【事例紹介】舞鶴市のマンションへの放火未遂事件で逮捕

京都府舞鶴市で起きたマンションへの放火未遂事件を基に、現住建造物等放火未遂罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警舞鶴署は17日、現住建造物等放火未遂の疑いで、京都府舞鶴市の職業不詳の男(43)を逮捕した。
逮捕容疑は1(中略)マンション1階の駐車場で段ボールに火を付け、建物を燃やそうとした疑い。出火に気付いた通行人が消火し、未遂に終わったという。
(中略)同様の不審火が他に計4件発生しており、舞鶴署が関連を調べている。

(11月17日 京都新聞 「段ボールに火を付けマンション放火未遂の疑い、43歳の男逮捕 周辺で同様の不審火発生」より引用)

現住建造物等放火罪

刑法第108条
放火して、現に人が住居に使用しまたは現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船または鉱坑を焼損した者は、死刑または無期もしくは5年以上の懲役に処する。

現住建造物とは、現在人が生活するのに使っている建物などのことをいいます。
例えば、人が現在住んでいるマンション(現住建造物)に放火すると、現住建造物等放火罪に問われることになります。

現住建造物等放火未遂罪

今回取り上げた事例で、容疑者は現住建造物等放火未遂罪の容疑で逮捕されています。
報道によれば、容疑者はマンション1階の駐車場で段ボールに火をつけたとされています。
ここで、すでに段ボールに火をつけているのであれば、「放火」したことになり、「未遂」ではないのではないかと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
すでに段ボールに火をつけていても「未遂」の扱いになるのでしょうか。

現住建造物等放火罪では、現住建造物等が焼損した場合に既遂として扱われます。
ですので、現住建造物等が焼損していない場合には、「火をつけた」という行為があったとしても「未遂」になります。

では、どのような状態が焼損にあたるのでしょうか。

大正7年3月15日にあった大審院の裁判では、焼損について「焼燬(焼損)とは犯人に依って点せられたる火が媒介物を離れ燃焼の目的たる建造物その他同条列記の物に移り独立してその燃焼を継続する事実を指称する」と判断しています。

ですので、放火犯が放った火が媒介としているもの(今回の事例では段ボール)から離れて、放火したい建物(今回の事例ではマンション)に燃え移り、建物自体が燃焼している場合に、既遂になります。
報道だけではマンションの被害の程度はわかりませんが、逮捕容疑が現住建造物等放火未遂罪であることから、おそらく段ボールに点いた火がマンションには燃え移らなかったか、燃え移ったとしてもマンション自体が独立して燃焼するには至らなかったのでしょう。

現住建造物等放火罪で有罪になった場合には、死刑または5年以上の無期懲役が科されます。
報道だけでは認否がわかりませんが、報道が事実であり、容疑者が現住建造物等放火未遂罪で有罪になった場合にも同様の刑罰が科されるか、未遂による刑罰の減軽が考慮され、それよりも少し軽い刑罰が科されることになるでしょう。

過去には、高知地検中村支部のトイレに火を付け、現住建造物等放火未遂罪に問われた裁判では、被告人に懲役5年の判決が下されています。(2021年6月29日 産経新聞 「放火未遂97歳に懲役5年 裁判員裁判で最高齢被告か」より)
高知県の事例と今回の京都府舞鶴市の事例では、事件内容や被害の程度などが異なりますが、既遂ではなく現住建造物等放火未遂罪であっても懲役5年という実刑判決が下されていることから、大変重い犯罪であるということがお分かりいただけるでしょう。

また、今回の事例では、報道されているマンションでの放火以外にも4件の不審火が発生していると報道されています。
その全てで容疑者が関与しており、立件された場合には、余罪の分重い刑罰が科されるかもしれません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に強い弁護士事務所です。
今回の事例のように、逮捕されている事件の場合は、早期に弁護活動を行うことが重要になります。
逮捕後すぐに弁護活動を開始できた場合には、検察官が勾留の判断を行う前に、弁護士が検察官に対して働きかけを行うことができます。
そういった検察官への働きかけや、その後の裁判所への働きかけを行うには入念な準備が必要です。
そのためにも、逮捕された場合にはなるべく早く、釈放に向けた弁護活動を行うことが望ましいといえます。
弊所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っております。
現住建造物等放火罪現住建造物等放火未遂罪でお困りの方は、刑事事件に強い、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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