【事例紹介】ひき逃げと危険運転致死罪、過失運転致死罪

京都市西京区の路上で起きたひき逃げ事件と思われる事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

28日夜、京都市西京区の路上で、55歳の女性が意識不明の状態で倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されました。
女性の服にはタイヤの痕のようなものがついていたということで、警察は、ひき逃げ事件として捜査しています。
(後略)

(3月29日 NHK NEWS WEB 「京都 西京区の路上で女性死亡 ひき逃げか」より引用)

ひき逃げ

運転手は事故があった場合に、被害者の救護警察官への事故の報告を義務付けられています。(道路交通法第72条1項)
事故を起こした際に、被害者の救護や警察官への事故の報告を行わなかった場合には、ひき逃げになります。

今回の事例では、女性が京都市西京区の路上で倒れているのが発見され、服にはタイヤ痕のようなものがついており、ひき逃げ事件として捜査していると報道されています。
女性の服にはタイヤ痕のようなものがついていることから、自動車に轢かれてしまったのでしょう。
路上で倒れているのが見つかっていることから、ひき逃げ犯は救急車の要請や警察への事故の報告をしていないと推測されます。
被害者の救護や事故の報告をしていない場合は、次の通り道路交通法違反になります。

事故の報告をせずに道路交通法違反で有罪になった場合は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます。(道路交通法第119条1項17号)
加えて、人が死傷するような事故を起こし救護をせずに道路交通法違反で有罪になった場合には、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されることになります。(道路交通法第117条2項)

危険運転致死罪と過失運転致死罪

今回の事例では、自働車で轢かれたと思われる被害者が死亡しています。
事故を起こし、人を殺してしまった場合には、危険運転致死罪過失運転致死罪が成立する可能性がありますので、今回の事例でも危険運転致死罪過失運転致死罪が成立するおそれがあります。

危険運転致死罪は、アルコールや薬物により正常な運転が困難な状態での運転や制御することが困難な高速度での運転などにより人を殺してしまった場合に成立します。
危険運転致死罪で有罪になった場合には、1年以上の有期懲役が科されます。(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条)

一方で、過失運転致死罪は、運転中に必要な注意を怠り、人を殺してしまった場合に成立します。
過失運転致死罪で有罪になった場合は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金が科されます。(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)

上記のように、危険運転致死罪過失運転致死罪では、圧倒的に危険運転致死罪の方が科される罪が重くなってしまいます。

交通事故の場合であっても、その他の刑事事件のように、取調べで作成される供述調書は後の裁判で重要な証拠として扱われます。
供述調書の内容次第では、危険運転致死罪で立件されてしまう可能性があります。
ですので、不利な証拠を作らないためにも、取調べ対策をしっかりと行っておくことが、重要になってきます。
弁護士による取調べのアドバイスにより、危険運転致死罪ではなく、過失運転致死罪での立件を目指せるかもしれません。

また、交通事故の被害者と示談を締結することで、科される刑罰を軽くできる可能性があります。
交通事故の被害者がお亡くなりになっている場合には、加害者本人が被害者遺族に連絡を取ることは、おそらく容易ではないでしょう。
ですが、弁護士が間に入ることで、示談交渉を行える場合がありますので、示談を考えている方は弁護士を付けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
ひき逃げ危険運転致死罪過失運転致死罪で捜査、逮捕されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら