み出すことを思いつきました。
AさんはVさんが出かけた時間を狙ってVさん宅に侵入し,部屋内から金庫の合い鍵を見つけ金庫の鍵を開けて現金200万円を盗みました。
帰宅したVさんが金庫が開いていることに気づき,200万円の盗難が発覚。
Vさんの通報により,京都府北警察署が捜査を開始しました。
捜査の結果,防犯カメラの映像からAさんの犯行であると発覚し,Aさんは,住居侵入罪窃盗罪の容疑で京都市北区を管轄する京都府北警察署の警察官に逮捕されました。
(フィクションです。)

~侵入盗事件~

他人の財物を盗んだ(窃取した)者には,窃盗罪(刑法235条)が成立します。
窃盗罪で有罪となれば,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科せられます。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪は,他人の財物を窃取した場合に成立します。
「窃取」とは,その物の持ち主の意思に反して財物の占有を移転し,それを取得することをいいます。
窃盗罪の典型例である万引きや,侵入盗・空き巣の手口を考えれば,持ち主の意思に反して勝手にその物を自分の物としてしまっていることがわかると思います。
もちろん,今回のAさんの行為も窃盗罪に当たると考えられます。

さて,この窃盗罪は様々な手口によって犯行が行われていますが,今回のAさんの手口は,人の家や建物に侵入して物を盗む,いわゆる侵入盗という分類にあたるでしょう。
侵入盗としては,空き巣や忍び込み,金庫破り,事務所荒らしや出店荒らしなどが挙げられます。
今回のAさんはVさんの留守中を狙って忍び込んで窃盗行為をしていることから,侵入盗のうち空き巣にあたるでしょう。
なお,窃盗事件の中には侵入盗とは反対に,家等に侵入せずに盗みをはたらく非侵入盗と呼ばれる分類もあります。
非侵入盗の手口としては,万引きやすりといった手口が挙げられます。

侵入盗事件の場合,窃盗行為をするためにどこかに侵入しているわけですから,窃盗罪だけでなく住居侵入罪や建造物侵入罪(刑法130条)にも問われることになります。

刑法130条
正当な理由がないのに,人の住居若しくは人の看守する邸宅,建造物若しくは艦船に侵入し,又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は,3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

例えば今回のAさんは,窃盗行為をする目的で勝手にVさん宅に侵入しています。
窃盗行為をする目的で立ち入っていることから,もちろん「正当な理由」とは言えませんし,家主であるVさんもこの立ち入りには同意しないでしょうから,Aさんには窃盗罪に加えて住居侵入罪も成立することになるでしょう。

Aさんのような侵入盗事件では,窃盗罪に当たる行為と住居侵入罪に当たる行為は,手段と目的の関係に立ちます(窃盗罪という目的のために住居侵入罪という手段を使ったということです。)。
そのため,牽連犯という考えが用いられ,重い窃盗罪の刑で処断されることになります(刑法54条1項前段)。

刑法54条1項
一個の行為が二個以上の罪名に触れ,又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは,その最も重い刑により処断する。

~侵入盗事件と弁護活動~

侵入盗事件を起こしたことに争いがない場合,弁護士を通じて早期に被害者の方に対する被害弁償や示談交渉を進めることが重要です。
侵入盗事件の被害届が提出される前であれば,示談締結により警察の介入を回避し,逮捕されたりすることなく,刑事事件化を阻止できる可能性もあります。
また,警察が介入して刑事事件化し,逮捕されてしまったような場合でも,示談締結ができれば早期釈放や不起訴処分など早期の職場復帰や社会復帰を実現できる可能性が高くなります。
なお,刑事事件化し,裁判が始まった後の示談であっても,示談締結の事実により執行猶予付き判決や減刑など効果が期待できます。

侵入盗事件では,窃盗罪だけでなく住居侵入罪も成立することから,犯行が悪質であると判断されやすく,厳しい処分がくだされることも考えられます。
なるべく早く弁護士に相談し,示談交渉等の活動に取り掛かってもらうのが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では,侵入盗事件逮捕にお悩みの方のご相談も受け付けています。
まずはお気軽に,弊所弁護士までご相談ください。

京都市上京区内飲食店での食い逃げ

2019-12-12

京都市上京区内飲食店での食い逃げ

京都市上京区内の飲食店での食い逃げについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~ケース~

Aさんは京都市上京区のレストランにてランチセットを注文し、その提供を受けました。
食事後に代金を支払いたくないと翻意したAさんは、会計時に従業員に対して「財布を忘れたので、車に取りに戻る」と言い、店を後にして逃走してしまいました。
その後、飲食店がAさんの食い逃げに気づいて京都府上京警察署に被害届を出した結果、Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕され、京都府上京警察署に連行されました。
(事例はフィクションです。)

~食い逃げは何罪か?~

食い逃げ」を行った場合どの罪に当たるのかという点については、

①注文時から代金を支払う意思が無かった場合
②料理の提供を受けた後に、代金を支払う意思が無くなった場合
イ)店員に対して暴行・脅迫を用いて、支払いを免れた場合
ロ)店員を欺いて、支払いを免れた場合
ハ)店員の隙を見て逃走した場合

のそれぞれの場合で何罪が成立するのか分かれることになります。

①注文時から代金を支払う意思が無かった場合

注文時から代金を支払う意思が無かった場合、詐欺罪が成立する可能性があります。

刑法第246条(詐欺罪)
1.人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2.前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

支払う意思がないにも関わらずあるかのように装って店員を騙し、飲食物(財物)の提供を受けているので、刑法第246条第1項の詐欺罪に当たるということになるのです。

②料理の提供を受けた後に、代金を支払う意思が無くなった場合

料理の提供を受けた後に代金を支払う意思が無くなった場合については、さらにイ・ロ・ハの場合に分けられます。

イ)店員に対して暴行・脅迫を用いて、支払いを免れた場合
料理の提供を受けた後に代金を支払う意思が無くなった場合で、さらに店員に対して暴行・脅迫を用いて、支払いを免れた場合には、強盗罪や恐喝罪が成立する可能性が出てきます。

刑法第236条(強盗罪) 
1.暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2.前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

刑法第249条(恐喝罪) 
1.人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2.前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

②の場合、飲食物の提供を受けた人はその代金を支払う債務が発生しています。
そしてイ)では、暴行又は脅迫を用いた結果、かかる債務を免れており、かかる債務免除は「財産上」の「利益」といえます。
したがって、刑法第236条第2項の強盗利得罪又は第249条第2項の恐喝利得罪に当たります。
この2条のいずれかになるのかは、相手に加えた暴行・脅迫が「反抗を抑圧する程度」であれば強盗、至らなければ脅迫という区別になります。

ロ)店員を欺いて、支払いを免れた場合
料理の提供を受けた後に代金を支払う意思が無くなった場合で、さらに店員を欺いて支払いを免れた場合には、①同様に詐欺罪が成立する可能性が出てきます。

本件のケースもこのパターンとなるでしょう。
本件では、Aには代金支払債務があるにも関わらず、「車に財布を取りに行ってくる」と嘘を言い、Aの言葉を信じた店員がそれを承諾しています。
店員の承諾はAの支払債務の一時的に猶予すると言う旨の黙示の意思表示であると考えられ、Aにとってかかる債務の猶予を受けることは利益といえます。

ハ)店員の隙を見て逃走した場合
では、料理の提供を受けた後に代金を支払う意思が無くなった場合で、さらに店員の隙を見て逃走した場合にはどうなるのでしょうか。
食い逃げであるのだから窃盗罪が成立するのではないか、と考える方が多いのではないでしょうか。

刑法第235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

店員の隙を見て逃走したという行為は、Aに騙された店員がその(瑕疵ある)意思表示を以て支払債務を免除している訳ではなく、あくまで店員の意思に反して支払債務の免除という利益を得ているに過ぎません。
いわゆる利益窃盗という行為に当たりますが、刑法第235条は利益窃盗を処罰していません。
したがって、ハ)のケースは刑事事件としては不処罰となります。
もちろん、刑事事件にならないからといって民事上の責任が問われないわけではありませんし、今まで見てきた他の犯罪に当たるケースだと疑われてしまう場合もあります。
何より食い逃げはいけないことですから、絶対にやめましょう。

~食い逃げ事件を起こしてしまったら~

本件の場合のように被害届が出されてしまう前に弁護士に相談し、早い段階で謝罪や示談をすることができれば、刑事事件化することなく事態を解決することができる場合もあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、詐欺罪窃盗事件に関わる弁護の経験豊富な弁護士が多数在籍しております。
また、逮捕・勾留された方に対しての初回接見サービスの予約も24時間受け付けております。
事件化前であってもご自身がした行為について不安な方や、既にご家族が逮捕・勾留され会うことができない方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部へご連絡下さい。

« Older Entries