覚醒剤取締法違反事件と執行猶予中の再犯

2021-02-04

覚醒剤取締法違反事件と執行猶予中の再犯

覚醒剤取締法違反事件執行猶予中の再犯について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

〜事例〜

京都府木津川市に住むAさんは、2年ほど前に覚醒剤を使用したことで、覚醒剤取締法違反で逮捕・起訴され、京都地方裁判所で懲役1年6月執行猶予3年の有罪判決を受けました。
しかし、Aさんは執行猶予期間中に、再び覚醒剤を売人から購入し、使用してしまいました。
京都府木津警察署覚醒剤の売人を摘発したことをきっかけとしてAさんにも捜査の手が伸び、Aさんは京都府木津警察署の警察官に、覚醒剤取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族はAさんと離れて暮らしていましたが、再びAさんが覚醒剤を使用して逮捕されたと知り、どうにかもう一度執行猶予を獲得して家族で再犯防止に取り組めないかと考え、刑事事件に強い弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・覚醒剤の使用と刑罰

多くの方がご存知の通り、覚醒剤を使用することは覚醒剤取締法違反となる犯罪行為です。
覚醒剤取締法では、その第19条に覚醒剤の使用禁止が定められています。

覚醒剤取締法第19条
次に掲げる場合のほかは、何人も、覚醒剤を使用してはならない。
第1号 覚醒剤製造業者が製造のため使用する場合
第2号 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者が施用する場合
第3号 覚醒剤研究者が研究のため使用する場合
第4号 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
第5号 法令に基づいてする行為につき使用する場合

覚醒剤取締法第41条の3第1項
次の各号の一に該当する者は、10年以下の懲役に処する。
第1号 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者

条文をみておわかりいただける通り、覚醒剤の使用については罰金のみの刑はありません。
すなわち、覚醒剤を使用した覚醒剤取締法違反で起訴された場合、必ず正式裁判を受けることになりますし、執行猶予がつかない有罪判決では必ず懲役刑が科される=刑務所に行くこととなります。

・執行猶予中の再犯と再度の執行猶予

執行猶予とは、刑を言い渡すにあたって、犯情により一定の期間その刑の執行を猶予し、猶予期間に犯罪を犯すことなく無事に経過したときは、刑罰権の消滅を認める=刑の免除を行うという制度のことをいいます。
執行猶予期間中何事もなく過ごすことができれば、言い渡された懲役刑等を受ける必要はなくなりますが、執行猶予期間中に犯罪を犯してしまった場合、執行猶予が取り消されいい渡されていた刑罰を受けることとなってしまいます。

執行猶予は、前科として禁錮以上の刑に処せられたことのない者や、もし禁錮以上の刑に処せられたことがあったとしてもその刑の執行終了や免除から5年以上を経ている者を主に対象としています。
執行猶予中の再犯者の場合は、言い渡される刑罰が1年以下の懲役又は禁錮である必要があります。
ですから、再度の全部執行猶予を目指す場合には、まずは言い渡される刑罰を減軽してもらうような事情や、「特に酌量すべき」情状、例えば本格的な薬物に対する治療などを主張してくことが考えられます。

刑法第25条
第1項 次に掲げる者が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
第1号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
第2号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
第2項 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。
ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

ですが、執行猶予中の再犯で執行猶予を獲得することは非常に困難なことです。
一部執行猶予などの制度も考慮に入れながら、刑事事件の専門家である弁護士のサポートを受けつつ目指すことが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、覚醒剤取締法違反事件執行猶予中の再犯にお困りの方のご相談をお待ちしています。
まずはお気軽にご相談ください。