実際には撮影していないのに逮捕?!スカートの中を盗撮しようとして逮捕された事例

実際には撮影していないのに逮捕?!スカートの中を盗撮しようとして逮捕された事例

盗撮

盗撮しようとしてスマートフォンをスカートの中に差し入れたとして、性的姿態等撮影未遂罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都市下京区に住むAさんは、通勤のために京都駅を利用していました。
京都駅の改札口に向かうエスカレーターに乗っていたAさんは、前に女子高校生が乗っていることに気が付きました。
魔が差してしまったAさんは、女子高校生の下着を盗撮したいと考えて、カメラを起動しスカートの中に自分のスマートフォンを差し入れました。
Aさんの不審な動きに気づいた人が駅員に通報し、Aさんは性的姿態等撮影未遂罪の容疑で京都府下京警察署の警察官に逮捕されることになりました。
(事例はフィクションです。)

盗撮と新法

昨年7月までは盗撮について、各都道府県の迷惑行為防止条例で規定されていましたが、現在は、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下「性的姿態撮影処罰法」といいます。)で規定されています。
ですので、以前は盗撮をすると都道府県の迷惑行為防止条例違反が成立していたのが、性的姿態撮影処罰法の制定により、性的姿態等撮影罪が成立することになります。

性的姿態等撮影未遂罪

性的姿態撮影処罰法第2条1項1号
正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態

性的姿態撮影処罰法第2条1項では、人が身に着けている下着かつ性的な部位を覆っている部分や性行為中の姿などの性的姿態を撮影する行為を禁止しています。
性的姿態等撮影罪は、簡単に説明すると、盗撮していると気づかれないように、ひそかにスカートで隠れている下着や性行為の様子などを撮ると成立する犯罪だといえます。

また、性的姿態撮影処罰法第2条2項では、「前項の罪の未遂は、罰する。」と規定されていますので、未遂の場合でも罰せられることになります。
ですので、盗撮しようとしたけど撮影できなかった場合などには、性的姿態等撮影未遂罪が成立することになります。

今回の事例では、盗撮したいと考えたAさんが女子高校生のスカートの中にスマートフォンを差し入れています。
スカートで覆われた下着を着用している姿は性的姿態にあたると思われますし、実際に撮影していなくても性的姿態等撮影罪は未遂罪を規定していますので、Aさんに性的姿態等撮影未遂罪が成立する可能性があります。

性的姿態等撮影罪の法定刑は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金です。(性的姿態撮影処罰法第2条1項)
性的姿態等撮影未遂罪も同様の法定刑となります。

盗撮と示談

刑事事件では起訴され有罪になると刑罰を科されることになります。
逆にいえば、起訴されなければ刑罰を科されることはありません。
不起訴になる処分のことを不起訴処分といい、起訴するには証拠が不十分な場合や被害者が処罰を求めていない場合などに不起訴処分に付されることがあります。
ですので、犯罪にあたる行為を行っていたとしても、不起訴処分を獲得することができれば、刑罰を科されることはありませんし、刑罰が科されませんので前科も付きません

では、どうすれば不起訴処分を得られるのでしょうか。

不起訴処分獲得に向けた弁護活動として、示談交渉が挙げられます。
示談交渉を行い、宥恕条項付きの示談を成立することで、被害者が厳しい処罰を求めていないとして不起訴処分を得られる可能性があります。
今回の事例では被害者は女子高校生ですので、おそらく女子高校生の母親や父親と示談を締結することになるでしょう。
保護者相手の示談交渉は、大切な子供が事件に巻き込まれたわけですから、厳しい処罰感情を持たれていることも少なくなく、示談交渉が難航することも少なくありません。
加害者自らが連絡することで新たなトラブルを生む可能性もありますので、示談交渉は弁護士を介して行うことをおすすめします。

また、弁護士は検察官に不起訴処分を求める処分交渉を行うことができます。
弁護士による弁護活動で不起訴処分を獲得できる可能性がありますので、盗撮で捜査を受けている方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。

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