京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件②

2019-03-20

京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件②

~前回からの流れ~
Aさんは、京都府舞鶴市で、X国から大麻を輸入し、その大麻を販売して利益を得ることを数年の間繰り返していたことから、京都府舞鶴警察署に、麻薬特例法違反の容疑で逮捕されることとなりました。
Aさんは、家族の依頼を受けた弁護士と接見(面会)し、大麻輸入行為であっても麻薬特例法違反となるケースがあることを聞きました。
そこでAさんは、弁護士に、大麻輸入行為大麻取締法違反となった場合と、大麻輸入行為麻薬特例法違反となった場合の違いについて、さらに詳しく話を聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・大麻取締法違反と麻薬特例法違反~成立の分かれ目

前回の記事で取り上げたように、「麻薬」特例法違反という通称ではありますが、大麻輸入行為等も麻薬特例法違反となりえます。
では、Aさんのように大麻を輸入した場合に、大麻取締法違反が成立した場合と麻薬特例法違反が成立した場合で何が異なってくるのでしょうか。
そもそも、この2つの犯罪は、どういった点で成立する犯罪が分かれるのでしょうか。
もう一度それぞれの条文を見てみましょう。

麻薬特例法5条
次に掲げる行為を業とした者(これらの行為と第8条の罪に当たる行為を併せてすることを業とした者を含む。)は、無期又は5年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
2号 大麻取締法第24条又は第24条の2(所持に係る部分を除く。)の罪に当たる行為をすること。

大麻取締法24条
1項 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。

条文を見てみると、大麻輸入行為の場合、「業として」行えば麻薬特例法違反に、そうでなければ大麻取締法違反になるということが分かります。
麻薬特例法のいう「業として」行うとは、大麻輸入等の規制薬物に関連する不正行為を反復継続する意思に基づき、業態的・営業的活動であると認められる形態で活動することであると解釈されています。
何をもって「業態的・営業的活動」と言えるかについては、どれだけの期間その不正行為が継続されていたのか、不正行為によって得た利益はどれほどであるのか等、それぞれの事案を詳しく検討することで判断されますから、一概に「何回輸出入をしているから麻薬特例法違反になる」とは言えません。
ですから、一般の方だけで大麻取締法違反によって処罰されるのが適切なのか、それとも麻薬特例法違反となる可能性があるのかを判断することは非常に難しいと言えるでしょう。

・大麻取締法違反と麻薬特例法違反~2つの違い

では、大麻取締法違反麻薬特例法違反、どちらが成立するかによって何が変わるのでしょうか。
まずは、2つの法律を見比べると分かる通り、麻薬特例法違反として処罰される方が、大麻取締法違反として処罰されるよりもより厳しく重い刑罰を受けることになることが分かります。
大麻取締法違反麻薬特例法違反では、いわゆる「法定刑」が異なるのです。
そして、ここで注意すべきなのは、Aさんのような大麻輸入行為が大麻取締法違反になるのか麻薬特例法違反になるのかということで異なってくることが、ただ単純に刑罰が重くなるかどうかだけではないということです。

先ほども触れた通り、大麻取締法では、営利目的で大麻を輸入した場合の法定刑は7年以下の懲役情状によっては200万円以下の罰金も併科)ですが、業として大麻輸入を行って麻薬特例法違反となった場合の法定刑には、無期懲役が含まれることになります。
これにより、以下の裁判員法2条1号に該当することとなり、業として大麻輸入を行ったという麻薬特例法違反で裁判となった場合には裁判員裁判を受けることになるのです。

裁判員法2条
地方裁判所は、次に掲げる事件については、次条又は第3条の2の決定があった場合を除き、この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は、裁判所法第26条の規定にかかわらず、裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。
1号 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件

裁判員裁判は、手続きもそれに伴う弁護活動も、通常の刑事裁判とは異なる特殊なものとなります。
裁判員裁判となれば、被告人自身の負担も、その周囲の方の負担も大きくなってしまう可能性があります。
だからこそ、裁判員裁判になる可能性があるのであれば、より刑事事件に詳しい専門家である弁護士のサポートが重要になってくると言えます。

このように、大麻取締法違反となるのか、それとも麻薬特例法違反となるのかは、その規定されている刑罰の重さが大きく異なるだけでなく、裁判の手続きがどのようなものになるのかにも影響します。
そういった場合に頼れるのが、刑事事件に強い弁護士です。
こうした2つの犯罪の成立について争いたいとお悩みの方、麻薬特例法違反事件にお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください。
お問い合わせは24時間いつでも0120-631-881にて受け付けています。

次回の記事では、麻薬特例法違反事件で考えうる処分について取り上げます。