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飲酒運転中の人身事故だからこそ成立し得る犯罪とは?

2022-01-27

飲酒運転中の人身事故だからこそ成立し得る犯罪とは?

飲酒運転中の人身事故だからこそ成立する可能性のある犯罪とはどういった犯罪なのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市右京区に住むAさんは、昨年成人となった20歳です。
Aさんは、京都市右京区内で行われた成人式に参加し、同級生たちと顔を合わせた後、近くの飲食店で成人式後の同窓会を行いました。
その場でAさんは成人を祝って飲酒していたのですが、その後帰路につくために、乗って来た自動車にそのまま乗り込むと、飲酒運転をしました。
しかし、道中でAさんが通行人Vさんと接触する人身事故を起こしてしまったことから、京都府右京警察署の警察官が駆け付けました。
そこでAさんは、人身事故を起こしたことによる過失運転致傷罪と、飲酒運転をしたことによる道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、成人式後になかなか帰宅しないAさんを心配して京都府右京警察署に問い合わせたところ、どうやらAさんが逮捕されているらしいことを知りました。
驚いた家族は、ひとまず状況を把握したいと、Aさんのもとへ接見に行ってくれる弁護士を探し始めました。
(※令和4年1月11日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)

・飲酒運転中の人身事故だから成立し得る犯罪

前回の記事では、飲酒運転をして人身事故を起こした多くの場合で、飲酒運転による道路交通法違反と、人身事故を起こしたことによる過失運転致傷罪が成立するということを取り上げ、飲酒運転による道路交通法違反と、人身事故を起こしたことによる過失運転致傷罪、それぞれの犯罪について着目しました。
しかし、飲酒運転中に人身事故を起こしてしまったというケースでは、その飲酒の程度や酔いの程度などの事情によっては、上記2つの犯罪ではない犯罪が成立する可能性があります。
まずは以下の条文を見てみましょう。

自動車運転処罰法第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
第1号 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

自動車運転処罰法第3条第1項
アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。

これらは、いわゆる危険運転致死傷罪準危険運転致死傷罪と呼ばれる犯罪です。
前回の記事で取り上げた過失運転致死傷罪があくまで「過失」(不注意)による人身事故に成立する犯罪であったのに対し、危険運転致死傷罪は、危険運転行為という故意の行為によって人身事故を起こしたという犯罪です。
この中で、「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」が危険運転行為とされており、それによって人身事故を起こした場合には、危険運転致死傷罪となることが定められています。
「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態」とは、道路及び交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態のことを指すとされています。
例えば、泥酔して飲酒運転している状況で、前方をきちんと見ることができない、ブレーキやアクセルを思った通りに操作できないといった状態であれば、「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態」と判断されやすいでしょう。
ですから、例えば今回のAさんがひどい泥酔状態で飲酒運転をしていたということが判明すれば、危険運転致傷罪として捜査される可能性もあるということになります。

さらに、飲酒運転人身事故を起こした後、飲酒運転を隠すために人身事故後に逃亡したり、水などを飲んでアルコール濃度をごまかそうとしたりした場合には、過失運転致傷アルコール等発覚免脱罪という犯罪が成立するということも注意が必要な点です。

自動車運転処罰法第4条
アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処する。

例えば、今回のAさんが、人身事故を起こした後、飲酒運転が発覚することを恐れてその場から離れたり、大量に水を飲んだりしていた場合には、この過失運転致傷アルコール等発覚免脱罪という犯罪が成立する可能性もあるのです。

このように、「飲酒運転をして人身事故を起こした」という概要だけでは、どういった犯罪が成立し得るのかということすらすぐにわかるものではありません。
単なる不注意で起こしてしまった人身事故とは異なり、飲酒運転中の人身事故であるという状況だからこそ、逮捕された人がどれほど飲酒し酔っていたのか、人身事故の原因はどういったものなのか、人身事故後にどういった対応をしたのかなど、実際の事件の細かな事情によって、成立し得る犯罪が左右されるのです。

事件全体の事情から詳細な事情までを把握し法律の専門的知識と合わせなければ成立する犯罪を検討することはできないからこそ、単に「飲酒運転で事故を起こして逮捕された」という状況であっても、早期に弁護士に相談し、詳細を把握した上で今後の見通しや手続きを聞いておくことが望ましいのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、飲酒運転による人身事故などの交通事件の刑事手続きについても、ご相談やご依頼を承っています。
まずはお気軽にご相談ください。

飲酒運転と人身事故…それぞれ成立する犯罪は?

2022-01-16

飲酒運転と人身事故…それぞれ成立する犯罪は?

飲酒運転人身事故でそれぞれ成立する犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市右京区に住むAさんは、昨年成人となった20歳です。
Aさんは、京都市右京区内で行われた成人式に参加し、同級生たちと顔を合わせた後、近くの飲食店で成人式後の同窓会を行いました。
その場でAさんは成人を祝って飲酒していたのですが、その後帰路につくために、乗って来た自動車にそのまま乗り込むと、飲酒運転をしました。
しかし、道中でAさんが通行人Vさんと接触する人身事故を起こしてしまったことから、京都府右京警察署の警察官が駆け付けました。
そこでAさんは、人身事故を起こしたことによる過失運転致傷罪と、飲酒運転をしたことによる道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、成人式後になかなか帰宅しないAさんを心配して京都府右京警察署に問い合わせたところ、どうやらAさんが逮捕されているらしいことを知りました。
驚いた家族は、ひとまず状況を把握したいと、Aさんのもとへ接見に行ってくれる弁護士を探し始めました。
(※令和4年1月11日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)

・飲酒運転をして人身事故を起こしたら

今回の事例のAさんは、飲酒運転をして人身事故を起こしています。
今回の事例のAさんのように、飲酒運転をして人身事故を起こした場合には、道路交通法違反と過失運転致傷罪という2つの犯罪が成立することが多いです。

それぞれの犯罪について確認してみましょう。

・飲酒運転で成立する犯罪

飲酒運転は、道路交通法に定められている犯罪行為で、酔いの程度によって「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」に分けられ、どちらとなるかによって刑罰の重さが異なります。

道路交通法第65条第1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

道路交通法第117条の2
次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第1号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの
(※注:いわゆる「酒酔い運転」)

道路交通法第117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
(※注:いわゆる「酒気帯び運転」)

いわゆる「酒気帯び運転」とは、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上の状態で運転する飲酒運転のことで、道路交通法第65条第1項、道路交通法第117条の2の2第3号に該当します。
対して、「酒酔い運転」は、千鳥足になっていたりろれつが回っていなかったりといった、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状況で運転する飲酒運転を指し、道路交通法第65条第1項、道路交通法第117条の2第1号に該当する飲酒運転です。

今回の事例のAさんは、飲酒運転の末人身事故を起こしていますから、当然飲酒運転の部分については道路交通法違反となるのです。
「酒気帯び運転」「酒酔い運転」のどちらになるのかは、Aさんがどれほど酒に酔っていたかという部分によって異なることになります。

・人身事故で成立する犯罪

そして、人身事故部分については、多くの場合、自動車運転処罰法で定められている過失運転致傷罪が成立することになります。

自動車運転処罰法第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

この過失運転致傷罪は、一般的な人身事故で多くの場合成立する犯罪です。
例えば、わき見運転や標識の見落としなどによって人身事故を起こし、相手に怪我をさせてしまったというケースでは、過失運転致傷罪に問われるということが多いです。

単に飲酒運転人身事故を起こしたという場合には、ここまで見てきた飲酒運転による道路交通法違反と、人身事故を起こした過失運転致傷罪という2つの犯罪が成立することが多いです。
しかし、飲酒運転の態様と人身事故後の態様によっては、今回取り上げた飲酒運転による道路交通法違反、人身事故を起こした過失運転致傷罪という犯罪ではない犯罪が成立する可能性もあります。
こちらについては、次回の記事で詳しく取り上げます。

どういった犯罪が成立するにせよ、人身事故を起こして突然逮捕されてしまったという状況では、逮捕されてしまった本人はもちろん、ご家族も状況や見通しを把握できないでしょう。
だからこそ、まずは専門家である弁護士を頼ってみることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕されてしまった方向けの初回接見サービスをご用意しています。
飲酒運転人身事故、またはそれら両方の容疑で逮捕されてしまったことでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

酒を勧めて飲酒運転の幇助に発展

2021-12-20

酒を勧めて飲酒運転の幇助に発展

酒を勧めて飲酒運転の幇助に発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市伏見区に住んでいるAさんは、友人のBさんを自宅に招いて一緒に食事をしていました。
Aさんは、Bさんが自動車を運転して来ていることや、帰りも自動車を運転して帰ることを知っていましたが、「Bさんの家はすぐそこだし、運転出来なくなるほど酔わせないのであれば、少しだけなら問題ないだろう」と考え、Bさんに酒を勧めて飲酒をさせていました。
BさんはAさんに出された酒を飲んだ後、自動車を運転して帰路につきましたが、その道中、京都府伏見警察署の行っていた飲酒運転の検問に引っかかりました。
Bさんの呼気から規定以上のアルコール数値が検出されたため、Bさんは飲酒運転をした容疑で京都府伏見警察署に任意同行されました。
その後、Bさんに酒を提供したAさんも、飲酒運転を幇助した容疑で京都府伏見警察署で話を聞かれることとなりました。
Aさんは、「自分は飲酒運転をしたわけでもないのに警察沙汰になるのか」と驚き、ひとまず取調べの前に、京都市の刑事事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・飲酒運転の幇助

皆さんのご存知のように、飲酒運転は道路交通法に違反する犯罪です。
道路交通法では、飲酒運転のうち、酒気帯び運転という飲酒運転が禁止されています(道路交通法65条1項)。

道路交通法第65条第1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

酒気帯び運転とは、呼気アルコール濃度が0.15mg以上の状態で運転をおこなうことをいいます。
そして、酒気帯び運転をする可能性のある者に対して、酒類を提供したり、飲酒を勧めることも禁止されています。

道路交通法第65条第3項
何人も、第1項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。

「幇助」とは、手助けするという意味であり、酒を勧めたり飲ませたりして飲酒運転を手助けした、飲酒運転をしやすくしたということで、この違反は飲酒運転の幇助と呼ばれています。
これに違反して、酒気帯び運転をする可能性のある者に対して、酒類の提供や飲酒を勧め、さらにその酒類の提供を受けたり、飲酒を勧められた人が酒気帯び運転をした場合、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される可能性があります。

道路交通法第117条の3の2
次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
第2号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第3項の規定に違反して酒類を提供した者(当該違反により当該酒類の提供を受けた者が身体に第117条の2の2第3号の政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等(軽車両を除く。)を運転した場合に限るものとし、同条第5号に該当する場合を除く。)

軽い気持ちで運転をする予定の人に酒を勧めたり飲ませたりしてしまったことで、飲酒運転の幇助という犯罪に問われるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士は、酒気帯び運転やその幇助でお困りの方、交通事件で逮捕されてしまった方のお力になります。
24時間体制で、初回無料相談や初回接見サービスのご予約を受け付けておりますので、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部まで、お電話ください。

危険運転致死事件の刑事裁判に向けて

2021-11-29

危険運転致死事件の刑事裁判に向けて

危険運転致死事件刑事裁判に向けた弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、深夜、京都府向日市の交差点で法定速度を大幅に超えるスピードで走行したうえ、赤信号をあえて無視し続けた結果、歩行者Vさんをはねて死亡させてしまいました。
事故を目撃した人が通報したことで、Aさんは京都府向日町警察署の警察官に危険運転致死罪の容疑で逮捕され、その後勾留されました。
Aさんの家族は、弁護士にAさんの接見に行ってもらい、その後の見通しを聞いたのですが、弁護士からは、起訴されて刑事裁判になるだろうということを伝えられました。
そのため、Aさんの家族は、刑事裁判に向けての弁護活動を弁護士に依頼することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・危険運転致死傷罪と刑事裁判

危険運転致死罪とは、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」、いわゆる「自動車運転処罰法」に定められている犯罪です。
最近では自動車の暴走やあおり運転での人身事故事件で報道番組や新聞、ネット記事といった皆さんが目にする場所にもこの危険運転致死罪という犯罪名があることも多いため、知っている方も多いかもしれません。

自動車運転処罰法の中では、赤信号を殊更無視したり、アルコールや薬物の影響で正常な運転が困難であるにもかかわらず運転したり等することを危険運転行為であるとしています。
その危険運転行為を行い、よって人を死亡させた場合、危険運転致死罪となり、1年以上の有期懲役に処せられるのです(人を負傷させた場合は、危険運転致傷罪となり、15年以下の懲役となります。)。

この危険運転致死傷罪ですが、人が死亡している犯罪であることもあり、比較的起訴される割合の多い犯罪です。
特に危険運転致死罪の場合、危険運転行為という故意の行為によって人を死なせていますから、悪質性が高いと考えられることも起因しているかもしれません。
上記の法定刑からも分かっていただけるように、危険運転致死傷罪には罰金刑の規定がありませんから、起訴される=刑事裁判になるということになるのです。

公判請求され、刑事裁判となれば、公開の法廷に立たなければなりません。
さらに、危険運転致死事件の場合、故意の行為=危険運転行為によって人を死亡させている事件であるため、裁判員裁判の対象事件でもあります。
そして、危険運転致死罪の法定刑には罰金刑の規定がありませんから、執行猶予がつかない有罪判決=すぐに刑務所に行かなければならないということになります。
こうしたことから、危険運転致死事件では、慎重な公判弁護活動が求められます。

ですが、起訴されてから弁護士に相談しても、裁判が間近に迫っていては十分な準備ができないおそれもあります。
先ほど触れたように、危険運転致死事件では高確率で起訴されている現状がありますから、危険運転致死罪の容疑で逮捕されてしまった、取り調べを受けている、という早い段階から弁護士に相談し、見通しとともにこれからとれる弁護活動を詳しく聞いてみることが望ましいでしょう。
そして早い段階から刑事裁判での公判弁護活動を見据えた準備に、弁護士と一緒に取り組んでいくことがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、危険運転致死事件などの交通事故事件の公判弁護活動にも取り組んでいます。
まずは0120-631-881からお問い合わせください。

飲酒運転を隠すことも犯罪?

2021-06-24

飲酒運転を隠すことも犯罪?

飲酒運転を隠すことも犯罪になるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市中京区の会社に勤めているAさんは、仕事の行き帰りに自動車を運転していました。
ある日、Aさんは仕事帰りにコンビニエンスストアで酒を購入し、車の中で飲酒しました。
Aさんは、「自宅はすぐ近くにあるのだからこのくらいの距離ならいいだろう」とそのまま飲酒運転をして自宅へ向かいました。
しかし、Aさんは自宅へ着く前に通行人のVさんと接触してVさんに怪我を負わせる人身事故を起こしてしまいました。
Aさんは、このままでは飲酒運転をして人身事故を起こしたということが発覚してしまうと思い、どうにかアルコールの数値を低くしたいと、警察等に通報する前にコンビニエンスストアへ行くと、そこで水を購入し、大量に水を飲みました。
その後、通報によって駆け付けた京都府中京警察署の警察官によって、Aさんは捜査を受けることになったのですが、その際、警察官から「飲酒運転を隠そうとしただろう。それも犯罪になる」と言われたAさんは、「飲酒運転を隠すことも犯罪になるのか」と驚き、刑事事件に強い弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・飲酒運転を隠すこと自体が犯罪に

今回の事例のAさんは、飲酒運転をした上に人身事故を起こし、そこで飲酒運転を隠すためにアルコールの数値を低くしようと水を大量に飲むなどしているようです。
飲酒運転をすることは犯罪となる(道路交通法違反)ことは多くの方がご存知の通りです。
しかし、Aさんは飲酒運転を隠そうとした行為も犯罪となると警察官から伝えられて驚いています。
飲酒運転を隠すこと自体も犯罪となるのでしょうか。

実は、人身事故を起こしてしまった際に成立する犯罪(過失運転致死傷罪、危険運転致死傷罪など)を定めている「自動車運転処罰法」(正式名称「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」)では、過失運転致傷アルコール等影響発覚免脱罪という名前の犯罪を定めています。
なかなか耳にすることのない犯罪名かもしれませんが、その条文は以下のようになっています。

自動車運転処罰法第4条(過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪)
アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処する。

簡単に説明すると、自動車の運転に影響が出る程度の飲酒運転をして人身事故を起こした場合に、飲酒運転の発覚を免れるためにさらに飲酒を重ねたり水を飲むなどしてアルコール数値を減らしたりするなどすることで成立するのが、この過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪です。
今回のAさんのように、飲酒運転をして人身事故を起こし、その後にアルコールの数値を減らすために大量の水を飲む行為は、まさにこの過失運転致傷アルコール等影響発覚免脱罪となります。

過失運転致傷アルコール等影響発覚免脱罪は、いわゆる「逃げ得」=飲酒運転をして人身事故を起こした場合、その場から逃げるなどして飲酒運転が発覚しないようにした方が、成立する犯罪によって受ける可能性のある刑罰の重さが軽くなってしまうというケースをなくすために作られた犯罪です。
飲酒運転の度合いによっては、人身事故によって問われる犯罪が危険運転致死傷罪という最長で20年の懲役が科せられる犯罪に問われることになりますが、逃げて飲酒運転の発覚を免れればひき逃げと過失運転致死傷罪が成立するにとどまり、その場合は最長で15年の懲役となることから、「(逃げて)飲酒運転の発覚を免れた方が得」とされてしまいます。
そういったことを防ぐために、人身事故後に飲酒運転の発覚を防ごうとすることも犯罪としたのが過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪なのです。

つまり、よく知られている飲酒運転自体だけでなく、その飲酒運転を隠す行為も、場合によっては重い罪となることがあるということなのです。

単なる飲酒運転の場合には被害者は存在しませんが、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱事件となると、人身事故に遭われた被害者が存在します。
ですから、弁護活動でも被害者対応などを含んだ迅速かつ丁寧な活動が求められます。
どういった犯罪の容疑がかけられていて、どのような弁護活動が必要なのかをきちんと把握して刑事手続きに臨むことが大切ですから、まずは弁護士の話を聞いてみることがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕された方向けの初回接見サービスから、在宅で捜査を受けている方向けの初回無料法律相談まで幅広く対応しています。
まずはお気軽にご相談ください。

京都府亀岡警察署に自首したい

2021-06-14

京都府亀岡警察署に自首したい

京都府亀岡警察署自首したいというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都府亀岡警察署は、京都府亀岡市で発生した人身事故について、過失運転致傷事件として捜査を行っていましたが、未だ犯人を特定するに至っていませんでした。
この人身事故を起こしてしまったAさんは、自首すべきかどうか1人でずっと悩んでいましたが、ついに意を決して京都府亀岡警察署自首することにしました。
そこでAさんは、自首の前にすべきことはあるのか、刑事事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・自首について

自首とは、犯罪を犯した者が、捜査機関に発覚する前に自ら進んで捜査機関に自己の犯罪事実を申告しその処分にゆだねる意思表示のことをいいます。
自首は刑法第42条第1項によって刑の減軽事由とされています。

刑法第42条第1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

ちなみに、刑法第42条第2項によって、親告罪については告訴権者に自己の犯罪事実を申告しその措置にゆだねた場合(首服といいます)も減軽事由とされています。

自首について定めた条文では、「捜査機関に発覚する前」に自首することが自首成立の要件とされています。
今回の事例のAさんは、自身が人身事故を起こした犯人であると警察に発覚する前に自分が人身事故を起こしたという事実=自己の犯罪事実を申告しようとしていますが、この場合も「捜査機関に発覚する前」として自首に当たると考えられます。
もちろん、そもそも犯罪事実がまったく捜査機関に発覚する前に発覚する前であっても自首が成立します。
他にも、捜査機関による質問や取調べの段階で捜査機関に発覚していない余罪を自供した場合なども自首に当たると考えられます。

ただし、被疑者となっている犯罪事実について自身の犯行を認めるような場合は「捜査機関に発覚する前」に当たらなかったり自発的申告でないとして自首が成立しません。
つまり、すでに警察などの捜査機関から犯人であると疑われていたり目星を付けられているような状態で自ら出頭したとしても、刑法の定める「自首」の成立とはならない場合があるということです。
自首の要件である自発性や「捜査機関に発覚する前」に当たるかどうかはかなり厳しく考えられていますので、自首するつもりで警察などに出頭した場合でも実は自首が成立しないといった事態も大いにあり得ます。

さらに、自首や首服は刑の減軽事由ですが、「その刑を減軽することが『できる』」とされている通り、あくまで任意的減軽事由にすぎないため、自首等を行ったからといって必ずしも減軽されるわけではありません。

このように、自首したところで必ずしも自首減軽が適用されるわけではなかったり、そもそも自首が成立しない場合もあるといったことから、これらをリスクと捉え自首することに消極的になる方が少なからずいらっしゃることかと思います。
しかし一方で、発覚を免れようと逃げることで、事件や犯人が発覚した場合には逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕されてしまうリスクが高まり、起訴されてしまった際には量刑にも悪影響を与えかねないという側面もあります。

ですが、自首の成否にかかわらず、自己の犯罪事実を申告したことは、事件の内容なども考慮しなければなりませんが、逃亡や証拠隠滅等のおそれがないとして逮捕を回避できる要因となりうるほか、たとえ自首減軽として適用されなくても被疑者に有利な情状として不起訴処分や執行猶予を得られる可能性を高めることが期待できます。

自首することには慎重にならないといけませんが、自首が成立するかどうかという点や自首した後に踏まれることが予想される刑事手続など、どのように対応したらよいのかといったアドバイスを事前に弁護士に相談して受けておくことが望ましいです。

犯罪を犯してしまった方以外でその不安があるにすぎないという場合も、刑事事件に強い弁護士に相談していただくことで疑問や不安を解消することができるかもしれません。
なるべく早めに対応しなければ捜査が進んで自首が成立しない段階になってしまったり、示談その他の解決に向けた手段をとることが現実的でなくなったりすることもあり得ますので、まずはお早めにご相談していただくことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回の法律相談を無料で行っていますので、自首についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

飲酒運転を隠そうと逃げたら犯罪?

2021-04-01

飲酒運転を隠そうと逃げたら犯罪?

飲酒運転を隠そうと逃げたら犯罪となるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都市中京区にある自宅で飲酒していましたが、いつも飲んでいる飲料水を切らしていたことを思い出しました。
そこでAさんは、「そんなに遠い距離ではないし大丈夫だろう」と思い、飲酒運転をして近所のスーパーへに向かいました。
するとその道中で、Aさんの運転する自動車は歩行者Vさんと接触する事故を起こしてしまい、Vさんに怪我をさせてしまいました。
このままでは飲酒運転に問われてしまうと焦ったAさんは、そのまま自動車で走り去り、スーパーで飲料水を購入して大量に飲料水を飲んでアルコールの数値が出ないようにするなど、飲酒運転の事実を隠そうとしました。
しかし、すぐにVさんからの通報を受けて捜査していた京都府中京警察署の警察官によりAさんが発見され、Aさんはひき逃げなどの容疑で逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは飲酒運転を隠そうとしたことも犯罪になると聞いて驚き、接見に訪れた弁護士に犯罪の内容を相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・飲酒運転を隠そうとすることは犯罪?

そもそもAさんが行った飲酒運転人身事故、事故を起こしたにもかかわらずその場から立ち去るというひき逃げといった行為は、それぞれが犯罪となることに疑問はないでしょう。
飲酒運転やひき逃げは道路交通法違反に、人身事故は過失運転致傷罪などに問われる行為です。
しかしこれだけではなく、上記事例のAさんは、飲酒運転をしていたことが発覚することを防ぐために事故現場から逃げてスーパーでで飲料水を購入して飲むといった行動をしています。
どうやら今回は、こういったAさんの飲酒運転を隠そうとした行為についても犯罪が成立するようです。
自動車運転処罰法の条文を確認してみましょう。

自動車運転処罰法4条(過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪)
アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処する。

この条文で定めている犯罪は、通称「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」という犯罪です。
大まかに説明すると、ある程度の飲酒運転で人身事故を起こしたにも関わらず、飲酒運転の発覚やその程度を分からなくするために、事故後にあえてアルコールを摂取したり、事故現場を離れてアルコール濃度を下げるための行為等をしたときに成立する犯罪がこの「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」ということになります。
この犯罪は、いわゆる「逃げ得」を防止するために規定された犯罪です。

飲酒運転をして人身事故を起こしてしまった場合、その飲酒運転の程度によっては、自動車運転処罰法内に規定されている危険運転致死傷罪にあたる可能性があります。
例えば、酩酊状態で飲酒運転をして人身事故を起こして危険運転致死傷罪が適用された場合、被害者が怪我をしていれば15年以下の懲役、被害者が死亡していれば1年以上の有期懲役(上限20年)となることになります(自動車運転処罰法第2条)。

しかし、その場を立ち去り酔いがさめたりアルコール濃度が下がったりするまで待ったり、水を飲む等してアルコール濃度を下げる行為をして、事故の際のアルコール濃度を検知できないようにしたり酩酊状態でないようにしたりすれば、危険運転致死傷罪の成立要件である「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ」たと確認できず、ひき逃げによる道路交通法違反と過失運転致死傷罪が成立するにとどまることになります。
事故後にアルコールを摂取した場合でも「得」になるのかと疑問に思われる方もいるかもしれませんが、検知されたアルコールが事故前に飲まれていたものなのか、事故後に飲まれたものなのか分からなくなってしまえば、飲酒運転をしていたかどうかの確認ができなくなってしまいます。
そうなると、ひき逃げと過失運転致死傷罪では最高でも15年の懲役となりますので、最高20年の懲役となる危険運転致死傷罪よりも軽くなってしまいます。
これが許されてしまえば、逃げて飲酒運転を隠した方が「得」である、「逃げ得」であるとされてきたのです。

そういった「逃げ得」を防止するため、今回取り上げた「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」が規定されたのです。
過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」が認められた場合、ひき逃げと合わせて最高18年の懲役が科される可能性があります。

今回のAさんは、飲酒運転の発覚を免れるために、事故現場から逃亡して飲料水を飲み、アルコール数値を分からないようにしようとしています。
ですから、Aさんは過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪とひき逃げに問われる可能性が考えられます。
ただし、もしもAさんが、実は飲酒運転発覚を避けるために逃げたり飲料水を飲んだりしていたわけではなかったような場合、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪については冤罪であることになります。
先ほど触れたように、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪はひき逃げと合わさると非常に重い刑罰が科せられる可能性があります。
冤罪である場合はもちろん、そうでない場合も、弁護士の助言を逐一受けながら、取調べに臨むことが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部には、飲酒運転に関連した刑事事件のご相談も数多く寄せられています。
刑事事件専門の弁護士が、それぞれの事件ごとの事情をお伺いし、丁寧に対応や見通しをお話いたします。
初回の法律相談は無料、初回接見サービスは最短即日対応です。
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「いけず石」で道路交通法違反に?

2021-02-25

「いけず石」で道路交通法違反に?

いけず石」で道路交通法違反に問われたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

〜事例〜

京都市北区に住んでいるAさんは、自宅周辺の道路を通行する自動車に自宅の周囲にある壁や自宅に傷をつけられたくないという思いから、いわゆる「いけず石」として大きな石を自宅周りに置いていました。
Aさんは、たびたび「ここは公道だから通行の邪魔になってしまう。石を撤去してほしい」と言われていたものの、それを無視していけず石を置き続けていました。
するとある日、京都府北警察署からAさんの元に「道路交通法違反の容疑で話を聞かせてほしい」という連絡が入りました。
Aさんは、運転する自動車で交通違反をした記憶もないのになぜ道路交通法違反の容疑をかけられているのか疑問に思い、弁護士に相談したところ、Aさんの置いた「いけず石」が問題になっている可能性があると言われました。
(※この事例はフィクションです。)

・「いけず石」とは

そもそも、「いけず石」とはどういったものなのでしょうか。
いけず石」とは、家屋の横や家屋に接する曲がり角に置かれている石のことです。
いけず石は、家屋に接する道路を通行する自動車が家屋を傷つけないように=自動車が家屋に近づかないようにするために置かれる石であるとされています。
京都の道路は細く曲がりづらい道が多いことから、自動車と家屋の接触も多く、そのためいけず石が置かれることが多くなったと言われています。
いけず石は京都独特の文化と言えるでしょう。

・「いけず石」で刑事事件になる?

では、今回のAさんの事例を考えてみましょう。
どうやらAさんはこのいけず石の件で道路交通法違反を疑われているということのようです。
いけず石を私道や自分の所有する土地の敷地内に設置することは問題ありません。
しかし、今回のAさんは公道にいけず石を設置してしまっているようです。
公道では、道路交通法による規制が適用されます。
ここで道路交通法の条文を確認してみましょう。

道路交通法第76条第3項
何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。

このように、道路交通法では、公道に交通の妨害になるように物を置くことを禁止しています。
Aさんは公道にいけず石を置いていたことから、そのいけず石の設置方法によってはこの道路交通法の条文に違反することになるのです。
なお、この条文に違反すると、以下の刑罰を受ける可能性が出てきます。

道路交通法第119条第1項
次の各号のいずれかに該当する者は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する。
第12号の4 第76条(禁止行為)第3項又は第77条(道路の使用の許可)第1項の規定に違反した者

なお、いけず石の設置方法が道路を通れないほどに道路を塞いでいる方法であれば、道路交通法違反ではなく、刑法の往来妨害罪という犯罪になる場合もあります。

刑法第124条第1項(往来妨害罪)
陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせた者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

そもそもいけず石は家屋に自動車が接触することを避けるために置かれるものと言われていますから、往来妨害罪に当たるほど道路を塞ぐことは考えづらいですが、やりすぎてしまえばこれほど重い犯罪になりうるということは注意しておくべきでしょう。

道路交通法違反と言われると、自動車の運転による交通違反というイメージが強いかもしれませんが、今回のAさんのように、運転に関わらずとも道路に関わる事柄であれば道路交通法違反の当事者になってしまいます。
想像しづらい内容で刑事事件の当事者になるということは、刑事手続きや見通しに対しての不安も強くなりやすいということです。
刑事事件の専門家である弁護士に相談することで、その不安を軽減できることが期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、弁護士による初回無料法律相談を実施しています。
いけず石による道路交通法違反事件など、交通事件にも対応していますので、まずはお気軽にご相談ください。

自転車のひき逃げで逮捕されたら②

2021-02-15

自転車のひき逃げで逮捕されたら②

自転車ひき逃げ逮捕されてしまったケースで、特にひき逃げによる道路交通法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

〜事例〜

京都府亀岡市に住んでいるAさんは、移動の際、スポーツタイプの電動アシスト付き自転車を利用していました。
ある日Aさんがその自転車に乗って移動している際、Aさんがよそ見運転をしていたことをきっかけに、通行人Vさんに衝突してしまいました。
Aさんは、「自転車に当たったくらい大丈夫だろう」と思い、「すみません」とだけ言ってその場を去りました。
しかし、Vさんは衝突によって骨折などの大怪我を負っており、後日、京都府亀岡警察署の捜査によってAさんは重過失傷害罪ひき逃げによる道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、自転車でもひき逃げになることに驚き、接見に訪れた弁護士に今後の対応や見通しについて相談することにしました。
(※令和3年1月25日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・自転車のひき逃げ事件〜道路交通法違反

前回の記事でも簡単に触れましたが、自動車の場合でも自転車の場合でも、ひき逃げ事件は「ひき逃げ」という罪名の犯罪が成立するわけではなく、人身事故を起こしたこと自体に犯罪が成立し(自動車の場合は過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪が、自転車の場合は過失の程度により過失傷害罪・過失致死罪や重過失傷害罪・重過失致死罪が成立します。)、さらにその場から適切な行為をせずに逃げた行為について道路交通法違反が成立するという構図になります。
今回の記事では、適切な行為をせずに逃げた行為、いわゆるひき逃げ行為によって成立する道路交通法違反について確認していきます。

道路交通法では、事故を起こしてしまった場合の対応について、いくつかの義務を定めています。

道路交通法第72条第1項
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。
この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

この条文の中に定められている義務は、一般に「救護義務」(負傷者の救護)、「危険防止措置義務」(道路上の危険を防止する)、「報告義務」(警察官等への通報・報告)と呼ばれています。
ひき逃げは「逃げる」という言葉が入っているものの、正確にはこれらの義務を果たさないことを指します。
ですから、ひき逃げをした際に「救護義務違反」や「報告義務違反」と言ったことを言われる場合がありますが、これはこの道路交通法の義務に違反しているということなのです。

この道路交通法の条文を見ると、「車両等の運転者その他の乗務員」が対象となっています。
過失運転致死傷罪などを定める自動車運転処罰法では、対象の乗り物が「自動車」となっていたのに対し、道路交通法のこの条文では「車両等」となっています。
この「車両等」は道路交通法でどのように定義づけられているのでしょうか。

道路交通法第2条第1項
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
第8号 車両 自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。
第11号 軽車両 次に掲げるものであつて、身体障害者用の車椅子及び歩行補助車等以外のものをいう。
イ 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽けん引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)

つまり、道路交通法のひき逃げに関する条文の対象となる「車両等」には「軽車両」が含まれており、その「軽車両」の中に「自転車」が含まれていることから、先程挙げた道路交通法のひき逃げの条文は、自転車にも当てはまるということになるのです。

ひき逃げはあくまで自動車事故の問題だと思われがちですが、自転車でも人身事故を起こした場合、道路交通法上の義務が発生します。
昨今ではスポーツタイプなどのスピードの出る自転車も多く流通していますから、自転車による人身事故を気をつけることはもちろん、もしも事故を起こしてしまったら道路交通法上の義務を果たすよう気をつけましょう。
それでもパニックになってしまうなどしてひき逃げ行為をしてしまった場合、早めに弁護士に相談し、迅速に対応してもらいましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕されてしまった方にも在宅捜査を受けている方にも、まだ捜査はされていないがこれから刑事事件化が心配だという方にもお気軽にご相談いただけるサービスをご用意しています。
まずはお気軽にご相談ください。

自転車のひき逃げで逮捕されたら①

2021-02-11

自転車のひき逃げで逮捕されたら①

自転車ひき逃げ逮捕されてしまったケースで、特に自転車による人身事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

〜事例〜

京都府亀岡市に住んでいるAさんは、移動の際、スポーツタイプの電動アシスト付き自転車を利用していました。
ある日Aさんがその自転車に乗って移動している際、Aさんがよそ見運転をしていたことをきっかけに、通行人Vさんに衝突してしまいました。
Aさんは、「自転車に当たったくらい大丈夫だろう」と思い、「すみません」とだけ言ってその場を去りました。
しかし、Vさんは衝突によって骨折などの大怪我を負っており、後日、京都府亀岡警察署の捜査によってAさんは重過失傷害罪ひき逃げによる道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、自転車でもひき逃げになることに驚き、接見に訪れた弁護士に今後の対応や見通しについて相談することにしました。
(※令和3年1月25日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・自転車のひき逃げ事件〜重過失傷害罪

自動車によるひき逃げ事件は、たびたび報道などで目にすることも多いでしょう。
ですから、「ひき逃げと言えば自動車のことで自転車には関係ない」というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、自転車であってもひき逃げ事件になり、犯罪行為になることに注意が必要です。
とはいえ、自動車とひき逃げ事件と自転車のひき逃げ事件では成立する犯罪が異なる部分もあります。
まずはその異なる部分について確認してみましょう。

自動車のひき逃げ事件の場合、まずは人身事故を起こしたこと自体に過失運転致傷罪(場合によっては危険運転致傷罪)が成立します。

自動車運転処罰法第5条(過失運転致死傷罪)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

しかし、条文を見て分かる通り、過失運転致死傷罪は「自動車」を運転している際の事故について定めているのであり、ここに自転車は含まれていません。
では自転車のひき逃げ事件の場合どうなるのかというと、刑法の過失傷害罪や重過失傷害罪が適用されると考えられます(被害者が亡くなっている場合には過失致死罪や重過失致死罪になります。)。

刑法第209条(過失傷害罪)
第1項 過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。
第2項 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

刑法第210条(過失致死罪)
過失により人を死亡させた者は、50万円以下の罰金に処する。

刑法第211条(業務上過失致死傷罪、重過失致死傷罪)
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

過失とは、簡単にいえば故意ではなく不注意で、ということです。
例えば、今回のAさんのようなよそ見運転は、自転車を運転する上で注意を払って運転すべきところを注意を払わず運転してしまったということになりますから、Aさんの過失となるでしょう。
こうした過失によって人に怪我をさせてしまったり人を死なせてしまったりすれば過失傷害罪過失致死罪重過失傷害罪重過失致死罪となるため、自転車による人身事故の場合はこれらの犯罪が該当すると考えられているのです。

では、単なる「過失」=過失傷害罪と「重大な過失」=重過失傷害罪の違いは一体なんなのでしょうか。
重過失傷害罪にいう「重大な過失」とは、僅かでも注意を払えばその結果を簡単に予見・回避できたであろうことを指します。
つまり、過失よりも著しく大きな注意義務違反(注意すべきところでしなかったこと)がある場合に「重大な過失」があると判断されるのです。
とはいえ、「何をすれば/していなければ過失で、何をすれば/していなければ重過失」と具体的に決められているわけではありません。
あくまでその事件当時の状況や当事者の認識など、事件ごとの事情を総合的に考えなければ過失なのか重過失なのか=過失傷害罪なのか重過失傷害罪なのかの判断はできません。
今回のAさんは重過失傷害罪の容疑で逮捕されていることから、著しい注意義務違反があり、それによってVさんとの衝突事故を起こしたと考えられているのでしょう。

その自転車事故で成立するのが過失傷害罪なのか重過失傷害罪なのかということによって、刑罰の重さが大きく異なることはもちろん、親告罪(被害者等の告訴がなければ起訴できない犯罪)なのかどうかといったことも変わってきます。
正式裁判の可能性の有無など、罪名によっては弁護活動にも違いが出てきますから、専門家の弁護士に詳しい事情を聞いてもらった上で判断してもらい、サポートを受けることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、自転車ひき逃げ事件などによる重過失傷害事件にも対応しています。
まずはお気軽にご相談ください。

次回の記事ではひき逃げによる道路交通法違反部分について解説します。

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