Archive for the ‘刑事事件’ Category

文書偽造罪と詐欺罪①

2019-02-09

文書偽造罪と詐欺罪①

滋賀県長浜市に住んでいるAさんは、V銀行から住宅ローンの融資を受けたいと考えていましたが、V銀行が融資をする借入条件の年収に届かない年収でした。
そこでAさんは、源泉徴収票や所得証明書を偽造して、実際の収入よりも多い収入のあるような偽の源泉徴収票や所得証明書を作成しました。
そしてAさんは、それらの偽の書類をV銀行に提出し、住宅ローン3,500万円を融資してもらいました。
しかしその後、Aさんの収入が嘘であったことや、提出された書類が偽物であることが発覚し、V銀行が滋賀県木之本警察署に届け出たことで、Aさんは詐欺罪有印公文書偽造・同行使罪などの容疑で滋賀県木之本警察署に逮捕されてしまったため、Aさんの家族は京都府滋賀県刑事事件に対応している弁護士に相談しました。
(※平成31年2月6日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・文書偽造罪と詐欺罪

今回のAさんは、収入部分を偽った源泉徴収票や所得証明書を作成し、住宅ローンの融資を受けていますが、どの部分でどういった犯罪が成立しうるのでしょうか。

【文書偽造罪】
まず、Aさんは偽の源泉徴収票や所得証明書をV銀行に住宅ローンの審査のために提出する目的で作成しています。
この点につき、文書偽造罪が成立すると考えられます。

文書偽造罪の言う「偽造」とは、一般的に、その名義でその文書を作成する権限がないにもかかわらず、勝手に他人名義で文書を作ってしまうことを指します。
そして、単にすでに存在している他人名義の文書の内容を変更することは「偽造」ではなく「変造」と呼ばれるのですが、「変造」と呼ばれるのは文書の非本質的部分を変更した時だけです。
つまり、他人名義の文書の内容を変更した時でも、その変更された部分が文書の本質的部分である場合には「偽造」したと認められるのです。

今回のAさんの行為をこれに当てはめて考えてみましょう。
Aさんが変更したのは源泉徴収票と所得証明書の収入の部分です。
源泉徴収票とは給与等の支払額や源泉徴収額を証明する文書であり、所得証明書とは所得とそれに対する住民税の課税金額を証明する文書です。
両者のこうした性質からすれば、収入額は源泉徴収票と所得証明書の本質的な部分といえますから、それを勝手に偽ったAさんはこれらの文書を偽造したと言えそうです。

文書偽造罪といっても、偽造する文書の種類により、成立する犯罪名が異なります。
例として2つの文書偽造罪を挙げてみます。

刑法155条1項(有印公文書偽造罪)
行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、1年以上10年以下の懲役に処する。

刑法159条1項(有印私文書偽造罪)
行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、3月以上5年以下の懲役に処する。

この2つの違いは、文書の作成者が誰か、という点です。
公務員や公務所が作成する文書で印章を使用する文書を偽造した場合には、「有印公文書偽造罪」が成立しますし、私人の作成する文書で印章を使用する文書を偽造した場合には「有印私文書偽造罪」が成立します。
今回のAさんは、会社が発行する源泉徴収票と、役所が発行する所得証明書を偽造しています。
ですから、それぞれ「有印私文書偽造罪」と「有印公文書偽造罪」が成立すると考えられるのです。
なお、こうして偽造された文書を使用した場合には、文書偽造罪だけでなく、偽造文書を行使した罪も成立します。

このように、文書偽造罪はそもそも「偽造」になっているのかという点からも争われる可能性のある犯罪であり、何を偽造したかによっても罪名や法定刑の変わってくる複雑な犯罪です。
文書偽造罪でお悩みの際は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください(お問い合わせ:0120-631-881)。
次回はAさんについて成立しうるもう1つの罪である詐欺罪について取り上げます。

【京都府亀岡市】すり窃盗事件で逮捕

2019-02-05

【京都府亀岡市】すり窃盗事件で逮捕

Aさんは、節分でにぎわっている京都府亀岡市の神社で、参拝客であるVさんのカバンから財布をすりました。
しかし、Vさんの近くにいたBさんがすりの犯行を目撃し、Aさんを取り押さえ、現行犯逮捕しました。
そして、警戒にあたっていた京都府亀岡警察署の警察官にAさんを引き渡し、Aさんは警察署に連行され、窃盗罪の容疑で取調べを受けることになりました。
取調べで、Aさんは余罪についても容疑をかけられていることを知り、家族の依頼で接見に訪れた弁護士に対応を聞いてみることにしました。
(※平成31年2月3日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・すりによる窃盗事件

すりとは、窃盗の手口の1つを指す言葉で、人ごみの中などで、他人の懐の中などから金品などを気づかれないように盗む行為を指します。
京阪神地方では、すりのことを「チボ」などと呼ぶこともあるようです。
すりは、刑法235条に規定のある窃盗罪に該当する犯罪です。

刑法235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

警察庁の統計(警察白書)によると、平成29年中に認知されたすりによる窃盗は3,524件でした。
そして、京都府警の統計によると、京都府警が認知した平成29年中のすりによる窃盗は47件でした。
窃盗犯全体からするとこの数字はそこまで多くはありませんが、単純に考れば、京都府警の管轄地域で1か月に4件程度のすりによる窃盗が認知されていることになります。
特にこれからバレンタインや春休みなど、人ごみの多くなる時期ですから、すりによる窃盗事件の被害に遭わないことはもちろんのこと、出来心ですりによる窃盗事件を起こさないようにということにも注意すべきでしょう。

・現行犯逮捕

上記事例のAさんは、すり行為の目撃者であるBさんに現行犯逮捕されています。
このように、現行犯逮捕の場合には警察などの捜査機関以外の一般人でも行うことができます。
通常の逮捕は、捜査機関など決められた立場の者しか行うことができず、さらに逮捕状も必要となります。
逮捕されるということは、強制的に身柄を拘束されるということですから、当然被疑者にかかる負担は大きく、被疑者の人権を侵害することになるため、厳格に要件が定められているのです。
しかし、現行犯逮捕の場合、その場で犯罪が行われていることから冤罪の可能性が低いなどの事情もあり、逮捕状なしでの逮捕や私人(一般人)の逮捕が認められています。

現行犯逮捕されてしまった場合、逮捕状が示されて逮捕されるわけではないので、ご家族など周囲の方が、どのような容疑で逮捕されてしまったのかを把握しないまま逮捕の事実だけ知らされる、というケースが多く存在します。
そうした場合、ご家族としてはどのようなサポートをすべきなのかもわからず、困ってしまうことも多いです。
こうした場合にこそ、弁護士を利用することをご検討いただきたいのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が逮捕された方のもとへ面会に向かう初回接見サービスを行っています。
現行犯逮捕されてしまった方の容疑やその見通しが分からないとお困りの方、逮捕されてしまった方へアドバイスをしてほしいと考えている方にはこちらのサービスがおすすめです。
特に弊所の弁護士による初回接見サービスでは、お申込みから最短即日で逮捕された方への面会とご依頼者様へのご報告を行うことができますから、安心してご利用いただけます。
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長浜市の業務上横領・薬機法違反事件で逮捕なら

2019-02-04

長浜市の業務上横領・薬機法違反事件で逮捕なら

Aさんは、滋賀県長浜市にある病院で、薬剤部の管理職として働いています。
ある日Aさんは、自分の管理している薬の中に、知人が欲しがっていた薬があることに気が付きました。
そこでAさんは、その薬を抜き出し、知人に手渡しで販売しました。
こうしたことに味を占めたAさんは、管理している薬の在庫をごまかし、売却することを繰り返していました。
しかし、監査によって薬の在庫におかしな点があることが判明し、病院は滋賀県長浜警察署に届出ました。
その後、Aさんによる着服が発覚し、Aさんは業務上横領罪薬機法違反の容疑で逮捕されることとなりました。
(※平成31年1月21日福井新聞ONLINE配信記事を基にしたフィクションです。)

・お金でなくても業務上横領罪?

業務上横領罪というと、銀行員や経理として働いている人が銀行や会社のお金を着服する、というイメージが強いかもしれませんが、業務上横領罪の対象となる物はお金そのものだけとは限りません。

刑法253条(業務上横領罪)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

業務上横領罪の対象となる物は、「業務上自己の占有する他人の物」です。
「物」としか定めがありませんから、それがお金かどうかは業務上横領罪が成立するうえで問題とはなりません。
「自己の占有する」とは、自分が管理・支配している、という意味です。
今回の事例に当てはめてみると、Aさんは薬剤部の管理職として働いており、その立場に基づいて反復継続して薬を管理していました。
しかし、その薬はAさん自身の物ではなく、当然病院の物です。
ですから、Aさんの管理している薬は「業務上自己の占有する他人の物」であり、それを横領することは業務上横領罪となるのです。

なお、業務上横領罪にいう「横領」とは、自身の権限を越えてその物に対して行う不法領得の意思を実現する一切の行為を言うとされています。
今回のAさんは、薬を管理してこそいますが、勝手に薬を自分の物にして第三者に売ってしまうような権限はないでしょうから、「横領」したと考えられるのです。

・薬を売ったら薬機法違反?

今回のAさんは、横領によって着服した薬を勝手に第三者に販売していますが、これは薬機法違反医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律違反)になる行為です。
薬機法では、医薬品や医薬部外品、化粧品を業として販売するために許可を受けなければならないと規定しています(薬機法12条1項)。
しかし、今回のAさんは勝手に第三者に薬を販売していたのですから、この規定に違反する無許可販売を行っていたことになります。
薬の無許可販売で薬機法違反となると、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処せられるか、又はこれらの併科とされる可能性が出てきます(薬機法84条2号)。

今回のAさんのように、その行為の態様によっては、業務上横領罪薬機法違反という、一見なかなか結びつかないような犯罪を同時にしてしまうこともありえます。
こうした場合、処分の重さはもちろん、それぞれの犯罪がどうして成立するのか、それぞれの犯罪に合った弁護活動はどのようなものか、といった様々なことを考慮しなければならず、逮捕されてしまった本人だけでなく、周囲の方も不安になってしまうことでしょう。
こうした時こそ、刑事事件専門の弁護士事務所である弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスをご利用ください。
弊所の弁護士は、ご依頼いただいてから24時間以内逮捕された方と面会し、最短即日でご依頼者様へご報告とアドバイスを行います。
お問い合わせ・お申込みは0120-631-881で専門スタッフが受け付けておりますので、まずはお気軽にお電話ください。
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(西京区)危険ドラッグで薬機法違反②

2019-02-03

(西京区)危険ドラッグで薬機法違反②

~前回からの流れ~
京都市西京区に住んでいるAさんは、ある日、インターネットで「ヒーリング効果のあるハーブ」「疲れの取れるお香」とうたわれている商品を見つけました。
掲示板の印象や商品のイメージから、もしかすると違法な薬物なのではないか、という不安をもったAさんでしたが、「これは覚せい剤や麻薬ではありません」という文章があったことから、それらのハーブやお香を購入し、使用していました。
するとある日、京都府西京警察署の警察官がAさんの自宅を訪れ、薬機法違反の容疑で家宅捜索をし、ハーブやお香を押収しました。
そして、Aさんに任意で尿の提出を求め、Aさんはそれに応じました。
結果は後日連絡すると言われたAさんでしたが、もしかすると自分の使用していたものは違法なものだったのかと不安になり、弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・今回のAさんの場合

前回触れたように、危険ドラッグの所持や使用は薬機法違反となる犯罪で、検挙されれば刑事事件となります。
では、今回薬機法違反を疑われているAさんの場合、どのような手続きや流れをたどっていくことになるのでしょうか。

危険ドラッグ薬機法違反に限らず、犯罪は「故意」がなければ成立しません。
しかし、では全て「そのつもりがなかった」と言えば無罪放免となるかというと、そういうわけでもありません。
例えば今回のAさんは、「危険ドラッグを使おう」と積極的に考えていたわけではないでしょう。
しかし、「違法な薬物なのではないか」という考えも持っていたこともたしかです。
こうした場合、「違法な薬物でもいいだろう」とあえて使用したような場合では、故意があると判断される可能性もあります。
特に最近では、危険ドラッグについての情報も周知されていることから、「危険ドラッグかもしれない」という認識があったのではないかと調べられることになるでしょう。

Aさんが危険ドラッグの認識について争うつもりであろうとなかろうと、危険ドラッグによる薬機法違反事件の場合、家宅捜索や逮捕を伴う取調べなど、強制力のはたらく捜査がなされる可能性が高まります。
薬物犯罪では、証拠隠滅が比較的容易であるとされているためです。
現在Aさんは警察からの連絡待ちというような状態ですが、この後、家宅捜索で押収されたものの鑑定結果や尿の鑑定結果が出れば、警察から何らかの連絡が来たり、逮捕されたりということが考えられます。
Aさんがそうしたアクションが起こる前に弁護士に相談をしに行ったのは非常に大切なことと言えます。
なぜなら、逮捕されてしまった場合、すぐに自分自身で弁護士に会いに行って相談する、ということはできませんから、最初から専門家のアドバイスを頭に置きながら対応していくことが難しくなってしまうからです。

もちろん、家宅捜索で出てきた危険ドラッグが簡易鑑定等によりすぐに危険ドラッグであると判明し、その場で逮捕されてしまう、ということもありえます。
そうした場合にも、すぐに弁護士と面会し、アドバイスをもらったり、被疑者の権利について教えてもらったりすることが重要となるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回無料法律相談を行っていますので、刑事事件で不安なことがあれば、早めに弁護士に相談していただくことが可能です。
また、弁護士に相談する前に逮捕されてしまったという方にも迅速に対応できるよう、初回接見サービスの実施も行っています。
どちらも24時間対応のフリーダイヤル0120-631-881でお問い合わせを受け付けていますので、まずはこちらまでお電話ください。
京都府西京警察署までの初回接見費用:3万6,800円)

(西京区)危険ドラッグで薬機法違反①

2019-02-02

(西京区)危険ドラッグで薬機法違反①

京都市西京区に住んでいるAさんは、ある日、インターネットで「ヒーリング効果のあるハーブ」「疲れの取れるお香」とうたわれている商品を見つけました。
掲示板の印象や商品のイメージから、もしかすると違法な薬物なのではないか、という不安をもったAさんでしたが、「これは覚せい剤や麻薬ではありません」という文章があったことから、それらのハーブやお香を購入し、使用していました。
するとある日、京都府西京警察署の警察官がAさんの自宅を訪れ、薬機法違反の容疑で家宅捜索をし、Aさんの持っていたハーブやお香を押収しました。
Aさんはもしかすると自分の使用していたものは違法なものだったのかと不安になり、弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・危険ドラッグ

警察等が中心となって周知活動を行っていることもあり、危険ドラッグの存在も、世間に知られるようになりました。
危険ドラッグは、「合法ドラッグ」「脱法ハーブ」「デザイナーズドラッグ」等とも呼ばれている薬物です。
危険ドラッグは、覚せい剤や麻薬とは別物ではありますが、こうした違法薬物同様に、快感を高める薬物とされ、販売・使用されているようです。
危険ドラッグは、麻薬や覚せい剤よりも比較的安価に手に入ると言われています。
また、危険ドラッグが販売される際には芳香剤やお香、ハーブといった形を装って販売されることが多く、気軽に手に取ってしまいやすいという特徴もあります。
しかし、その成分には麻薬や覚せい剤よりも危険な物質が多く含まれているというケースもあるため、注意が必要です。

先ほど紹介した危険ドラッグの別称に「合法ドラッグ」や「脱法ハーブ」といったものがありましたが、現在では危険ドラッグは「指定薬物」として法律で禁止されています。
「指定薬物」として危険ドラッグを規制しているのは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(略称:薬機法)という法律です。

薬機法76条の4
指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの(以下この条及び次条において「医療等の用途」という。)以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。

薬機法84条
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
26号 第76条の4の規定に違反した者(前条に該当する者を除く。)

危険ドラッグの所持や使用による薬機法違反では、薬物犯罪には珍しく罰金刑の規定も存在します。
ですから、態様等によっては、正式裁判にならないよう、罰金刑での事件終了を目指していくという弁護活動も考えられるでしょう。
しかし、100万円よりも多額の罰金が求刑される予定であれば、正式裁判とならざるを得ませんし、これだけ重い刑罰の犯罪ですから、そもそも懲役刑を求刑される可能性も低くはありません。
危険ドラッグの所持や使用で薬機法違反を疑われたら、弁護士に相談して今後の処分の見通しを立ててもらうことが重要となるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、危険ドラッグによる薬機法違反事件ももちろんご相談いただけますので、お困りの際はお気軽に弊所弁護士までご相談下さい。

~お問い合わせ用フリーダイヤル:0120-631-881※24時間365日対応中~

スクールセクハラで逮捕されたら

2019-02-01

スクールセクハラで逮捕されたら

Aさんは、京都府南丹市の中学校に勤務する教師です。
ある日Aさんは、自分の受け持つ生徒であるVさん(12歳)とその両親に、「うちの娘がスクールセクハラを受けたと言っている。京都府南丹警察署に被害届を出す」と言われました。
Aさんにとって全く身に覚えのない話であったのですが、その後、Aさんは京都府南丹警察署強制わいせつ罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんの逮捕にすぐに対応してくれる刑事事件に強い弁護士に相談し、まずはAさんへの接見を依頼することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・スクールセクハラとは

スクールセクハラという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
スクールセクハラとは、スクール・セクシュアル・ハラスメントの略称であり、学校など教育現場におけるセクハラ=性的な嫌がらせのことを指します。
スクールセクハラは、教師対生徒で起こるケースがよく取り上げられますが、教師対教師、生徒対生徒の場合でも学校などの教育現場で起こればスクールセクハラとされます。

・スクールセクハラは犯罪になる?

通常のセクハラでも問題になるように、スクールセクハラという呼ばれ方をしていても、それが法律に触れる行為であれば刑事事件になります。
例えば、今回のAさんは強制わいせつ罪の容疑をかけられています。

刑法176条(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

スクールセクハラで暴行・脅迫を用いてわいせつな行為をしていたような場合には、この条文に該当し、強制わいせつ罪に問われることになります。
また、スクールセクハラの相手が13歳未満であれば、暴行・脅迫がなくともわいせつな行為をした時点で強制わいせつ罪となることになります。
スクールセクハラの起こった場所が中学校や小学校であった場合には、特にこの刑法176条後段に該当して強制わいせつ罪となることにも注意が必要です。

他にも、強制性交等罪や各都道府県の迷惑防止条例違反、児童買春・児童ポルノ禁止法違反、児童福祉法違反など、スクールセクハラによって成立する可能性のある犯罪は多く存在します。
繰り返しになりますが、たとえ学校内で起こったことであっても法律に違反すれば犯罪であり、刑事事件少年事件となります。
スクールセクハラといえば聞こえは軽いかもしれませんが、捜査や逮捕の可能性が出てくるのです。

・やっていないスクールセクハラで逮捕されてしまった…

上記事例のAさんは、スクールセクハラによる強制わいせつ罪の容疑をかけられて逮捕されてしまっていますが、容疑を否認しているようです。
特にAさんのように否認をしている刑事事件では、証拠隠滅や逃亡の可能性を考慮され、逮捕による身体拘束がなされやすいと言われています。
しかし、否認している本人からすれば、やっていないことを疑われ続ける環境に1人で耐え続けなければならない環境は非常に負担の大きいものです。

こうした場合にこそ活用していただきたいのが、刑事事件に強い弁護士の存在です。
例えば、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、24時間いつでも初回接見サービスのご依頼を受け付けています。
初回接見サービスでは、逮捕され犯罪の容疑をかけられている被疑者本人に弁護士が会いに行きます。
法律のプロから直接アドバイスをもらうことができるのは、取調べに対応していかなければならない被疑者本人にとって非常にメリットの大きいことです。
特に否認の刑事事件では、取調べの対応の仕方1つで冤罪を回避できることもありますから、逮捕に困ったらすぐにでも弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスは0120-631-881でいつでもお問い合わせいただけます。
まずはお気軽にお電話ください。
京都府南丹警察署までの初回接見費用:4万1,300円)

滋賀県米原市の口座譲渡詐欺事件で逮捕

2019-01-31

滋賀県米原市の口座譲渡詐欺事件で逮捕

Aさんは、滋賀県米原市にあるV銀行で自身名義の預金口座を開設し、通帳やキャッシュカード等を受け取りました。
しかし実はその口座は、Aさんが知人であるBさんから頼まれて開設したものであり、Aさんはその口座を自分で利用するつもりは一切ありませんでした。
Aさんはキャッシュカードや通帳をBさんに渡して暗証番号なども教えることで、お礼として5万円をもらいました。
その後、Aさんのもとに滋賀県米原警察署の警察官がやってきて、Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
どうやらAさんがBさんに譲渡した口座が特殊詐欺に使われ、そこから捜査の手が伸びたようです。
Aさんの家族は、すぐに逮捕に対応してくれる刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(※平成31年1月24日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・譲渡するつもりで口座開設すると…

昨今、オレオレ詐欺などに代表される振り込め詐欺・特殊詐欺が話題に上ることも多く、これらの犯罪を防止しようという動きも活発になってきています。
各都道府県の警察が周知のためにホームページ上や交番等で情報を掲載したり、報道番組でこれらの詐欺事件の手口や注意点を報道したり、といった場面も多く見られます。
こうした詐欺事件は組織的に行われていることも多く、バイト感覚で行ったら実は詐欺の片棒を担がされていた、というケースも見られます。

さて、今回のAさんは、他人に譲渡する目的で銀行口座を開設し、逮捕されてしまっています。
先ほど触れたような特殊詐欺事件では、他人の口座を譲受け、それを利用して特殊詐欺を働いているというケースも多くあります。
特殊詐欺を行うことはもちろん詐欺罪に該当することですが、他人への譲渡を目的として自身の口座を作ることも詐欺罪となってしまうのでしょうか。

まず、そもそも、金融機関では、口座を他人に譲渡することや、他人がその口座を利用することについては、利用規約などで禁止していることがほとんどです。
上記で例としてあげた特殊詐欺などに利用されてしまうことが考えられるほか、銀行にしてみればその人を信用して口座を開設するわけですから、その人本人が利用するのかどうかは大切なことなのです。
ですから、他人に口座を譲渡することを隠して預金口座を開設するということは、銀行からすれば口座を開設するかどうかに関わる重要な事項を偽られているということになるのです。
ここで、詐欺罪の条文を確認してみましょう。

刑法246条(詐欺罪
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪の「人を欺いて」というのは、財物を交付する際に交付するかどうかを判断する重要な事柄を偽るということを指します。
先述のように、銀行は他人にその預金口座を譲渡するという目的を知っていれば、預金口座を開設して通帳やキャッシュカード=財物を渡すということはしないでしょう。
ですから、今回のAさんのように、預金口座を他人に譲渡する目的で開設し、通帳やキャッシュカードを受け取るという行為は、銀行に対する詐欺罪に該当すると考えられるのです。

なお、もしもAさんが、譲渡した口座が特殊詐欺に使用されることを知っていたり、そもそも特殊詐欺の計画を一緒に立てて口座を調達する役割を負っていたりするような場合には、銀行に対する詐欺罪だけでなく、特殊詐欺の共犯として、特殊詐欺の被害者に対する詐欺罪についても問われてしまう可能性があります。

・口座譲渡詐欺事件の弁護活動

今回のような口座譲渡詐欺事件の場合でも、詐欺行為の被害者が存在するため、まずは被害者である銀行への被害弁償や謝罪が必要となってくるでしょう。

また、こうした口座譲渡詐欺事件では、特殊詐欺事件の方への関与も疑われ、逮捕や勾留といった身体拘束をともなっての取調べが行われることが予想されます。
組織的詐欺であれば、証拠隠滅のおそれもあると判断され、逮捕・勾留の可能性が高まると同時に、家族であっても面会を禁止される可能性が出てきます。
こうした場合には、取調べへの対応を逐一確認しながらの受け答えや、身柄解放活動や接見禁止の一部解除を目指した活動が重要となってきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、口座譲渡詐欺事件を含む詐欺事件のご相談も多く承っています。
弊所の初回接見サービスでは、お申込みから24時間以内弁護士が派遣されるため、最短即日での対応も可能です。
口座譲渡詐欺事件逮捕にお困りの際は、まずは弊所弁護士までご相談ください。
滋賀県米原警察署までの初回接見費用:3万9,960円)

土下座強要で示談

2019-01-30

土下座強要で示談

Aさんは、京都府八幡市内にあるコンビニに行き、弁当とアイスクリームを買いました。
そして、会計の際に弁当を温めてもらったところ、従業員のVさんが何も言わずに弁当とアイスクリームを一緒に入れたことに腹が立ちました。
そこで、AさんはVさんに対して怒号を浴びせ、カウンターを拳で叩いたりVさんを威圧したりして、Vさんに対して土下座を求めました。
それに応じてVさんは土下座をしましたが、後日コンビニの店長が京都府八幡警察署に相談して被害届を出しました。
これにより、Aさんは強要罪および威力業務妨害罪の疑いで逮捕されたことから、弁護士示談を依頼しました。
(※この事例はフィクションです。)

・土下座強要に成立する罪

最近、コンビニをはじめとする店において、客が従業員に対して土下座するよう迫る「土下座強要」が見られるようになりました。
中には従業員が土下座する様子を動画で撮るケースもあり、土下座強要に対する社会の認知度や、これを問題視する声も高まっているところです。

土下座強要を行った場合、成立する可能性のある罪としては以下のものが考えられます。

①強要罪
まず、暴行または脅迫を手段とし、人に義務のないことを負わせたとして、強要罪に当たる可能性があります。
いくらサービス業とはいえ、店の従業員が利用客に対して土下座をしてまで謝罪する義務を負っているとは考えられません。
そうすると、土下座強要は人に義務のないことを負わせるものと言え、暴行または脅迫があれば強要罪となる余地があります。
ちなみに、強要罪における「暴行」は、人に対する強要の手段であれば、たとえその対象が物であっても差し支えないと考えられています。
そのため、レジの周囲に存在する物に対して暴行が行われていても、「暴行」を用いたとして強要罪が成立する余地はあります。

②威力業務妨害罪
土下座強要は、他人の業務を妨害する危険があると言えることから、威力業務妨害罪が成立する可能性もあります。
威力業務妨害罪の手段となる「威力」は、暴行や脅迫をより広い意味を持つ、人の意思を制圧するに足りる勢力を指すとされています。
つまり、暴行や脅迫に至らずとも、それらに近い行為であれば「威力」に当たる余地があるということになります。
裁判例では、脅迫に至らない怒号のような言葉を用いたケースで威力業務妨害罪の成立を認めているものがあります。

・示談による解決

強要罪の法定刑は3年以下の懲役となっており、威力業務妨害罪の法定刑は3年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
そのため、もし土下座強要により両罪が成立するとなると、正式裁判となって厳しい刑が科されるおそれがあります。
そこで、被害者と示談を行い、場合によっては不起訴に、それが叶わずとも執行猶予刑の減軽に持ち込むことが考えられます。

土下座強要事件では、示談の相手方が土下座強要をされた者土下座強要により業務を妨害された店の二方となることがあります。
そうなった場合、特に逮捕を伴うケースにおいては、起訴までの短期間で迅速に示談をまとめ切る必要があります。
また、土下座強要をされた被害者のの恐怖心から、本人による示談に応じてくれない可能性は十分あります。
そうした事情を考慮すると、やはり示談交渉弁護士に依頼するのが得策です。
弁護士であれば、これまで様々な事件を取り扱った経験から、交渉決裂のリスクを抑えつつ円滑に示談交渉を行うことが期待できます。
加えて、弁護士は法律の専門家であるため、のちの刑事処分や訴訟などによる紛争の蒸し返しに備えて、適切な内容の示談を締結することも可能です。
こうした弁護士の強みは、事件を最良の結果で早期に終了させるうえで大きな役割を果たすでしょう。

土下座強要は重大な事件として扱われる可能性がありますが、それでも上手く示談を締結できれば不起訴となる希望は見えてきます。
ですので、もし土下座強要をしてしまっても、不起訴の可能性を捨てずに一度弁護士に相談してみてください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、これまで数多くの刑事事件を取り扱ってきた刑事事件少年事件専門の法律事務所です。
最近問題視されている土下座強要についても、刑事事件のプロである弁護士が的確なアドバイスを致します。
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あおり運転と交通事故③

2019-01-28

あおり運転と交通事故③

~前回からの流れ~
AさんとBさんは、京都市左京区内の道路で、それぞれの自動車を運転していました。

Aさんの車はBさんの車の前方を走っていたのですが、後続のBさんの車が車間距離を詰めてきたことに腹を立て、故意に急ブレーキをかける行為を繰り返しました。

何回か目の急ブレーキで対応しきれなかったBさんの車がAさんの車へぶつかったことで追突事故となり、Aさん・Bさん両者が首など軽傷を負う事態となりました。

AさんとBさんはそれぞれ傷害罪と過失運転致傷罪(自動車運転処罰法違反)の容疑で京都府川端警察署で取調べを受けることになりました。

(※平成31年1月24日福井新聞ONLINE配信記事を基にしたフィクションです。)

前回から、あおり運転とそれを原因とした交通事故について、何罪が成立しうるのかを検討してきました。
今回は、事例のAさんとBさんがそれぞれ何罪にあたるかを、弁護活動に触れつつ考えていきます。

・Aさんの行為について

Aさんは、Bさんの運転に腹を立てて、故意に急ブレーキをかける行為を繰り返しています。
そしてその結果、Bさんの車と交通事故を起こし、Bさんにけがをさせています。

①で取り上げたように、後続の車に対して故意に急ブレーキをかけるような行為は、相手の運転操作を誤らせたり、自分の運転操作を狂わせたりして交通上の危険を発生させるおそれがあることから、相手に対する不法な有形力の行使であると言えます。
こうしたことから、Aさんの故意に行っていた急ブレーキは、暴行罪に当たる可能性があるといえます。
そして、今回は、その暴行罪にあたる行為によって交通事故が起き、相手に怪我をさせていることから、傷害罪に問われているということでしょう。

・Bさんの行為について

Bさんは、Aさんの車に追突する形で交通事故を起こし、Aさんにけがをさせています。
ここでポイントであるのは、BさんはAさんの車との車間距離を詰めていたということです。
①の記事で取り上げた通り、道路交通法では、安全な車間距離を保たなければならないという義務が定められています。
Bさんはこの義務を守らない状態で急ブレーキに対応できずに交通事故を起こしていることから、その点に過失があると考えられます。
したがって、Bさんには自動車運転処罰法上の過失運転致傷罪が成立すると考えられるのです。

・弁護活動について

Aさん・Bさんが問われている傷害罪も過失運転致傷罪も、被害者の存在する犯罪ですから、弁護活動としては、被害者への謝罪や弁償がまず考えられます。

また、Aさん。Bさんともに交通違反やあおり運転といった、交通規範に反するような行為を行っていることから交通事故を起こしてしまっているので、交通規範を守る意識を高めるための活動を行い、再犯の防止に努めること、それを適切に主張してくことも考えられます。

今回のようなケースでは、お互いが加害者と被害者両方の側面を持っているため(こうした事件を「相被疑事件」と言ったりします。)、謝罪や弁償の話をしづらかったり、示談交渉の席についても感情的になってしまってかえって溝が深まってしまったりということも考えられます。
だからこそ、こういった事案では専門家である弁護士を間に挟むということが有効となってきます。
弁護士であれば、お互いに適切な内容の示談を目指して交渉していくことができますし、再犯防止のための活動等も、法的に適切な形で主張してくことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、あおり運転に関連した交通事故事件などの刑事事件を専門に扱っています。
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京都府川端警察署までの初回接見費用:3万4,900円)

あおり運転と交通事故②

2019-01-27

あおり運転と交通事故②

~前回からの流れ~
AさんとBさんは、京都市左京区内の道路で、あおり運転による交通事故を起こしました。
そして、AさんとBさんはそれぞれ京都府川端警察署で取調べを受けることになりました。
(※平成31年1月24日福井新聞ONLINE配信記事を基にしたフィクションです。)

・あおり運転で交通事故を起こしたら

前回の記事では、あおり運転自体にどういった犯罪が成立するのかを取り上げましたが、今回はあおり運転によって交通事故を起こしてしまった場合を検討していきます。

①危険運転致死傷罪(自動車運転処罰法違反)
いわゆる自動車運転処罰法で規定された「危険運転」行為によって交通事故を起こし、人を死傷させた場合に成立するのが危険運転致死傷罪です。
あおり運転による交通事故で人が死傷する結果が発生すれば、危険運転致死傷罪となる可能性が出てきます。
危険運転致死傷罪となるためには、交通事故の原因となったあおり運転が「危険運転」であると認められる態様・状況である必要があります。

自動車運転処罰法2条(危険運転致死傷罪)
次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処する。
4号 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

あおり運転では、相手の車の直前に割り込みをしたり、車間距離を詰めたりといったケースも見られます。
そうした場合には、あおり運転をこの「危険運転」と判断され、危険運転致死傷罪となる可能性があるのです。

②過失運転致死傷罪(自動車運転処罰法違反)
あおり運転が①で触れた「危険運転」とは認められなくとも、「過失」があったと判断されれば、自動車運転処罰法の過失運転致死傷罪となる可能性があります。

自動車運転処罰法5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

「過失」とは、大まかに言えば「不注意」のことで、注意義務に違反する状態やその結果を予見・回避できたのにしなかった落ち度のことを指しています。
例えば、交通事故の原因となったあおり運転が道路交通法上の運転者の義務に違反するようなものであった場合、道路交通法上の義務に違反する過失によって交通事故を起こしたということで過失運転致死傷罪が成立することが考えられます。

③傷害罪・傷害致死罪
前回の記事で取り上げたように、あおり運転に刑法上の暴行罪が適用される場合があります。
このようなケースで交通事故が起こり、相手が死傷してしまった場合には、傷害罪や傷害致死罪が適用される可能性があります。

刑法204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法205条(傷害致死罪)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。

暴行罪は、暴行を加えても傷害が発生しなかった場合の犯罪であり、暴行の結果傷害が発生したり、その傷害から死亡してしまったりすれば、傷害罪や傷害致死罪に問われることになります。

④殺人罪・殺人未遂罪
現在、あおり運転に関連した交通事故殺人罪に問われている事案も報道されています。

刑法199条(殺人罪)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

「人を殺す」という認識や「殺してしまう(死んでしまう)かもしれないがそれでもかまわない」という認識をもってあえて人が死ぬ可能性のある行為を行い、その結果として相手が死んでしまえば殺人罪、死亡を免れれば殺人未遂罪となります。
あおり運転でも、人を殺そうとして行ったものや、あおり運転の結果相手が死んでもかまわない、死ぬかもしれないと思いながらあおり運転を行ったケースであれば、殺人罪や殺人未遂罪に問われる可能性も否定はできません。

では、今回のAさんとBさんにはそれぞれどういった犯罪が成立しうるのでしょうか。
次回はそちらとその弁護活動について触れていきます。

あおり運転が様々な犯罪に該当しうるように、それに関連した交通事故も、態様等の事情によって成立する犯罪が異なってきます。
刑事事件専門だからこそ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ではこうしたあおり運転交通事故にも対応が可能です。
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