Archive for the ‘薬物事件’ Category

覚せい剤使用事件で違法捜査を主張⑤

2019-12-04

覚せい剤使用事件で違法捜査を主張⑤

覚せい剤使用事件違法捜査を主張するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~前回からの流れ~

Aさんは、京都府福知山市に住んでいます。
ある日、Aさんは京都府福知山市内の路上で京都府福知山警察署の警察官に職務質問され、帰路につきながらそれにこたえていると警察官が複数人そのまま自宅まで訪ねてきました。
Aさんが玄関を閉めようとすると、警察官がそれを手で押さえ、Aさん宅内に無断で立ち入り、Aさんに「腕を見せてください」などと言ってAさん宅内でAさんの腕の写真を撮影しました。
この際、Aさんには令状等が見せられることはなく、何の容疑で捜査されたかも伝えられませんでした。
さらにAさんは警察署同行するように求められ、そこで尿を提出するよう言われましたが、これを拒んだところ、先ほど自宅に立ち入って撮影された写真を基に取得した令状を基に、強制採尿されることになってしまいました。
その後、Aさんは覚せい剤を使用したという覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕されてしまったのですが、違法捜査を受けたのではないかと不満に思っています。
そこでAさんは、家族の依頼によって接見にやってきた弁護士に、自分が違法捜査を受けたのではないかと相談してみることにしました。
(※令和元年10月29日毎日新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・Aさんの場合~強制採尿

前回の記事では、Aさんの部屋への立ち入りについて、違法捜査となる可能性があることに触れました。
では、その部屋の立ち入りで得られた写真等を利用して行われた強制採尿についてはどうでしょうか。

今回のAさんは、強制採尿されてしまっています。
強制採尿は、言わずもがな強制処分にあたる捜査です。
よって、強制採尿をするには令状が必要となります。
強制採尿は、尿道にカテーテルを挿入して強制的に採尿する捜査手法であるため、令状を得たとしても人格権を侵害して許されないのではないかという論争があるほどです。
そのため、強制採尿をするにはより厳格な審査が必要になると考えられています。
判例では、強制採尿について、「…犯罪の捜査上真にやむをえないと認められる場合に、最終週的手段として、適切な法律上の手続を経てこれを行うことも許されてしかるべきであり、ただ、その実施にあたっては、被疑者の身体の安全とその人格の保護のため十分な配慮が施されるべきもの」であるとしています(最決昭和55.10.23)。
つまり、強制採尿は強制捜査の中でも特に慎重に判断すべきものであるといえるのです。

今回のAさんも、部屋への立ち入りをされた際に写真を撮られ、その写真を疎明資料として強制採尿の令状を取られ、強制採尿されてしまっているようですが、強制採尿の手続きが本当に適切であったのかが問題となります。
もしAさんの受けた部屋への立ち入りや写真撮影が違法捜査だったとすれば、違法捜査によって得られた証拠によって令状が発行されているのであれば、その令状は大きくゆがめられた判断で発行されたことになります。
ですから、こうした場合、違法捜査によって得られた証拠によって発行された令状に基づいて行われた強制採尿についても、適切な手続きで行われたとはいえず、違法捜査であるといえるのです。
そして強制採尿が違法性の大きい違法捜査であるということになった場合、強制採尿の結果である鑑定書も違法捜査によって得られた証拠ということになり、違法収集証拠排除法則によって証拠として使うことができなくなります。
このように、元々違法捜査によって得られた証拠がありそれによってほかの強制捜査も行われていた場合、連鎖的に違法捜査となってしまう可能性が出てくるのです。

刑事事件では、強制捜査により権利を侵害されることが仕方のないこともありますが、それが違法捜査ではなく適法な捜査であることが求められます。
さらに、前回までの記事でも見てきたように、違法捜査が行われたとしてもその違法捜査で集められた証拠が排除されるかどうかはケースによりけりであり、排除されるべき証拠は排除されるように主張していかなければなりません。
しかし、当事者自身やその周囲の方のみで、こうした違法捜査に当たるのかどうか、違法捜査に当たる捜査を受けたとしてどのように主張していくべきなのかといったことは分からないことの方が多いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門弁護士がそうした違法捜査に関するご相談も受け付けています。
まずはお気軽に弁護士までご相談ください(ご相談のご予約・お申込み:0120-631-881)。

覚せい剤使用事件で違法捜査を主張④

2019-12-02

覚せい剤使用事件で違法捜査を主張④

覚せい剤使用事件違法捜査を主張するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~前回からの流れ~

Aさんは、京都府福知山市に住んでいます。
ある日、Aさんは京都府福知山市内の路上で京都府福知山警察署の警察官に職務質問され、帰路につきながらそれにこたえていると警察官が複数人そのまま自宅まで訪ねてきました。
Aさんが玄関を閉めようとすると、警察官がそれを手で押さえ、Aさん宅内に無断で立ち入り、Aさんに「腕を見せてください」などと言ってAさん宅内でAさんの腕の写真を撮影しました。
この際、Aさんには令状等が見せられることはなく、何の容疑で捜査されたかも伝えられませんでした。
さらにAさんは警察署同行するように求められ、そこで尿を提出するよう言われましたが、これを拒んだところ、先ほど自宅に立ち入って撮影された写真を基に取得した令状を基に、強制採尿されることになってしまいました。
その後、Aさんは覚せい剤を使用したという覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕されてしまったのですが、違法捜査を受けたのではないかと不満に思っています。
そこでAさんは、家族の依頼によって接見にやってきた弁護士に、自分が違法捜査を受けたのではないかと相談してみることにしました。
(※令和元年10月29日毎日新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・任意捜査と強制捜査

これまでで、強制捜査の際には令状が必要であるということ、令状なしの強制捜査は違法捜査となり、その違法捜査によって得られた証拠は違法収集証拠排除法則によって証拠として使えなくなる可能性があるということがおわかりいただけたと思います。
では、そもそも任意捜査と強制捜査はどういった区別がされているのでしょうか。

第1回目の記事で取り上げた通り、任意捜査は被疑者・被告人の任意によって行われる捜査であり、強制捜査は強制的に行うことのできる捜査です。
捜査は任意捜査によって行われるべきであり、強制捜査は特別必要のある時にだけ行われるべきであるという任意捜査の原則という原則があり、さらに強制捜査は令状主義のほかにも、法律に決められている場合にのみ強制捜査が許されるという原則(強制処分法定主義)があるため、強制捜査以外の捜査が任意捜査とされています。

では、強制捜査がどういった捜査であるとされているかというと、「個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など、特別の根拠規定がなければ許容することが相当でない手段」であるとされています(最決昭和51.3.16)。
ですから、この手段にあたる処分で捜査をした場合、強制捜査であるということになり、それが行われるには令状が必要であるということになるのです。

・Aさんの場合~部屋への立ち入り

まずは今回のAさんの事例の、警察官の部屋の立ち入りについて考えてみましょう。

今回のきっかけとなった職務質問自体は、警察官が何か犯罪をしている若しくはしようとしていると疑う合理的な理由があればすることのできる行為です。
そして、この職務質問はあくまで任意捜査、つまりはAさんの同意に基づいて行われるものですから、警察官がAさんについて何か犯罪をしている若しくはしそうと疑う合理的な理由があり、かつAさんが同意して警察官へ対応していたのであれば、問題にはなりません。

では、Aさん宅への立ち入りやAさんを撮影したことについて、検討してみましょう。
今回の事例の基となったケースでは、警察官らは女性である被告人が閉めようとした玄関のドアを押さえ、靴脱ぎ場までとはいえ断りもなく被告人の部屋に立ち入り、さらにドアを複数人で押さえて開いた状態にしたうえ、被告人が出ていくよう求めてもそれに応じずにとどまり続け、部屋内にいる被告人を撮影するという行為をしたようです。
これに対し、裁判所は、被告人の部屋への立ち入りやそこにとどまり続けた警察官らの行為は被告人の承諾を得て行ったものとは考えられず、被告人の意思を抑圧するものであったとしています。
そして、この行為は被告人のプライバシーや住居の平穏など個人的法益を害する強制処分(強制捜査)であるとしました。
前回の記事から触れているように、令状なしの強制処分(強制捜査)は違法捜査ですから、事例の基となったケースでは、部屋への立ち入りやそこに居座ったこと、撮影をしたことが違法捜査であるとされたのです。

今回のAさんの事例では、具体的に警察官らがどういった態様でAさんに嫌疑をかけたのか、そしてAさん宅にどれほどとどまりどのように立ち入っていたのかは詳しく書かれていませんが、事例の基となったケースのように、Aさんの意思を制圧するような形でAさんの権利を侵害する形で捜査をしていたのであれば、違法捜査であると判断されることも考えられます。

さらに、このケースの基となった事例では、被告人宅への立ち入りについて、嫌疑の具体性が乏しかったことに加え必要性・緊急性が低かった若しくはなかったとして、無令状で強制捜査をしたことは違法捜査の違法性が重大であるとし、この違法捜査によって得られた証拠=被告人の写真等は違法収集証拠であるとしました。

今回のAさんの事例でも、Aさん宅への立ち入りが違法捜査であると判断された場合、その違法性の大きさにより、Aさんの写真等が違法収集証拠排除法則により証拠として使えないと判断される可能性もあります。

こういった違法性の度合いについては、専門家の意見や考察を聞きながら判断し、適切に主張していくことが求められます。
違法捜査や違法収集証拠が絡んだ刑事事件では、刑事事件に詳しい弁護士に逐一状況を相談することが望ましいといえるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門弁護士がこういった複雑な刑事手続きについても丁寧にご説明いたします。
まずはお気軽に0120-631-881までご連絡ください。

次回の記事では、Aさんの強制採尿やそれによって得られた鑑定書について検討していきます。

覚せい剤使用事件で違法捜査を主張③

2019-11-30

覚せい剤使用事件で違法捜査を主張③

覚せい剤使用事件違法捜査を主張するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~前回からの流れ~

Aさんは、京都府福知山市に住んでいます。
ある日、Aさんは京都府福知山市内の路上で京都府福知山警察署の警察官に職務質問され、帰路につきながらそれにこたえていると警察官が複数人そのまま自宅まで訪ねてきました。
Aさんが玄関を閉めようとすると、警察官がそれを手で押さえ、Aさん宅内に無断で立ち入り、Aさんに「腕を見せてください」などと言ってAさん宅内でAさんの腕の写真を撮影しました。
この際、Aさんには令状等が見せられることはなく、何の容疑で捜査されたかも伝えられませんでした。
さらにAさんは警察署同行するように求められ、そこで尿を提出するよう言われましたが、これを拒んだところ、先ほど自宅に立ち入って撮影された写真を基に取得した令状を基に、強制採尿されることになってしまいました。
その後、Aさんは覚せい剤を使用したという覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕されてしまったのですが、違法捜査を受けたのではないかと不満に思っています。
そこでAさんは、家族の依頼によって接見にやってきた弁護士に、自分が違法捜査を受けたのではないかと相談してみることにしました。
(※令和元年10月29日毎日新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・違法捜査が行われるとどうなる?

前回の記事で確認したように、強制捜査が行われる場合、原則としてその強制捜査は令状に基づいたものでなければいけません。
令状なしの強制捜査は基本的に違法捜査となってしまいます。

違法捜査が行われ、違法捜査によって証拠が収集された場合、その証拠を使って被告人を有罪としてしまえば、違法捜査を認めることになってしまい、適正な手続きによって刑事事件が処理されることになりません。
そのため、違法捜査によって収集された証拠=違法収集証拠は、裁判の場から排除され、証拠として使うことができなくなります。
このための法則を違法収集証拠排除法則と呼びます。
この違法収集証拠排除法則は、それ自体が何かの法律に条文として定められているわけではありません(ただし、供述証拠の場合、憲法38条で強要等による自白を証拠とできない旨が定められています。)。
しかし、憲法31条で適正手続の保障、憲法33条・35条で前回の記事で取り上げた令状主義が定められていることから、それを実現するためには違法捜査によって収集された違法収集証拠を排除する必要があり、さらに将来の違法捜査を抑止するために必要であるということから、この違法収集証拠排除法則が決められています。

ただし、違法収集証拠排除法則とはいえど、違法収集証拠の全てが排除されるというわけではないことに注意が必要です。
過去の例では「証拠物の押収等の手続きに憲法35条及びこれを受けた刑訴法218条1項等の所期する令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが、将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合においては、その証拠能力は否定される」としています(最判昭和53.9.7)。
すなわち、違法収集排除法則によって排除されるためには、単に違法捜査によって収集された証拠であることだけでなく、①その違法が重大な違法であること、②違法捜査の抑制の見地から相当でない、ということが必要なのです(学説によって①②どちらも必要である説、①か②どちらかがあればよいという説が分かれています。)。

このように、違法捜査によって収集された証拠は証拠として使えない可能性があるものであるため、違法捜査を受けたのかどうか、どういった違法捜査だったのか、違法捜査によって収集された証拠はどういったもので排除される可能性があるのかどうかを検討することが必要です。
しかし、これらは非常に複雑で一般の方ではわかりにくいものですから、違法捜査を受けたかもしれないと思ったら、すぐに弁護士に相談することが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門の弁護士がご相談を承っています。

複雑な刑事事件にお困りの際も、遠慮なくご相談ください。

覚せい剤使用事件で違法捜査を主張②

2019-11-28

覚せい剤使用事件で違法捜査を主張②

覚せい剤使用事件違法捜査を主張するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~前回からの流れ~

Aさんは、京都府福知山市に住んでいます。
ある日、Aさんは京都府福知山市内の路上で京都府福知山警察署の警察官に職務質問され、帰路につきながらそれにこたえていると警察官が複数人そのまま自宅まで訪ねてきました。
Aさんが玄関を閉めようとすると、警察官がそれを手で押さえ、Aさん宅内に無断で立ち入り、Aさんに「腕を見せてください」などと言ってAさん宅内でAさんのの腕の写真を撮影しました。
この際、Aさんには令状等が見せられることはなく、何の容疑で捜査されたかも伝えられませんでした。
さらにAさんは警察署同行するように求められ、そこで尿を提出するよう言われましたが、これを拒んだところ、先ほど自宅に立ち入って撮影された写真を基に取得した令状を基に、強制採尿されることになってしまいました。
その後、Aさんは覚せい剤を使用したという覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕されてしまったのですが、違法捜査を受けたのではないかと不満に思っています。
そこでAさんは、家族の依頼によって接見にやってきた弁護士に、自分が違法捜査を受けたのではないかと相談してみることにしました。
(※令和元年10月29日毎日新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・強制捜査と令状

覚せい剤使用事件などの刑事事件では、警察や検察といった捜査機関が事件の捜査を行います。
その捜査は、強制力をもち強制的に行うことのできる強制捜査と、任意で行われる任意捜査に分けられます。
任意捜査の場合、被疑者・被告人に任意で協力してもらう形で捜査が行われます。
今回問題となるのは、強制力を伴って行われる強制捜査です。

強制捜査は、文字通り、強制的に行われる捜査です。
代表的なものとしては、身体拘束をして捜査する逮捕を伴っての捜査や、家等に立ち入って捜索する家宅捜索、尿を強制的に採取する強制採尿などが挙げられます。
これらの捜査は強制的に行われますから、任意捜査と違って拒否することはできません。
しかし、こうした強制捜査は被疑者・被告人の権利を侵害することにもなります。
逮捕されれば身体拘束により自由がきかなくなりますし、勝手に家の中に入ってこられたり意思に反して自分の尿を取られたりすることも元々その人が持っているはずの権利を侵害する行為であることは想像にたやすいでしょう。

ですから、刑事事件であればなんでも強制捜査ができるわけではありません。
権利を侵害することを最小限に、かつ適切な場合にとどめるために、強制捜査を行うための原則が定められています。
それが、令状主義といわれる原則です。
令状主義とは、逮捕や家宅捜索等の強制捜査(強制処分)は、裁判所の発行する令状がなければ行うことができないという原則です。
皆さんもドラマなどで「逮捕状」「家宅捜索令状」といった単語を聞いたことがあるのではないでしょうか。
これらの令状がなければ、強制捜査はすることができません。
先ほど触れたように、強制捜査は被疑者・被告人の意思に反して強制的に行われる捜査でその権利を侵害する行為となりますから、捜査機関が強制捜査を濫用しないよう、本当に強制捜査が必要な場合であるのかどうか、裁判所のチェックを通すということなのです。
つまり、令状によらない強制捜査は令状主義に反することになり、違法捜査となるのです。

なお、この令状主義は憲法に定められています。

憲法33条
何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

憲法35条
1項 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
2項 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。

刑事事件にはこのように、憲法にも定められているような主義や原則がありますが、一般の方がこれらすべての主義や原則を理解しているわけではないでしょう。
その点、刑事事件に強い弁護士であれば、こうした刑事事件の主義や原則を理解しながら、被疑者・被告人本人やそのご家族にアドバイスをすることが可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門の弁護士初回無料法律相談初回接見サービスを承っています。
刑事事件にお困りの際はお気軽にご相談ください。

次回の記事では、こうした主義・原則に反する違法捜査が行われた場合どうなるのかについて詳しく触れていきます。

大麻譲渡事件で逮捕

2019-10-15

大麻譲渡事件で逮捕

大麻譲渡事件逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~
Aさんは、SNSを通じて知り合った京都市南区に住むBさんが大麻に興味があると言っていたため、無料通信アプリを利用してやり取りを行い、京都市南区でBさんと落ち合うと、Bさんから料金を受け取り大麻を譲渡しました。
しばらくすると、Bさんが京都府南警察署大麻を所持していたとして大麻取締法違反の容疑で逮捕されたといううわさが流れてきました。
そしてそのすぐ後に、Aさんの自宅に京都府南警察署の警察官が訪れ、Aさんは大麻を譲渡したとして、大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、Aさん自身も自分たちも京都在住ではなかったため、Aさんが京都府南警察署逮捕されたということに大変驚き、どのように対応すべきか困ってしまいました。
そこで、Aさんの両親は全国的に刑事事件の対応を行っている弁護士事務所に相談していることにしました。
(※令和元年10月9日毎日新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・大麻譲渡で大麻取締法違反

大麻を所持していれば大麻取締法違反という犯罪となることは、多くの方がご存知でしょう。
しかし、大麻は所持だけでなく、他人への譲渡なども大麻取締法で禁止されています。

大麻取締法24条の2
1項 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。
3項 前二項の未遂罪は、罰する。

大麻の使用自体は大麻取締法で禁止されていないことは有名ですが、所持や譲渡といった行為はこのように大麻取締法で禁止されています。
たとえ自分が大麻を使用する目的でなかったり、実際に大麻を使っていなかったりしても、大麻を所持したり譲渡したりすれば大麻取締法違反となりますから、「自分は使っていない」ことは言い訳にはなりません。
この大麻取締法の規定に違反すればその目的により5年以下の懲役、もしくは7年以下の懲役と情状により200万円以下の罰金となってしまいます。

今回の事例のAさんは、大麻をBさんに有償で譲り渡しています。
有償での大麻譲渡行為であることから、営利の目的で行われたと推測され、営利目的での大麻譲渡の容疑で捜査されることも考えられます。
もしもAさんが営利目的ではなかった場合、不当に重い刑罰を受けることになりかねませんから、逮捕直後の取調べの段階から、弁護士に自分の認識をきちんと話し、その後の取調べ等への対応についてアドバイスをもらうことが重要となってくるでしょう。

・遠方で逮捕されてしまったら

さて、今回逮捕されてしまったAさんやその両親は、Aさんが逮捕された京都市南区に住んでいるわけではないようです。
刑事事件では、しばしば住所地とは違う地域の警察署が捜査を行っており、住んでいる場所から遠く離れた場所で逮捕されてしまうことがあります。
こうした際、ご家族が被疑者本人の様子を知りたいと思ってもなかなか面会に行けなかったり、弁護士を依頼しようにもどこの弁護士に頼んでいいのかわからなかったりといった問題が出てきてしまいます。

だからこそ、遠方での逮捕にお困りの際は、全国13都市に事務所を構える弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください。
様々な場所に事務所があるからこそ、離れた土地での逮捕やそのご報告にも柔軟に対応が可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、北は北海道札幌市、南は福岡県福岡市まで全国に展開を行っています。
住所地で逮捕されてしまった時はもちろんのこと、それ以外の逮捕にお困りの際も、お気軽にご相談ください。
お近くの支部の弁護士と事件地に近い支部の弁護士で連携を行い、ご相談者様・ご依頼者様の不安を解消すべく、サポートに尽力いたします。

覚せい剤所持事件で保釈を目指す

2019-08-20

覚せい剤所持事件で保釈を目指す

Aさんは、覚せい剤に興味を持ち、数か月前からインターネットを利用して覚せい剤を購入し、京都府福知山市の自宅で覚せい剤を使用していました。
しかし、Aさんの挙動がおかしいことに気づいた近隣住民が京都府福知山警察署に通報したことにより、Aさんは覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは勾留され、起訴されることも決まりました。
Aさんの家族は、どうにかAさんの身体拘束を解くことはできないかと、保釈について弁護士に相談することにしました。
相談後、Aさんの家族は弁護活動を依頼することにし、弁護士はAさんに速やかに接見を行い、保釈請求をするための準備を始めました。
(※この事例はフィクションです。)

・保釈とは

保釈とは、起訴後、保釈保証金の納付を条件に、被告人の身体拘束を解く制度のことを言います。
保釈は起訴後に可能となる制度であるため、逮捕段階や被疑者段階での勾留では利用することはできません。

そして、保釈の際に納付する保釈保証金とは、一般的に保釈金と呼ばれるもので、その額は事件や被告人の環境によって変動します。
保釈金は、保釈中に逃亡したり証拠隠滅をしたりしないようにするための担保とされるもので、それらの条件を破ってしまった場合に一部または全部没収されることになります。
そのため、その人の没収されてしまったら困るという額が保釈金とされるのです。
なお、保釈中に保釈の条件を守ることができれば、最終的に保釈金は戻ってきます。

そして、保釈金が払えれば保釈される、というわけではないことに注意が必要です。
保釈されるためには、逃亡や証拠隠滅等のおそれがないと認められる必要が出てきますから、客観的に見てそうしたおそれのない環境であることを主張していくことが求められます。
つまり、よくイメージされがちなように「お金をたくさん払えば保釈される」ということではないのです。

保釈には、3つの種類があり、それぞれ権利保釈、裁量保釈、義務的保釈と呼ばれています。
権利保釈は、保釈の要件(刑事訴訟法89条1~6号)を満たす場合は、保釈の請求があれば保釈しなければならないという保釈のことをいいます。
また、裁量保釈は、上記権利保釈に該当しない場合でも、裁判所が適当と認める場合には、保釈を許すことができるという保釈です。
最後の義務的保釈とは、勾留による身体拘束が不当に長くなった場合になされる保釈のことをいいます。

これらの保釈をするためには、裁判所に対して保釈請求を行わなくてはなりません。
保釈請求の際には、先ほど触れたように、被告人が逃亡しないことや証拠隠滅のおそれがないことなどを、具体的な事情にからめながら裁判官に主張する必要があります。
刑事事件に強い弁護士と被告人本人、被告人の周囲の方々が一丸となることで、この環境をつくり、保釈に向けた一歩を踏み出すことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所ですから、保釈に関連したご相談やご依頼も、多数承っております。
覚せい剤などの薬物事件は、逮捕・勾留といった身体拘束を受ける確率が高い事件であると言われています。
京都府の覚せい剤事件やその保釈請求についてお困りの際は、まずは弊所の弁護士まで、ご相談ください(お問い合わせフリーダイヤル:0120-631-881)。

夏休みに大麻所持で逮捕

2019-08-18

夏休みに大麻所持で逮捕

京都市右京区に住んでいる高校1年生のAさんは、夏休み中、自由な時間が増えたことで、「何かもっと楽しいことはないか」とインターネットサーフィンをしていました。
すると、とあるSNSで知り合ったBさんから「楽しい気持ちになれるものがある」と言われ、Aさんはそれを譲り受けることにしました。
その後、AさんはBさんと会い、Bさんから「楽しい気持ちになれるもの」を受け取りました。
自宅に帰ってからAさんがBさんから渡されたものを開封してみると、乾燥させた植物とパイプが入っていました。
Aさんは、その植物が何なのかは分かりませんでしたが、なんとなくよくないとされている類のものであろうと思いました。
しかし、Aさんは、どうせ少しの間しか使わないのだからばれないだろうと考え、同封されていたパイプを利用してその植物を吸っていました。
後日、Aさん宅に京都府右京警察署の警察官が訪れ、Aさんは大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Bさんは大麻の売人であり、その連絡先等からAさんへの大麻譲渡が露見したようです。
(※この事例はフィクションです。)

・大麻取締法違反

ご存知の方も多いように、大麻は違法薬物です。
大麻については、その所持や譲渡等が大麻取締法によって規制されており、これに違反すれば大麻取締法違反という犯罪になります。
大麻の使用自体は、麻の生産者や研究者が偶然その成分を摂取してしまう可能性があること等から大麻取締法で禁止されてはいませんが、大麻を使用するのに所持はしない、ということは物理的に不可能であるため、大麻の使用をしても大麻所持の大麻取締法違反となることが多いです。
なお、今回のAさんの事件は少年事件であるため、Aさんは基本的には刑罰を受けることはありませんが、営利目的でない大麻所持については、「5年以下の懲役」(大麻取締法24条の2 1項)という刑罰が定められています。

ここで、今回のAさんは、「大麻である」というはっきりした認識を持って大麻を所持したわけではありません。
こうした場合でも、大麻取締法違反は成立するのでしょうか。
実は、一般にこうした違法薬物事件では、犯罪が成立するにあたって違法薬物名まではっきり認識している必要はなく、「何らかの違法薬物だろう」という程度の認識があればよいと考えられています。
Aさんも、よくないものであろうと認識しながら大麻を所持しているため、大麻取締法違反の故意があると認められる可能性があります。

・少年の大麻取締法違反事件

SNSの発達・普及等により、たとえ未成年者であっても、大麻等違法薬物の売人にコンタクトを取りやすくなっています。
実際に、最近では中学生や高校生が大麻取締法違反の容疑で逮捕される事件も起きています。
大麻は他の違法薬物よりも比較的安価なことが多いことから、こうした若年層でも手が出しやすくなってしまっているのかもしれません。
しかし、一度大麻という違法薬物に手を出してしまうと、違法薬物に手を出すという行為のハードルが下がり、大麻や他の違法薬物に手を出しやすくなってしまうといわれています。
それ自体への依存症の危険等もあることから、やはり違法薬物には触れないよう注意していくべきでしょう。

先ほど触れたように、Aさんは20歳未満であるため、この大麻取締法違反事件少年事件として扱われます。
ただし、家庭裁判所へ事件が送られるまでは、成人の刑事事件とほぼ同じ扱いを受けるため、逮捕や勾留といった身体拘束がなされる可能性が高いでしょう。
大麻取締法違反事件などの違法薬物事件では、証拠隠滅が容易であったり関係者がいたりする性質上、逮捕等の身体拘束を伴う捜査が行われやすいといわれています。

また、少年が薬物に依存している可能性があったり、大麻に手を出した経緯に調査すべき点があれば、家庭裁判所に行ってからも、観護措置という形で少年鑑別所に収容されての調査が行われることも考えられます。
さらに、依存が深ければ、最終的には医療少年院に送致され、治療を受けるということになる可能性もあります。
こうした身体拘束や処分を回避したい場合には、少年が社会内でも更生可能であるということを主張していかなければなりませんが、そのためにはそれが可能であると客観的に認められる環境を作っていかなければなりません。
そのために、刑事事件だけでなく少年事件に強い弁護士に相談・依頼してみることをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年による違法薬物事件のご相談・ご依頼も受け付けております。
夏休み中の少年事件にお困りの方、大麻取締法違反事件にお悩みの方はお気軽にご相談ください。

覚せい剤事件では逮捕されやすい?②

2019-07-07

覚せい剤事件では逮捕されやすい?②

~前回からの流れ~
京都府八幡市に住んでいるAさんは、数年前から覚せい剤をインターネットで購入しては使用していました。
ある日、覚せい剤の購入に使用していたホームページが閉鎖されているのを見たAさんは、もしかして捜査の手が及んでホームページ閉鎖に至ったのではないかと考えました。
そうであるならば、自分自身も捜査されることになり、京都府八幡警察署逮捕されてしまうのではないかと不安に思ったAさんは、刑事事件に強い弁護士に相談してみることにしました。
そこで、まずはインターネットから弁護士を探し、無料法律相談を受け付けている事務所で予約を取ることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

前回の記事では、覚せい剤に関連する犯罪を取り上げました。
Aさんはこのうち、覚せい剤の譲受や所持、使用にあたることが考えられますから、覚せい剤取締法違反となるでしょう。
では、Aさんは、Aさん自身が不安に思っているように、覚せい剤取締法違反逮捕されてしまうのでしょうか。

・覚せい剤事件では逮捕されやすい?

一般に、覚せい剤や大麻、危険ドラッグ、麻薬といった違法薬物にかかわる薬物事件は、他の犯罪と比べても逮捕されやすいと言われています。
そもそも逮捕は、現行犯逮捕を除き、逮捕状に基づいて行われます(緊急逮捕の場合は逮捕状の請求が事後的なものになりますが、逮捕状は必要です。)。
逮捕状に基づく逮捕については、刑事訴訟法に以下のような条文があります。

刑事訴訟法199条
1項 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。(以下略)
2項 裁判官は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、検察官又は司法警察員(警察官たる司法警察員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会が指定する警部以上の者に限る。以下本条において同じ。)の請求により、前項の逮捕状を発する。但し、明らかに逮捕の必要がないと認めるときは、この限りでない。

つまり、逮捕は原則として、①「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」と、②「逮捕の必要」があるときに認められるのだということになります。

①「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」
これは、被疑者にかかっている嫌疑が相当なものかどうか、ということです。
客観的に全く疑いようのない人に対して容疑がかかっている場合、この条件を満たさず、逮捕状による逮捕はできないということになります。

②「逮捕の必要」
これは、被疑者が逃亡・証拠隠滅をするおそれがあるかどうか、という部分に関係してきます。
逃亡・証拠隠滅が考えられる場合には、それを防ぐために逮捕が行われます。

さて、通常、逮捕はこの①②の条件を満たした場合に行われることになりますが、覚せい剤などの薬物事件と照らし合わせて考えてみましょう。
①の「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」があると仮定すると、残りの②「逮捕の必要」があるかどうかが判断の基準となります。
ここで、覚せい剤などの薬物事件の特性を考えてみましょう。
覚せい剤などの薬物事件で考えられる証拠といえば、当然、覚せい剤などの違法薬物そのものが考えられます。
しかし、この違法薬物そのものは、捨ててしまうことも容易で、簡単に隠滅できてしまうものです。

さらに、Aさんのように、覚せい剤を他の場所から購入していたり、逆に販売していたりした場合、その売買の相手が存在します。
刑事事件でいう「証拠」とは、物的証拠のみならず、関係者の証言や記録も含まれます。
関係者が多ければ、口裏合わせなどによって証言の変更や隠滅が行われる可能性が出てきてしまいます。
こうしたことから、覚せい剤事件等の薬物事件では、②「逮捕の必要」があると判断されることが多いのです。
そのため、覚せい剤事件では逮捕されることが多いといわれるのです。

・逮捕は避けられない?

では、覚せい剤事件に関わってしまったら、必ず逮捕されてしまい、勾留といった長期間に及ぶ身体拘束を受けることになるのでしょうか。
たしかに、覚せい剤事件では前述のように逮捕される可能性は高いですが、それでもできる対策はあります。

例えば、弁護士に相談し、「逮捕の必要」がないといえる環境を整えたうえで自首や自ら出頭することも考えられます。
逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを専門家である弁護士からポイントを押さえて主張してもらうのです。
それでも逮捕されてしまった場合には、勾留の阻止や取り消し、さらには保釈を見据えて身柄解放活動を行ってもらうことになるでしょう。

どういった対策を講じることがよいのか、見通しはどういったものなのかは、事件ごとに検討しなければなりませんから、逮捕が不安な場合には、まずは弁護士の話を聞いてみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料の法律相談も受け付けています。
覚せい剤事件逮捕が不安な方、すでにご家族ご友人が逮捕されてしまってお困りの方、まずは0120-631-881までお電話ください。

覚せい剤事件では逮捕されやすい?①

2019-07-05

覚せい剤事件では逮捕されやすい?①

京都府八幡市に住んでいるAさんは、数年前から覚せい剤をインターネットで購入しては自分で使用していました。
しかしある日、覚せい剤の購入に使用していたホームページが閉鎖されているのに気付いたAさんは、もしかして警察の捜査の手が及んでホームページ閉鎖に至ったのではないかと考えました。
そうであるならば、そこで覚せい剤を購入していた自分自身も捜査されることになり、京都府八幡警察署逮捕されてしまうのではないかと不安に思ったAさんは、刑事事件に強い弁護士に相談してみることにしました。
そこで、まずはインターネットから弁護士を探し、無料法律相談を受け付けている事務所で予約を取ることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・覚せい剤に関連する犯罪

覚せい剤は、皆さんご存じの通り、覚せい剤取締法で規制されている違法薬物です。
覚せい剤は、使用することはもちろん、所持するだけでも覚せい剤取締法違反となります。
覚せい剤事件でよく見られるのは、覚せい剤の輸出入、所持、使用、譲渡といった違反行為です。
これらはそれぞれ、覚せい剤取締法で以下のように規制されています。

【覚せい剤の輸出入】
覚せい剤取締法第41条
第1項 覚せい剤を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第41条の5第1項第2号に該当する者を除く。)は、1年以上の有期懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは3年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
第3項 前2項の未遂罪は、罰する。

【覚せい剤の所持・譲渡・譲受】
覚せい剤取締法41条の2
第1項 覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
第3項 前2項の未遂罪は、罰する。

【覚せい剤の使用】
覚せい剤取締法41条の3
次の各号の一に該当する者は、10年以下の懲役に処する。
第1項 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者
(※注:覚せい剤取締法第19条
左の各号に掲げる場合の外は、何人も、覚せい剤を使用してはならない。
第1号 覚せい剤製造業者が製造のため使用する場合
第2号 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者が施用する場合
第3号 覚せい剤研究者が研究のため使用する場合
第4号 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
第5号 法令に基いてする行為につき使用する場合)

覚せい剤はこのような規制がなされており、特に輸出入や所持・譲渡・譲受については、その目的が営利目的であった場合、より重く処罰されることになります。
なお、覚せい剤の輸出入を行った場合には、覚せい剤取締法だけでなく、いわゆる「麻薬特例法」や「関税法」にも違反するおそれがあることにも注意が必要です。

覚せい剤に関連する犯罪はイメージされるよりも多く細かく規定されていることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
こうした覚せい剤事件逮捕が不安なときには、専門家である弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士によるサービスは、0120-631-881からいつでもお問い合わせ・ご予約が可能です。
専門スタッフが丁寧にご案内いたしますので、遠慮なくお電話ください。

大麻バター所持で逮捕

2019-05-01

大麻バター所持で逮捕

京都府城陽市に住んでいる19歳のAさんは、大麻に興味を持っていました。
するとある日、インターネットで知り合ったBさんから、「大麻バターというものがあって、気軽に大麻を使える」という話を聞きました。
インターネットで大麻バターのことを調べたAさんは、大麻バターは合法だと書いてあるホームページも見受けられたし、大麻バターであれば大麻草自体を所持するわけではないのだから大丈夫だろうと思い、Bさんから大麻バターを購入し、使用していました。
しかしある日、京都府城陽警察署の警察官がAさんの家に家宅捜索に訪れました。
そこでAさんの所持していた大麻バターは押収され、Aさんは大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・大麻バター

大麻バターとは、大麻成分を含むバターのことで、その成分からカンナビスバターなどとも呼ばれることがあるようです。
大麻草にはカンナビノイドという化学物質が含まれており、このカンナビノイドという化学物質が、大麻を利用した際に多幸感をもたらすなどの精神作用を与えると言われています。
そのカンナビノイドという大麻成分は、油に溶ける性質を持っているため、この性質を利用してバターに大麻成分を溶け込ませたのが大麻バターです。
大麻バターは通常のバターと同様、食事に利用することで用いられ、そうして大麻を摂取するのです。

一般的に広まっているイメージとしては、乾燥させた大麻をパイプなどで喫煙することによって摂取するイメージが強いかもしれませんが、大麻バターのような大麻草そのものではなく、大麻入り食品を摂取することで大麻を使用するケースもあるのです。
大麻バターの他にも、大麻成分を油に溶け込ませた大麻オイルや、そもそも大麻自体を食品に混ぜる大麻クッキーなどがあると言われています。

・大麻入り食品と大麻取締法違反

さて、今回のAさんは大麻バターという大麻成分の入った食品を所持していたことによって、大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまったようです。
しかし、Aさんの考えていたように、大麻草そのものを持っていたわけではなくとも、大麻取締法違反となってしまうのでしょうか。
大麻取締法を見てみましょう。

大麻取締法1条
この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。
ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。

この条文によると、大麻取締法のいう「大麻」とは、大麻草そのものだけでなく大麻草を使用した製品のことも含んでいるということが分かります。
つまり、大麻草からバターに大麻成分を溶け込ませたものである大麻バターも、大麻取締法の規制対象である「大麻」に該当するということになるのです。

大麻取締法24条の2
大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。

ですから、大麻バターを所持することはこの大麻取締法24条の2に違反することになるのです。

ただし、今回のAさんは19歳であり20歳未満の少年であるため、原則的には少年事件として扱われることになり、刑罰を受けることは基本的にはありません。
しかし、Aさんの年齢が19歳であることから、手続き途中に成人し、刑事事件としての扱いに切り替わる可能性があることも注意が必要です。
今回のAさんの事案では、大麻取締法違反という犯罪の性質に注目した弁護活動はもちろんのこと、刑事事件としての手続きに切り替わる可能性のある少年事件としての弁護活動も意識しなければならないということです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく少年事件も多く取り扱っています。
だからこそ、それぞれの犯罪の特色に注目した弁護活動も、刑事事件少年事件それぞれの特徴を抑えた弁護活動も可能です。
京都府滋賀県大麻取締法違反事件などの刑事事件少年事件逮捕にお困りの際は、弊所弁護士までご相談下さい。
京都府城陽警察署までの初回接見費用:3万8,200円)

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