Archive for the ‘交通事件’ Category

【事例紹介】京都市西京区の当て逃げ事件で書類送検

2022-09-24

京都市西京区当て逃げ事件書類送検された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

捜査中に公用車で当て逃げ事故を起こしたとして、京都府警が道交法違反(事故不申告)の疑いで、下京署の40代男性警部補を書類送検していたことが15日、府警への取材で分かった。
(中略)
書類送検容疑は、6月下旬の午後5時ごろ、京都市西京区のコンビニ駐車場で、捜査車両を一人で運転してバックした際、駐車中の乗用車に接触したが、事故を届け出ず、そのまま捜査車両で現場を離れた疑い。
けが人はいなかった。
(後略)

(9月15日 京都新聞 「警官がコンビニ駐車場で当て逃げ「捜査優先した」京都府警、40代警部補を容疑で書類送検」より引用)

当て逃げ

道路交通法第72条第1項後段では、事故を起こした場合は最寄りの警察署などに事故の報告をしなければならないと定めています。
この報告を怠った場合は道路交通法に違反していることになり、有罪になれば3月以下の懲役または5万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条第1項第10号)

今回の事例のように、駐車中の乗用車に運転する車を当てて逃げる行為は、当て逃げにあたります。
人を轢いてしまったり、怪我をさせてしまった場合に限らず、運転する車が何かに接触した際も事故になります(いわゆる「物損事故」))ので、警察署などに事故の報告をしなければなりません。
上記の場合に事故の報告をしなかった(当て逃げした)場合は報告義務違反になります。
今回の事例の男性は事故後に報告をしなかった(当て逃げした)ので、道路交通法違反の容疑で書類送検されています。

では、当て逃げで有罪になった場合、どれくらいの刑罰を科されるのでしょうか。
過去に、宇治署の元巡査が当て逃げにより書類送検された事例をご紹介します。
(これからご紹介する事例と今回の事例では事件内容など異なる点があります。)

宇治署の元巡査は、京都市伏見区で捜査車両を運転していた際に停車していた乗用車に接触しましたが、事故を申告しませんでした。
その後、元巡査は道路交通法違反(事故不申告)の容疑で書類送検され、5万円の略式命令が出されました。
(2017年12月20日 「捜査車両で当て逃げ 京都府警宇治署の元巡査に罰金5万円の略式命令」より)

書類送検とは、逮捕などの身体拘束を伴わずに検察官に事件が引き継がれることをいいます。
書類送検を受けた検察官は、起訴・不起訴の判断をすることになります。
先ほどご紹介した京都市伏見区の事例と、今回取り上げた京都市西京区の事例に通っている部分もありますので、今回の事例でも略式命令が出される可能性があります。

どういった刑罰が見込まれるのか、どういった弁護活動が可能なのかということは、その刑事事件の細かな事情によって異なります。
刑罰を軽減したい、不起訴処分獲得を目指したいなど、刑事手続や弁護活動についてのご相談・ご要望は、弁護士に事件の内容を詳しく話した上で聞いてみることをおすすめします。
当て逃げ事件などの道路交通法違反事件、その他の刑事事件でお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

【事例紹介】無免許運転による事故と犯人隠避罪

2022-09-01

京都市下京区で起きた無免許運転事故を基に、無免許運転、事故不申告、犯人隠避罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警下京署は30日、道交法違反(無免許運転、事故不申告)の疑いで、京都市南区の解体業の男(21)を逮捕した。

逮捕容疑は8月4日午後6時45分ごろ、下京区で軽ワゴン車を無免許運転し、(中略)ワゴン車に追突してそのまま逃げた疑い。

(中略)事故の約1時間後に20代の同僚男性が身代わりで出頭しており、犯人隠避容疑で男性を調べる。

(8月30日 京都新聞 「無免許運転し車に追突、逃げた疑い 京都の21歳男を逮捕 同僚が身代わり出頭」より引用)

無免許運転と事故不申告

無免許運転は道路交通法第64条1項で禁止されています。
また道路交通法では、交通事故を起こした場合の措置について規定されており、事故の申告については第72条第1項で義務付けられています。

無免許運転で有罪になった場合は3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金(道路交通法第117条2の2第1項)、事故不申告で有罪になった場合は3月以下の懲役か5万円以下の罰金(道路交通法第119条第1項第10号)がそれぞれ科されます。

事例の男性は無免許運転で事故の報告をしていないので、男性が有罪になった場合は3年3月以下の懲役か、55万円以下の罰金のどちらかが科されます。(無免許運転と事故不申告は併合罪になります。)

犯人隠避罪

大まかにいうと、犯人隠避罪は、罰金刑以上の犯罪を起こした人が警察官などに逮捕されたり捜査の対象になったりすることのないように手助けした場合に適用されます。
犯人隠避罪は刑法第104条で規定されており、有罪になると3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。

事例の同僚男性のように、犯人の代わりに出頭する行為は隠避にあたります。
加えて、事例で事故を起こした男性は無免許運転と事故不申告の罪に問われており、どちらも有罪になれば罰金以上の刑が科されます。
今回の事例では、有罪になれば罰金刑以上が科される男性が無免許運転などの罪に問われないように、同僚男性が代わりに出頭しているので犯人隠避罪が適用されます。

犯人隠避罪で実際に有罪になってしまった場合、どれくらいの量刑が科されるのでしょうか。
犯人隠避罪で争われた裁判例をご紹介します。
※ご紹介する裁判例は事件内容などが異なります。

その事件の被告人はA鉄道会社のB自動車営業所でバスの運転手をしていました。
被告人と同じくB営業所で働いていたCさんは運転免許が失効しているにもかかわらず、無免許でバスを運転しており、バスの運転中に事故に遭遇しました。
警察が事故の捜査をしていることを知った被告人の上司であるD、E、FさんはCさんの処罰を免れるために、被告人がCさんの代わりに警察に名乗りでるように頼みました。
その後、被告人はCさんの代わりに出頭し、虚偽の供述をすることでCさんを隠避させました。

裁判では、被告人の行為により無免許運転の発覚が遅れたことなどから被告人の刑事責任は軽微なものとはいえないと判断されました。
しかし、被告人が上司の命令を断ることは困難な面もあり、社会的制裁も受けていることなどが考慮され、被告人は懲役10月執行猶予2年が言い渡されました。
平成15年10月8日 名古屋地方裁判所岡﨑支部より

今回の事例の同僚男性も、裁判例と同様に無免許運転だと知りながら身代わりに出頭しました。
裁判例と事件内容が異なる部分もありますが、事例の同僚男性も裁判例と同様の執行猶予付きの懲役刑や実刑判決が下される可能性があります。

家族や友達が犯罪行為をしたときに、軽い気持ちであっても身代わりに出頭すれば犯人隠避罪に問われることになります。
犯人隠避罪無免許運転、事故不申告はどれも有罪となった場合に懲役刑が下される可能性があります。
弁護活動により、不起訴処分や罰金刑を得られる可能性がありますので、犯人隠避罪、無免許運転や事故不申告による道路交通法違反で逮捕・捜査された際は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

[事例紹介]京都府与謝野町で人身事故②

2022-06-30

[事例紹介]京都府与謝野町で人身事故②

前回に引き続き京都府与謝野町で起きた人身事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府与謝野町で昨年12月、乗用車が民家の外壁に衝突し4人が死傷した事故で、京都家裁は24日までに、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の疑いで家裁送致された舞鶴市の自衛官の男(19)を検察官送致(逆送)することを決めた。
(中略)
家裁の決定によると、男は、昨年12月7日午前2時ごろ、同町石川の国道176号を時速約100キロで走行し、雨で路面がぬれていた道路のカーブを曲がりきれずに民家の外壁に衝突。同乗者=当時(19)=を死亡させ、他の同乗者3人にも重軽傷を負わせたとしている。
男は昨年12月に宮津署に自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで逮捕され、3月に京都地検舞鶴支部が危険運転致死傷の疑いに切り替えて家裁送致していた。
(6月24日 京都新聞 「民家衝突し同乗者死亡「痛ましく結果は重大」 19歳自衛官を検察官送致」より引用)

今回の記事では、危険運転致死傷罪について解説していきます。

危険運転致死傷罪

危険運転致死傷罪も、前回の記事で取り上げた過失運転致死傷罪と同様に、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷行為処罰法)に定められている犯罪です。
危険運転致死傷罪で有罪になると、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合には1年以上の有期懲役に処されることになります。(自動車運転死傷行為処罰法第2条)

また、自動車運転死傷行為処罰法が掲げる危険運転行為は以下になります。
①アルコールや薬物より正常な運転が困難な状態での運転
② 制御できないようなスピードでの走行
③制御する技能を持たずに走行させる行為
④ 人や車の通行を妨害する目的で、走行中の車の直前に進入し、その他通行中の人や車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度での運転
⑤ 車の通行を妨害する目的で、走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る。)の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法での運転
⑥ 高速自動車国道や自動車専用道路(道路法において、車の通行を妨害する目的で、走行中の車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止または徐行をさせる行為
⑦ 赤信号またはこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
⑧ 通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度での運転

危険運転致死傷罪による裁判例

今回のAさんは、危険運転致死傷罪に問われていますが、危険運転致死傷罪の裁判例としては、以下のような裁判例が見られます。

被告人は、最高速度が時速60キロメートルに法定されている湾曲状の道路を、進行を制御することが困難な時速80キロメートルで走行し、退行歩行してきた被害者2人に対処しきれず、衝突してしまいました。
被害者のうち1人は加療約2週間の怪我を負い、もう1人は死亡してしまいました。
裁判所は、被告人の行為を、先ほど挙げた危険運転行為のうち、「②制御できないようなスピードでの走行」に当てはまり、危険運転致死傷罪の構成要件に該当すると判断しました。
また、被告人はスピードの出しすぎを同乗者に注意されていることや、安全に走行することが困難である時速80キロメートルで走行していたことから、被告人が進行を制御することが困難だと判断されるような高速度で走行していたことを認識していた(=危険運転行為をしていた故意がある)と認められ、危険運転致死傷罪が適用されることになり、被告人には懲役4年が言い渡されました。(以上、平成16年8月6日長野地裁判決)
※なお、この裁判例の時には、危険運転致死傷罪は自動車運転処罰法ではなく、刑法に規定されていました。

今回の事例でも、Aさんは自分の運転技術を誇示するために制御することができないようなスピードを出しており、裁判例で挙げた事例と同様、危険運転行為のうち②に該当すると判断され、危険運転致死傷罪に切り替えられたのではないかと考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、数多くの刑事事件を解決に導いた実績があります。
危険運転致死傷罪過失運転致死傷罪でお困りの際には、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にお問合せください。
初回無料の法律相談初回接見サービスなどのご予約も受け付けております。

[事例紹介]京都府与謝野町で人身事故①

2022-06-28

[事例紹介]京都府与謝野町で人身事故①

京都府与謝野町で起きた人身事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府与謝野町で昨年12月、乗用車が民家の外壁に衝突し4人が死傷した事故で、京都家裁は24日までに、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の疑いで家裁送致された舞鶴市の自衛官の男(19)を検察官送致(逆送)することを決めた。
(中略)
家裁の決定によると、男は、昨年12月7日午前2時ごろ、同町石川の国道176号を時速約100キロで走行し、雨で路面がぬれていた道路のカーブを曲がりきれずに民家の外壁に衝突。同乗者=当時(19)=を死亡させ、他の同乗者3人にも重軽傷を負わせたとしている。
男は昨年12月に宮津署に自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで逮捕され、3月に京都地検舞鶴支部が危険運転致死傷の疑いに切り替えて家裁送致していた。
(6月24日 京都新聞 「民家衝突し同乗者死亡「痛ましく結果は重大」 19歳自衛官を検察官送致」より引用)

今回の記事では過失運転致死傷罪について解説していきます。

過失運転致死傷罪

人身事故を起こした際に成立することの多い過失運転致死傷罪という犯罪は、刑法ではなく、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転死傷行為処罰法)に定められている犯罪です。

過失運転致死傷罪は、運転上必要な注意を怠り、それによって人を死傷させてしまった場合に適用されます。

過失運転致死傷罪で有罪となってしまった場合には、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処されることになります。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除されることもあります。(自動車運転死傷行為処罰法第5条)

過失運転致死傷罪による裁判例

今回の事例のAさんは、当初、今まで取り上げてきた過失運転致死傷罪で捜査されていたようです。
Aさんの事例では、人身事故によって亡くなられた方と怪我をされた方が複数いらっしゃるようでしたが、こうした人身事故の裁判例としては、以下のような裁判例が見られます。

被告人は、吹雪が激しい深夜に車を運転しており、当時は吹雪により視界は悪く前方の見通しが困難な状態でした。
被告人は徐行することなく走行し続け、被害者の1人に衝突。
衝突の衝撃で跳ね飛ばされた被害者はもう1人の被害者に衝突しました。
その後、最初に衝突した被害者は死亡し、跳ね飛ばされた方に衝突した被害者は全治約84日間の怪我を負いました。
この事件で裁判所は、被告人は事故を予見することができ、徐行すべき注意義務違反の過失があると認められると判断し、被告人に対して禁錮1年2月執行猶予3年の判決を言い渡しました。(札幌地方裁判所令和2年1月10日判決)

今回の事例のAさんは、最終的には危険運転致死傷罪に問われるようですが、まずはAさんが最初に捜査されていた過失運転致死傷罪についての裁判を紹介しました。
もちろん、過失の大きさの程度や、被害者対応、その後の被告人の反省や再犯防止の取り組みなど、様々な事情によって刑罰の重さが決まりますから、この裁判例はあくまで一例にすぎません。
人身事故を起こして刑事事件となった場合、危険運転致死傷罪になるのか過失運転致死傷罪になるのかといったことも含めて、今後の見通しや手続きについて把握するためにも、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回無料の法律相談を行なっております。
逮捕されている方向けのサービスもご用意していますので、過失運転致死傷罪で逮捕、捜査された際には、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

次回の記事では、危険運転致死傷罪について解説します。

飲酒運転中の人身事故だからこそ成立し得る犯罪とは?

2022-01-27

飲酒運転中の人身事故だからこそ成立し得る犯罪とは?

飲酒運転中の人身事故だからこそ成立する可能性のある犯罪とはどういった犯罪なのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市右京区に住むAさんは、昨年成人となった20歳です。
Aさんは、京都市右京区内で行われた成人式に参加し、同級生たちと顔を合わせた後、近くの飲食店で成人式後の同窓会を行いました。
その場でAさんは成人を祝って飲酒していたのですが、その後帰路につくために、乗って来た自動車にそのまま乗り込むと、飲酒運転をしました。
しかし、道中でAさんが通行人Vさんと接触する人身事故を起こしてしまったことから、京都府右京警察署の警察官が駆け付けました。
そこでAさんは、人身事故を起こしたことによる過失運転致傷罪と、飲酒運転をしたことによる道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、成人式後になかなか帰宅しないAさんを心配して京都府右京警察署に問い合わせたところ、どうやらAさんが逮捕されているらしいことを知りました。
驚いた家族は、ひとまず状況を把握したいと、Aさんのもとへ接見に行ってくれる弁護士を探し始めました。
(※令和4年1月11日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)

・飲酒運転中の人身事故だから成立し得る犯罪

前回の記事では、飲酒運転をして人身事故を起こした多くの場合で、飲酒運転による道路交通法違反と、人身事故を起こしたことによる過失運転致傷罪が成立するということを取り上げ、飲酒運転による道路交通法違反と、人身事故を起こしたことによる過失運転致傷罪、それぞれの犯罪について着目しました。
しかし、飲酒運転中に人身事故を起こしてしまったというケースでは、その飲酒の程度や酔いの程度などの事情によっては、上記2つの犯罪ではない犯罪が成立する可能性があります。
まずは以下の条文を見てみましょう。

自動車運転処罰法第2条
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
第1号 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為

自動車運転処罰法第3条第1項
アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処する。

これらは、いわゆる危険運転致死傷罪準危険運転致死傷罪と呼ばれる犯罪です。
前回の記事で取り上げた過失運転致死傷罪があくまで「過失」(不注意)による人身事故に成立する犯罪であったのに対し、危険運転致死傷罪は、危険運転行為という故意の行為によって人身事故を起こしたという犯罪です。
この中で、「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」が危険運転行為とされており、それによって人身事故を起こした場合には、危険運転致死傷罪となることが定められています。
「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態」とは、道路及び交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態のことを指すとされています。
例えば、泥酔して飲酒運転している状況で、前方をきちんと見ることができない、ブレーキやアクセルを思った通りに操作できないといった状態であれば、「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態」と判断されやすいでしょう。
ですから、例えば今回のAさんがひどい泥酔状態で飲酒運転をしていたということが判明すれば、危険運転致傷罪として捜査される可能性もあるということになります。

さらに、飲酒運転人身事故を起こした後、飲酒運転を隠すために人身事故後に逃亡したり、水などを飲んでアルコール濃度をごまかそうとしたりした場合には、過失運転致傷アルコール等発覚免脱罪という犯罪が成立するということも注意が必要な点です。

自動車運転処罰法第4条
アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処する。

例えば、今回のAさんが、人身事故を起こした後、飲酒運転が発覚することを恐れてその場から離れたり、大量に水を飲んだりしていた場合には、この過失運転致傷アルコール等発覚免脱罪という犯罪が成立する可能性もあるのです。

このように、「飲酒運転をして人身事故を起こした」という概要だけでは、どういった犯罪が成立し得るのかということすらすぐにわかるものではありません。
単なる不注意で起こしてしまった人身事故とは異なり、飲酒運転中の人身事故であるという状況だからこそ、逮捕された人がどれほど飲酒し酔っていたのか、人身事故の原因はどういったものなのか、人身事故後にどういった対応をしたのかなど、実際の事件の細かな事情によって、成立し得る犯罪が左右されるのです。

事件全体の事情から詳細な事情までを把握し法律の専門的知識と合わせなければ成立する犯罪を検討することはできないからこそ、単に「飲酒運転で事故を起こして逮捕された」という状況であっても、早期に弁護士に相談し、詳細を把握した上で今後の見通しや手続きを聞いておくことが望ましいのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、飲酒運転による人身事故などの交通事件の刑事手続きについても、ご相談やご依頼を承っています。
まずはお気軽にご相談ください。

飲酒運転と人身事故…それぞれ成立する犯罪は?

2022-01-16

飲酒運転と人身事故…それぞれ成立する犯罪は?

飲酒運転人身事故でそれぞれ成立する犯罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市右京区に住むAさんは、昨年成人となった20歳です。
Aさんは、京都市右京区内で行われた成人式に参加し、同級生たちと顔を合わせた後、近くの飲食店で成人式後の同窓会を行いました。
その場でAさんは成人を祝って飲酒していたのですが、その後帰路につくために、乗って来た自動車にそのまま乗り込むと、飲酒運転をしました。
しかし、道中でAさんが通行人Vさんと接触する人身事故を起こしてしまったことから、京都府右京警察署の警察官が駆け付けました。
そこでAさんは、人身事故を起こしたことによる過失運転致傷罪と、飲酒運転をしたことによる道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、成人式後になかなか帰宅しないAさんを心配して京都府右京警察署に問い合わせたところ、どうやらAさんが逮捕されているらしいことを知りました。
驚いた家族は、ひとまず状況を把握したいと、Aさんのもとへ接見に行ってくれる弁護士を探し始めました。
(※令和4年1月11日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)

・飲酒運転をして人身事故を起こしたら

今回の事例のAさんは、飲酒運転をして人身事故を起こしています。
今回の事例のAさんのように、飲酒運転をして人身事故を起こした場合には、道路交通法違反と過失運転致傷罪という2つの犯罪が成立することが多いです。

それぞれの犯罪について確認してみましょう。

・飲酒運転で成立する犯罪

飲酒運転は、道路交通法に定められている犯罪行為で、酔いの程度によって「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」に分けられ、どちらとなるかによって刑罰の重さが異なります。

道路交通法第65条第1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

道路交通法第117条の2
次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第1号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。以下同じ。)にあつたもの
(※注:いわゆる「酒酔い運転」)

道路交通法第117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第3号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第1項の規定に違反して車両等(軽車両を除く。次号において同じ。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたもの
(※注:いわゆる「酒気帯び運転」)

いわゆる「酒気帯び運転」とは、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上の状態で運転する飲酒運転のことで、道路交通法第65条第1項、道路交通法第117条の2の2第3号に該当します。
対して、「酒酔い運転」は、千鳥足になっていたりろれつが回っていなかったりといった、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状況で運転する飲酒運転を指し、道路交通法第65条第1項、道路交通法第117条の2第1号に該当する飲酒運転です。

今回の事例のAさんは、飲酒運転の末人身事故を起こしていますから、当然飲酒運転の部分については道路交通法違反となるのです。
「酒気帯び運転」「酒酔い運転」のどちらになるのかは、Aさんがどれほど酒に酔っていたかという部分によって異なることになります。

・人身事故で成立する犯罪

そして、人身事故部分については、多くの場合、自動車運転処罰法で定められている過失運転致傷罪が成立することになります。

自動車運転処罰法第5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

この過失運転致傷罪は、一般的な人身事故で多くの場合成立する犯罪です。
例えば、わき見運転や標識の見落としなどによって人身事故を起こし、相手に怪我をさせてしまったというケースでは、過失運転致傷罪に問われるということが多いです。

単に飲酒運転人身事故を起こしたという場合には、ここまで見てきた飲酒運転による道路交通法違反と、人身事故を起こした過失運転致傷罪という2つの犯罪が成立することが多いです。
しかし、飲酒運転の態様と人身事故後の態様によっては、今回取り上げた飲酒運転による道路交通法違反、人身事故を起こした過失運転致傷罪という犯罪ではない犯罪が成立する可能性もあります。
こちらについては、次回の記事で詳しく取り上げます。

どういった犯罪が成立するにせよ、人身事故を起こして突然逮捕されてしまったという状況では、逮捕されてしまった本人はもちろん、ご家族も状況や見通しを把握できないでしょう。
だからこそ、まずは専門家である弁護士を頼ってみることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕されてしまった方向けの初回接見サービスをご用意しています。
飲酒運転人身事故、またはそれら両方の容疑で逮捕されてしまったことでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

酒を勧めて飲酒運転の幇助に発展

2021-12-20

酒を勧めて飲酒運転の幇助に発展

酒を勧めて飲酒運転の幇助に発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市伏見区に住んでいるAさんは、友人のBさんを自宅に招いて一緒に食事をしていました。
Aさんは、Bさんが自動車を運転して来ていることや、帰りも自動車を運転して帰ることを知っていましたが、「Bさんの家はすぐそこだし、運転出来なくなるほど酔わせないのであれば、少しだけなら問題ないだろう」と考え、Bさんに酒を勧めて飲酒をさせていました。
BさんはAさんに出された酒を飲んだ後、自動車を運転して帰路につきましたが、その道中、京都府伏見警察署の行っていた飲酒運転の検問に引っかかりました。
Bさんの呼気から規定以上のアルコール数値が検出されたため、Bさんは飲酒運転をした容疑で京都府伏見警察署に任意同行されました。
その後、Bさんに酒を提供したAさんも、飲酒運転を幇助した容疑で京都府伏見警察署で話を聞かれることとなりました。
Aさんは、「自分は飲酒運転をしたわけでもないのに警察沙汰になるのか」と驚き、ひとまず取調べの前に、京都市の刑事事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・飲酒運転の幇助

皆さんのご存知のように、飲酒運転は道路交通法に違反する犯罪です。
道路交通法では、飲酒運転のうち、酒気帯び運転という飲酒運転が禁止されています(道路交通法65条1項)。

道路交通法第65条第1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

酒気帯び運転とは、呼気アルコール濃度が0.15mg以上の状態で運転をおこなうことをいいます。
そして、酒気帯び運転をする可能性のある者に対して、酒類を提供したり、飲酒を勧めることも禁止されています。

道路交通法第65条第3項
何人も、第1項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。

「幇助」とは、手助けするという意味であり、酒を勧めたり飲ませたりして飲酒運転を手助けした、飲酒運転をしやすくしたということで、この違反は飲酒運転の幇助と呼ばれています。
これに違反して、酒気帯び運転をする可能性のある者に対して、酒類の提供や飲酒を勧め、さらにその酒類の提供を受けたり、飲酒を勧められた人が酒気帯び運転をした場合、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処される可能性があります。

道路交通法第117条の3の2
次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
第2号 第65条(酒気帯び運転等の禁止)第3項の規定に違反して酒類を提供した者(当該違反により当該酒類の提供を受けた者が身体に第117条の2の2第3号の政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車両等(軽車両を除く。)を運転した場合に限るものとし、同条第5号に該当する場合を除く。)

軽い気持ちで運転をする予定の人に酒を勧めたり飲ませたりしてしまったことで、飲酒運転の幇助という犯罪に問われるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士は、酒気帯び運転やその幇助でお困りの方、交通事件で逮捕されてしまった方のお力になります。
24時間体制で、初回無料相談や初回接見サービスのご予約を受け付けておりますので、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部まで、お電話ください。

危険運転致死事件の刑事裁判に向けて

2021-11-29

危険運転致死事件の刑事裁判に向けて

危険運転致死事件刑事裁判に向けた弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、深夜、京都府向日市の交差点で法定速度を大幅に超えるスピードで走行したうえ、赤信号をあえて無視し続けた結果、歩行者Vさんをはねて死亡させてしまいました。
事故を目撃した人が通報したことで、Aさんは京都府向日町警察署の警察官に危険運転致死罪の容疑で逮捕され、その後勾留されました。
Aさんの家族は、弁護士にAさんの接見に行ってもらい、その後の見通しを聞いたのですが、弁護士からは、起訴されて刑事裁判になるだろうということを伝えられました。
そのため、Aさんの家族は、刑事裁判に向けての弁護活動を弁護士に依頼することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・危険運転致死傷罪と刑事裁判

危険運転致死罪とは、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」、いわゆる「自動車運転処罰法」に定められている犯罪です。
最近では自動車の暴走やあおり運転での人身事故事件で報道番組や新聞、ネット記事といった皆さんが目にする場所にもこの危険運転致死罪という犯罪名があることも多いため、知っている方も多いかもしれません。

自動車運転処罰法の中では、赤信号を殊更無視したり、アルコールや薬物の影響で正常な運転が困難であるにもかかわらず運転したり等することを危険運転行為であるとしています。
その危険運転行為を行い、よって人を死亡させた場合、危険運転致死罪となり、1年以上の有期懲役に処せられるのです(人を負傷させた場合は、危険運転致傷罪となり、15年以下の懲役となります。)。

この危険運転致死傷罪ですが、人が死亡している犯罪であることもあり、比較的起訴される割合の多い犯罪です。
特に危険運転致死罪の場合、危険運転行為という故意の行為によって人を死なせていますから、悪質性が高いと考えられることも起因しているかもしれません。
上記の法定刑からも分かっていただけるように、危険運転致死傷罪には罰金刑の規定がありませんから、起訴される=刑事裁判になるということになるのです。

公判請求され、刑事裁判となれば、公開の法廷に立たなければなりません。
さらに、危険運転致死事件の場合、故意の行為=危険運転行為によって人を死亡させている事件であるため、裁判員裁判の対象事件でもあります。
そして、危険運転致死罪の法定刑には罰金刑の規定がありませんから、執行猶予がつかない有罪判決=すぐに刑務所に行かなければならないということになります。
こうしたことから、危険運転致死事件では、慎重な公判弁護活動が求められます。

ですが、起訴されてから弁護士に相談しても、裁判が間近に迫っていては十分な準備ができないおそれもあります。
先ほど触れたように、危険運転致死事件では高確率で起訴されている現状がありますから、危険運転致死罪の容疑で逮捕されてしまった、取り調べを受けている、という早い段階から弁護士に相談し、見通しとともにこれからとれる弁護活動を詳しく聞いてみることが望ましいでしょう。
そして早い段階から刑事裁判での公判弁護活動を見据えた準備に、弁護士と一緒に取り組んでいくことがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、危険運転致死事件などの交通事故事件の公判弁護活動にも取り組んでいます。
まずは0120-631-881からお問い合わせください。

飲酒運転を隠すことも犯罪?

2021-06-24

飲酒運転を隠すことも犯罪?

飲酒運転を隠すことも犯罪になるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市中京区の会社に勤めているAさんは、仕事の行き帰りに自動車を運転していました。
ある日、Aさんは仕事帰りにコンビニエンスストアで酒を購入し、車の中で飲酒しました。
Aさんは、「自宅はすぐ近くにあるのだからこのくらいの距離ならいいだろう」とそのまま飲酒運転をして自宅へ向かいました。
しかし、Aさんは自宅へ着く前に通行人のVさんと接触してVさんに怪我を負わせる人身事故を起こしてしまいました。
Aさんは、このままでは飲酒運転をして人身事故を起こしたということが発覚してしまうと思い、どうにかアルコールの数値を低くしたいと、警察等に通報する前にコンビニエンスストアへ行くと、そこで水を購入し、大量に水を飲みました。
その後、通報によって駆け付けた京都府中京警察署の警察官によって、Aさんは捜査を受けることになったのですが、その際、警察官から「飲酒運転を隠そうとしただろう。それも犯罪になる」と言われたAさんは、「飲酒運転を隠すことも犯罪になるのか」と驚き、刑事事件に強い弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・飲酒運転を隠すこと自体が犯罪に

今回の事例のAさんは、飲酒運転をした上に人身事故を起こし、そこで飲酒運転を隠すためにアルコールの数値を低くしようと水を大量に飲むなどしているようです。
飲酒運転をすることは犯罪となる(道路交通法違反)ことは多くの方がご存知の通りです。
しかし、Aさんは飲酒運転を隠そうとした行為も犯罪となると警察官から伝えられて驚いています。
飲酒運転を隠すこと自体も犯罪となるのでしょうか。

実は、人身事故を起こしてしまった際に成立する犯罪(過失運転致死傷罪、危険運転致死傷罪など)を定めている「自動車運転処罰法」(正式名称「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」)では、過失運転致傷アルコール等影響発覚免脱罪という名前の犯罪を定めています。
なかなか耳にすることのない犯罪名かもしれませんが、その条文は以下のようになっています。

自動車運転処罰法第4条(過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪)
アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処する。

簡単に説明すると、自動車の運転に影響が出る程度の飲酒運転をして人身事故を起こした場合に、飲酒運転の発覚を免れるためにさらに飲酒を重ねたり水を飲むなどしてアルコール数値を減らしたりするなどすることで成立するのが、この過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪です。
今回のAさんのように、飲酒運転をして人身事故を起こし、その後にアルコールの数値を減らすために大量の水を飲む行為は、まさにこの過失運転致傷アルコール等影響発覚免脱罪となります。

過失運転致傷アルコール等影響発覚免脱罪は、いわゆる「逃げ得」=飲酒運転をして人身事故を起こした場合、その場から逃げるなどして飲酒運転が発覚しないようにした方が、成立する犯罪によって受ける可能性のある刑罰の重さが軽くなってしまうというケースをなくすために作られた犯罪です。
飲酒運転の度合いによっては、人身事故によって問われる犯罪が危険運転致死傷罪という最長で20年の懲役が科せられる犯罪に問われることになりますが、逃げて飲酒運転の発覚を免れればひき逃げと過失運転致死傷罪が成立するにとどまり、その場合は最長で15年の懲役となることから、「(逃げて)飲酒運転の発覚を免れた方が得」とされてしまいます。
そういったことを防ぐために、人身事故後に飲酒運転の発覚を防ごうとすることも犯罪としたのが過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪なのです。

つまり、よく知られている飲酒運転自体だけでなく、その飲酒運転を隠す行為も、場合によっては重い罪となることがあるということなのです。

単なる飲酒運転の場合には被害者は存在しませんが、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱事件となると、人身事故に遭われた被害者が存在します。
ですから、弁護活動でも被害者対応などを含んだ迅速かつ丁寧な活動が求められます。
どういった犯罪の容疑がかけられていて、どのような弁護活動が必要なのかをきちんと把握して刑事手続きに臨むことが大切ですから、まずは弁護士の話を聞いてみることがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕された方向けの初回接見サービスから、在宅で捜査を受けている方向けの初回無料法律相談まで幅広く対応しています。
まずはお気軽にご相談ください。

京都府亀岡警察署に自首したい

2021-06-14

京都府亀岡警察署に自首したい

京都府亀岡警察署自首したいというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都府亀岡警察署は、京都府亀岡市で発生した人身事故について、過失運転致傷事件として捜査を行っていましたが、未だ犯人を特定するに至っていませんでした。
この人身事故を起こしてしまったAさんは、自首すべきかどうか1人でずっと悩んでいましたが、ついに意を決して京都府亀岡警察署自首することにしました。
そこでAさんは、自首の前にすべきことはあるのか、刑事事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・自首について

自首とは、犯罪を犯した者が、捜査機関に発覚する前に自ら進んで捜査機関に自己の犯罪事実を申告しその処分にゆだねる意思表示のことをいいます。
自首は刑法第42条第1項によって刑の減軽事由とされています。

刑法第42条第1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

ちなみに、刑法第42条第2項によって、親告罪については告訴権者に自己の犯罪事実を申告しその措置にゆだねた場合(首服といいます)も減軽事由とされています。

自首について定めた条文では、「捜査機関に発覚する前」に自首することが自首成立の要件とされています。
今回の事例のAさんは、自身が人身事故を起こした犯人であると警察に発覚する前に自分が人身事故を起こしたという事実=自己の犯罪事実を申告しようとしていますが、この場合も「捜査機関に発覚する前」として自首に当たると考えられます。
もちろん、そもそも犯罪事実がまったく捜査機関に発覚する前に発覚する前であっても自首が成立します。
他にも、捜査機関による質問や取調べの段階で捜査機関に発覚していない余罪を自供した場合なども自首に当たると考えられます。

ただし、被疑者となっている犯罪事実について自身の犯行を認めるような場合は「捜査機関に発覚する前」に当たらなかったり自発的申告でないとして自首が成立しません。
つまり、すでに警察などの捜査機関から犯人であると疑われていたり目星を付けられているような状態で自ら出頭したとしても、刑法の定める「自首」の成立とはならない場合があるということです。
自首の要件である自発性や「捜査機関に発覚する前」に当たるかどうかはかなり厳しく考えられていますので、自首するつもりで警察などに出頭した場合でも実は自首が成立しないといった事態も大いにあり得ます。

さらに、自首や首服は刑の減軽事由ですが、「その刑を減軽することが『できる』」とされている通り、あくまで任意的減軽事由にすぎないため、自首等を行ったからといって必ずしも減軽されるわけではありません。

このように、自首したところで必ずしも自首減軽が適用されるわけではなかったり、そもそも自首が成立しない場合もあるといったことから、これらをリスクと捉え自首することに消極的になる方が少なからずいらっしゃることかと思います。
しかし一方で、発覚を免れようと逃げることで、事件や犯人が発覚した場合には逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕されてしまうリスクが高まり、起訴されてしまった際には量刑にも悪影響を与えかねないという側面もあります。

ですが、自首の成否にかかわらず、自己の犯罪事実を申告したことは、事件の内容なども考慮しなければなりませんが、逃亡や証拠隠滅等のおそれがないとして逮捕を回避できる要因となりうるほか、たとえ自首減軽として適用されなくても被疑者に有利な情状として不起訴処分や執行猶予を得られる可能性を高めることが期待できます。

自首することには慎重にならないといけませんが、自首が成立するかどうかという点や自首した後に踏まれることが予想される刑事手続など、どのように対応したらよいのかといったアドバイスを事前に弁護士に相談して受けておくことが望ましいです。

犯罪を犯してしまった方以外でその不安があるにすぎないという場合も、刑事事件に強い弁護士に相談していただくことで疑問や不安を解消することができるかもしれません。
なるべく早めに対応しなければ捜査が進んで自首が成立しない段階になってしまったり、示談その他の解決に向けた手段をとることが現実的でなくなったりすることもあり得ますので、まずはお早めにご相談していただくことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回の法律相談を無料で行っていますので、自首についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

« Older Entries

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら