Archive for the ‘性犯罪’ Category
京都市中京区で少年の準強制わいせつ事件①
京都市中京区で少年の準強制わいせつ事件①
~事案~
京都市中京区の高校に通っているA(17歳)は、3歳年下の妹にいたずらしようと思い、妹が寝ているときに、妹が着ていたパジャマを気付かれないように脱がせました。
パジャマを脱がせたところ、妹が下着を着けておらず、胸があらわになっており、ムラムラしたAは、妹が寝ていることをいいことに、妹の胸を揉みしだいてしまいました。
Aが胸を揉んでいるときに妹が起きてしまい、悲鳴を上げられたため、Aは胸を揉む行為をやめて妹に謝りました。
その場はそれで収まりましたが、次の日に妹が兄に胸を揉まれたことを学校で友達と話したところ、その友達が学校の先生に言ってしまい、学校の先生から児童相談所に通報され、妹は児童相談所に一時保護されることになってしまいました。
その後、児童相談所から通報を受けた京都府中京警察署の警察官がA宅に来て、Aは準強制わいせつ罪の容疑で通常逮捕されてしまいました。
Aの親は今後Aや妹がどうなってしまうのか知るため、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に弁護活動を依頼することにしました。
(フィクションです。)
~準強制わいせつ罪~
「準強制わいせつ罪」とは、心神喪失又は抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせてわいせつな行為をした場合に成立する犯罪です。
一般に「強制わいせつ罪」という場合には、暴行脅迫を用いてわいせつ行為をすることが必要で、例外的に13歳未満の者に対してわいせつ行為をした場合には、暴行脅迫を用いなくても「強制わいせつ罪」となります。
しかし、「準強制わいせつ罪」は、暴行脅迫がなくても、抵抗ができない状態にある人にわいせつな行為をした場合に成立し、「強制わいせつ罪」と同様に扱われることになります。
したがって、抵抗ができないような状態にある人にわいせつな行為をした場合には、成人の場合、懲役6月以上10年以下の刑罰が法律上科せることになります。
本件のAは、妹が寝ていることに乗じて胸を揉むという明らかにわいせつな行為をしており、寝ている妹は抵抗ができない状態にあったということができるため、Aには「準強制わいせつ罪」が成立することになります。
~パジャマを脱がせた行為~
また、Aが寝ている妹のパジャマを脱がせた行為自体も、わいせつな行為と評価することができるといえるため、パジャマを脱がせた行為も「準強制わいせつ罪」当たる行為ということができます。
もっとも、パジャマを脱がせた段階では、Aはいたずらの目的しかなく、わいせつな目的があったといえません。
「強制わいせつ罪」には、「わいせつな目的」が必要とされているのと同様に、「準強制わいせつ罪」にも「わいせつな目的」が必要です。
そこで、「わいせつな目的」がなかった場合、「準強制わいせつ罪」が成立しないと主張することが考えられます。
しかし、最近の最高裁判所の判断によれば、「強制わいせつ罪」の事例ではありますが、行為自体がわいせつな行為と評価できる場合にはわいせつな目的があったものということができると判断したものがあり、行為自体がわいせつといえるか微妙な場合のみ「わいせつな目的」の有無が問題となると評価できるような判断となっています。
そうすると、本件でパジャマを脱がせた行為は、一般的に女子の服を脱がせる行為はわいせつな行為と評価することができるため、「わいせつな目的」がなかったとしても、「準強制わいせつ罪」に問われる可能性があることになります。
この場合には、厳密に考えるとパジャマを脱がせた行為と胸を揉んだ行為それぞれに「準強制わいせつ罪」が成立することになりますが、実質的には一連の行為といえるため、これらを一つの行為として「準強制わいせつ罪」1個が成立することになると考えられます。
もっとも、厳密には2つの行為が行われているといえるため、量刑の判断においては、パジャマを脱がせていない場合に比べて重く判断される可能性があります。
そこで、パジャマを脱がせた行為については「準強制わいせつ罪」に当たらないと主張することが考えられます。
「準強制わいせつ罪」に当たるかどうかは、上記の判例の評価も含めて非常に複雑で専門的な判断が必要になるため、専門家に判断をゆだねることが賢明です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱っており、このような判断についても専門的な知識を有した弁護士が、事案の内容を細かく聞き取り、しっかりと判断することができます。
準強制わいせつ罪にあたるかどうかでお悩みの方はぜひ一度弊所の弁護士までお問い合わせください。
(京都府中京警察署までの初回接見費用:3万4,800円)
京都府八幡市の公然わいせつ事件②
京都府八幡市の公然わいせつ事件②
~前回からの流れ~
Aさんは、深夜勤務開けに自動車で自宅に帰っている途中、ムラムラしたため、京都府八幡市内の路上に車を停めて、運転席で自慰行為をしていました。
深夜勤務開けで頭がぼーっとしていたAさんは、周囲を気にしていませんでしたが、自慰行為をしているところを通行人に見られてしまい、通行人から通報を受けた京都府八幡警察署の警察官が現場に駆け付け、Aさんは公然わいせつ罪の容疑で京都府八幡警察署に任意同行され、取調べを受けることになりました。
Aさんは逮捕されることなく帰宅を許されましたが、今後の処分が気になったことから、刑事事件専門の弁護士にアドバイスをもらうため、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談を受けることにしました。
(フィクションです。)
~公然わいせつ罪の弁護活動~
前回の記事で触れたように、Aさんが路上に停めた自動車内で自慰行為をしたことは、刑法上の公然わいせつ罪となります。
では、その公然わいせつ罪を犯してしまい、刑事事件の被疑者として扱われたとき、どういった弁護活動が考えられるのでしょうか。
公然わいせつ罪は「性秩序ないし健全な性的風俗」を保護するための罪ですので、「被害者」という概念が存在しません。
あえて被害者というのであれば、国や社会が被害者ということになります。
したがって、傷害罪などの被害者がいる犯罪のように、被害者と示談をすれば不起訴になる可能性が高いということはできません。
もっとも、目撃者が一人で、その目撃者が嫌悪感を抱いたことに対して謝罪をし、目撃者との間で「処罰を求めない」などの合意を得ることができた場合、そのことを検察官に示すことによって不起訴処分となったという例はあります。
そこで、目撃者が特定されている場合には、目撃者と合意に向けた交渉をすることが不起訴獲得に向けた第一歩ということができます。
しかし、当然目撃者の個人情報を捜査機関が被疑者に教えてくれることは考えにくいので、そのような交渉をするためには、弁護士に依頼する必要があります。
弁護士限りでという条件付きであれば連絡先を教えてもよい、謝罪を受けてもよいと考える目撃者の方も多いためです。
また、目撃者の方から「処罰を求めない」という合意が仮にできたとしても、公然わいせつ罪は被害者がいない犯罪なので、それだけで不起訴を目指すことには不安があるといえます。
そこで、公然わいせつ行為を行ってしまった動機を見つめ直し、必要であればカウンセリングや病院に通院する等、精神面で再発防止に取り組んでいったり、ボランティアなどをすることで反省を示したりして、検察官と不起訴に向けた交渉をする際に、有利な事情として主張できる事情を作っていく必要があります。
どのような取り組みをすれば、検察官が不起訴処分に納得してくれるのかについては、事案に即して考えていく必要があるので、刑事事件の専門家である弁護士のアドバイスを受けることが肝要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門に扱っている弁護士が、事案に応じた対応を懇切丁寧にアドバイスします。
公然わいせつ事件で不起訴を目指したい、前科をつけたくないとお考えの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までお問い合わせください(お問い合わせ用フリーダイヤル:0120-631-881)。
当事務所では初回の法律相談は無料で行っており、ご納得いただけるまでお時間制限なくご相談いただけます。
逮捕・勾留されている方向けにも初回接見サービスをご用意しておりますので、刑事事件の種類や逮捕の有無に関係なく、お気軽にご相談ください。
(京都府八幡警察署までの初回接見費用:3万8,200円)
京都府八幡市の公然わいせつ事件①
京都府八幡市の公然わいせつ事件①
~事例~
Aさんは、深夜勤務開けに自動車で自宅に帰っている途中、ムラムラしたため、京都府八幡市内の路上に車を停めて、運転席で自慰行為をしていました。
深夜勤務開けで頭がぼーっとしていたAさんは、周囲を気にしていませんでしたが、自慰行為をしているところを通行人に見られてしまい、通行人から通報を受けた京都府八幡警察署の警察官が現場に駆け付け、Aさんは公然わいせつ罪の容疑で京都府八幡警察署に任意同行され、取調べを受けることになりました。
Aさんは逮捕されることなく帰宅を許されましたが、今後の処分が気になったことから、刑事事件専門の弁護士にアドバイスをもらうため、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談を受けることにしました。
(フィクションです。)
~公然わいせつ罪~
公然わいせつ罪は、「公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」(刑法174条)と規定されています。
公然わいせつ罪の条文にある「公然」とは、判例によれば「不特定又は多数の人が認識できる状態」のことをいいます。
そして、「わいせつな行為」とは、判例では、「いたずらに性欲を興奮または刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものをいう」と定義されています。
したがって、簡単に言えば、不特定又は多数の人が見ることができるような状態で、一般人の感覚で性的と判断される行為を行うと「公然わいせつ罪」が成立することになります。
例えば、大勢の人が集まっている場所で裸になるような行為が公然わいせつ罪にあたることは当然ですが、深夜に人がいない公園など開けた場所で性器を露出するような行為も、公園はいつ人が通るか分からない場所なので「不特定の人に認識できる状態」ということができ、性器を露出する行為はわいせつな行為といえることは明白なので、公然わいせつ罪が成立する可能性が高いといえます。
本件のAについていえば、路上に停めた車の運転席で自慰行為をしており、フロントガラスやサイドウインドウは透明で運転席は外部から丸見えになっているということができるため、車内であったとしても「不特定又は多数の人が認識できる状態」にあったといえます。
当然、自慰行為は「わいせつな行為」ということができるので、Aは公然わいせつ罪に当たる行為を行っていたということができます。
では、Aは周囲を気にしていませんでしたが、仮に、周囲に誰もいないことを確認して自慰行為をしていた場合はどうでしょうか。
「公然」にあたるというはっきりとした認識がない場合でも公然わいせつ罪が成立するでしょうか。
公然わいせつ罪が故意犯、すなわち公然わいせつ罪が成立するには「公然とわいせつな行為をすることを行為者が認識・認容していることが必要」であるために問題となります。
この点については、判例上、その行為とその客観的状況の認識があれば、それがわいせつな行為と言えるのか、公然といえるのかについてまで知っている必要はないとされています。
したがって、現に周囲に誰もいないとしても、そこが誰でも出入りできる場所であるという認識と自慰行為をするという認識があれば、公然わいせつ罪の故意が認められることになります。
ですので、Aが仮に周囲に誰もいないことを確認していたとしても、路上という不特定の人が行き来できる場所に停めた、外から見ることのできる状態にある車内で自慰行為をしているという認識があることが間違いないので、Aには公然わいせつ罪が成立することになります。
公然わいせつ罪は、その名前からも想像しやすい犯罪ではあるものの、やはり法律の解釈や実務での取り扱いを知らなければその成立や見通しが分からない面もあります。
そういった場合も含めて、公然わいせつ罪の容疑をかけられてお困りの際には刑事事件専門の弁護士が所属する弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料法律相談や初回接見サービスをご利用ください。
公然わいせつ罪の成立の成否や見通し、対応の仕方などを、弁護士が直接、丁寧にお話いたします。
(お問い合わせ・ご予約:0120-631-881※24時間対応)
児童福祉法違反と売春防止法違反③
児童福祉法違反と売春防止法違反③
~前回からの流れ~
京都府在住のAさんは、滋賀県大津市において、女性Bさん(16歳)が18歳未満と知っていながら、出会い系サイトを通じて男性Cさんに紹介し、ホテルで売春させました。
ホテルでの性行為を終えたBさんとCさんが2人で歩いていたところに、巡回中の滋賀県大津北警察署の警察官がやってきて、職務質問を行いました。
そこからBさんCさんの売春行為が発覚し、Aさんが売春の仲介をしていたことも明らかとなりました。
その結果、Aさんは滋賀県大津北警察署に、児童福祉法違反と売春防止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(※平成31年4月3日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・Aさんに他の罪は成立する?
前2回の記事までは、今回のAさんの逮捕容疑である児童福祉法違反と売春防止法違反について触れてきましたが、児童福祉法違反や売春防止法違反以外にAさんに成立する可能性のある犯罪はあるのでしょうか。
実は今回の事例のような場合には、児童福祉法違反と売春防止法違反に加え、児童買春防止法違反という犯罪が成立する可能性が出てきます。
児童買春防止法は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」という法律です。
児童買春防止法では児童買春や児童ポルノの規制やそれらの行為の処罰、被害に遭った児童の保護などを定めており、この法律では、児童買春を周旋した者についての処罰も定めています。
児童買春防止法5条
児童買春の周旋をした者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
※注:業として行った場合には七年以下の懲役及び千万円以下の罰金
前回の売春防止法の部分で見た通り、「周旋」は仲立ちをすることを指します。
児童買春防止法では、児童買春を児童本人等に「対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすること」とされています(児童買春防止法2条2項)。
Aさんは、18歳未満の児童であるBさんとCさんの売春=対価を目的としての性交等を仲介していることから、児童買春の周旋をしていると考えられます。
ですから、Aさんには児童買春の周旋をしたという児童買春防止法違反が成立する可能性が出てくるのです。
しかし、ここで注意すべき点は、この児童買春を周旋したことによる児童買春防止法違反が成立するには、周旋した人(今回の事例であればAさん)だけでなく、児童買春の相手方(今回の事例であればCさん)が、これが児童買春である=相手(今回の事例であればBさん)が18歳未満であると認識している必要があるという点です。
過去の裁判例では、「児童買春周旋罪は、児童買春をしようとする者とその相手方となる児童の双方からの依頼又は承諾に基づき、両者の間に立って児童買春が行われるように仲介する行為をすることによって成立するもの」であることから、「被周旋者において児童買春をするとの認識を有していること、ずなわち、当該児童が18歳未満の者であるとの認識を有していることを前提にしていると解される」とされています(東京高判平15.5.19)。
つまり、今回の事例の場合でいえば、CさんがBさんについて18歳未満であることを知らなかった場合には、Aさんに児童買春防止法違反が成立しない可能性が出てくる、ということになります(その場合、Aさんには児童福祉法違反と売春防止法違反が成立するにとどまるということになります。)。
こうした事情から、18歳未満の者の売春を周旋したような刑事事件では、何罪が成立するのか又はしないのか、ということが非常に分かりづらく、さらに成立しうる犯罪も多いことから、その見通しや弁護活動についてもなかなか想像しづらいところがあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が刑事事件の専門知識や経験をフルに活用しながらご相談者様の対応に当たりますから、こうした複数の法律に抵触しうる刑事事件についても、安心してご相談いただけます。
京都府・滋賀県の児童福祉法違反事件や売春防止法違反事件、児童買春防止法違反事件にお悩みの際は、弊所弁護士のサービスをご利用ください。
(サービスお問い合わせ:0120-631-881※24時間対応)
児童福祉法違反と売春防止法違反②
児童福祉法違反と売春防止法違反②
~前回からの流れ~
京都府在住のAさんは、滋賀県大津市において、女性Bさん(16歳)が18歳未満と知っていながら、出会い系サイトを通じて男性Cさんに紹介し、ホテルで売春させました。
ホテルでの性行為を終えたBさんとCさんが2人で歩いていたところに、巡回中の滋賀県大津北警察署の警察官がやってきて、職務質問を行いました。
そこからBさんCさんの売春行為が発覚し、Aさんが売春の仲介をしていたことも明らかとなりました。
その結果、Aさんは滋賀県大津北警察署に、児童福祉法違反と売春防止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(※平成31年4月3日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・売春防止法違反
前回の記事では、児童福祉法違反について触れましたが、Aさんのもう1つの逮捕容疑の売春防止法違反についても見ていきましょう。
売春防止法は、法律名の通り、売春を助長する行為等を処罰や売春をするおそれのある女子に対する補導処分や保護更生の措置を規定して、売春の防止を図るための法律です。
売春防止法では、売春を助長した者については処罰することを定めていますが、売春をした当人については処罰することは定めていません。
これは、売春防止法が売春をするようになった人については福祉的な救済が必要であるという立場に立っていること、売春自体がいわゆる「被害者なき犯罪」であること等が理由であると考えられています。
では、今回のAさんは売春防止法のどの部分に違反する容疑をかけられているのでしょうか。
該当すると思われる部分の売春防止法の条文を確認してみましょう。
売春防止法6条1項
売春の周旋をした者は、2年以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する。
「周旋」とは、売買や交渉等の際に当事者の間に立って仲を取り持つことをいいます。
売春する者と買春する者の仲立ちをすることで、売春の周旋を行ったとして売春防止法違反となるのです。
Aさんの事例を考えてみると、AさんはBさんに対して、出会い系サイトを通じて男性Cさんを売春相手として紹介しています。
つまり、AさんはBさん・Cさんにその売春相手を紹介し、2人を売春の開いてとして引き合わせた形となりますから、売春の仲立ちをしていると言えるでしょう。
ですから、Aさんは売春の周旋をしているとして売春防止法違反となることが考えられるのです。
なお、実際に売春を周旋するまではいかなくとも、売春を周旋する目的で人を売春の相手方となるように勧誘したり、売春の相手方となるように勧誘するために道路等の公共の場所で人につきまとったり、広告等によって売春の相手方となるように誘引したりするだけでも売春防止法違反となり、2年以下の懲役又は5万円以下の罰金に処せられることにも注意が必要です(売春防止法6条2項)。
売春防止法違反は、いわゆる「被害者なき犯罪」であり、分かりやすく損害を受けた被害者の方が存在するわけではないため、多くの売春防止法違反事件では、示談交渉を経て示談を締結することによって有利な事情を得ることは難しいと考えられます。
ですから、贖罪寄付を行う、取調べ対応を綿密に行う、再犯防止策を具体的に構築する等、一般の方の思い浮かびにくい弁護活動がより必要となってくる場面も出てきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした示談交渉による解決の難しい刑事事件のご相談・ご依頼も承っております。
京都府・滋賀県の売春防止法違反事件にお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の刑事事件専門の弁護士までご相談ください。
(滋賀県大津北警察署までの初回接見費用:3万7,400円)
児童福祉法違反と売春防止法違反①
児童福祉法違反と売春防止法違反①
京都府在住のAさんは、滋賀県大津市において、女性Bさん(16歳)が18歳未満と知っていながら、出会い系サイトを通じて男性Cさんに紹介し、ホテルで売春させました。
ホテルでの性行為を終えたBさんとCさんが2人で歩いていたところに、巡回中の滋賀県大津北警察署の警察官がやってきて、職務質問を行いました。
そこからBさんCさんの売春行為が発覚し、Aさんが売春の仲介をしていたことも明らかとなりました。
その結果、Aさんは滋賀県大津北警察署に、児童福祉法違反と売春防止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(※平成31年4月3日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・児童福祉法違反
今回のAさんは、児童福祉法違反と売春防止法違反の容疑で逮捕されています。
まずはAさんの逮捕容疑の1つである児童福祉法違反について見てみましょう。
児童福祉法は、18歳未満の者を「児童」とし、児童の健全な育成や生活の保障等を達成するための手続きや規制を定めた法律です。
今回のAさんに該当するであろう児童福祉法の条文は以下のものです。
児童福祉法34条1項
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
6号 児童に淫行をさせる行為
児童福祉法60条1項
第34条第1項第6号の規定に違反した者は、10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
児童福祉法の「淫行」とは、「児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又はこれに準ずる性交類似行為」をいい、「児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような者を相手とする性交又はこれに準ずる性交類似行為」もこれに含まれるとされています(最決平28.6.21)。
「性交又はこれに準ずる性交類似行為」とされていることから、性交だけでなく、肛門性交や口腔性交等の性交類似行為も児童福祉法の「淫行」に該当します。
また、児童福祉法ではその「淫行」について性別の定めはないため、児童と同性の者が相手であったとしても「淫行」となります。
次に、児童福祉法の淫行を「させる行為」は、「直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為」(最決昭40.4.30)であるとされていますが、その「させる行為」に当たるかどうかの判断は、「行為者と児童の関係、助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯、児童の年齢、その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断する」ことが相当とされています(最決平28.6.21)。
つまり、児童福祉法の条文には「させる行為」とあるため、児童が嫌がっているところを無理矢理させる行為だけが対象になるのではないかと思われるかもしれませんが、そういうわけでもないのです。
今回のAさんのケースを考えてみると、AさんはBさんが18歳未満の者=児童であると知っているにも関わらず、売春の仲介をしてBさんとCさんを引き合わせてBさんに売春させています。
売春でBさんは性交をしていることから、児童福祉法の「淫行」であると言えます。
AさんがBさんの売春を仲介する行為は、「直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為」であると考えられますから、AさんとBさんの間の関係等の詳しい事情と照らして「させる行為」にあたるかどうかを判断されることになるでしょう。
児童福祉法違反は刑法上の犯罪と比べるとまだ一般に周知されていない犯罪でしょう。
ですから、たとえ自分や周りの方がが児童福祉法違反事件に細かな成立要件や見通しなどが分からないことも多いと思われます。
そうした時こそ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
在宅捜査の方にはご来所いただいての初回無料法律相談、逮捕・勾留されている方には初回接見サービスにて、弁護士がご相談に乗らせていただきます。
(お問い合わせ:0120-631-881)
痴漢事件で初犯と余罪を相談②
痴漢事件で初犯と余罪を相談②
~前回からの流れ~
Aさんは、ある日、京都市右京区内にある駅構内で利用客V1さんに対して痴漢行為を行いました。
V1さんが激しく抵抗しなかったことに味を占め、Aさんは数日後に、今度は別の利用客V2さんにも痴漢行為をしました。
するとV2さんがAさんの手をつかみ、「この人痴漢です」と声を上げ、Aさんのことを現行犯逮捕しました。
そしてAさんは、痴漢事件の被疑者として京都府右京警察署に引致され、取調べを受けました。
その後Aさんは家族を身元引受人として釈放されましたが、初めて被疑者として取り調べられるという状況になったAさんは、自身がどういった手続きで処分を決められるのだろうかと不安になり、インターネットで痴漢事件の手続きを調べてみました。
すると、「初犯であれば…」「余罪がある場合は…」という文章が並んでいたのですが、Aさんはどういった状態であれば「初犯」であるのか、「余罪」とは何なのかが分からず、それらの意味も含めて弁護士に相談してみようと、刑事事件に強い弁護士の初回無料法律相談を利用してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
前回の記事では「初犯」という言葉に触れました。
今回の記事では「余罪」という言葉に注目していきます。
・「余罪」
前回に引き続き、「余罪」について触れていきますが、まずは「余罪」とはどういう意味なのでしょうか。
「余罪」とは、本件以外にしてしまった犯罪のことを言います。
今回のAさんで考えてみると、現行犯逮捕され、現在まさに捜査されているのはV2さんに対する痴漢事件ですから、V2さんに対する痴漢事件が「本件」となり、それ以外にAさんが犯してしまっている罪が「余罪」となります。
つまり、V1さんに対する痴漢事件が「余罪」となるのです。
痴漢事件に限らず、刑事事件では本件以外の余罪についても捜査が及ぶことも多いです。
余罪が刑事事件として立件され、複数の刑事事件の被疑者となることもあります。
その場合、複数の犯罪をしているということですから、1つの刑事事件を起こしてしまった時よりもより重い処分が見込まれることとなります。
また、余罪が正式に立件されなかったとしても、「余罪がある」ということは分かっている状態であれば、悪質性が高いと判断され、余罪がない状態と比べて重く処分されることも考えられます。
ただし、先ほどの「初犯」の話と同様、余罪があるからといって必ずしも非常に厳しい判断がなされるか、というとそういうわけでもありません。
被害者への対応や今後の再犯防止への取り組みなど、他にも考慮されるべき事情は多くあります。
ですから、余罪があるのであれば、余罪を含めて見通しや活動の方針を判断できるよう、刑事事件の経験・知識の豊富な弁護士に相談することが望ましいでしょう。
もちろん、「初犯」の記事で触れたように、余罪がないからといって弁護士が不要、というわけでもありません。
余罪がないにも関わらず余罪を疑われるというケースもありますし、万が一ないはずの余罪で立件され有罪となれば冤罪をかぶってしまうことになります。
こうした事態を防ぐためにも、また、本件の刑事事件での結果をより有利なものにするためにも、弁護士のサポートは欠かせません。
前回の記事と今回の刑事で「初犯」と「余罪」という言葉に着目してきましたが、実はこの言葉は法律用語ではなく、どこかの法律に意味が定義されているわけではありません。
だからこそ、場面や状況によって微妙にニュアンスが異なってくることもあり、分かりづらいこともあるかもしれません。
しかし、そういった刑事事件や法律の「分かりづらいこと」を聞くために、専門家の弁護士がいます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う弁護士の事務所です。
初回無料法律相談も行っておりますので、「刑事事件について不安だ」「痴漢事件について分からないことがある」とお悩みの方にお気軽にご利用いただけます。
0120-631-881でいつでも相談予約を受け付けておりますので、まずは遠慮なくお電話ください。
(京都府右京警察署までの初回接見費用:3万6,300円)
痴漢事件で初犯と余罪を相談①
痴漢事件で初犯と余罪を相談①
Aさんは、ある日、京都市右京区内にある駅構内で利用客V1さんに対して痴漢行為を行いました。
V1さんが激しく抵抗しなかったことに味を占め、Aさんは数日後に、今度は別の利用客V2さんにも痴漢行為をしました。
するとV2さんがAさんの手をつかみ、「この人痴漢です」と声を上げ、Aさんのことを現行犯逮捕しました。
そしてAさんは、痴漢事件の被疑者として京都府右京警察署に引致され、取調べを受けました。
その後Aさんは家族を身元引受人として釈放されましたが、初めて被疑者として取り調べられるという状況になったAさんは、自身がどういった手続きで処分を決められるのだろうかと不安になり、インターネットで痴漢事件の手続きを調べてみました。
すると、「初犯であれば…」「余罪がある場合は…」という文章が並んでいたのですが、Aさんはどういった状態であれば「初犯」であるのか、「余罪」とは何なのかが分からず、それらの意味も含めて弁護士に相談してみようと、刑事事件に強い弁護士の初回無料法律相談を利用してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
痴漢事件に限らず、刑事事件の手続きや処分について調べている際に「初犯」や「余罪」といった言葉が出てきます。
実はこれらは刑事事件の処分が決められるうえで重要な事情の1つなのですが、なかなかはっきりとした意味が分からない、という方もいらっしゃると思います。
今回はこの「初犯」と「余罪」という言葉に着目していきます。
・「初犯」
まずは「初犯」という言葉について考えてみましょう。
文字通り受け取れば、「初犯」とは「初めて犯罪をした」ということであり、実際にそういった意味で使われることも多いでしょう。
Aさんの場合を考えてみると、Aさんは今回、V2さんへの痴漢行為をする数日前にV1さんへの痴漢行為もしています。
ですから、V1さんへの痴漢行為をした時が「初めて犯罪をした」時であり、V2さんへの痴漢行為をした時、厳密には「初めて犯罪をした」とは言えず、Aさんは「初犯」とは言えないのではないでしょうか。
しかし、刑事事件で「初犯」と使われる際には、「今までに前科・前歴がない」という意味で使われることが多いです。
Aさんの場合、確かにV2さんへ痴漢行為をした時には初めて違法行為をする、というわけではありませんでしたが、初めて被疑者として取調べを受けていることからも、今まで前科・前歴がなかったと考えられますから、Aさんは「初犯」であると考えられるのです。
また、前科・前歴があったとしても、犯罪の種類が違う場合には、その犯罪については「初犯」であると表現されることもあります。
例えば、Aさんが実は過去に窃盗罪で刑罰を受けたことがあったとしても、「痴漢事件については初犯」と言われることもあるということです。
初犯かどうか、という点は、刑事事件で処分が判断される際に考慮される点の1つです。
何度も同種類の犯罪を繰り返しているとなれば、当然悪質であると判断されやすくなってしまいますから、初犯でないことは不利に働く事情となりえます。
ですが、もちろん初犯がどうかだけで処分が決められるわけではありません。
例えば、同種類の犯罪の前科があった場合(こうした前科を「同種前科」と呼んだりもします。)には、また同じ犯罪を繰り返してしまった、ということになります。
そうなれば、「今回の後にもまた同じ犯罪をするのではないか」と考えられてしまう可能性が高いです。
ですから、そういったことがないと主張するためにも、初犯でない刑事事件の場合、特に再犯防止の取り組みを強化することが考えられます。
今回のAさんのような痴漢事件を繰り返してしまっている場合には、性依存症など心に問題を抱えていないかどうか、専門機関でカウンセリングを受けることも考えられます。
そうした対策を継続することで再犯のおそれがないことを証拠化できれば、寛大な処分を求める際の強い事情となります。
その他にも被害者への対応や取調べへの対応、逮捕等されている場合には釈放を目指した活動等、専門家のサポートが必要とされる場面は多くあります。
これはたとえ初犯の刑事事件であったとしても変わりません。
被害者対応や再犯防止の取り組み、取調べ対応を軽視すれば、態様や後程出てくる「余罪」等の事情にもよりますが、初犯であったとしても刑事罰を受けることに繋がります。
初犯である場合にも、まずは弁護士に相談・依頼するなどしてより有利な結果を導くにはどういった活動をすべきか詳しく聞いてみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初犯で刑事事件を起こしてしまった方もそうでない方も、お気軽にご相談いただけるよう、初回無料の法律相談を行っています。
「初犯でないから相談できない」「初犯だから時間をかけた弁護活動をしない」といったことはありません。
まずは遠慮なく、0120-631-881までお電話ください。
京都で高校生同士の児童ポルノ製造事件
京都で高校生同士の児童ポルノ製造事件
~事例~
京都府南丹市の高校に通っているA(17歳)は、SNSで知り合った京都市の別の高校に通っている女子生徒V(16歳)から、SNSで「最近彼氏が構ってくれなくて寂しい」と言われたので、下心から「じゃあ、寂しさを紛らわせるために、エッチな話をしようか」と持ち掛け、それにVも乗ってきたため、Aは「Vちゃんの裸の写真送って」とメッセージを送ったところ、Vから裸の写真が送られてきました。
その後、他愛のないことからVとケンカしたところ、Vから「以前裸の写真を送ったことを親に言ったら、親が京都府南丹警察署に行くと言っている」旨のメッセージが届きました。
不安になったAは、自分の親にこのことを相談し、Aの親は今後の見通しを聞くために、刑事事件・少年事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による無料法律相談を受けることにしました。
(フィクションです。)
~本件で当たり得る犯罪~
本事例でAが当たりえる犯罪としては、①児童ポルノ製造罪、②児童ポルノ単純所持罪、③強要罪が考えられます。
このうち①と②については、「児童売春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」に規定されており、本事例では、送ってもらった裸の写真は一枚なので、①が成立する場合には②は成立しないことになります。
当然、②よりも①の方が重く処罰されます。
そして、本事例の「裸の写真」は、18歳未満の卑わいな写真であるため、「児童ポルノ」に該当することは間違いありません。
そこで、①児童ポルノ製造罪が成立するかが問題となります。
本事例では、実際に裸の写真を撮影して送信しているのはVであり、Aはあくまでもその写真を受信したにすぎないため、Aには児童ポルノ製造罪ではなく、児童ポルノを保存していることによる児童ポルノ単純所持罪が成立するにとどまるように思えます。
しかし、現実の捜査や裁判例では、18歳未満の者に対して卑わいな写真を撮影して送るように仕向けたことが児童ポルノ製造罪にあたると解されています。
したがって、本事例のAも、「Vちゃんの裸の写真送って」とVに裸の写真を撮影して送るようにお願いしていることから、児童ポルノ製造罪が成立する可能性があります。
では、A自身も18歳未満であることは何か関係があるでしょうか。
答えはノーです。
被疑者がたとえ18歳未満であったとしても児童ポルノ製造罪が成立することに変わりはありません。
もっとも、単にお願いに留まるような場合には、児童ポルノ製造罪に当たらないとされた例もあり、どのような事情があれば児童ポルノ製造罪が成立し、逆に単純所持罪しか成立しないのかは、専門家に相談して判断してもらうしかありません。
軽い気持ちで卑わいな写真を送り合ってしまうことは、現在のインターネット社会ではよくあることです。
もし、そのような写真を送ってもらって不安な方は、児童ポルノに関する事件についての経験が豊富な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
~強要罪との関係~
強要罪とは、脅迫や暴行を用いて人に義務のないことを行わせたりした場合に成立する犯罪です(刑法223条参照)。
本事例のAは、「Vちゃんの裸の写真送って」とお願いしただけですので、その点を考慮すれば強要罪にあたる可能性は低いといえます。
しかし、仮に「前に送ってもらった裸の写真をばらまかれたくなかったら、また新しい裸の写真を送れ」と言って裸の写真をさらに送らせたとしたらどうでしょうか。
この場合は、裸の写真をばらまくことはVの名誉を害することになるので、脅迫して義務のない裸の写真を送るという行為をさせたことになり、Aには強要罪が成立することになります。
また、このように児童ポルノを送らせる行為に強要罪が成立する場合、さらに児童ポルノ製造罪も成立する可能性が非常に高くなります。
~少年事件手続~
本事例のAは未成年なので、仮に警察が捜査を始めたとしても、最終的な処分として刑事罰を受ける可能性はかなり低いでしょう。
しかし、強要罪や児童ポルノ製造罪が成立する場合には、逮捕されたり、少年鑑別所に収容されて調査を受けたり(観護措置と言います)する可能性が高くなります。
そこで、そのような身体拘束を避ける若しくは早期に身体拘束を解くために、早めに弁護士に相談して、今後の予想される手続きに向けたアドバイスを受けるべきです。
特に少年事件手続は通常の刑事事件手続に比べて特殊な部分が多くあるため、経験を積んでいる弁護士に相談すべきでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に精通した弁護士が、丁寧に少年事件手続について説明します。
ぜひ一度ご相談ください。
(京都府南丹警察署までの初回接見費用:4万1,100円)
合コンの後に強制性交等事件?②
合コンの後に強制性交等事件?②
~前回からの流れ~
京都市南区に住む大学生のAさん(21)は、合コンで意気投合した大学生Vさん(21)と、合コン後2人でカラオケに行くことになった。カラオケではお酒を注文し盛り上がっていたところ、お互い雰囲気がよくなってきたので、そのまま性交渉に至りました。
しかし、Aさんがその日以降、Vさんからの連絡を無視していたところ、突然ラインで「この前の性交渉のことを京都府南警察署に訴えます。あなたのことは許しません」との連絡が来た。
Aさんはてっきり合意の上での性行為だと思っていたのに警察に訴えると言われたので刑事事件に強い弁護士に相談することにした。
そこでAさんは、弁護士から、今回ケースの事情や証拠に照らせば犯罪が成立しない可能性もあるという話を聞いた。
(事案はフィクションです)
~本件で考えられる弁護活動~
前回の記事で述べたように、今回のようなケースでは、強制性交等罪や準強制性交等罪が成立する可能性があります。
そしてその成否を判断する際には、Vさんの同意があったかどうかや、性交渉の際にVさんが抵抗不能になっていたかどうか問題になる可能性が高そうです。
しかし、単にAさんが「同意があった」、「そんなに酔っていなかった」と主張するだけでは不十分で、2人の間のやり取り、その日注文したお酒の量、解散した後のやり取りなど早期に証拠を集めていく必要があります。
個々の事件で、犯罪が成立するか、どのような証拠を集めるべきかという判断は極めて専門的な判断なので、なかなか一般の方では適切に判断することが難しいと思われます。
ですので、今回のようなケースでお悩みの場合には、まずは刑事事件に強い弁護士に相談し、今回のケースで犯罪が成立する可能性が高いのか、どのような証拠を残しておくべきなのかを相談することをお勧めします。
~示談の意味~
相談でAさんは弁護士から、今回ケースの事情や証拠に照らせば、犯罪が成立しない可能性もあるという話を聞きました。
ではそのような場合でも示談をすることは意味があるのでしょうか。
示談では、当事者の合意があればある程度柔軟に約束事を入れることができます。
例えば今回のようなケースであれば、性行為をして不快な思いをさせたことに、慰謝料を払う代わりに、お互い警察に今回のことを言わずに穏便に解決するというような内容を盛り込んで示談することも可能になります。
仮に事件が警察に発覚すれば、被疑者としての取調べを受ける場合もありますし、最悪の場合上記のいずれかの罪で逮捕されるおそれもあります。
ですので警察に発覚する前に示談で穏便に済ます選択肢には、警察の介入なく事件を終わらせることができる可能性があるという大きなメリットがあります。
示談交渉について、当事者同士の交渉では、感情的になって話がまとまらなくなること、法外な要求に応じてしまうこと、法的に有効ではない示談書になってしまうことなどのトラブルが往々にして起こります。弁護士を入れることには、両者の間に立って冷静な判断ができる、法的に問題ない内容の示談を締結できる等のメリットが多くあります。
特に今回のように当事者間で言い分が異なる場合の示談については、後から自分に不利な証拠となる場合もあるので特に慎重な検討が必要になります。
ですので示談をお考えであれば、刑事事件の経験が豊富な弁護士に依頼することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、合コン後に強制性交等罪・準強制性交等罪を疑われて不安を感じられているという方のご相談もお受けしています。
弁護士が直接ご相談させていただく法律相談は、初回無料でご利用いただけますので、まずは0120-631-881までお問い合わせ下さい。
(京都府南警察署までの初回接見費用:35,300円)