Archive for the ‘性犯罪’ Category
盗撮の常習を疑われたら
盗撮の常習を疑われたら
盗撮の常習を疑われているケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
会社員のAさんは、京都市南区の駅構内で女性Vさんのスカートの中を盗撮していたところを駅員に見つかり、通報されました。
Aさんは、通報を受けた京都府南警察署の警察官に、盗撮をしたことによる京都府迷惑防止条例違反の容疑で警察署へ連行され、そこで話を聞かれることになりました。
Aさんは、迎えにきた家族を身元引受人として帰宅することを許されましたが、押収されたAさんのスマートフォンからは、数百枚単位の盗撮写真が出てきました。
このことからAさんは盗撮の常習犯ではないかと疑われていますが、それはSNSからダウンロードしたもので、Aさんは今回の盗撮が初めて実際に自分で行った盗撮でした。
Aさんは、常習的に盗撮をしていたわけではないがどのように対応したら良いのかと不安になり、京都府の盗撮事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・盗撮と常習
盗撮は、各都道府県の定める迷惑防止条例によって禁じられています。
盗撮行為の態様や盗撮事件の起こった場所、被害者の年齢によって成立する犯罪は異なりますが、今回のAさんの事例のような、駅構内で起こった多くの盗撮事件は各都道府県の定める迷惑防止条例違反になります。
そして、ほとんどの都道府県の迷惑防止条例では、盗撮の常習性が認められることによってその刑罰が重くなります。
例えば、京都府の迷惑防止条例を確認してみましょう。
京都府迷惑防止条例第3条
第1項 何人も、公共の場所又は公共の乗物にいる他人に対し、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第2項 何人も、公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物にいる他人に対し、前項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 通常着衣等で覆われている他人の下着等を撮影すること。
京都府迷惑防止条例第10条
第2項 第3条第2項(第2号を除く。)若しくは第3項(第1号に係る部分に限る。)又は第6条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第4項 常習として第3条第2項(第2号を除く。)若しくは第3項(第1号に係る部分に限る。)又は第6条の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
ご覧の通り、京都府では、盗撮をした場合は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」という刑罰が設定されていますが、その盗撮が常習であるとされた場合は「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と、より重い刑罰になっていることが分かります。
では、盗撮の常習性が認められるのはどのような場合なのでしょうか。
例えば、カメラやパソコン、スマートフォンに大量の盗撮写真があったり、盗撮の前科や前歴が多くあったりするような事情があれば、盗撮の常習生が認められやすいと言えるでしょう。
盗撮の回数やその頻度、盗撮をしている期間、手口、目的など、さまざまな事情を総合的に考慮することによって常習性の有無が認められることになります。
もしも今回の事例のAさんのように初犯(=初めて盗撮を犯した)にもかかわらず、常習性を疑われてしまうようなことがあれば、不当に重い刑罰を受けることになりかねません。
すぐに刑事事件に強い弁護士に相談し、常習性のないことを主張していくことが大切です。
また、実際に常習的に盗撮を行っていた場合でも、できる限り被害者の方への謝罪・弁償活動を行い、処分を寛大にしてもらうように働きかけていくことが重要です。
常習的に盗撮を行っていた場合、被害者の数が多くなることも予想されますから、その分被害者対応も複雑になることが考えられます。
そういった面でも、まずは弁護士に相談・依頼することが望ましいと言えるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、盗撮事件のご相談・ご依頼も多く受け付けております。
お困りの際は、お気軽に0120ー631ー881までお問い合わせください。
専門スタッフがご相談者様の刑事事件に沿ったサービスをご案内いたします。
写真を送ってもらって児童ポルノ禁止法違反事件に
写真を送ってもらって児童ポルノ禁止法違反事件に
写真を送ってもらって児童ポルノ禁止法違反事件になったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
滋賀県に住む会社員のAさんは、京都市右京区に住んでいるという中学2年生の女児VさんとSNSを通じて連絡を取るようになりました。
VさんはAさんに好意を持っていたようで、Aさんに対して下着姿の自撮り写真を送るなどしていました。
Aさんは、「相手が自分から送ってくる分には問題ないだろう」と思い、Vさんから送られてくる画像を保存したり、好みのポーズを伝えてその写真を送ってもらったりしていました。
しかし、Vさんの両親がVさんの素行を怪しんでVさんと話した結果、AさんがVさんの下着姿や裸の写真を送ってもらっていたことが判明。
Vさんの両親が京都府右京警察署に相談したことをきっかけとして、Aさんは京都府右京警察署に児童ポルノ禁止法違反の容疑で話を聞かれることとなりました。
Aさんは、相手が同意して送ってきてくれたものなのに犯罪になるのか、住んでいる場所ではない警察署で話を聞かれるのか、と不安に思い、弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・相手の同意があっても児童ポルノ禁止法違反
児童ポルノ禁止法では、今回のAさんがVさんに送ってもらっていたような写真は児童ポルノとされます。
児童ポルノ禁止法第2条
第1項 この法律において「児童」とは、18歳に満たない者をいう。
第3項 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
第1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
第2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
第3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
VさんがAさんに送った画像は、中学3年生=18歳未満の「児童」(児童ポルノ禁止法第2条第1項)であるVさんの下着姿や裸の姿=「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」(児童ポルノ禁止法第2条第3項第3号)であると考えられるため、児童ポルノ禁止法の「児童ポルノ」であると考えられるのです。
児童ポルノ禁止法では、この児童ポルノについて以下のように規定しています。
自動ポルノ禁止法第7条
第1項 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
自己の性的好奇心を満たす目的で、第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。
第4項 前項に規定するもののほか、児童に第2条第3項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第2項と同様とする。
児童ポルノ禁止法では、児童ポルノを所持すること自体を禁止しており、その所持に児童ポルノに映っている児童自身の同意の有無については関係ありません。
ですから、たとえVさんが同意して送ってきたものであっても、その児童ポルノを保存し所持した時点でAさんは児童ポルノ所持による児童ポルノ禁止法違反となると考えられるのです。
さらに、今回のAさんはVさんに好みのポーズなどを伝えていたようですから、態様次第では、Vさんに指示して児童ポルノを作らせたとして児童ポルノ製造による児童ポルノ禁止法違反にも問われる可能性があります。
・住んでいる場所以外の警察署に呼ばれる?
今回のAさんのような、SNSやインターネットを通じて起こった児童ポルノ禁止法違反事件では、被害者の居住地が被疑者の居住地とは異なっているということが珍しくありません。
被害者が警察に相談して事件が発覚・捜査に至った場合、被害者の相談した警察署が事件を管轄することが多く、そうしたケースでは被疑者の居住地と離れた警察署に呼び出されたり、場合によってはその警察署に逮捕されたりすることも考えられます。
ですから、自身の居住地だけでなく、事件を管轄する警察署にも対応できる弁護士に相談することがより望ましいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、京都支部を含む全国13都市に事務所があります。
今回のAさんの事例のような児童ポルノ禁止法違反事件にも、各支部に所属する弁護士が連携して対応が可能です。
写真を送ってもらって児童ポルノ禁止法違反事件となってしまったとお困りの際は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。
監護者わいせつ事件で逮捕が不安
監護者わいせつ事件で逮捕が不安
監護者わいせつ事件で逮捕が不安である場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
会社員の男性Aさんは、妻のBさんと娘である中学3年生のVさんと京都府京田辺市で暮らしていました。
Aさんは、Vさんが成長するごとにVさんに性的興味を持つようになり、Vさんが抵抗しなかったことをいいことに、Vさんの体を触るなどしていました。
しかしある日、Vさんが通学している中学校でAさんからわいせつな行為をされていることを相談したことをきっかけに、Vさんは児童相談所に保護され、Aさんは京都府田辺警察署に監護者わいせつ罪の容疑で取り調べられることになりました。
Aさんは、自分がもしかしたら逮捕されるかもしれないと思うと今後どのように対応していくべきなのかわからなくなり、刑事事件を取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・監護者わいせつ罪
監護者わいせつ罪は、2017年に刑法が改正された際に新設された犯罪の1つです。
刑法第179条第1項(監護者わいせつ罪)
18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による。
監護者わいせつ罪の中にある「第176条」とは、刑法第176条に定のある強制わいせつ罪のことを指しています。
刑法第176条(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪は「13歳以上の者に対し」「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為」をするか、「13歳未満の者に対し」「わいせつな行為」をすることで成立する犯罪で、強制わいせつ罪となると「6月以上10年以下の懲役」に処されます。
これに対し、監護者わいせつ罪は、「18歳未満の者に対し」「その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為」をすることで成立し、「第176条(=強制わいせつ罪)の例による」=「6月以上10年以下の懲役」に処せられるということになります。
強制わいせつ罪が被害者に対して暴行又は脅迫を用いることを成立要件としているのに対し、監護者わいせつ罪は暴行又は脅迫を用いることを要件としておらず、監護者(被害者の親であることが多いです。)がその影響力に乗じてわいせつな行為をすることが成立要件となっています。
というのも、監護者わいせつ罪の被害者となるのは18歳未満で加害者に監護されている者ですから、精神的に未熟で、監護者との関係で精神的・経済的に依存していると考えられます。
そうした場合、被害者が全く抵抗できないとまでは言えなくとも、被害者の有効な同意に基づく行為であるとは考えにくいだろうという趣旨から監護者わいせつ罪が制定されたのです。
刑法改正前、監護者わいせつ罪が制定される前は、例えば親が子供に対してわいせつ行為をしたというケースでも暴行・脅迫が用いられていなければ強制わいせつ罪が適用されず、児童に淫交をさせたことよる児童福祉法違反(児童福祉法第34条第1項第6号、10年以下の懲役又は300万円以下の罰金)という強制わいせつ罪よりも軽い刑罰となる犯罪が適用されていました。
しかし、先ほど記載したように、暴行・脅迫がなくとも、監護者からわいせつな行為をされた場合、被害者となる18歳未満の者の有効な同意に基づく行為であるとは考えにくく、強制わいせつ罪と実質的に違法性の高さは変わらないということから監護者わいせつ罪ができたという経緯があるのです。
・監護者わいせつ罪で逮捕が不安なら
監護者わいせつ事件の場合、今回のAさんの事例のように被害者が同じ家庭内にいるというケースが多く、被害者との接触を避けるために逮捕・勾留による身体拘束をした上で捜査されることも珍しくありません。
今回の事例のAさんの監護者わいせつ事件はVさんが保護されていることもあるのか在宅捜査で進められているようですが、事件の性質上、途中から逮捕されてしまう可能性もないとは言えません。
監護者わいせつ事件に限らず、逮捕が不安である場合には早めに弁護士に相談・依頼しておくことが重要です。
そもそも逮捕されるリスクがどの程度あるのかは、刑事事件自体の種類・状況や被疑者となっている方の周囲の環境など、様々な事情を合わせて考えなければいけません。
そして、逮捕の可能性がある場合には、事前に弁護士から取調べへの対応方法や逮捕後の手続き、被疑者が持っている権利を聞いて把握しておくことで不安の軽減や嘘の自白をしてしまうリスクの軽減が期待できます。
だからこそ、早めに刑事事件の専門家である弁護士の話を聞いておくことが望ましいのです。
元々旧強姦罪という似た犯罪があった強制性交等罪とは異なり、監護者わいせつ罪は全く新しい犯罪として新設されたため、もしかするとまだ一般には周知されていない犯罪かもしれません。
しかし、監護者わいせつ罪は非常に重い犯罪であり、当事者となってしまった場合は早めの活動が求められます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、監護者わいせつ事件についても刑事事件専門の弁護士がご相談・ご依頼を受け付けています。
まずはお気軽に弊所弁護士までご相談ください。
子どもの痴漢事件を弁護士に相談
子どもの痴漢事件を弁護士に相談
子どもの痴漢事件を弁護士に相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府八幡市に住んでいるBさんは、会社員である夫のCさんと高校生になる息子のBさんと3人で生活しています。
ある日、Bさんのもとに京都府八幡警察署の警察官から連絡があり、「Bさんが京都府八幡市内の駅で痴漢事件を起こしたということで京都府八幡警察署で取調べをしている。親御さんが迎えに来てくれるのであれば今日は家に帰ってもらう」と言われました。
Bさんはまさか自分の子どもが警察のお世話になるとは思ってもおらず、急いで京都府八幡警察署に向かったところ、Aさんと一緒に帰宅するよう伝えられました。
しかし、そこで警察官から「次回の取調べはまた連絡する」と伝えられ、さらにAさんとも事件について詳しく話すことができなかったBさんは今後の対応に不安を抱き、少年事件を取り扱う弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・子どもが痴漢事件を起こしてしまったら
今回のBさんのように、子どもが痴漢事件を起こしてしまい、突然警察署から連絡が来たというケースは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる少年事件のご相談の中でも少なくありません。
親御さんからしてみれば、突然子どもが事件を起こしたということで、混乱されることも多いです。
子どもが本当に痴漢事件を起こしたのか信じられない思いの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実際に子どもの立場からすれば、自分が犯罪にあたる行為をしてしまったことは親には言いづらいことです。
特に、今回のAさんが起こしてしまったとされる痴漢事件のような性犯罪の場合、多感な時期の少年が自分の性癖等に関わることを親に言うということはハードルが高いことです。
そのため、本当は痴漢行為をしてしまっているのに親だけには自分はやっていないと否認してしまったり、親と痴漢事件について詳しく話し合えなかったりするケースも存在します。
ですが、少年事件の終局処分は、少年の更生にどういった処分が適切かといった点を重視して決定されます。
少年自身や少年の周囲の家族が、起こしてしまった痴漢事件に向き合えていないと判断されれば、その環境のままでいることは少年の更生に適切ではないと判断されてしまう可能性が出てくるのです。
例えば、少年院送致などの施設に送致する処分によって、現在の環境から切り離して更生を目指す処分なども考えられるとなってくるのです。
社会内での更生を目指すのであれば、まずは家庭内や学校内での生活を整え、さらに少年自身の内省を深める、ご家族など周囲の方と事件に向き合って再犯防止のための策を考え構築する、といった活動が重要となってきます。
そういった活動をするためには、やはり少年自身と少年の周囲の方がきちんと事件自体に向き合い、なぜ少年事件を起こすに至ったか、少年事件を起こしてしまうことで被害者や周囲の人にどういった影響を与えてしまうのか、どうすれば繰り返さずに済むか等を考え話し合うことも重要なこととなります。
それでも、先ほど触れたように少年事件を起こしてしまった子ども自身からすると、家族に事件の話をすることのハードルは高いため、少年事件に対応している弁護士の力を借りることをおすすめします。
弁護士という第三者かつ専門家であれば、身内には言いづらいことも相談することができるため、家族には打ち明けづらいことがあっても弁護士には話せるというケースも少なくないのです。
例えば弊所では、痴漢事件などを含む少年事件では、お子さんと親御さんで部屋を分けて事情を聴きとるといった対応を取ることもあります。
少年事件に対応している弁護士であれば、当然少年事件の手続やそのポイントは熟知していますので、お話を聞いたうえで、少年自身へのアドバイスはもちろん、それに基づいた家族へのアドバイス、環境づくりのご提案をしていくことが期待できるのです。
もちろん、疑いをかけられた痴漢事件が冤罪である場合にも、弁護士のサポートを受けることがおすすめされます。
少年事件であっても、成人の刑事事件同様、捜査機関による取調べは行われます。
まだ未熟な部分もある少年が1人で臨むには、不安も大きいことでしょう。
弁護士へ相談することで、取調べへの対応の仕方や注意点などを事前にアドバイスしてもらうことができますから、不本意な自白をしてしまうリスクや不安の軽減に期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、「子どもが痴漢事件を起こしてしまった」「少年事件の対応に不安を感じている」という方のご相談も受け付けています。
在宅事件の場合は初回無料で法律相談をご利用いただけるため、お気軽にご相談いただけます。
京都府の少年事件や痴漢事件にお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
合意のつもりが強制性交等事件に
合意のつもりが強制性交等事件に
合意のつもりが強制性交等事件になってしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
会社員の男性Aさんは、京都府宇治市にある居酒屋で出会った女性Vさんと意気投合し、京都府宇治市内にあるAさん宅に行くことになりました。
Aさん宅で飲み直した2人は性行為をしました。
Aさんは当然Vさんの合意があって性行為をしたと思っていたのですが、翌朝Aさんが目覚めたときにはVさんはすでにいなくなっており、京都府宇治警察署から「強制性交等罪の被害を受けたという被害届が出ている」と呼び出しの連絡がありました。
Aさんは、まさか合意のつもりでした性交で刑事事件になるとは思いもよらず、警察署に行く前に強制性交等事件について扱っている刑事事件専門の弁護士へ相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・合意のつもりが強制性交等事件に
刑法改正によって旧強姦罪から強制性交等罪に改められて久しく、一般にも強制性交等罪の名前が浸透してきた頃ではないでしょうか。
刑法第177条(強制性交等罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
強制性交等罪の条文には、性交等をする手段として「暴行又は脅迫を用い」ることが強制性交等罪が成立する要件として書かれています。
この「暴行又は脅迫」は、被害者の抵抗を押さえつける程度の強さがなければならないと考えられています。
ですから、目立った暴行等がなければ「暴行又は脅迫」をしていないとして強制性交等罪にあたらないのではないかと考えられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際に殴る蹴るといった分かりやすく強い暴行があったのかということだけではなく、被害者との体格等の違いや関係性、事件の起きた場所やその状況といった様々な事情を総合して考慮した結果、強制性交等罪の「暴行又は脅迫」に当たるのかどうかが判断されます。
そのため、強制性交等罪にあたり得るかどうかは、本人の供述だけではなく、事件当時の状況や被害者との関係等、全ての詳しい事情を専門的に検討する必要があるのです。
そして、今回の事例のAさんのように、強制性交等事件では「合意があった」と思って性交等をしたのに、相手方はそう思っておらず、思いもよらず被害届や告訴が出されたというケースも存在します。
このような場合、無理矢理行為をしたわけではない、合意があったと思ってしたのだ、と主張するのであれば、「否認」の態度を取っていくことになります。
強制性交等事件では、先述のように、客観的に見て合意があったように見えたのかどうか、当時の当事者の関係性はどうであったのか等の事情を詳細に検討する必要があります。
加えて、取調べを受ける際にも、否認を貫くための取調べ対応の仕方をきちんと把握しておく必要があります。
被疑者の権利や刑事事件の手続を知らずに取調べに対応することはそもそも不安の大きいことでしょうし、自分の持っている権利等を知らないことで意図せず不利な言動をしてしまうリスクもあります。
もしも自白を迫られ自白をした供述調書を取られてしまえば、それを覆さなければならないという難しい状況にも陥ってしまいます。
だからこそ、まずは刑事事件に強い弁護士に相談し、強制性交等罪にあたる可能性があるのかどうか、捜査への対応はどのようにすべきなのかといったことを聞いておくことが大切なのです。
・合意があっても強制性交等罪になるケース
今回のAさんは、相手のVさんの合意があると思って性交等をしたものの強制性交等事件の疑いをかけられてしまっているという事例でしたが、たとえ確実に相手の合意があっても強制性交等事件となるケースがあることにも注意しておかなければなりません。
それは、相手の年齢が13歳未満であるケースです。
先ほど掲載した刑法第177条の後段にある通り、強制性交等罪は「13歳未満の者に対し、性交等をした者」にも成立します。
「13歳未満の者に対し、性交等をした者」に成立するわけですから、性交等の相手が13歳未満であるだけで強制性交等罪が成立するということになります。
つまり、そこに暴行や脅迫がある必要はなく、相手に性交等の同意があったかどうかということも関係ないということなのです。
こういったケースもあることから、合意があったのに強制性交等罪の容疑をかけられたとお悩みの場合は、やはりまずは弁護士に相談してみるということが重要でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、強制性交等事件などの性犯罪についてのご相談も受け付けています。
弁護士だからこそ、周りには相談しづらいデリケートな問題でも相談できます。
まずはお気軽にご連絡ください。
多頭飼育崩壊で動物愛護法違反
多頭飼育崩壊で動物愛護法違反
多頭飼育崩壊で動物愛護法違反に問われたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市上京区に住んでいるAさんは、猫を飼っていました。
しかし、飼っている猫が繁殖してしまい、合計50匹を超えてAさんの手に負えない状況となってしまいました。
Aさんは餌やりや糞尿の始末も満足にしておらず、Aさんの飼育している猫には痩せてしまったり病気にかかってしまったりしているものもいました。
そうした状況を見た近所の人が異変を感じ、多頭飼育崩壊しているのではないかと役所等に相談。
Aさんの元には何度か役所の職員が訪れ、飼育環境の改善を求めましたが、Aさんは「そんなに増えているわけではない。自分で世話できる」などと話して受け入れず、環境を変えることなく生活していました。
後日、京都府上京警察署の警察官がAさん宅を訪れ、Aさんは動物愛護法違反で逮捕されることとなりました。
(※この事例はフィクションです。)
・多頭飼育崩壊
最近報道などでも目にするようになった「多頭飼育崩壊」とは、動物を多頭飼育している飼い主の管理不足等で異常繁殖等によって動物の数が増えて飼育できない状態になることを指しています。
近年では、この多頭飼育崩壊が問題となり、報道されることも多くなってきています。
・多頭飼育崩壊と動物愛護法違反
動物愛護法(正式名称「動物の愛護及び管理に関する法律」)は2019年に改正され、その改正動物愛護法は2020年6月に施行されました。
この改正動物愛護法の中には、以下のような条文があります。
動物愛護法第44条
第1項 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処する。
第2項 愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、その健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束し、又は飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第3項 愛護動物を遺棄した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
動物愛護法第44条第1項にあるように、意図的に動物を殺したり傷つけたりするといった動物虐待行為は、当然動物虐待行為となり、動物愛護法違反となります。
今までよく報じられてきた動物虐待といえば、こうしたわざと動物を傷つける行為をするというものが多く、イメージしやすい方も多いでしょう。
こちらの行為については、動物愛護法の改正によって刑罰が重くなり、厳罰化されています。
そして、動物愛護法第44条第2項については、従来あった虐待の例に加え、愛護動物の「身体に外傷が生ずるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせる」、「飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させる」といった行為が明文化されました。
餌をやらない、病院に連れて行かない、整えるべき環境を整えないといった、動物愛護法第44条第1項の「わざとやる」虐待行為だけでなく、「やるべきことをやらない」という虐待(いわゆる「ネグレクト」)も含んでいることが特徴です。
このうち、特に「飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管することにより衰弱させる」といった部分は、今回のAさんのような多頭飼育崩壊のケースも想定している範囲に入ると考えられます。
ずさんな飼育状況により多頭飼育崩壊に陥ってしまえば、動物愛護法違反という犯罪になる可能性も出てくるのです。
ペットを飼育できる環境なのか、飼育するためにどのような設備・対処が必要なのかといったことを考えてペットを飼育することが大前提ですが、もしも手に負えない状態になりそうということであれば、多頭飼育崩壊に陥る前に専門機関や団体に相談することが必要でしょう。
なお、動物愛護法が保護の対象としている「愛護動物」とは以下のように定義されています。
動物愛護法第44条第4項
前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
第1号 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる
第2号 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬は虫類に属するもの
※注:「前三項」とは、前述の動物愛護法第44条第1項~第3項のことを指します。
動物愛護法違反は、頻繁に報道される犯罪というわけでもなく、耳慣れない方もいらっしゃるかもしれません。
改正もあったことから、その内容が良く分からないという方も少なくないでしょう。
こうした犯罪の容疑で逮捕されてしまった場合は、専門家である弁護士にアドバイスを求めましょう。
刑事事件に強い弁護士であれば、改正後の情報や見通し、可能な弁護活動について具体的に助言することが可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、多頭飼育崩壊による動物愛護法違反事件のご相談も受け付けています。
まずはお気軽にお電話ください(0120-631-881)。
児童ポルノ所持・児童ポルノ提供事件で逮捕
児童ポルノ所持・児童ポルノ提供事件で逮捕
児童ポルノ所持・児童ポルノ提供事件で逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市西京区に住んでいるAさんは、インターネットの掲示板に公開されていた児童ポルノ画像をダウンロードし、自身のパソコンに保存していました。
しばらくそういった行為を繰り返していたAさんでしたが、今度は保存した児童ポルノ画像をインターネットの別の掲示板に掲載することも行うようになりました。
するとある日、京都府西京警察署の警察官がAさん宅を訪れ、Aさんは児童ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、まさか自分の家族が児童ポルノ禁止法違反事件を起こして逮捕されるとは夢にも思わず、とにかくこれからどうなるかを知りたいと思い、京都市の刑事事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・児童ポルノ所持・児童ポルノ提供
児童ポルノ禁止法(正式名称「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」)では、児童ポルノの所持・提供の禁止を定めています。
児童ポルノ禁止法第7条
第1項 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
自己の性的好奇心を満たす目的で、第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。
第2項
児童ポルノを提供した者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
電気通信回線を通じて第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。
第3項 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。
同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
第6項 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
電気通信回線を通じて第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。
第7項 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。
同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
条文を見てわかる通り、児童ポルノはただ所持しているだけでも児童ポルノ禁止法違反という犯罪になります。
ですから、インターネットから児童ポルノをダウンロードしてそのままスマートフォンやパソコンに保存しているだけでも児童ポルノ禁止法違反となって処罰されてしまう可能性が出てくるのです。
加えて注意が必要なのは、児童ポルノを所持していた目的によって、同じ児童ポルノ所持行為でも刑罰の重さが異なるということです。
目的という内心の問題が関わる部分では、取調べでの対応も重要となりますので、弁護士と相談しながら対応していくことが望ましいでしょう。
また、「提供」については、直接相手に渡す行為だけでなく、インターネットを介して行うことも「提供」に入ります。
例えば今回のAさんが別の掲示板に児童ポルノ画像を掲載したことも、児童ポルノの「提供」と認められる可能性があります。
このように、児童ポルノ所持事件では、所持の目的やそのほかどういった行為をしたかによって刑罰の重さや違反する条文が異なるため、被疑者自身の認識や行動を細かく法律に照らし合わせて検討していくことが必要です。
だからこそ、刑事事件の専門家である弁護士に相談し、かけられている容疑の内容や見通しを把握してから刑事手続きに臨むようにすることが大切です。
逮捕・勾留などの身体拘束でお困りの方、児童ポルノ禁止法違反で逮捕されそうで不安な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士まで、ご相談ください。
初回無料法律相談や初回接見サービスのご予約・お申込は0120-631-881までお電話ください。
痴漢事件で自首したい
痴漢事件で自首したい
痴漢事件で自首したいというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府綾部市に住んでいるAさんは、会社からの帰宅途中、好みの女性Vさんが路上を歩いていることに気が付きました。
数日過ごすうち、AさんはVさんと帰路が重なり、毎日帰宅の時間にVさんも同じ道を通ることに気が付きました。
AさんはVさんへの好意を抱くようになり、ついにある日、Vさんに後ろから抱きついて身体を触ってしまいました。
Vさんが叫び声をあげたことで我に返ったAさんはその場から逃走しましたが、その日のうちに京都府綾部警察署の出している不審者情報に自分のことが載っていることに気が付きました。
Aさんは、とんでもないことをしてしまったのだと自首を検討していますが、どのようにすべきなのか分かりません。
そこでAさんは、京都府の刑事事件を取り扱っている弁護士に自首の対応を含めて自身の起こしてしまった痴漢事件について相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・痴漢は何罪?
痴漢という単語は報道などでもよく使われていますが、日本では「痴漢罪」という犯罪があるわけではありません。
その痴漢行為の態様が個々に定められているどの法律に違反するのかによって、成立する犯罪が異なるのです。
多くの痴漢事件で問題となるのは、各都道府県ごとに定められている迷惑防止条例です。
特に電車内や公共の施設での痴漢事件では、この迷惑防止条例違反が成立することが多く見られます。
京都府では、「京都府迷惑行為等防止条例」という迷惑防止条例が定められており、この中で公共の場所や公共の乗物での痴漢行為が規制されています。
痴漢行為をしたことによる京都府迷惑防止条例違反となった場合、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられることになります(京都府迷惑防止条例第10条第1項)。
しかし、特に今回のAさんのように、被害者に抱きついてその抵抗を封じて痴漢行為をしたような場合には、迷惑防止条例違反ではなく、刑法に定められている強制わいせつ罪が成立する可能性も出てきます。
刑法第176条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪は、簡単に言えば、「暴行又は脅迫」で相手の抵抗を抑え、それによってわいせつ行為をすることで成立します(被害者が13歳未満の場合はわいせつな行為をしただけで成立します。)。
「痴漢」という言葉と強制わいせつ罪が結びつかないという方もいらっしゃるかもしれませんが、「暴行」と「わいせつな行為」が1つの行為であっても強制わいせつ罪が成立することもあり、今回のAさんのように抱きつくなどする痴漢行為をした場合には、強制わいせつ罪の成立も十分考えられます。
また、エレベーターなどの狭く逃げることの困難な空間で痴漢行為をした場合など、痴漢事件の起きた状況によっても強制わいせつ罪が成立する可能性が出てきます。
その痴漢事件で成立する犯罪が迷惑防止条例違反なのか強制わいせつ罪なのかによって、受ける可能性のある刑罰の重さも大きく異なるため、痴漢事件を起こしてしまった場合は弁護士に相談してみることをおすすめいたします。
・自首を検討している時の注意点
一般のイメージでは、自分から警察署などに行けば「自首」であるというイメージが強いかもしれません。
ですが、法律上の「自首」は、自分から警察署などに行くだけでは成立しません。
刑法第42条第1項
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
この条文の「捜査機関に発覚する前に」という部分が重要なポイントです。
つまり、今回のAさんの事例であれば、痴漢事件を起こしたのがAさんであるということがすでに捜査機関に把握されている場合や、Aさんが痴漢事件の捜査線上に浮上しているような場合には、「捜査機関に発覚する前」とは言えないため、法律上の「自首」とはならないのです。
今回のAさんは、すでに京都府綾部警察署の不審者情報で起こした痴漢事件の情報が発信されていることから、痴漢事件の存在自体は捜査機関も把握しているものと考えられます。
捜査が進められ、防犯カメラの映像などからAさんが痴漢事件の被疑者として捜査線上に浮上している可能性もありますから、Aさんが出頭したとしても、法律上の自首が成立しない可能性は考えられます。
とはいえ、自ら警察署等に出頭するという行為は、反省を示したり逃亡や証拠隠滅のおそれのないことを示したりすることのできる行為です。
自首が成立しうるのかどうか、成立しないとして自ら出頭するメリット・デメリットはどういったものなのか、弁護士に相談してから方針を決めることがおすすめです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門の弁護士が初回無料法律相談を受け付けています。
痴漢事件を起こしてしまってお困りの方、自首を検討してお悩みの方は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。
ホテルでの盗撮事件
ホテルでの盗撮事件
ホテルでの盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、京都府南丹市内の飲食店でで食事をしている際、同じく客として訪れていた女性Vさんと知り合いました。
2人は意気投合し、その足で近くのホテルに泊まることになりました。
Aさんは、Vさんのことを好ましく思っていたため、ホテルでVさんが着替える様子や裸になる様子、Aさんと性行為をする様子をスマートフォンを利用してこっそり盗撮していました。
しかし翌朝、VさんがAさんの盗撮行為に気付き、京都府南丹警察署に通報。
Aさんは、京都府南丹警察署で京都府迷惑防止条例違反の容疑で話を聞かれることとなってしまいました。
その日は帰宅を許されたAさんでしたが、今後の手続きが不安になり、弁護士に相談することに決めました。
(※この事例はフィクションです。)
・ホテルでの盗撮事件
盗撮行為の多くは、各都道府県の定める迷惑防止条例によって処罰されます。
迷惑防止条例は、都道府県ごとに決められていることからその内容も都道府県によって異なります。
例えば、盗撮行為が行われた場所によって迷惑防止条例違反に当たるかどうかといったことや、盗撮行為によって迷惑防止条例違反となった場合の刑罰の重さは、どの都道府県の迷惑防止条例が適用されるのかによって変わってくるのです。
京都府では、「京都府迷惑行為等防止条例」という迷惑防止条例が定められており、この迷惑防止条例の中には盗撮行為についても規定があります。
京都府迷惑防止条例第3条
第2項 何人も、公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物にいる他人に対し、前項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 通常着衣等で覆われている他人の下着等を撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣等の中をのぞき込み、又は撮影する機能を有する機器(以下「撮影機器」という。)を通常着衣等で覆われている他人の下着等に向けること。
(略)
※注:「前項に規定する方法」とは、同条例同条第1項の「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」を指します。
第3項 何人も、住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全文又は一部を着けない状態でいるような場所にいる他人に対し、第1項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 当該状態にある他人の姿態を撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をしようとして、他人の姿態に撮影機器を向けること。
(略)
※注:「第1項に規定する方法」とは、同条例同条第1項の「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」を指します。
京都府の迷惑防止条例は昨年12月に改正され、新たに「宿泊の用に供する施設の客室」等における盗撮も迷惑防止条例の規制対象となりました。
宿泊施設での盗撮を明確に対象として条文に記載している迷惑防止条例は全国でも初めてであり、京都府迷惑防止条例の特徴の1つといえるでしょう。
今回のAさんは、宿泊するホテルの1室=「宿泊の用に供する施設の客室」でVさんの「通常着衣の全文又は一部を着けない状態」の姿を同意なく撮影しています。
勝手に盗撮することは、「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」であると考えられますから、Aさんの盗撮行為は京都府迷惑防止条例第3条第3項第1号に違反すると考えられるのです。
なお、京都府迷惑防止条例では、盗撮ができた場合だけでなく、盗撮をしようと撮影機器を相手に向ける行為や盗撮をしようと撮影機器を設置する行為も禁じているため、たとえ盗撮ができていなかったとしてもそれだけで犯罪となることにも注意が必要です。
盗撮と一口に言っても、どこの都道府県で行った盗撮かという事情によって、適用される条例が異なります。
さらに、近年では迷惑防止条例による盗撮の処罰範囲を拡大する改正が行われる都道府県も少なくありませんから、自分や家族が盗撮事件の当事者となってしまっても、どの迷惑防止条例のどの部分に当たるのか、どういった刑罰が予想されるのかといったことが分かりづらいケースもあるでしょう。
だからこそ、まずは刑事事件専門の弁護士に相談し、事件の見通しや今後の対応を詳しく聴くことがおすすめです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、ホテルでの盗撮事件を含む刑事事件についてのご相談・ご依頼を受け付けています。
まずはお気軽にお問い合わせください。
淫行と児童買春の違い
淫行と児童買春の違い
淫行と児童買春の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市下京区に住むAさんは、SNSとメッセージアプリを通じて高校2年生のVさんと知り合いました。
Vさんと親しくなったAさんは、Vさんと食事をすることになりました。
京都市下京区の飲食店でVさんと食事をした後、AさんとVさんは近くのホテルへ向かい、そこで性交をしました。
その後、2人はそろってホテルを出たのですが、巡回中の京都府下京警察署の警察官から職務質問を受けたことで、Vさんが18歳未満であることと、Aさんと性交したことが発覚しました。
Aさんは児童買春の容疑で逮捕されてしまいましたが、Aさん自身としてはお金を払って性交したわけではないと容疑を否認しています。
そこでAさんは、家族が依頼して接見に訪れた弁護士に、自分の認識でも児童買春となってしまうのか相談しました。
(※この事例はフィクションです。)
・「淫行」と「児童買春」の違い
前回までで見てきた通り、淫行も児童買春も、18歳未満の者と性交等をした場合に成立しうる犯罪だということがわかります。
この2つの大きな違いは、「性交等の対償を渡すか対償を渡す約束をしているかどうか」という部分にあります。
例えば、京都府の青少年健全育成条例では、淫行は「何人も、青少年に対し、金品その他財産上の利益若しくは職務を供与し、若しくはそれらの供与を約束することにより、又は精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて、淫行又はわいせつ行為をしてはならない。」(青少年健全育成条例第21条第1項)と禁止されており、「精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて」淫行をすれば青少年健全育成条例違反となることから、性交等の対象を渡したりその約束をしたりすることは条件とされていません。
対して、前回の記事で確認した通り、児童買春となるには性交等への対償やその約束が必要となってきます。
この点が、淫行と児童買春の大きな違いなのです。
そして、淫行と児童買春にはもう1つ大きな違いがあります。
それは法定刑、つまり、その犯罪で有罪となった場合に受ける刑罰の重さの範囲が異なるのです。
もう一度、淫行と児童買春の法定刑を確認してみましょう。
青少年の健全な育成に関する条例第31条第1項
次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第1号 第21条の規定に違反した者
児童買春禁止法第4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
京都府の場合、淫行をした青少年健全育成条例違反の場合「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となります。
それに対し、児童買春をした場合は「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」ですから、淫行に比べて児童買春となった方がかなり重い刑罰を受ける可能性が出てくることになります。
ですから、実際には淫行にとどまるにも関わらず、児童買春の罪で有罪となってしまえば、不当に重い刑罰を受ける可能性が出てきてしまうということになるのです。
・淫行の事実しかないのに児童買春を疑われたら
今回のAさんの事情を見ると、Aさんは淫行に当たる行為のみを行なっているという認識にも関わらず、児童買春の容疑をかけられているということのようです。
たしかに、Aさんの認識としては対価として何かを支払っている事実はありませんが、例えばVさんとの食事を性交等の対価としていた場合には児童買春となる可能性もありますから、そうした疑いで捜査されているのでしょう、
先ほど触れたように、淫行と児童買春では刑罰の重さが大きく異なってきますから、本当にAさんが対償の供与やその約束をしていないのであれば、淫行にとどまる事実しかないことをきちんと主張し続けなければなりません。
しかし、取調べでは、被疑者となったAさん1人で取調べのプロである警察官や検察官に対応しなければなりません。
気づかぬうちに自身の主張とは異なる形で自供してしまったり、上手く誘動されてしまったりというリスクもあります。
だからこそ、取調べの状況を弁護士と確認し合いながら、逐一アドバイスをもらって対応していくことが重要なのです。
不当に重い刑罰を受けることを避けるためにも、まずは弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、淫行事件・児童買春事件にも刑事事件専門の弁護士が迅速に対応いたします。
逮捕直後からご利用いただける初回接見サービスのお申し込みも24時間体制で受け付けています。
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