Archive for the ‘刑事事件’ Category
嘘の自白をして冤罪になりかけた事例
冤罪事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都市中京区の家電量販店でパソコン周辺機器を盗んだとして、窃盗罪の疑いで京都市内の大学に通う大学生の男を逮捕、起訴された事件で、京都地方裁判所は無罪判決を言い渡した。
男は、取り調べの際に犯人は自分だとする供述をしているものの、法廷では無罪を主張したためその自白の信用性が争点となっていた。
男は、法廷で「逮捕されたショックから、早く解放されたいと思い嘘の自白をしてしまった。私はやってない」と主張。
弁護人は、男が犯行時刻に別の場所にいたとするアリバイ証拠を提出していた。
(京都新聞 9月8日「Tシャツ窃盗で無罪判決」の記事を参考にしたフィクションです)
証拠としての自白の重要性
刑事事件では、犯罪を証明する責任は検察官にあります。
したがって、検察官や警察官は、犯罪を証明するため全力で証拠を手に入れようとします。
その中でも、検察官や警察官が特に入手したいと思うのが、自白すなわち犯人が自らのした犯罪を認める供述です。
発生した犯罪について、その詳細を知る犯人の供述は証拠としての価値が非常に高いため、検察官や警察官は、自白を得るために時として違法な取り調べが行われることさえあります。
なお、検察官や警察官は、自白の内容を調書として文書にした後、被疑者にその読み聞かせるなどした上で、署名押印を求めてきます。
これに応じると、裁判で証拠として使用さる可能性があり、もし証拠として使用された場合には覆すのは非常に困難ですから、安易に署名押印しないことが重要です。
本事案では、男子大学生は取り調べの際に、パソコン周辺機器を盗んだのは自分だと嘘の自白をしてしまった上、調書に署名押印した結果、裁判で証拠として使用されたようです。
なぜ嘘の自白をしてしまうのか
そもそもなぜ嘘の自白をしてしまうのでしょうか?
本事案の男子大学生のように、逮捕されると冷静さを失い、「早くこの状況から解放されたい」と思ったり、「認めることで求刑が軽くしてもらえるのではないか」と考えて、やってもいないことをやったと嘘の自白をしまうことがあります。
繰り返しになりますが、自白の内容が嘘であったとしても、調書が作成されてしまいますと裁判で証拠として扱われますし、覆すことは容易ではありません。
ですので、嘘の自白をすることがないように、落ち着いた状態で取り調べに挑むことが重要になります。
なるべく早く経験豊富な弁護士に相談を
嘘の自白をしないためには、可能な限り取り調べ前の段階で弁護士に相談することが望ましいでしょう。
今後待ち受ける手続の見通しや、どのように取り調べに対処すれば良いのかを知っていれば、冷静さを欠いて嘘の自白をすることを防げる場合があるからです。
また、自白獲得のために違法な取り調べを行われる場合には、弁護士から捜査機関に対し直ちにやめるように抗議し阻止する必要があります。
仮に、嘘の自白をしてしまった場合、自白を覆さなければ冤罪で犯罪者となってしまう可能性がかなり高くなります。
それを阻止するためには、自白が真実でないことを証明する証拠を集める必要があります。
有用な証拠を集めるためにも、経験豊富な弁護士に任せた方が良いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、冤罪事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
経験豊富な弁護士が取り調べ段階からサポートする行うことで、嘘の自白を未然に防いだり、法廷で自白が真実でないことを証明できる可能性があります。
可能な限り早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
SNS上で犯罪者だと中傷した名誉棄損事件
SNS上で特定の人物を「犯罪者で前科もある」などと中傷した名誉毀損事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
京都市上京区に住むAさんは「Bさんは犯罪者で前科もある」というようなBさんを中傷する内容をSNSに投稿しました。
その後Aさんは上京警察署の警察官に話をきかれ、名誉棄損罪の疑いで逮捕されることになりました。
(事件概要はフィクションです。)
名誉毀損罪とは
刑法230条1項は「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」として名誉毀損罪を規定しています。
本罪の対象となる行為は、「公然と事実を摘示して、人の名誉を毀損」することです。
まず、男は「公然と」名誉を毀損したと言えるのでしょうか?
「公然と」というのは、不特定または多数人が認識しうる状態を意味します。
今回の事案では、AさんはBさんを中傷する内容をSNSに投稿しています。
SNSに投稿された内容は不特定の人の目に入ることになりますから、Aさんは「公然と」名誉を毀損したことになりそうです。
次に、男は「事実の摘示」をしたと言えるのでしょうか?
本条の「事実」は、日常用語として用いられる「事実」という言葉よりも広い概念であり、真実の事実に加えて虚偽の事実を含みます。
加えて、本条の「事実」は、人の社会的評価を低下させるに足る具体的なものでなければなりません。
今回の事案では、AさんはBさんについて、「Bさんは犯罪者で前科もある」などと投稿しています。
このような投稿をされたことによって、Bさんは犯罪を犯すような人物としてその社会的評価を低下させられる危険性があると考えられます。
上述の通り、この投稿内容が真実であっても名誉毀損罪の成立自体は妨げられません。
なお、本条の「人の名誉を毀損した」という文言は、現実に被害者の名誉が害されたことを要するかのように見えます。
しかし、被害者の社会的名誉が現実に害されたか否かの認定は極めて困難ですから、本罪は実際に社会的名誉が害されることを要しないものと解されます。
つまり、実際に社会的名誉が害されていなくても、社会的名誉が害される危険性がある内容であれば、名誉棄損罪が成立するおそれがあります。
名誉を毀損しても処罰されない場合
他人の名誉を毀損しうる行為をしても処罰されない場合がいくつかあります。
代表例は、起訴の時点で被害者からの告訴が存在しない場合です。
裁判になることで、かえって被害者の名誉を侵害する恐れがあることから、本罪は告訴を訴訟要件とする親告罪となっています(刑法232条)。
仮に、被害者が告訴をしていたとしても、起訴前に取り下げてもらうことができれば、不起訴処分となります。
弁護士に相談を
実際に他人の名誉を毀損する行為をして、被害者が告訴をした場合、起訴前に告訴を取り消してもらえるかどうかが非常に重要になってきます。
告訴の取下げに成功すれば、不起訴処分となり前科がつくこともないからです。
しかし、被害者は、当然ながら加害者に対して処罰感情を抱いている可能性が高いため、加害者が自ら示談交渉をして、告訴の取下げを含めた示談を成立させるのは困難です。
そこで、示談交渉のプロである弁護士に示談交渉をお任せすることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、名誉毀損事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、告訴を取り下げてもらい不起訴処分を得ることができる可能性があります。
起訴されてしまった後では、告訴を取り下げることはできません。
可能な限り早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】野球賭博による賭博開帳図利罪で逮捕
野球賭博をしたとして、賭博開帳図利罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
プロ野球の公式戦の勝敗などを対象に野球賭博をしたとして、京都府警宇治署は26日、賭博開帳図利の疑いで、京都市伏見区深草(中略)会社員、(中略)と同市左京区高野(中略)の会社員、(中略)の両容疑者を逮捕した。(中略)容疑者は「身に覚えがない」などと供述し容疑を否認、(中略)容疑者は認めているという。
(9月27日 産経新聞 THE SANKEI NEWS 「「野球賭博」で客に7千万円賭けさせる、容疑の男2人を逮捕」より引用)
逮捕容疑は昨年8月、プロ野球の公式戦や第104回全国高校野球選手権大会の試合の勝敗を客の会社経営者の男(45)=京都府宇治市=に予想させ、計7180万円を賭けさせたとしている。
(後略)
野球賭博
刑法第185条では、「賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」と規定されており、日本では賭博が禁止されていることがうかがえます。
今回の事例では、野球賭博が問題になっているようですが、野球賭博も禁止されているのでしょうか。
賭博とは、偶然に決まる勝ち負けに対してお金などの財物を賭け、利益を得させたり、賭けた財物を失わせたりすることで、賭けによる損得を争わせる行為をいいます。
野球賭博は、野球の試合の勝敗にお金などをかけて、賭けの結果で得た利益について損得を争わせます。
野球の試合の勝敗は偶然に決まりますので、野球賭博は刑法で規定する賭博にあたると考えられます。
賭博開帳図利罪
では、今回の事例の逮捕容疑である賭博開帳図利罪とはどのような犯罪なのでしょうか。
刑法第186条2項
賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
賭博開帳図利罪は、簡単に説明すると、利益を得る目的で、賭博の主催者となって賭博をさせる場所を提供した際に成立する犯罪です。
野球の試合の勝敗で賭け事を行う野球賭博は刑法で禁止する賭博にあたります。
ですので、容疑者らが野球賭博の主催者となり、野球賭博を行う場を設けたのであれば、賭博開帳図利罪が成立するかもしれません。
賭博開帳図利罪は罰金刑の規定がありません。
ですので、起訴され裁判で有罪になると執行猶予付き判決を得ない限り、刑務所に行くことになってしまいます。
賭博開帳図利罪では、執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
弁護士が悪質性が高くないことや反省していることなどから執行猶予付き判決が妥当だと裁判官に訴えることで、執行猶予付き判決を獲得できる場合があります。
執行猶予付き判決を得るためには、有利になる証拠を集めることが重要になります。
有利な証拠を集めるためにも、裁判の準備に時間を要しますので、賭博開帳図利罪で捜査を受けている方は、早めに弁護士に相談をすることが望ましいです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件を中心に扱う法律事務所です。
初回接見サービスや無料法律相談を行っていますので、賭博開帳図利罪などの刑事事件でお困りの際は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービス、無料法律相談のご予約は、0120―631―881までご連絡ください。
【事例紹介】無断で合鍵作り同僚宅へ侵入
同僚女性宅の合鍵を無断で作り侵入したとして、住居侵入罪の容疑で逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します
事案概要
無断で合鍵を作り女性宅に侵入したとして、京都府警下鴨署は5日、住居侵入の疑いで、滋賀県草津市の大学生の男(21)を逮捕した。
(9月5日 京都新聞 「無断で合鍵作り女性宅侵入、容疑の21歳男逮捕「鍵の番号盗み見てネット注文」下着を撮影」より引用)
逮捕容疑は昨年6月30日と7月9日の計2回、下着を撮影する目的で、同市の女子大学生(21)の集合住宅の部屋に侵入した疑い。
同署によると、男は(中略)「間違いありません」と容疑を認めている。(後略)
不法侵入と侵入場所
不法侵入というワードを聞いたことがある方は多いかもしれません。
刑法を見てみますと不法侵入という罪名は存在せず、住居侵入罪や建造物侵入罪という罪が規定されています。
住居侵入罪や建造物侵入罪を規定する刑法130条は、「正当な理由がないのに、人の住居もしくは人の看守する邸宅、建造物もしくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処する」としています。
同条は対象となる侵入場所として、①住居、②人の看守する邸宅、③建造物、④艦船を挙げています。
本ケースの容疑者は被害者の集合住宅の部屋に侵入したとされています。
では本ケースの場合、①~④のどこに侵入したことになるのでしょうか?
結論から言うと、容疑者は住居(①)に侵入したことになります。
住居とは、起臥寝食すなわち、寝たり起きたり食事をするなど、日常生活に利用される建造物のことです。
具体的には家やマンションの部屋などが該当します。
今回の事案では、容疑者は集合住宅の部屋に侵入したとされています。
おそらく、被害者はこの集合住宅の部屋で日常生活を営んでいるでしょう。
したがって、報道が事実であれば、容疑者は住居に侵入したことになります。
ところで、住居(①)と邸宅(②)、建造物(③)の違いが文字だけ見ても分かりづらいかもしれません。
簡単に説明すると、邸宅(②)とは空家や閉鎖中の別荘といった居住用の建造物であって住居ではないものを言います。
そして、建造物(③)とは、住居や邸宅にあたらない建造物を言います。
具体的には、官公庁の庁舎や学校、工場などがこれに当たります。
住居侵入罪と侵入
次に「侵入」の意義も問題となります。
というのは、本罪の保護法益(法律があることで保護される利益)をどう解するかによって、どのような立入り行為が規制の対象となる「侵入」に当たるかが異なるからです。
住居侵入罪の保護法益について、平穏説、住居権説の2つの説があります。
平穏説は保護法益を「住居の事実上の平穏」と捉える立場です。
これに親和的な判例として最判昭和51年3月4日があります。
この立場にたてば、「侵入」とは、住居の平穏を害するような態様による立入りと言うことになります。
もっとも、平穏という法益の内容が漠然としていて不明確です。
立入りの方法が平穏である場合には、住居権者がたとえ立入りを許していない場合であっても住居侵入罪が成立しないことになってしまいますので、住居権者の承諾の意義を軽視しすぎていると言えるでしょう。
他方で、現在の判例は、本罪の保護法益を、住居に誰を立ち入らせるかの自由であるとしています(最判昭和58年4月8日)。
この保護法益の解し方を住居権説といいます。
この立場にたてば、「侵入」とは、住居権者の意思に反する立入りということになります。
本ケースの場合、下着を撮影する目的で被害者の生活する集合住宅の部屋に立ち入ったと報道されています。
おそらく容疑者は立入る許可を被害者に取っていないでしょうし、下着を撮影することは部屋に立入る正当な理由だとはいえません。
現在の裁判所の立場は住居権説に立っていますから、住居権者の意思に反する立入りであり、侵入にあたると評価される可能性が高いです。
侵入にあたると判断された場合は、容疑者に住居侵入罪が成立することになります。
弁護士に相談を
住居侵入罪を犯して逮捕されてしまった場合でも、被害者との示談ができれば、不起訴処分となる可能性があります。
示談は、真摯な反省・謝罪を伝えることに加えて、被害者宅から遠い場所に引越すなど、相手との約束ごとを決めることで示談を成立させることができる可能性があります。
もっとも、つい先日無断で家に侵入してきた加害者が、示談交渉のため接触しようと試みても、被害者は恐怖から示談のための話し合いを拒絶する可能性が高いです。
そこで、弁護士が第三者的立場から間に入ることで、スムーズに示談交渉を進められる場合があります。
ですので、示談交渉を行う際は、弁護士に相談をすることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、住居侵入罪の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分を得ることができる可能性があります。
可能な限り早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】『皆殺しにしてやる』?問い合わせフォームを使った脅迫文の送信
問い合わせフォームを使って脅迫文を送信したとされる事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例概要
(前略)連合会(京都市北区)に脅迫文を送ったとして、京都府警北署は29日、威力業務妨害の疑いで、(中略)逮捕した。
(9月29日 京都新聞「部落解放同盟に4回脅迫文 容疑で神戸の男逮捕、差別的表現も」より引用)
逮捕容疑は(中略)、同連合会ホームページの問い合わせフォームに「全員機関銃で皆殺しにして殺るからな」などの内容を計4回送信し、正常な業務を妨害した疑い。「間違いない」と容疑を認めているという。
(後略)
威力業務妨害罪とは?
威力業務妨害とは、「威力を用いて人の業務を妨害」するおそれがある行為を言います(刑法234条)。
威力業務妨害罪が成立するためには、以下の3つの要件が必要です。
①手段として「威力」を用いたこと
②その妨害の対象が「業務」であること
③行為により業務が妨害されるおそれがあること
では、具体的には、どのような場合が①威力と②業務に該当するのでしょうか?
①威力
まず、「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる勢力を示すことを意味します。
裁判例をみると、公然と脅迫や暴行などを手段とした場合に「威力」を用いたとされます。
威力を用いて人の業務を妨害したとされる裁判例として、大阪拘置所に電話をかけ、元総理を殺害したことで同拘置所に収監されていたCの名前をあげて、「Cは殺さないといけないんですよ」「Cを殺しに行くつもりでいます」などと言って、同拘置所職員の正常な業務の遂行に支障を生じさせた事案があります。(大阪地裁 令和4年12月22日 判決)
②業務
次に「業務」とは、職業その他の社会生活上の地位に基づいて継続して従事する事務とされています(大判大10年10月24日)。
典型的には職業としての経済活動が「業務」にあたります。
例えば、営業マンが得意先に向かう際の車の運転や、ラーメン屋がスープを作る行為は「業務」に該当します。
これに対して、ツーリング目的での自家用車の運転や、家族の夕食を作る行為などは社会生活上の活動ではないため「業務」には該当しません。
それでは、本事案で報道されたような、問い合わせホームへの殺害予告の送信は、「威力を用いて、人の業務の妨害」しうる行為にあたるのでしょうか?。
まず、殺害予告の送信は脅迫にあたると推測され、人の意思を制圧するに足りる勢力を示すもの、つまり威力を用いたと評価されると考えられます。
次に、問い合わせ担当者は、当該殺害予告への対処を余儀なくされ、本来すべき問い合わせへの対応業務に支障をきたす危険性があります。
また、同連合会の上層部も、当該殺害予告がされた結果、警察への届出を含む今後の対応について時間を割くことを余儀なくされ、本来すべき管理業務や意思決定業務に費やす時間を犠牲にすることになりかねません。
ですので、本件の問い合わせフォームへの殺害予告の送信は、業務を妨害するおそれがあると判断される可能性が高いと思われます。
したがって、本件の問い合わせフォームを通じての殺害予告は、威力業務妨害罪が成立する可能性があります。
弁護士に依頼して事件の早期解決を
威力業務妨害罪のように被害者が存在する犯罪については、(被害があればその被害弁償をして)被害者と示談を成立させることが事件の早期解決にとって重要となります。
被害届が出される前に示談が成立していれば、警察沙汰になることも防げるかもしれません。
示談成立が事件化してしまった後であっても、起訴される前であれば、不起訴処分につながる可能性もあります。
もっとも、つい先日まで業務を妨害した当の加害者が被害者と接触を試みても、示談交渉のテーブルにつくこと自体を拒絶されかねません。
したがって、示談交渉のプロである弁護士に示談交渉はお任せすることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、威力業務妨害事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、警察沙汰になることを未然に防いだり、不起訴処分を得ることができる可能性があります。
可能な限り早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
ノルマ未達の部下に対し「どつき殺すぞ」 脅迫罪で起訴された事例
事案
営業ノルマを達成できなかった部下に対して、「どつき殺すぞ」、「明日があると思うな」などと暴言を吐いたとして、京都府城陽市に営業所をもつ大手飲料メーカーの男性社員が脅迫罪で起訴された。
男性社員は、「確かに暴言は吐いたが、応援のつもりでやった。」「本気で殺すつもりではなかったし、そのことは部下もわかっているはず」と説明している。
(2022年10月28日 京都新聞 「取り調べ中に『どつき殺すぞ』」の記事を参考にしたフィクションです)
脅迫罪とは?
刑法221条1項によると、脅迫罪は、「人の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫」する犯罪です。
脅迫罪を犯してしまうと、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処されます(刑法221条1項)。
脅迫とは、人を畏怖させる程度の害悪を告知することを指します。
本ケースのように、「どつき殺すぞ」と言われれば、普通は恐怖心を起こ(畏怖する)します。
また、「どつき殺すぞ」は人の生命に対する害悪の告知にあたります。
したがって、本ケースでは脅迫罪が成立する可能性があります。
なお、被告人は「本気で殺すつもりではなかったし、そのことは部下もわかっているはず」と言っています。
実際に被害に遭った部下が畏怖していなかった場合には脅迫罪は成立しないのでしょうか?
この点、大審院判決(明治43年11月15日)によれば、害悪の告知により相手が現実に畏怖したかどうかは問わないとしています。
ですので、男性社員の行為が脅迫にあたるのであれば、部下が畏怖していなかった場合であっても脅迫罪が成立します。
また、本ケースでは、「確かに暴言は吐いたが、応援のつもりでやった。」「本気で殺すつもりではなかったし、そのことは部下もわかっているはず」と男性社員は説明しています。
実際に激励の意を込めて発言したのだとわかるような態度で「どつき殺すぞ」などと言っていた場合にも脅迫罪は成立するのでしょうか。
結論から言うと、脅迫罪が成立しない可能性があります。
脅迫罪が成立するためには、世間一般の人が恐怖を感じる内容を告知された場合に成立します。
ですので、恐怖を感じるに至らない程度であれば脅迫にあたらず、脅迫罪は成立しません。
例えば、上司である男性社員が部下とかなり親密で、普段から冗談を言い合うような関係だったとします。
和やかな雰囲気のなか、冗談のように「どつき殺すぞ」と言えば、部下に冗談だと伝わる可能性が高く、一般の人が部下のような状況に陥った場合にも冗談で発言したのだと伝わる可能性が高いでしょう。
告知した内容が脅迫にあたるのかどうかは、加害者と被害者の関係性や状況、その場の雰囲気などによっても異なります。
ですので、本ケースでも、男性社員の応援したいという気持ちが部下に伝わるような発言の仕方や状況であったのであれば、脅迫罪が成立しない可能性があります。
示談交渉は弁護士におまかせ
脅迫行為をしてしまった場合、相手方との間で示談を成立させることができるかどうかが重要になります。
示談が成立すれば、それを踏まえて量刑が軽くなったり、起訴猶予による不起訴処分となるかもしれません。
不起訴処分になれば前科もつきません。
もっとも、脅迫行為をした当の本人が示談交渉をしようとしても、さらなる加害行為を恐れて被害者が示談交渉のテーブルにつくこと自体を拒否しないとは限りません。
その場合には、弁護士を通じて示談交渉を行うことにより、加害者と直接やりとりをしなくてもよくすることで、示談交渉に応じてもらえる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、脅迫罪の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
弁護士が示談交渉をすることで、少しでも科される刑罰を軽くできるかもしれません。
脅迫事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】暴力団に言うぞと脅し、50万円を受けとった事例②
前回のコラムに引き続き、近隣男性から現金を脅し取ったとして、恐喝罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
慰謝料名目に近隣に住む男性から現金を脅し取ったとして、伏見署は4日、恐喝の疑いで伏見区深草(中略)の(中略)容疑者(57)を逮捕した。「脅し取ったものではない」などと供述し、容疑を否認している。
(10月4日 産経新聞 THE SANKEI NEWS 「「咳払いうっとうしいねん」近隣男性に因縁つけ50万円恐喝、容疑で男を逮捕」より引用)
(中略)
逮捕容疑は9月30日、男性に対し「金払え、払わんかったら暴力団に言うぞ」などと怒鳴りつけ、慰謝料名目で現金50万円を脅し取ったとしている。
逮捕と釈放
今回の事例では、被害男性は容疑者の近隣に住んでいると報道されています。
被害者が家の近くに住んでいる場合は、加害者が被害者に接触することが容易であると判断される可能性が高く、釈放が認められづらい場合が多いです。
また、今回の事例のような否認事件(容疑を否認している事件)では、捜査が長期に及ぶ場合が多く、証拠隠滅や逃亡のおそれが高いと判断されることも少なくないことから、被害者が近隣に住んでいる場合と同様に、釈放が認められにくいです。
弁護士は、勾留が判断される前であれば、検察官や裁判官に勾留に対する意見書を提出することができます。
意見書で、家族が監督することで被害者に接触できないようにさせることや、逃亡をさせないことを主張することで、釈放が認められる場合があります。
この意見書は勾留が判断される前に提出する必要がありますので、勾留が判断される逮捕後72時間以内に行う必要があります。
検察官や裁判官に釈放を認めてもらえるような意見書を提出するには、意見書を作成する時間も必要になります。
勾留請求に対する意見書を提出できる期間は限られていますので、早期釈放を考えている方は、できる限り早く弁護士に相談をする必要があります。
また、勾留が決定してしまった後でも、裁判所に勾留決定に対する準抗告の申し立てをすることができます。
弁護士が申し立てを行うことで、釈放が認められる場合もありますので、勾留が決定した後でも弁護士に相談をすることをお勧めします。
繰り返しになりますが、勾留請求に対する意見書は勾留が決定するまで、逮捕後72時間以内に提出しなければなりません。
ですので、この逮捕後72時間を逃してしまうと、釈放を求める機会を2回失ってしまうことになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、数々の身柄事件で早期釈放に導いてきた実績のある法律事務所です。
早期釈放を目指すためにも、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120ー631ー881で24時間365日受け付けております。
【事例紹介】暴力団に言うぞと脅し、50万円を受けとった事例①
近隣男性から現金を脅し取ったとして、恐喝罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
慰謝料名目に近隣に住む男性から現金を脅し取ったとして、伏見署は4日、恐喝の疑いで伏見区深草(中略)の(中略)容疑者(57)を逮捕した。「脅し取ったものではない」などと供述し、容疑を否認している。
(10月4日 産経新聞 THE SANKEI NEWS 「「咳払いうっとうしいねん」近隣男性に因縁つけ50万円恐喝、容疑で男を逮捕」より引用)
(中略)
逮捕容疑は9月30日、男性に対し「金払え、払わんかったら暴力団に言うぞ」などと怒鳴りつけ、慰謝料名目で現金50万円を脅し取ったとしている。
恐喝罪
恐喝罪は、刑法第249条1項で「人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。」と規定されています。
簡単に説明すると、暴行や脅迫を行い、お金などを受け取ると恐喝罪が成立します。
また、この暴行や脅迫が抵抗することが難しいような内容であれば、恐喝罪ではなく強盗罪が成立する可能性があります。
暴行とは有形力の行使を指し、殴る行為や肩を掴む行為などが暴行にあたります。
また、脅迫とは、人の命や身体、財産などに危害を加えると知らせる行為をいいます。
今回の事例は恐喝罪の容疑で逮捕されていますが、恐喝罪は成立するのでしょうか。
今回の事例では、容疑者が「金払え、払わんかったら暴力団に言うぞ」などと怒鳴りつけて現金50万円を脅し取ったとされています。
恐喝罪が成立するためには、暴行や脅迫が必要です。
報道されている容疑者の行為は暴行や脅迫にあたるのでしょうか。
暴力団に怖いイメージを持っている方が多くいると思います。
「暴力団に言うぞ」と言われれば、暴力団に暴力を振るわれるなど、なにか危害を加えられるのではないかと心配になるでしょう。
脅迫は人の命や身体に危害を加えると知らせる行為を指しますので、直接的に「殺すぞ」や「暴力団に襲わせるぞ」などと言わなくても、危害を加えるような内容を相手に伝えられれば、脅迫にあたります。
ですので、「金払え、払わんかったら暴力団に言うぞ」という発言は、直接的に相手に危害を伝える内容ではないものの、暴力団に言うことで危害を加えられる可能性を示唆していると考えられますので、脅迫にあたる可能性があるといえます。
実際に容疑者が報道されているような内容を被害男性に伝え、被害男性から現金を受け取ったのであれば、恐喝罪が成立する可能性があります。
脅迫にあたるかどうかについて、明確に基準があるわけではありません。
ですので、捜査段階で脅迫にあたると判断された場合であっても、実際には脅迫にあたらない可能性があります。
脅迫にあたるかあたらないかは、事案によって異なります。
脅迫にあたるかどうかによって恐喝罪が成立するのかどうかも変わってきますし、処分の見通しも事案によって変わってきますので、一度、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
恐喝罪で捜査を受けている方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
次回のコラムでは、逮捕と釈放について解説します。
他人のキャッシュカードを使うと何罪?
事例概要
京都府下京警察署は、現金30万円を窃取したとして、京都市下京区に住む無職の男(29)を逮捕した。
男は、四条通で泥酔していたVのポケットから財布を抜き取り、中に入っていたVのA銀行のキャッシュカードを使ってA銀行のB支店のATMから現金30万円を引き出した疑いがもたれている。
(事例はフィクションです。)
他人のキャッシュカードで現金を引き出すとどうなる?
結論から申し上げると、この行為は、窃盗罪に該当する行為に当たる可能性があります。
窃盗罪については、刑法235条が「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と規定しています。
同条の「窃取」とは、他人の占有する財物を、占有者の意思に反して、その占有を侵害し自己又は第三者の占有に移転させることと解されています。
本事例では、引き出された30万を誰が占有していたことになるのでしょうか?キャッシュカードの持ち主でしょうか?それともA銀行でしょうか?
この30万は、ATMを管理するA銀行B支店の支店長が事実上支配する現金であり占有していたのはA銀行となります。
そして事例によれば、男はその占有を侵害して自らの占有に移転した=「窃取した」ということになります。
ですので、事例の男性の行為は窃盗罪が成立する可能性があります。
逮捕された後に、起訴を防ぐためにできることはある?
一般論として、窃盗事件の場合、被害額が小さいケースや初犯である場合に不起訴になることがあります。
しかし、被害額や初犯かどうかといった事情は逮捕後にどうにかできる性質のものではありません。
不起訴の可能性を少しでも高めるために、逮捕後にできる活動としては、被害者との示談交渉が挙げられます。
被害弁償をして被害者に謝罪をした上で示談を成立させることができた場合、起訴前であれば起訴猶予など不起訴となる可能性が上がります。
仮に起訴後であったとしても罰金刑や執行猶予付判決に落ち着つかせることができるかもしれません。
弁護士に相談してより良い結果を
もっとも、加害者本人が示談交渉をすることは得策とはいえません。
今回のような事例では、Vさん相手に示談交渉を行うことになります。
Vさんは事件に遭ったことで事例の男性に恐怖を抱いているかもしれませんし、加害者本人の示談に向けた熱心な行動が、被害者の目には脅迫とうつるかもしれません。
そうなった場合、交渉の場につくことすら拒否されてしまうでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、窃盗事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と交渉を行うことで、不起訴処分、罰金刑、執行猶予付判決などより軽い処分にできる可能性がございます。
特に起訴前に示談が成立すれば不起訴処分となり前科を回避することができるかもしれませんので、可能な限り早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
脅迫罪ってどんな罪?~逮捕と取調べ~
脅迫罪という言葉を耳にしたことはありますか。
この罪がどのような状況で成立するのか、また、どのような罰が科されるのかについてはあまり知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、脅迫罪についての基本的な成立要件と罰則、さらには具体的な事例を交えて解説します。
脅迫罪の基本的な定義と成立要件
脅迫罪は、刑法第222条に基づき規定されています。
この罪が成立するためには、主に以下の二つの要素が必要です。
①行為者が生命、身体、自由、名誉又は財産に対して危害を加えると対象者(被害者)に示すこと
②一般の人が恐怖に感じるような内容であること
これらの要素が揃うと、脅迫罪が成立します。
行為者が具体的な危害を示さなくても、その意思表示が対象者に恐怖を与えるような内容であれば、脅迫罪は成立します。
また、電子メールやSNSを用いた脅迫も、当然ながらこの範疇に含まれます。
このように、脅迫罪は形態を問わず多様なケースで適用される罪です。
成立要件を理解することで、具体的な事例と照らし合わせながら法的な判断が可能になります。
脅迫罪の成立が確認された場合、刑事責任が問われることになります。
刑法第222条1項によれば、脅迫罪に対する基本的な罰則は「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」です。
脅迫罪は、罰則は一概には決められず、事例によって懲役刑が下される場合や罰金刑が下される場合があります。
事例①脅迫メールを送信したケース
具体的な事例を通して脅迫罪の成立要件と罰則を考察してみましょう。
ここでは、インターネットを使って脅迫メールを送信したケースに焦点を当てます。
事例①
Aさんは、仕事のトラブルからBさんに対して強い怒りを感じていました。
その怒りを晴らすため、AさんはBさんに対して「お前を社会的に抹殺してやる」という内容のメールを送信しました。
(事例はフィクションです。)
事例①では脅迫罪は成立するのでしょうか。
脅迫罪を考えるうえで、生命、身体、自由、名誉、財産に対して危害を与える内容であるかどうか、その内容は一般の人が恐怖を感じる内容なのかがポイントになります。
「お前を社会的に抹殺してやる」という内容は名誉に対して危害を加える内容であると解せるので、内容の面では問題ないでしょう。
次に、一般の人が恐怖を感じるかどうかについて考えていきます。
AさんはBさんを社会的に抹殺することが可能なのかどうかが重要になってきます。
例えば、AさんがBさんの名誉が傷つくような重大な秘密を知っているだとか、Aさんが発言をすることで、Bさんの社会的評価が下がるような可能性があるほど影響力があるような場合であれば、社会的に抹殺することも可能なように思えますから、恐怖を感じる可能性があるでしょう。
この場合には、脅迫罪が成立する可能性があります。
しかし、AさんがBさんを社会的に抹殺することが不可能だと考えられる場合、Bさんの発言で恐怖を感じる人はおそらくいないでしょう。
この場合には、脅迫罪が成立する可能性は低いと考えられます。
脅迫罪は脅迫をした人やされた人の立場などによっても成立するかどうかが変わってきます。
また、メールを通じた脅迫であっても、条件を満たすのであれば、脅迫罪として処罰されます。
事例②口頭で脅迫したケース
口頭で行われた脅迫について考察していきましょう。
事例②
CさんとDさんは隣人同士で、駐車場の使用についてトラブルがありました。
Cさんは怒りに任せてDさんに対し、「次やったら車に火をつけるからな」と口頭で脅迫しました。
(事例はフィクションです。)
事例②では脅迫罪は成立するのでしょうか。
事例①で考えたようにポイントごとに整理していきましょう。
CさんはDさんに「次やったら車に火をつけるからな」と発言しています。
車は財産にあたりますので、車に火をつけるという発言は脅迫罪の対象になると考えられます。
では、Cさんの発言は一般の人は恐怖に感じるような内容でしょうか。
車に火をつけることは、物理的に可能です。
ですので、実際に車に火をつけられる可能性があり、一般の人が恐怖を感じると判断されてもおかしくはないでしょう。
ですので、事例②は脅迫罪が成立する可能性があります。
事例②のような口頭での脅迫の場合も、脅迫罪が成立するのであれば、当然ながら法的に罰せられる行為です。
逮捕後の取調べはどうしたらいいの?
逮捕された場合に、最初に知っておくべき基本的な権利は、「黙秘権」、「弁護士との面会権」です。
これらの権利は、警察や検察によって説明されることが多いですが、理解しておくことで、不利な状況を避けられる可能性があります。
黙秘権: 黙秘権は、その名の通り、黙秘することができる権利です。
ですので、聞かれた内容に答えたくなければ答える必要はありません。
犯罪に関する疑いをかけられ取調べを受けた際に、自分自身の発言により後の自分に不利に働く可能性があります。
黙秘権を行使することで、冤罪のリスクを減らすことができます。
また、どんな場合でも黙秘権を行使すればいいというわけでもなく、黙秘権を行使することで、余計に罪を疑われたり、釈放が認められづらくなる可能性があります。
ですので、弁護士と面会した際には、黙秘すべきかどうかについて弁護士のアドバイスを仰ぐことが重要になります。
弁護士との面会権: 前述したように、供述した内容で不利な状況に陥る可能性があり、弁護士がいない状態での任意の供述は避けるべきであり、可能な限り早く弁護士に相談することが推奨されます。
弁護士と面会することで、適切な法的アドバイスを受け、自分の権利を守る方策を練ることができます。
以上のように、基本的な権利を理解し、行使することが、逮捕された際に非常に重要になります。
警察での取り調べと弁護士の役割
逮捕後に警察で行われる取り調べは、一般的には非常に厳しい状況で進行します。
この過程で弁護士が果たす役割は大きく、弁護士がいないと自分自身を不利な立場に置く可能性があります。
取り調べの進行: 取り調べは一対一または複数の警察官によって行われ、時には長時間にわたることもあります。
自分一人で取り調べに臨むのはリスクが高いため、事前に弁護士と打合せを行っておくことが推奨されます。
供述調書の作成: 取り調べの結果、供述調書が作成されますが、この供述調書は後の裁判で重要な証拠となることが多いです。
弁護士がいれば、供述すべき内容や供述の仕方についてのアドバイスが可能です。
弁護士と事前に取調べの打合せを行い、供述すべき内容や黙秘すべき内容を具体的にすることで、自白や不利な証言をしてしまうリスクを減らすことができます。
不必要な自白や、誤解を招くような発言を避けるためにも、弁護士のアドバイスは不可欠です。
刑事事件に強い弁護士を
逮捕後の取調べでは、逮捕された衝撃により気が動転し、警察官に誘導されるがままに供述してしまう可能性があります。
そういった場合には、後に不利な状況に陥る可能性が高いため、落ち着いて取調べを受ける必要があります。
ただ、逮捕後に落ち着いて供述内容を整理しながら、取調べを受けることはかなり難しいです。
ですので、刑事事件に強い弁護士と共に、供述すべき内容の精査を行う必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に強い法律事務所です。
ご家族が逮捕された方、取調べが不安な方は、一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービス、無料法律相談のご予約は、0120―631―881で受け付けております。