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【解決事例】官製談合防止法違反、加重収賄罪で執行猶予
事件
Aさんは公務員であり、公共工事の入札に携わる仕事をしていました。
Aさんが勤務する京都府綾部市では、公共工事を担当する事業所を入札形式で決定していました。
入札を行うに際には予定価格と最低制限価格を決める必要があり、Aさんは最低制限価格を決める職員のうちの1人でした。
予定価格は入札に参加する事業所に公表されますが、最低制限価格は非公表であり、入札を公正に保つため入札に参加する事業所には絶対に教えてはならない情報でした。
しかし、Aさんは入札に参加しているC事業所の経営者に最低限価格を教え、その経営者からお金をもらっていました。
Aさんの行為が京都府綾部警察署に発覚し、Aさんは、官製談合防止法違反で逮捕され、その後、収賄罪、加重収賄罪の容疑でも捜査されることになりました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
事件解決のながれ
Aさんには勾留決定時に接見禁止処分がついており、Aさんの家族がAさんと面会することができない状況でした。
そこで弁護士は、Aさんが家族と面会できるように、裁判所に対して接見禁止一部解除の申し立てを行いました。
弁護士による申し立てが認められ、Aさんは家族と面会ができるようになりました。
接見禁止一部解除後も、弁護士はAさんに何度も接見を行い、取調べ対応などのアドバイスを行いました。
弁護士によるアドバイスが功を奏し、Aさんは収賄罪については不起訴処分になりました。
収賄罪で不起訴になったAさんは、官製談合防止法違反、加重収賄罪の容疑で裁判にかけられることになりました。
裁判の準備と並行して、弁護士はAさんの保釈を裁判所に請求しました。
保釈請求の結果、Aさんの保釈が認められ、Aさんは万全な状態で裁判に臨むことができました。
裁判では、弁護士が裁判官に対して執行猶予が望ましいと訴え、Aさんは執行猶予を得ることができました。
加重収賄罪で有罪になった場合は1年以上の有期懲役(刑法第197条の3第2項)、職員が入札に関して事業者と談合を行い官製談合防止法違反で有罪になった場合は5年以下の懲役または250万円以下の罰金(官製談合防止法第8条)が科されることになります。
官製談合防止法第8条については罰金刑の定めがありますが、加重収賄罪には罰金刑の規定がありません。
そのため、有罪になった場合には執行猶予を得ない限り懲役刑が下されることになります。
執行猶予を得ることは簡単なことではなく、入念な準備が必要になってきます。
また、保釈や接見禁止一部解除についても同様であり、保釈が認められない場合や事件とは無関係の家族であっても接見禁止が解除されない場合があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件を中心に扱う法律事務所です。
刑事事件に強い弁護士に相談することにより、今回の事例のように保釈や接見禁止の一部解除、不起訴処分、執行猶予の獲得など、あなたやあなたのご家族にとってより良い結果を得られるかもしれません。
官製談合防止法違反、収賄罪、加重収賄罪で逮捕、捜査されている方は、ぜひ一度弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】舞鶴市のマンションへの放火未遂事件で逮捕
京都府舞鶴市で起きたマンションへの放火未遂事件を基に、現住建造物等放火未遂罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警舞鶴署は17日、現住建造物等放火未遂の疑いで、京都府舞鶴市の職業不詳の男(43)を逮捕した。
(11月17日 京都新聞 「段ボールに火を付けマンション放火未遂の疑い、43歳の男逮捕 周辺で同様の不審火発生」より引用)
逮捕容疑は1(中略)マンション1階の駐車場で段ボールに火を付け、建物を燃やそうとした疑い。出火に気付いた通行人が消火し、未遂に終わったという。
(中略)同様の不審火が他に計4件発生しており、舞鶴署が関連を調べている。
現住建造物等放火罪
刑法第108条
放火して、現に人が住居に使用しまたは現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船または鉱坑を焼損した者は、死刑または無期もしくは5年以上の懲役に処する。
現住建造物とは、現在人が生活するのに使っている建物などのことをいいます。
例えば、人が現在住んでいるマンション(現住建造物)に放火すると、現住建造物等放火罪に問われることになります。
現住建造物等放火未遂罪
今回取り上げた事例で、容疑者は現住建造物等放火未遂罪の容疑で逮捕されています。
報道によれば、容疑者はマンション1階の駐車場で段ボールに火をつけたとされています。
ここで、すでに段ボールに火をつけているのであれば、「放火」したことになり、「未遂」ではないのではないかと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
すでに段ボールに火をつけていても「未遂」の扱いになるのでしょうか。
現住建造物等放火罪では、現住建造物等が焼損した場合に既遂として扱われます。
ですので、現住建造物等が焼損していない場合には、「火をつけた」という行為があったとしても「未遂」になります。
では、どのような状態が焼損にあたるのでしょうか。
大正7年3月15日にあった大審院の裁判では、焼損について「焼燬(焼損)とは犯人に依って点せられたる火が媒介物を離れ燃焼の目的たる建造物その他同条列記の物に移り独立してその燃焼を継続する事実を指称する」と判断しています。
ですので、放火犯が放った火が媒介としているもの(今回の事例では段ボール)から離れて、放火したい建物(今回の事例ではマンション)に燃え移り、建物自体が燃焼している場合に、既遂になります。
報道だけではマンションの被害の程度はわかりませんが、逮捕容疑が現住建造物等放火未遂罪であることから、おそらく段ボールに点いた火がマンションには燃え移らなかったか、燃え移ったとしてもマンション自体が独立して燃焼するには至らなかったのでしょう。
現住建造物等放火罪で有罪になった場合には、死刑または5年以上の無期懲役が科されます。
報道だけでは認否がわかりませんが、報道が事実であり、容疑者が現住建造物等放火未遂罪で有罪になった場合にも同様の刑罰が科されるか、未遂による刑罰の減軽が考慮され、それよりも少し軽い刑罰が科されることになるでしょう。
過去には、高知地検中村支部のトイレに火を付け、現住建造物等放火未遂罪に問われた裁判では、被告人に懲役5年の判決が下されています。(2021年6月29日 産経新聞 「放火未遂97歳に懲役5年 裁判員裁判で最高齢被告か」より)
高知県の事例と今回の京都府舞鶴市の事例では、事件内容や被害の程度などが異なりますが、既遂ではなく現住建造物等放火未遂罪であっても懲役5年という実刑判決が下されていることから、大変重い犯罪であるということがお分かりいただけるでしょう。
また、今回の事例では、報道されているマンションでの放火以外にも4件の不審火が発生していると報道されています。
その全てで容疑者が関与しており、立件された場合には、余罪の分重い刑罰が科されるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に強い弁護士事務所です。
今回の事例のように、逮捕されている事件の場合は、早期に弁護活動を行うことが重要になります。
逮捕後すぐに弁護活動を開始できた場合には、検察官が勾留の判断を行う前に、弁護士が検察官に対して働きかけを行うことができます。
そういった検察官への働きかけや、その後の裁判所への働きかけを行うには入念な準備が必要です。
そのためにも、逮捕された場合にはなるべく早く、釈放に向けた弁護活動を行うことが望ましいといえます。
弊所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っております。
現住建造物等放火罪、現住建造物等放火未遂罪でお困りの方は、刑事事件に強い、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】チケットの転売で書類送検 入場券不正転売禁止法違反
チケット転売で書類送検された事件を基に、入場券不正転売禁止法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が簡単に解説します。
事例
京都府警北署は15日、入場券不正転売禁止法違反の疑いで(中略)書類送検した。
(11月15日 京都支部 「プロ野球チケットを不正転売疑い、44歳女性を書類送検 京都府警が初摘発」より引用)
書類送検容疑は、3月22日~5月28日ごろ、計約3万9千円で購入したプロ野球公式戦の入場券計6枚を、興行主の同意なしにオークションサイトに出品し、大津市の男性(49)ら3人に計11万1千円で販売した疑い。
(後略)
入場券不正転売禁止法
入場券不正転売禁止法第3条
何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならない。
入場券不正転売禁止法では、スポーツ観戦の入場券や演劇の観劇チケットなどを不正に転売することを禁止しています。
しかしこれには例外があり、主催者側が有償譲渡(転売)に同意している場合や有償譲渡(転売)を禁止していない場合、入場できる日時や座席などが指定されていない場合などを除きます。
入場券不正転売禁止法に違反して不正な転売を行い有罪になった場合には、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金またはその両方が科されます。(入場券不正転売禁止法第9条1項)
また、不正転売を目的としてチケットなどを譲りうけた場合も同様になります。
報道内容が事実であった場合、容疑者はプロ野球公式戦の入場券を販売価格よりも高い金額で転売しています。
有償譲渡(転売)が禁止されているチケットを主催者の同意なしにチケットの有償譲渡(転売)を行った場合は不正転売にあたるので、容疑者が主催者の同意なく転売禁止のプロ野球の入場券を転売していた場合には入場券不正転売禁止法違反になります。
今回の事例では容疑者が書類送検されていますが、広島県ではスポーツ観戦チケット3枚を不正に転売したとして入場券不正転売禁止法違反の容疑で男性が逮捕されています。(2022年10月4日 中国新聞 「チケットの不正転売疑いで男を逮捕 広島県内で初摘発」より)
入場券不正転売禁止法は2018年に制定された比較的新しい法律であるため、全国的にみても摘発件数は多くはありません。
ですが、ご紹介した広島県の事例のようにチケットの不正転売で逮捕される事例もあります。
これから不正転売について取り締まりが強化されていくでしょうから、今警察に発覚しておらず事件化していない方も注意が必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、初回無料の法律相談を行っています。
弊所の無料法律相談では、これから捜査を受ける予定であるという刑事事件についてもご相談いただけます。
入場券不正転売禁止法違反に限らず、刑事事件でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
0120―631―881で24時間、無料法律相談のご予約を受け付けております。
【解決事例】業務上横領罪で事件化阻止 弁護士による示談交渉
事件
Aさんは、京都市南区にあるV社でアルバイトをしていました。
AさんはV社のお金の管理も行っており、V社のお金を少しずつ抜き取ることで数十万円を自分のものにしていました。
ある日、V社からAさんの下に横領していたのではないかと連絡があり、Aさんが少しずつ現金を取っていたことがバレてしまいました。
AさんはV社から示談の条件を出されましたが、V社から連日にわたって連絡が繰り返されたり、要求が過大になっていったりと、Aさんやそのご家族だけでは対応が難しい状態にありました。
Aさんとそのご家族は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士に相談し、示談交渉を行い、最終的に刑事事件化を防ぎたいと考え、弁護士に依頼することに決めました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
事件解決のながれ
Aさんのご家族は、示談交渉を行い、最終的に刑事事件化させないことを希望されていました。
依頼を受けた弁護士は、Aさんらの意向に沿い、V社とAさんの間に入って示談交渉を行いました。
弁護士はV社と話し合い、AさんとV社それぞれの希望に沿った形で無事示談を締結することができました。
また、示談書の中でV社から警察署への被害申告を行わないことを約束してもらったため、今後Aさんは本件の業務上横領事件について刑事責任を問われる危険性がなくなりました。
示談を締結したことにより、Aさんらの希望通り刑事事件化せずに終了させることができました。
今回の事例では、V社が警察署に被害届を提出する前に示談を締結することができたため、刑事事件化することなく終了しました。
もしも、示談交渉が上手くいかずに被害届が出されていた場合には、警察官に捜査されることになりますので、何度も取調べが行われたり、場合によっては逮捕されてしまうというリスクもありました。
しかし、そもそも刑事事件化させないことにより、Aさんやそのご家族が刑事手続に対応する必要もなくなったことで、時間的にも身体的・精神的にも負担を軽減することができました。
また、Aさんの行為は業務上横領罪にあたる可能性がありました。
もしも業務上横領事件として刑事事件化してしまえば、業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役(刑法第253条)ですので、有罪となった場合には、執行猶予付きの判決を得ない限り懲役刑が科されてしまいます。
刑事事件化を防ぐことで、そもそもこういった刑罰を受けることを回避することもできました。
加えて、示談を締結すれば必ず不起訴処分を獲得できるわけではありませんので、警察署に被害届が出された後(刑事事件化した後)に示談を締結できたとしても起訴されてしまう可能性はあります。
そうなれば、示談ができたとしても有罪判決を受け刑罰を受けることも予想されます。
ですので、前科を避けるという点では、今回の事例のように早期に示談交渉を行うことが重要になります。
また、当事者間で直接行う示談交渉では、無茶な提案をされることや思わぬトラブルを招いてしまう危険性もあります。
そういった事態を避けるためにも、専門家である弁護士を介して示談交渉を行うことが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回無料法律相談を行っております。
刑事事件の示談交渉でご不安な方、業務上横領罪でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回無料法律相談のご予約は0120―631―881で承っております。
【事例紹介】労災隠しで書類送検 京都府京田辺市
京都府京田辺市で起きた労災隠し事件を基に、労災隠しと労働安全衛生法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都南労働基準監督署は11日、労働安全衛生法違反(労災隠し)の疑いで、京都府京田辺市の建設会社と同社の男性社長(55)を書類送検した。
(11月11日 京都新聞 「金銭渡し、報告せず 労災隠しの疑いで建設会社と社長を書類送検 京都南労基署」より引用)
(中略)
同労基署によると、同社の40代男性が部材の受け渡し作業中に足場から誤って河床に転落し、左手首を骨折して4日以上休業した。同社は、休業中の給与を肩代わりする名目で男性に金銭を渡し、労基署に報告していなかった。(後略)
労災隠し
労災隠しとは、その名のとおり、労働災害が発生しているにもかかわらず労働基準監督署に知らせずに隠していることをいいます。
労災隠しはなぜ犯罪になるのでしょうか。
今回のコラムでは、労災隠しについて簡単に解説していきます。
労働安全衛生法
労災隠しを行った場合、労働安全衛生法違反に該当します。
労働安全衛生法とは、労働災害(いわゆる労災)の防止など労働者の安全と健康の確保を目的として作られた法律です。
厚生労働省が定める労働安全衛生規則では、労働者が労災により4日以上の休業を要するけがを負った場合や死亡した場合には、遅滞なく労働基準監督署に労災を報告しなければならないと定めています。(労働安全衛生規則第97条)
また、休業日数が4日に満たない場合でも、定められた期間内に労災を報告しなければなりません。
労働安全衛生法第100条では、労働安全衛生法を施行するために必要がある場合は厚生労働省令で定めるところにより、事業者に必要事項を報告させることができると規定しています。
労働安全衛生法では労災の防止などについて規定していますので、労災の報告は、労働安全衛生法を施行する(今後同種事案での労災の発生を防止する)ために必要であるといえます。
また、労働安全衛生規則は厚生労働省令ですので、労災が発生した場合には、定められている通り遅滞なく、もしくは定められた期間内に労働基準監督署に報告しなければなりません。
ですので、労災隠しをした(労災を報告しなかった)場合は、労働安全衛生法に違反したことになります。
報道によると、京都府京田辺市の建設会社は、男性が足場から転落し4日以上の休業を要するけがを負っているにも関わらず、労働基準監督署に報告をしていません。
ですので、報道が事実であった場合は労災隠しになり、労働安全衛生法に違反していることになります。
また、労災隠しで有罪になった場合は50万円以下の罰金が科されることになります。(労働安全衛生法第120条第5号)
罰金刑となった場合、懲役刑や禁錮刑とは違い刑務所に収容されることはありません。
しかし、罰金刑も刑罰の1種ですので、懲役刑や禁錮刑と同様に前科として扱われます。
前科がついた場合、国家資格のはく奪など何かしらの不利益を被る可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件を多数取り扱う弁護士が初回無料法律相談を行っております。
弁護士による捜査機関への働きかけや的確なアドバイスで刑罰の減軽や不起訴処分の獲得を目指せるかもしれません。
労働安全衛生法違反など刑事事件でお困りの方は、ぜひ一度弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】暴力行為等処罰法違反事件と脅迫罪 現行犯逮捕された事例
暴力行為等処罰法違反事件で現行犯逮捕された事例を基に、暴力行為等処罰法違反と脅迫罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合京都支部が解説します。
事例
京都府警宇治署は2日、暴力行為等処罰法違反の疑いで、(中略)現行犯逮捕した。
(11月2日 京都新聞 「「あんたら痛み知らんやろ」ナイフ置き市職員脅す 容疑で79歳女を逮捕」より引用)
逮捕容疑は(中略)宇治市役所内の相談室で、小型ナイフを机の上に置き、「刺したら痛いんやで。あんたら痛みを知らんやろ」などと(中略)脅した疑い。
「刺すとは言っていない」と容疑を否認しているという。
脅迫罪
簡単に説明すると、生命や身体に対して害を与えると伝えて、人を脅した(脅迫した)場合に脅迫罪が成立します。
今回の事例では、容疑者が被害者を脅した疑いで逮捕されていますが、容疑者は「刺すとは言っていない」と容疑を否認しているようです。
今回の事例のように、「刺す」と被害者に直接言ったわけではない場合にも、脅迫罪は成立するのでしょうか。
今回の報道が事実であった場合を仮定して、容疑者の行為で脅迫罪が成立するのかについて説明していきます。
一般の人が恐怖を感じるような内容を相手に伝えることを脅迫といいます。
しかし、恐怖を感じるような内容であれば何でもいいというわけではなく、伝えた人が実際に実行できるような内容でなくてはなりません。
今回の事例では、容疑者が小型ナイフを机に置き、「刺したら痛いんやで。あんたら痛みを知らんやろ」と被害者に言ったとされています。
この言葉の中身を見ると、直接的に「刺す」とは言っていないものの、小型ナイフを机に置かれて、「刺したら痛い」と伝えられれば、一般の人は机に置かれた小型ナイフで刺されるのかもしれないと恐怖を感じるでしょう。
今回の事例でも「小型ナイフで刺されるのかもしれない」といった、一般の人が恐怖を感じるような内容が被害者に伝わっていると考えられるため、容疑者は被害者に対して脅迫したと疑われているのだと考えられます。
小型ナイフで刺された場合は当然生命や身体が害されるでしょうから、今回の事例では、被害者は生命や身体に害を与えると容疑者に脅迫されたとされ、容疑者の行為は脅迫罪と疑われる行為であると考えられます。
暴力行為等処罰法と脅迫罪
しかし、報道によると、容疑者は暴力行為等処罰法違反の容疑で逮捕されています。
なぜ脅迫罪ではなく、暴力行為等処罰法違反での逮捕なのでしょうか。
暴力行為等処罰法について簡単に説明していきます。
暴力行為等処罰法第1条では、多人数や凶器を用いて暴行罪、脅迫罪、器物損壊罪の罪を犯した場合についての処罰を定めています。
小型ナイフは凶器にあたりますので、今回の事例のように小型ナイフを用いて脅迫罪に当たる行為を行った場合は、暴力行為等処罰法違反にあたります。
ですので、今回の報道が事実であった場合には、容疑者は脅迫罪ではなく暴力行為等処罰法違反の罪に問われることになります。
また、暴力行為等処罰法第1条に違反した場合の法定刑は3年以下の懲役または30万円以下の罰金、脅迫罪の法定刑は2年以下の懲役または30万円以下の罰金(刑法第222条1項)になっており、暴力行為等処罰法第1条と脅迫罪では法定刑が少し異なっています。
これは、暴力行為等処罰法が、凶器を用いるなどして脅迫罪などを犯した場合を、刑法で定めるよりもより重く処罰するために定められているものであるためです。
脅迫罪などの犯罪を一定の条件・態様で行うと、暴力行為等処罰法によってより厳しく処罰されるというイメージとなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っております。
ご相談等のご予約・お問い合わせは、0120ー631ー881でいつでも承っておりますので、脅迫罪、暴力行為等処罰法違反などの刑事事件でご不安な方は、ぜひ一度弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】うそをついて誘拐・監禁し、強制性交等罪で逮捕された事例
京都市東山区・伏見区で起きた強制性交等事件を基に、わいせつ目的誘拐罪、監禁罪、強制性交等罪について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
女子大学生を車で誘拐してマンションで監禁し、性的暴行を加えたとして、京都府警東山署は1日までに、わいせつ目的誘拐と監禁、強制性交の疑いで、(中略)逮捕した。
(11月1日 京都新聞 「「落とし物」とウソ、女子大生を誘拐・監禁し性的暴行容疑 20歳の男3人逮捕」より引用)
逮捕容疑は、(中略)京都市東山区の路上で女(中略)うそをついて乗用車に乗せ、伏見区のマンションに連れ込んで性的暴行し、同日午前4時ごろまで監禁した疑い。
府警は3人の認否を明らかにしていない。
わいせつ目的誘拐罪
誘拐について簡単に説明すると、人をだましたり誘惑して連れ去る行為のことをいいます。
今回の事例に関連するわいせつ目的誘拐罪という犯罪で有罪になった場合は、1年以上10年以下の懲役が科されます。(刑法第225条)
報道によると、容疑者らはうそをついて被害者を乗用車に乗せたとされています。
これが事実であれば、おそらく被害者は容疑者のうそを信じて乗車したのでしょうから、容疑者は被害者をだましたことになるでしょう。
報道によれば、容疑者らが被害者をだまし、京都市東山区の路上から被害者を連れ去っていると考えられているようですから、ここから容疑者らが誘拐行為をしたと疑われているのでしょう。
誘拐の目的がわいせつ行為をするためだった場合は、わいせつ目的誘拐罪にあたります。
今回の事例の場合、報道によると、容疑者らは被害者の誘拐後にわいせつ行為をしたとされていますから、そもそも誘拐行為がわいせつ行為を目的として行われたのではないかと疑われ、わいせつ目的誘拐罪の容疑がかけられているものと考えられます。
監禁罪
簡単に説明すると、他人を脱出することが難しいような場所に連れ込んだり、閉じ込めた場合に、監禁罪が成立します。
監禁罪で有罪になった場合には、3月以上7年以下の懲役が科されます。(刑法第220条)
今回取り上げた事例で、報道では、容疑者らは京都市東山区の路上で被害者を車に乗せ、京都市伏見区のマンションに連れ込んだとされています。
走行中の車内から脱出することは難しいでしょうから、容疑者らが京都市東山区の路上からマンションまで被害者を車に同乗させた(脱出が困難な場所に連れ込んだ)行為が事実であれば、その行為は監禁罪にあたると考えられます。
また、報道では被害者をマンションに4時ごろまで監禁したと記載されていますが、被害者が連れ込まれたマンションでも、車内と同様に脱出することが困難な状況であったことがうかがわれますから、こうした部分でも監禁罪の容疑をかけられている可能性があります。
強制性交等罪
強制性交等罪は、大まかに説明すると、暴行や脅迫を加え、相手が抵抗できない状態で性交等を行うと成立します。
強制性交等罪が成立し、有罪になった場合には、容疑者らは5年以上の有期懲役が科されることになります。(刑法第177条)
今回の事例においては、報道の内容では暴行や脅迫の有無は分かりませんが、容疑者らが被害者に抵抗できないほどの暴行や脅迫を行い、性交等をしたのであれば、強制性交等罪が成立することになります。
なお、今回の事例では、容疑者らには強制性交等罪以外にも、先ほど触れたわいせつ目的誘拐罪、監禁罪の容疑がかけられています。
仮にその全てで有罪になった場合には、複数人での犯行である点も加味されるでしょうから、悪質性が高いと判断され、かなり重い刑罰を科される可能性もあるかもしれません。
わいせつ目的誘拐罪、監禁罪、強制性交等罪はどれも罰金刑の規定がなく、有罪になってしまうと懲役刑が科される可能性があります。
また、強制性交等罪の法定刑は5年以上の有期懲役となっており、3年以下の懲役刑が言い渡されることが条件となっている執行猶予判決を得ることは困難といえます。
しかし、被害者との示談締結などにより、刑罰の減軽が望める可能性はあります。
ただし、当事者間での示談交渉はトラブルが生じる可能性がありますし、被害者側にとっても加害者に個人情報を教えなければならない点でハードルが高いため、当事者だけでの示談交渉はあまりおすすめできません。
そういった事情から、示談交渉をする際には弁護士を代理人としてつけることが望ましいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は刑事事件に強い法律事務所です。
示談の交渉でお困りの方、わいせつ目的誘拐罪、監禁罪、強制性交等罪で逮捕・捜査された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【解決事例】偽装結婚の幇助で逮捕 不起訴処分を獲得した事例
事件
京都市伏見区に住むAさんは友人のCさんから外国籍の女性と結婚することを聞かされ、婚姻届の証人欄に署名してほしいと頼まれました。
Aさんが婚姻届の証人欄に署名してから数か月後、Cさんの結婚が偽装結婚であったことが判明し、Aさんの自宅に京都府伏見警察署の警察官が訪れました。
そして、Aさんは入国管理法違反の疑いで京都府伏見警察署の警察官に家宅捜査されました。
今後の対応を不安に思ったAさんは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の無料法律相談を利用し、弁護活動を依頼することに決めました。
その後、Aさんは電磁的公正証書原本不実記録・同供用幇助罪の容疑で、京都府伏見警察署の警察官に逮捕されることになりました。
(※守秘義務の関係で一部事実と異なる表記をしています。)
偽造結婚と電磁的公正証書原本不実記録・同供用幇助罪
聞きなじみのない罪名だと思いますので、電磁的公正証書原本不実記録罪・同供用幇助罪について簡単に説明していきます。
電磁的公正証書原本不実記録・同供用罪は、公務員に、公正証書の原本として用いられる電磁的記録に事実とは異なる記録をさせ、その記録を閲覧できる状態にした場合に成立します。
次に偽造結婚をした場合になぜ、電磁的公正証書原本不実記録・同供用罪が適用されるのかについて説明していきます。
民法第742条では、当事者間に婚姻する意思がない場合は婚姻を無効とすると規定しています。
ですので、偽装結婚のように当事者間に婚姻する意思がない場合は、婚姻をすることができません。
通常、婚姻届を提出した場合、受理した職員が戸籍簿などの原本として用いられる電磁的記録に婚姻関係等の記録を行うことになります。
しかし、この婚姻が偽装であった(偽装結婚)場合、当事者間に婚姻の意思はないわけですから、この婚姻は無効になってしまいます。
婚姻が無効の状態で婚姻届を提出した場合は、実際には婚姻の事実がないにも関わらず、戸籍簿などの原本となる電磁的記録に婚姻関係である記録(事実とは異なる記録)がなされ、かつこの電磁的記録が閲覧できる状態になります。
ですので、偽装結婚は電磁的公正証書原本不実記録・同供用罪に問われることになります。
また、幇助とは犯罪行為を手伝うことを言います。
今回の事例では、友人であるCさんが偽装結婚をする際に、婚姻届の証人欄に署名することで偽装結婚の手伝いをしていますので、Aさんは電磁的公正証書原本不実記録・同供用幇助罪の容疑にかけられています。
事件解決のながれ
Aさんは逮捕後に接見禁止処分となり、家族と会うことができなくなってしまいました。
弁護士はAさんの家族から伝言を預かり、Aさんに伝えることで、Aさんとその家族の架け橋になりました。
Aさんは家族からの伝言に元気づけられ、家族と会えない不安な中での勾留生活を乗り切ることができました。
また、Aさんは連日にわたって警察官から取調べを受けていました。
Aさんの下に弁護士は何度も足を運び、Aさんに取調べのアドバイスなどを行いました。
この他にも、弁護士は検察官への処分交渉などの弁護活動を行い、最終的に、Aさんは不起訴処分を獲得することができました。
接見を禁止された際には、家族であっても接見することができなくなります。
また、手紙のやり取りなども禁止されますので、接見禁止中は家族と一切連絡を取れなくなってしまいます。
しかし、接見が禁止されていても弁護士は接見をすることができますので、弁護士を介して連絡を取り合うことは可能です。
逮捕されてしまい、家族とも連絡を取れない中、唯一接見をできる弁護士の存在は、あなたやあなたの家族にとって励みになるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
逮捕された方は初回接見サービスを、電磁的公正証書原本不実記録・同供用幇助罪、その他の刑事事件でお困りの方は無料法律相談をご利用ください。
【事例紹介】急性ストレス障害を患わせて強制わいせつ致傷罪で逮捕
京都市中京区で起きた強制わいせつ致傷事件を基に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が強制わいせつ罪、強制わいせつ致傷罪について説明します。
事例
京都府警中京署は26日、強制わいせつ致傷の疑いで、京都市伏見区、会社員の男(37)を逮捕した。
(10月26日 京都新聞 「カラオケ店で女性に抱きつき、胸触った疑い 強制わいせつ致傷容疑で37歳男を逮捕」より引用)
逮捕容疑は、(中略)抱きついたり胸を触ったりするなどのわいせつな行為をし、在宅療養1カ月の急性ストレス障害を負わせた疑い。
容疑者は「何も言いたくありません」と話しているという。
(後略)
強制わいせつ罪
刑法第176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪は、暴行や脅迫により抵抗することを困難にさせた状態でわいせつ行為を行った際に適用されます。
今回の報道からは、容疑者が暴行や脅迫を行っていたかどうかを判断することができませんが、容疑者が被害者に暴行や脅迫を行い、被害者が抵抗できない状態でわいせつ行為を行っていたのであれば、強制わいせつ罪が適用されることになります。
強制わいせつ致傷罪
強制わいせつ致傷罪を大まかに説明すると、強制わいせつ罪を犯した際に、人に傷害を与えた場合に成立する犯罪が強制わいせつ致傷罪です。
今回の報道によると、容疑者は強制わいせつ致傷罪の容疑で逮捕されていますが、逮捕容疑が強制わいせつ罪ではなく強制わいせつ致傷罪であることに疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか。
傷害といえば、身体にけがを負った場合を思い浮かべると思います。
しかし、実際は「傷害」とはけがを負った場合だけでなく、精神を傷つけられ精神病などを患った場合も「傷害」にあたります。
ですので、急性ストレス障害を負わせた場合も「傷害」にあたることになります。
報道内容によると、容疑者は被害者にわいせつ行為を行い、そのわいせつ行為によって被害者の精神を傷つけ急性ストレス障害を負わせたということを疑われているようです。
容疑者が強制わいせつ罪に当たる行為をしており、それによって被害者が急性ストレス障害を患ったのであれば、強制わいせつ致傷罪が成立すると考えられるため、こうした容疑をかけられているのでしょう。
ただし、そもそも容疑者が強制わいせつ罪に当たる行為をしていないといった場合や、強制わいせつ罪に当たると考えられる行為と被害者の急性ストレス障害の間に因果関係が認められないといった場合には、強制わいせつ致傷罪は成立しないということになると考えられます。
強制わいせつ致傷罪は強制わいせつ罪よりも法定刑が重く、有罪になれば、無期または3年以上の懲役が科されることになります。(刑法第181条1項)
強制わいせつ罪、強制わいせつ致傷罪はどちらも罰金刑の定めがなく、有罪になってしまえば執行猶予付き判決を獲得しない限り懲役刑が科されることになります。
ですが、示談の締結などにより、不起訴処分や執行猶予の獲得を望める場合があります。
示談交渉を行う際には、トラブルなどを回避するためにも、弁護士を付けることが望ましいでしょう。
示談交渉でお困りの方や強制わいせつ罪、強制わいせつ致傷罪で逮捕、捜査されている方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】特殊詐欺事件の受け子 詐欺罪ではなく窃盗罪で逮捕?
事例
京都府警八幡署は21日、窃盗の疑いで、(中略)逮捕した。
(10月22日 京都新聞 「「銀行協会職員」名乗り、カードすり替え盗む 容疑の「受け子」逮捕 京都・八幡」より引用)
逮捕容疑は、9月27日に共謀の仲間が商業施設の従業員を名乗って八幡市の女性(86)宅に「クレジットカードが不正利用されている」と電話した後、容疑者が銀行協会職員を名乗って女性宅を訪れ、キャッシュカードとクレジットカード各1枚を別のカードとすり替えて盗んだ疑い。
(中略)容疑を認めているという。
特殊詐欺事件
今回の事例のように、銀行員や警察官などに成りすまし、クレジットカードなどが不正利用されているとうそをついて、クレジットカードを入手し現金を引き出すような事件は、特殊詐欺事件と呼ばれることが多いです。
今回取り上げた事例では、特殊詐欺事件の受け子が窃盗罪の容疑で逮捕されています。
なぜ、詐欺罪ではなく窃盗罪なのでしょうか。
今回のコラムでは、詐欺罪と窃盗罪について簡単に説明していきます。
詐欺罪
相手が判断をするうえで重要な事項についてうそをつき、そのうそを信じた相手からお金などを受け取った(交付された)場合に詐欺罪は成立します。
例えば、Aさんが警察官になりすまし、Bさんが所有している1万円札は偽札であるから回収したいと申し出たとします。
BさんはAさんのうそを信じ込み、Aさんに1万円札を渡しました。
AさんはBさんにうそをつき、うそを信じたBさんはAさんに1万円札を渡しています。
また、BさんはAさんが警察官ではないことや偽札ではないことを知っていた場合に1万円札を渡さなかったでしょうから、AさんはBさんがお金を渡す判断をするうえで、重要なこと事項についてうそをついたことになります。
ですので、AさんとBさんの例は、詐欺罪にあたります。
以上のように、詐欺罪を成立させるためには、①相手が判断するうえで重要な事項でうそをつくこと、②相手がうそを信じること、③相手から財物(お金など)が相手の意思で交付されることの3つが必要になります。
窃盗罪
これに対して、人のお金などを、その所有者の許可を得ないでとった場合には窃盗罪が成立します。
例えば、Cさんが目の前を歩いているDさんの鞄の中から、Dさんに気付かれないように財布を取り出し、自分の鞄の中に入れました。
CさんはDさんに気付かれないようにDさんの財布をとっています。
気付かれないようにしていることから、当然Dさんの許可は得ていないので、Cさんの行為は窃盗罪にあたります。
窃盗罪と詐欺罪
窃盗罪と詐欺罪の大きな違いの1つは、財物の交付行為の有無です。
先ほど確認したように、詐欺罪が成立するためには、人にうそをついて、うそを信じた人から財物を交付される必要がありました。
一方で、窃盗罪は、人の財物を所有者の許可なく手に入れた場合に成立するので、人から財物を交付される必要はありません。
では、交付行為の有無について着目し、今回の事例を考えていきましょう。
今回の事例の報道によると、容疑者が銀行職員に成りすまし、キャッシュカードとクレジットカード各1枚を別のカードにすり替えることでカードを手に入れたとされています。
すり替えについて詳しく報道されているわけではないので推測になりますが、何らかの理由をつけて被害者にクレジットカードなどを封筒に入れて保管してもらうように言い、その封筒を別の封筒などとすり替えることで、被害者のクレジットカードなどを入手したのだとすれば、被害者が容疑者にクレジットカードなどを渡しているわけではありませんので、カードは「交付」されていないことになります。
加害者が被害者にうそをついていたとしても、交付されていなければ詐欺罪にはあたりませんので、今回の事例では詐欺罪は成立しません。
今回の事例では、容疑者はクレジットカードなどを別のカードとすり替えることで入手しているので、所有者である被害者の許可を得ずに入手していることになり、窃盗罪が成立すると考えられます。
詐欺罪と窃盗罪では、法定刑が異なります。
詐欺罪で有罪になった場合には、10年以下の懲役(刑法第246条1項)、窃盗罪で有罪になった場合は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金(刑法第235条)が科されることになります。
詐欺罪と窃盗罪では、以上のように法定刑が異なりますが、特殊詐欺事件の場合、詐欺罪、窃盗罪どちらが適用されても科される量刑が大きく異なることはありません。
こうしたケースでは、罪名というよりも事件の態様や関わり方などを考慮して量刑(刑罰の重さ)が決められることが予想されるためです。
そのため、特殊詐欺事件で受け子を行い窃盗罪で有罪になった際には、初犯であっても罰金刑で済まず、実刑判決を受けることになることも十分考えられます。
今回の事例のような特殊詐欺事件では、受け子が窃盗罪で有罪になった場合に、懲役刑が科される可能性があります。
しかし、弁護士による示談交渉などの弁護活動によって、執行猶予付き判決を目指していくことができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
詐欺罪、窃盗罪、その他刑事事件で逮捕、捜査されている方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
