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淫行と児童買春の違い
淫行と児童買春の違い
淫行と児童買春の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市下京区に住むAさんは、SNSとメッセージアプリを通じて高校2年生のVさんと知り合いました。
Vさんと親しくなったAさんは、Vさんと食事をすることになりました。
京都市下京区の飲食店でVさんと食事をした後、AさんとVさんは近くのホテルへ向かい、そこで性交をしました。
その後、2人はそろってホテルを出たのですが、巡回中の京都府下京警察署の警察官から職務質問を受けたことで、Vさんが18歳未満であることと、Aさんと性交したことが発覚しました。
Aさんは児童買春の容疑で逮捕されてしまいましたが、Aさん自身としてはお金を払って性交したわけではないと容疑を否認しています。
そこでAさんは、家族が依頼して接見に訪れた弁護士に、自分の認識でも児童買春となってしまうのか相談しました。
(※この事例はフィクションです。)
・「淫行」と「児童買春」の違い
前回までで見てきた通り、淫行も児童買春も、18歳未満の者と性交等をした場合に成立しうる犯罪だということがわかります。
この2つの大きな違いは、「性交等の対償を渡すか対償を渡す約束をしているかどうか」という部分にあります。
例えば、京都府の青少年健全育成条例では、淫行は「何人も、青少年に対し、金品その他財産上の利益若しくは職務を供与し、若しくはそれらの供与を約束することにより、又は精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて、淫行又はわいせつ行為をしてはならない。」(青少年健全育成条例第21条第1項)と禁止されており、「精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて」淫行をすれば青少年健全育成条例違反となることから、性交等の対象を渡したりその約束をしたりすることは条件とされていません。
対して、前回の記事で確認した通り、児童買春となるには性交等への対償やその約束が必要となってきます。
この点が、淫行と児童買春の大きな違いなのです。
そして、淫行と児童買春にはもう1つ大きな違いがあります。
それは法定刑、つまり、その犯罪で有罪となった場合に受ける刑罰の重さの範囲が異なるのです。
もう一度、淫行と児童買春の法定刑を確認してみましょう。
青少年の健全な育成に関する条例第31条第1項
次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第1号 第21条の規定に違反した者
児童買春禁止法第4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
京都府の場合、淫行をした青少年健全育成条例違反の場合「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となります。
それに対し、児童買春をした場合は「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」ですから、淫行に比べて児童買春となった方がかなり重い刑罰を受ける可能性が出てくることになります。
ですから、実際には淫行にとどまるにも関わらず、児童買春の罪で有罪となってしまえば、不当に重い刑罰を受ける可能性が出てきてしまうということになるのです。
・淫行の事実しかないのに児童買春を疑われたら
今回のAさんの事情を見ると、Aさんは淫行に当たる行為のみを行なっているという認識にも関わらず、児童買春の容疑をかけられているということのようです。
たしかに、Aさんの認識としては対価として何かを支払っている事実はありませんが、例えばVさんとの食事を性交等の対価としていた場合には児童買春となる可能性もありますから、そうした疑いで捜査されているのでしょう、
先ほど触れたように、淫行と児童買春では刑罰の重さが大きく異なってきますから、本当にAさんが対償の供与やその約束をしていないのであれば、淫行にとどまる事実しかないことをきちんと主張し続けなければなりません。
しかし、取調べでは、被疑者となったAさん1人で取調べのプロである警察官や検察官に対応しなければなりません。
気づかぬうちに自身の主張とは異なる形で自供してしまったり、上手く誘動されてしまったりというリスクもあります。
だからこそ、取調べの状況を弁護士と確認し合いながら、逐一アドバイスをもらって対応していくことが重要なのです。
不当に重い刑罰を受けることを避けるためにも、まずは弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、淫行事件・児童買春事件にも刑事事件専門の弁護士が迅速に対応いたします。
逮捕直後からご利用いただける初回接見サービスのお申し込みも24時間体制で受け付けています。
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どんなことをしたら児童買春になる?
どんなことをしたら児童買春になる?
どんなことをしたら児童買春になるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市下京区に住むAさんは、SNSとメッセージアプリを通じて高校2年生のVさんと知り合いました。
Vさんと親しくなったAさんは、Vさんと食事をすることになりました。
京都市下京区の飲食店でVさんと食事をした後、AさんとVさんは近くのホテルへ向かい、そこで性交をしました。
その後、2人はそろってホテルを出たのですが、巡回中の京都府下京警察署の警察官から職務質問を受けたことで、Vさんが18歳未満であることと、Aさんと性交したことが発覚しました。
Aさんは児童買春の容疑で逮捕されてしまいましたが、Aさん自身としてはお金を払って性交したわけではないと容疑を否認しています。
そこでAさんは、家族が依頼して接見に訪れた弁護士に、自分の認識でも児童買春となってしまうのか相談しました。
(※この事例はフィクションです。)
・「児童買春」とは
児童買春も、前回確認した淫行のように、18歳未満の者と性交等をした場合に成立する可能性のある犯罪です。
児童買春は、通称「児童買春禁止法」(正式名称「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」)で禁止されています。
児童買春禁止法第4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
「児童買春」の定義は、児童買春禁止法では以下のように定められています。
児童買春禁止法第2条第2項
この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
第1号 児童
第2号 児童に対する性交等の周旋をした者
第3号 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
ここで注意すべきなのは、児童買春とは児童本人にお金を渡して性交等をすることだけを指しているわけではないということです。
例えば、児童買春禁止法によれば、児童買春は「対償を供与」するか「その供与の約束」をして児童に対して性交等をすれば児童買春となります。
ですから、お金を渡していなくても性交等をするかわりにお金を渡す約束をして性交等をするだけでも児童買春ですし、「対償」は金銭と限定されているわけでもないですから、性交等をするかわりに物を買い与えたり食事を奢るなどしても児童買春となるのです。
また、性交等の対償を渡す相手は児童本人とも限られません。
児童買春をすすめてきた人や児童の保護者などに対償を渡した場合でも児童買春となり、児童買春禁止法違反となるのです。
前回の記事から、淫行(青少年健全育成条例違反)と児童買春(児童買春禁止法違反)という18際未満の者と性交等をした場合に成立しうる犯罪を取り上げてきました。
では、この2つの違いと注意すべき点はどういった部分になるのでしょうか。
次回の記事で詳しく触れていきます。
京都府の児童買春事件にお困りの際は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご相談ください。
0120ー631ー881では、専門スタッフがご相談者様の状況に合わせた弊所弁護士によるサービスを24時間いつでもご案内中です。
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「淫行」をしたら何罪?
「淫行」をしたら何罪?
「淫行」をしたら何罪になるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市下京区に住むAさんは、SNSとメッセージアプリを通じて高校2年生のVさんと知り合いました。
Vさんと親しくなったAさんは、Vさんと食事をすることになりました。
京都市下京区の飲食店でVさんと食事をした後、AさんとVさんは近くのホテルへ向かい、そこで性交をしました。
その後、2人はそろってホテルを出たのですが、巡回中の京都府下京警察署の警察官から職務質問を受けたことで、Vさんが18歳未満であることと、Aさんと性交したことが発覚しました。
Aさんは児童買春の容疑で逮捕されてしまいましたが、Aさん自身としてはお金を払って性交したわけではないと容疑を否認しています。
そこでAさんは、家族が依頼して接見に訪れた弁護士に、自分の認識でも児童買春となってしまうのか相談しました。
(※この事例はフィクションです。)
・18際未満の者との性交で成立する犯罪
時折ニュースでも聞かれる「淫行」や「児童買春」が18歳未満の者との性交等によって成立する犯罪であるということは、ご存じの方も多いでしょう。
ぼんやりとでも「18歳未満の者と性交等をすれば犯罪になる」とだけ認識している方もいらっしゃるかもしれません。
その通り、18歳未満の者と性交等をすれば、その態様によって、いわゆる「淫行」や「児童買春」といった犯罪になりえます。
では、その「淫行」や「児童買春」はどういった犯罪で、それぞれの違いはどういったところにあるのでしょうか。
・「淫行」とは
報道などでもよく聞かれる「淫行」ですが、実は「淫行」という犯罪があるわけではありません。
「淫行」とは、各都道府県の青少年健全育成条例が禁止している、青少年=18歳未満の者との「みだらな行為」や「淫行」をしてしまったことによる青少年健全育成条例違反のことを指しています。
京都府の場合、「青少年の健全な育成に関する条例」という条例があり、その中で18歳未満である青少年との淫行を禁止している条文があります。
青少年の健全な育成に関する条例第21条第1項
何人も、青少年に対し、金品その他財産上の利益若しくは職務を供与し、若しくはそれらの供与を約束することにより、又は精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて、淫行又はわいせつ行為をしてはならない。
「淫行」の定義については、過去の判例で「青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為」とされています(最判昭和60.10.23)。
この定義から、例えば結婚を前提とした真剣交際のような場合には、この「淫行」には当たらないと考えられています。
京都府の場合、18歳未満の者との淫行をして青少年健全育成条例違反となった場合、以下の刑罰に処せられます。
青少年の健全な育成に関する条例第31条第1項
次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第1号 第21条の規定に違反した者
なお、京都府の場合、淫行に関して相手の年齢を知らなかったという場合でも、以下の規定があることに注意が必要です。
青少年の健全な育成に関する条例第31条第7項
第13条の2第4項、(略)、第21条、(略)の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、第1項から第3項まで、第4項(第4号に係る部分に限る。)及び第5項(第2号、第5号、第6号及び第10号に係る部分を除く。)の処罰を免れることができない。
ただし、当該青少年の年齢を知らないことに過失がないときは、この限りでない。
すなわち、単に相手の年齢を知らなかった(相手が18歳未満だと思わなかった)と言っても、過失がない場合をのぞいて淫行となってしまうということなのです。
例えば、単に年齢を聞いていなくて18歳以上だと思い込んでいたというような場合には、年齢を確認していない過失があるとされ、淫行となってしまうと考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、淫行事件のご相談・ご依頼も多く承っています。
京都府の淫行事件にお困りの際は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。
次回の記事では18歳未満の者と性交等をした際に成立が考えられるもう1つの犯罪「児童買春」について詳しく取り上げます。
18歳以上だと思っていても青少年健全育成条例違反?
18歳以上だと思っていても青少年健全育成条例違反?
18歳以上だと思っていても青少年健全育成条例違反になるのかということについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは,京都府南丹市のホテルで,SNSで知り合ったVさんと性交しました。
Aさんは,SNSのVさんのプロフィールに18歳以上であると記載されていたため,Vさんは18歳以上だと思っていました。
しかし,実際は,Vさんは16歳の高校生でした。
その後,AさんとVさんの関係を知ったVさんの母が京都府南丹警察署へ通報し,Aさんは,青少年健全育成条例違反の容疑で京都府南丹警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんは,家族の依頼で接見に来た弁護士に,自分は18歳未満だと分かっていたわけではないこと,そうした状況でも青少年保護育成条例違反になるのかということを相談することにしました。
(フィクションです。)
~青少年保護育成条例違反~
18歳未満の者に対し,みだらな行為等をすると,各都道府県で定められている青少年健全育成条例違反(青少年保護育成条例違反)となる可能性があります。
よく報道で見られる「淫行」は,この青少年健全育成条例違反のことを指しています。
青少年健全育成条例の条文中で「(18歳未満の青少年と)淫らな行為」や「淫行」をすることを禁止していることから,「淫行」と言われているのです。
京都府にも青少年健全育成条例があり,正式名称は「青少年の健全な育成に関する条例」(以下、「京都府青少年健全育成条例」)と言います。
この条例により,京都府では18歳未満の青少年と淫らな行為,例えば性交や性交類似行為をすることは禁止されており(京都府青少年健全育成条例21条1項),18歳未満と淫行した場合には,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科せられます(京都府青少年健全育成条例31条1項1号)。
京都府青少年健全育成条例21条1項
何人も,青少年に対し,金品その他財産上の利益若しくは職務を供与し,若しくはそれらの供与を約束することにより,又は精神的,知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて,淫行又はわいせつ行為をしてはならない。
京都府青少年健全育成条例31条1項
次の各号のいずれかに該当する者は,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
1号 第21条の規定に違反した者
~18歳未満と知らなくても青少年健全育成条例違反?~
犯罪が成立するためには,故意=犯罪に当たる行為の認識が必要です。
つまり,今回のような淫行による青少年健全育成条例違反が成立するには,「18歳未満と淫行をする」という認識がなければならないことになります。
しかし,今回のAさんは,Vさんが18歳未満であることを知りませんでした。
ですから,AさんにはVさんが18歳未満であるという認識=淫行による青少年健全育成条例違反の故意がなく,たとえAさんがVさんにした行為が青少年健全育成条例違反「淫行」に当たるとしても,犯罪は成立しないように思えます。
ですが,京都府青少年健全育成条例を確認すると,次のような条文があります。
京都府青少年健全育成条例31条7項
第13条の2第4項,…,第21条,…の規定に違反した者は,当該青少年の年齢を知らないことを理由として,第1項から第3項まで,第4項(第4号に係る部分に限る。)及び第5項(第2号,第5号,第6号及び第10号に係る部分を除く。)の処罰を免れることができない。
ただし,当該青少年の年齢を知らないことに過失がないときは,この限りでない。
つまり,京都府青少年健全育成条例の場合,相手が18歳未満であることを知らなかったとしても,必ずしも故意がなく京都府青少年健全育成条例違反にならないというわけではないということなのです。
「相手の年齢を知らなかった」と言えば処罰を受けずに済むというわけではないことに注意が必要です。
一方,但し書きにあるように,相手が18歳未満であることを知らなかったことに対し過失がない場合には処罰されずに済む可能性が出てきます。
過失があるかないかは,相手の見た目や相手とのやり取り等も含めて事件ごとに判断されることになりますから,弁護士に詳しい事情を伝えて見通しを立ててもらうことをおすすめします。
青少年健全育成条例違反の容疑を認めるにせよ否認するにせよ,取調べへの対応や,逮捕されている場合の身柄解放活動等の弁護活動は大切になってきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では,青少年健全育成条例違反事件のご相談・ご依頼も多くいただいています。
まずはお気軽にフリーダイヤルよりお問い合わせください(0120-631-881)。
少年事件で退学阻止
少年事件で退学阻止
少年事件で退学阻止を目指す弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府舞鶴市に住んでいる高校生のAくん(17歳)は、少年事件を起こして、京都府舞鶴警察署に任意同行されました。
Aくんは、逮捕まではされなかったものの、後日再び取調べに京都府舞鶴警察署まで出頭するよう言われました。
Aくんの両親は、今回の少年事件によって、Aくんが退学になったりないかどうか不安に思い、少年事件に強い弁護士の初回無料法律相談を受け、今後の対策や可能な弁護活動について詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・少年事件を起こしたら退学?
上記事例のAくんは、逮捕まではされていないものの、少年事件を起こして警察にお世話になっている状態です。
逮捕されずに捜査が進む場合、在宅のまま過ごし、取調べ等の必要があるときだけ警察署などに呼ばれて捜査を受ける、という形で進んでいきます。
このような状態の時に、少年本人やそのご家族が心配することの1つとして挙げられるのが、学校はどうなるのか、という問題です。
実際に、少年事件を起こしてしまったことで、学校を退学になってしまうのではないか、と心配される少年やご両親は多くいらっしゃいます。
現在では、少年事件を起こして警察から取調べを受けたり逮捕されたり、ということになれば、原則として警察などから学校へ通知が行く制度になっています。
そのため、少年事件を起こしたことを学校へ知られないようにすることを完璧に防げる、というわけではありません。
しかし、弁護士が学校への通知を控えてもらえるように警察に働きかけることはできますから、まずは弁護士から警察へ打診してもらうことも1つの手でしょう。
さらに、弁護士が少年事件のサポートにつくことで、もしも学校への通知が行われたとしても、その後少年が更生し、再び少年事件を起こさないようにするための環境調整が行われていることなどを主張することで、退学といった厳しい処分を避けてもらえるよう、サポートすることもできます。
そもそも、今回のAさんは在宅で捜査を受けていますが、もしも逮捕されてしまっていた場合、釈放を目指さなければ学校に事件が露見してしまったり、欠席日数の超過により単位を落としてしまったり停学や留年となってしまったりすることも考えられますから、そういった場合にも退学回避のためには弁護士のサポートが必要になるでしょう。
少年事件によっては、弁護士が学校と協力し、少年の更生のための環境を整えることもありますから、在宅捜査なのか逮捕されているのかに関係なく、まずは弁護士に相談してみることが望ましいでしょう。
少年にとって、自身の通う学校は、自分の生活の大きな部分を占める大切な場所です。
少年事件を起こしてしまっても、今まで頑張ってきた学校で更生に向けてやり直したいと考える少年やご両親は多いと思います。
少年事件の終局処分では、少年が再度犯罪をしないか、きちんと更生できる環境であるかどうかといったことが重視され、処分が決定されることから、就学先は重要な要素の1つとなります。
弁護士と協力しながら、就学先の確保や進路の決定などをすることで、少年事件でより適切な処分を判断してもらうことにもつながっていきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件・少年事件専門の弁護士が、少年事件を起こしてしまった少年自身やそのご家族のサポートを行います。
学校を退学になるのを避けたいと御悩みの方は、一度、弊所の弁護士にご相談ください。
初回無料法律相談のお申込みや、逮捕されてしまった方向けの初回接見サービスのお申込みは、0120-631-881から受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。
触らせて強制わいせつ罪
触らせて強制わいせつ罪
触らせて強制わいせつ罪になった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市北区に住んでいるAさんは、小さな女の子に興味を持っていました。
ある日Aさんが京都市北区内の道路を通行中、11歳のVさんがAさんの前を歩いていました。
Aさんは欲を抑えられなくなり、Vさんを人気のない路地裏に連れ込むと、Vさんの手を掴み、VさんにAさん自身の下半身を触らせました。
Vさんが帰宅後、両親に報告したことから京都府北警察署に通報され、その後の捜査でAさんの犯行が発覚。
Aさんは強制わいせつ罪の容疑で京都府北警察署に逮捕されました。
(※この事例はフィクションです。)
・触らせても強制わいせつ罪?
強制わいせつ罪は、刑法に規定されている犯罪です。
刑法176条(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
この強制わいせつ罪の条文を見ると、「加害者が被害者に触った」という態様の時に強制わいせつ罪が成立するように見えます。
しかし、今回の事例のように「相手に触らせた」という場合でも、「わいせつな行為をした」とみなされます。
というのも、強制わいせつ罪の「わいせつな行為」というのは、大まかに言えば被害者の性的羞恥心を害する行為であると解されているためです。
これは、強制わいせつ罪は、性的自由を守るための犯罪であるためです。
今回のAさんのように、自身の下半身を触らせるといった行為は、被害者の性的羞恥心を害する行為であると考えられますから、たとえ自分が相手の身体を触るようないわゆる「痴漢」の態様でなかったとしても、強制わいせつ罪の「わいせつな行為」となる可能性があるのです。
・暴行・脅迫がなくても強制わいせつ罪?
今回のAさんの行為が強制わいせつ罪の「わいせつな行為」に当たりうることは先ほど確認しましたが、ここで、「今回のAさんはVさんに対して暴行も脅迫もしていないのではないか」と疑問に思う方もいるかもしれません。
たしかに、強制わいせつ罪の条文の前段には、「暴行又は脅迫を用いて」わいせつな行為をした者に強制わいせつ罪が成立する旨が書いてあります。
しかし、強制わいせつ罪の条文の但し書き部分を見てみると、被害者が13歳未満の者の場合には、わいせつな行為をするだけで強制わいせつ罪が成立すると決められていることが分かります。
すなわち、今回のAさんは、暴行や脅迫を加えていなくとも、被害者のVさんが13歳未満であることから、わいせつな行為をした時点で強制わいせつ罪の成立が考えられるということになるのです。
・強制わいせつ事件と弁護活動
強制わいせつ事件で考えられる弁護活動としては、まず被害者との示談交渉が考えられるでしょう。
しかし、強制わいせつ事件では、被害者の処罰感情が強いことが多く、当事者が謝罪の意向を示してもそもそも取り次いでもらえないということも多いです。
特に、今回のAさんのような被害者が幼い強制わいせつ事件では、謝罪・示談交渉の相手は被害者の親となることが多く、処罰感情が強くなるのも自然なことといえます。
こうした場合でも、専門家であり第三者である弁護士を通じての謝罪・示談交渉の意思を示すことで、話を聞いてくださる被害者やその親御さんもいらっしゃいます。
ですから、強制わいせつ事件の示談交渉や弁護活動については、まずは一度弁護士に相談してみることが望ましいでしょう。
京都の強制わいせつ事件でお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士までご相談ください。
盗撮から児童ポルノ製造事件に②
盗撮から児童ポルノ製造事件に発展したケースで、特に児童ポルノ禁止法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
◇事件◇
京都府向日市に住んでいるAさんは、盗撮に興味を持っていました。
ある日、Aさんはどうしても我慢ができなくなり、京都府向日市にある駅構内のトイレに盗撮用のカメラを仕掛けると、女性客がトイレを利用する様子を盗撮していました。
しかし、盗撮用カメラに気づいた利用客から通報され、捜査の結果、Aさんは盗撮事件の被疑者として京都府向日町警察署で話を聞かれることになりました。
その際、Aさんは、京都府迷惑防止条例違反と建造物侵入罪、児童ポルノ禁止法違反という3つの犯罪の容疑をかけられていることを知りました。
Aさんは、自分の盗撮行為に3つも犯罪が成立することに驚き、今後の対応を弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・盗撮と児童ポルノ禁止法違反
前回の記事では、多くの盗撮事件で成立しやすい迷惑防止条例違反や建造物侵入罪、軽犯罪法違反について触れましたが、Aさんはそれだけでなく児童ポルノ禁止法違反にも問われているようです。
これはなぜか、今回の記事で詳しく触れていきます。
そもそも、児童ポルノ禁止法とは、正式名称を「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」という法律です。
その名前の通り、児童ポルノ禁止法では、児童買春や児童ポルノを規制しています。
このうち、今回問題となる児童ポルノについてどのように定められているのか確認してみましょう。
児童ポルノ禁止法2条3項
この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
児童ポルノ禁止法では、「児童」=18歳未満の者(児童ポルノ禁止法第2条第1項)としているため、18歳未満が服を全て着ていなかったり、一部の服を着ていなかったりする画像や動画、そのデータで、性器や臀部、胸といった部分が露出・強調されているものであれば、児童ポルノになりうるということになります。
この児童ポルノに関して、児童ポルノ禁止法では、製造することはもちろん、所持することも禁止しています。
児童ポルノ禁止法第7条
第1項 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(略)
第5項 前二項に規定するもののほか、ひそかに第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第2項と同様とする。
※注:「第2項」は児童ポルノを提供することへの処罰を定めており、その法定刑は「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」となっています。
今回Aさんが盗撮した被害者の中に18歳未満の方がいれば、その被害者は児童ポルノ禁止法のいう「児童」にあたります。
そして、その被害者がトイレを利用している姿が盗撮した写真や動画に写っていれば、それは「児童」が着衣の一部を身につけずにいる写真や動画ですから、児童ポルノ禁止法のいう児童ポルノになりえます。
Aさんは盗撮によりその児童ポルノを作り出しているため、児童ポルノ禁止法第7条第5項にある、ひそかに児童ポルノ製造をしたという児童ポルノ禁止法違反になりうるということなのです。
盗撮事件と一口に言っても、自分の予期していなかった犯罪がいくつも成立してしまうということも考えられます。
まずは自分がどういった犯罪の容疑をかけられているのかしっかりと把握した上で、今後の事件の見通しや取れる対策、気をつけるべき注意点を考えるべきでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の初回無料法律相談では、刑事事件専門の弁護士が、どういった犯罪の容疑をかけられているのか、手続きや対応の注意点は何か、可能な弁護活動はどういったものか、といった疑問や不安に丁寧に対応いたします。
まずはお気軽に、お問い合わせ用フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
盗撮から児童ポルノ製造事件に①
盗撮から児童ポルノ製造事件に発展したケースで、特に盗撮行為について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
◇事件◇
京都府向日市に住んでいるAさんは、盗撮に興味を持っていました。
ある日、Aさんはどうしても我慢ができなくなり、京都府向日市にある駅構内のトイレに盗撮用のカメラを仕掛けると、女性客がトイレを利用する様子を盗撮していました。
しかし、盗撮用カメラに気づいた利用客から通報され、捜査の結果、Aさんは盗撮事件の被疑者として京都府向日町警察署で話を聞かれることになりました。
その際、Aさんは、京都府迷惑防止条例違反と建造物侵入罪、児童ポルノ禁止法違反という3つの犯罪の容疑をかけられていることを知りました。
Aさんは、自分の盗撮行為に3つも犯罪が成立することに驚き、今後の対応を弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・盗撮と成立する犯罪
今回のAさんが行ったような駅構内での盗撮行為は、多くの場合、各都道府県の定める迷惑防止条例違反となることが多いです。
京都府でも、「京都府迷惑行為防止条例」という迷惑防止条例が定められており、その中で公共の場所や公共の乗り物で盗撮する行為を禁止しています。
盗撮によって京都府迷惑防止条例違反となった場合、通常は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(京都府迷惑防止条例10条2項)、常習であれば「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(京都府迷惑防止条例10条4項)という刑罰が科せられます。
なお、京都府迷惑防止条例では、改正によって公共の場所や乗り物以外にも、ホテルの客室や教室、会社の更衣室などで行われた盗撮についても規制されることになっています。
迷惑防止条例によって規制される盗撮行為の場所や態様は、都道府県によって異なります。
盗撮事件の起きた場所によって迷惑防止条例違反となるのか、それとも軽犯罪法違反や後述の建造物侵入罪になるのかが違ってくることになりますから、盗撮事件にも対応している弁護士に相談し、自分がかけられている、もしくはかけられる可能性のある犯罪はどういったものなのか理解しておくことが大切です。
さらに、Aさんのように盗撮目的でトイレなどに立ち入った場合には、刑法の建造物侵入罪が成立する可能性もあります。
建造物侵入罪は、建造物の管理者の意思に反する立ち入りをすることによって成立すると考えられていますが、盗撮目的でのトイレの立ち入りを許可する管理者はいないだろうと考えられるからです。
建造物侵入罪となった場合、「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」という刑罰に処せられます(刑法130条)。
ちなみに、盗撮事件で都道府県の定める迷惑防止条例違反にも建造物侵入罪にも当たらないようなケースでは、軽犯罪法違反となる場合もあります。
軽犯罪法違反となった場合の法定刑は、「拘留又は科料」です。
盗撮事件では、上記で紹介したような迷惑防止条例違反や建造物侵入罪、軽犯罪法違反といった犯罪がそれぞれ単独で容疑がかかったり、今回のAさんのように盗撮行為をした態様によってはこのうち2つの犯罪の容疑がかかったりします。
しかし、今回のAさんは、今回取り上げた京都府迷惑防止条例違反と建造物侵入罪だけでなく、児童ポルノ禁止法違反という犯罪の容疑もかけられているようです。
これはなぜなのでしょうか。
次回の記事で詳しく触れていきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、盗撮事件のご相談・ご依頼ももちろん受け付けています。
盗撮事件などの性犯罪は、特に周囲には相談しづらいものでしょう。
弁護士であれば、相談内容が周囲に漏れる心配もありませんし、専門知識を持っていますから、安心してご相談いただけます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門の弁護士による初回無料法律相談のご予約も24時間受け付けていますから、まずはお気軽にお電話ください。
専用フリーダイヤル 0120-631-881
性犯罪で子どもが逮捕
性犯罪で子どもが逮捕
性犯罪で子どもが逮捕されてしまった際の対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Bさんは、高校1年生の息子Aさんと夫のCさんの3人で、京都府城陽市に住んでいます。
ある日、夜遅くになってもAさんが帰宅せず、学校に問い合わせてもAさんは帰宅したとの話でした。
そこでBさんとCさんが最寄の京都府城陽警察署に連絡してみたところ、警察官から、「息子さんは京都府城陽警察署にいるが、詳しいことは話せない。女性の関係で少し話を聞いている」と言われました。
BさんとCさんは心配して京都府城陽警察署を訪れましたが、警察官から「息子さんは逮捕されている。今日は息子さんとは会えない」と言われてしまいました。
Aさんに何が起こったのかも分からない状況に困ったBさん・Cさんは、弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・逮捕されている?どんな容疑をかけられている?
今回の事例のように、家族が帰宅せず、警察署に問い合わせたらその警察署で話を聞かれていた、というケースはしばしば見られます。
こうした場合、すでに刑事事件・少年事件の被疑者として逮捕されていたり、逮捕される予定であったりということを警察官から伝えられる場合もありますし、刑事事件・少年事件の被疑者となっていることや逮捕についてぼかした回答しか得られないという場合もあります。
というのも、刑事事件・少年事件の被疑者となっていることや逮捕されていることは、非常にデリケートな情報であり、他人に勝手に伝えることは避けなければならないためです。
もしも家族を装った他人に逮捕の事実等を漏らしてしまえば個人情報の漏洩をしてしまうことになりますから、警察も慎重な対応をしています。
ですから、問い合わせた時に回答をもらえないということもあり得るのです。
同様に、刑事事件・少年事件の被疑者として話を聞かれていることや逮捕されていること等が分かったとしても、どういった犯罪の容疑で話を聞かれているのか、逮捕されているのかといったことを詳しく聞かせてもらえないこともあります。
Aさんの事例のように、「何関連で話を聞かれている」と大まかな説明を受けるだけの場合もあります。
このような場合、この先の手続きや対応はどのようになるのか、そもそもどういった犯罪の容疑で被疑者になったり逮捕されたりしているのか、ご家族としては心配や不安が大きい状況となってしまいます。
そこで、こうした場合には弁護士への相談が効果的です。
もしもすでに逮捕されている場合には、弁護士が逮捕されている方のもとへ接見に行くことができます。
例えば、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部には初回接見サービスがあります。
Aさんの事例でそうであったように、逮捕直後は原則として一般の方の面会はできません。
ごくまれに警察官が時間を取ってくれるということもあるようですが、基本的には家族であっても面会はかないません。
だからこそ、先ほどのように全く事情の分からない中で逮捕の事実のみ知って不安が大きい、という状況も少なくないのです。
しかし、弁護士の場合、たとえ逮捕直後であっても接見(面会)することが可能となります。
さらに、弁護士が接見する場合には、時間の制限はなく、立ち合いの警察官もいません。
ですから、どういった容疑で逮捕されているのか、本人の認識はどういったものなのか、取調べに対応する際の注意や被疑者の権利はどのようなものか、ということを刑事事件・少年事件の専門家である弁護士と詳しく話すことができるのです。
もしも逮捕されずに自宅へ帰されるような場合にも、極力早めに弁護士に相談することが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の場合、初回無料法律相談が効果的です。
逮捕されていないからといって、刑事事件・少年事件を放置していいことにはなりません。
刑事事件・少年事件の流れや権利を知って取調べ等に臨むことで、意図しない自白をしてしまったり、状況が分からないまま手続きが進んでしまったりというリスクを下げることができます。
特に、今回のAさんのような性犯罪を起こしてしまったであろう少年事件の場合、少年自身が家族に事件について話すことを避けたがってしまうことも考えられます。
事件解決のためにも再犯防止のためにも、第三者であり専門家でもある弁護士のサポートを受けながら更生を目指すことが有効な手段の1つです。
今回の事例のように、子どもや家族が刑事事件・少年事件に関わったようだが今どういった状況なのか分からないという場合にも、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部のお問い合わせ用フリーダイヤル0120-631-881にお電話ください。
専門スタッフがご相談者様の状況に合わせたサービスをご案内させていただきます。
下着泥棒・住居侵入事件で逮捕
下着泥棒・住居侵入事件で逮捕
下着泥棒・住居侵入事件で逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、女性Vさんの自宅である京都市山科区にあるアパートの一室のベランダに侵入し、ベランダに干されていたVさんの下着を盗もうと考えました。
しかし、いざAさんがベランダに侵入し下着を手に取り、立ち去ろうとした時点で、通行人に見つかってしまいました。
Aさんの姿を見た通行人が「泥棒!」と声を上げたため、Aさんは急いでその場から逃走しました。
通報を受けた京都府山科警察署が捜査を開始した結果、Aさんの犯行が発覚。
Aさんは下着泥棒事件の被疑者として逮捕され、京都府山科警察署に連行されました。
(事例はフィクションです。)
~下着泥棒事件と住居侵入罪~
さて、今回のAさんは下着泥棒事件の犯人として逮捕されていますが、どのような犯罪の容疑で逮捕されたのでしょうか。
まず今回のAさんに成立が考えられるのは、住居侵入罪です。
刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
・住居侵入罪の「住居」
住居侵入罪の「住居」には、人の起臥寝食に使用される場所であるとされています。
人の気が浸食に使用される「住居」というと、継続的に人が生活の拠点としている一軒家やマンションの一室が思い浮かばれやすいですが、日常生活に使用されるのは一時的であってもよいので、ホテルや旅館の一室も宿泊者の「住居」とされています。
・住居侵入罪の「侵入」
住居侵入罪の「侵入」の意味は、管理権者(住居における住民など)の意思に反する立入りであると解されています。
このことから、住居侵入罪の保護法益は住居などに誰を立ち入らせるかの自由(住居権)であるとされています。
つまり、その「住居」を管理している人の同意のない立ち入りは、住居侵入罪の「侵入」行為になりうるということです。
ですから、例えば、友人の自宅に招かれていたような場合でも、立ち入りを許されていない部屋にまで勝手に入ってしまえば、それは家=「住居」の管理者の意思に反する立ち入りであることから、住居侵入罪のいう「侵入」行為になりうるということなのです。
そして、管理権者が予め立ち入り拒否の意思を積極的に明示しておらず、行為者の立ち入りにも外見上不審な点が見られない場合であっても、住居侵入罪の「侵入」と判断される可能性があります。
住居侵入罪の「侵入」に当たるか否かは、当該住居の性質、使用目的、管理状況、管理者の態度、立ち入りの目的などを勘案して、合理的に判断されることになります。
判例は、一般的に立ち入りが許容されている場所への立ち入りについても、目的が違法である場合には広く住居侵入罪の成立を認めています。
今回のAさんは、下着泥棒目的でVさんの住むマンションの一室のベランダに立ち入っています。
ベランダは確かに室外ではありますが、ベランダと外部を仕切る柵や壁があることや、マンションの一室の一部と考えられるだろうことを考慮すれば、住居侵入罪の「住居」と判断される可能性も十分あるといえるでしょう。
そして、当然部屋に住んでいるVさんからすれば、下着泥棒をしようという人の立ち入りを許可することはないと考えられますから、住居侵入罪の「侵入」行為にも当たりそうです。
こうしたことから、Aさんには住居侵入罪が考えられるのです。
~住居侵入罪と他の犯罪の関係~
住居侵入事件では、別の犯罪行為の前提として住居侵入罪に該当する行為を行うケースも多くあります。
住居等内にある財物を盗むこと=窃盗罪に当たる行為を目的としているケースを例に挙げます。
具体的には、本件のように下着泥棒をするためにベランダへ侵入する行為や、詐欺グループの出し子が騙し取ったキャッシュカードを用いて現金を引き出そうと無人ATMコーナーへ立ち入る行為などが挙げられます。
双方とも窃盗罪(刑法第235条)の手段として、住居侵入罪を犯していることになります。
この場合、住居侵入罪は牽連犯(刑法第54条第1項)として扱われます。
刑法第54条1項
1個の行為が2個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の犯罪に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
窃盗罪の刑罰は住居等侵入罪よりも重い(10年以下の懲役又は50万円以下の罰金)ので、窃盗罪の刑で処断されるのみになります。
特に本件のような窃盗目的の住居侵入行為が認められる場合、逮捕などの身柄拘束を受ける可能性があります。
逮捕の場合最大72時間、逮捕後勾留までされた場合には前述の72時間に加えて最大20日間拘束されることになります。
本件のように現行犯としてその場で逮捕されなかったとしても、警察が目撃者や周囲の監視カメラからの情報によって、後日逮捕されるケースもあります。
警察が家に来ていないから大丈夫と安心せず、まずは弁護士に相談されることをおすすめします。
警察の捜査が開始されていない段階で弁護士に動いてもらうことで、被害者の方との和解交渉もスムーズに行うことができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、弁護士による無料相談のご予約を24時間体制で受け付けております。
刑事事件を起こしてしまったがどうしたらいいのか分からない、まずはこのようなご質問からでも構いませんので、お電話をお待ちしております。