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自転車のひき逃げで逮捕されたら②
自転車のひき逃げで逮捕されたら②
自転車のひき逃げで逮捕されてしまったケースで、特にひき逃げによる道路交通法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
京都府亀岡市に住んでいるAさんは、移動の際、スポーツタイプの電動アシスト付き自転車を利用していました。
ある日Aさんがその自転車に乗って移動している際、Aさんがよそ見運転をしていたことをきっかけに、通行人Vさんに衝突してしまいました。
Aさんは、「自転車に当たったくらい大丈夫だろう」と思い、「すみません」とだけ言ってその場を去りました。
しかし、Vさんは衝突によって骨折などの大怪我を負っており、後日、京都府亀岡警察署の捜査によってAさんは重過失傷害罪とひき逃げによる道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、自転車でもひき逃げになることに驚き、接見に訪れた弁護士に今後の対応や見通しについて相談することにしました。
(※令和3年1月25日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・自転車のひき逃げ事件〜道路交通法違反
前回の記事でも簡単に触れましたが、自動車の場合でも自転車の場合でも、ひき逃げ事件は「ひき逃げ」という罪名の犯罪が成立するわけではなく、人身事故を起こしたこと自体に犯罪が成立し(自動車の場合は過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪が、自転車の場合は過失の程度により過失傷害罪・過失致死罪や重過失傷害罪・重過失致死罪が成立します。)、さらにその場から適切な行為をせずに逃げた行為について道路交通法違反が成立するという構図になります。
今回の記事では、適切な行為をせずに逃げた行為、いわゆるひき逃げ行為によって成立する道路交通法違反について確認していきます。
道路交通法では、事故を起こしてしまった場合の対応について、いくつかの義務を定めています。
道路交通法第72条第1項
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。
この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。
この条文の中に定められている義務は、一般に「救護義務」(負傷者の救護)、「危険防止措置義務」(道路上の危険を防止する)、「報告義務」(警察官等への通報・報告)と呼ばれています。
ひき逃げは「逃げる」という言葉が入っているものの、正確にはこれらの義務を果たさないことを指します。
ですから、ひき逃げをした際に「救護義務違反」や「報告義務違反」と言ったことを言われる場合がありますが、これはこの道路交通法の義務に違反しているということなのです。
この道路交通法の条文を見ると、「車両等の運転者その他の乗務員」が対象となっています。
過失運転致死傷罪などを定める自動車運転処罰法では、対象の乗り物が「自動車」となっていたのに対し、道路交通法のこの条文では「車両等」となっています。
この「車両等」は道路交通法でどのように定義づけられているのでしょうか。
道路交通法第2条第1項
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
第8号 車両 自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。
第11号 軽車両 次に掲げるものであつて、身体障害者用の車椅子及び歩行補助車等以外のものをいう。
イ 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽けん引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)
つまり、道路交通法のひき逃げに関する条文の対象となる「車両等」には「軽車両」が含まれており、その「軽車両」の中に「自転車」が含まれていることから、先程挙げた道路交通法のひき逃げの条文は、自転車にも当てはまるということになるのです。
ひき逃げはあくまで自動車事故の問題だと思われがちですが、自転車でも人身事故を起こした場合、道路交通法上の義務が発生します。
昨今ではスポーツタイプなどのスピードの出る自転車も多く流通していますから、自転車による人身事故を気をつけることはもちろん、もしも事故を起こしてしまったら道路交通法上の義務を果たすよう気をつけましょう。
それでもパニックになってしまうなどしてひき逃げ行為をしてしまった場合、早めに弁護士に相談し、迅速に対応してもらいましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕されてしまった方にも在宅捜査を受けている方にも、まだ捜査はされていないがこれから刑事事件化が心配だという方にもお気軽にご相談いただけるサービスをご用意しています。
まずはお気軽にご相談ください。
自転車のひき逃げで逮捕されたら①
自転車のひき逃げで逮捕されたら①
自転車のひき逃げで逮捕されてしまったケースで、特に自転車による人身事故について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
京都府亀岡市に住んでいるAさんは、移動の際、スポーツタイプの電動アシスト付き自転車を利用していました。
ある日Aさんがその自転車に乗って移動している際、Aさんがよそ見運転をしていたことをきっかけに、通行人Vさんに衝突してしまいました。
Aさんは、「自転車に当たったくらい大丈夫だろう」と思い、「すみません」とだけ言ってその場を去りました。
しかし、Vさんは衝突によって骨折などの大怪我を負っており、後日、京都府亀岡警察署の捜査によってAさんは重過失傷害罪とひき逃げによる道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、自転車でもひき逃げになることに驚き、接見に訪れた弁護士に今後の対応や見通しについて相談することにしました。
(※令和3年1月25日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・自転車のひき逃げ事件〜重過失傷害罪
自動車によるひき逃げ事件は、たびたび報道などで目にすることも多いでしょう。
ですから、「ひき逃げと言えば自動車のことで自転車には関係ない」というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、自転車であってもひき逃げ事件になり、犯罪行為になることに注意が必要です。
とはいえ、自動車とひき逃げ事件と自転車のひき逃げ事件では成立する犯罪が異なる部分もあります。
まずはその異なる部分について確認してみましょう。
自動車のひき逃げ事件の場合、まずは人身事故を起こしたこと自体に過失運転致傷罪(場合によっては危険運転致傷罪)が成立します。
自動車運転処罰法第5条(過失運転致死傷罪)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
しかし、条文を見て分かる通り、過失運転致死傷罪は「自動車」を運転している際の事故について定めているのであり、ここに自転車は含まれていません。
では自転車のひき逃げ事件の場合どうなるのかというと、刑法の過失傷害罪や重過失傷害罪が適用されると考えられます(被害者が亡くなっている場合には過失致死罪や重過失致死罪になります。)。
刑法第209条(過失傷害罪)
第1項 過失により人を傷害した者は、30万円以下の罰金又は科料に処する。
第2項 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
刑法第210条(過失致死罪)
過失により人を死亡させた者は、50万円以下の罰金に処する。
刑法第211条(業務上過失致死傷罪、重過失致死傷罪)
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
過失とは、簡単にいえば故意ではなく不注意で、ということです。
例えば、今回のAさんのようなよそ見運転は、自転車を運転する上で注意を払って運転すべきところを注意を払わず運転してしまったということになりますから、Aさんの過失となるでしょう。
こうした過失によって人に怪我をさせてしまったり人を死なせてしまったりすれば過失傷害罪や過失致死罪、重過失傷害罪や重過失致死罪となるため、自転車による人身事故の場合はこれらの犯罪が該当すると考えられているのです。
では、単なる「過失」=過失傷害罪と「重大な過失」=重過失傷害罪の違いは一体なんなのでしょうか。
重過失傷害罪にいう「重大な過失」とは、僅かでも注意を払えばその結果を簡単に予見・回避できたであろうことを指します。
つまり、過失よりも著しく大きな注意義務違反(注意すべきところでしなかったこと)がある場合に「重大な過失」があると判断されるのです。
とはいえ、「何をすれば/していなければ過失で、何をすれば/していなければ重過失」と具体的に決められているわけではありません。
あくまでその事件当時の状況や当事者の認識など、事件ごとの事情を総合的に考えなければ過失なのか重過失なのか=過失傷害罪なのか重過失傷害罪なのかの判断はできません。
今回のAさんは重過失傷害罪の容疑で逮捕されていることから、著しい注意義務違反があり、それによってVさんとの衝突事故を起こしたと考えられているのでしょう。
その自転車事故で成立するのが過失傷害罪なのか重過失傷害罪なのかということによって、刑罰の重さが大きく異なることはもちろん、親告罪(被害者等の告訴がなければ起訴できない犯罪)なのかどうかといったことも変わってきます。
正式裁判の可能性の有無など、罪名によっては弁護活動にも違いが出てきますから、専門家の弁護士に詳しい事情を聞いてもらった上で判断してもらい、サポートを受けることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、自転車のひき逃げ事件などによる重過失傷害事件にも対応しています。
まずはお気軽にご相談ください。
次回の記事ではひき逃げによる道路交通法違反部分について解説します。
写真を送ってもらって児童ポルノ禁止法違反事件に
写真を送ってもらって児童ポルノ禁止法違反事件に
写真を送ってもらって児童ポルノ禁止法違反事件になったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
滋賀県に住む会社員のAさんは、京都市右京区に住んでいるという中学2年生の女児VさんとSNSを通じて連絡を取るようになりました。
VさんはAさんに好意を持っていたようで、Aさんに対して下着姿の自撮り写真を送るなどしていました。
Aさんは、「相手が自分から送ってくる分には問題ないだろう」と思い、Vさんから送られてくる画像を保存したり、好みのポーズを伝えてその写真を送ってもらったりしていました。
しかし、Vさんの両親がVさんの素行を怪しんでVさんと話した結果、AさんがVさんの下着姿や裸の写真を送ってもらっていたことが判明。
Vさんの両親が京都府右京警察署に相談したことをきっかけとして、Aさんは京都府右京警察署に児童ポルノ禁止法違反の容疑で話を聞かれることとなりました。
Aさんは、相手が同意して送ってきてくれたものなのに犯罪になるのか、住んでいる場所ではない警察署で話を聞かれるのか、と不安に思い、弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・相手の同意があっても児童ポルノ禁止法違反
児童ポルノ禁止法では、今回のAさんがVさんに送ってもらっていたような写真は児童ポルノとされます。
児童ポルノ禁止法第2条
第1項 この法律において「児童」とは、18歳に満たない者をいう。
第3項 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
第1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
第2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
第3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
VさんがAさんに送った画像は、中学3年生=18歳未満の「児童」(児童ポルノ禁止法第2条第1項)であるVさんの下着姿や裸の姿=「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」(児童ポルノ禁止法第2条第3項第3号)であると考えられるため、児童ポルノ禁止法の「児童ポルノ」であると考えられるのです。
児童ポルノ禁止法では、この児童ポルノについて以下のように規定しています。
自動ポルノ禁止法第7条
第1項 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
自己の性的好奇心を満たす目的で、第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。
第4項 前項に規定するもののほか、児童に第2条第3項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第2項と同様とする。
児童ポルノ禁止法では、児童ポルノを所持すること自体を禁止しており、その所持に児童ポルノに映っている児童自身の同意の有無については関係ありません。
ですから、たとえVさんが同意して送ってきたものであっても、その児童ポルノを保存し所持した時点でAさんは児童ポルノ所持による児童ポルノ禁止法違反となると考えられるのです。
さらに、今回のAさんはVさんに好みのポーズなどを伝えていたようですから、態様次第では、Vさんに指示して児童ポルノを作らせたとして児童ポルノ製造による児童ポルノ禁止法違反にも問われる可能性があります。
・住んでいる場所以外の警察署に呼ばれる?
今回のAさんのような、SNSやインターネットを通じて起こった児童ポルノ禁止法違反事件では、被害者の居住地が被疑者の居住地とは異なっているということが珍しくありません。
被害者が警察に相談して事件が発覚・捜査に至った場合、被害者の相談した警察署が事件を管轄することが多く、そうしたケースでは被疑者の居住地と離れた警察署に呼び出されたり、場合によってはその警察署に逮捕されたりすることも考えられます。
ですから、自身の居住地だけでなく、事件を管轄する警察署にも対応できる弁護士に相談することがより望ましいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、京都支部を含む全国13都市に事務所があります。
今回のAさんの事例のような児童ポルノ禁止法違反事件にも、各支部に所属する弁護士が連携して対応が可能です。
写真を送ってもらって児童ポルノ禁止法違反事件となってしまったとお困りの際は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。
覚醒剤取締法違反事件と執行猶予中の再犯
覚醒剤取締法違反事件と執行猶予中の再犯
覚醒剤取締法違反事件と執行猶予中の再犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
京都府木津川市に住むAさんは、2年ほど前に覚醒剤を使用したことで、覚醒剤取締法違反で逮捕・起訴され、京都地方裁判所で懲役1年6月執行猶予3年の有罪判決を受けました。
しかし、Aさんは執行猶予期間中に、再び覚醒剤を売人から購入し、使用してしまいました。
京都府木津警察署が覚醒剤の売人を摘発したことをきっかけとしてAさんにも捜査の手が伸び、Aさんは京都府木津警察署の警察官に、覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族はAさんと離れて暮らしていましたが、再びAさんが覚醒剤を使用して逮捕されたと知り、どうにかもう一度執行猶予を獲得して家族で再犯防止に取り組めないかと考え、刑事事件に強い弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・覚醒剤の使用と刑罰
多くの方がご存知の通り、覚醒剤を使用することは覚醒剤取締法違反となる犯罪行為です。
覚醒剤取締法では、その第19条に覚醒剤の使用禁止が定められています。
覚醒剤取締法第19条
次に掲げる場合のほかは、何人も、覚醒剤を使用してはならない。
第1号 覚醒剤製造業者が製造のため使用する場合
第2号 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者が施用する場合
第3号 覚醒剤研究者が研究のため使用する場合
第4号 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
第5号 法令に基づいてする行為につき使用する場合
覚醒剤取締法第41条の3第1項
次の各号の一に該当する者は、10年以下の懲役に処する。
第1号 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者
条文をみておわかりいただける通り、覚醒剤の使用については罰金のみの刑はありません。
すなわち、覚醒剤を使用した覚醒剤取締法違反で起訴された場合、必ず正式裁判を受けることになりますし、執行猶予がつかない有罪判決では必ず懲役刑が科される=刑務所に行くこととなります。
・執行猶予中の再犯と再度の執行猶予
執行猶予とは、刑を言い渡すにあたって、犯情により一定の期間その刑の執行を猶予し、猶予期間に犯罪を犯すことなく無事に経過したときは、刑罰権の消滅を認める=刑の免除を行うという制度のことをいいます。
執行猶予期間中何事もなく過ごすことができれば、言い渡された懲役刑等を受ける必要はなくなりますが、執行猶予期間中に犯罪を犯してしまった場合、執行猶予が取り消されいい渡されていた刑罰を受けることとなってしまいます。
執行猶予は、前科として禁錮以上の刑に処せられたことのない者や、もし禁錮以上の刑に処せられたことがあったとしてもその刑の執行終了や免除から5年以上を経ている者を主に対象としています。
執行猶予中の再犯者の場合は、言い渡される刑罰が1年以下の懲役又は禁錮である必要があります。
ですから、再度の全部執行猶予を目指す場合には、まずは言い渡される刑罰を減軽してもらうような事情や、「特に酌量すべき」情状、例えば本格的な薬物に対する治療などを主張してくことが考えられます。
刑法第25条
第1項 次に掲げる者が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
第1号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
第2号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
第2項 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。
ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。
ですが、執行猶予中の再犯で執行猶予を獲得することは非常に困難なことです。
一部執行猶予などの制度も考慮に入れながら、刑事事件の専門家である弁護士のサポートを受けつつ目指すことが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、覚醒剤取締法違反事件や執行猶予中の再犯にお困りの方のご相談をお待ちしています。
まずはお気軽にご相談ください。
治療費水増し請求による詐欺事件
治療費水増し請求による詐欺事件
治療費水増し請求による詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
Aさんは、京都市山科区で個人病院を経営しています。
Aさんは、患者の通院日数を実際よりも多く記載された診療報酬明細書(レセプト)を保険会社に提出して、実際よりも多い治療費を受け取る、いわゆる治療費の水増しをしていました。
しかし、保険会社の調査によりAさんの水増し請求行為が発覚。
保険会社は京都府山科警察署に被害を届け出て、京都府山科警察署が捜査を開始しました。
その後、Aさんは詐欺罪の容疑で京都府山科警察署に逮捕され、Aさんの逮捕を心配したAさんの家族は、京都府の詐欺事件に対応している弁護士に、Aさんの元に接見に行ってもらうことにしました。
(※令和3年1月19日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・治療費の水増し請求
治療費の水増し請求は、今回のAさんの事例のように病院や整骨院など、治療をする側の人が行うことによって実際の治療費よりも多い治療費を得る行為です。
そもそも、治療費は病院等で治療を受けた患者から全額を受け取るわけではありません。
患者が負担して病院等へ支払う分だけでなく、保険から病院等へ支払われる分があるのです。
患者が負担する分の治療費は、患者が病院等へ行った際に支払われることになるでしょう。
これに対し、保険が負担している分の治療費については、病院等が該当患者の診療内容等を診療報酬明細書(レセプト)に記載し、保険が負担する分の治療費を支払う機関に提出し、審査を受けることで病院側へ支払われます。
すなわち、この流れを悪用し、提出する診療報酬明細書(レセプト)に実際の診療内容よりも多い診療内容を記載し、本来受け取れる治療費よりも多い治療費を受け取るというのが、治療費の水増し請求の手口なのです。
・治療費の水増し請求は詐欺罪になる
治療費の水増し請求行為は、刑法の詐欺罪に当たると考えられます。
刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
詐欺罪の条文には、「人を欺いて」「財物を交付させ」るという詐欺罪が成立するための条件が定められています。
「人を欺」く行為は欺もう行為とも呼ばれ、ただ単に嘘をつくだけではなく、相手が財物を交付するかどうか判断する時に重要な事項について偽ることだとされています。
詐欺罪が成立するには、この欺もう行為によって相手が騙され、騙されたことで相手が財物を交付するという判断を下し、財物が交付されるという流れを辿ることになります。
なお、欺もう行為をした時点で詐欺罪の実行に着手したと判断され、詐欺未遂罪が成立するとされています。
今回のAさんの行ったような治療費の水増し請求行為は、診療報酬明細書(レセプト)に嘘の内容を書いて治療費を請求することになります。
治療費を支払う側としては、診療報酬明細書(レセプト)の内容が異なっているのであれば、当然その分の治療費を支払うことはありません。
ですから、Aさんは詐欺罪の「人を欺」く行為=欺もう行為をしていることになります。
今回の事例の場合、Aさんは保険会社から水増し請求した治療費をもらっていることから、「財物を交付させた」こととなり、詐欺罪が成立すると考えられるのです。
ここで、もしもAさんが水増しした内容の診療報酬明細書(レセプト)を提出したものの、保険会社の審査でその水増しが発覚したような場合も考えておきましょう。
先ほど触れたように、詐欺罪は欺もう行為をした時点で詐欺未遂罪が成立します。
確認したように、Aさんが水増しした内容の診療報酬明細書(レセプト)を提出して水増しされた治療費を請求する行為自体が欺もう行為に当たるため、たとえ保険会社の審査で水増し請求が発覚して治療費が支払われるところまでに至らなくても、詐欺未遂罪が成立すると考えられます。
治療費水増し請求による詐欺事件では、被害額が大きくなってしまうことや、余罪の詐欺事件が複数存在することも考えられます。
刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、そうした詐欺事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
被害者対応の円滑化や、複数ある事件の取り調べ対応のポイント把握など、弁護士のサポートを受けることで得られるメリットは大きいでしょう。
まずはお気軽にご相談ください。
監護者わいせつ事件で逮捕が不安
監護者わいせつ事件で逮捕が不安
監護者わいせつ事件で逮捕が不安である場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
会社員の男性Aさんは、妻のBさんと娘である中学3年生のVさんと京都府京田辺市で暮らしていました。
Aさんは、Vさんが成長するごとにVさんに性的興味を持つようになり、Vさんが抵抗しなかったことをいいことに、Vさんの体を触るなどしていました。
しかしある日、Vさんが通学している中学校でAさんからわいせつな行為をされていることを相談したことをきっかけに、Vさんは児童相談所に保護され、Aさんは京都府田辺警察署に監護者わいせつ罪の容疑で取り調べられることになりました。
Aさんは、自分がもしかしたら逮捕されるかもしれないと思うと今後どのように対応していくべきなのかわからなくなり、刑事事件を取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・監護者わいせつ罪
監護者わいせつ罪は、2017年に刑法が改正された際に新設された犯罪の1つです。
刑法第179条第1項(監護者わいせつ罪)
18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による。
監護者わいせつ罪の中にある「第176条」とは、刑法第176条に定のある強制わいせつ罪のことを指しています。
刑法第176条(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪は「13歳以上の者に対し」「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為」をするか、「13歳未満の者に対し」「わいせつな行為」をすることで成立する犯罪で、強制わいせつ罪となると「6月以上10年以下の懲役」に処されます。
これに対し、監護者わいせつ罪は、「18歳未満の者に対し」「その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為」をすることで成立し、「第176条(=強制わいせつ罪)の例による」=「6月以上10年以下の懲役」に処せられるということになります。
強制わいせつ罪が被害者に対して暴行又は脅迫を用いることを成立要件としているのに対し、監護者わいせつ罪は暴行又は脅迫を用いることを要件としておらず、監護者(被害者の親であることが多いです。)がその影響力に乗じてわいせつな行為をすることが成立要件となっています。
というのも、監護者わいせつ罪の被害者となるのは18歳未満で加害者に監護されている者ですから、精神的に未熟で、監護者との関係で精神的・経済的に依存していると考えられます。
そうした場合、被害者が全く抵抗できないとまでは言えなくとも、被害者の有効な同意に基づく行為であるとは考えにくいだろうという趣旨から監護者わいせつ罪が制定されたのです。
刑法改正前、監護者わいせつ罪が制定される前は、例えば親が子供に対してわいせつ行為をしたというケースでも暴行・脅迫が用いられていなければ強制わいせつ罪が適用されず、児童に淫交をさせたことよる児童福祉法違反(児童福祉法第34条第1項第6号、10年以下の懲役又は300万円以下の罰金)という強制わいせつ罪よりも軽い刑罰となる犯罪が適用されていました。
しかし、先ほど記載したように、暴行・脅迫がなくとも、監護者からわいせつな行為をされた場合、被害者となる18歳未満の者の有効な同意に基づく行為であるとは考えにくく、強制わいせつ罪と実質的に違法性の高さは変わらないということから監護者わいせつ罪ができたという経緯があるのです。
・監護者わいせつ罪で逮捕が不安なら
監護者わいせつ事件の場合、今回のAさんの事例のように被害者が同じ家庭内にいるというケースが多く、被害者との接触を避けるために逮捕・勾留による身体拘束をした上で捜査されることも珍しくありません。
今回の事例のAさんの監護者わいせつ事件はVさんが保護されていることもあるのか在宅捜査で進められているようですが、事件の性質上、途中から逮捕されてしまう可能性もないとは言えません。
監護者わいせつ事件に限らず、逮捕が不安である場合には早めに弁護士に相談・依頼しておくことが重要です。
そもそも逮捕されるリスクがどの程度あるのかは、刑事事件自体の種類・状況や被疑者となっている方の周囲の環境など、様々な事情を合わせて考えなければいけません。
そして、逮捕の可能性がある場合には、事前に弁護士から取調べへの対応方法や逮捕後の手続き、被疑者が持っている権利を聞いて把握しておくことで不安の軽減や嘘の自白をしてしまうリスクの軽減が期待できます。
だからこそ、早めに刑事事件の専門家である弁護士の話を聞いておくことが望ましいのです。
元々旧強姦罪という似た犯罪があった強制性交等罪とは異なり、監護者わいせつ罪は全く新しい犯罪として新設されたため、もしかするとまだ一般には周知されていない犯罪かもしれません。
しかし、監護者わいせつ罪は非常に重い犯罪であり、当事者となってしまった場合は早めの活動が求められます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、監護者わいせつ事件についても刑事事件専門の弁護士がご相談・ご依頼を受け付けています。
まずはお気軽に弊所弁護士までご相談ください。
職務質問から大麻所持が発覚したら
職務質問から大麻所持が発覚したら
職務質問から大麻所持が発覚したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市伏見区に住んでいるAさんは、以前から大麻を購入しては自分で吸引して使用していました。
ある日、Aさんは自宅近くで大麻の売人と落ち合うと、乾燥大麻を購入すると帰路につきました。
しかしその途中、パトロール中の京都府伏見警察署の警察官が運転するパトカーとすれ違い、Aさんはとっさに隠れて逃げようとしました。
その様子を不審であると感じた京都府伏見警察署の警察官はAさんを職務質問。
その中で、Aさんが持っていた乾燥大麻や吸引用のパイプが発見され、Aさんは大麻所持による大麻取締法違反の容疑で逮捕されることとなってしまいました。
Aさんの逮捕の知らせを受けたAさんの両親は、急いで京都市の逮捕に対応できる弁護士を探すと相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・大麻所持による大麻取締法違反
ご存知の方も多い通り、大麻は持っているだけで犯罪となる違法薬物です。
大麻取締法では、以下のように大麻の所持を禁止しています。
大麻取締法第24条の2
第1項 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。
注意すべき点としては、同じ大麻所持行為だったとしても、その大麻所持行為の目的の違いで刑罰の重さが異なるという点です。
例えば自分で大麻を使用する目的で大麻を所持していた場合には、大麻取締法第24条の2のうち、第1項に当てはまることになります(5年以下の懲役)。
それに対して、誰かに大麻を売る目的で大麻を所持していたような場合には、同条第2項に当てはまることになり、自己使用目的で大麻を所持していた場合よりも刑罰の上限が引き上げられ、さらに情状によっては懲役刑に加えて罰金も併科されることになります(7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金)。
どういった目的で大麻を所持していたのかは、所持していた大麻の量や関係者とのやり取りの履歴など、客観的な事情も考慮されて判断されますが、当事者の認識・内面の問題でもあるため、取調べでの供述も重要となります。
冤罪を避けるためにも、取調べの進捗や内容を弁護士とこまめに共有してアドバイスをもらいながら捜査に対応していくことが望ましいでしょう。
・職務質問から犯罪が発覚
さて、今回の事例では、職務質問から大麻取締法違反という犯罪が発覚し、逮捕に至っているようです。
職務質問とは、簡単にいえば、犯罪を予防するために警察官がその者を停止させて行われる質問のことです。
職務質問は、警察官職務執行法という法律に定められている行為です。
警察官職務執行法第2条第1項
警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。
この行為が一般に職務質問と呼ばれているのです。
職務質問は、ご存知の方もいるかもしれませんが、逮捕・勾留などの強制的に行われる捜査とは異なり、任意に行われる捜査です。
しかし、任意とはいえ、警察官職務執行法第2条第1項にあるように「停止させて」質問することができるのが職務質問であるため、職務質問を拒否したからといって職務質問をする警察官側が全く引き留めずに終了するとは限らないことに注意が必要です。
この「停止させ」る行為がどこまで許されるのかは、その事件の事情に照らし合わせて相当かどうかが判断されるため、少しでも疑問に思う部分があるのであれば、職務質問時の細かな事情まで弁護士に話して相談してみることがおすすめされます。
大麻取締法違反事件のような違法薬物事件の場合、今回の事例のように職務質問から発覚して逮捕に至る場合も少なくありません。
こうして突然刑事事件の当事者となってしまえば、薬物事件の手続きや見通し、捜査への対応の仕方への不安や職務質問への疑問が出てきてしまうことでしょう。
それらを解決するためにも、専門家である弁護士の意見を聞いてみることが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕された方向けの初回接見サービスをいつでも受け付けています(0120ー631ー881)。
まずはお気軽にお問い合わせください。
子どもの痴漢事件を弁護士に相談
子どもの痴漢事件を弁護士に相談
子どもの痴漢事件を弁護士に相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府八幡市に住んでいるBさんは、会社員である夫のCさんと高校生になる息子のBさんと3人で生活しています。
ある日、Bさんのもとに京都府八幡警察署の警察官から連絡があり、「Bさんが京都府八幡市内の駅で痴漢事件を起こしたということで京都府八幡警察署で取調べをしている。親御さんが迎えに来てくれるのであれば今日は家に帰ってもらう」と言われました。
Bさんはまさか自分の子どもが警察のお世話になるとは思ってもおらず、急いで京都府八幡警察署に向かったところ、Aさんと一緒に帰宅するよう伝えられました。
しかし、そこで警察官から「次回の取調べはまた連絡する」と伝えられ、さらにAさんとも事件について詳しく話すことができなかったBさんは今後の対応に不安を抱き、少年事件を取り扱う弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・子どもが痴漢事件を起こしてしまったら
今回のBさんのように、子どもが痴漢事件を起こしてしまい、突然警察署から連絡が来たというケースは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる少年事件のご相談の中でも少なくありません。
親御さんからしてみれば、突然子どもが事件を起こしたということで、混乱されることも多いです。
子どもが本当に痴漢事件を起こしたのか信じられない思いの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実際に子どもの立場からすれば、自分が犯罪にあたる行為をしてしまったことは親には言いづらいことです。
特に、今回のAさんが起こしてしまったとされる痴漢事件のような性犯罪の場合、多感な時期の少年が自分の性癖等に関わることを親に言うということはハードルが高いことです。
そのため、本当は痴漢行為をしてしまっているのに親だけには自分はやっていないと否認してしまったり、親と痴漢事件について詳しく話し合えなかったりするケースも存在します。
ですが、少年事件の終局処分は、少年の更生にどういった処分が適切かといった点を重視して決定されます。
少年自身や少年の周囲の家族が、起こしてしまった痴漢事件に向き合えていないと判断されれば、その環境のままでいることは少年の更生に適切ではないと判断されてしまう可能性が出てくるのです。
例えば、少年院送致などの施設に送致する処分によって、現在の環境から切り離して更生を目指す処分なども考えられるとなってくるのです。
社会内での更生を目指すのであれば、まずは家庭内や学校内での生活を整え、さらに少年自身の内省を深める、ご家族など周囲の方と事件に向き合って再犯防止のための策を考え構築する、といった活動が重要となってきます。
そういった活動をするためには、やはり少年自身と少年の周囲の方がきちんと事件自体に向き合い、なぜ少年事件を起こすに至ったか、少年事件を起こしてしまうことで被害者や周囲の人にどういった影響を与えてしまうのか、どうすれば繰り返さずに済むか等を考え話し合うことも重要なこととなります。
それでも、先ほど触れたように少年事件を起こしてしまった子ども自身からすると、家族に事件の話をすることのハードルは高いため、少年事件に対応している弁護士の力を借りることをおすすめします。
弁護士という第三者かつ専門家であれば、身内には言いづらいことも相談することができるため、家族には打ち明けづらいことがあっても弁護士には話せるというケースも少なくないのです。
例えば弊所では、痴漢事件などを含む少年事件では、お子さんと親御さんで部屋を分けて事情を聴きとるといった対応を取ることもあります。
少年事件に対応している弁護士であれば、当然少年事件の手続やそのポイントは熟知していますので、お話を聞いたうえで、少年自身へのアドバイスはもちろん、それに基づいた家族へのアドバイス、環境づくりのご提案をしていくことが期待できるのです。
もちろん、疑いをかけられた痴漢事件が冤罪である場合にも、弁護士のサポートを受けることがおすすめされます。
少年事件であっても、成人の刑事事件同様、捜査機関による取調べは行われます。
まだ未熟な部分もある少年が1人で臨むには、不安も大きいことでしょう。
弁護士へ相談することで、取調べへの対応の仕方や注意点などを事前にアドバイスしてもらうことができますから、不本意な自白をしてしまうリスクや不安の軽減に期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、「子どもが痴漢事件を起こしてしまった」「少年事件の対応に不安を感じている」という方のご相談も受け付けています。
在宅事件の場合は初回無料で法律相談をご利用いただけるため、お気軽にご相談いただけます。
京都府の少年事件や痴漢事件にお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
転売目的で万引きしてしまった
転売目的で万引きしてしまった
転売目的で万引きをしてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市左京区に住むAさんは、近所のドラッグストアで化粧品を万引きしてはそれを転売することを繰り返していました。
ある日、Aさんはいつものように近所にあるドラッグストアで化粧品約1万円分を万引きしたのですが、万引きの被害を受けてAさんをマークしていた警備員に犯行を目撃されて逮捕されると、京都府下鴨警察署の警察官に引き渡されました。
その後の京都府下鴨警察署の捜査によって、Aさんが転売目的で万引きを行っていたということや余罪も多くあることが判明しました。
Aさんの逮捕の知らせを受けたAさんの夫は、万引き事件にも多く対応している弁護士に相談したいと思い、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・転売目的で万引きしてしまった
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部に寄せられるご相談の中でも、「万引きをしてしまった」「万引き事件を起こして捜査されている」という内容のご相談は多く見られます。
その万引きの理由としても、「自分が欲しかった・使いたかった」というもの以外に、今回のAさんの事例のように転売を目的としたものも少なくありません。
特に、漫画本や化粧品、電化製品などを万引きし、リサイクルショップやネットオークション、フリマアプリなどを利用して転売する、という手口が多いようです。
このような転売目的の万引きは、悪質性が高いと判断され重い処分になりやすいといわれています。
これには、転売という目的があって万引きをしているために計画性のある犯行であると判断されやすい、さらに万引きしたものを転売することによって喪失し利益を得ているため悪質性が高いと判断されやすいなどの理由があるようです。
それでも、「単なる万引きなのだから大したことにはならないのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、万引きという言葉に置き換えられソフトに聞こえるかもしれませんが、万引きという行為は窃盗罪という犯罪です。
刑法第235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となっており、懲役刑、つまり刑務所に行くという刑罰も規定されていることが分かります。
たとえ万引きの初犯であったとしても、被害額やその手口などによっては、正式裁判になったり懲役刑になることはありうる話なのです。
ですから、「単なる万引きだから」と軽く考えず、早めに弁護士に相談し、専門家の意見を聞いてみることをおすすめします。
・転売目的の万引きから窃盗罪以外も成立?
ここまで見てきたとおり、万引き行為には窃盗罪が成立しますが、今回のAさんの事例のようにすでに万引きしたものを転売したことのある場合、さらに気を付けなければいけないことがあります。
それが、転売先に対する詐欺罪が成立する可能性があるということです。
刑法第246条第1項(詐欺罪)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
詐欺罪は、簡単に言えば人を騙して財物を引き渡させることで成立する犯罪です。
万引きした物を転売する際、多くの場合はフリマアプリを通じて転売したり、リサイクルショップ等で転売したりするケースが見られます。
しかし、リサイクルショップ等では、万引きなどの窃盗行為の被害品等でないことを確認した上で買い取りを行うことが多いです。
その際、万引きした物をそうでないと偽って転売すると、店側に「万引きの被害品ではない」と偽って代金を渡させる=「人を欺いて財物を交付させ」る行為であると判断され、詐欺罪に該当する場合があるのです。
これはリサイクルショップでの転売に限ったことではなく、万引きしたものの転売にはこうした詐欺罪の成立といったおそれがあるため、注意が必要なのです。
詐欺罪は、窃盗罪とは異なり、罰金刑の規定がありません。
つまり、起訴されれば必ず公開の法廷に立つことになり、有罪となれば執行猶予がつかなければ刑務所に行くことになるということです。
転売目的の万引き事件から、このような重大な結果に結びついてしまうこともあるのです。
そのため、やはり万引き事件だからと甘く考えず、弁護士に相談することが望ましいと考えられるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、万引き事件や転売に関連する詐欺事件のご相談・ご依頼も多く受け付けています。
京都府の万引き事件や転売に関連した刑事事件にお困りの際は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。
初詣で礼拝所不敬罪
初詣で礼拝所不敬罪
初詣で礼拝所不敬罪になったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、京都府城陽市にある神社に初詣に行った際、SNS等で有名になりたいという一心から、神社の神様が祭られている祠に足をかけてポーズを取って写真を撮ったり、祭祀を執り行っている最中に動画を撮影しながら大声で自分の名前や神社をからかう言葉を叫んで邪魔をしたりしました。
神社からの通報によって京都府城陽警察署の警察官が駆け付け、Aさんは礼拝所不敬罪の容疑で逮捕されてしまいました。
聞きなれない犯罪名の容疑でAさんが逮捕されたことを知ったAさんの家族は、京都府の刑事事件を取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・礼拝所不敬罪とは
もうすぐ年越しということもあり、今後お寺や神社に初詣へ行くという方も少なくないでしょう。
しかし、そういった場所で気を付けなければいけない犯罪があります。
それが礼拝所不敬罪という犯罪です。
礼拝所不敬罪という犯罪は、なかなか聞きなれない犯罪かもしれません。
この犯罪は、刑法に定められている犯罪です。
刑法第188条(礼拝所不敬罪)
神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、6月以下の懲役若しくは禁錮又は10万円以下の罰金に処する。
礼拝所不敬罪の「神祠」とは、文字通り神を祭る祠のことを指します。
そして、「仏堂」とは仏像を安置して礼拝供養する場所(例えばお寺の本堂など)を、「墓所」はお墓のように遺体や遺骨を埋葬する場所を指します。
加えて、「その他の礼拝所」とは、宗教を問わず一般人が宗教的崇敬を捧げる場所をいうとされています。
つまり、礼拝所不敬罪で保護されているのは、神道や仏教だけでなく、キリスト教やイスラム教など様々な宗教・信仰を含んだものなのです。
礼拝所不敬罪の客体は、罪名に「礼拝所」と名前が付いていることから建造物に限定されていると思われがちですが、条文には「建造物」と定義されているわけではないため、建物でなくともよいと考えられています。
例えば、沖縄県にある「ひめゆりの塔」や和歌山県にある「那智の滝」も礼拝所不敬罪の「その他礼拝所」にあたると考えられています。
なお、寺や神社であれば必ずしも「神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所」に当たるわけではありません。
礼拝所不敬罪はあくまで神様や仏様等を祭る場所を保護しているものであるため、例えば事務作業のみをしている社務所等は礼拝所不敬罪の「神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所」には当たらないと考えられています。
さて、こうした「神祠、仏堂、墓所その他の礼拝所」に「公然と不敬な行為」をすることで礼拝所不敬罪が成立しますが、「公然と不敬な行為」とはどのような行為なのでしょうか。
「公然と」とは、同じ刑法の公然わいせつ罪などでも使われているように、不特定又は多数の人が認識し得る状態のことを指します。
このとき、実際に行為を目撃した人がいなくとも、不特定又は多数の人が認識し得る状態であればこの「公然と」に当てはまるとされています。
現実問題として、目撃者がいなければ刑事事件化するきっかけがなく刑事事件化しないまま終わるケースも多いですが、例えば防犯カメラ等に犯行の様子が映っていたような場合には、目撃者がいなくとも刑事事件化する可能性は否定できません。
そして、「不敬な行為」とは、宗教的崇敬を捧げられるべき対象物の尊厳を害するに足りる行為を広く含むと考えられています。
例えば、墓石を倒す・壊す、ご神体に落書きをするなどは礼拝所不敬罪の「不敬な行為」と言えるでしょう。
今回の事例のAさんを考えてみましょう。
Aさんは、神社の神様の祭られている祠に足をかけるなどしており、これは「神祠」に「不敬な行為」をしていると考えられます。
さらに、Aさんは祭祀の際に大声を出して妨害しているようですから、これも「神祠」や「その他礼拝所」に「不敬な行為」をしていると捉えられる可能性があります(別途教務妨害罪に問われる可能性もあります。)。
そして、Aさんはこれらを初詣の際に行っていますから、他の初詣客がいる状況=不特定又は多数の人が認識し得る状況=「公然と」行ったと考えられます。
こうしたことから、今回のAさんには礼拝所不敬罪が成立すると考えられるのです。
Aさんのような行為は、少し調子に乗っただけ、と思われるかもしれませんが、礼拝所不敬罪という立派な犯罪の成立する行為です。
こうした行為は慎むことが当然ですが、もしも礼拝所不敬罪に当たる行為をしてしまったら、まずは弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件を専門に取扱う弁護士事務所です。
聞きなれない犯罪に対する不安にも丁寧に対応いたしますので、まずはご相談ください。
