Archive for the ‘性犯罪’ Category

お酒に酔っている女性から同意を得たうえで性行為をした事例②

2025-09-24

お酒に酔っている女性から同意を得たうえで性行為をした事例②

手錠

不同意性交等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

Aさんは会社の部下であるVさんに好意を抱いていました。
AさんがVさんに2人で飲もうと誘ったところ、Vさんが了承をしたことから、2人きりでお酒を飲むことになりました。
飲酒開始から1時間程経った頃にはVさんは呂律も怪しくなるほど酔っ払ってしまいました。
AさんはVさんが2人で飲むことを了承したことや2人きりなのに酔っ払うほど自身に気を許していることから、Vさんも自身に好意を抱いているのだと思い、性行為をしてもいいかVさんにたずねました。
VさんがAさんの提案に同意したため、AさんはVさんと性行為を行いました。
翌日、酔いからさめたVさんが京都府向日町警察署に被害を相談し、Aさんは不同意性交等罪の疑いで逮捕されました。
Aさんは性行為についてVさんから同意を得ていたとして、不同意性交等罪の容疑を一部否認しているようです。
(事例はフィクションです。)

不同意性交等罪と法定刑

不同意性交等罪で有罪になると、5年以上の有期拘禁刑に処されます。(刑法第177条1項)
不同意性交等罪に罰金刑の規定はありませんから、有罪になると必ず拘禁刑が科されることになります。

また、執行猶予3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときに情状により付されることがあります。(刑法第25条1項)
不同意性交等罪は拘禁刑の規定しかなく、有罪になれば5年以上の拘禁刑が科されますから、執行猶予の要件である3年以下の拘禁刑を満たしません。
ただ、必ずしも不同意性交等罪執行猶予を得られないというわけではなく、刑が減刑され3年以下の拘禁刑に収まれば執行猶予を得られる可能性はあります。
ですが、法定刑で5年以上の拘禁刑と定められている以上、不同意性交等罪執行猶予を得ることはかなり厳しいといえるでしょう。

今回の事例では、Aさんが性行為についてVさんから同意を得ていたとして一部容疑を否認しているようです。
ですので、同意の有無が争点となるでしょう。

前回のコラムで解説したように、アルコールの影響や上司と部下の立場を利用して性行為を行った場合には、形式上同意を得ていたとしても不同意性交等罪が成立する可能性があります。
同意の有無については、VさんやAさんの供述、当日の飲酒量、AさんとVさんの会社での立場や普段の関係性などから総合的に判断されるでしょう。
どういった場合に不同意性交等罪が成立するのかは事例によって異なってきますから、不同意性交等罪の容疑をかけられている方は弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
不同意性交等罪などの刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、不起訴処分無罪判決を勝ち取れるかもしれません。
不同意性交等罪でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

お酒に酔っている女性から同意を得たうえで性行為をした事例①

2025-09-22

お酒に酔っている女性から同意を得たうえで性行為をした事例①

手錠

不同意性交等罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

Aさんは会社の部下であるVさんに好意を抱いていました。
AさんがVさんに2人で飲もうと誘ったところ、Vさんが了承をしたことから、2人きりでお酒を飲むことになりました。
飲酒開始から1時間程経った頃にはVさんは呂律も怪しくなるほど酔っ払ってしまいました。
AさんはVさんが2人で飲むことを了承したことや2人きりなのに酔っ払うほど自身に気を許していることから、Vさんも自身に好意を抱いているのだと思い、性行為をしてもいいかVさんにたずねました。
VさんがAさんの提案に同意したため、AさんはVさんと性行為を行いました。
翌日、酔いからさめたVさんが京都府向日町警察署に被害を相談し、Aさんは不同意性交等罪の疑いで逮捕されました。
Aさんは性行為についてVさんから同意を得ていたとして、不同意性交等罪の容疑を一部否認しているようです。
(事例はフィクションです。)

同意を得ていても不同意性交等罪は成立するの?

不同意性交等罪を簡単に説明すると、相手の同意を得ないで性交等にあたる行為をすると成立する犯罪です。
今回の事例では、AさんはVさんに性行為をしてもいいかの確認を取り、同意を得たうえで性行為を行っています。
このような場合でもAさんに不同意性交等罪が成立するのでしょうか。

刑法第177条1項
前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。

刑法第177条では不同意性交等罪を規定しています。
前条第1項各号とは不同意わいせつ罪を規定する刑法第176条1項を指します。

刑法第176条1項各号は以下のように掲げられています。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

上記の刑法第176条1項1号~8号にあたる行為などにより、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて性交等にあたる行為を行うと不同意性交等罪が成立することになります。

例えば、今回の事例のVさんは飲酒により酔っ払っています。
呂律も回らないほど酔っていたようですから、正常な意思決定ができない状態だった可能性が高いと思われます。
アルコールの影響で正常な判断を行えない状態だったのであれば、Aさんからの性行為の提案について提案されている内容を正確に理解することは難しく、同意しない意思を形成することは困難な状態にあったと考えられます。
ですので、Aさんに不同意性交等罪が成立する可能性があるといえるでしょう。

では、Vさんがアルコールの影響を受けていない場合はどうでしょうか。

結論から言うと、Vさんがアルコールの影響を受けていない場合であってもAさんに不同意性交等罪が成立する可能性があるといえます。

AさんはVさんの上司にあたります。
ですので、VさんはAさんからの提案を断ることによって会社でのAさんの地位が脅かされるのではないかと心配になったかもしれません。
この場合には、刑法第176条1項8号規定の「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。」に該当する可能性があり、Aさんに不同意性交等罪が成立する可能性があります。

今回の事例のAさんのように、同意を得ていると思っていても実際には同意を得れておらず、不同意性交等罪が成立する可能性があります。
不同意性交等罪は比較的科される刑罰の重い犯罪だといえます。
早期に弁護士に相談をすることで不起訴処分などより良い結果を得られる可能性がありますので、不同意性交等罪でご不安な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部無料法律相談をご利用ください。

盗撮事件を起こしてしまったら

2025-09-19

盗撮事件を起こしてしまったら

盗撮②

今回は、盗撮行為を行って逮捕されてしまった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

京都市山科区に住むAさんは、駅構内の階段で女性Vさんのスカート内にスマホを差し入れて下着を盗撮したことで逮捕されてしまいました。
Aさんは初めて逮捕されたことにより、頭が真っ白になっていますが、自分のした行為について反省しており、被害者に謝罪したい気持ちでいっぱいです。
逮捕されてしまったAさんですが、その後勾留されることなく、釈放されることになりました。
釈放となったAさんですが、今後どのような行動を取るべきかわからず途方に暮れている状況です。
(事例はフィクションです。)

盗撮事件

公共の場所(駅の構内や電車内、ショッピングセンター等)などにおいて盗撮行為を行うと性的姿態等撮影罪に問われる可能性があります。
性的姿態等撮影罪とは「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」のことをいいます。

法定刑は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金となっています。
(同法2条1項)

盗撮行為は逮捕されるのか

盗撮行為を行い、その場で被害者や警察に確保されてしまうと、そのまま現行犯逮捕となってしまうことが多いと思われます。
もちろん逮捕されずに在宅事件として捜査が続く場合もあるでしょう。
逮捕されてしまうと、逮捕後から最大で23日もの間、身体拘束されてしまう可能性があります。(起訴されたり再逮捕が行われた場合には更に身体拘束が続く可能性があります。)
ただし被害者と面識がなかった場合や被疑者と被害者の住居地が離れていたりする場合等の状況であれば勾留とはならず、早期に釈放されることもあります。

逮捕後釈放となれば

逮捕されてしまっても、勾留されずに釈放となれば、身体拘束が解かれて自由になるため、Aさん自身で弁護士を探すことができます。
そのため、刑事事件に強い弁護士を探して、今後についてどのように行動するべきかのアドバイスを受けましょう。
相談後、弁護士との相性がいいと感じれば、依頼を検討するのもいいでしょう。
迷う前にまずは弁護士を探して相談から始めましょう。

前科を避けるために

事例のAさんは盗撮をしたことにより、性的姿態等撮影罪に問われてしまう可能性があります。
前科を避けるためにはどのような行動が必要でしょうか。

被害者がいる事件においては、示談交渉が重要だと言われています。
被害者との示談交渉を行うことで不起訴処分を獲得できる可能性があります。
不起訴処分となれば前科とはなりません。

事例のような盗撮事件においては、示談等の適切な弁護活動を行うことで、不起訴処分を獲得できる見込みが十分あるといえるため、早期に弁護士に相談・依頼を行いましょう。

Aさんに必要な弁護活動

事例の事件において不起訴処分を獲得するためには、上記のとおり被害者との示談が極めて重要と言えるでしょう。
示談交渉は、被疑者自身でも行えますが、様々なデメリットも存在するため弁護士に依頼するのをお勧めいたします。
そもそも被疑者側が示談をしたいと思っても、被害者の連絡先が分からなければ何も始められません。
そんな状況でも弁護士であれば、弁護士限りで被害者の連絡先を教えてもらえる可能性があるため、有効な示談交渉が行えるでしょう。

盗撮事件を起こしてしまえば、まずは早期に弁護士に相談・依頼を行いましょう。
そして示談交渉は、法律の専門家である弁護士に一任することをおすすめいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件・少年事件に精通した法律事務所です。
盗撮事件を起こしてしまってお困りの方、ご家族が盗撮事件を起こして逮捕された方、その他刑事事件・少年事件を起こしてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

元交際相手の性的動画をSNSにアップしリベンジポルノ容疑で男を逮捕

2025-08-20

元交際相手の性的動画をSNSにアップしリベンジポルノ容疑で男を逮捕

サイバー犯罪2

元交際相手の性的動画を提供しリベンジポルノ容疑で逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

京都府亀岡警察署は今年1月24日、京都府亀岡市在住の男が30代の元交際相手の女性の性的な動画をSNSにアップしたとして、リベンジポルノ防止法違反の疑いで逮捕しました。
同署によりますと、昨年(2024年)12月5日に元交際相手の女性の性的動画をSNSにアップし、不特定多数の人が閲覧できる状態にしたとのことです。
男は「別れた腹いせにやった」と供述しているとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

リベンジポルノ防止法とは?

リベンジポルノとは復讐ポルノとも呼ばれ、元交際相手や元配偶者など私的な性的画像(動画や写真)を恨みや嫌がらせからネット上にアップし、不特定多数の人が見ることができるようにする行為のことをいいます。
以前はわいせつ物頒布等の罪(刑法第175条)、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律など複数の法律で対応してきましたが、2013年三鷹ストーカー殺人事件をきっかけに、リベンジポルノが世間の注目を浴び、また同様の犯罪が増加することになりました。
そのため既存法の隙間を埋めるように制定されました。

リベンジポルノ防止法は略称であり、正式には、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律といいます。
リベンジポルノ防止法は、大まかに説明すると、私事性的画像記録の提供等により個人の名誉及び私生活の平穏の侵害による被害の発生又はその拡大を防止することを目的として制定されました。

私事性的画像記録(私的な性的動画や写真))」とは以下のような内容になります。
①性交又は性交類似行為に係る人の姿態
②他人が人の性器等を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
③衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

また処罰内容は以下のようになります。
公表罪:第三者が撮影対象者を特定できる方法で、私事性的画像記録を不特定多数の人に提供したり公然と陳列する行為
3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(リベンジポルノ防止法第3条1項、2項)
公表目的提供罪:上記のような私事性的画像記録を不特定多数の人に提供したり公然と陳列させる目的で他人に提供する行為
1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金(リベンジポルノ防止法第3条3項)

またリベンジポルノは被害者またはその関係者からの告訴(捜査機関に犯罪を申告し、処罰を求めること)がなければ、検察は公訴(裁判にかけること)することはできません。(リベンジポルノ防止法第3条4項)

性的動画や写真に関する他の法律はどんなものがあるか?

他にも性的動画や写真を規制する法律は様々あります。
①性的な写真や動画を無断で撮影する行為
性的姿態等撮影罪各都道府県迷惑防止条例
②性的な写真や動画を有償・無償を問わず不特定多数の人が認識できる状態にする行為
わいせつ物頒布等罪(刑法175条)
③児童ポルノを保管・所持・作成・提供する行為
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律
④他人の名誉を傷つける行為
名誉毀損罪(刑法230条)

今回の事例では30代の元交際相手の私的な性的動画をSNSにアップし、不特定多数の人が見ることができる状態にしています。
そのためリベンジポルノ防止法違反に該当するでしょう。

リベンジポルノ防止法違反で逮捕されてしまったら

ネットにアップされた写真や動画の拡散を止めることは容易ではなく、被害者は一生癒えない傷を負うことになるでしょう。
そのため刑事罰で処罰されることがあっても、被害者感情としては収まらない可能性があり、民事訴訟に発展する可能性があります。
まずは被害者と示談交渉し、不起訴処分執行猶予、略式罰金など少しでも加害者にとって良い結果が得られるようにめざすことが大事になります。

実刑(拘禁刑)になった場合、退職を余儀なくすることになり経済的損失はもちろん、社会的な信頼に関わることになります。
更に、民事での損害賠償の請求があった場合対応することが困難になります。
被害者との示談交渉は顔見知りであっても個人間では大変難しく、経験のある弁護士が強い味方になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、多くの刑事事件を取り扱ってきた実績があります。
被害者と示談したいなどとお考えの方はフリーダイヤル:0120ー631ー881までお気軽にお問合せください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約は24時間365日受付中です。

14歳未満の少年による犯罪は逮捕されるか?

2025-07-04

14歳未満の少年による犯罪は逮捕されるか?

手錠

14歳未満の少年による盗撮に関する刑事事件の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

今年2月18日、京都府城陽警察署に中学生の男子生徒(13)が公園の公衆トイレに携帯を差入れ、盗撮をしたとして通報がありました。
男子生徒は京都府城陽市内にある公園の公衆トイレに女性の性的姿態を撮影する目的で携帯を差入れ、それに気が付いた女性が警察に通報しました。
現場に駆け付けた警察官によって同署に補導され、調査をうけているとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

触法少年とは?

少年(少女も含みます)とは20歳未満の者をいい「少年法」によって規定されています(第2条1項)。

また第3条では以下の少年は家庭裁判所の審判に付するとも定められています。
1.罪を犯した少年
犯罪少年といわれ、14歳以上20歳未満で罪を犯した少年をいいます。
その中でも18、19歳の者を特定少年と呼びます。
2.14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年
触法少年といわれ、罪を犯した14歳未満の少年をいいます。
3.次に掲げる事由があって、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年
①保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
②正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。
③犯罪性ある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入すること。
④自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
18歳未満で上記の①~④のいずれかに該当し、性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれがある少年をぐ犯少年と呼びます。

触法少年が罪を犯した後の手続きは?

1.警察による補導・触法調査
触法少年の場合は逮捕されることはなく、警察官によって補導されたり触法調査をされたりします。
ここでは事件の詳細はもちろんですが、少年の性格、生活環境など少年の健全な育成のための措置に資する目的としてヒヤリングしていきます(少年法第6条の2の2項)。

2.児童相談所の送致
警察官は、触法少年について保護が必要と判断した場合は児童相談所へ通告し、一定の重罪(①故意の犯罪行為によって被害者を死亡させた場合、②①以外に、死刑または無期もしくは短期二年以上の拘禁刑にあたる罪)を犯した場合、家庭裁判所に審判に付されることが相当と認められた時は、児童相談所へ送致されます。

触法少年は送致された児童相談所にて児童福祉的な観点から調査をうけることになります。
その結果、家庭裁判所に送致されるか、福祉的な措置(児童福祉法第27条)がとられるのかが判断されます。
家庭裁判所は触法少年と14歳未満のぐ犯少年については都道府県知事または児童相談所所長から送致をうけた時に限り審判に付することができます(少年法第3条2項)。

3.家庭裁判所に送致
家庭裁判所に送致された後、調査がおこなわれ、観護措置が必要な場合は少年鑑別所に送致されることがあります。
観護措置は通常4週間収容されることになるため、学校や職場を休まざるを得なくなります。
その後家庭裁判所による審判をうけ、不開始決定、不処分、施設への入所や、保護観察、少年院送致などが判断されます。

触法少年が補導されてしまったら

弁護士の活動として、まず警察に補導され、調査での供述が事実と相違がないか、違法な取調べをされていないかなども、弁護士が確認していきます。
少年は一時保護や観護措置のため児童相談所や少年鑑別所など施設に送致され、しばらく学校に通えない場合もあります。
特に触法少年の場合、今後の進路にも関わる大事な時期でもあるため学業に影響がでないよう、児童相談所や裁判所に働きかけることが重要になります。

また少年がスムーズに日常生活に戻れるよう、被害者との示談交渉、学校への働きかけ、少年の非行仲間との断絶や家族関係の修正など環境改善をし、また裁判所の調査官との面談や審判で反省と更生の意思があることを伝えていく弁護活動も大事になります。

触法少年の今後の人生を考え、環境改善やより少年に適した処分になるよう働きかける弁護活動は非常に重要で、少年事件に精通した弁護士の知識と経験は、とても心強い味方になります。
少年事件でお困りの方、ご相談したい方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までお問い合わせください。
フリーダイヤル:0120―631―88124時間365日ご予約受付中

公然わいせつ事件について ①

2025-06-20

公然わいせつ事件について ①

取調べを受ける男性

今回は、深夜の誰もいない公園で全裸になっていたところ、警察に職務質問された場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

Aさんは、日頃のうっぷんを晴らすために、京都府長岡京市にある深夜の公園で誰もいない時間を見計らって全裸になる行為をしていました。
ある日も同じように深夜の公園で全裸になっていたところ、パトロール中の京都府向日町警察署の警察官から職務質問を受け、職務質問の後、Aさんは公然わいせつ罪の疑いで取調べを受けることになってしまいました。
(事例はフィクションです。)

公然わいせつ罪

刑法には、公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処すると記載されています。
(刑法第174条)

法定刑は、6月以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となっています。

公然とは

公然わいせつ罪における公然とは、不特定または多数人が認識することのできる状態のことをいいます。
不特定または多数人が認識する可能性があれば足りるとされ、実際に認識したことは必要とされていません。

わいせつな行為

わいせつな行為とは、判例では、「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、普通人の性的羞恥心を害して善良な性的道義観念に反する」行為だとされています。

公然わいせつの具体例

公然わいせつ罪の具体例として公共の場所で、性器を露出する、性交等を行う、車の中から性器を見せ付けるという様な行為が挙げられます。

Aさんの行為について

Aさんは、公園において全裸になっています。
公園は、不特定または多数人が利用する公共の場所のため、公然性があるといえるでしょう。
全裸は性器の露出を伴うものであるため、わいせつ性が認められるでしょう。
よって、深夜の公園とはいえ、公共の場所において不特定または多数人が認識する可能性があるといえるため、公然わいせつ罪と判断されると思われます。
また、事例のAさんの行為は誰にも見られることはなかった様子ですが、実際に他人がわいせつ行為を認識した事は必要とされていないため、警察がAさんのわいせつ行為を確認して職務質問をしている以上、捜査されて事件化してしまう可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
公然わいせつ罪取調べを受けることになった方、捜査を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

自身のわいせつ画像をインターネット上にアップロードしてしまった行為について②

2025-06-06

自身のわいせつ画像をインターネット上にアップロードしてしまった行為について②

サイバー犯罪をする男性

今回は、わいせつ画像をネット上にアップロード(わいせつ電磁的記録媒体陳列罪)の行為をおこなってしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

ある日、京都府城陽市に住むAさんは興味本位からインターネット上の誰でも閲覧可能なウェブサイトに自身のわいせつ画像をアップロードしました。
後日、自身の行った行為が犯罪となることを知り、すぐにウェブサイト上の画像を削除しましたが、警察の捜査が始まるのではないかと心配しています。
(事例はフィクションです。)

捜査及び逮捕されるのか

Aさんのおこなった行為が発覚する経緯として考えられるのは、Aさんがアップロードしたわいせつ画像や動画等を見た人が警察に被害申告をする場合や、ウェブサイトを運営する管理者が被害申告をする場合、警察のサイバーパトロールによりアダルト画像等が発見されて捜査が始まる場合などが考えられると思われます。
いずれも警察が事件を把握すれば、捜査が始まる可能性は高いと言えるでしょう。

本事例の事件内容であれば、逮捕の可能性は低いと思われます。
ただし、全く逮捕されないというわけではなく、警察が悪質な事案で逮捕の必要性があると判断すれば、逮捕される可能性もあります。
わいせつな画像や動画等をアップロードしてしまったという方はすぐに弁護士に相談することをおすすめします。

もし逮捕されたら

逮捕されてしまったらどうすればいのでしょうか。
通常、逮捕されると、身柄を拘束されることになり、自由が制限されます。
また家族等にも連絡できず、ましてや事件の事について誰にも相談できない状況となります。

このような事態を避けるために、まずは、弁護士へ接見依頼を行いましょう。
弁護士へ接見依頼することで、弁護士は逮捕された方と面会することができ、的確なアドバイスをおこなうことができるのです。

逮捕・勾留による身柄拘束が長引くと、仕事や学校等の社会生活が送れず、最悪、会社を解雇、学校を退学処分となってしまうかもしれません。
そうならないようにするためにも、早期に弁護士に依頼し、早期釈放に向けた弁護活動を行うことが大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に精通した法律事務所です。
逮捕されてしまった方のために「初回接見」(有料)を実施しており、ご相談のお問い合わせについては、24時間365日受付中です。
わいせつ画像をアップロードしてしまった方やご家族が逮捕されてしまった方、その他の刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご相談ください。

自身のわいせつ画像をインターネット上にアップロードしてしまった行為について①

2025-06-01

自身のわいせつ画像をインターネット上にアップロードしてしまった行為について①

サイバー犯罪をする男性

今回は、わいせつ画像をネット上にアップロード(わいせつ電磁的記録媒体陳列罪)の行為をおこなってしまった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

ある日、京都府城陽市に住むAさんは興味本位からインターネット上の誰でも閲覧可能なウェブサイトに自身のわいせつ画像をアップロードしました。
後日、自身の行った行為が犯罪となることを知り、すぐにウェブサイト上の画像を削除しましたが、警察の捜査が始まるのではないかと心配しています。
(事例はフィクションです。)

わいせつ電磁的記録媒体陳列罪

わいせつ電磁的記録媒体陳列罪とは、刑法175条1項のわいせつ物頒布等罪の一つの類型のことをいい、わいせつな電磁的記録に係る記録媒体を陳列した場合に成立します。

わいせつ物頒布等罪は、刑法175条に規定されています。

わいせつ物頒布等罪(刑法175条)
1 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の拘禁刑若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は拘禁刑及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

最高裁判所の判例で、わいせつとは、いたずらに性欲を興奮または刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものとされています。

頒布とは、不特定又は多数の人に対して交付することをいいます。
有償無償は関係なく、不特定又は多数の人に交付した時点で頒布となると解されています。
また、1対1の交付は頒布にあたらないと解されています。

公然と陳列とは、不特定又は多数の人が認識できる状態に置くことです。
不特定又は多数の人が認識できる状態に置くことで成立となり実際に認識できたかどうかまでは要求されていないと解されています。

わいせつ電磁的記録媒体陳列罪により有罪判決を受けると、2年以下の拘禁刑若しくは250万円以下の罰金もしくは科料、又は拘禁刑及び罰金を併科されることになります。

どのような場合にわいせつ物陳列罪となるのか

・不特定多数の人が閲覧可能なインターネット上のウェブサイトにアダルト画像や動画等 をアップロードする
・不特定多数の人が閲覧できるSNS等にアダルト画像や動画等を公開する
・公共施設等、不特定多数の人が閲覧可能な場所にアダルト画像等を掲示する
このような行為がわいせつ物陳列罪に該当すると言えるでしょう。

Aさんは何罪となるのか

事例のAさんは、自身のわいせつな画像を不特定多数の人が閲覧可能なインターネット上のウェブサイトにアップロードしているので、わいせつ電磁的記録媒体陳列罪が成立することになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
わいせつ電磁的記録媒体陳列罪などで捜査を受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

入浴中の女性をのぞき見した容疑で男を逮捕

2025-05-21

入浴中の女性をのぞき見した容疑で男を逮捕

のぞき

入浴中の女性をのぞき見した容疑で逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務京都支部が解説いたします。

事例

京都府福知山警察署は今年2月14日、軽犯罪法違反のぞき見行為)の疑いで、京都府福知山市在住、無職の男(42)を逮捕しました。
同署によりますと男は同日午後8時ごろ、同市内の住宅の塀越しに浴室窓から、同住宅に住む女性(36)の入浴をのぞき見したとのことです。
女性がのぞき見している男に気付き、声をあげたところ、女性の家族が男を取り押さえ、駆け付けた警察官によって現行犯逮捕されたということです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

のぞき見とはどんな罪になるのか?

軽犯罪法の第1条23号には 「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」拘留又は科料に処する、と規定されています。
また、情状に因り、その刑を免除し、又は拘留及び科料を併科されることがあります(軽犯罪法第2条)。

正当な理由なく、公共の場所以外で通常衣服を脱ぐ場所(住居・お風呂・洗面所・トイレなど)を密かにのぞき見した場合が該当します。
その場合、拘留又は科料に罰せられます。
拘留とは刑法での刑罰の一種で、1日以上30日未満の期間、刑事施設に収監されることです。
科料とは1000円以上1万円未満の金銭を支払わせる刑罰のことで、罰金は1万円以上と金額に違いがあります。

これが公共の場でののぞき見になると、京都府迷惑行為等防止条例第3条1項4号(公共の場所又は公共の乗物にいる他人に対して、着衣等で覆われている他人の下着又は身体の一部をのぞき見すること。)に該当することになり、この場合の罰則は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と規定されています(同法第10条1項)。
そのため公共の場でののぞき見の方の処罰が重くなります。

今回の事例は塀越しに他人の住居の浴室の窓から女性の入浴をのぞき見していますので、軽犯罪法違反に該当し、拘留か科料に科せられることになるでしょう。
場合によっては拘留と科料が併科される可能性もあります。
もし塀を越えて他人の住居敷地に侵入した上、のぞき見をしていた場合は、住居侵入罪軽犯罪法違反の牽連犯(犯罪の手段や結果が他の罪名に該当する犯罪形態のことをいいます。(刑法第54条第1項後段に規定))が該当することになるでしょう。

のぞき見で逮捕されてしまったら

のぞき見で捜査機関によって逮捕され検察に送致された場合、不起訴を目指すのであれば、被害者との示談が重要になってきます。
被害者の連絡先は事件を担当している検察官が把握しており、弁護士が検察官に示談をしたい旨を説明することで検察官が被害者に情報開示をしてもいいか確認をしてくれます。
開示の承諾を得られたら弁護士から被害者へ直接連絡をし、示談交渉をすることができます。
もしこれが個人間での交渉でしたら、情報開示は難しいでしょう。
また性犯罪に関しての示談では被害者感情などにより、難航する場合があります。
その場合、刑事事件の法律や手続きに詳しい、弁護士のサポートは心強い味方となります。

のぞき見などで現在捜査を受けている方は、
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部のフリーダイヤル:0120―631―881までお気軽にお問合せください。
無料法律相談のご予約は、24時間365日受付中です。

好意を抱いた部下の家に忍び込み、お風呂場にカメラを仕込んで、下着を盗んだ事例⑥

2025-05-07

好意を抱いた部下の家に忍び込み、お風呂場にカメラを仕込んで、下着を盗んだ事例⑥

下着泥棒

下着泥棒盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

人事部で働くAさんは同じ会社に勤務しているVさんに好意を抱いていました。
Vさんの下着がほしいと思ったAさんは、人事部に配属されている立場を利用し、Vさんの住所を手に入れました。
翌日、Aさんは会社を休み、Vさんの勤務時間中にVさん宅に忍び込みました。
Aさんは、入浴姿を撮影するためVさんにバレないようにお風呂場にカメラを仕込み、タンスの中から、下着を数点盗みました。
1週間後、カメラの回収のため、再度、AさんはVさん宅に忍び込みました。
Aさんは、体調不良のため会社を休んでいたVさんに見つかって通報され、京都府城陽警察署の警察官に逮捕されました。
(事例はフィクションです。)

不起訴処分を目指して

Aさんと被害者であるVさんは同じ職場で働いています。
ですので、Aさんが今の職場で働き続けることは難しいでしょう。
仕事をして収入を得ないと生活をしていけないでしょうから、Aさんは新たに仕事を探す必要があると思われます。
もしも今回の事件でAさんに前科が付いてしまった場合、Aさんの再就職活動に不利にはたらいてしまうかもしれません。

Aさんに前科が付かない方法はあるのでしょうか。

前科は刑罰を受けた経歴のようなものですので、刑罰を科されなければ前科は付きません。(執行猶予判決を得た場合にも前科は付きます。)
ですので、当然、無罪判決を得られれば刑罰を科されませんから、前科は付かないことになります。
ですが、AさんはVさん宅に侵入中に逮捕されているわけですから、少なくとも住居侵入罪については有罪だと証明するに足る十分な証拠があると考えられますので、Aさんが無罪を獲得する確率は極めて少ないと考えられます。

では、Aさんに前科が付くことは避けられないのでしょうか。

前科を避ける方法として無罪判決を獲得する他に、不起訴処分を獲得するという方法があります。
不起訴処分になる理由の一つとして「起訴猶予」があります。
起訴猶予による不起訴処分では、被疑者が犯罪を犯したことを証明する証拠が十分にある場合であっても情状などにより不起訴処分を得られる可能性があります。

起訴猶予による不起訴処分を得る方法の一つとして、示談交渉があげられます。
示談交渉では、謝罪と賠償の申し入れを行い、双方が納得のいく示談内容を模索し、示談の締結を目指します。

Aさんは逮捕されていますので、現状、Aさんが直接Vさんと示談交渉を行うことはできません。
また、Aさんから危害を被ったVさんとしてはAさんと直接やり取りを行うことに抵抗感を覚えるでしょうから、Aさんとの直接のやり取りを拒む可能性が高いため、Aさんの釈放後であってもAさんが直接Vさんと示談交渉を行うことは難しいでしょう。
弁護士を介して示談交渉を行うことで、円滑に示談を締結できる可能性がありますから、示談を考えている場合には、弁護士に相談をすることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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