【事例紹介】あて逃げの容疑で捜査 京都市伏見区

京都市伏見区で起きた赤信号無視の車があて逃げした事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

(前略)京都市伏見区の竹田浄菩提院町で、京都府警向日町署のパトカーに追跡されていた乗用車が、アルバイト男性(74)の乗用車に接触し、そのまま逃走した。けが人はなかった。伏見署が、道交法違反(あて逃げ)事件として捜査している。
両署によると、パトカーは伏見区内で整備を終え向日町署管内に戻る途中、赤信号を無視した乗用車を見つけ、停車を求めたが逃走したため追跡していた。(後略)

(5月3日 京都新聞 「赤信号無視の車、パトカーに追跡されあて逃げ 京都・伏見」より引用)

あて逃げ

あて逃げとは、車が物にぶつかるなどの事故を起こした際に、警察に事故の報告をせずに逃げることをいいます。

道路交通法第72条1項後段では、事故を起こした場合は直ちに最寄りの警察署に事故の報告をしなければならないと規定しています。
事故の報告は道路交通法で義務付けられていますので、事故を起こしたのに報告をしないあて逃げ道路交通法に違反していることになります。

今回の事例では、パトカーに追いかけられた際に、被害者の車に接触し、そのまま逃走(あて逃げ)したとされています。
報道が事実なのであれば、事故の報告をせずに逃走した行為は、道路交通法第72条1項後段に規定された報告義務に違反していることになります。
したがって、今回の事例では、道路交通法違反が成立する可能性があります。

あて逃げしたとして、道路交通法違反で有罪になった場合には、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されることになります。(道路交通法第119条1項17号)

逮捕と出頭

今回の事例では、道路交通法違反の容疑で捜査中であると報道されており、逮捕等はされていないようです。
ですが、報道によるとパトカーの追跡から逃れていることから、逃亡のリスクが高いとして、今後逮捕されてしまう可能性があります。

逮捕について刑事訴訟法は、

検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。ただし、30万円以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まった住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。(刑事訴訟法第199条1項)

裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員の請求により、前項の逮捕状を発する。但し、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。(刑事訴訟法第199条2項)

と規定しており、通常逮捕は、罪を犯したと疑うことに正当な理由があり、尚且つ、逮捕するだけの必要性がなければ逮捕することができません。

また、刑事訴訟規則第143条の3では、「逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕の理由があると認める場合においても、被疑者の年齢及び境遇並びに犯罪の軽重及び態様その他諸般の事情に照らし、被疑者が逃亡する虞がなく、かつ、罪証を隠滅する虞がない等明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、逮捕状の請求を却下しなければならない。」と規定しています。
逃亡や証拠隠滅のおそれがない場合には、逮捕の必要性はなくなりますので、逮捕はされません。
逆に言えば、今回の事例のように、一度逃亡している事件の場合では、逃亡のおそれがあると判断される可能性が高く、逮捕されるリスクが高くなってしまうことが考えられます。

しかし、一度逃亡してしまったからと言って、必ずしも逮捕されるわけではありません。
刑事事件では、任意同行などを求められる前に、自ら警察署に出頭することで、逮捕勾留のリスクを低くできる場合があります。
また、弁護士が一緒に出頭し、警察官への事情の説明を行ったり、弁護士やご家族が身元引受人になることで、少しでも逮捕のリスクをより低くできる可能性があります。
ですので、警察署への出頭を考えている方は、事前に弁護士に相談をすることをお勧めします。

加えて、逮捕されてしまった場合でも、弁護士が検察官や裁判所に意見書を提出することで、勾留されずに釈放してもらえる場合があります。
この意見書の提出は、勾留の判断が行われる逮捕後72時間以内に行わなければなりませんので、勾留を避けたい方は、できるだけ早く弁護士に相談をすることが望ましいといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、豊富な刑事事件の弁護経験を持つ法律事務所です。
早期の段階で弁護士に相談をすることで、逮捕勾留の回避、早期釈放を実現できるかもしれません。
逮捕勾留を避けたい方、早期釈放を目指している方、道路交通法違反でお悩みの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部無料法律相談をご利用ください。

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