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窃盗罪と住居侵入罪
窃盗罪と住居侵入罪
窃盗罪と住居侵入罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市山科区に住むAは近所に住むVが出かけているのに家の鍵が開いていることに気が付きました。
お金に困っていたAは、Vの家に空き巣に入ることに決め、Vの家に侵入し、現金約10万円と腕時計など数点を盗みました。
帰宅したVが部屋を見ると、明らかに荒らされており、Vはすぐに京都府山科警察署に連絡しました。
周囲の防犯カメラの映像や部屋に残された指紋や靴跡などからAの犯行であることが特定され、Aは、窃盗罪と住居侵入罪の疑いで逮捕されることになってしまいました。
Aが逮捕されてしまったと聞いたAの両親は窃盗罪と住居侵入罪という2つの罪を犯してしまったAがどうなってしまうのか不安になり、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです)
~窃盗罪と住居侵入罪~
今回のAは、窃盗罪と住居侵入罪という二つの罪に該当する行為をしています。
このような場合、どのような範囲で処罰されることになってしまうのでしょうか。
まずは、住居侵入罪と窃盗罪の条文を確認してみましょう。
刑法第130条 住居侵入罪
「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」
刑法第235条 窃盗罪
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」
単純に考えると二つの罪に規定されている罰則を足してしまうという方法が思いつくかもしれません。
しかし、それでは不当に重い刑罰となってしまう可能性が高まってしまいます。
そこで、刑法では二つ以上の罪にあたる場合についていくつかの規定をおいています。
~牽連犯~
二つの罪名にあたる行為のうち、今回の事例の窃盗罪と住所侵入罪のような関係となるような場合は牽連犯と呼ばれます。
牽連犯は刑法第54条に規定されています。
刑法第54条
「一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。」
上記条文の前段にある「一個の行為が二個以上の罪名に触れ」る場合を観念的競合といい、後段に規定されている「犯罪の手段又は結果である行為」を牽連犯といいます。
そして、この観念的競合や牽連犯だとされる場合については、複数ある罪名のうち、「最も重い刑により処断する」とされています。
今回の事例である侵入等事件の場合、窃盗罪の手段として住居侵入罪をしていますので、牽連犯の代表的な態様であるといえます。
そして、こうした場合の処断刑の範囲は住居侵入罪と窃盗罪を比べたときに重い罪である窃盗罪の「10年以下の懲役又は50万以下の罰金」の範囲で処断されることになります。
このように、法律の規定自体は条文を見ればわかるかもしれませんが、実際の事例においてどのように運用されていくのかについては、刑事事件に強い弁護士の見解を聞いたほうがよいでしょう。
なお、二つ以上の罪についての規定は、このほかにも併合罪などがありますので、詳しくは刑事事件に強い弁護士の見解を聞くようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスを行っています。
初回無料での対応となる法律相談、逮捕されている方のもとへ弁護士を派遣する初回接見サービスのご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間体制で専門スタッフが受付を行っています。
京都市山科区の窃盗罪・住居侵入罪やその他刑事事件でお困りの方がおられましたらまずはお気軽にお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
自宅出産後の死体遺棄事件で逮捕されたら
自宅出産後の死体遺棄事件で逮捕されたら
自宅出産後の死体遺棄事件で逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府京丹後市に住むAさんは、妊娠していることを誰にも言い出せず、そうこうしているうちに自宅で出産してしまいました。
しかし、産まれてきた赤ちゃんはすでに亡くなっており、どうしてよいか分からなくなったAさんは、自宅に赤ちゃんの遺体を隠してしまいました。
Aさんの様子がおかしいとAさんの自宅を訪ねてきたAさんの知人が隠されていた赤ちゃんの遺体を発見し、京都府京丹後警察署に通報。
Aさんは死体遺棄事件の被疑者として逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんの状況を知ると驚き、Aさんの手助けができないかと刑事事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※令和3年4月24日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)
・自宅出産後の死体遺棄事件
妊娠していた女性が自宅や外出先などの病院以外で出産してしまい、赤ちゃんやその遺体を遺棄してしまうという痛ましい事件は、度々報道されているところです。
こうしたケースでは、まず今回の事例のAさんの逮捕容疑でもある死体遺棄罪の容疑で捜査が行われることが多いでしょう。
刑法第190条(死体損壊等)
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。
刑法第190条では、今回問題となっている死体遺棄罪のみでなく、死体損壊罪なども定められており、1つの条文で複数の犯罪が規定されています。
このうち、死体遺棄罪は「死体」「を」「遺棄」することで成立する犯罪となります。
死体遺棄罪の定義で一般の方に伝わり辛いのは「遺棄」という部分でしょう。
一般に「遺棄」というと捨てることであるというイメージが強いでしょう。
ですが、死体遺棄罪の「遺棄」は捨てることだけを意味しているのではありません。
死体遺棄罪の「遺棄」とは、人間の遺体を葬儀に絡む社会通念や法規に沿わない状態で放置することを指します。
つまり、「死体をどこかへ捨てる」といった行為はもちろん、社会通念に沿ったきちんとした埋葬をせずに放置するだけでも死体遺棄罪の「遺棄」行為になります。
ですから、例えば死体を勝手に山に埋めたというケースでは、埋めた本人の認識では死体を埋葬したものであったとしても、それが社会通念上・法規上の埋葬に当たらないのであれば、死体遺棄罪の「遺棄」行為をしたことになるのです。
今回のAさんは、赤ちゃんの死体を自宅に隠しているだけで、どこかへ捨てているというわけではありません。
しかし、死体を自宅に隠すということは、社会通念や法規に沿わない状態で放置している状態=死体遺棄罪の「遺棄」行為をしているということになります。
そのため、Aさんには死体遺棄罪が成立すると考えられるのです。
・出産後の死体遺棄事件と弁護活動
今回のAさんのような、出産した赤ちゃんの死体を遺棄してしまったという死体遺棄事件では、死体遺棄罪の刑罰が重いことも影響し、逮捕・勾留によって身体拘束が行われた上で捜査されることも多いです。
出産した赤ちゃんの死体遺棄行為をしてしまった被疑者本人は、精神的なショックを抱えていることも多く、細やかなサポートが必要ですが、逮捕・勾留されていればご家族に会うことも難しいです。
だからこそ、弁護士を通じて伝言のやり取りをする、取調べへの対応や被疑者の権利を把握しておくといったことが重要となります。
早い段階から弁護士を通じて被疑者本人と意思疎通を図ることが大切でしょう。
また、こうした出産に絡む死体遺棄事件では、赤ちゃんが生まれてきてから亡くなったという場合、殺人罪の容疑がかかる可能性もあります。
そうした場合、取調べが厳しくなることも考えられますし、殺人罪で起訴されれば裁判も裁判員裁判という特殊な形態となります。
当然有罪となった場合に予想される刑罰も重くなります(殺人罪(刑法第199条)の法定刑は「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」)。
死体遺棄罪だけでなく、他の犯罪の容疑がかかることも見据えて早め早めの対策が必要なのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、出産後の死体遺棄事件などの刑事事件を専門とする法律事務所です。
出産の絡む死体遺棄事件では、被疑者本人のサポートはもちろん、その後同じことが起こらないように周囲の方と協力して環境を整えることも重要です。
刑事事件の専門家である弁護士の力を借りながら、刑事事件への対応と同時に、その環境調整についても進めていくことがおすすめです。
まずは遠慮なく弊所弁護士までご相談ください。

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就活生へのリクルーターによるストーカー事件
就活生へのリクルーターによるストーカー事件
就活生へのリクルーターによるストーカー事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市伏見区にある会社Xに勤務するAさんは、就活生と連絡を取るリクルーターとして働いていました。
就活生であるVさんの担当になったAさんは、採用活動の一環として何度もVさんとの会食の場を設けたりメールを送っていました。
Vさんと会ううちにVさんに好意を寄せるようになったAさんは、Vさんに好意をもっていることをほのめかすようになったため、次第にVさんがAさんの行為を拒絶する姿勢を見せるようになりました。
しかし、Aさんはこれも仕事だからとしつこくVさんとの接触を図りました。
恐怖を感じたVさんが京都府伏見警察署に相談したことをきっかけにして、Aさんはストーカー規制法違反の容疑で話を聞かれることとなってしまいました。
(※この事例はフィクションです)
・つきまとい行為とストーカー規制法
Aさんは、リクルーターとして何度もVさんと会食したり連絡をとって接触を図っています。
リクルーターとしての仕事を考えれば、連絡を頻繁にするなどの行為がただちに処罰対象となるような行為とはいえません。
しかし、その具体的な内容などによってはつきまとい行為やストーカー行為として、各都道府県に定められている迷惑防止条例違反やストーカー規制法などによって処罰対象となる可能性があります。
今回のAさんは、ストーカー規制法違反の容疑で話しを聞かれるようですから、まずはストーカー規制法について確認してみましょう。
ストーカー規制法は、正式には「ストーカー行為等の規制等に関する法律」という名前の法律です。
名前の通り、ストーカー行為等を規制することで、個人の身体や自由および名誉に対する危害の発生の防止や、国民の生活の安全と平穏に資することを目的としている法律です。
ストーカー規制法第3条
何人も、つきまとい等をして,その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはならない。
このストーカー規制法第3条に反してつきまとい等を反復してストーカー行為をした場合の法定刑は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(ストーカー規制法第18条)です。
なお、ストーカー規制法が規定している「つきまとい等」はストーカー規制法第2条によって以下のように定義されています。
ストーカー規制法第2条第1項
この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
第1号 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
第2号 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
第3号 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
第4号 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
第5号 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。
第6号 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
第7号 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
第8号 その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。
ストーカー規制法で禁止されているストーカー行為とは、同一の者に対し上記のつきまとい等を反復してすることをいいます。
今回の事例のAさんは、Vさんに好意をもってVさんに繰り返し連絡を取ろうとしているため、Aさんの行為がつきまとい行為としてストーカー規制法違反に当たる可能性があります。
・つきまとい行為と迷惑防止条例
もしAさんの行為がストーカー規制法違反に当たらなかったとしても、京都府では迷惑防止条例でつきまとい行為を禁止していますので、迷惑防止条例違反として処罰対象となってしまう可能性があります。
京都府の迷惑防止条例で禁止されているつきまとい行為は、大まかに説明するとストーカー規制法での「つきまとい行為」や「ストーカー行為」の定義から恋愛感情を満たすためといった動機を除いた形で定義されています(京都府迷惑防止条例第6条)。
よって、AさんがたとえVさんに対して恋愛感情や好意をもっていなくとも、Aさんが会食の場を設けたりメールを送信することを繰り返した行為が度を越えているものであると判断された場合には、迷惑防止条例違反となる可能性もあるのです。
なお、AさんがVさんに対して暴行や脅迫を用いて面会を強要したような場合には、刑法の強要罪(刑法第223条)に当たる可能性もあります。
最近では就活生に対するハラスメント行為が問題視され社会的な関心が高まっていることから,従来では見逃されていた行為もハラスメントや犯罪に当たるとして警察等から勧告を受けたり処罰の対象となる場合があります。
Aさんのリクルーターという仕事柄、就活生に連絡を取ったり接触を図ったりすること自体は問題のない行為ですが、度を越してしまえば犯罪となりえます。
ただし、犯罪行為としての故意がなかったり、正当業務行為として正当化できる場合も十分に考えられますので、まずは刑事事件に強い弁護士に一度相談することをおすすめします。
つきまとい行為やストーカー行為を行ったとしてストーカー規制法違反や迷惑防止条例違反の被疑者となってしまいお困りの際は、お早めに、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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薬機法の定める「医薬品」とは?
薬機法の定める「医薬品」とは?
薬機法の定める「医薬品」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市左京区に住んでいるAさんは、インターネット上に自身のECショップを開設していました。
Aさんは、そこで海外から輸入したサプリメントや薬を販売していました。
するとある日、京都府下鴨警察署の警察官がAさんのもとにやってきて、Aさんは無許可販売による薬機法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、「海外で使われているサプリメントや薬なのだから販売しても問題ないはずなのではないか」と薬機法違反で逮捕された理由が分からずにいます。
そこでAさんは、Aさんの逮捕を知って家族が接見を依頼した弁護士に会うと、自身の逮捕容疑である薬機法違反について詳しく話を聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・薬機法の「医薬品」とは
前回の記事では、薬機法の「医薬品」の販売には許可や承認が必要であり、それらを得ずに「医薬品」を販売すると薬機法違反という犯罪になることを取り上げました。
では、そもそも薬機法のいう「医薬品」に当てはまるものとしてどういったものがあるのでしょうか。
今回の記事で詳しく確認していきましょう。
まず、薬機法では、「医薬品」を以下のように定義づけています。
薬機法第2条第1項
この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物をいう。
第1号 日本薬局方に収められている物
第2号 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)及びこれを記録した記録媒体をいう。以下同じ。)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)
第3号 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)
ここで、「医薬品」の定義の中に、「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物」(薬機法第2条第1項第2号)や「人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物」(薬機法第2条第1項第3号)といった言葉が含まれていることから、目的が何であるかということも「医薬品」の定義に関わっていることが分かります。
そのため、医薬品的な効能や効果を標ぼうしてしまうと、その物に医薬品的な目的を持たせてしまうことになります。
「標ぼう」とは、その物の販売に関連して行われるすべての説明のことを指します。
この「標ぼう」には、その物の容器や包装に表示してある文章や言葉、その物についてのチラシやパンフレット、広告なども含まれます。
例えば、服用しても特別な効果のない水を「この水はXという病気の治療に効果があります」といった表記を水のペットボトルやチラシに記載した場合、その水に「Xという病気の治療」という医薬品的な効能がある標ぼうがなされたことになり、それによってその水が「人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物」(薬機法第2条第1項第2号)と捉えられ、薬機法上の「医薬品」に該当することになるのです。
つまり、もともと医薬品として使用される成分などを含む場合だけでなく、医薬品的な効果や効能を「標ぼう」された時点でその物は薬機法上の「医薬品」に含まれることになり、販売するには薬機法上の許可や承認が必要となるのです。
一般のイメージでは、「医薬品」といえば薬局で処方されるような錠剤や飲み薬などが想像されやすいですが、そういった分かりやすいものだけでなく、薬機法上の「医薬品」はこうした定義になっていることに注意が必要です。
無許可販売や無承認販売により薬機法違反となった場合、科せられる可能性のある刑罰は「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金」と軽くはありません(薬機法第84条)。
さらに、これまで確認してきたとおり、法律によっては規制しているものの定義が分かりづらいものもあります。
こういったことからも、薬機法違反事件などの刑事事件の当事者になってしまったら、専門家の弁護士に相談・依頼されることをおすすめします。
自分や家族にかけられている容疑がどういったものなのか、何が犯罪に触れてしまったのかきちんと理解することで、取調べなどへの対応も適切に応じていけることが期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、薬機法違反事件を含む刑事事件・少年事件のご相談・ご依頼にも迅速に対応しています。
京都府内の薬機法違反事件などの刑事事件にお困りの際は、遠慮なくご相談ください。

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無許可販売による薬機法違反事件
無許可販売による薬機法違反事件
無許可販売による薬機法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市左京区に住んでいるAさんは、インターネット上に自身のECショップを開設していました。
Aさんは、そこで海外から輸入したサプリメントや薬を販売していました。
するとある日、京都府下鴨警察署の警察官がAさんのもとにやってきて、Aさんは無許可販売による薬機法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、「海外で使われているサプリメントや薬なのだから販売しても問題ないはずなのではないか」と薬機法違反で逮捕された理由が分からずにいます。
そこでAさんは、Aさんの逮捕を知って家族が接見を依頼した弁護士に会うと、自身の逮捕容疑である薬機法違反について詳しく話を聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・薬機法と医薬品の販売
薬機法とは、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」という法律です。
元々は薬事法などとも呼ばれていたこの法律ですが、改正を経て法律名も変更となり、現在の形となりました。
薬機法は、法律名にもある通り、医薬品や医療機器の品質、有効性、安全性の確保やそれらの使用によって危険が生じないための措置や規制、研究開発のための措置などを定める法律です。
なお、薬機法は医薬品だけでなく医薬部外品や化粧品についても規制しており、それに加えていわゆる危険ドラッグ(指定薬物)の規制をしている法律でもあります。
この薬機法では、名前に含まれている「医薬品」の販売について、以下のように定めています。
薬機法第12条第1項
次の表の上欄に掲げる医薬品(体外診断用医薬品を除く。以下この章において同じ。)、医薬部外品又は化粧品の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に定める厚生労働大臣の許可を受けた者でなければ、それぞれ、業として、医薬品、医薬部外品又は化粧品の製造販売をしてはならない。
第49条第1項に規定する厚生労働大臣の指定する医薬品 第一種医薬品製造販売業許可
前項に該当する医薬品以外の医薬品 第二種医薬品製造販売業許可
医薬部外品 医薬部外品製造販売業許可
化粧品 化粧品製造販売業許可
薬機法第14条第1項
医薬品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品を除く。)、医薬部外品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品を除く。)又は厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品の製造販売をしようとする者は、品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければならない。
薬機法第24条第1項
薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。以下同じ。)してはならない。
ただし、医薬品の製造販売業者がその製造等をし、又は輸入した医薬品を薬局開設者又は医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者に、医薬品の製造業者がその製造した医薬品を医薬品の製造販売業者又は製造業者に、それぞれ販売し、授与し、又はその販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列するときは、この限りでない。
薬機法第84条
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第3号 第14条第1項又は第13項の規定に違反した者
第9号 第24条第1項の規定に違反した者
薬機法第12条第1項では、医薬品等を製造販売するためには厚生労働大臣の承認を得なければならないということになっています。
そして、薬機法第24条第1項によると医薬品を販売するには「薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者」でなくてはならないということが定められています。
つまり、医薬品等を販売する際にこれらの承認や許可を得ていなければ、薬機法違反という犯罪になるのです。
これは実際の店舗での販売だけでなく、今回のAさんのようなインターネット上のECショップでも適用されます。
ですから、たとえインターネット上であっても医薬品等を販売する場合には、薬機法上の承認や許可を得なければならないのです。
では、そもそもその薬機法上の「医薬品」とはどういったものなのでしょうか。
次回の記事で詳しく触れていきます。
刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無許可販売による薬機法違反事件についてのご相談も受け付けています。
刑事事件専門だからこそ、なかなか耳慣れないケースの刑事事件でも安心してご相談いただけます。
まずはお気軽に0120-631-881からお問い合わせください。

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児童ポルノ禁止法違反事件で罰金刑を目指す
児童ポルノ禁止法違反事件で罰金刑を目指す
児童ポルノ禁止法違反事件で罰金刑を目指す場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、小さい子供に性的興味を持っていたこともあり、京都市左京区にある自宅のパソコンなどに18歳未満の子どもが写った児童ポルノ動画10点を保存していたとして、京都府下鴨警察署に児童ポルノ禁止法違反の容疑で捜査を受けることになりました。
Aさんは、まさか児童ポルノを持っていただけでも刑事事件の当事者になるとは思ってもよらず、捜査を受けたことに驚いています。
Aさんは、「自分も起訴されてドラマのような法廷に立つことになるのだろうか」と不安に思い、弁護士に今後の手続きについて相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・児童ポルノの所持と児童ポルノ禁止法
上記事例のAさんは、児童ポルノを自宅のパソコンに保存していたことで児童ポルノ禁止法違反の容疑をかけられているようです。
児童ポルノ禁止法では、18歳未満の者を「児童」としています(児童ポルノ禁止法第2条第1項)。
児童ポルノ禁止法では、その「児童」の写った写真や映像について、以下に当てはまるものを「児童ポルノ」としています。
児童ポルノ禁止法第2条第3項
この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
第1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
第2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
第3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
そして、この「児童ポルノ」について、児童ポルノ禁止法では以下のように定めています。
児童ポルノ禁止法第7条第1項
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
自己の性的好奇心を満たす目的で、第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。
この条文を見ると、児童ポルノは「所持」しているだけで処罰されることが分かります。
児童ポルノは、たとえ自分が撮影していなくとも、持っているだけで犯罪となる物なのです。
今回の事例のAさんは、自身の性的興味から児童ポルノ動画を自宅のパソコンに保存していた=所持していたのですから、児童ポルノ禁止法違反となっているというわけです。
・児童ポルノ禁止法違反と罰金刑
今回の事例でAさんは、ドラマに出てくるような法廷に立って裁判にかけられることになるのかと不安になっているようです。
たしかに、犯罪をしてしまって刑罰を受けるとなると、ドラマにあるような法廷に立って、傍聴人に見られながら裁判を受けるというイメージがわきやすいかもしれません。
しかし、犯罪に問われる場合、必ず公開の法廷に立って裁判を受けなければならないかというとそうではありません。
略式命令による罰金刑になった場合、公開の法廷で裁判を受けずとも事件を終息させることができます。
例えば、今回のAさんの事例では、Aさんにかけられた容疑である児童ポルノ所持による児童ポルノ禁止法違反の法定刑は、上述の通り1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
100万円以下の罰金又は科料を科し得る事件であり、かつ被疑者に異議がないとき、検察官は略式命令の請求をすることができます(刑事訴訟法第461条、第461条の2)。
略式命令は非公開で行われる裁判であるため、いわゆる正式起訴による刑事裁判で公開の法廷で裁判が行われる場合に比べて、被疑者の情報が外部に流出するおそれが低くなります。
ですから、被疑者容疑を認めているようなケースでは、略式命令による罰金刑を目指すことによって、事件のことが外部に拡散されることを防ぐという手段もありえるのです。
ただし、当然罰金刑にしてほしいといったからといって罰金刑になるというわけではなく、被害の重さや犯行態様の悪質性、反省の度合いや再犯防止策の構築具合など、様々な事情から刑罰が決定されますから、専門家の弁護士に相談し、適切な処分を求める活動をしてもらうことが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
児童ポルノ禁止法違反事件にお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご相談ください。

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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
友人の危険ドラッグで逮捕されてしまったら
友人の危険ドラッグで逮捕されてしまったら
友人の危険ドラッグで逮捕されてしまったというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市下京区に住むAさんは、友人であるBさんがいわゆる危険ドラッグをたびたび使用しているという話を聞きました。
そして、Aさん自身は危険ドラッグを使用することはありませんでしたが、Bさんが置き忘れていった危険ドラッグをAさんの自宅に預かったり、Bさんが保管できない分の危険ドラッグをAさんの自宅で保管したりしていました。
Aさんは、「自分は危険ドラッグを使っていないし、あくまで友人Bさんの危険ドラッグなのだから自分が大事になることはないだろう」と考えていましたが、Bさんが京都府下京警察署に摘発されたことをきっかけに、Aさんも危険ドラッグを所持していたことによる薬機法違反の容疑で京都府下京警察署に逮捕されてしまいました。
Aさんは、「自分の物ではない危険ドラッグで逮捕されるのか」と疑問に思い、家族の依頼を受けて接見にやってきた弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・友人の危険ドラッグでも「所持」になる?
今回のAさんは、友人Bさんの危険ドラッグを預かったり保管したりしていたことで危険ドラッグの所持による薬機法違反の容疑で逮捕されているようです。
このように元々自分の物ではない友人の危険ドラッグを預かっていたような場合でも「所持」となってしまうのでしょうか。
まずは危険ドラッグの所持について定めている薬機法の条文を確認してみましょう。
薬機法第76条の4
指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。
薬機法のいう「指定薬物」がいわゆる危険ドラッグのことを指します。
つまり、危険ドラッグを厚労省令で定めるもの以外に所持したり使用したりすることが薬機法で禁止されているわけです。
当然、今回の事例に出てくるAさんの友人Bさんのように、自分に使用する目的で危険ドラッグを所持・使用することはこの薬機法に違反することになります。
では、Aさんのように、他人の危険ドラッグを預かっていたような場合はどうでしょうか。
薬機法でいう危険ドラッグの「所持」とは、危険ドラッグを自分の支配・管理下に置いておくことを指します。
ですから、危険ドラッグを持ち歩いているといった物理的に危険ドラッグを「持って」いる場合だけでなく、例えば自宅のどこかに危険ドラッグを保管しているといった場合でも「所持」していることになります。
今回の事例のAさんは、友人Bさんの危険ドラッグを、危険ドラッグであると知りながら自宅に預かったり保管したりしています。
このことから、Aさんは危険ドラッグを自分の支配・管理下に置いていた=危険ドラッグを「所持」していたと考えられたのでしょう。
こうした場合、たとえ元々はAさんの物でなかったとしても、危険ドラッグと知りながら自分の支配・管理下に置いていたことから薬機法違反となると考えられます。
危険ドラッグ所持による薬機法違反は「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」(薬機法第84条第28号)となっているため、非常に重い犯罪です。
「元々自分の物ではないから」といって危険ドラッグと知りながら預かったり保管したりすることを避けることはもちろん、もしもそういった行為をしてしまったことで薬機法違反の被疑者となってしまったら、すぐに弁護士に相談することが望ましいでしょう。
なお、ここで注意が必要なのは、今回のAさんのようなケースでも、Bさんから預かったものが危険ドラッグだと分からなかったような場合には話が異なるということです。
この場合、「危険ドラッグ(違法薬物)を所持する」という認識=薬機法違反の故意がないことになりますから、状況によっては冤罪を主張していくことになるでしょう。
ただし、「危険ドラッグだと知らなかった」と言えばその主張がそのまま通るというわけではありません。
Aさん自身の主張だけでなく、その時の客観的な事情、例えばAさんが預かったものが危険ドラッグであると分からないような状況だったのか、Bさんとの関係やBさんの危険ドラッグ使用をAさんが把握していたのかなどを踏まえてAさんに薬機法違反の故意があったのかどうか判断されることになるでしょう。
こうした場合は特に取調べなどに慎重に対応することが求められますから、より弁護士に相談・依頼するメリットが大きいといえるでしょう。
危険ドラッグなどに関連した違法薬物事件では、違法薬物自体の証拠隠滅が容易なことや関係者が多数存在することなどから、Aさんのように逮捕されて捜査されることも少なくありません。
逮捕などの身体拘束が伴う捜査には時間の制約があるため、早急に弁護活動が開始されることが望ましいです。
だからこそ、逮捕を知ったその時から、弁護士への相談をご検討ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、お問い合わせを24時間いつでも受け付けています。
専門スタッフがご相談者様それぞれの状況に合わせたサービスをご案内いたします(0120-631-881)。
まずはお気軽にお電話ください。

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飲酒運転を隠そうと逃げたら犯罪?
飲酒運転を隠そうと逃げたら犯罪?
飲酒運転を隠そうと逃げたら犯罪となるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、京都市中京区にある自宅で飲酒していましたが、いつも飲んでいる飲料水を切らしていたことを思い出しました。
そこでAさんは、「そんなに遠い距離ではないし大丈夫だろう」と思い、飲酒運転をして近所のスーパーへに向かいました。
するとその道中で、Aさんの運転する自動車は歩行者Vさんと接触する事故を起こしてしまい、Vさんに怪我をさせてしまいました。
このままでは飲酒運転に問われてしまうと焦ったAさんは、そのまま自動車で走り去り、スーパーで飲料水を購入して大量に飲料水を飲んでアルコールの数値が出ないようにするなど、飲酒運転の事実を隠そうとしました。
しかし、すぐにVさんからの通報を受けて捜査していた京都府中京警察署の警察官によりAさんが発見され、Aさんはひき逃げなどの容疑で逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは飲酒運転を隠そうとしたことも犯罪になると聞いて驚き、接見に訪れた弁護士に犯罪の内容を相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・飲酒運転を隠そうとすることは犯罪?
そもそもAさんが行った飲酒運転や人身事故、事故を起こしたにもかかわらずその場から立ち去るというひき逃げといった行為は、それぞれが犯罪となることに疑問はないでしょう。
飲酒運転やひき逃げは道路交通法違反に、人身事故は過失運転致傷罪などに問われる行為です。
しかしこれだけではなく、上記事例のAさんは、飲酒運転をしていたことが発覚することを防ぐために事故現場から逃げてスーパーでで飲料水を購入して飲むといった行動をしています。
どうやら今回は、こういったAさんの飲酒運転を隠そうとした行為についても犯罪が成立するようです。
自動車運転処罰法の条文を確認してみましょう。
自動車運転処罰法4条(過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪)
アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処する。
この条文で定めている犯罪は、通称「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」という犯罪です。
大まかに説明すると、ある程度の飲酒運転で人身事故を起こしたにも関わらず、飲酒運転の発覚やその程度を分からなくするために、事故後にあえてアルコールを摂取したり、事故現場を離れてアルコール濃度を下げるための行為等をしたときに成立する犯罪がこの「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」ということになります。
この犯罪は、いわゆる「逃げ得」を防止するために規定された犯罪です。
飲酒運転をして人身事故を起こしてしまった場合、その飲酒運転の程度によっては、自動車運転処罰法内に規定されている危険運転致死傷罪にあたる可能性があります。
例えば、酩酊状態で飲酒運転をして人身事故を起こして危険運転致死傷罪が適用された場合、被害者が怪我をしていれば15年以下の懲役、被害者が死亡していれば1年以上の有期懲役(上限20年)となることになります(自動車運転処罰法第2条)。
しかし、その場を立ち去り酔いがさめたりアルコール濃度が下がったりするまで待ったり、水を飲む等してアルコール濃度を下げる行為をして、事故の際のアルコール濃度を検知できないようにしたり酩酊状態でないようにしたりすれば、危険運転致死傷罪の成立要件である「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ」たと確認できず、ひき逃げによる道路交通法違反と過失運転致死傷罪が成立するにとどまることになります。
事故後にアルコールを摂取した場合でも「得」になるのかと疑問に思われる方もいるかもしれませんが、検知されたアルコールが事故前に飲まれていたものなのか、事故後に飲まれたものなのか分からなくなってしまえば、飲酒運転をしていたかどうかの確認ができなくなってしまいます。
そうなると、ひき逃げと過失運転致死傷罪では最高でも15年の懲役となりますので、最高20年の懲役となる危険運転致死傷罪よりも軽くなってしまいます。
これが許されてしまえば、逃げて飲酒運転を隠した方が「得」である、「逃げ得」であるとされてきたのです。
そういった「逃げ得」を防止するため、今回取り上げた「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」が規定されたのです。
「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」が認められた場合、ひき逃げと合わせて最高18年の懲役が科される可能性があります。
今回のAさんは、飲酒運転の発覚を免れるために、事故現場から逃亡して飲料水を飲み、アルコール数値を分からないようにしようとしています。
ですから、Aさんは過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪とひき逃げに問われる可能性が考えられます。
ただし、もしもAさんが、実は飲酒運転発覚を避けるために逃げたり飲料水を飲んだりしていたわけではなかったような場合、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪については冤罪であることになります。
先ほど触れたように、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪はひき逃げと合わさると非常に重い刑罰が科せられる可能性があります。
冤罪である場合はもちろん、そうでない場合も、弁護士の助言を逐一受けながら、取調べに臨むことが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部には、飲酒運転に関連した刑事事件のご相談も数多く寄せられています。
刑事事件専門の弁護士が、それぞれの事件ごとの事情をお伺いし、丁寧に対応や見通しをお話いたします。
初回の法律相談は無料、初回接見サービスは最短即日対応です。
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喧嘩から共犯者のいる殺人事件・傷害致死事件に
喧嘩から共犯者のいる殺人事件・傷害致死事件に
喧嘩から共犯者のいる殺人事件・傷害致死事件に発展してしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、友人Bさんと一緒に京都府宮津市内で食事をしていました。
その帰り、Aさんらは路上で通行人VさんとぶつかったことがきっかけとなりVさんと喧嘩になりました。
Aさんらは2人がかりでVさんに暴行を加えてVさんに怪我をさせてしまいましたが、VさんがAさんらを罵倒したことからBさんが激しく怒り、Bさんは「そんなことを言うなら殺してやる」と言ってナイフを取り出すとVさんを刺してしまいました。
通行人の通報によって救急車と京都府宮津警察署の警察官が駆け付
け、Vさんは病院に搬送されましたが間もなくナイフで刺された傷がもとで死亡してしまいました。
AさんとBさんは共に殺人罪の容疑で京都府宮津警察署に逮捕されたのですが、AさんとしてはBさんと一緒に喧嘩をしていただけで、自分にVさんを殺すつもりはなかったと困っています。
そこでAさんは、家族の依頼によって接見にやってきた弁護士に、自分も殺人罪になってしまうのか相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・殺人罪と傷害致死罪
殺人罪は、名前のとおり人を殺してしまった場合に成立する犯罪です。
刑法第199条(殺人罪)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
殺人罪が成立するには、殺人罪の故意=人を殺すという認識や意思を持って人を死なせることが求められます。
「殺してやる」と殺意をもって人を殴ったり刺したりして死なせてしまえば殺人罪が成立するということです。
では、例えば殴るだけにとどめるつもりだった(殺意はなかった)のに人を死なせてしまったような場合はどのような罪に問われるのかというと、傷害致死罪という犯罪が挙げられます。
刑法第205条(傷害致死罪)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。
傷害致死罪は、簡単に言えば「殺すつもりはなかったが死なせてしまった」といった場合に成立する犯罪で、暴行罪や傷害罪の延長線上にある犯罪ともいえます。
殺人罪の故意はなかったものの、人に対して暴行し怪我をさせたりして死なせてしまったような場合には傷害致死罪に問われることになります。
・共犯と「意思の連絡」
2人以上の人が一緒になって犯罪をすれば、いわゆる「共犯」となります。
このうち、「共同して犯罪を実行した」場合には「共同正犯」としてすべて正犯=自らがその犯罪をした者と同じ扱いとなります。
刑法第60条
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
つまり、共同正犯に当たる場合は、たとえ犯罪の一部しか実行していなかったとしてもその全部についての責任を負うことになります。
この原則を「一部実行全部責任の原則」といいます。
今回のケースについて考えてみましょう。
AさんとBさんは、一緒になってVさんに暴行を加えてVさんに怪我をさせ、最終的にはVさんを死亡させています。
共同正犯の考え方を踏まえれば、AさんとBさんは一緒にVさんに暴行をした上でVさんを殺してしまったわけですから、その一部を実行しているAさんは殺人罪の共同正犯となるかのように思われます。
しかし、AさんにはVさんを殺害する意思はなかったのにBさんが殺意をもってVさんをナイフで刺してしまったという事情もあります。
こうした場合にもAさんも殺人罪の共同正犯として扱われてしまうのでしょうか。
ここで問題となるのが、共同正犯が成立する際に必要だと考えられている「意思の連絡」という要素です。
共同正犯が成立するためには、「一緒にその犯罪を実行する」という意思をそれぞれが有していなければなりません。
これが「意思の連絡」と呼ばれるものです。
判例では、意思の連絡があって故意が異なる場合ではそれぞれの行為が該当する構成要件の重なる範囲でのみ共同正犯の成立が認められるとしています。
今回のケースで考えてみましょう。
AさんとBさんは、「Vさんに暴行を加える」ということについては共通の認識があったようです。
ですから、暴行罪(刑法第208条)や傷害罪(刑法第204条)といった範囲では「意思の連絡」があったと考えられます。
しかし、Vさんを死なせてしまった部分については、Aさんは殺意がなかったにもかかわらず、Bさんは殺意を持ってナイフでVさんを刺しているというずれが生じています。
つまり、AさんとBさんは、「Vさんへ暴行を加える」という範囲では重なり合っているものの、殺意の有無=殺人罪の故意の有無に違いがあるという状態なのです。
ですから、AさんとBさんはそれぞれの行為が該当する構成要件の重なる範囲でのみ共同正犯が成立することになります。
すなわち、AさんはVさんを殺すつもりはなかったがBさんと一緒にしていた暴行(ナイフで刺すという行為自体は暴行に含まれます。)によってVさんを死なせてしまったという状況のため、「身体を傷害し、よって人を死亡させた」という傷害致死罪の範囲で共同正犯となると考えられます。
対して、殺意をもってVさんを死なせたBさんは「人を殺した」という殺人罪が成立するということになると考えられます。
共犯者のいる刑事事件では、今回取り上げた「意思の連絡」の問題など、専門的な部分で様々な検討が必要となります。
共同正犯となるかどうかによって刑罰の重さが大きく異なることもあるため、十分な検討と対応が必要ですが、刑事事件の知識や経験がなければそれも困難です。
だからこそ、弁護士に相談・依頼することが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門の弁護士が刑事手続きや容疑をかけられている犯罪について丁寧に解説・アドバイスを行います。
まずはお気軽にご相談ください。

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窃盗事件と略式罰金
窃盗事件と略式罰金
窃盗事件と略式罰金について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
京都府宮津市に住んでいるAさんは、近所のスーパーで万引きをしたことによる窃盗事件により、京都府宮津警察署で捜査を受けていました。
Aさんは以前にも万引きをしたことがあり、その時は不起訴処分となったものの、「今回は不起訴では終わらないぞ」と警察官に言われてしまいました。
Aさんは、自分がどういった処分を受けるのか不安になり、弁護士に相談したところ、予想される処分に略式罰金という処分があると言われました。
そこでAさんは、略式罰金がどういった処分なのか弁護士に詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・刑事事件の流れと略式罰金
窃盗事件を含む刑事事件では、まず警察が事件を発見して捜査することが多いでしょう。
そして警察が捜査を完了したところで、事件は警察から検察へ移される(送られる)ことになります。
ニュースなどでもよく耳にする「送検」とは、その刑事事件を警察から検察に移すことをいいます。
事件が送検されたら、今度はその刑事事件の担当となった検察官が、被疑者を起訴するかどうかを判断することとなります。
刑事事件で被疑者となり、起訴されると裁判となります。
よく言われることではありますが、日本では起訴された刑事事件の99%は有罪となっています。
ですから、前科を回避したいと考える方などは、被疑者となってしまったら第一に起訴を回避する=不起訴処分を獲得するために弁護士に弁護活動をしてもらうなどすることになります。
ここで今回のポイントとなる「略式罰金」に関わることですが、通常、検察官は地方裁判所に公訴提起=起訴をすることになるのですが、一部の比較的軽微な犯罪については簡易裁判所に公訴提起=起訴をすることができます。
一部の比較的軽微な罪とは、裁判所法第33条第1項第2号に規定されている以下の犯罪です。
裁判所法第33条第1項
簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。
第2号 罰金以下の刑に当たる罪、選択刑として罰金が定められている罪又は刑法第186条、第252条若しくは第256条の罪に係る訴訟
まとめると、罰金以下の刑に当たる犯罪や、選択刑として罰金が定められている犯罪がこの対象とされていることになります。
例えば、今回の事例のAさんは、万引きによる窃盗罪(刑法第235条)の被疑者となっています。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」となっていますので、窃盗罪は「選択刑として罰金が定められている犯罪」に当たります。
つまり、Aさんの事例では、Aさんの窃盗事件は簡易裁判所に起訴される可能性があるといえます。
検察官が簡易裁判所に起訴する場合には、検察官は略式命令請求書を提出して書面審査のみによる簡便な手続を請求することができます。
この手続を略式手続といいます。
略式手続による起訴が略式起訴と呼ばれるもので、よくドラマなどで見る公開の法廷で行われる正式な裁判に対して簡単な手続きであることから略式起訴、略式手続きなどと呼ばれてい流のです。
この略式手続では、後述のように罰金刑しか科せないことから、略式手続を経て罰金刑となることを略式罰金と呼んだりもします。
今回のAさんも、略式手続を経て罰金刑となる可能性があるため、弁護士から略式罰金の可能性があると言われたのでしょう。
この略式罰金の手続きでは、正式起訴されて行われる裁判と異なり、公開の法廷で行われることもなく、何日も裁判所に行く必要がないことから、正式裁判を避けて略式罰金にしてほしいと考える方もいらっしゃいます。
しかし、略式罰金の手続きをするにも希望すればできるというわけではなく、いくつかの条件があります。
①簡易裁判所が管轄する事件であること
先ほど挙げたように、容疑をかけられている犯罪が上記の裁判所法第33条第1項第2号に当てはまらなければなりません。
②100万円以下の罰金・科料に当たる事件であること
①に該当する犯罪であっても、事件の重大さなどから罰金刑以下の刑では不適当と判断される場合があります。
略式罰金を行うためには、相当であると考えられる刑が100万円以下の罰金または科料でなければいけません(それ以上の金額は簡易裁判所が取り扱いできないため。)。
③被疑者が容疑を認めていること
検察官は略式罰金の手続を行う前に被疑者に略式手続について説明し、略式罰金の手続によることに異議がない場合に限って略式命令を請求できることとなっています。
略式罰金の手続きでは、公開の裁判は開かれず、書面のみで審理が行われます。
迅速で行われる上、被告人として公開の法廷に立つ必要がないことはメリットでもありますが、同時に裁判の場で反論することができないため、デメリットでもあるのです。
ですから、容疑を認めているいわゆる「認め」の事件にしか略式罰金の手続きは適用できないのです。
そして、罰金刑であっても有罪となり刑罰を受けることに変わりはありませんから、略式罰金を受けるということは前科がつくことになります。
略式罰金によるメリット・デメリットを弁護士とよく相談しながらどのような処分を目指していくのか、どういった処分を受け入れるのか決めていくことが良いでしょう。
刑事事件の処分や手続きはさまざまで、一般に浸透していないことも多いです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、略式罰金の手続きなど、刑事手続きについてのご相談も多く承っています。
窃盗事件などの刑事事件にお悩みの際は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。

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