サイバーパトロールでわいせつ電磁的記録媒体陳列罪発覚

2019-06-25

サイバーパトロールでわいせつ電磁的記録媒体陳列罪発覚

兵庫県に住んでいるAさんは、とある動画投稿サイトに、自身が全裸になった動画や性器を露出した動画を複数件投稿していました。
するとある日、京都府木津警察署の警察官がAさん宅にやってきて、Aさんはわいせつ電磁的記録媒体陳列罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、動画の件で兵庫県に住んでいる自分が京都府木津川市にある京都府木津警察署に逮捕されることは全く想定外のことであったため、非常に驚きました。
Aさんの家族は、全国展開している刑事事件に強い弁護士初回接見サービスを利用し、Aさんのもとへ弁護士を派遣しました。
弁護士がAさんの話を聞いた結果、Aさんは京都府木津警察署サイバーパトロールによって動画を発見され、検挙されたことがわかりました。
(※令和元年6月25日日テレNEWS24配信記事を基にしたフィクションです。)

・わいせつ電磁的記録媒体陳列罪

今回のAさんの逮捕容疑であるわいせつ電磁的記録媒体陳列罪は、刑法175条に規定されている犯罪です。

刑法175条(わいせつ物頒布等)
わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。
電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

この条文は、一般に「わいせつ物頒布等罪」と呼ばれており、内容としてはAさんの逮捕容疑であるわいせつ電磁的記録媒体陳列罪のほか、わいせつ物頒布罪等も含まれています。

わいせつ電磁的記録媒体陳列罪のいう「わいせつ物」とは、「徒に性欲を興奮又は刺激せしめ且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反する」ものを指すといわれています。
つまり、①徒に性欲を刺激又は興奮させるものであり、②一般人の正常な性的羞恥心を害するものであり、③善良な性的道義観念に反するものであるという、3つの要件を満たすものがわいせつ電磁的記録媒体陳列罪のいう「わいせつ物」となるのです。

わいせつ電磁的記録媒体陳列罪は、この「わいせつ物」である「電磁的記録媒体」=動画や写真などのデータを、不特定多数の人が認識できる状態に置く=「公然と陳列」した場合に成立する罪です。

さて、今回のAさんは、自身が全裸になった動画や性器を露出した動画を動画投稿サイトに投稿していたようです。
これらの動画の内容は先ほどの「わいせつ物」の3つの要件に当てはまるといえるでしょう。
動画投稿サイトに投稿された動画は、もちろん不特定多数の人が見る可能性のある状態にありますから、「公然と陳列」されているといえます。
これらのことから、今回のAさんの行為にはわいせつ電磁的記録媒体陳列罪が成立しうるということになるのです。

・弁護活動

わいせつ電磁的記録媒体陳列罪は、性秩序の維持等を保護するために規定されていると考えられています。
つまり、わいせつ電磁的記録媒体陳列罪は社会に対する犯罪であり、法律上具体的な被害者は存在しません。
そのため、具体的被害者の存在する刑事事件(例えば痴漢事件等)とは異なり、被害者への謝罪や弁償を行って示談を締結し、刑罰の軽減や釈放を目指すことができません。
だからこそ、そのほかしょく罪寄附や再犯防止策の構築などを専門的な知識・経験をもつ弁護士のサポートを受けながら行い、刑罰の軽減や釈放を目指していく必要があるのです。

わいせつ電磁的記録媒体陳列事件は、Aさんの事例のように、被疑者自身が住んでいる場所に近い警察署が検挙を行うとは限りません。
現在では、多くの警察署でサイバーパトロールが行われており、遠隔地の警察署がサイバーパトロールの結果わいせつ電磁的記録媒体陳列行為を発見するということも十分あり得るのです。
そうなった場合、ご家族もなかなか被疑者のもとへ行くことも難しく、事件の状況を把握するのにも一苦労です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、全国に13支部を展開する刑事事件専門の法律事務所です。
わいせつ電磁的記録媒体陳列事件に御困りの際は、弊所弁護士までご相談ください。