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【事例紹介】京都初 性的姿態等撮影未遂罪で逮捕③~弁護活動~
引き続き、京阪神宮丸太町駅のホームで女性のスカート内を盗撮しようとしたとして、性的姿態等撮影未遂罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警川端署は29日、性的姿態撮影処罰法違反未遂(撮影)などの疑いで、(中略)会社員の男(24)を逮捕した。
(8月29日 京都新聞 「スマホでスカート内撮影しようとした疑い 性的姿態撮影処罰法で京都府内初の逮捕者」より引用)
逮捕容疑は29日正午ごろ、京都市左京区の京阪神宮丸太町駅ホームで伏見区の女性(32)の背後からスマートフォンを差し出し、スカート内を撮影しようとした疑い。
(後略)
盗撮と不起訴処分
前々回のコラムでは、今回の事例で性的姿態等撮影未遂罪(性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下「性的姿態撮影処罰法」といいます。)違反未遂)が適用される可能性があると解説しました。
盗撮を行ったことにより、性的姿態等撮影罪(性的姿態撮影処罰法違反)で有罪になると、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金が科されることになり、刑務所に行かなければならなくなる可能性があります。
不起訴処分という言葉をニュースで目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
不起訴処分とは、検察官が起訴をしないと判断した際に付される処分のことをいいます。
不起訴処分になれば、起訴されませんので、刑罰を受けることはありません。
ですので、不起訴処分を獲得できれば、前科が付くことなく日常生活に戻ることができます。
盗撮を行った場合であっても、不起訴処分を獲得することはできるのでしょうか。
不起訴処分と弁護活動
結論から言うと、盗撮であっても、不起訴処分を獲得できる場合があります。
刑事事件では、示談の締結が不起訴処分の獲得などに有利な事情にはたらくことがあります。
示談を締結するためには、示談交渉を行う必要があります。
ですが、今回の事例のような盗撮事件では、被害者と知り合いである可能性は低いでしょうから、示談交渉を行うには相手の連絡先を手に入れることから始める必要があります。
加害者が警察官などに被害者の連絡先を教えてほしいと頼んだ場合、証拠隠滅や被害者保護の観点から、教えてもらえない可能性が高いです。
警察官から被害者の連絡先を教えてもらえたとしても、当事者間での示談交渉はトラブルに発展しやすいため、示談交渉を加害者本人が行うことは、あまりお勧めできません。
被害者の連絡先を教えてもらえなかった場合であっても、再度、弁護士がお願いすることで、被害者と示談交渉を行える場合があります。
弁護士が代理人となって示談交渉を行うことで、円滑に示談を締結できる可能性がありますので、示談を考えている方は、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
また、不起訴処分の獲得を目指すうえで、取調べ対応も重要になってきます。
刑事事件では、容疑をかけられると、警察官や検察官から取調べを受けることになります。
警察官や検察官はあなたの味方ではありませんので、事実ではないことを供述調書に記載される可能性や警察官などに都合の良いような内容の供述を誘導される可能性があります。
取調べの際に作成される供述調書は、裁判で証拠として使用されますし、検察官が不起訴処分などを判断する際の判断材料にもなります。
ですので、取調べで不利な証拠が作成されないように、取調べ前に対策を練っておく必要があります。
しかし、事前に取調べ対策を行うといっても、どういった対策を行えばいいのかわからない方がほとんどだと思います。
ですので、取調べ対策を行う際は、刑事事件に精通した弁護士と共に行うことが望ましいでしょう。
今回の事例では、京阪神宮丸太町駅で盗撮をしようとしたと報道されていますので、どのような目的で京阪神宮丸太町駅を利用したのか、なぜ被害者を盗撮しようと思ったのかなどを聴かれることが予想されます。
弁護士であれば、聴かれる内容をある程度予測することができますし、供述すべき内容やそうでない内容をアドバイスすることが可能です。
弁護士と取調べ対策を行うことで、不利な証拠の作成を防げる可能性がありますので、取調べを受ける際は、事前に弁護士に相談をするといいでしょう。
加えて、弁護士は検察官に処分交渉を行うことができます。
弁護士が検察官に示談を締結しているなどの有利な事情や、起訴されてしまうと会社を解雇されてしまうおそれがあるなどの不利な事情を主張し、不起訴処分を求めることで、不起訴処分を獲得できるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
盗撮で逮捕された方、捜査を受けている方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】京都初 性的姿態等撮影未遂罪で逮捕②~条例との違い~
前回のコラムに引き続き、京阪神宮丸太町駅のホームで女性のスカート内を盗撮しようとしたとして、性的姿態等撮影未遂罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警川端署は29日、性的姿態撮影処罰法違反未遂(撮影)などの疑いで、(中略)会社員の男(24)を逮捕した。
(8月29日 京都新聞 「スマホでスカート内撮影しようとした疑い 性的姿態撮影処罰法で京都府内初の逮捕者」より引用)
逮捕容疑は29日正午ごろ、京都市左京区の京阪神宮丸太町駅ホームで伏見区の女性(32)の背後からスマートフォンを差し出し、スカート内を撮影しようとした疑い。
同署によると、(中略)同法を適用した府内での逮捕は初めて。
性的姿態等撮影罪と京都府迷惑行為等防止条例違反
前回のコラムでも書きましたが、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下、「性的姿態撮影処罰法」といいます。)の施行前は、盗撮をした場合に各都道府県の迷惑行為防止条例が成立していました。
7月13日に施行された性的姿態撮影処罰法は京都府迷惑行為等防止条例とどのような部分が異なるのでしょうか。
盗撮と法定刑
性的姿態撮影処罰法と京都府迷惑行為等防止条例の大きな違いとして、盗撮を行った場合の刑罰の重さが挙げられます。
盗撮を行った場合に、性的姿態撮影処罰法の法定刑は3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金(性的姿態撮影処罰法第2条)である一方で、京都府迷惑行為等防止条例の場合は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(京都府迷惑行為等防止条例第10条1項)です。
京都府迷惑行為等防止条例では、常習盗撮の場合には刑罰を重く定めていますが、それでも法定刑は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(京都府迷惑行為等防止条例第19条3項)であり、性的姿態撮影処罰法の3年以下の拘禁又は300万円以下の罰金と比較すると、性的姿態撮影処罰法が施行されたことにより、盗撮で有罪になった際に科される刑罰がかなり重くなったことが伺えます。
盗撮と写真、動画の提供
次に異なる点として挙げられるのは、盗撮画像や動画などの提供について規定されたことです。
性的姿態撮影処罰法第3条
1項 性的影像記録(前条第1項各号に掲げる行為若しくは第6条第1項の行為により生成された電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)その他の記録又は当該記録の全部若しくは一部(対象性的姿態等(前条第1項第4号に掲げる行為により生成された電磁的記録その他の記録又は第5条第1項第4号に掲げる行為により同項第1号に規定する影像送信をされた影像を記録する行為により生成された電磁的記録その他の記録にあっては、性的姿態等)の影像が記録された部分に限る。)を複写したものをいう。以下同じ。)を提供した者は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する。
2項 性的影像記録を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
京都府迷惑行為等防止条例では、盗撮した写真や動画の提供について定めはありませんでしたが、性的姿態撮影処罰法では盗撮した写真や動画を提供することを禁止しています。
ですので、盗撮した写真などを誰かに渡した場合には、性的姿態撮影処罰法違反が成立するおそれがあります。
また、特定の人や少数の人に提供した場合と、不特定の人や多数の人に提供した場合とでは、科される刑罰の重さが異なってきます。
盗撮と写真、動画の送信
性的姿態撮影処罰法では、盗撮写真等の提供と同様に、送信についても禁止されています。
ですので、京都府迷惑行為等防止条例には規定されていませんでしたが、盗撮した写真や動画などをインターネット上に投稿した場合には、性的姿態撮影処罰違反が成立するおそれがあります。
第5条 不特定又は多数の者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
1項 正当な理由がないのに、送信されることの情を知らない者の対象性的姿態等の影像(性的影像記録に係るものを除く。次号及び第3号において同じ。)の影像送信(電気通信回線を通じて、影像を送ることをいう。以下同じ。)をする行為
(以降省略)
性的姿態撮影処罰法と京都府迷惑行為等防止条例
今回の事例では、京阪神宮丸太町駅のホームで女性のスカート内を盗撮しようとしたとして、性的姿態等撮影未遂罪(性的姿態撮影処罰法違反未遂)の容疑で逮捕されています。
京都府では性的姿態撮影処罰法違反が適用されている事件での逮捕は今回の事例で初めてだと報道されており、今後、性的姿態撮影処罰法違反が適用される事例が増えていくことが予測されます。
今回の事例では盗撮をしようとしたとして、性的姿態撮影処罰法が適用されています。
性的姿態撮影処罰法と京都府迷惑行為等防止条例では、盗撮を行った場合に科される量刑がことなり、新しく施行された性的姿態撮影処罰法では、科される刑罰がかなり重くなっています。
ですので、今後は、以前に比べて盗撮を行った際に科される刑罰が重くなることが予想されます。
弁護士に相談をすることで、科される刑罰を軽くできる場合がありますので、盗撮でお困りの方は弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
また、京都府迷惑行為等防止条例では違反行為にならなかった、盗撮した写真や動画などの提供、送信行為が、性的姿態撮影処罰法では違法行為として規定されています。
加えて、提供などの目的による盗撮写真等の保管なども性的姿態撮影処罰法では違反行為となります。(性的姿態撮影処罰法第4条)
以上のように、性的姿態撮影処罰法では、京都府迷惑行為等防止条例では違反行為に当たらない行為であっても違反行為に該当する可能性があります。
性的姿態撮影処罰法違反に該当する行為かどうかについては、事案によって異なります。
事件の見通しなども個々の事案によって異なりますので、盗撮等でご不安な方は、弁護士に相談をしてみることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
盗撮でお困りの方、ご不安な方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
次回のコラムでは、盗撮で捜査を受けた場合の弁護活動についてご紹介します。
【事例紹介】京都初 性的姿態等撮影未遂罪で逮捕①
京阪神宮丸太町駅のホームで女性のスカート内を盗撮しようとしたとして、性的姿態等撮影未遂罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警川端署は29日、性的姿態撮影処罰法違反未遂(撮影)などの疑いで、(中略)会社員の男(24)を逮捕した。
(8月29日 京都新聞 「スマホでスカート内撮影しようとした疑い 性的姿態撮影処罰法で京都府内初の逮捕者」より引用)
逮捕容疑は29日正午ごろ、京都市左京区の京阪神宮丸太町駅ホームで伏見区の女性(32)の背後からスマートフォンを差し出し、スカート内を撮影しようとした疑い。
同署によると、(中略)同法を適用した府内での逮捕は初めて。
盗撮と犯罪
7月13日に性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下、「性的姿態撮影処罰法」といいます。)が施行されました。
以前は盗撮を行った場合に各都道府県の迷惑行為防止条例が成立していましたが、性的姿態撮影処罰法が施行されたことで、盗撮を行った場合に迷惑行為防止条例ではなく、性的姿態等撮影罪が成立する可能性があります。
性的姿態等撮影罪と盗撮
性的姿態撮影処罰法第2条
1項 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する。
1号 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治40年法律第四十五号)第177条第1項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
2号 刑法第176条第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
3号 行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
4号 正当な理由がないのに、13歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は13歳以上16歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為
2項 前項の罪の未遂は、罰する。
3項 前二項の規定は、刑法第176条及び第179条第1項の規定の適用を妨げない。
上記の条文が性的姿態等撮影罪の条文になります。
性的姿態撮影処罰法では、相手に気付かれないようにスカートなどの服で隠れている下着や性行為中の姿、性的部位などを撮る行為はもちろんのこと、撮影に同意できないような状態にさせて撮影する行為や性的な行為ではないなどと誤信させて撮影する行為などを禁止しています。
今回の事例では、容疑者が京阪神宮丸太町駅のホームで女性のスカート内を盗撮しようとしたと報道されています。
ひそかに下着などを盗撮する行為は、性的姿態撮影処罰法で禁止されていますし、未遂だったとしても刑罰を科されます。
今回の事例で、実際に容疑者が女性の下着を盗撮しようとしたのであれば、性的姿態等撮影未遂罪が成立する可能性があります。
性的姿態等撮影罪と逮捕
逮捕されると、逮捕後72時間以内の間に勾留か釈放かが判断されます。
勾留になってしまうと、最長で20日間留置場で過ごすことになり、その間は仕事に行くことはもちろん、家に帰ることもできません。
逮捕されてしまうと会社に本人が直接連絡をすることはできませんから、身体拘束期間が長ければ長いほど、会社に逮捕を知られてしまうリスクが高く、最悪の場合には解雇されてしまうおそれもあります。
ですが、早期釈放を実現することで、会社に事件のことを知られずに、解雇を避けられる場合があります。
弁護士は勾留の判断が行われる前であれば、検察官や裁判官に意見書を提出することができます。
検察官や裁判官に意見書を提出して、会社に連絡をしなければならないことや解雇のおそれがあることなどを訴えることで、勾留されずに釈放が認められる可能性があります。
また、勾留後であっても、弁護士は準抗告の申し立てを裁判所に行うことができますので、弁護士が準抗告を行うことで、勾留満期を待たずに釈放される場合もあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に精通した法律事務所です。
刑事事件の豊富な弁護経験を持つ弁護士による身柄解放活動によって、早期釈放を実現できるかもしれません。
意見書の提出は逮捕後72時間以内に行わなければなりませんので、ご家族が逮捕された場合は、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120―631―881までご連絡ください。
次回のコラムでは、性的姿態等撮影罪と京都府迷惑行為等防止条例の違いについて解説します。
【事例紹介】14歳の少女のわいせつ行為を撮影した事例
14歳の少女のわいせつ行為を撮影したとして、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反で再逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警少年課と西京署は28日、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、京都府久御山町教育委員会生涯学習応援課の非常勤職員の男(29)=八幡市、同法違反の罪(買春)で起訴=を再逮捕した。
(8月28日 京都新聞 「14歳少女2人とわいせつ行為、撮影疑い 京都の教育委員会職員の男を再逮捕」より引用)
再逮捕容疑は(中略)女子生徒2人=ともに(14)=が18歳未満と知りながら、中京区のカラオケ店の個室でわいせつな行為をさせ、その様子をスマートフォンで十数分間撮影し保存した疑い。「間違いありません」と容疑を認めているという。
児童ポルノ製造
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ禁止法」といいます。)第7条
1項 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。自己の性的好奇心を満たす目的で、第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者も、同様とする。
2項 児童ポルノを提供した者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。電気通信回線を通じて第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。
3項 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
4項 前項に規定するもののほか、児童に第2条第3項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第2項と同様とする。
(以降省略)
児童ポルノ禁止法第7条で規定されているように、日本では、児童ポルノの所持や製造が禁止されています。
児童ポルノとはどういったものを指すのでしょうか。
児童ポルノ禁止法第2条3項
この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
児童ポルノ禁止法では、18歳未満の者を「児童」と規定しています。(児童ポルノ禁止法第2条1項)
ですので、18歳未満の者の性行為の写真や動画、性器等を触っている姿や性器などの性的な部分が強調されていて性的興奮を促すような写真や動画などを撮影すると、児童ポルノ製造に該当するおそれがあり、児童ポルノ禁止法違反が成立する可能性があります。
今回の事例では、14歳の女子中学生2人にわいせつな行為をさせて、その様子をスマートフォンで撮影したと報道されています。
報道の内容だけでは、どういった内容の動画や写真を撮影したのか明らかではありませんが、容疑者がすでに児童買春の疑いで起訴されていることから、性行為中の動画や写真を撮影したのではないかと推測されます。
18歳未満の者の性行為中の写真や動画を撮影する行為は児童ポルノ製造にあたりますので、容疑者が性行為中の動画などを撮影していたのであれば、児童ポルノ禁止法違反が成立する可能性があります。
また、容疑者が撮影したとされている動画などが児童ポルノ禁止法第2条3項1号~3号に該当するような内容であれば、児童ポルノ製造に該当しますので、性行為中の動画などでなくとも児童ポルノ禁止法違反が成立してしまうおそれがあります。
児童ポルノ製造と刑罰
提供や輸出などの目的ではない児童ポルノ製造により児童ポルノ禁止法違反で有罪になった場合には、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科されます。
児童ポルノ製造は、懲役刑が科される可能性もあり、決して罪の軽い犯罪ではありません。
刑事事件と聞くと示談を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
児童ポルノ製造による児童ポルノ禁止法違反では、示談を締結することで、不起訴処分の獲得など、あなたにとって良い結果を得られる可能性があります。
ですが、児童ポルノ禁止法違反の場合、被害者は未成年ですので、示談交渉は被害者の親権者に対して行うことになります。
ですので、子どもを思う気持ちから処罰感情が苛烈になりやすいため、示談交渉が難航してしまう可能性がかなり高く、連絡すら取れない場合も多々あります。
しかし、加害者本人ではなく、弁護士であれば話を聴いてもいいと思われる親御さんもいらっしゃいますので、児童ポルノ禁止法違反などの被害者が未成年の事件の場合は、弁護士を代理人として示談交渉を行うことをお勧めします。
性犯罪に精通した弁護士に相談をすることで、不起訴処分や略式命令による罰金刑、執行猶予付き判決を狙える可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
児童ポルノ製造などの児童ポルノ禁止法違反でお困りの方は、性犯罪に精通した、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】改正後京都初、不同意性交等致傷罪で逮捕された事例
不同意性交等致傷罪の容疑で、京都府で初めて逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警宇治署は14日、不同意性交致傷の疑いで、京都府宇治市、飲食業の男(41)を逮捕した。
(7月15日 京都新聞 「知人女性に性的暴行、「不同意性交致傷」疑い男逮捕 京都府内で法改正後初」より引用)
逮捕容疑は(中略)、京都府内に住む20代女性の自宅で両腕をつかむなどして性的暴行を加え、けがを負わせた疑い。容疑を認めているという。
(後略)
不同意性交等罪
第176条1項(不同意わいせつ罪)※一部条文を省略しています。
1号 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
2号 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
3号 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
5号 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
6号 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
7号 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
8号 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
刑法第177条(不同意性交等罪)
1項 前条第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第179条第2項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、5年以上の有期拘禁刑に処する。
2項 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。
3項 16歳未満の者に対し、性交等をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第1項と同様とする。
不同意性交等罪という罪名に聞き覚えの無い方も多いのではないでしょうか。
7月13日の刑法改正により、強制性交等罪が不同意性交等罪に変更されました。
名称が変わったことに加え、犯罪の構成要件や処罰範囲が変更になっています
主な変更点は、
・陰茎以外の挿入(口以外)でも適用されること
・相手が13歳以上であっても16歳未満の場合は、5歳以上の年の差がなければ、同意があったとしても罪に問われること
・暴行や脅迫、アルコール等による心神喪失以外にも、社会的地位を利用して拒絶することを困難にする行為や拒絶する時間を与えない行為なども不同意性交等罪の構成要件にあたること
・婚姻関係の有無は関係ないこと
・誤信や人違いを利用する行為も対象となること
です。*詳しくは、こちらをご覧ください。
今回の事例では、容疑者が女性の両腕をつかむなどして性的暴行を加えたとされています。
両腕をつかむ行為は暴行にあたります。
刑法176条1項1号、177条1項にあるように、暴行により性行為等を同意しない意思表示をすることを困難な状態にさせて、性行為等を行うと不同意性交等罪が成立します。
女性が男性に両腕をつかまれた状態では、相手の行為を拒むことは、一般的には難しいでしょうから、容疑者がどういった性的暴行を行ったのかは報道からではわかりませんが、実際に容疑者が性交等にあたる行為をしたのであれば、不同意性交等罪が成立する可能性が高いです。
不同意性交等致傷罪
不同意性交等致傷罪は簡単に説明すると、不同意性交等罪に当たる行為をした際に、相手にけがを負わせると成立します。
不同意性交等致傷罪の法定刑は、無期又は6年以上の懲役(刑法第181条2項)ですので、不同意性交等罪の5年以上の有期拘禁刑に比べて重く規定されていることがわかります。
今回の事例では、容疑者が性的暴行を加えて、けがをさせたと報道されていますので、容疑者の行為が不同意性交等罪の構成要件に該当し、その行為の伴って被害者が負傷したのであれば、不同意性交等致傷罪が成立してしまう可能性が高いです。
不同意性交等罪と示談
不同意性交等罪や不同意性交等致傷罪は、改正前の強制性交等罪、強制性交等致傷罪に比べて、適用される行為が幅広くなりました。
ですので、今までは罪に問われなかった行為であっても、不同意性交等罪や不同意性交等致傷罪が成立してしまう可能性があります。
不同意性交等罪や不同意性交等致傷罪は、被害者と示談を締結することで不起訴処分を得られる可能性があります。
原則、示談は被害者本人と締結するため、被害者とやり取りを行う必要があります。
今回の事例では、被害者宅で行為に及んでいることから、おそらく被害者と容疑者は知り合いなのでしょう。
知り合いだからといって、加害者が被害者に直接連絡を取ってしまうと、証拠隠滅を疑われる可能性があります。
また、恐怖心などから加害者本人と話をしたくないと思う被害者もいますので、加害者が被害者に直接連絡をしたとしても、示談交渉を行えない場合があります。
弁護士が間に入って連絡を取ることで、そのような事態を避けれる場合がありますので、示談を考えている方は、一度、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、数々の性犯罪による事件を解決に導いてきました。
不同意性交等罪や不同意性交等致傷罪、その他性犯罪による刑事事件でお困りの方は、土日祝日対応可能な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】観光地で盗撮しようとして逮捕された事例
京都市にある観光地でスカートの下にカメラを差し入れたとして、京都府迷惑行為等防止条例違反の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
清水寺に観光に来ていた米国人女性のスカートの中を盗撮しようとしたとして、京都府警東山署は18日、府迷惑行為等防止条例違反(卑わいな行為の禁止)の疑いで、(中略)逮捕した。容疑を認めているという。
(5月18日 産経新聞 「京都・清水寺でインバウンド女性を盗撮、容疑で大阪の53歳男逮捕」より引用)
逮捕容疑は(中略)京都市東山区の清水寺の本堂で、サンダルに隠したカメラを観光中だった米国人女性(30)のスカートの下に差し入れ、盗撮しようとしたとしている。
(中略)容疑者の動きを不審に思った女性がカメラに気付き、容疑者を追跡。別の観光客の男性(35)が逃げる容疑者を追いかけ、取り押さえたという。
盗撮と京都府迷惑行為等防止条例
盗撮は各都道府県の迷惑行為防止条例で規定されており、京都府内で盗撮を行った場合は、京都府迷惑行為等防止条例の規定が適用されることになります。
京都府迷惑行為等防止条例では、不特定多数の人が出入りできる場所で下着等を盗撮することや盗撮目的で下着等にカメラを向けることを禁止しています。(京都府迷惑行為等防止条例第3条2項1号、2号)
今回の事例では、容疑者が被害者のスカートの下にサンダルに隠したカメラを指し入れ盗撮しようとしていたとして、逮捕されています。
京都府迷惑行為防止条例では、盗撮はもちろんのこと、盗撮目的でカメラを向ける行為も禁止しています。
実際に容疑者が盗撮目的で、スカートの下にカメラを差し入れていたのであれば、京都府迷惑行為等防止条例違反が成立する可能性があります。
盗撮目的でカメラを向け、京都府迷惑行為等防止条例違反で有罪になった場合は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。(京都府迷惑行為等防止条例第10条1項)
また、常習して行っていた場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます。(京都府迷惑行為等防止条例第19条3項)
現行犯人と私人逮捕
今回の事例では、逃走する容疑者を観光客の男性が取り押さえたとされています。
警察官以外の者が犯人を取り押さえることは、法律上問題はないのでしょうか。
通常逮捕の場合は、裁判官が発する逮捕状により逮捕が行われます。(刑事訴訟法第119条1項)
しかし、現行犯人の場合は、逮捕状なしに、何人でも逮捕することができます。(刑事訴訟法第213条)
現行犯人とは、今まさに罪を犯している人や罪を犯した直後の人を指します。(刑事訴訟法第212条1項)
また、犯罪が行われて間がない場合に、犯人であると追呼されている場合や、犯罪に使われている物を持っている場合なども現行犯人として扱われます。(刑事訴訟法第212条2項)
今回の事例では、容疑者の行動を不審に思った女性がカメラに気付いて容疑者を追跡し、その後、男性が容疑者を取り押さえたとされています。
追跡している女性とは別の男性が容疑者を取り押さえていることから、おそらく女性が追跡中に犯人であると周囲の人に伝えていたのでしょう。
犯人として追呼されている者が、犯行後間がないと明らかに認められる場合には、現行犯人として扱われますので、今回の事例の容疑者は現行犯人にあたる可能性が高いといえます。
現行犯人であれば、何人でも逮捕できますので、今回の事例で警察官ではない人が犯人を取り押さえることは法律上問題がないといえそうです。
警察官以外の人が逮捕した場合であっても、逮捕後に現行犯人を捜査機関に引き渡す必要がある以外の流れは通常の逮捕と変わりません。
ですので、逮捕されれば72時間以内に勾留の判断が行われることになります。
早期釈放を目指すためには、この72時間の間の活動がとても重要になります。
弁護士は、勾留の判断が行われる前に、検察官や裁判官に対して意見書を提出することができます。
意見書を提出することで、家族が監視監督を誓約していること、釈放してもらわなければならない事情があること、逃亡や証拠隠滅はさせないことなどを検察官や裁判官に訴えます。
意見書の提出により、勾留の必要性がないと判断してもらうことで、早期釈放を実現できるかもしれません。
繰り返しになりますが、この意見書は勾留の判断が行われる、逮捕後72時間以内に提出する必要があります。
ですので、早期釈放を目指している方は、できる限り早く弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に精通した法律事務所です。
早期釈放を目指している方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービス、無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881で受け付けております。
【事例紹介】強制わいせつ罪と否認事件②
強制わいせつ罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警伏見署は11日、強制わいせつと監禁の疑いで、京都市伏見区の美容室経営の男(37)を逮捕した。
(5月11日 京都新聞 「美容室来店の19歳女子学生を監禁、強制わいせつ疑い 経営者の男逮捕」より引用)
逮捕容疑は、(中略)市伏見区の美容室で、来店した(中略)女性(19)を店の入り口の鍵を施錠して監禁。マッサージ用の施術台に横になった女性の片手を押さえて覆いかぶさり、胸や下半身を触るなどした疑い。男は「覚えていないし、やっていない」と容疑を否認しているという。
否認事件と勾留
前回のコラムでは、逃亡や証拠隠滅をすると疑うに足りる相当な理由がある場合に、勾留される場合があると解説しました。
では、今回の事例のように、身に覚えのない罪の容疑をかけられた場合にも勾留はされるのでしょうか。
結論から言うと、冤罪であっても勾留される場合があります。
容疑を否認している事件の場合、被害者と接触するなどの証拠隠滅すると疑うに足りる相当な理由があると判断されやすくなる可能性があります。
また、容疑を認めている事件に比べて、裏付け捜査に要する時間が長くなる場合も多く、否認事件では、容疑を認めている事件と比較して、勾留期間が長引く可能性があります。
否認事件の場合は、勾留満期まで勾留される場合も少なくなく、起訴後も保釈が認められない可能性があります。
弁護士は勾留の判断前に、検察官、裁判官それぞれに、意見書を提出することができます。
意見書では、家族がしっかりと監視監督を行うことで、逃亡や証拠隠滅のおそれをなくすことや、解雇のおそれや持病が悪化する可能性など勾留されることで生じる不利益を訴えます。
検察官や裁判官に逃亡や証拠隠滅のおそれがなく、勾留されることでかなりの不利益があると判断してもらうことで、早期釈放を目指せるかもしれません。
勾留が決定してしまった後でも、準抗告申立書を裁判所に提出することができます。
弁護士が準抗告を行い釈放の必要性を訴えることで、勾留満期を待たずに釈放される可能性があります。
勾留されている間は連日にわたって取調べを受けることになります。
否認事件の場合、家族であっても面会を禁止されることもあり、そのような状態で連日にわたる取調べを受けるとなると、かなりのストレスになることが予想されます。
弁護士は家族が面会できるように、裁判所に対して接見等禁止一部解除の申請を行うことができますし、唯一捜査関係者以外の人と話をできる弁護士の存在は心の拠り所になるかもしれません。
また、否認事件では、一度容疑を認めた供述調書が作られてしまうと、後から覆すことは難しくなります。
加えて、供述調書は裁判で証拠として扱われますので、裁判でかなり不利になってしまうおそれがあります。
否認を貫くにはかなりの忍耐力が必要になります。
弁護士に相談をすることでストレスが軽減される可能性がありますし、気持ちに余裕を持たせて取調べに挑めるように弁護士と取調べ対策を行うことも有用になるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
ご家族が逮捕された方、見に覚えのない事件の容疑をかけられている方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービス、無料法律相談のお問い合わせは、0120ー631ー881までご連絡ください。
【事例紹介】強制わいせつ罪と否認事件①
強制わいせつ罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警伏見署は11日、強制わいせつと監禁の疑いで、京都市伏見区の美容室経営の男(37)を逮捕した。
(5月11日 京都新聞 「美容室来店の19歳女子学生を監禁、強制わいせつ疑い 経営者の男逮捕」より引用)
逮捕容疑は、(中略)市伏見区の美容室で、来店した(中略)女性(19)を店の入り口の鍵を施錠して監禁。マッサージ用の施術台に横になった女性の片手を押さえて覆いかぶさり、胸や下半身を触るなどした疑い。男は「覚えていないし、やっていない」と容疑を否認しているという。
強制わいせつ罪
強制わいせつ罪は、抵抗することが難しいような暴行や脅迫を与えてわいせつ行為を行うと成立します。
強制わいせつ罪は、刑法第176条で「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。」と規定されています。
今回の事例では、容疑者が被害者の片手を押さえて覆いかぶさりわいせつ行為を行ったとされています。
暴行というと殴る、蹴るなどを思い浮かべがちですが、腕をつかむなども暴行にあたります。
ですので、今回報道されているような、片手を抑える、覆いかぶさる行為は暴行になります。
女性と男性では力の差がありますし、男性に上から抑え込まれ覆いかぶされれば、その場から逃げ出すことは難しいでしょう。
実際に、容疑者が被害者に覆いかぶさりわいせつ行為をしたのであれば、強制わいせつ罪が成立する可能性があります。
刑事事件と勾留
刑事事件では、逮捕されると72時間以内に勾留か釈放の判断が行われます。
勾留が決定してしまった場合は、延長も含めると最長で20日間勾留されることになり、再逮捕などがあると更に勾留期間が長引くことになります。
刑事訴訟法第60条1項では、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、以下に該当する場合は、勾留することができると定めています。
・被告人が定まった住居を有しないとき。
・被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
・被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
つまり、逃亡や証拠隠滅をすると疑うに足りる相当な理由があると判断された場合には、裁判所は勾留をつける判断を行うことになります。
逆にいえば、逃亡や証拠隠滅をすると疑うに足りる相当な理由がないと認められる場合には、勾留されることはありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に精通した法律事務所です。
強制わいせつ罪は罰金刑の規定がなく、刑法の中でも科される刑罰が比較的重い犯罪です。
刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、不起訴処分の獲得など、より良い結果を得られる可能性があります。
強制わいせつ罪など性犯罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
次回のコラムでは、今回の事例のように、見に覚えのない容疑をかけられた場合にも勾留されるのかについて、解説していきます。
【解決事例】美人局? 未成年との性行為で不起訴に②
事例
Aさんはチャットアプリで知り合った未成年のVさんと未成年であると知りながら性行為をしました。
その後Vさんの知り合いから電話があり、「お金で解決しろ」、「警察行くぞ」などと恐喝されました。
Aさんは京都府綾部警察署の警察官に相談をし、恐喝罪の被害届を出しました。
未成年と性行為をしていることから、Aさんは京都府の青少年の健全な育成に関する条例違反(淫行条例違反)で捜査されることになりました。
Aさんは国家試験を控えており、なんとしても刑罰を科されることを避けたいと思い、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の無料法律相談を利用しました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
不起訴処分と弁護活動
示談を締結することで、科される刑罰が軽くなると聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に刑事事件では、示談を締結することで、不起訴処分の獲得や科される刑罰が軽くなる可能性があります。
示談を締結するためには、示談交渉を行う必要があります。
今回の事例のように、青少年の健全な育成に関する条例違反(淫行条例違反)の場合には被害者が未成年であることから、示談交渉は被害者の保護者と行うことになります。
保護者の方と示談交渉を行う場合は、我が子を思う気持ちから処罰感情が苛烈になりやすく、示談の締結が難航する可能性が高いです。
加えて、連絡先を教えてもらえないことも多々あり、示談交渉すら行えない可能性があります。
しかし、弁護士を代理人とすることで、連絡先を教えてもらえることもあり、円滑に示談を締結できる場合があります。
また、弁護士が間に入ることで示談の際のトラブルを避けられる可能性があります。
示談交渉の他にも、弁護士は検察官に対して処分交渉を行うことができます。
処分交渉では、弁護士があなたの有利になる事情を検察官に伝え、不起訴処分や少しでも刑罰を軽くしてもらえるように求めます。
加えて、刑事事件では嫌疑をかけられた際に、取調べが行われます。
青少年の健全な育成に関する条例違反(淫行条例違反)の嫌疑がかけられている場合の取調べでは、性行為をするに至った経緯や相手が未成年であることを知っていたか否かを聞かれるでしょう。
実は、未成年と知らずに性行為を行い、なおかつ、知らないことに過失がなかった場合には、青少年の健全な育成に関する条例違反(淫行条例違反)は成立しません。(青少年の健全な育成に関する条例第31条7項)
未成年であると知っていたかどうかや、知らなかったことに過失がなかったかどうかは、チャットアプリなどのやり取りの履歴や、あなたの供述内容などから総合的に判断されます。
また、今回の事例では、被害者による美人局が疑われます。
相手方が美人局を行っていた場合、検察官があなたの処分を判断するうえで有利に考慮される場合があります。
有利に考慮してもらうためにも、淫行に至ってしまった経緯や、やり取りについて、しっかりと供述を行い、美人局が疑われることを検察官に認めてもらう必要があります。
しかし、初めての取調べでは緊張し、自分の主張を伝えることは難しいかもしれません。
ですので、取調べを受ける際には、事前にしっかりと取調べ対策を行い、供述すべき内容をまとめておくことが重要になってきます。
それに、取調べでは、供述調書が作成されるのですが、供述調書は処分や量刑を判断するうえで重要なものになります。
ですので、あなたの意に反している供述調書が作成されてしまうと、あなたの不利に働いてしまう危険性があります。
そういった事態を防ぐためにも、事前に弁護士と取調べ対策を行い、気持ちに余裕を持って取調べに臨むことが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に精通した弁護士事務所です。
初めて刑事事件の嫌疑をかけられた場合には、不安でいっぱいでしょう。
刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、少しでも不安が解消されるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
不起訴処分の獲得を目指している方、青少年の健全な育成に関する条例違反(淫行条例違反)でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【解決事例】美人局? 未成年との性行為で不起訴に①
事例
Aさんはチャットアプリで知り合った未成年のVさんと未成年であると知りながら性行為をしました。
その後Vさんの知り合いから電話があり、「お金で解決しろ」、「警察行くぞ」などと恐喝されました。
Aさんは京都府綾部警察署の警察官に相談をし、恐喝罪の被害届を出しました。
未成年と性行為をしていることから、Aさんは京都府の青少年の健全な育成に関する条例違反(淫行条例違反)で捜査されることになりました。
Aさんは国家試験を控えており、なんとしても刑罰を科されることを避けたいと思い、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の無料法律相談を利用しました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
事件解決のながれ
AさんはVさんとの示談の締結を希望していたため、弁護士はVさんとの示談交渉に取り掛かりました。
何度か示談交渉を重ね、Aさんは無事、Vさんと宥恕条項付きの示談を締結することができました。
また、Aさんは国家資格を取得予定であり、刑罰を科されることを避けたい状況でした。
ですので、弁護士は検察官に対して、Aさんが宥恕条項付きの示談を締結していること、Aさんが深く反省していること、刑罰を科されてしまうと国家資格が取得できない可能性がありAさんにとって過度な不利益になってしまうことなどを主張し、不起訴処分を求めました。
その結果、Aさんは無事に不起訴処分を獲得することができ、国家資格を取得するうえで不利益になることはなくなりました。
国家資格と刑事事件
京都府の青少年の健全な育成に関する条例(淫行条例)では、未成年に淫行を行った場合の法定刑として、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金と定めています。(青少年の健全な育成に関する条例第31条1項1号)
ですので、今回の事例では有罪になってしまった場合に、懲役刑や罰金刑が科されることになります。
国家資格では欠格事由が存在し、欠格事由に該当する場合は、国家資格を取得できなかったり、はく奪される可能性があります。
実際に、今回の事例のAさんが取得予定の国家資格は、罰金刑以上の罪が科されてしまうと欠格事由に該当し、国家資格を取得できない可能性がありました。
このように、国家資格ごとに欠格事由は異なるものの、刑罰を科されてしまうと国家資格をはく奪される場合や取得できない場合があります。
ですので、国家資格を取得する予定がある方や、国家資格を取得している方で刑事事件の嫌疑をかけられた場合には、不起訴処分獲得に向けた弁護活動が重要になってきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
性犯罪の豊富な弁護経験を持つ弁護士に相談をすることで、今回の事例のように、不起訴処分を得られる可能性があります。
国家資格を取得する予定である方、すでに国家資格を取得している方で刑事事件でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
次回のコラムでは、京都府の青少年の健全な育成に関する条例(淫行条例)の嫌疑をかけられた際の弁護活動についてご紹介します。
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