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コカインと覚せい剤を間違えて所持したら?③

2019-03-17

コカインと覚せい剤を間違えて所持したら?③

~前回からの流れ~
滋賀県東近江市に住んでいるAさんは、コカインを使ってみたいと思い、インターネットでコカインを販売しているというBさんに連絡を取り、お金を渡して薬物を譲り受けました。
ある日、滋賀県東近江警察署の警察官が令状をもってAさん宅に家宅捜索に訪れ、Aさんの持っていた薬物を発見しました。
そこで、AさんはBさんから譲り受けた薬物をコカインだと思い込んで所持していたのですが、警察の捜査でその薬物が覚せい剤であったことが発覚しました。
Aさんは違法薬物を所持していたとして逮捕されてしまったのですが、Aさんは、「自分はあくまでコカインを所持している認識しかなかった。だが実際に持っていたのは覚せい剤だった。自分はいったいどういった犯罪で裁かれるのだろう」と不安に思い、家族の依頼で接見に訪れた京都府滋賀県刑事事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※最決昭和61.6.9を基にしたフィクションです。)

・Aさんに対する弁護活動

前回の記事では、今回のAさんに関しては、麻薬取締法違反の範囲で犯罪が成立する可能性が高いことに触れました。
では、今回のAさんに対しては、どのような弁護活動が考えられるでしょうか。

①成立する犯罪を争う
前回の記事にも取り上げた通り、覚せい剤取締法違反が成立するのか、麻薬取締法違反が成立するのかでは、法定刑に大きな差があります。

覚せい剤取締法違反(単純所持):10年以下の懲役
麻薬取締法違反(コカイン単純所持):7年以下の懲役

ですから、不当に重い刑罰を受ける可能性のある犯罪を疑われているのであれば、成立する犯罪について争う必要があると言えるでしょう。
もちろん、犯罪が成立すべきでない場合に容疑をかけられているのであればそれは冤罪ということになりますから、犯罪の成立自体を弁護士と協力して争っていくことも考えられます。
どちらにせよ、自分たちの主張をただ述べるだけでは、捜査機関も裁判所も簡単には納得してくれません。
法律・証拠に基づいた主張が必要となりますから、専門家の弁護士に頼りましょう。

また、こうした事実で争う場合には、捜査段階での取調べ対応が重要となることが多いです。
捜査機関の誘導に乗ってしまったり、不用意な対応によって意思に反した調書が作られてしまっては、後の裁判で不利に扱われるおそれがあります。
弁護士のアドバイスをこまめに受けることによって、こうした事態を避けられる可能性が高まります。

②身柄解放活動を行う
前々回の記事で取り上げたように、違法薬物に関連する刑事事件では、逮捕・勾留のような身体拘束手続きが取られることが多いです。
この身体拘束からの身柄解放を目指した活動が考えられます。
捜査段階で釈放を目指すことはもちろん、起訴された後の保釈についても、法律の専門家である弁護士だからこそ、それぞれの事情を証拠化して説得的に主張していく活動が可能です。

③情状弁護を行う
容疑を認めている事件で起訴されてしまった場合には、より有利な判決を獲得するために、情状弁護を行うことが考えられます。
例えばAさんであれば、コカイン覚せい剤といった違法薬物の所持をしてしまっていますから、その後どうやって違法薬物に手を出さずに生活していくかという再犯防止策を練ったり、入手先など違法薬物の関係先と一切の連絡を絶ったりした上でそれを証拠化し、再犯防止の対策がきちんとできていることを主張していくことが考えられます。
他にも、違法薬物に関連した刑事事件では、専門機関での治療やカウンセリングを行い、再犯防止に努めることで情状弁護の材料とすることも考えられます。

以上に挙げた弁護活動はあくまでも一例です。
実際の刑事事件では、依頼者の方それぞれの事情が異なりますから、それぞれのご希望や環境に合わせた弁護活動が必要となってきます。
だからこそ、刑事事件に困ったら、まずは直接弁護士に相談し、詳しい事情を擦り合わせながら弁護方針を確認してみることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、0120-631-881でいつでもお問い合わせを受け付けております。
まずはお気軽にお電話ください。

コカインと覚せい剤を間違えて所持したら?②

2019-03-16

コカインと覚せい剤を間違えて所持したら?②

~前回からの流れ~
滋賀県東近江市に住んでいるAさんは、コカインを使ってみたいと思い、インターネットでコカインを販売しているというBさんに連絡を取り、お金を渡して薬物を譲り受けました。
ある日、滋賀県東近江警察署の警察官が令状をもってAさん宅に家宅捜索に訪れ、Aさんの持っていた薬物を発見しました。
そこで、AさんはBさんから譲り受けた薬物をコカインだと思い込んで所持していたのですが、警察の捜査でその薬物が覚せい剤であったことが発覚しました。
Aさんは違法薬物を所持していたとして逮捕されてしまったのですが、Aさんは、「自分はあくまでコカインを所持している認識しかなかった。だが実際に持っていたのは覚せい剤だった。自分はいったいどういった犯罪で裁かれるのだろう」と不安に思い、家族の依頼で接見に訪れた京都府滋賀県刑事事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※最決昭和61.6.9を基にしたフィクションです。)

・Aさんに成立する犯罪は?

前回触れた通り、日本では、コカインの所持は麻薬取締法で、覚せい剤の所持は覚せい剤取締法で規制されています。

麻薬取締法66条(コカインの所持等の規制)
ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第69条第4号若しくは第5号又は第70条第5号に該当する者を除く。)は、7年以下の懲役に処する。

覚せい剤取締法41条の2(覚せい剤の所持等の規制)
覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。

前提として、犯罪が成立するには「故意」が必要とされます。
故意とは、簡単に言えば、その犯罪をする・しているという認識や意思のことを指します。
例えば、窃盗罪が成立するには、「窃盗行為をする・している」「これは窃盗行為かもしれないが構わない」といったような認識・意思がなければいけないということになります(ですから、間違って商品を持って帰ってしまっただけで盗むつもりはなかったというようなケースでは、窃盗罪の故意がないということになり、窃盗罪は成立しないことになります。)。

ここで今回のAさんのケースを見てみましょう。
Aさんは、コカインを所持しているつもりでしたが、実際に所持していた薬物の正体は覚せい剤でした。
つまり、Aさん自身の認識としては、麻薬取締法違反を犯す故意しかなかったのに、覚せい剤取締法違反に当たる事実を実現してしまったということになります。
こうした場合、Aさんには犯罪が成立するのでしょうか。
犯罪が成立するか否かではもちろんのこと、覚せい剤取締法違反になるか麻薬取締法違反になるかでも、その法定刑に違いが出てきますから、犯罪が成立するのか、どの犯罪が成立するのかといったことは非常に重要なことです。

Aさんのケースの基となった判例(最決昭和61.6.9)では、以下のように判示されています。

(略)両罪は、その目的物が麻薬か覚せい剤かの差異があり、後者につき前者に比し重い刑が定められているだけで、その余の犯罪構成要件要素は同一であるところ、麻薬と覚せい剤との類似性にかんがみると、この場合、両罪の構成要件は、軽い前者の罪の限度において、実質的に重なり合つているものと解するのが相当である。
被告人には、所持にかかる薬物が覚せい剤であるという重い罪となるべき事実の認識がないから、覚せい剤所持罪の故意を欠くものとして同罪の成立は認められないが、両罪の構成要件が実質的に重なり合う限度で軽い麻薬所持罪の故意が成立し同罪が成立するものと解すべきである

つまり、客観的に見てAさんが犯した犯罪は覚せい剤取締法違反であるのに、Aさん自身が認識していた犯罪は麻薬取締法違反であるというずれはあるものの、覚せい剤取締法違反と麻薬取締法違反は、その対象となる薬物が異なるだけで実質的には似通い重なり合う犯罪であるため、法定刑の軽い麻薬取締法違反の範囲で犯罪が成立するということです。

こうした形で、違法薬物所持事件では、どういった犯罪がどのような理論で成立するのか、しないのかが問題になることもあります。
見通しを立てたり判断を行ったりするには、専門的知識や経験が必要となりますし、自分たちの主張があるのであれば、法律に基づいた主張を行わなければいけません。
だからこそ、コカイン所持事件覚せい剤所持事件にお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談下さい。
弊所の弁護士刑事事件専門弁護士ですから、安心してご相談いただけます。
次回は、Aさんに対して取りうる弁護活動について触れていきます。
滋賀県東近江警察署までの初回接見費用:4万2,500円)

コカインと覚せい剤を間違えて所持したら?①

2019-03-15

コカインと覚せい剤を間違えて所持したら?①

滋賀県東近江市に住んでいるAさんは、コカインを使ってみたいと思い、インターネットでコカインを販売しているというBさんに連絡を取り、お金を渡して薬物を譲り受けました。
ある日、滋賀県東近江警察署の警察官が令状をもってAさん宅に家宅捜索に訪れ、Aさんの持っていた薬物を発見しました。
そこで、AさんはBさんから譲り受けた薬物をコカインだと思い込んで所持していたのですが、警察の捜査でその薬物が覚せい剤であったことが発覚しました。
Aさんは違法薬物を所持していたとして逮捕されてしまったのですが、Aさんは、「自分はあくまでコカインを所持している認識しかなかった。だが実際に持っていたのは覚せい剤だった。自分はいったいどういった犯罪で裁かれるのだろう」と不安に思い、家族の依頼で接見に訪れた京都府滋賀県刑事事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※最決昭和61.6.9を基にしたフィクションです。)

・コカイン所持

コカインは、コカの木から取れる有機化合物で、局所麻酔薬にも使われているもので、日本では、麻薬取締法(正式名称:麻薬及び向精神薬取締法)で麻薬として所持等の行為を規制されています。
コカインには、覚せい剤に似た中枢神経興奮作用もあり、摂取によって爽快感や興奮を得られるとされていますが、そうした作用の持続時間が短いことから使用頻度が高くなり、依存症になりやすいとも言われています。
また、コカインの過剰摂取は、心疾患や脳の損傷を引き起こす可能性があり、他の違法薬物同様、危険な薬物であるといえるでしょう。

上述の通り、コカインの所持は麻薬取締法によって規制されています。

麻薬取締法66条
ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第69条第4号若しくは第5号又は第70条第5号に該当する者を除く。)は、7年以下の懲役に処する。

麻薬取締法では、麻薬をジアセチルモルヒネ=ヘロインとそれ以外に分けて罰則を定めています。
ヘロイン以外の麻薬であるコカインは、このように所持しているだけでも7年以下の懲役という大変重い刑罰を受けることになります。
なお、コカインの所持目的が自分で摂取するためなどの目的ではなく、営利目的であった場合には、さらに重い刑罰が下されます。

・覚せい剤所持

覚せい剤とは、精神刺激薬の一種で、脳神経に作用して心身の働きを一時的に活性化させる薬です。
しかし、乱用によって依存症になったり、幻聴・幻覚を引き起こしたり、過剰投与によって死亡してしまったりするケースも多く、日本では覚せい剤取締法によってその所持等が規制されています。

覚せい剤取締法41条の2
覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。

こちらも、先ほどのヘロイン同様、所為しているだけで犯罪となりますし、所持の目的が営利目的であった場合には、さらに重い刑罰が科されることになります。

・違法薬物の所持と逮捕

今回のAさんのように、コカイン覚せい剤といった違法薬物の所持事件では、逮捕・勾留による身体拘束を伴う捜査が行われることが非常に多いです。
それは、違法薬物という証拠物が簡単に隠滅できてしまったり、売人等の関係者が複数にわたる可能性があったりするという事件の性質によります。
Aさんのように、令状を持った警察官がやってきて家宅捜索されるというケースも珍しくありません。
逮捕や家宅捜索は突然なされることも多いうえ、日常的に関わる機会のない強制手続きでしょうから、被疑者本人はもちろんのこと、その周囲の家族や友人の方も大きく戸惑われることが予想されます。
どうしていいのか分からない、何が分からないかも分からない、という状況であれば、まずは専門家である弁護士を頼りましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、コカイン覚せい剤を含む違法薬物所持事件のご相談・ご依頼も多く承っています。
逮捕に迅速に対応するための初回接見サービスも行っていますから、違法薬物所持事件にお困りの方にも安心してご相談いただけます。
お問い合わせは0120-631-881でいつでも行っていますので、お気軽にお電話ください。
次回の記事では、Aさんのケースについて詳しく触れていきます。
滋賀県東近江警察署までの初回接見費用:4万2,500円)

【執行猶予】京都府舞鶴市の強制わいせつ事件

2019-03-14

【執行猶予】京都府舞鶴市の強制わいせつ事件

~事案~
大学生のAさんは、夕方に、京都府舞鶴市の人気がない歩道を歩いて帰宅していた高校生のVさんの腕をいきなりつかみ、スカートをめくり、下着の中に手を入れるというわいせつな行為をしました。
Vさんがその場で悲鳴をあげたため、Aさんはその場から逃走しましたが、後日、京都府舞鶴市を管轄する京都府舞鶴警察署の警察官に強制わいせつ罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親はAさんを執行猶予にしてほしいと刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に相談しました。
(フィクションです)

~強制わいせつ罪~

強制わいせつ罪は、被害者が13歳以上の場合には、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者に成立する犯罪です。
なお、被害者が13歳未満の場合には暴行又は脅迫がないときでもわいせつな行為があれば、強制わいせつ罪が成立します。
今回のAさんにわいせつな行為をされた被害者のVさんは高校生なので、強制わいせつ罪の成立には暴行又は脅迫が必要となります。
強制わいせつ罪の条文上、暴行又は脅迫を手段としてわいせつな行為をした場合に強制わいせつ罪が成立すると規定されていますが、強制わいせつ罪の成立には暴行又は脅迫は必ずしも強度なものを必要とはしておらず、被害者の意に反してわいせつな行為をする程度の暴行又は脅迫でも強制わいせつ罪は成立する可能性があります。

強制わいせつ罪が成立すれば、6月以上10年以下の懲役が科せられます。
強制わいせつ罪には罰金刑がないため、起訴されて有罪となれば、懲役刑は避けられません。
起訴されて有罪となり、懲役刑の実刑が科されれば、Aさんはしばらくの間刑務所に収容され、労役が課せられます。
有罪判決を受けたことによって大学生であるAさんは大学から退学処分を受ける可能性もあります。
また、退学処分を受けなかったとしても刑務所に長期間拘束されることで、大学の講義の出席日数が足りなくなり、自主退学を余儀なくされたり、留年してしまう可能性もあります。
このような社会的な不利益を避けるためにも執行猶予付の判決を獲得することは非常に重要になります。
執行猶予付の判決を獲得すると判決確定後に一定の期間、他の犯罪を起こすなどして執行猶予が取消されることがなければ、刑の言渡しはその効力を失い、刑の執行を受けることはなくなります。

~執行猶予付判決を獲得するためには~

執行猶予を付けるかどうか決定する権限があるのは裁判官です。
裁判官には、量刑に加えて様々な状況を考慮し執行猶予を付ける裁量があります。
そのため、執行猶予付判決を獲得するためには裁判官に加害者をすぐに刑務所に入れる必要がないことを説得することが重要です。

執行猶予付判決を獲得することを目指していく上で、注力すべき重要な点が二点あります。
一つ目は、被害者との間で被害弁償ないし、示談を成立させているかどうかという点です。
被害者との間で今回の件によって被害者が受けた損害を弁償する被害弁償を済ませている、若しくは、被害者との間でいくつかの条件をつけて合意することで加害者と被害者の間、つまり、当事者間では今回の事件は解決したと約束する示談を成立させていることで、裁判官に今回の事件は当事者間ではすでに解決しており、被害者の処罰感情も薄くなってきているとアピールすることができます。

二つ目は、加害者本人の反省、そして、加害者の更生をサポートする環境が整っているかどうかという点です。
今回の事件ですと、Aさんが大学に残れるように大学側と交渉をしていきます。
また、今回のような性犯罪の場合は、心療内科での治療などにも取り組むことも考えられます。

刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は被害者と積極的に被害弁償や示談成立のための交渉を行います。
加害者と被害者、両者が合意できるように示談案を作成し、両者の示談成立に大きく貢献します。
また、加害者が今後更生していけるように今回の事件ですと、大学など関係各所と連絡を取り、加害者が更生していけるように全力でサポートします。
京都府舞鶴市強制わいせつ事件でお困りの方、また、そのご家族の方、是非弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。

(京都市上京区)少年窃盗事件と少年院

2019-03-13

(京都市上京区)少年窃盗事件と少年院

京都市上京区にある私立高校に通うAさんは他の友人数名と体育の授業中など、教室に人がいない間に他の生徒の財布から現金を盗む行為を繰り返していました。
その後、Aさんらはそれを目撃していた他の生徒の連絡により、京都市上京区を管轄する京都府上京警察署の警察官に窃盗罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親はAさんが少年院に入れられるのは避けたいと少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に相談しました。
(この話はフィクションです。)

~窃盗罪~

窃盗罪は他人の財物を窃取することで成立する罪であり、成人の場合にはその罰則として10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が規定されています。
今回Aさんは少年であるため、原則としてこの罰則が適用されることはありません。
Aさんは少年であるため、少年事件として成人事件とは異なったプロセスで刑事手続きが行われます。

~少年院送致~

少年事件では刑罰ではなく保護処分が下されますが、一番重い保護処分として少年院送致があります。
少年院送致が決定されると当該少年は少年院に収容され、再非行を防止するための矯正教育を受けることになります。
少年を更生させるため、原則として外出は禁止され、厳しい生活訓練が行われます。
少年院に収容される期間は4カ月から2年以内の範囲内で決められます。

少年院に長期間拘束されることで少年自身だけでなく、そのご家族の方にも精神的、身体的な負担がかかるおそれがあります。
また、少年院に長期間拘束されることで、中学高校の出席日数が足りなくなり、留年したり退学せざるを得なくなる可能性もあります。
特に、Aさんが通っている私立高校では少年院送致が決定された段階で退学処分が下されてしまう可能性もあります。
このような不利益を避けるためにも少年院送致を回避することは重要となります。

少年院はいわゆる「重い」犯罪をしてしまった少年が行くというイメージがあるかもしれませんが、少年事件では、少年の更生に重きが置かれているため、窃盗事件であっても少年院に行く可能性があるということに注意が必要です。

~少年院送致を回避するためには~

少年院送致を回避するためには少年の性格や周りの環境などから再び非行に走る危険性がないことを主張し、少年院に収容し一定の期間矯正教育を受けさせて更生させるよりも社会内更生によることがより適切であることを保護処分について決定する権限のある裁判官にアピールする必要があります。

まず、少年院への送致の回避を目指す上で、重要なのが被害者との間で被害弁償若しくは示談を成立させているかということです。
少年事件の制度の趣旨からも被害者との間で被害弁償を済ませていることや示談を成立させていることが必ずしも少年院への送致の回避につながるとは言いきれません。
しかし、今回起こしてしまった事件について被害者への弁償や、謝罪をするなどの誠意ある対応をすることで、少年自身が反省しているのみならず、家族も少年の更生に協力していることとなり、一定の評価を得ることができるのは間違いありません。
そのため、少年院送致の回避に被害者対応はとても重要なものとなります。

次に少年院への送致の回避を目指す上で重要なのが両親や周りの大人の意識改革や少年の周りの生活環境を整えることです。
少年院はあくまでも少年に一定の期間矯正教育を行い、少年が今後同様の犯罪を起こさないように更生させることを目的とするものです。
そのため、少年の周りの生活環境を整えることでその少年を少年院に収容して更生させる必要はないと主張することが重要です。
そのうえで、社会からの隔絶や学校などこれまでの生活の基盤を失うことなどのデメリットに鑑み、少年院より社会内更生の方がより適切であることを訴えていくことができます。

少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は被害者との間の示談成立を目指し、積極的に示談交渉を行います。
被害者と加害少年の両者の意見を取り入れ、両者の利害を調整し、両者が納得する示談案を提示します。
また、少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は加害少年の付添人として、その少年が同様の犯罪を起こさないように家族の方や、時には学校の方とも連絡を取り、少年が更生できるように最善の努力を尽くします。
京都市上京区少年事件でお困りの方、その家族の方、是非少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。
(フリーダイヤル:0120-631-881

滋賀県近江八幡市の盗撮事件で不起訴を目指す

2019-03-12

滋賀県近江八幡市の盗撮事件で不起訴を目指す

~事案~
大学生のAさんは、帰宅途中、滋賀県近江八幡市内を通る電車内で女子大学生のVさんのスカートの中をスマートフォンのカメラで盗撮しました。
Aさんはその後、Aさんの盗撮に気づいた他の乗客によって通報され、滋賀県近江八幡市を管轄する滋賀県近江八幡警察署の警察官に逮捕されてしまいました。
Aさんの母はAさんに前科が付かないようにしてほしいと考え、その一歩としてまずは刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(この話はフィクションです。)

~盗撮の罰則~

盗撮は一般的に刑法ではなく各都道府県の定める迷惑防止条例によって処理されます。
盗撮の罰則は、滋賀県では、滋賀県迷惑行為等防止条例によって規定されています。
滋賀県では盗撮した場合の罰則について1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されるとされています。

また、盗撮の罪は実際に撮影していたときだけでなく、カメラをさしむけた、若しくは設置しただけでも、「ひわいな言動」であるとして条例違反となることもあります。
ただし、今回のAさんはVさんのスカートの中をスマートフォンのカメラで実際に盗撮しています。
そして、今回の事案ではAさんが常習的に盗撮していることは述べられていないため、起訴されればAさんは1年以下の懲役又は100万円以下の罰金の範囲内で量刑されることになります。

Aさんが起訴されて有罪となった場合、罰金刑となればAさんは罰金の支払い義務を負うだけとなりますが、繰り返し行っていた場合などは懲役刑が科されることもあり、懲役刑となった場合Aさんは一定の期間収容され、労役が課せられます。
長期間刑務所に収容されることで、大学の出席日数が足りなくなり、退学せざるを得なくなったり、有罪となっただけで大学から退学処分が下される可能性もあります。
また、起訴されて有罪判決が下されるとAさんには前科がつくことになります。
前科がつくと、Aさんは資格取得や就職活動においても不利益を受ける可能性があります。
日本の刑事裁判においては起訴された場合、ほとんどのケースで有罪判決が下されています。
そのため、前科がつくことを避けるためには不起訴処分を目指していくことが重要となります。

~不起訴処分を目指すには~

不起訴処分を目指していく上で重要なことが被害者との間で示談を済ませているかということです。
示談とは、加害者側から被害の弁償や謝罪、そして、今後同様の犯罪を起こさないことの誓約をすることなどを条件として被害者側と今回の紛争については当事者間において解決したと合意することを言います。
被害者側と示談を成立させておくことで、起訴するかを判断する検察官に今回の事件は当事者間では解決したとアピールすることができます。
警察官に逮捕されてから検察に引き渡され、検察官によって起訴されるまでの時間は限られており、不起訴処分を目指すためには迅速な対応が必要とされます。
刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に早期に相談することで警察での取調べのアドバイスを受けることができます。
また、被害者との示談交渉についても弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は両者が納得のいく示談案を作成し、両者の示談成立に向けて全力を尽くします。
示談交渉をしてほしい方は是非示談交渉に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
また、滋賀県近江八幡市の盗撮事件でお困りの方、そのご家族の方、是非刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。

宮津市の飲酒運転交通事故で執行猶予

2019-03-11

宮津市の飲酒運転交通事故で執行猶予

~事案~
会社員のAさんは京都府宮津市で行われた同僚との飲み会の後、車で家まで運転していたところ、道路を横断していた歩行者のVさんに気づかず、はねてしまいました。
Vさんは全治4か月の重傷を負ってしまいました。
Aさんは駆け付けた京都府宮津警察署の警察官に飲酒運転のうえ交通事故を起こしたとして、現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんの妻はAさんを執行猶予にしてほしいと交通事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士に初回接見依頼をしました。
(この話はフィクションです。)

~飲酒運転で交通事故を起こしてしまったら~

今回のAさんが起こした交通事件では、Aさんの行為は二種類の犯罪に該当する可能性が高いです。

一つ目は、道路上を横断している歩行者のVさんに気づかなかったというような運転者の不注意によって事故を起こしたときに適用される過失運転致死傷罪です。
この罪では、その罰則として、7年以下の懲役・禁固又は100万円以下の罰金が科されます。
また、飲酒運転したとして、道路交通法違反にも問われることになるでしょう。
アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態(酒に酔った状態)の場合5年以下の懲役又は100万円以下の罰金、呼気1リットル中のアルコール濃度0.15mg以上の場合3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。

二つ目は、アルコールの影響により、正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転し、運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた場合に適用される危険運転致死傷罪です。
この罪では、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させた場合には、15年以下の懲役が科され、アルコールの影響で、正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転し、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥ったような場合には、12年以下の懲役が科されます。

この二つの罪は、飲酒運転や過失に基づく自動車運転事故という点では共通するため、二つ目が成立する場合は二つ目のみ問われ、一つ目は特に問題とされません。
この二つ目の危険運転致死傷罪では罰則は罰金刑が認められないため、起訴されて有罪となれば、懲役刑は避けられず、非常に厳しい刑事処分となります。

懲役刑が科せられてしまうと、Aさんはしばらく刑務所に収容され、労役が課せられます。
刑務所にしばらく拘束されることでAさんは人生において非常に重要な時間を失ってしまいます。

また、刑事裁判で実刑判決を宣告されることでAさんは会社に懲戒解雇される可能性もあります。
さらに、Aさんが長期間刑務所に拘束されることでAさんだけでなく、Aさんの家族にも精神的・身体的に負担がかかる可能性があります。
そのような社会的な不利益を避けるためにも刑事裁判において執行猶予付判決を獲得することは非常に重要となります。

~執行猶予付判決を獲得するには~

執行猶予付判決の獲得を目指す上で、重要なポイントは二つあります。
一つ目は、加害者の反省とその更生を実現させる環境を整えることです。
加害者が今回自らが起こしてしまった事件に対して深く反省していることと、これから同じような犯罪を起こさず、更生できる環境づくりができていることを刑事裁判において主張することで裁判官にこの加害者をすぐに刑務所に入れる必要はないということをアピールすることができます。
交通事件では、事故時に使用した車を廃車したり、もう免許は取得しないことや飲酒しないことを誓約する、などがよく行われます。

二つ目は、今回起こった事件について被害者との間で被害弁償を済ませている若しくは示談を成立させていることです。
今回起こった事件について被害者と加害者が単純に被害額を弁償する被害弁償ないし、両者がそれぞれの条件を提示し、今回の紛争について解決したと合意する示談を済ませていることで、裁判官に今回の事件は当事者間においては解決していることをアピールすることができます。
しかし、事故の結果によっては被害者やその家族の被害感情が峻烈となり、全く話に応じてもらえないこともあります。
仮に話に応じてもらえるとしても、些細な行き違いで交渉が決裂する恐れもあります。
また、交通事故の場合は被害者には保険から支払われることが多いため、支払い名目によっては保険会社の支払いがなされないこともあります。
こうしたことから、法律事件の専門家である弁護士に依頼して緻密かつ穏便に示談を進めてくのが良いでしょう。
交通事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は加害者の更生ができるように周囲の環境を整えることに尽力します。
また、被害者と積極的に示談交渉を行い両者の示談の成立に貢献します。

京都府の交通事件でお困りの方、交通事件で執行猶予を目指している方、または、その家族の方、是非弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

京都市東山区の詐欺事件

2019-03-10

京都市東山区の詐欺事件

~事案~
会社員のAさんは、仕事の帰りに京都市東山区の歩道に落ちていたクレジットカードを持ち去りました。
翌日、Aさんは持ち去ったクレジットカードを利用してデパートでネックレスなどを購入しました。
その後、Aさんは京都市東山区を管轄する京都府東山警察署詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そこで、Aさんの夫はAさんを執行猶予にしてほしいと刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にまずは初回接見依頼をしました。
(この話はフィクションです)

~どのような罪になるか~

他人の落とし物のような遺失物を持ち去るなどして横領した場合は遺失物横領罪が成立する可能性が高いです。
また、他人のクレジットカードを本人かのように使って商品を買うなど、人を欺いて財物を交付させた場合については、詐欺罪が適用されます。

今回の事例では、Aさんは落ちていた他人のクレジットカードを持ち去り、さらに持ち去ったクレジットカードを利用しています。
そのため、遺失物を横領したとして、遺失物横領罪が成立すると考えられます。
さらに、クレジットカードの正当な使用権限も代金を支払う意思もないにもかかわらず、それがあるように装って同クレジットカードを提示していることから詐欺罪が適用されることになるでしょう。
遺失物横領罪はその罰則として、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料が定められています。
また、詐欺罪はその罰則として、10年以下の懲役が定められています。
詐欺罪については遺失物横領罪のような罰金刑がありません。
そのため、起訴されて有罪となれば、懲役刑が科せられます。
懲役刑となれば、一定の期間刑務所に収容され、労役が科せられてしまいます。
また、刑務所にしばらく収容されることで仕事先から解雇される可能性も高いです。
さらに、しばらく刑務所に収容されることで加害者の家族にも精神的、身体的に負担がかかることは避けられません。

~執行猶予付判決を獲得する重要性~

これらの社会的不利益を被ることを避けるためにも、執行猶予付判決を獲得することは非常に重要になります。
執行猶予付判決とは、罪を犯して判決で一定以下の刑を言い渡された者が、執行猶予期間に他の刑事事件を起こさずに過ごせば、その刑の言渡し自体をなかったことにするという制度です。
つまり、執行猶予期間中に他の刑事事件を起こさなければ、刑を言い渡された者は刑務所に入る必要はなく、通常の生活を送ることができます。
したがって、執行猶予付判決を獲得することで、刑務所において長期間拘束され、自分にも家族にも負担がかかるという不利益を避けることができます。

~執行猶予付判決を獲得するには~

執行猶予付判決にするか実刑判決にするかを決定する権限があるのは裁判官です。
裁判官は加害者における様々な事情を考慮して自らの裁量で量刑や、執行猶予を付けるかを決定します。
そのため、Aさんやその弁護人としては裁判官に対してAさんを直ちに刑務所に収容する必要がないことを説得する必要があります。
執行猶予付判決を獲得する上で、いくつかの重要なポイントがあります。
一つ目は、加害者に更生の意思があること、そして、その更生をサポートする環境が整っていることです。
具体的には、加害者が今回の件を反省している、さらに、今後同様の犯罪を起こさないこと、及び家族の協力などその更生をサポートする環境が整っていることを裁判官にアピールすることが重要になってきます。
二つ目は、被害者との間で被害弁償を済ませていること、若しくは、示談を成立させていることです。
被害弁償とは、今回発生した被害を金銭によって 弁償することです。
示談とは、一般的に加害者が被害者に対して謝罪して相応の弁償金を支払う一方、被害者は被害届を提出しないなど合意することで、当事者間で今回の紛争が解決したと約束することをいいます。
被害弁償を済ませたり、示談を成立させることで刑事裁判において、裁判官に今回の事件は被害は回復され当事者間で解決したことをアピールすることができます。
また、示談書に被害者側から加害者の厳しい刑事処分を望まないという宥恕の条項を書いてもらうことで裁判官に被害者も厳しい処罰を望んでいないので刑務所に収容する必要はないとさらにアピールすることができます。
刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は被害者との間で積極的に示談交渉を行います。
また、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、加害者と被害者の両者が納得のいく示談案を提示し、両者が合意できるように最善の努力を尽くします。
京都市詐欺事件でお困りの方、また、そのご家族の方、是非弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

滋賀県甲賀市で保釈を目指す③

2019-03-09

滋賀県甲賀市で保釈を目指す③

~前回からの流れ~
Aさんは、滋賀県甲賀市で強制性交等事件を起こし、滋賀県甲賀警察署に逮捕されました。
その後の捜査で、Aさんは同様の強制性交等事件を複数起こしていることが発覚しました。
Aさんは、最初に逮捕された強制性交等事件で勾留されましたが、勾留延長満期を迎えるとすぐに別の強制性交等事件の被疑者として再逮捕されました。
Aさんの家族は、Aさんの身体拘束が長引いていることからAさんを心配し、身柄解放活動に動いてくれる刑事事件に強い弁護士を探し、相談しました。
そこでAさんの家族は、保釈についても詳しく話を聞きました。
(※この事例はフィクションです。)

・保釈を目指した活動(Aさんの場合)

前回までの記事でも触れた通り、保釈によって身柄解放を実現することは、被告人本人やその周囲にとっては非常に重要なことです。
弁護活動を行う弁護士にとっても、被告人と自由に予定調整を行って打合せをすることができるということは、充実した弁護活動に大切なことです。
上記事例のAさんも、Aさんの家族が身柄解放を求めて弁護士に相談し、保釈について話を詳しくしているようです。

では、Aさんの場合、具体的にどういった活動が想定されるでしょうか。
保釈が認められるのは、前回の記事で取り上げたように、「権利保釈」・「裁量保釈」・「義務的保釈」のいずれかの条件に当てはまる必要があります。
ですから、それらに当てはまることを保釈請求する際に裁判所に対して訴えていく必要があります。

例えば、「権利保釈」が許されるためには、「被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある」ことや「被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由がある」ことを否定しなければなりません。
こうした事由を否定するためには、被告人本人が注意するだけでなく、被告人の周囲の方々がその行動を監督するなど、協力をしてもらうことが効果的です。
Aさんの場合であれば、保釈後、家族の協力のもと、不要な外出をさせないようにしたり、どうしてもAさんが外出しなければいけないときには家族の誰かが付き添うようにしたり、携帯電話のGPS機能を利用して家族がAさんの位置を常に把握するようにすることなどが考えられます。
また、Aさんの起こした強制性交等事件のように被害者の存在する刑事事件の場合には、被害者の方への被害弁償や謝罪を通じた示談を締結することによって、被害者へ接触するリスクがないと主張していくことも考えられます。
もちろん、これらはあくまで一例であり、その刑事事件に合った環境の整備・主張が必要とされます。
そして、ただ主張するだけではなく、これらの活動をきちんと証拠化し、客観的に分かってもらえるようにしなければならないのです。

保釈は、刑事訴訟法88条に「勾留されている被告人又はその弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、保釈の請求をすることができる。」とあるように、弁護士でなくとも請求することができます。
しかし、こうした活動の証拠化や、それを用いた交渉には、刑事事件の専門知識が必要となってきますから、保釈については弁護士に相談して保釈請求をしてもらうことが望ましいと言えるでしょう。

なお、被疑者段階の身柄解放活動、例えば勾留決定に対する準抗告などは、できる回数に制限があります。
しかし、保釈請求については回数制限は特にありません。
ですから、1回保釈請求が認められなくても、また環境を整えてもう一度保釈請求を行うことは可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は、依頼者様の利益のために、粘り強く保釈獲得を目指します。
保釈について相談したいと思っている方、まずは弁護士の話を聞いてみたいという方は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。
逮捕・勾留されている方には、初回接見サービスがおすすめです。
滋賀県甲賀警察署までの初回接見費用:4万3,100円

滋賀県甲賀市で保釈を目指す②

2019-03-08

滋賀県甲賀市で保釈を目指す②

~前回からの流れ~
Aさんは、滋賀県甲賀市で強制性交等事件を起こし、滋賀県甲賀警察署に逮捕されました。
その後の捜査で、Aさんは同様の強制性交等事件を複数起こしていることが発覚しました。
Aさんは、最初に逮捕された強制性交等事件で勾留されましたが、勾留延長満期を迎えるとすぐに別の強制性交等事件の被疑者として再逮捕されました。
Aさんの家族は、Aさんの身体拘束が長引いていることからAさんを心配し、京都府滋賀県で身柄解放活動に動いてくれる刑事事件に強い弁護士を探し、相談しました。
そこでAさんの家族は、保釈についても詳しく話を聞きました。
(※この事例はフィクションです。)

・保釈

保釈は、起訴後、つまり被疑者から被告人になった後、刑事裁判になることが確定した後に取ることのできるようになる手続きで、保釈金納付や住居の制限などの条件を課した上で釈放を許可するというものです。
被疑者段階での保釈は認められません。
これは、保釈について規定している条文が、「被告人は」という文言のみを使用しており、被疑者に対してこの規定を準用するような規定もないからです。

大まかな保釈の流れとしては、起訴後、裁判所に対して保釈請求を行い、保釈決定が出てから保釈金(保釈保証金)を納付することで釈放が行われる、というものになります。
この保釈は、前の記事でも取り上げたように、被疑者段階での身柄解放を求める活動に比べれば認められやすいのは確かですが、請求をすれば必ず保釈されるというものでも、保釈金を高額にしたら必ず保釈されるというものでもありません。

保釈については、刑事訴訟法に規定が存在します。

刑事訴訟法
89条
保釈の請求があったときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
1号 被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
2号 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
3号 被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
4号 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
5号 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏い怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
6号 被告人の氏名又は住居が分からないとき。

90条
裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。

91条
勾留による拘禁が不当に長くなったときは、裁判所は、第88条に規定する者の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。

このうち、刑事訴訟法89条に規定されている保釈について「権利保釈」(または「必要的保釈」、「請求保釈」)、刑事訴訟法90条に規定されている保釈が「裁量保釈」(または「職権保釈」)、刑事訴訟法91条に規定されている保釈が「義務的保釈」と呼ばれます。
権利保釈の場合、刑事訴訟法89条1号~6号の事由に該当しなければ原則として保釈は認められることとなります。
しかし、もしもこれらの事由に該当してしまった場合であっても、逃亡や罪証隠滅のおそれのないこと等を説得的に主張することによって、刑事訴訟法90条の規定する裁量保釈を狙うことができます。
ただし、この主張は刑事事件・刑事手続きの専門的知識がなければ説得的に行うことが難しいですから、専門家である弁護士のサポートを受けながら協力して保釈獲得を目指していくことが望ましいでしょう。
刑事訴訟法89条の事由に該当しているからといってすぐにあきらめず、弁護士と連携し、保釈を求めていきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、事件ごとに臨機応変な対応を行い、保釈を目指して活動していきます。
京都府滋賀県保釈にお悩みの際は、弊所弁護士までご相談ください。
次回の記事では、事例のAさんについて具体的に当てはめて検討を行います。
(フリーダイヤル:0120-631-881

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