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京都市上京区のストーカー事件で逮捕

2019-05-16

京都市上京区のストーカー事件で逮捕

Aさんは,京都市上京区内に住むVさんの自宅に押し掛け,自分と会うように要求する内容の手紙をVさん宅のポストに入れるといった行為を繰り返していました。
Vさんが京都府上京警察署に通報し,Aさんは京都府上京警察署の警察官にストーカー規制法違反の容疑で逮捕されました。
Aさんの家族は,まさか自分の家族がストーカー事件を起こして逮捕されるとは思わず,刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

~ストーカー規制法違反~

ストーカー行為等の規制等に関する法律ストーカー規制法)上のストーカー行為を行った場合,1年以下の懲役または100万円以下の罰金刑が科せられます(ストーカー行為規制法18条)。

ストーカー行為」(ストーカー規制法2条3項)とは,同一の者に対し,好意等によりつきまとい等を反復してすることとされています。
つまり,①「つきまとい等」を②同一人物に反復しておこなえば,ストーカー行為となります。
このうち①「つきまとい等」とは,(a)好意や怨恨目的で,(b)特定の人やその関係者に,(c)(一部の行為については不安を感じさせる方法で)つきまといや電話,メールなどをすることとされています(ストーカー規制法2条)。

次に,②反復性は,行為全体をみて判断されます。
つまり,具体的に何回以上当該行為を行えば反復性があるということではなく,つきまとい1回,待ち伏せ1回でも,全体をみて反復していたと判断されることがあります。
こうしたことから,Aさんの行為は,ストーカー行為に当たる可能性が高いです。

なお,好意等ではなく嫌がらせ等の目的でつきまとい行為をしていた場合には,ストーカー規制法違反ではなく,各都道府県に定められている迷惑防止条例違反として捜査される可能性があります。

ストーカー規制法違反事件では,被害者へのストーカー行為をしていることから,逮捕によって身体拘束されて捜査をされるケースも多く見られます。
逮捕されてしまったり勾留されてしまったりという場合には,弁護士は早期釈放と,最終的な処分の軽減のために動きます。
なるべく早く弁護士に依頼し,被害者に対して被害弁償を行うことや示談交渉をすることが重要なポイントとなります。
被害者と示談が成立し,被害者が処罰を望んでいないというところまで持っていけば,早期釈放や不起訴処分へとつながりやすくなります。
示談ができれば,起訴されたとしても,正式な裁判をせずに罰金を支払うだけで刑事処分が終了する略式裁判となる可能性もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,釈放を目指した活動や示談交渉など,刑事事件の様々な活動を一貫して迅速に行います。
京都・滋賀の刑事事件にお困りの際は,弊所の弁護士までご相談ください。
(お問い合わせ:0120-631-881

滋賀県近江八幡市で逮捕

2019-05-15

滋賀県近江八幡市で逮捕

滋賀県近江八幡市内の高校に通うAさんは、近くにあるV大学の後期試験を控えて勉強に追われる日々を送っていました。
しかし試験日も近づいてきたある日、勉強漬けの日々に嫌気がさして、かといって単位を失うのも嫌だったことから、「試験をどうにかして延期、あるいは中止にしたい」と考えました。
そこでAさんはあるインターネット上の掲示板で、「V大学の××号教室に爆弾をしかけた」と投稿しました。
Aさんの目論見通りに試験は延期になり、大学は封鎖されて警察による捜索が行われました。
Aさんは本気で爆弾をしかけようとは思っていなかったため、爆弾は見つかりませんでしたが、後日突然、滋賀県近江八幡警察署から捜査員が自宅に来て、Aさんは「威力業務妨害罪」の容疑で逮捕されてしまいました。
(事例はフィクションです)

~威力業務妨害罪(刑法第234条)~

Aさんにかけられた犯罪容疑である「威力業務妨害罪」について解説します。
業務を妨害する犯罪には、刑法第233条後段の「偽計業務妨害罪」および234条の「威力業務妨害罪」、刑法第95条の「公務執行妨害罪」がありますが、今回は前二者を取り上げます。

【業務とは】
この法律で保護される業務とは、「職業その他社会生活上の地位に基づき反復継続して行う事務または事業」を指します。
会社やその他社会的団体によって行われる事業は保護対象になりますが、家族によって行われる日常的な家庭生活や一回的な式典(例えば、結婚式など)は含まれません。

【偽計とは】
第233条後段の「偽計」というのは、「人を欺罔し(だますこと)、または人の不知、錯誤を利用する」ことをいいます。
実際に裁判において認められた事例としては、障害物を海底に沈めることにより魚網を破壊する行為(漁業者に対する妨害)、虚偽の電話注文により配達をさせる行為(宅配業者あるいは生産業者に対する妨害)、他人のキャッシュカードの暗証番号を盗撮するために銀行出張所のATMを一般客のふりをして長時間占拠する(銀行に対する妨害)などがあります。

【威力とは】
234条にいう「威力」とは、「人の自由意志を制圧するに足る勢力の使用」のことを指します。
一見しただけでは判然としませんが、例えば暴行や脅迫、地位や集団の勢力などを利用することを意味します。
実際に裁判において認められた事例としては、デパートで生きた蛇をまき散らす、株主総会の議場で怒号する、猫の死骸を机の引き出しに入れておいて被害者に発見させるなど人に対して威力を加える類型と、貨車の扉を開くことにより石炭を落下させる行為やイルカを捕獲している網のロープを切断するというように、物に働きかけた結果として人の意思を制圧する、そういった行為でも威力に当たるとされています。

~「威力」と「偽計」~

Aさんの行為は、誰にでも閲覧可能なインターネット上の掲示板に爆発物をしかけると書き込みしたことから、間接的ではありますが、脅迫的言動を用いて大学の試験業務を妨害したことになります。
嘘の書き込みであることから、人を欺罔した場合の「偽計」なのではないかと考える余地もありますが、嘘の脅迫的書き込みにより大学関係者の試験を行う意思を制圧していることから、「威力」であるともいえます。
「偽計」と「威力」の区別に関しては定義から考えても区別があいまいなところがありますが、行為の態様あるいは結果が公然・誇示的・可視的であれば「威力」、逆に非公然・隠密的・不可視的であれば偽計という区別が支持されています。
この区別に則れば、インターネット上の爆破予告は「威力」を用いた業務妨害といえるでしょう。

滋賀県京都府刑事事件を起こしてしまった方、滋賀県近江八幡警察署逮捕されてしまった方、そのご家族・ご友人の方はぜひ「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」所属の刑事専門弁護士初回無料相談をぜひご利用ください。
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不倫発覚から刑事事件~ほう助犯

2019-05-14

不倫発覚から刑事事件~ほう助犯

~前回からの流れ~
京都府向日市に住んでいるAさんは、ある日、夫のBさんと知人であるVさんが不倫していることを知りました。
Aさんは怒り心頭となって、Vさんを自宅に呼び出すと、「今回のことを許してほしいと思うなら払えるだけ慰謝料を支払え。そうでなければVさんの職場にでも近所にでも不倫のことをばらまいてそれ相応の代償を払ってもらうから」と言い放ちました。
Vさんが「今は手持ちのお金がない」と言ったところ、Aさんは「では車でATMまで連れて行くからそこでお金をおろして支払え」と言い、Vさんを車に乗せると近くのATMまで連れていき、そこでVさんに預金を引き出させ、慰謝料として300万円を支払わせました。
Aさんの夫であるBさんは、一連の出来事の最中ずっとAさんのそばにいましたが、Aさんの剣幕を見て、特に止めることもせずに黙ってみていました。
その後、Vさんが京都府向日町警察署に相談したことから、Aさんは恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そして、Bさんも恐喝罪監禁罪ほう助の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

・ほう助犯

前回までの記事では、Aさんを中心に恐喝・監禁事件を検討してきました。
今回の記事では、Bさんについて考えていきます。
Bさんは、恐喝罪と監禁罪のほう助犯として警察か取調べを受けていますが、そもそも「ほう助犯」とはどういったことを指すのでしょうか。

刑法62条
正犯を幇助した者は、従犯とする。

いわゆるほう助犯は、刑法62条のこの条文に当てはまる人のことを指します。
「幇助」は「ほうじょ」と読み、その意味は、(犯罪行為を)実行することを容易にする行為を言います。
つまり、ほう助犯と言われた場合、ある犯罪をする人を手助けして、その犯罪行為の実行を容易にした、という疑いが欠けられていることになります。
このほう助犯ほう助という行為については、物理的方法でも精神的方法でも構わないとされています。
物理的な方法でいえば、殺人をしようという人に対して凶器を渡すようなことが考えられます。
対して精神的な方法でいえば、犯罪をしようとする人に対して激励をするようなことが考えられます(なお、激励などによって犯罪をする意思を促進したり強固にしたりした場合にはほう助犯ということになりますが、犯罪をするつもりのない人に新たに犯罪をする意思を生じさせた場合にはほう助犯ではなく「教唆犯」となります。)。

ここで今回のBさんを考えてみましょう。
Bさんは、AさんのVさんに対する恐喝罪と監禁罪のほう助犯の容疑をかけられているようですが、Bさん自身はAさんに加勢したり、何か道具を準備したりということはしていないようです。
黙って見ていただけのBさんにも、ほう助犯は成立する可能性があるのでしょうか。

ほう助犯は、先ほど確認したように、正犯(犯罪を実行する本人)の犯罪実行行為を容易にすれば成立します。
今回のBさんの場合、Aさんの行為を止めずに黙って見ていることによってAさんが恐喝行為や監禁行為をすることを容易にしていると捉えることができます。
そのため、Bさんに恐喝罪と監禁罪のほう助犯が成立する可能性が出てくるのです。
このように、「何もしない」ということをすることでほう助と判断される可能性があることに注意が必要です。

ほう助犯となった場合、正犯の受ける可能性のある刑罰よりも軽い範囲で刑罰を受けることになります(刑法63条)。

・Bさんの注意点

今回のBさんは、ほう助犯として取調べを受けることになっていますが、ここで注意すべき点があります。
それは、もしも取調べで自分の認識と違う発言をしてしまったり、そういった認識なく誘導に乗ってしまったりした場合、不当に重い犯罪の容疑をかけられてしまう可能性があるということです。

先ほど触れたように、ほう助犯は正犯よりも受ける可能性のある刑罰が軽くなります。
しかし、ほう助犯ではなく共犯(ここでいう「共犯」とは、単に一緒に犯罪に関わったという意味の「共犯」ではなく、犯行の共謀をしたり実行を一緒にしたりといった「共犯」を指します。)であるとされてしまえば、犯行を実行した正犯と同じ範囲で刑罰を科される可能性が出てくるのです。
そうなれば、本来受けるべき刑罰よりも不当に重い刑罰を受けてしまう可能性が出てきてしまうのです。
例えば、実はAさんと共謀して恐喝行為や監禁行為をしていたのではないか、Aさんの恐喝・監禁行為にもっと積極的に加担していたのではないか、と疑われ、取調べでも聞かれるかもしれません。
そうした際、自分の思う主張の通りに供述を行えなければ、知らず知らずの間に冤罪をかけられてしまうかもしれないのです。

これは恐喝・監禁事件に限らず、刑事事件全般に言えることです。
だからこそ、ほう助犯などの容疑をかけられてしまったら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門弁護士までご相談ください。
取調べの対応の仕方から被害者の方への対応まで、刑事事件を専門に扱う弁護士が一貫してサポートを行います。
お問い合わせは0120-631-881までお電話ください。
京都府向日町警察署までの初回接見費用:3万7,200円)

不倫発覚から刑事事件~監禁罪

2019-05-13

不倫発覚から刑事事件~監禁罪

~前回からの流れ~
京都府向日市に住んでいるAさんは、ある日、夫のBさんと知人であるVさんが不倫していることを知りました。
Aさんは怒り心頭となって、Vさんを自宅に呼び出すと、「今回のことを許してほしいと思うなら払えるだけ慰謝料を支払え。そうでなければVさんの職場にでも近所にでも不倫のことをばらまいてそれ相応の代償を払ってもらうから」と言い放ちました。
Vさんが「今は手持ちのお金がない」と言ったところ、Aさんは「では車でATMまで連れて行くからそこでお金をおろして支払え」と言い、Vさんを車に乗せると近くのATMまで連れていき、そこでVさんに預金を引き出させ、慰謝料として300万円を支払わせました。
Aさんの夫であるBさんは、一連の出来事の最中ずっとAさんのそばにいましたが、Aさんの剣幕を見て、特に止めることもせずに黙ってみていました。
その後、Vさんが京都府向日町警察署に相談したことから、Aさんは恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そして、Bさんも恐喝罪監禁罪のほう助の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

・監禁罪

前回までの2つの記事では、Aさんにかかっている容疑の1つである恐喝罪という犯罪に着目しました。
今回の記事では、Aさんにかかっているもう1つの容疑である監禁罪という犯罪に注目していきます。

監禁罪は、刑法220条に規定されている犯罪です。

刑法220条(逮捕・監禁罪)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

逮捕・監禁罪は、被害者の行動の自由を奪う行為をする犯罪であり、人の身体・行動の自由を守るための規定であると言えます。
このうち、今回注目する監禁罪は、この刑法220条の後段部分、「不法に人を」「監禁」することで成立します。
監禁罪に言う「監禁」とは、一般に、人の身体を場所的に拘束し、その行動の自由を奪うことを言います。
つまり、ある場所からその人が脱出することを不可能もしくは著しく困難にすることによって「監禁」したと言えるのです。

今回のAさんは、この監禁罪に問われていますが、事例の中で「監禁」という単語に結びつくシチュエーションがなかなか分かりづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、監禁罪の言う「監禁」とは、部屋や建物の中への監禁だけに限りません。
たとえ脱出の方法があったとしても、社会通念上人が脱出するのに困難を感じるような方法で行動の自由を奪っていれば、監禁罪の「監禁」になります。
例えば、過去の事案には、自動車を疾走させて脱出困難としたことに監禁罪を認めた事案(最決昭和30.9.29)や、走る原付バイクから降りられないようにしたことを監禁罪と認めた事案(最決昭和38年4月18日)などがあります。
これらを考えた上でAさんの事案を見てみると、Aさんは不倫の慰謝料を支払わせるために、Vさんを車に乗せてATMまで連れて行っています。
車に乗せられて発進されてしまえば、車がどこかに停車しない限り、車内から脱出することは一般的に困難と言えるでしょう。
こうしたことから、Aさんには、Vさんを車内に監禁したという監禁罪が成立しうるということなのです。

なお、監禁罪の成立には、一般に被害者が「自分は監禁されている」と認識していなくてもよいと考えられています。
冒頭で触れたように、監禁罪は行動の自由を保護するための規定であると考えられているため、「自由に行動できない」という状況がある以上、被害者の現実的な認識は不要であると考えられているのです。

・恐喝罪と監禁罪

今回のAさんは、恐喝罪監禁罪の容疑をかけられていますが、仮にこの2つの犯罪が成立するとすれば、どれほどの刑罰を受ける可能性があるのでしょうか。
過去の事案では、恐喝罪監禁罪併合罪の関係にあるとされました(最判平成17年4月14日)。
併合罪とは、同一人物が起こした確定裁判を経ていない2つ以上の犯罪を処理する時の考え方です。
併合罪となった場合には、以下の刑法の規定にのっとって法定刑が決められます。

刑法47条
併合罪のうちの2個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とする。
ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。

今回の恐喝罪監禁罪の場合であれば、最も重い刑は恐喝罪の「10年以下の懲役」であるため、その2分の1を加え、「15年以下の懲役」が恐喝罪監禁罪が併合罪となった場合に受ける可能性のある刑罰の範囲となるのです。

恐喝罪監禁罪は、どちらも懲役刑のみの規定という、非常に重い犯罪です。
態様や被害状況によっては刑事裁判となる可能性も高い犯罪ですから、すぐにでも弁護士に相談し、より早く弁護活動やその準備にとりかかってもらうことがおすすめされます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、いつでも専門スタッフに繋がるフリーダイヤルをご用意しています(0120-631-881)。
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不倫発覚から刑事事件~恐喝罪②

2019-05-12

不倫発覚から刑事事件~恐喝罪②

~前回からの流れ~
京都府向日市に住んでいるAさんは、ある日、夫のBさんと知人であるVさんが不倫していることを知りました。
Aさんは怒り心頭となって、Vさんを自宅に呼び出すと、「今回のことを許してほしいと思うなら払えるだけ慰謝料を支払え。そうでなければVさんの職場にでも近所にでも不倫のことをばらまいてそれ相応の代償を払ってもらうから」と言い放ちました。
Vさんが「今は手持ちのお金がない」と言ったところ、Aさんは「では車でATMまで連れて行くからそこでお金をおろして支払え」と言い、Vさんを車に乗せると近くのATMまで連れていき、そこでVさんに預金を引き出させ、慰謝料として300万円を支払わせました。
Aさんの夫であるBさんは、一連の出来事の最中ずっとAさんのそばにいましたが、Aさんの剣幕を見て、特に止めることもせずに黙ってみていました。
その後、Vさんが京都府向日町警察署に相談したことから、Aさんは恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そして、Bさんも恐喝罪監禁罪のほう助の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

・不倫相手への慰謝料請求で恐喝罪?

前回の記事では、恐喝罪という犯罪について詳しく検討しました。
今回の記事では、Aさんが恐喝罪にあたるのかどうかについて考えていきます。

さて、今回のAさんですが、夫Bさんの不倫相手であるVさんに対し、慰謝料を請求しています。
ここで、「不倫相手に対して慰謝料を請求することは正当なことなのではないのか」とも思えます。
確かに、実際に不倫の事実があった場合には、不倫相手に対して慰謝料を請求できる場合があります。
しかし、問題はその請求等のやり方です。

過去の事案では、借金の取り立てについて恐喝罪の成否が争われたものがあります。
貸したお金を返してもらうことや、その催促をすることは正当な行為であるといえるでしょう。
しかし、その事案では、たとえ権利行使の手段として行った恐喝行為であったとしても、その権利の範囲内を超えた行為であったり、その権利行使の方法が社会通念上一般に認容すべきものと認められるべき程度を超えているような場合には、恐喝罪が成立するとされました(最判昭和30.10.14)。
つまり、不倫の慰謝料を請求するという正当な権利があったとしても、その方法次第では恐喝罪になってしまうおそれがあるのです。

今回のAさんの言動を具体的に見てみましょう。
Aさんは、「不倫を許されたければ慰謝料を払え。さもなくば職場や近所に不倫の事実を広める」という旨をVさんに伝えています。
職場や近所に不倫の事実を広められるということは、Vさんにとって自身の社会的評価を下げる可能性のあること=害を加えられることであるといえます。
ですから、Aさんは害悪の告知=脅迫という手段を用いてVさんに慰謝料=財物を要求していることになり、恐喝行為をしていることになります。
そしてAさんは、その脅し文句に基づき、Vさんから慰謝料として300万円を受け取っています。
不倫の事実を広めることを脅し文句に慰謝料を請求することは、社会通念上一般に認容すべきものとは言い難いでしょうから、Aさんには恐喝罪が成立する可能性が高いと考えられるのです。

京都府滋賀県刑事事件にお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください。
不倫のトラブルが絡んだ刑事事件では、その性質上、なかなか他人には相談しづらいでしょう。
しかし、弁護士が相手であれば、相談内容が漏洩する心配もありませんし、専門知識に基づいて見通しやアドバイスをもらうことができます。
まずはお気軽にご相談ください。
京都府向日警察署までの初回接見費用:3万7,200円)

不倫発覚から刑事事件~恐喝罪①

2019-05-11

不倫発覚から刑事事件~恐喝罪①

京都府向日市に住んでいるAさんは、ある日、夫のBさんと知人であるVさんが不倫していることを知りました。
Aさんは怒り心頭となって、Vさんを自宅に呼び出すと、「今回のことを許してほしいと思うなら払えるだけ慰謝料を支払え。そうでなければVさんの職場にでも近所にでも不倫のことをばらまいてそれ相応の代償を払ってもらうから」と言い放ちました。
Vさんが「今は手持ちのお金がない」と言ったところ、Aさんは「では車でATMまで連れて行くからそこでお金をおろして支払え」と言い、Vさんを車に乗せると近くのATMまで連れていき、そこでVさんに預金を引き出させ、慰謝料として300万円を支払わせました。
Aさんの夫であるBさんは、一連の出来事の最中ずっとAさんのそばにいましたが、Aさんの剣幕を見て、特に止めることもせずに黙ってみていました。
その後、Vさんが京都府向日町警察署に相談したことから、Aさんは恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そして、Bさんも恐喝罪監禁罪のほう助の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

上記事例のように、不倫発覚からトラブルとなり、それが刑事事件となってしまった、というケースもまま見られます。
今回の記事から複数回、恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまったAさんと、ほう助犯として取調べを受けているBさんのケースについて取り上げていきます。

・恐喝罪

まず、Aさんが容疑をかけられている犯罪の1つである恐喝罪について詳しく見ていきましょう。

刑法249条(恐喝罪)
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

刑法を見てみると、恐喝罪については以上のように規定されています。
文面だけ見れば非常に短く単純なものではあるのですが、では具体的にどういったことが「恐喝」に当たるのかどうかということは、専門知識がなければ検討することは難しいです。
だからこそ、恐喝罪に限らず、犯罪の容疑をかけられた際には専門知識を有する弁護士に相談することが望ましいのですが、以下では簡単に恐喝罪の内容を説明します。

恐喝罪のいう「恐喝」とは、脅迫または暴行を用いて相手を畏怖させ、財物の交付を要求することを言います。
脅迫は害悪の告知(害悪を加えることの告知)、暴行は有形力の行使を言います。
この時、脅迫または暴行の程度が相手の犯行を抑圧しない程度であることが求められます(もしも相手の犯行を抑圧するほどの脅迫または暴行であった時には、恐喝罪ではなく強盗罪が成立することになります。)。
例えば、ナイフなどの凶器を手にして相手を脅迫し金銭を要求したような場合には、相手はそれに対して反抗することはできないと考えられますから、恐喝罪ではなく強盗罪が成立すると考えられます。

そして、恐喝して「財物を交付させた」とは、先述の恐喝行為によって畏怖した相手が処分行為をすることで、その財物の支配(占有)を得ることを言います。
つまり、恐喝罪が成立するには、恐喝行為と交付行為の間に因果関係がなければならないことになります。
例えば、恐喝行為を受けたものの、被害者が全く畏怖しておらず、逆に恐喝をしてきた者を憐れんで金銭を渡してやった、という場合には、恐喝行為と財物の受け渡しの間に因果関係がないことになりますから、恐喝罪は成立せず、恐喝未遂罪が成立するにとどまることになります。

なお、恐喝行為をしたものの、財物の交付まで達成されなかった場合には、恐喝未遂罪となります。
恐喝未遂罪となった場合には、「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる」という刑法43条の規定により、恐喝罪が成立した時よりも刑罰が減軽される可能性があります。

では、今回のAさんはこの恐喝罪にあたるのでしょうか。
次回の記事で詳しく当てはめていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、恐喝事件の取り扱いももちろん行っています。
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爆破予告で威力業務妨害事件

2019-05-10

爆破予告で威力業務妨害事件

Aさんは、京都市東山区にある商業施設に電話し、「商業施設内に爆弾をしかけた。今日の昼12時に爆破する」と爆破予告の電話をかけました。
商業施設は爆破予告を受け、京都府東山警察署に通報しました。
そして、商業施設の従業員や利用客を避難させ、爆発物の探索等が行われましたが、商業施設から爆発物は見つかりませんでした。
捜査の結果、爆破予告をしたのがAさんであることが判明し、Aさんは京都府東山警察署威力業務妨害罪の容疑で逮捕されることとなりました。
(※令和元年5月8日産経新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・威力業務妨害罪

Aさんは、商業施設に爆破予告をしたことから、威力業務妨害罪の容疑で逮捕されています。
威力業務妨害罪は、刑法234条に規定されている犯罪です。

刑法234条(威力業務妨害罪)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

この「前条」とは、刑法233条の偽計業務妨害罪のことを指しています。

刑法233嬢(偽計業務妨害罪)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

つまり、「威力を用いて人の業務を妨害」して威力業務妨害罪となれば、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられるということになります。

威力業務妨害罪の「威力」とは、「犯人の威勢、人数及び四囲の状勢からみて、被害者の自由意思を制圧するにたりる勢力」を指すと言われています(最判昭和28.1.30)。
威力業務妨害罪と先ほど挙げた偽計業務妨害罪との違いとしては、威力業務妨害罪で用いられる「威力」が相手の意思を制圧してしまうものであるのに対し、偽計業務妨害罪で用いられる「偽計」は相手の錯誤(勘違い)を誘発するものであるという部分が挙げられます。
なお、どちらの場合においても、これらの犯罪が成立するには現実に相手が抑圧されたり錯誤に陥ったりされる必要はないとされています。

そして、威力業務妨害罪が保護している「人の業務」とは、人が社会的地位に基づいておこなう職業やその他継続して従事することを必要とする仕事を言います。
仕事や業務という言葉があるものの、「人の業務」は経済的な収入を得る目的のものでなくともよいとされています。
威力を用いてこの「人の業務」を妨害した者が威力業務妨害罪となるのですが、威力業務妨害罪の成立には、実際に業務が妨害されたという事実は不要であり、業務が妨害される危険が発生すればよいと考えられています。

・Aさんの威力業務妨害事件

今回のAさんの威力業務妨害事件を検討してみましょう。
Aさんは商業施設に爆破予告をしています。
爆破予告があったことで、商業施設としては利用客や従業員の安全のために、商業施設を通常通り営業することはできなくなりました。
今回のケースでは、爆破予告をすることで商業施設側の自由意思を制圧していると考えることができますから、たとえ実際に爆発物を仕掛けていなかったとしても、「威力」を用いていると考えることができます。
そして、爆破予告によって商業施設は通常営業をすることができなくなっていますから、「業務を妨害した」とも言えるでしょう(先ほど触れた通り、もしも商業施設が実際に営業を取りやめるといったことをしなくても、営業を妨げる危険が認められれば「業務を妨害した」と認められます。)。
以上のことから、Aさんには商業施設に対する威力業務妨害罪が成立すると考えられます。

加えて、今回のような場合には、商業施設に対する威力業務妨害罪だけでなく、警察に対する威力業務妨害罪が成立する可能性もあります。
爆破予告があったと通報があれば、警察は出動して警戒を強化する、爆発物の捜索をする等の対応をしなければなりません。
通常警察官が行っている仕事も業務妨害罪の「人の業務」ですから、爆破予告によって警戒を強化させることで本来の「業務」を滞らせた場合には、警察に対する威力業務妨害罪も成立する可能性があるのです。

爆破予告による威力業務妨害事件は度々報道される刑事事件ではありますが、このように、被害者が複数生じてしまうこともあります。
また、今回のAさんのように、複数の企業がテナントとして入っている商業施設などを対象として威力業務妨害事件を起こしてしまった場合には、示談交渉等を行う際にも交渉や検討が複雑化する可能性もあります。
だからこそ、威力業務妨害事件でお困りの際は、刑事事件に強い弁護士のフォローを受けることがおすすめです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、専門スタッフが24時間いつでも、相談者様に合ったサービスのご案内を受け付けています。
爆破予告等による威力業務妨害事件にお困りの際は、0120-631-881までお電話ください。
京都府東山警察署までの初回接見費用:3万4,100円)

淫行で滋賀県青少年健全育成条例違反②

2019-05-09

淫行で滋賀県青少年健全育成条例違反②

~前回からの流れ~
京都市に住んでいるAさんは、三重県に住んでいる女子高生Vさん(16歳)とスマートフォンアプリを通じて知り合い、滋賀県甲賀市のホテルで会うことになりました。
AさんはVさんが16歳の女子高生であると知っていましたが、性交渉をすることを打診し、Vさんが了承したため、2人はホテルで性交渉をしました。
しかし、ホテルから2人で出てきたところを、巡回していた滋賀県甲賀警察署の警察官に職務質問され、AさんとVさんの関係が露見しました。
Aさんは滋賀県甲賀警察署に任意同行され、その後、滋賀県青少年健全育成条例違反淫行)の容疑で逮捕されるに至りました。
Aさんの家族が依頼した刑事事件に強い弁護士は、すぐに逮捕されたAさんのもとに向かい、事件内容の把握をするとともに、取調べで注意すべき点を説明しました。
(※この事例はフィクションです。)

・淫行事件での取調べ

前回の記事では、Aさんが滋賀県青少年健全育成条例違反淫行)にあたるということを取り上げました。
上記事例では、Aさんは接見に訪れた弁護士から取調べで注意すべき点を説明されているようですが、淫行事件の取調べにおいて気を付けなければならないことはあるのでしょうか。

淫行事件に限らず、刑事事件を起こして逮捕されてしまった場合、取調べで何を供述するのか(又は供述しないのか)ということは非常に重要な点の一つです。
取調べで供述した内容から調書が作成され、裁判となった際にはその調書が証拠として使われる可能性があります。
この際、後から「やっぱり供述した内容は事実と異なる」と言っても、覆すことは簡単ではありません。
争いたいと思った事実があっても、取調べでの対応次第では意図しない形で争わないことになってしまっていたり、逆に認めているのに事実を争っているように捉えられてしまったりという可能性が出てきてしまうのです。
ですから、淫行事件を含む刑事事件では、取調べでどういった対応をするのかということが重要なのです。

この点を踏まえて淫行事件について考えてみましょう。
淫行をしてしまって取調べを受けるという際、青少年健全育成条例違反以外にも、容疑をかけられる可能性のある犯罪があります。
それが児童買春防止法違反という犯罪です。
児童買春は、18歳未満の児童に対価を供与したり、供与する約束をしたりして性交等をすること等を指します。
各都道府県で定められている青少年健全育成条例の対象となる「青少年」も18歳未満ですから、児童買春防止法の対象とする「児童」と重なることになります。
青少年健全育成条例違反は青少年に淫行をするだけで成立します。
対して、児童買春をしたと認められるには、児童に対価の供与やその約束をして性交等をする必要があります。
つまり、18歳未満の者と性交等をした場合に、対価の供与やその約束があったかどうかによって、淫行として青少年健全育成条例違反になるのか、児童買春防止法違反となるのかが分かれてくるのです。
では、淫行事件となるのか児童買春事件となるのかで何が変わってくるのでしょうか。

児童買春防止法4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

こちらの条文を見ていただければお分かりいただけるように、児童買春をしたことによる刑罰は5年以下の懲役又は300万円以下の罰金と非常に重いものです。
前回取り上げた滋賀県青少年健全育成条例違反淫行)の法定刑が1年以下の懲役又は100万円以下の罰金であることからも、その重さがよく分かります。
不当に重い刑罰を受けることを避けるためにも、淫行をしてしまった場合には、その事実をきちんと主張していく必要があるのです。
しかし、淫行事件なのか児童買春事件なのかを見極めるために、取調べでも対価の供与やその約束がなかったかどうかといった点は詳しく聞かれていくことが予想されます。
取調べに不慣れな被疑者は1人でその対応をしなければなりません。
あいまいに答えてしまったり、捜査員への印象を気にして定かでない部分についても認めてしまったりということで、後々不利になってしまう可能性もあります。
だからこそ、取調べに臨む際には、注意すべき点やその対応の仕方を専門家から詳しく聞いておく必要があるのです。

ですが、一般の方が逮捕されてしまった方に面会することは非常に難しく、さらに逮捕された被疑者自身も、取調べ前に何かで対応を調べて臨む、ということはできません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、そうした状況にもスピーディーに対応すべく、弁護士による初回接見サービスをご用意しています。
初回接見サービスでは、お申込みから24時間以内刑事事件専門の弁護士が逮捕された方のもとへ向かい、接見(面会)、依頼者様へご報告いたします。
弁護士から直接アドバイスを聞けるため、取調べへの不安の解消にもつながります。
お申込み・お問い合わせは0120-631-88124時間いつでも受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。
滋賀県甲賀警察署までの初回接見費用:4万3,100円)

淫行で滋賀県青少年健全育成条例違反①

2019-05-08

淫行で滋賀県青少年健全育成条例違反①

京都市に住んでいるAさんは、三重県に住んでいる女子高生Vさん(16歳)とスマートフォンアプリを通じて知り合い、滋賀県甲賀市のホテルで会うことになりました。
AさんはVさんが16歳の女子高生であると知っていましたが、性交渉をすることを打診し、Vさんが了承したため、2人はホテルで性交渉をしました。
しかし、ホテルから2人で出てきたところを、巡回していた滋賀県甲賀警察署の警察官に職務質問され、AさんとVさんの関係が露見しました。
Aさんは滋賀県甲賀警察署に任意同行され、その後、滋賀県青少年健全育成条例違反淫行)の容疑で逮捕されるに至りました。
Aさんの家族が依頼した刑事事件に強い弁護士は、すぐに逮捕されたAさんのもとに向かい、事件内容の把握をするとともに、取調べで注意すべき点を説明しました。
(※この事例はフィクションです。)

・青少年健全育成条例違反(淫行)

今回のAさんは、16歳のVさんと知り合い、性交渉をしています。
こうしたケースでまず疑われるのが、各都道府県で規定されている青少年健全育成条例の中の、いわゆる淫行条例に当たることです。
各都道府県では、青少年(多くの都道府県で18歳未満の者と定義されています)の健全な成長を保護するために、青少年健全育成条例と呼ばれる条例を定めています。
滋賀県では、滋賀県青少年の健全育成に関する条例という条例が定められています。
この青少年健全育成条例の中では、青少年に淫行することを禁止する規定が定められていることが多く、その条文を指して淫行条例などと呼ばれたりもします。
滋賀県の場合、その24条に規定があり、罰則は27条1項に規定されています。

滋賀県青少年の健全育成に関する条例24条1項
何人も、青少年に対していん行またはわいせつな行為をしてはならない。

同条例27条1項
第24条第1項の規定に違反した者は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

Aさんについて考えてみると、滋賀県青少年健全育成条例では、「青少年」のことを、6歳以上18歳未満の者(同条例10条より)としているため、16歳であるVさんは「青少年」であると言えます。
Aさんはそれを知りながらVさんと性交渉をしていますから、青少年に対して淫行又はわいせつな行為をしたとして、滋賀県青少年健全育成条例違反となりうるのです。

・どこの条例違反になる?

ここで注意すべきなのは、先ほど触れたように、青少年健全育成条例は各都道府県で定められているものであり、その内容は都道府県ごとに異なっているということです。
つまり、どの都道府県の青少年健全育成条例が適用されるかによって罰則の重さが変わったり、どの条文のどの部分に当たるかが異なったりする可能性が出てくるため、どの都道府県の青少年健全育成条例が適用されるのかということを分かっておくことは重要なのです。

例えば今回、Aさんの居住地は京都市、Vさんの居住地は三重県、2人が性行為をしたのは滋賀県甲賀市となっています。
青少年を保護する条例であるのだから、Vさんの居住地である三重県の条例が適用されるのではないか、Aさんが違反したのだからAさんの居住地である京都府の条例ではないか、と考える方もいるかもしれませんが、事例の通り、今回の場合には行為地である滋賀県の条例が適用されます。
今回の淫行事件のような、各都道府県の条例が問題となるような刑事事件では、原則として行為地(事件地)の都道府県の条例が適用されます。
ですから、もし今回、職務質問によって淫行が発覚せずに、後程Vさんが補導される、Vさんが被害届を出す、といった形で三重県の警察に今回の淫行が発覚するという形になったとしても、適用される条例は滋賀県青少年健全育成条例ということになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、全国に13支部を展開する刑事事件専門の法律事務所です。
全国展開をしている刑事事件に強い法律事務所だからこそ、各都道府県の青少年健全育成条例違反事件にも対応が可能です。
淫行事件にお悩みの際は、まずはお気軽に弊所弁護士までご相談ください。
(お問い合わせ:0120-631-881

次回の記事では、今回のケースで弁護士がつくことによるメリットを中心に取り上げます。

盗撮事件を家族に隠したい(京都府宇治市)

2019-05-07

盗撮事件を家族に隠したい(京都府宇治市)

~京都府宇治市に住んでいるAさんの相談~
先日、私は京都府宇治市にある駅の構内で、利用客の女性のスカートの中をスマートフォンで盗撮してしまいました。
すると、その様子を見ていた駅員に声をかけられ、京都府宇治警察署に通報されました。
京都府宇治警察署では簡単に話を聞かれ、後日また取調べに呼ばれることになりました。
私は結婚しており、妻もいるのですが、今回の盗撮事件のことを知られてしまえば家庭が崩壊してしまうのではないかと心配しています。
どうして盗撮などということをしてしまったのかと、自分でも深く反省しているところなのですが、どうにか家族に盗撮事件を知られずに解決することのできる可能性はないでしょうか。
(※この相談例はフィクションです。)

・駅での盗撮

駅での盗撮行為は、多くの都道府県において、いわゆる「迷惑防止条例」に違反することになります。
京都府では、「京都府迷惑行為防止条例」に盗撮行為についての条文が規定されています。

京都府迷惑行為防止条例3条2項
何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、前項に規定する方法(※注:同条例3条1項「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」)で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
1号 みだりに、着衣で覆われている他人の下着等を撮影すること。

駅は不特定又は多数の人が出入り・利用する場所であると言えますから、「公共の場所」です。
そこで他人の下着を盗撮することは、この条文に違反することになるのです。
京都府迷惑行為防止条例では、この条文に違反した場合には1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(常習として行っていた場合には2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)に処せられることになっています(同条例10条2項、4項)。

・家族に知られたくない

さて、上記事例のAさんは、盗撮事件を起こして京都府宇治警察署で取調べを受け、後日さらに呼び出しを受ける予定でいますが、盗撮事件が家族に露見することによって家庭内の不和が起こることを心配しているようです。
弊所に寄せられるご相談の中にも、盗撮事件等の刑事事件の被疑者となってしまったということを家族に知られたくないというご相談も散見されます。

盗撮事件等の刑事事件が家族に知られてしまうケースとして多いのは、被疑者として逮捕されてしまうケースが挙げられます。
事例のAさんは逮捕されることなく帰宅を許されているようですが、もしも現行犯逮捕等されてしまった場合には、警察から家族に逮捕の連絡がいってしまったり、帰宅しないことを心配した家族が問い合わせたりした結果、盗撮事件等の刑事事件を起こしてしまったことが露見する、ということが考えられます。
ですから、家族に刑事事件を知られたくない場合には、まずは弁護士を通じて逃亡や証拠隠滅のおそれのないことを主張し、逮捕のリスクを減らす活動を行うことが考えられます。

そして、起訴されて正式な裁判を受けることになれば、公開の法廷に立つことになりますし、今後の監督について家族の方に証人として出廷してもらいお話ししてもらうということも考えられますから、刑事事件について話をしなくてはならない可能性が非常に高まります。
それを回避するためには、不起訴処分の獲得を目指したり、略式罰金手続きの利用による事件の終息を図ったりということが考えられます。
そのためには、自身でできる再犯防止策を計画・実行したり、被害者の方がいれば被害者の方への対応を行い、これらの処分が適切であると主張していくことが考えられますが、それには専門知識に基づいたスピーディーな対応が必要となりますから、やはり弁護士のサポートが重要と言えるでしょう。

もちろん、家族に起こしてしまった刑事事件について包み隠さずお話をすることで得られるサポートも大きく、そうした家族のサポートを主張することで有利な結果を求めていくこともあります。
どういった方針で行くべきなのか、メリット・デメリットはどういったものなのか、刑事事件の内容やご本人・ご家族の環境それぞれによって異なります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、盗撮事件等の刑事事件を起こしてしまったが家族に知られたくない、といったご相談も多く受け付けております。
ご相談内容が外に漏れる心配もないということも、弁護士に相談するメリットの一つです。
まずは初回無料相談のご予約から、0120-631-881までお問い合わせください。

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