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室内熱中症事件で保護責任者遺棄致死罪②~逆送
室内熱中症事件で保護責任者遺棄致死罪②~逆送
~前回からの流れ~
京都市北区に住んでいる18歳のAさんは、1歳になる息子のVさんと2人で暮らしていました。
ある8月の日、Aさんは出かける用事があったのですが、Vさんは特に汗をかいているわけでもなく、よく寝ていました。
そこでAさんは、特に冷房を付けずにVさんを自宅に残し、出かけてしまいました。
Aさんは用事をすぐに済ませるつもりでしたが、「室内にいるのだから大丈夫だろう」と考え、それから4時間ほど家を空けていました。
するとVさんは室内熱中症になってしまい、帰宅したAさんが病院に連れて行きましたが、Vさんは死亡してしまいました。
その後、Aさんは京都府北警察署に保護責任者遺棄致死罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・少年事件でも刑事裁判に?
今回のAさんは保護責任者遺棄致死事件の被疑者となっていますが、Aさんの年齢は18歳です。
ご存知の方も多いように、20歳未満の者が事件を起こした際には、少年事件として扱われ、少年法に基づいた手続きによって事件が進んでいきます。
原則として少年事件では成人の刑事事件のように、起訴・不起訴という考え方はなく、公開の法廷に立ち裁判を受けたり、刑事罰を受けたりすることはありません。
代わりに家庭裁判所での審判(非公開)を受け、少年院送致や保護観察といった保護処分を受けることになるのが一般です。
しかし、今回のAさんの保護責任者遺棄致死罪のような特定の犯罪に限っては、この原則の流れではない手続きとなる可能性が出てきます。
・逆送
少年法では、いわゆる「逆送」という手続きが定められています。
少年法20条
1項 家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
2項 前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るものについては、同項の決定をしなければならない。
ただし、調査の結果、犯行の動機及び態様、犯行後の情況、少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。
警察の捜査から検挙された少年事件の場合、検察官に事件が送られた後、今度は検察官から家庭裁判所に事件が送致されます。
その家庭裁判所から検察官に事件が送られることで、たどってきたところを戻るような形になるため、「『逆』送致」略して「逆送」と呼ばれるのです。
そして、逆送された後の少年事件の手続きについては、少年法では以下のように定められています。
少年法45条5号
検察官は、家庭裁判所から送致を受けた事件について、公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思料するときは、公訴を提起しなければならない。
ただし、送致を受けた事件の一部について公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑がないか、又は犯罪の情状等に影響を及ぼすべき新たな事情を発見したため、訴追を相当でないと思料するときは、この限りでない。
送致後の情況により訴追を相当でないと思料するときも、同様である。
この条文の通り、逆送されて検察官のもとへいった少年事件については、基本的に起訴されることになります。
つまり、少年事件であっても、この逆送をされれば起訴され、刑事裁判となるのです。
刑事裁判で有罪となれば、刑務所(この場合は少年刑務所)に行くことになる可能性も出てくるのです。
では、逆送される条件とはどういったものかというと、先ほど挙げた少年法20条1項・2項に定められているものとなります。
今回のAさんが容疑をかけられている保護責任者遺棄致死罪について考えてみましょう。
保護責任者遺棄致死罪は、保護する責任のある者が相手を保護せずに死なせてしまったという犯罪です。
つまり、「(保護する責任のある者が)保護しないという故意」を持って行い、その結果相手を死なせてしまう犯罪ですから、少年法20条2項のいう「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」となります。
そのため、Aさんの事件は原則として逆送されることになると考えられます。
・逆送は避けられない?
少年法20条2項の規定に当てはまる事件は「原則逆送事件」とも呼ばれますが、条文の但し書きにあるように、当てはまったからといって絶対に逆送されるわけではなく、個別の事情によっては逆送を避けられる可能性もあります。
犯行動機や少年の周囲の環境等、様々な事情を考慮した結果、少年に保護する必要性(要保護性)があると判断されれば、逆送を回避できる可能性もあります。
逆送の結果起訴され、有罪となればもちろん前科はつきます。
さらに、少年の更生を主眼においた保護処分ではなく、罰として刑事罰を受けることになります。
こうしたことから、逆送を回避したいと考える方も多いですが、そのためには家庭裁判所に少年の要保護性を訴えていかなければなりません。
少年事件は手続きや考え方が難しく、まだ一般に浸透していない部分も多いですから、専門家の弁護士にまずは相談してみましょう。
弁護士のフルサポートを受けておくことで、もしも逆送されてしまった場合にも迅速に裁判に向けて活動を開始することもできます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件だけでなく少年事件も専門に取り扱っています。
逆送事件にお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
室内熱中症事件で保護責任者遺棄致死罪①
室内熱中症事件で保護責任者遺棄致死罪①
京都市北区に住んでいる18歳のAさんは、1歳になる息子のVさんと2人で暮らしていました。
ある8月の日、Aさんは出かける用事があったのですが、Vさんは特に汗をかいているわけでもなく、よく寝ていました。
そこでAさんは、特に冷房を付けずにVさんを自宅に残し、出かけてしまいました。
Aさんは用事をすぐに済ませるつもりでしたが、「室内にいるのだから大丈夫だろう」と考え、それから4時間ほど家を空けていました。
するとVさんは室内熱中症になってしまい、帰宅したAさんが病院に連れて行きましたが、Vさんは死亡してしまいました。
その後、Aさんは京都府北警察署に保護責任者遺棄致死罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・室内でも熱中症になる
熱中症というと、炎天下の中外にいるとなってしまうというイメージも強いですが、たとえ室内であっても熱中症にはかかってしまうことがあります。
毎年、車内にいた子どもが熱中症になるなどするケースが報道されていますが、車内だけではなく室内であっても、湿度が高かったり、風の通りが悪かったり、冷房を使用していなかったりすると熱中症になってしまうこともあります。
また、熱中症はその時暑かったという場合だけでなく、その人が疲れていたり睡眠不足であったり、暑さに慣れていなかったりしてもかかってしまいます。
人間は汗をかいていなかったとしても皮膚や呼気から水分を出しており、さらに寝ているときには汗等でコップ1杯の水を出していると言われています。
室内だからといって油断することなく、こまめな水分補給や温度・湿度の管理をするよう注意しましょう。
・保護責任者遺棄致死罪
今回のAさんは、保護責任者遺棄致死罪の容疑をかけられていますが、保護責任者遺棄致死罪とはどのような犯罪なのでしょうか。
刑法218条(保護責任者遺棄罪)
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処する。
刑法219条(保護責任者遺棄致死罪)
前2条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
つまり、刑法218条の保護責任者遺棄罪を犯してしまい、その結果人を死なせてしまった、というのが保護責任者遺棄致死罪となります。
今回のAさんについて考えてみましょう。
「保護責任者」とは、条文で言う「老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者」のことを言います。
「保護する責任」があるかどうかは、法律や契約によって保護する義務があったり、道理として保護しなければならないような立場にいたりするかどうかといった事情を考慮して判断されます。
Aさんの場合、被害者であるVさんは実の息子で同居しており、さらに1歳になる非常に幼い年齢です。
2人暮らしであることからも、Aさんには「幼年者」であるVさんを保護する責任があるといえるでしょう。
そして、Aさんは4時間程度、冷房を付けずにVさんを家に置いたまま家を離れています。
Vさんは1歳になる子供ですから、自分で水分補給をしたり冷房を付けたりといったことは難しいことが明白です。
加えて、8月であれば高温になることも予想はたやすいことから、Aさんの行為はVさんの「生存に必要な保護」をしなかったものと考えられます。
ですから、まずAさんには保護責任者遺棄罪が成立することが考えられます。
さらに、その結果、Vさんは熱中症となり死亡していますから、保護責任者遺棄致死罪が成立すると考えられるのです。
さて、この保護責任者遺棄致死罪は、条文にある通り、「傷害の罪」(ここでは被害者がなくなっているため、「傷害致死罪」)と比較して重い刑により処断されます。
傷害致死罪の法定刑は3年以上の有期懲役(刑法205条)となっていますから、保護責任者遺棄致死罪の法定刑は3年以上の有期懲役となります。
ここで問題となるのは、Aさんの年齢が18歳であることです。
20歳未満の者が起こした事件は少年事件として扱われるため、こうした法定刑や刑事罰とはまた異なる処分や期間が定められています。
しかし、実はAさんの事件の場合、刑事裁判が全く無関係になるかというと、そうではないことに注意が必要です。
こちらについては次回詳しく取り上げます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、熱中症に関連した保護責任者遺棄致死事件のご相談も受け付けております。
まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。
下着泥棒で示談②
下着泥棒で示談②
~前回からの流れ~
Aさんは、京都府京丹後市の会社に勤務していますが、ある日、帰路にあるとあるマンションの1階のベランダに女性の下着が干してあるのが目に入りました。
Aさんは、それを見て、「どんな女性が住んでいるのだろう」と思い、帰り道にその部屋の様子を気にするようになり、Vさんという女性が住んでいることを知りました。
そしてついに、AさんはVさんの部屋のベランダ内に侵入し、干してあったVさんの下着を盗み出しました。
下着がなくなったことに気づいたVさんは、京都府京丹後警察署に下着泥棒の被害に遭ったと相談しました。
京都府京丹後警察署が捜査をした結果、防犯カメラの映像などからAさんの犯行が発覚し、Aさんは下着泥棒をした住居侵入罪・窃盗罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、Vさんに謝罪し示談したいと考えており、Aさんの家族もそれに賛成していますが、どのようにしたらよいのかわからずに困っています。
(※この事例はフィクションです。)
・示談したい…どうすれば?
下着泥棒事件では、今回の事例のVさんのように被害者が存在します。
被害者が存在するため、当然被害者の方へ謝罪したい・被害弁償をしたい・示談をしたいと考える方も多くいらっしゃいます。
しかし、下着泥棒事件は窃盗事件(場合によってはAさんのように住居侵入事件も)とはいえ盗まれたものは下着ですから、被害者にとっては性犯罪的な側面もあります。
そうしたことから、加害者のことを怖いと思う被害者の方や、処罰感情の強い被害者の方も多くいらっしゃいます。
そうすると、なかなか当事者同士で話し合うことは難しく、そもそも捜査機関に被害者の方に謝罪や弁償をしたいので連絡を取りたいといっても取り次いでもらえなかったり断られたりすることも珍しくありません。
そこで、弁護士に相談することが重要となってきます。
弁護士が示談交渉をする際は、捜査機関を通じて被害者の方に連絡を取ってもらうことが多いです。
そこで被害者の方に了承を得られれば、弁護士が被害者の方とお話をして、謝罪や弁償をさせていただきたいと交渉していくことになります。
その示談交渉の際には、被害者の方の個人情報を弁護士限りでとどめておくことができます。
つまり、被害者の方の情報を加害者側が知るというリスクをなくすことができるため、被害者の方も安心して示談交渉に臨むことができるのです。
また、弁護士は刑事事件・法律のプロです。
被害者側の要望も加害者側の要望も適切な折り合いをつけられるよう、法律的な観点からの提案も期待できます。
・示談の内容は?
そもそも示談とは、お互いの間で争いごとを解決することを指します。
先ほど触れたように、被害者の存在する刑事事件では、示談締結を目指した活動を行うことも多いです。
それは、示談締結により、被害弁償ができていることや、加害者側の反省の気持ち、被害者の処罰感情のおさまりなどを表すことができ、それによって処分に影響を及ぼすことが多いこともあるためです。
よく「示談」という言葉でイメージされるのは、示談の際に被害弁償金や慰謝料等が含まれる示談金を被害者の方へお支払いするというものですが、示談は単に示談金の支払いだけを意味するものではなく、事件によってさまざまな内容が見られます。
例えば、よく見られるのは、お互い今後は接触をしないといういわゆる接触禁止という内容を盛り込むことです。
痴漢や盗撮といった性犯罪事件では、被害者の方が万が一にも加害者に会いたくないという要望を持たれている場合には、事件現場付近に近づかないようにすることや、事件の起こった電車の路線を使用しないようにすること、といった具体的な条件を示談の内容に入れることもあります。
他にも、二度と再犯をしないという約束を入れることや、盗撮などのデータがあればそれを抹消することといった条件を加えることもありますし、被害者の方から「今回の示談で加害者を許します」という具体的なお許しの言葉をいただくこともあります。
また、刑事だけでなく、民事上の争いもその示談によって解決するという文言を盛り込み、今後お互いに蒸し返しによってトラブルが起きないようにすることも多く見られます。
このように、示談といっても金銭の支払いだけでなく、色々な内容を盛り込むことができます。
もちろん、示談金についても、被害弁償金のみで示談締結をする場合もありますし、例えば今回の下着泥棒事件で、Aさんに家を知られて怖いと思ったVさんが引っ越しをしていた場合などは、そうした費用も含めて示談金を支払うことも考えられます。
示談と一口に言っても、色々な面で柔軟な対応が求められるのです。
ただし、被害者側にも加害者側にもできないことは存在しますから、お互いの言ったことを全て了承していくといったことはできないこともあります。
そうした時こそ、弁護士がお互いの要望を聞き、お互いの納得できる着地点を目指して提案をしていくことになります。
弁護士に相談することで、そういったメリットも期待できるのです。
それは示談交渉を数多くこなしてきた専門家だからこそ可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、さまざまな刑事事件の示談交渉についてご依頼をいただいています。
刑事事件の示談交渉にお困りの際は、まずはお気軽に弊所弁護士までご相談ください。
所得隠しの脱税で所得税法違反
所得隠しの脱税で所得税法違反
Aさんは、京都市西京区で会社を経営しています。
Aさんは、所得税として多額のお金を引かれることに納得がいかず、自分の所得を実際よりも少なく申告していました。
しかし、それを怪しんだ右京税務署が調査を行い、Aさんの脱税行為が発覚しました。
右京税務署が京都地方検察庁に告発したことから、Aさんは所得税法違反の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)
・脱税
脱税とは、本来払うべき税金を払うことを不当に免れることやその行為を指します。
この「脱税」は犯罪となるため、刑事事件となり「脱税事件」として報道されているところを目にしたことのある方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、脱税罪という犯罪が刑法に規定されているわけではありません。
脱税をするとどういった犯罪になるのでしょうか。
今回のAさんのように、いわゆる「所得隠し」を行って所得税の支払いを免れた場合には、所得税法違反という犯罪が成立します。
そもそも所得税とは、所得税法で支払うことが義務付けられている税金であり、個人の所得に対して課される税です。
累進課税制度が適用されているため、たくさん所得のある人はそれだけ多くの税金を引かれることになります。
ですから、「所得隠し」をして実際よりも少ない所得を申告してしまえば、払うべきとされる税金が少なくなるということなのです。
しかし、所得隠しをして脱税をすれば、以下の所得税法の規定に該当する所得税法違反となります。
所得税法238条1項
偽りその他不正の行為により、第120条第1項第3号(確定所得申告)(第166条(申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。)に規定する所得税の額(第95条(外国税額控除)又は第165条の6(非居住者に係る外国税額の控除)の規定により控除をされるべき金額がある場合には、同号の規定による計算をこれらの規定を適用しないでした所得税の額)若しくは第172条第1項第1号若しくは第2項第1号(給与等につき源泉徴収を受けない場合の申告)に規定する所得税の額につき所得税を免れ、又は第142条第2項(純損失の繰戻しによる還付)(第166条において準用する場合を含む。)の規定による所得税の還付を受けた者は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
この規定は、簡単に言えば「偽る等の不正行為により払うべき所得税の支払いを免れたり、所得税の還付を受けた者は10年以下の懲役若しくは1000万円罰金、又はこれの併科とする」ということです。
いわゆる「所得隠し」では、実際よりも少ない所得を申告する手口が用いられますから、「偽」って所得税の支払いを免れているといえるでしょう。
ですから、「所得隠し」による脱税は所得税法違反となるということになるのです。
・「所得隠し」と「申告漏れ」
今回のAさんは意図的に所得隠しを行っており、京都検察庁に告発されていることから脱税事件として刑事事件化していますが、意図せず所得を少なく申告してしまった、いわゆる「申告漏れ」の状態であった場合でも犯罪として罰せられてしまうのでしょうか。
犯罪の成立には、原則として「故意」という、犯罪をしているという認識や意思が必要です。
故意が欠けている場合、つまりわざとではない場合については、犯罪は基本的には成立しません。
故意がなくても例外的に犯罪が成立するのは、「過失犯」=不注意によって罪を犯してしまった場合についても処罰する規定があるものに限られます。
所得税法には、先ほどの所得隠しについての規定について過失犯の規定はありません。
ですから、うっかり申告するのを忘れてしまったり、計算ミスで少なく申告してしまったりといった申告漏れについては、脱税として犯罪となることはないといえます(ただし、支払い額等の面でペナルティーが科せられる可能性は考えられます。)。
万が一、所得隠しをしたつもりはないのに脱税を疑われてしまった場合には、冤罪ということになりますから、早急に弁護士に相談してみることがおすすめされます。
脱税事件の場合、逮捕・勾留といった身体拘束をされず、在宅での捜査によって手続きを進められるものも多いです。
しかし、逮捕や勾留をされていないからといって軽い処分で済むというわけではありません。
先ほど示したように、所得隠しによる脱税は「10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金」、「又はこれを併科」という重い刑罰が設定されていますから、在宅で手続きが進んでいたのに裁判の結果刑務所へ行くことになった、となってもおかしくはありません。
所得隠しをするつもりのなかった申告漏れの分まで脱税と疑われて不要に重い刑罰を下されてしまう可能性もあります。
脱税事件は事情が複雑であることも多いため、まずは刑事事件の専門家である弁護士までご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所はフリーダイヤル0120-631-881でいつでもお問い合わせを受け付けております。
危険運転致死事件の公判弁護活動
危険運転致死事件の公判弁護活動
Aさんは、深夜、京都府向日市の交差点で法定速度を大幅に超えるスピードで走行したうえ、赤信号をあえて無視していた結果、歩行者Vさんをはねて死亡させてしまいました。
事故を目撃した人が通報したことで、Aさんは京都府向日町警察署の警察官に危険運転致死罪の容疑で逮捕され、その後勾留されました。
Aさんの家族は、弁護士にAさんの接見に行ってもらい、その後の見通しを聞いたのですが、弁護士からは、公判請求されて刑事裁判になるだろうということを伝えられました。
(※この事例はフィクションです。)
・危険運転致死傷罪と公判請求
危険運転致死罪とは、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」、いわゆる「自動車運転処罰法」に定められている犯罪です。
最近では自動車の暴走やあおり運転での人身事故事件で報道番組や新聞、ネット記事といった皆さんが目にする場所にもこの危険運転致死罪という犯罪名があることも多いため、知っている方も多いかもしれません。
自動車運転処罰法の中では、赤信号を殊更無視したり、アルコールや薬物の影響で正常な運転が困難であるにもかかわらず運転したり等することを危険運転行為であるとしています。
その危険運転行為を行い、よって人を死亡させた場合、危険運転致死罪となり、1年以上の有期懲役に処せられるのです(人を負傷させた場合は、危険運転致傷罪となり、15年以下の懲役となります。)。
この危険運転致死傷罪については、少し古いデータではありますが、平成28年の犯罪白書の統計によると、平成27年に検察庁へ送致された危険運転致死傷事件のうち76.6%が起訴され(公判請求され)て=刑事裁判とされていることが分かります。
上記の法定刑からも分かっていただけるように、危険運転致死傷罪には罰金刑の規定がありませんから、起訴される=刑事裁判になるということになるのです。
同じ統計で過失運転致死傷罪についてみてみると、こちらは起訴され公判請求されたものが1.1%で、不起訴が86.6%となっていますから、危険運転致死傷罪がどれほど重大な犯罪なのかお分かりいただけると思います。
公判請求され、刑事裁判となれば、公開の法廷に立たなければなりません。
さらに、危険運転致死事件の場合、故意の行為=危険運転行為によって人を死亡させている事件であるため、裁判員裁判の対象事件でもあります。
そして、危険運転致死罪の法定刑には罰金刑の規定がありませんから、執行猶予がつかない有罪判決=すぐに刑務所に行かなければならないということになります。
こうしたことから、危険運転致死事件では、慎重な公判弁護活動が求められます。
ですが、起訴されてから弁護士に相談しても、裁判が間近に迫っていては十分な準備ができないおそれもあります。
先ほど触れたように、危険運転致死事件では高確率で起訴されている現状がありますから、危険運転致死罪の容疑で逮捕されてしまった、取り調べを受けている、という早い段階から弁護士に相談し、見通しとともにこれからとれる弁護活動を詳しく聞いてみることが望ましいでしょう。
そして早い段階から刑事裁判での公判弁護活動を見据えた準備に、弁護士と一緒に取り組んでいくことがおすすめです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、危険運転致死事件などの交通事故事件の公判弁護活動にも取り組んでいます。
まずは0120-631-881からお問い合わせください。
少年の建造物損壊事件で釈放を目指す②
少年の建造物損壊事件で釈放を目指す②
~前回からの流れ~
高校1年生のAさんは、友人のBさんと一緒に帰宅中、いつも利用している京都府宇治市内の駅にいました。
すると、駅構内にある階段の壁が古くなり、塗装がはがれかけているのが目に入りました。
Aさんは、「こんな壁だったらすぐ壊れるんじゃないか。試しに蹴ってみよう」と言って、Bさんと一緒に面白半分で壁を蹴りつけました。
すると、2人が蹴りつけた部分は崩れ、壁に穴が開きました。
Aさんらは面白がって、その後も壁を蹴りつけ、複数個所に穴を開けました。
その後、Aさんらは到着した電車に乗って帰宅したのですが、巡回にきた駅員が壁に穴が複数開いていることに気づき、防犯カメラ等を確認したところ、Aさんらが壁を蹴りつけて穴を開けているところが映っていました。
駅員は京都府宇治警察署に通報し、捜査の結果、Aさんらは建造物損壊罪の容疑で逮捕されることになりました。
Aさんの両親は、Aさんがもうすぐ期末テストを控えていることから、なんとか釈放を目指すことはできないかと、京都の少年事件を取り扱う弁護士に相談しました。
(※令和元年6月20日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・少年事件で釈放を目指す
今回の事例のAさんは、建造物損壊罪の容疑で逮捕されてしまっています。
何度か取り上げてきているように、少年事件であったとしても、相当な嫌疑がかけられており、必要性が認められていれば、逮捕され勾留されることも十分考えられます。
逮捕されてその後引き続き勾留されたとすると、逮捕・勾留合わせて最大で23日間は身体拘束されるという計算になります。
しかし、Aさんのように高校などの学校に通っている場合、23日間も欠席するということになれば、出席が足りなくなってしまったり、試験を受けられずに単位を取れなくなってしまったりして、留年してしまうおそれが出てきます。
さらに、それだけ長期間の欠席をするとなると、学校に理由を言わなければならなくなり、おのずと事件について知られてしまうことになる可能性が高くなってしまいます(警察等捜査機関が学校へ連絡する協定が結ばれていることもあり、そうした場合には少年事件が起こった際、原則として警察から学校へ連絡する、という措置が取られることもあります。)。
そうなれば、停学や退学といった厳しい処分が下される可能性もありますし、そういった処分がなかったとしても、長期の欠席により学校内外に事件が知られ、少年が学校に戻った際に事件のことが知られていることによって、学校生活が送りにくくなるということも考えられます。
こうした不利益を回避するために、少年事件で逮捕・勾留が行われた際に釈放を目指してほしい、という少年本人や親御さんからの相談も、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には多く寄せられています。
では、具体的に、弁護士は釈放を目指してどういった活動をすることができるのでしょうか。
まずは、検察官への働きかけが考えられます。
逮捕に引き続く身体拘束である勾留は、まずは検察官が必要かどうか判断し、請求を行います。
そもそもこの勾留の請求をしないように、検察官に釈放を求めて交渉するのです。
しかし、この交渉を行うには、逮捕後すぐに弁護士に相談し、活動を開始してもらう必要があります。
なぜなら、逮捕が行われた事件が検察官の元へいく(送検される)のは、逮捕から48時間以内であり、さらに検察官が勾留請求をするのかどうか決めるのは、送られてきた事件を受け取ってから24時間以内と決まっているからです。
そして、勾留請求がなされた場合、次に交渉するのは裁判官です。
検察官の行った勾留請求を認めずに、被疑者である少年を釈放してほしいと交渉することになりますが、こちらも先ほど同様、限られた時間の中で行われる必要があります。
つまり、ここまでの2つの活動、すなわち、検察官へ勾留請求をせずに釈放してほしいと交渉する活動と、裁判官に勾留請求を認めずに釈放してほしいと交渉する活動は、逮捕から最大72時間以内に行われる活動となるため、釈放を目指したい、少しでも釈放のチャンスを増やしたいということであれば、逮捕後なるべく早く弁護士に活動を依頼することが望ましいといえるのです。
では、勾留が決定されてしまったら釈放を目指すことはできないのかというと、そうではありません。
勾留決定後は、勾留決定に対する不服申し立てを行うことができます。
さらに、被害者と示談が締結できるなど、何か事情が変われば、勾留を取り消す申し立てをすることもできます。
少年事件で釈放を求める際には、どのタイミングで活動を開始するにしても、ご依頼者様の協力も必要不可欠です。
少年事件の場合、自立していない少年が被疑者であることが多いです。
そうした場合には、ご家族等が監督者となり、釈放しても問題がないということをPRしていくことが考えられます。
どういった監督が必要とされるのか、どういったことなら無理なく実現できるか、といったことを、弁護士とご依頼者様とで突き合わせ、協力することによって、より具体的に釈放を求める活動を行うことができます。
不安なこと、気になることは包み隠さず弁護士に相談し、一緒に釈放を目指していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件の身柄解放活動も多数ご依頼いただいています。
突然の逮捕にお困りの方、子供の逮捕にお悩みの方は、まずは0120-631-881までお電話ください。
少年の建造物損壊事件で釈放を目指す①
少年の建造物損壊事件で釈放を目指す①
高校1年生のAさんは、友人のBさんと一緒に帰宅中、いつも利用している京都府宇治市内の駅にいました。
すると、駅構内にある階段の壁が古くなり、塗装がはがれかけているのが目に入りました。
Aさんは、「こんな壁だったらすぐ壊れるんじゃないか。試しに蹴ってみよう」と言って、Bさんと一緒に面白半分で壁を蹴りつけました。
すると、2人が蹴りつけた部分は崩れ、壁に穴が開きました。
Aさんらは面白がって、その後も壁を蹴りつけ、複数個所に穴を開けました。
その後、Aさんらは到着した電車に乗って帰宅したのですが、巡回にきた駅員が壁に穴が複数開いていることに気づき、防犯カメラ等を確認したところ、Aさんらが壁を蹴りつけて穴を開けているところが映っていました。
駅員は京都府宇治警察署に通報し、捜査の結果、Aさんらは建造物損壊罪の容疑で逮捕されることになりました。
Aさんの両親は、Aさんがもうすぐ期末テストを控えていることから、なんとか釈放を目指すことはできないかと、京都の少年事件を取り扱う弁護士に相談しました。
(※令和元年6月20日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・建造物損壊罪
建造物損壊罪は、その名前の通り、建造物を損壊した際に成立する犯罪です。
刑法260条(建造物等損壊及び同致死傷)
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。
よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
この刑法260条の前段の「他人の建造物」を「損壊した」という部分に該当した場合、建造物損壊罪が成立することになります。
今回のAさんの建造物損壊事件は、Aさんが高校1年生であることから少年事件として処理されるため、原則としてAさんは刑事罰を受けないことになりますが、もしも成人の刑事事件であった場合、「5年以下の懲役」という法定刑から、起訴されれば必ず刑事裁判を受けることになる上、有罪となって執行猶予がつかなければ刑務所に入ることになるという非常に重い犯罪であることがお分かりいただけると思います。
なお、刑法260条後段には、建造物損壊罪を犯した際にそれによって人を死傷させた場合に成立する、建造物損壊致死傷罪が規定されています。
こちらについては、「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」とあります。
傷害罪の法定刑が「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」(刑法204条)、傷害致死罪の法定刑が「3年以上の有期懲役」(刑法205条)となっていますから、建造物損壊致傷罪の場合は「15年以下の懲役」、建造物損壊致死罪の場合は「3年以上の有期懲役」となるでしょう。
さて、この建造物損壊罪が成立するには、先ほど述べたように、「他人の建造物」を「損壊」したと認められる必要があります。
過去の判例では、「建造物」について、「家屋その他これに類似する建築物を指称し、屋外を有し障壁または柱材をもって支持されて土地に定着し、少なくともその内部に人が出入りすることのできるものであることを必要とする」(大判大正3.6.20)、「器物が建造物の一部を構成しているといえるためには、毀損しなければ取外しができない状態にあることを要する」(大判明治43.12.16)とされています。
そして、「損壊」については、「物理的に毀損し、またはそのほかの方法により効用を滅却・減損させることをいう」(大判昭和5.11.27)とされています。
今回のAさんらの事例で考えてみると、駅構内にある階段の壁は駅舎の壁でしょうから、「家屋その他これに類似する建築物」で「屋外を有し障壁または柱材をもって支持されて土地に定着」している「その内部に人が出入りすることのできるもの」であると考えられるでしょう。
さらに、そうした壁を容易に取り外せるとは考えにくいですから、「毀損しなければ取外しができない状態にある」ものでしょう。
Aさんらはそうした駅の壁を蹴りつけて穴をあけていますから、「物理的に毀損」しています。
壁に穴が開けば、壁の効用(例えば駅構内と外界との遮断)は滅却・減損されているといえるでしょう。
こうしたことから、Aさんらが行った行為は建造物損壊罪にあたる行為であると考えられるのです。
少年事件の場合、最終的な処分が考えられるうえで重視されるのは、少年事件を起こしてしまった少年の更生です。
そのため、たとえ成人の刑事事件では不起訴処分で終わるような態様の事件であったとしても、少年事件では長期間の調査が行われたり、少年院送致といった処分がくだされたりということが考えられます。
一方、もちろん態様等詳細な事情にはよるものの、建造物損壊罪のような重い犯罪であったとしても、対応をきちんと行って社会内での更生が可能であるということが認められれば、保護観察処分や不処分の獲得につながる可能性もあります。
だからこそ、少年による建造物損壊事件にお悩みの際は、お早めに少年事件に強い弁護士にご相談ください。
0120-631-881では、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の専門スタッフが、いつでも弊所弁護士によるサービスをご案内しています。
遠慮なくお電話ください。
京都の盗撮事件で逮捕②
京都の盗撮事件で逮捕②
~前回の流れ~
Aさんは、京都市上京区にある駅構内で、
①女性客Vさんのスカートの中を、スマートフォンを差し入れることで盗撮しました。
②駅にある女性用トイレに入り、個室内に盗撮用カメラを仕掛け、女性客がトイレを利用する様子を盗撮しました。
Aさんは他の利用客から京都府上京警察署に通報され、盗撮事件の被疑者として逮捕されることになりました。
Aさんの家族は、接見を依頼した弁護士から盗撮事件の詳細を聞くと同時に、どういった部分がどの犯罪にあたるのか説明を受けました。
(※この事例はフィクションです。)
前回の記事では、駅でスマートフォンを利用した①の盗撮の手口がどういった法律・条例のどの部分に違反することになり得るのかを詳しく見ていきました。
今回の記事では、②のような、トイレ等にカメラを設置して盗撮する手口の盗撮事件についてみていきます。
・②の盗撮の手口
トイレなどに盗撮用のカメラを仕掛けて盗撮する手口の盗撮事件も、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる盗撮事件のご相談によくみられるケースです。
こうした盗撮事件の場合にも、まず考えられるのは各都道府県の迷惑防止条例違反の成立です。
京都府の場合、前回の記事で挙げた迷惑防止条例3条の中に、こういった盗撮の手口に対応した規定があります。
京都府迷惑行為防止条例3条3項
何人も、みだりに、公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所における当該状態にある他人の姿態を撮影してはならない。
駅のトイレは、利用する人を特定せずみんなに開放されているものですから、「公衆便所」といえるでしょう。
そこでトイレを利用する様を盗撮しているのですから、「公衆が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所における当該状態にある他人の姿態」を撮影しているといえます。
こうしたことから、Aさんの②の盗撮行為には京都府迷惑行為防止条例3条3項違反が成立すると考えられます。
この条文の刑罰は、先ほど紹介した①の迷惑防止条例違反と同様に、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となっています(京都府迷惑行為防止条例10条2項)。
そして、こちらも同様に、常習的にこうした盗撮行為をしていた場合にはさらに重い刑罰が下されることになっています(京都府迷惑行為防止条例10条4項)
なお、こうした盗撮カメラをトイレ等に設置する態様の盗撮事件では、状況によっては迷惑行為防止条例違反ではなく、刑法の建造物侵入罪が成立することもあります。
刑法130条(建造物侵入罪)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
建造物侵入罪では、その建造物の管理者の意思に反して建造物に入ることで「侵入」したと考えられます。
例えば、トイレに入る際、盗撮目的であれば、管理者としてはトイレに入ることを許可することはしないでしょう。
さらに、盗撮目的でトイレに入るのであれば、「正当な理由」とも言えません。
こうしたことから、カメラを設置する態様での盗撮事件では、管理者の意思に反してトイレに侵入したとして、建造物侵入罪が適用されることもあるのです。
前回から見てきたように、名称としては同じ「盗撮事件」であったとしても、その手口によって該当する法律・条例の部分が異なったり、成立する犯罪が異なったりします。
容疑を否認している場合はもちろん、盗撮を認めている場合であっても、自分にどういった法律・条令のどの部分に違反した容疑なのか把握しておくことは、冤罪や不当に重い処罰を避けるためにも非常に重要です。
京都府の盗撮事件にお困りの際は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
京都の盗撮事件で逮捕①
京都の盗撮事件で逮捕①
Aさんは、京都市上京区にある駅構内で、
①女性客Vさんのスカートの中を、スマートフォンを差し入れることで盗撮しました。
②駅にある女性用トイレに入り、個室内に盗撮用カメラを仕掛け、女性客がトイレを利用する様子を盗撮しました。
Aさんは他の利用客から京都府上京警察署に通報され、盗撮事件の被疑者として逮捕されることになりました。
Aさんの家族は、接見を依頼した弁護士から盗撮事件の詳細を聞くと同時に、どういった部分がどの犯罪にあたるのか説明を受けました。
(※この事例はフィクションです。)
・盗撮事件の手口と該当する犯罪
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、性犯罪事件のご相談も多く寄せられますが、その中でも比較的多くみられる事件の1つが盗撮事件です。
カメラ付きスマートフォンの普及や、カメラの小型化等もあり、盗撮をしようと思えばできてしまう環境であるのかもしれません。
しかし、「盗撮罪」という分かりやすい名前で犯罪が規定されているわけではありませんが、当然ながら盗撮は立派な犯罪です。
今回は、上記事例のAさんの①②の盗撮の手口を見ながら、具体的にどういった盗撮がどういった規定に反することになるのか検討していきます。
・①の盗撮の手口
①では、Aさんはスマートフォンを利用してVさんのスカートの中を盗撮しています。
こうしたスマートフォンを利用した盗撮は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる盗撮事件のご相談にも多く見られます。
さて、こうして行われた盗撮の場合、まず該当する可能性のある犯罪として挙げられるのは、各都道府県で定められている、いわゆる迷惑防止条例違反でしょう。
京都府の場合、「京都府迷惑行為防止条例」という迷惑防止条例が定められています。
この中では、「公共の場所」と「公共の乗物」、さらに「その他公衆の目に触れるような場所」での盗撮行為が禁止されています。
京都府迷惑行為防止条例3条
1項 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
2項 何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、前項に規定する方法で、次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
1号 みだりに、着衣で覆われている他人の下着等を撮影すること。
2号 みだりに、前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣の中をのぞき込み、又は着衣の中が見える位置に写真機その他の撮影する機能を有する機器を差し出し、置く等をすること。
Aさんが盗撮を行った場所は駅ですから、「公共の場所」での盗撮行為といえるでしょう。
スカートの中にスマートフォンを差し入れる行為は、当然「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」であると考えられます。
こうした方法によってスカートの中=「着衣で覆われている他人の下着等」を撮影したのですから、Aさんの①の盗撮行為は、京都府迷惑行為防止条例3条2項1号に違反する行為であると考えられるのです。
この違反については、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」という刑罰が科せられます(京都府迷惑行為防止条例10条2項)。
そして、常習的にこうした盗撮行為をしていた場合には、さらに重い刑罰が下されることになっています(京都府迷惑行為防止条例10条4項)。
なお、2号の方の規定では、盗撮目的で撮影機器を差し出したり設置したりすることも禁止されていますから、たとえAさんの①の行為でVさんのスカートの中が撮影できていなかったとしても、2号の規定に反することになります。
さらに、こうした撮影機器を差し出す場合の他にも、駅の階段に盗撮目的でカメラを設置したような場合も、2号の規定に違反することになります。
この迷惑防止条例は都道府県ごとに細かい部分や法定刑が異なるため、盗撮事件がどの都道府県のどういった場所で起こったものなのか把握することも非常に大切です。
都道府県によっては、「公共の場所」等以外の場所についても迷惑防止条例で盗撮行為を禁止している場合があることにも注意が必要です。
なお、迷惑防止条例で禁止している場所に当たらない場所での盗撮は、軽犯罪法で規定されている「窃視の罪」とされることもあります。
軽犯罪法1条
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
23号 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
スマートフォン等の撮影機器をを差し出すタイプの盗撮事件だけでも、これだけ該当しうる犯罪があり、それぞれ基になる法律・条令の条文が異なることがお分かりいただけたと思います。
自分に、家族にどういった容疑がかかっているのかよく分からない、という場合こそ、詳しい知識と経験を持つ弁護士に相談することがおすすめです。
0120-631-881では、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士による各サービスをご案内しています。
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司法試験予備試験受験生アルバイト採用求人募集
司法試験予備試験受験生アルバイト採用求人募集
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、司法試験予備試験を受験された方を対象に、札幌・仙台・さいたま・千葉・東京(新宿・八王子)・横浜・名古屋・京都・大阪・堺・神戸・福岡の各支部事務所にて、事務アルバイトの採用求人募集を行っています。
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