Archive for the ‘薬物事件’ Category

覚せい剤所持事件で保釈を目指す

2019-08-20

覚せい剤所持事件で保釈を目指す

Aさんは、覚せい剤に興味を持ち、数か月前からインターネットを利用して覚せい剤を購入し、京都府福知山市の自宅で覚せい剤を使用していました。
しかし、Aさんの挙動がおかしいことに気づいた近隣住民が京都府福知山警察署に通報したことにより、Aさんは覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは勾留され、起訴されることも決まりました。
Aさんの家族は、どうにかAさんの身体拘束を解くことはできないかと、保釈について弁護士に相談することにしました。
相談後、Aさんの家族は弁護活動を依頼することにし、弁護士はAさんに速やかに接見を行い、保釈請求をするための準備を始めました。
(※この事例はフィクションです。)

・保釈とは

保釈とは、起訴後、保釈保証金の納付を条件に、被告人の身体拘束を解く制度のことを言います。
保釈は起訴後に可能となる制度であるため、逮捕段階や被疑者段階での勾留では利用することはできません。

そして、保釈の際に納付する保釈保証金とは、一般的に保釈金と呼ばれるもので、その額は事件や被告人の環境によって変動します。
保釈金は、保釈中に逃亡したり証拠隠滅をしたりしないようにするための担保とされるもので、それらの条件を破ってしまった場合に一部または全部没収されることになります。
そのため、その人の没収されてしまったら困るという額が保釈金とされるのです。
なお、保釈中に保釈の条件を守ることができれば、最終的に保釈金は戻ってきます。

そして、保釈金が払えれば保釈される、というわけではないことに注意が必要です。
保釈されるためには、逃亡や証拠隠滅等のおそれがないと認められる必要が出てきますから、客観的に見てそうしたおそれのない環境であることを主張していくことが求められます。
つまり、よくイメージされがちなように「お金をたくさん払えば保釈される」ということではないのです。

保釈には、3つの種類があり、それぞれ権利保釈、裁量保釈、義務的保釈と呼ばれています。
権利保釈は、保釈の要件(刑事訴訟法89条1~6号)を満たす場合は、保釈の請求があれば保釈しなければならないという保釈のことをいいます。
また、裁量保釈は、上記権利保釈に該当しない場合でも、裁判所が適当と認める場合には、保釈を許すことができるという保釈です。
最後の義務的保釈とは、勾留による身体拘束が不当に長くなった場合になされる保釈のことをいいます。

これらの保釈をするためには、裁判所に対して保釈請求を行わなくてはなりません。
保釈請求の際には、先ほど触れたように、被告人が逃亡しないことや証拠隠滅のおそれがないことなどを、具体的な事情にからめながら裁判官に主張する必要があります。
刑事事件に強い弁護士と被告人本人、被告人の周囲の方々が一丸となることで、この環境をつくり、保釈に向けた一歩を踏み出すことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所ですから、保釈に関連したご相談やご依頼も、多数承っております。
覚せい剤などの薬物事件は、逮捕・勾留といった身体拘束を受ける確率が高い事件であると言われています。
京都府の覚せい剤事件やその保釈請求についてお困りの際は、まずは弊所の弁護士まで、ご相談ください(お問い合わせフリーダイヤル:0120-631-881)。

夏休みに大麻所持で逮捕

2019-08-18

夏休みに大麻所持で逮捕

京都市右京区に住んでいる高校1年生のAさんは、夏休み中、自由な時間が増えたことで、「何かもっと楽しいことはないか」とインターネットサーフィンをしていました。
すると、とあるSNSで知り合ったBさんから「楽しい気持ちになれるものがある」と言われ、Aさんはそれを譲り受けることにしました。
その後、AさんはBさんと会い、Bさんから「楽しい気持ちになれるもの」を受け取りました。
自宅に帰ってからAさんがBさんから渡されたものを開封してみると、乾燥させた植物とパイプが入っていました。
Aさんは、その植物が何なのかは分かりませんでしたが、なんとなくよくないとされている類のものであろうと思いました。
しかし、Aさんは、どうせ少しの間しか使わないのだからばれないだろうと考え、同封されていたパイプを利用してその植物を吸っていました。
後日、Aさん宅に京都府右京警察署の警察官が訪れ、Aさんは大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Bさんは大麻の売人であり、その連絡先等からAさんへの大麻譲渡が露見したようです。
(※この事例はフィクションです。)

・大麻取締法違反

ご存知の方も多いように、大麻は違法薬物です。
大麻については、その所持や譲渡等が大麻取締法によって規制されており、これに違反すれば大麻取締法違反という犯罪になります。
大麻の使用自体は、麻の生産者や研究者が偶然その成分を摂取してしまう可能性があること等から大麻取締法で禁止されてはいませんが、大麻を使用するのに所持はしない、ということは物理的に不可能であるため、大麻の使用をしても大麻所持の大麻取締法違反となることが多いです。
なお、今回のAさんの事件は少年事件であるため、Aさんは基本的には刑罰を受けることはありませんが、営利目的でない大麻所持については、「5年以下の懲役」(大麻取締法24条の2 1項)という刑罰が定められています。

ここで、今回のAさんは、「大麻である」というはっきりした認識を持って大麻を所持したわけではありません。
こうした場合でも、大麻取締法違反は成立するのでしょうか。
実は、一般にこうした違法薬物事件では、犯罪が成立するにあたって違法薬物名まではっきり認識している必要はなく、「何らかの違法薬物だろう」という程度の認識があればよいと考えられています。
Aさんも、よくないものであろうと認識しながら大麻を所持しているため、大麻取締法違反の故意があると認められる可能性があります。

・少年の大麻取締法違反事件

SNSの発達・普及等により、たとえ未成年者であっても、大麻等違法薬物の売人にコンタクトを取りやすくなっています。
実際に、最近では中学生や高校生が大麻取締法違反の容疑で逮捕される事件も起きています。
大麻は他の違法薬物よりも比較的安価なことが多いことから、こうした若年層でも手が出しやすくなってしまっているのかもしれません。
しかし、一度大麻という違法薬物に手を出してしまうと、違法薬物に手を出すという行為のハードルが下がり、大麻や他の違法薬物に手を出しやすくなってしまうといわれています。
それ自体への依存症の危険等もあることから、やはり違法薬物には触れないよう注意していくべきでしょう。

先ほど触れたように、Aさんは20歳未満であるため、この大麻取締法違反事件少年事件として扱われます。
ただし、家庭裁判所へ事件が送られるまでは、成人の刑事事件とほぼ同じ扱いを受けるため、逮捕や勾留といった身体拘束がなされる可能性が高いでしょう。
大麻取締法違反事件などの違法薬物事件では、証拠隠滅が容易であったり関係者がいたりする性質上、逮捕等の身体拘束を伴う捜査が行われやすいといわれています。

また、少年が薬物に依存している可能性があったり、大麻に手を出した経緯に調査すべき点があれば、家庭裁判所に行ってからも、観護措置という形で少年鑑別所に収容されての調査が行われることも考えられます。
さらに、依存が深ければ、最終的には医療少年院に送致され、治療を受けるということになる可能性もあります。
こうした身体拘束や処分を回避したい場合には、少年が社会内でも更生可能であるということを主張していかなければなりませんが、そのためにはそれが可能であると客観的に認められる環境を作っていかなければなりません。
そのために、刑事事件だけでなく少年事件に強い弁護士に相談・依頼してみることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年による違法薬物事件のご相談・ご依頼も受け付けております。
夏休み中の少年事件にお困りの方、大麻取締法違反事件にお悩みの方はお気軽にご相談ください。

覚せい剤事件では逮捕されやすい?②

2019-07-07

覚せい剤事件では逮捕されやすい?②

~前回からの流れ~
京都府八幡市に住んでいるAさんは、数年前から覚せい剤をインターネットで購入しては使用していました。
ある日、覚せい剤の購入に使用していたホームページが閉鎖されているのを見たAさんは、もしかして捜査の手が及んでホームページ閉鎖に至ったのではないかと考えました。
そうであるならば、自分自身も捜査されることになり、京都府八幡警察署逮捕されてしまうのではないかと不安に思ったAさんは、刑事事件に強い弁護士に相談してみることにしました。
そこで、まずはインターネットから弁護士を探し、無料法律相談を受け付けている事務所で予約を取ることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

前回の記事では、覚せい剤に関連する犯罪を取り上げました。
Aさんはこのうち、覚せい剤の譲受や所持、使用にあたることが考えられますから、覚せい剤取締法違反となるでしょう。
では、Aさんは、Aさん自身が不安に思っているように、覚せい剤取締法違反逮捕されてしまうのでしょうか。

・覚せい剤事件では逮捕されやすい?

一般に、覚せい剤や大麻、危険ドラッグ、麻薬といった違法薬物にかかわる薬物事件は、他の犯罪と比べても逮捕されやすいと言われています。
そもそも逮捕は、現行犯逮捕を除き、逮捕状に基づいて行われます(緊急逮捕の場合は逮捕状の請求が事後的なものになりますが、逮捕状は必要です。)。
逮捕状に基づく逮捕については、刑事訴訟法に以下のような条文があります。

刑事訴訟法199条
1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。(以下略)
2項 裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。以下本条において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。但し、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。

つまり、逮捕は原則として、①「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」と、②「逮捕の必要」があるときに認められるのだということになります。

①「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」
これは、被疑者にかかっている嫌疑が相当なものかどうか、ということです。
客観的に全く疑いようのない人に対して容疑がかかっている場合、この条件を満たさず、逮捕状による逮捕はできないということになります。

②「逮捕の必要」
これは、被疑者が逃亡・証拠隠滅をするおそれがあるかどうか、という部分に関係してきます。
逃亡・証拠隠滅が考えられる場合には、それを防ぐために逮捕が行われます。

さて、通常、逮捕はこの①②の条件を満たした場合に行われることになりますが、覚せい剤などの薬物事件と照らし合わせて考えてみましょう。
①の「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」があると仮定すると、残りの②「逮捕の必要」があるかどうかが判断の基準となります。
ここで、覚せい剤などの薬物事件の特性を考えてみましょう。
覚せい剤などの薬物事件で考えられる証拠といえば、当然、覚せい剤などの違法薬物そのものが考えられます。
しかし、この違法薬物そのものは、捨ててしまうことも容易で、簡単に隠滅できてしまうものです。

さらに、Aさんのように、覚せい剤を他の場所から購入していたり、逆に販売していたりした場合、その売買の相手が存在します。
刑事事件でいう「証拠」とは、物的証拠のみならず、関係者の証言や記録も含まれます。
関係者が多ければ、口裏合わせなどによって証言の変更や隠滅が行われる可能性が出てきてしまいます。
こうしたことから、覚せい剤事件等の薬物事件では、②「逮捕の必要」があると判断されることが多いのです。
そのため、覚せい剤事件では逮捕されることが多いといわれるのです。

・逮捕は避けられない?

では、覚せい剤事件に関わってしまったら、必ず逮捕されてしまい、勾留といった長期間に及ぶ身体拘束を受けることになるのでしょうか。
たしかに、覚せい剤事件では前述のように逮捕される可能性は高いですが、それでもできる対策はあります。

例えば、弁護士に相談し、「逮捕の必要」がないといえる環境を整えたうえで自首や自ら出頭することも考えられます。
逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを専門家である弁護士からポイントを押さえて主張してもらうのです。
それでも逮捕されてしまった場合には、勾留の阻止や取り消し、さらには保釈を見据えて身柄解放活動を行ってもらうことになるでしょう。

どういった対策を講じることがよいのか、見通しはどういったものなのかは、事件ごとに検討しなければなりませんから、逮捕が不安な場合には、まずは弁護士の話を聞いてみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料の法律相談も受け付けています。
覚せい剤事件逮捕が不安な方、すでにご家族ご友人が逮捕されてしまってお困りの方、まずは0120-631-881までお電話ください。

覚せい剤事件では逮捕されやすい?①

2019-07-05

覚せい剤事件では逮捕されやすい?①

京都府八幡市に住んでいるAさんは、数年前から覚せい剤をインターネットで購入しては自分で使用していました。
しかしある日、覚せい剤の購入に使用していたホームページが閉鎖されているのに気付いたAさんは、もしかして警察の捜査の手が及んでホームページ閉鎖に至ったのではないかと考えました。
そうであるならば、そこで覚せい剤を購入していた自分自身も捜査されることになり、京都府八幡警察署逮捕されてしまうのではないかと不安に思ったAさんは、刑事事件に強い弁護士に相談してみることにしました。
そこで、まずはインターネットから弁護士を探し、無料法律相談を受け付けている事務所で予約を取ることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・覚せい剤に関連する犯罪

覚せい剤は、皆さんご存じの通り、覚せい剤取締法で規制されている違法薬物です。
覚せい剤は、使用することはもちろん、所持するだけでも覚せい剤取締法違反となります。
覚せい剤事件でよく見られるのは、覚せい剤の輸出入、所持、使用、譲渡といった違反行為です。
これらはそれぞれ、覚せい剤取締法で以下のように規制されています。

【覚せい剤の輸出入】
覚せい剤取締法第41条
第1項 覚せい剤を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第41条の5第1項第2号に該当する者を除く。)は、1年以上の有期懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは3年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
第3項 前2項の未遂罪は、罰する。

【覚せい剤の所持・譲渡・譲受】
覚せい剤取締法41条の2
第1項 覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
第3項 前2項の未遂罪は、罰する。

【覚せい剤の使用】
覚せい剤取締法41条の3
次の各号の一に該当する者は、10年以下の懲役に処する。
第1項 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者
(※注:覚せい剤取締法第19条
左の各号に掲げる場合の外は、何人も、覚せい剤を使用してはならない。
第1号 覚せい剤製造業者が製造のため使用する場合
第2号 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者が施用する場合
第3号 覚せい剤研究者が研究のため使用する場合
第4号 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
第5号 法令に基いてする行為につき使用する場合)

覚せい剤はこのような規制がなされており、特に輸出入や所持・譲渡・譲受については、その目的が営利目的であった場合、より重く処罰されることになります。
なお、覚せい剤の輸出入を行った場合には、覚せい剤取締法だけでなく、いわゆる「麻薬特例法」や「関税法」にも違反するおそれがあることにも注意が必要です。

覚せい剤に関連する犯罪はイメージされるよりも多く細かく規定されていることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
こうした覚せい剤事件逮捕が不安なときには、専門家である弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士によるサービスは、0120-631-881からいつでもお問い合わせ・ご予約が可能です。
専門スタッフが丁寧にご案内いたしますので、遠慮なくお電話ください。

大麻バター所持で逮捕

2019-05-01

大麻バター所持で逮捕

京都府城陽市に住んでいる19歳のAさんは、大麻に興味を持っていました。
するとある日、インターネットで知り合ったBさんから、「大麻バターというものがあって、気軽に大麻を使える」という話を聞きました。
インターネットで大麻バターのことを調べたAさんは、大麻バターは合法だと書いてあるホームページも見受けられたし、大麻バターであれば大麻草自体を所持するわけではないのだから大丈夫だろうと思い、Bさんから大麻バターを購入し、使用していました。
しかしある日、京都府城陽警察署の警察官がAさんの家に家宅捜索に訪れました。
そこでAさんの所持していた大麻バターは押収され、Aさんは大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・大麻バター

大麻バターとは、大麻成分を含むバターのことで、その成分からカンナビスバターなどとも呼ばれることがあるようです。
大麻草にはカンナビノイドという化学物質が含まれており、このカンナビノイドという化学物質が、大麻を利用した際に多幸感をもたらすなどの精神作用を与えると言われています。
そのカンナビノイドという大麻成分は、油に溶ける性質を持っているため、この性質を利用してバターに大麻成分を溶け込ませたのが大麻バターです。
大麻バターは通常のバターと同様、食事に利用することで用いられ、そうして大麻を摂取するのです。

一般的に広まっているイメージとしては、乾燥させた大麻をパイプなどで喫煙することによって摂取するイメージが強いかもしれませんが、大麻バターのような大麻草そのものではなく、大麻入り食品を摂取することで大麻を使用するケースもあるのです。
大麻バターの他にも、大麻成分を油に溶け込ませた大麻オイルや、そもそも大麻自体を食品に混ぜる大麻クッキーなどがあると言われています。

・大麻入り食品と大麻取締法違反

さて、今回のAさんは大麻バターという大麻成分の入った食品を所持していたことによって、大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまったようです。
しかし、Aさんの考えていたように、大麻草そのものを持っていたわけではなくとも、大麻取締法違反となってしまうのでしょうか。
大麻取締法を見てみましょう。

大麻取締法1条
この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。
ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。

この条文によると、大麻取締法のいう「大麻」とは、大麻草そのものだけでなく大麻草を使用した製品のことも含んでいるということが分かります。
つまり、大麻草からバターに大麻成分を溶け込ませたものである大麻バターも、大麻取締法の規制対象である「大麻」に該当するということになるのです。

大麻取締法24条の2
大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。

ですから、大麻バターを所持することはこの大麻取締法24条の2に違反することになるのです。

ただし、今回のAさんは19歳であり20歳未満の少年であるため、原則的には少年事件として扱われることになり、刑罰を受けることは基本的にはありません。
しかし、Aさんの年齢が19歳であることから、手続き途中に成人し、刑事事件としての扱いに切り替わる可能性があることも注意が必要です。
今回のAさんの事案では、大麻取締法違反という犯罪の性質に注目した弁護活動はもちろんのこと、刑事事件としての手続きに切り替わる可能性のある少年事件としての弁護活動も意識しなければならないということです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく少年事件も多く取り扱っています。
だからこそ、それぞれの犯罪の特色に注目した弁護活動も、刑事事件少年事件それぞれの特徴を抑えた弁護活動も可能です。
京都府滋賀県大麻取締法違反事件などの刑事事件少年事件逮捕にお困りの際は、弊所弁護士までご相談下さい。
京都府城陽警察署までの初回接見費用:3万8,200円)

京都府綾部市の少年大麻所持事件②

2019-03-28

京都府綾部市の少年大麻所持事件②

~前回からの流れ~
Aさんは、京都府綾部市に住んでいる中学3年生です。
不眠で悩んでいたAさんは、インターネットで大麻を使用すればよく眠れるという内容の記事を見かけ、インターネットを通じて知り合った男性Bさんから大麻を購入し、大麻を使用するようになりました。
その後Aさんは、大麻だけでなく、MDMAなども購入して使用していたのですが、ある大麻を使用した日に大麻の作用で自宅内で暴れ、それをきっかけに家族から救急車を呼ばれ、病院に運ばれました。
そして、病院の検査で大麻の使用が発覚し、Aさんは大麻取締法違反の容疑によって京都府綾部警察署に逮捕されてしまうことになりました。
その後の捜査で、Aさんの部屋から大麻だけでなくMDMAも見つかり、Aさんは麻薬取締法でも追送検される予定です。
Aさんの家族は、どうにかAさんを釈放してほしい、また、どうにか同じことを繰り返さずに更生できるようにしたいと、京都少年事件を扱う弁護士に相談することにしました。
(※平成31年3月25日産経新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・「追送致」とは?

今回のAさんは、まず最初に大麻取締法違反の容疑で逮捕され、その後、MDMA所持等による麻薬取締法違反で「追送致」されることになっています。
ではこの「追送致」とはいったい何で、どういった時に行われるのでしょうか。

まず、刑事事件少年事件については、原則的に警察などによって捜査が行われ、その後検察庁へ事件が送られます。
この検察庁に事件が送られる手続きのことを「送致」と言います。
逮捕されている場合には被疑者の身柄と一緒に証拠等の書類を検察庁へ送致します。
そして、逮捕等身体拘束を伴わない刑事事件、いわゆる在宅事件では、証拠等書類のみが検察庁へ送致されます(これがいわゆる「書類送検」です。)。
そして検察庁に送致された後に、検察官が逮捕に引き続く身体拘束である「勾留」を請求するかどうか、被疑者を起訴するか否か、少年事件の場合は家庭裁判所に送致するかどうか等を判断していくことになります。
「追送致」は、この検察官へ事件を送る「送致」について、すでに送致を行った同じ被疑者の別件の刑事事件少年事件(いわゆる「余罪」と呼ばれるもの)を追加で送致していく手続きです。
つまり、Aさんの場合、当初発覚していた大麻取締法違反の容疑で逮捕され、検察庁に送致された後、MDMAの所持や使用が発覚したため、そのMDMAに関する麻薬取締法違反事件が追加で検察庁に送致=「追送致」されたということになります。

なお、Aさんのような少年事件の場合、原則として検察官に事件が送られた後、家庭裁判所への事件の送致が行われます。
ここでも、家庭裁判所に事件が送致された後に余罪が発覚したり、余罪の捜査が行われている間に本件として立件されていた事件が先に家庭裁判所への送致が行われていたような場合には、「追送致」が行われることになります。

・Aさんのための弁護・付添人活動

Aさんの事件に限らず、大麻等違法薬物に関連した刑事事件少年事件では、事件の性質上証拠隠滅が容易なことから、逮捕や勾留といった身体拘束の処分が行われやすいと言われています。
しかし、だからといって釈放を目指した活動ができないわけではありません。
ご家族等周りの方との協力のもと、検察官や裁判官に対して証拠隠滅のおそれがないことを法律に基づいた主張を行うことで、釈放を目指していくことができます。
どのような方法によって証拠隠滅のおそれのないことを示していくのか等は、刑事事件・少年事件それぞれによって異なります。
Aさんの場合であれば、ご家族による監督によって証拠隠滅の機会をなくしていくことなどが考えられますが、それもAさんのご家族やAさん自身の環境がどういったものかにもよりますから、一度弁護士に具体的な事情と共に相談されることが望ましいでしょう。

そして、前回の記事でも触れた通り、大麻は他の違法薬物の使用の入り口となってしまう可能性もある薬物です。
現にAさんはMDMAという別の違法薬物に手を出してしまっています。
現在受けている身体拘束から解放してもらう、という活動ももちろん大切ですが、その後を考えることも大切です。
Aさんは20歳未満であるため、少年事件の手続きにのっとり、原則刑事罰を受けることはありませんが、違法薬物を複数種類使用していたことから、少年の更生に適さない環境であると判断されれば、少年院送致といった処分も考えられます。
もちろん、そういった処分を受けなかったとしても、Aさんがまた違法薬物を繰り返してしまえば元も子もありません。
ですから、今後Aさんが同様の犯罪に触れないよう、再犯防止のための活動をしていくこと、さらにはそれを証拠化し、Aさんが社会のもとで更生できるという主張をしていくことが必要となってきます。
こうした活動も、薬物事件に関する知識だけでなく、少年事件の手続きにも精通していることが求められますから、弁護士への相談・依頼をされることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件少年事件についてのご相談・ご依頼に迅速に対応できるよう、24時間いつでもお問い合わせが可能です。
0120-631-881では専門スタッフがお問い合わせに合ったサービスをご案内いたしますので、まずは遠慮なくお電話ください。

京都府綾部市の少年大麻所持事件①

2019-03-27

京都府綾部市の少年大麻所持事件①

Aさんは、京都府綾部市に住んでいる中学3年生です。
Aさんは、高校受験等について悩むことも多く、眠れない日が続いていました。
するとある日、インターネットで検索をしていると、「大麻を使用すればよく眠れる」といった記事が出てきました。
その記事の内容に惹かれたAさんは、インターネットを通じて知り合った男性Bさんから大麻を購入し、大麻を使用するようになりました。
その後Aさんは、大麻だけでなく、MDMAなども購入して使用していたのですが、ある大麻を使用した日に大麻の作用で自宅内で暴れ、それをきっかけに家族から救急車を呼ばれ、病院に運ばれました。
そして、病院の検査で大麻の使用が発覚し、Aさんは大麻取締法違反の容疑によって京都府綾部警察署に逮捕されてしまうことになりました。
その後の捜査で、Aさんの部屋から大麻だけでなくMDMAも見つかり、Aさんは麻薬取締法でも追送検される予定です。
Aさんの家族は、どうにかAさんを釈放してほしい、また、どうにか同じことを繰り返さずに更生できるようにしたいと、京都少年事件を扱う弁護士に相談することにしました。
(※平成31年3月25日産経新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・大麻とMDMA

いわゆる大麻は、ご存知の方も多いように、大麻草という植物の一部を乾燥させたり樹脂化させたり、あるいは液体化させたりしたものを指します。
一方、MDMAはいわゆる合成麻薬と呼ばれる薬物であり、幻覚剤に分類される薬物です。
MDMAを使用することによって多幸感を感じるという効果があると言われていますが、その乱用によって死亡者が出ることもある危険な薬物です。

現在の日本では、大麻大麻取締法で、MDMAは麻薬の一種として麻薬取締法で規制されています。
大麻については使用の規制はありませんが、所持や譲渡については大麻取締法で規制がなされており、実際問題、大麻を所持せずに使用することは不可能ですから、大麻を使用していれば大麻所持を行ったとして大麻取締法違反で摘発される可能性が高いと言えるでしょう。

大麻取締法24条の2
大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。

麻薬取締法66条
ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第69条第4号若しくは第5号又は第70条第5号に該当する者を除く。)は、7年以下の懲役に処する。

大麻取締法66条の2
第27条第1項又は第3項から第5項までの規定に違反した者は、7年以下の懲役に処する。
(※注:麻薬取締法27条5項 何人も、第1項、第3項又は第4項の規定により禁止される麻薬の施用を受けてはならない。)

こうした規制のある大麻MDMAですが、上記事例のAさんは、まず大麻取締法違反の容疑で逮捕されているところ、MDMAも所持・使用をしていたようです。
大麻取締法違反事件では、このように違う種類の違法薬物の所持や使用も発覚するケースが少なからず見られます。
というのも、大麻は「ゲートウェイドラッグ」とも呼ばれており、より依存性や副作用の強力な他の違法薬物の使用の入り口になる薬物であると言われている側面があるのです。
大麻は、他の違法薬物と比べて安価な相場であるともいわれており、そうしたことから最初に大麻に手を出す、という人も多くいるようです。
しかし、一度大麻等違法薬物に手を出してしまうと、再度同じ大麻やその他違法薬物に手を出すときのハードルが低くなり、手を出しやすくなってしまいます。
そして、使用感に慣れていってしまうと、より大きい効果を求めて、副作用や依存性の高い薬物に手を広げてしまうということもあるようです。
こうしたことから、大麻はゲートウェイドラッグであるとも言われており、大麻取締法違反だけでなく、その他の違法薬物の所持や使用の罪が重なってしまう刑事事件も少なからずあるのです。

大麻などの薬物事件に限らず、複数の犯罪をしてしまった場合、事件の見通しや弁護活動を推し量ることは、一般の方だけではなかなか難しくなってしまうでしょう。
そうした時こそ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。
弊所の弁護士刑事事件少年事件専門の弁護士ですから、複数の犯罪に関わる複雑な刑事事件のご相談・ご依頼も安心してお任せいただけます。
まずはフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

次回の記事では、Aさんの事件に焦点を当てて、詳しく検討していきます。

京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件③

2019-03-21

京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件③

~前回からの流れ~
Aさんは、京都府舞鶴市で、X国から大麻を輸入し、その大麻を販売して利益を得ることを数年の間繰り返していたことから、京都府舞鶴警察署に、麻薬特例法違反の容疑で逮捕されることとなりました。
Aさんは、弁護士との接見(面会)を重ねる中で、麻薬特例法違反で起訴され、有罪となった場合、懲役刑や罰金刑の他に「没収」や「追徴」という処分を受ける可能性があるという話を聞きました。
そこでAさんは、それらが一体どういった処分なのかを弁護士に詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・麻薬特例法違反事件で受けうる処分

前回の記事では、大麻取締法違反麻薬特例法違反がどういった点で異なるのか、どういった違いから成立が分かれるのかに触れました。
今回の記事では、麻薬特例法違反となった場合に受ける可能性のある処分について取り上げます。

まず、Aさんのような業として大麻輸入行為をしたという麻薬特例法違反で有罪となった場合には、「無期又は5年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金」に処せられることになります。
これに加えて、Aさんが弁護士から聞いたように、「没収」や「追徴」という処分を受ける可能性があります。

麻薬特例法11条1項
次に掲げる財産は、これを没収する。
ただし、第6条第1項若しくは第2項又は第7条の罪が薬物犯罪収益又は薬物犯罪収益に由来する財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産に係る場合において、これらの罪につき第3号から第5号までに掲げる財産の全部を没収することが相当でないと認められるときは、その一部を没収することができる。
1号 薬物犯罪収益(第2条第2項第6号又は第7号に掲げる罪に係るものを除く。)
2号 薬物犯罪収益に由来する財産(第2条第2項第6号又は第7号に掲げる罪に係る薬物犯罪収益の保有又は処分に基づき得たものを除く。)

麻薬特例法12条
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成11年法律第136号。以下「組織的犯罪処罰法」という。)第14条及び第15条の規定は、前条の規定による没収について準用する。
この場合において、組織的犯罪処罰法第14条中「前条第1項各号又は第4項各号」とあるのは、「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律第11条第1項各号又は第3項各号」と読み替えるものとする。

※組織犯罪処罰法14条
前条第1項各号又は第4項各号に掲げる財産(以下「不法財産」という。)が不法財産以外の財産と混和した場合において、当該不法財産を没収すべきときは、当該混和により生じた財産(次条第1項において「混和財産」という。)のうち当該不法財産(当該混和に係る部分に限る。)の額又は数量に相当する部分を没収することができる。

※組織犯罪処罰法15条1項
第13条の規定による没収は、不法財産又は混和財産が犯人以外の者に帰属しない場合に限る。
ただし、犯人以外の者が、犯罪の後情を知って当該不法財産又は混和財産を取得した場合(法令上の義務の履行として提供されたものを収受した場合又は契約(債権者において相当の財産上の利益を提供すべきものに限る。)の時に当該契約に係る債務の履行が不法財産若しくは混和財産によって行われることの情を知らないでした当該契約に係る債務の履行として提供されたものを収受した場合を除く。)は、当該不法財産又は混和財産が犯人以外の者に帰属する場合であっても、これを没収することができる。

麻薬特例法13条1項
第11条第1項の規定により没収すべき財産を没収することができないとき、又は同条第2項の規定によりこれを没収しないときは、その価額を犯人から追徴する。

つまり、薬物犯罪の犯罪行為により得た財産や、その財産を使って得た財産は「没収」され、「没収」が不可能な場合には「追徴」されることになるのです。
没収」とは、その物の所有権をはく奪し、国庫に帰属させることを言います。
すなわち、その物を取り上げて、国のものとしてしまう、ということです。
追徴」とは、「没収」ができない場合に、その物の価額を強制的に納付させることを言います。
ですから、Aさんの場合、懲役刑や罰金刑だけでなく、大麻輸入やその大麻の販売によって得た利益について「没収」や「追徴」をされることになると考えられるのです。

このように、実は刑事事件の処分は犯罪によって様々で、どういった処分が見込まれるのかは成立した犯罪やその詳しい内容によります。
しかし、こうした見通しがなければ、どういった処分を目指していくか、争うべき事柄が何かという方針が立てられないこともあります。
だからこそ、刑事事件に巻き込まれてしまった時、刑事事件に悩んだ時には、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください。
弊所の弁護士は、刑事事件専門弁護士として、ご相談者様のお悩みに真摯に対応いたします。
お問い合わせは0120-631-881まで、遠慮なくお電話ください。

京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件②

2019-03-20

京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件②

~前回からの流れ~
Aさんは、京都府舞鶴市で、X国から大麻を輸入し、その大麻を販売して利益を得ることを数年の間繰り返していたことから、京都府舞鶴警察署に、麻薬特例法違反の容疑で逮捕されることとなりました。
Aさんは、家族の依頼を受けた弁護士と接見(面会)し、大麻輸入行為であっても麻薬特例法違反となるケースがあることを聞きました。
そこでAさんは、弁護士に、大麻輸入行為大麻取締法違反となった場合と、大麻輸入行為麻薬特例法違反となった場合の違いについて、さらに詳しく話を聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・大麻取締法違反と麻薬特例法違反~成立の分かれ目

前回の記事で取り上げたように、「麻薬」特例法違反という通称ではありますが、大麻輸入行為等も麻薬特例法違反となりえます。
では、Aさんのように大麻を輸入した場合に、大麻取締法違反が成立した場合と麻薬特例法違反が成立した場合で何が異なってくるのでしょうか。
そもそも、この2つの犯罪は、どういった点で成立する犯罪が分かれるのでしょうか。
もう一度それぞれの条文を見てみましょう。

麻薬特例法5条
次に掲げる行為を業とした者(これらの行為と第8条の罪に当たる行為を併せてすることを業とした者を含む。)は、無期又は5年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
2号 大麻取締法第24条又は第24条の2(所持に係る部分を除く。)の罪に当たる行為をすること。

大麻取締法24条
1項 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。

条文を見てみると、大麻輸入行為の場合、「業として」行えば麻薬特例法違反に、そうでなければ大麻取締法違反になるということが分かります。
麻薬特例法のいう「業として」行うとは、大麻輸入等の規制薬物に関連する不正行為を反復継続する意思に基づき、業態的・営業的活動であると認められる形態で活動することであると解釈されています。
何をもって「業態的・営業的活動」と言えるかについては、どれだけの期間その不正行為が継続されていたのか、不正行為によって得た利益はどれほどであるのか等、それぞれの事案を詳しく検討することで判断されますから、一概に「何回輸出入をしているから麻薬特例法違反になる」とは言えません。
ですから、一般の方だけで大麻取締法違反によって処罰されるのが適切なのか、それとも麻薬特例法違反となる可能性があるのかを判断することは非常に難しいと言えるでしょう。

・大麻取締法違反と麻薬特例法違反~2つの違い

では、大麻取締法違反麻薬特例法違反、どちらが成立するかによって何が変わるのでしょうか。
まずは、2つの法律を見比べると分かる通り、麻薬特例法違反として処罰される方が、大麻取締法違反として処罰されるよりもより厳しく重い刑罰を受けることになることが分かります。
大麻取締法違反麻薬特例法違反では、いわゆる「法定刑」が異なるのです。
そして、ここで注意すべきなのは、Aさんのような大麻輸入行為が大麻取締法違反になるのか麻薬特例法違反になるのかということで異なってくることが、ただ単純に刑罰が重くなるかどうかだけではないということです。

先ほども触れた通り、大麻取締法では、営利目的で大麻を輸入した場合の法定刑は7年以下の懲役情状によっては200万円以下の罰金も併科)ですが、業として大麻輸入を行って麻薬特例法違反となった場合の法定刑には、無期懲役が含まれることになります。
これにより、以下の裁判員法2条1号に該当することとなり、業として大麻輸入を行ったという麻薬特例法違反で裁判となった場合には裁判員裁判を受けることになるのです。

裁判員法2条
地方裁判所は、次に掲げる事件については、次条又は第3条の2の決定があった場合を除き、この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は、裁判所法第26条の規定にかかわらず、裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。
1号 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件

裁判員裁判は、手続きもそれに伴う弁護活動も、通常の刑事裁判とは異なる特殊なものとなります。
裁判員裁判となれば、被告人自身の負担も、その周囲の方の負担も大きくなってしまう可能性があります。
だからこそ、裁判員裁判になる可能性があるのであれば、より刑事事件に詳しい専門家である弁護士のサポートが重要になってくると言えます。

このように、大麻取締法違反となるのか、それとも麻薬特例法違反となるのかは、その規定されている刑罰の重さが大きく異なるだけでなく、裁判の手続きがどのようなものになるのかにも影響します。
そういった場合に頼れるのが、刑事事件に強い弁護士です。
こうした2つの犯罪の成立について争いたいとお悩みの方、麻薬特例法違反事件にお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください。
お問い合わせは24時間いつでも0120-631-881にて受け付けています。

次回の記事では、麻薬特例法違反事件で考えうる処分について取り上げます。

京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件①

2019-03-19

京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件①

Aさんは、京都府舞鶴市で、X国から大麻を輸入し、その大麻を販売して利益を得ることを数年の間繰り返していました。
しかしある日、舞鶴税関支署により、Aさんの大麻輸入行為が発覚し、Aさんは京都府舞鶴警察署麻薬特例法違反の容疑で逮捕されることとなりました。
Aさんは、「自分が輸入していたのは大麻であったのに、麻薬特例法違反という罪名で逮捕されたのはなぜなのだろうか」と思い、Aさんの家族が依頼した弁護士が接見(面会)に来た際に、弁護士に質問してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・大麻輸入なのに麻薬特例法?

Aさんは、大麻を販売するために大麻輸入行為を繰り返したという麻薬特例法違反の容疑で逮捕されています。
Aさんも疑問に思っているように、大麻なのに麻薬特例法という法律に違反することになるのでしょうか。
大麻に関しては、大麻取締法によって規制されているのではないのでしょうか。

麻薬特例法とは、「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」という法律の通称です。
麻薬特例法が定められている趣旨は、その1条にあります。

麻薬特例法1条
この法律は、薬物犯罪による薬物犯罪収益等をはく奪すること等により、規制薬物に係る不正行為が行われる主要な要因を国際的な協力の下に除去することの重要性にかんがみ、並びに規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図り、及びこれに関する国際約束の適確な実施を確保するため、麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)、大麻取締法(昭和23年法律第124号)、あへん法(昭和29年法律第71号)及び覚せい剤取締法(昭和26年法律第252号)に定めるもののほか、これらの法律その他の関係法律の特例その他必要な事項を定めるものとする。

つまり、麻薬特例法は、麻薬や向精神薬、大麻、覚せい剤などの規制薬物に関する特例であり、「麻薬」特例法という通称で呼ばれてこそいるものの、麻薬特例法の対象には麻薬や向精神薬だけでなく、大麻やあへん、覚せい剤についても含まれるということになります。

では、どういったことをした場合、麻薬特例法によって処罰されることになるのでしょうか。
今回のAさんのような、大麻取締法違反にかかる例にとって見てみましょう。
麻薬特例法では、以下のような形で、麻薬特例法違反として処罰するケースを定めています。

麻薬特例法5条
次に掲げる行為を業とした者(これらの行為と第8条の罪に当たる行為を併せてすることを業とした者を含む。)は、無期又は5年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
2号 大麻取締法第24条又は第24条の2(所持に係る部分を除く。)の罪に当たる行為をすること。

大麻取締法24条
1項 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。

大麻取締法24条の2
1項 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。

すなわち、大麻取締法で禁止されている大麻輸入行為等について、「業として」行った場合には、大麻取締法違反ではなく、麻薬特例法違反として処罰されることになるのです。
なお、このほか、薬物犯罪による収益と知りながらその収益を収受したり、規制薬物の輸出入に係る薬物犯罪をする意思で規制薬物として物品を輸出入したり、薬物犯罪の濫用をあおったりそそのかしたりした場合にも、麻薬特例法違反となります。

では、麻薬特例法違反大麻取締法違反では、具体的に何が異なってくるのでしょうか。
そして、どういった違いによって成立する犯罪が変わってくるのでしょうか。
次回の記事で詳しく取り上げます。

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