ゲームセンターの風適法違反事件

2019-02-26

ゲームセンターの風適法違反事件

Aさんは、京都府宇治市ゲームセンターを経営していました。
するとある日、京都府宇治警察署の警察官がやってきて、「営業許可はきちんと取っているか?風俗営業は許可がなければ営業できないのできちんと確認するように」と言われました。
しかし、Aさんは、「風俗営業と言われたが、ただのゲームセンターで客層も子どもや家族連れが多いのだし、夜遅くまで営業しているわけでもないのだから、うちは対象ではないだろう」と考え、特に何もすることなくゲームセンターの営業を続けていました。
しかし後日、京都府宇治警察署の警察官が再びAさんの店を訪れると、Aさんを風適法違反の容疑で逮捕してしまいました。
離れて暮らしていたAさんの姉は、Aさんが逮捕されたという知らせを聞いて驚き、すぐに弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・ゲームセンターと風適法

今回の事例のAさんの逮捕容疑である風適法違反とは、正式には、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反という犯罪になります。
「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」が、略して「風適法」や「風営法」と呼ばれたりしているのです。
この風適法は、「善良の風俗と清浄な風俗環境を保持」することや、「少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する」ことを目的としており、そのために風俗営業等の規制や業務の適正化を促進する措置を定めています。
ですから、この風適法の対象となるのは「風俗営業」等です。

Aさんは、子どもたちが中心となって利用するゲームセンターであれば風適法の言う「風俗営業」に該当しないと考え、許可を取らずに営業を行っていたようです。
確かに、「風俗営業」と聞くと、キャバクラやホストクラブのような接待を伴う風俗店や、デリヘルやソープランドといった性風俗営業のイメージが強いかもしれません。
しかし、こうした接待を伴う風俗店や性風俗店以外の営業形態の「風俗営業」も存在します。
風適法2条1項を見てみましょう。

風適法2条1項
この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
1号 キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
2号 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を10ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)
3号 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが5平方メートル以下である客席を設けて営むもの
4号 まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
5号 スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)

この条文を見ると分かるように、性風俗店等でなくとも、例えば薄暗いバーや喫茶店も風適法のいう「風俗営業」となることが分かりますし、パチンコ店や雀荘も「風俗営業」として風適法の規制の対象となることが分かります。
そして、今回の事例で問題となったゲームセンターは、このうちの5号に該当し、風適法上の「風俗営業」であるとされています。
5号の条文を見てみると、「射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができる」遊戯設備を置いてそれで客に遊ばせることで「風俗営業」となるようです。
つまり、その遊戯設備の使い方次第では「射幸心をそそるおそれのある遊技」となりうる遊戯設備を使っていれば「風俗営業」となりうるのです。
これを念頭に置きながらゲームセンターにある設備を考えてみましょう。
例えば景品を取ることを目的に遊ぶプライズゲームや、ゲームに勝てばメダルを獲得できるメダルゲーム、対戦相手に勝てるかどうか競うビデオゲームなどがあります。
「射幸心」とは、「幸運を得たい」という気持ちのことですから、こうしたゲームをすることで勝つことや勝って景品・メダル等を手に入れたいという気持ちが出てくる可能性を考えれば、ゲームセンターの設備は「射幸心」をそそるおそれのある遊技に用いることのできる遊戯設備と言えるでしょう。
これらのことから、ゲームセンター風適法2条1項5号の「風俗営業」に当たると考えられるのです。

風俗営業に必要な許可を得ずに営業し、風適法違反となった場合、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又はこれらの併科に処される可能性があります(風適法49条1号)。
これだけ重い刑罰が下される可能性のある犯罪ですから、風適法違反の容疑をかけられたり、それによって逮捕されてしまったりしたら、すぐに弁護士に相談し、その後の見通しやアドバイスを詳しく聞きましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、風適法違反事件の取り扱いも行っております。
まずは遠慮なく、0120-631-881までお問い合わせください。
京都府宇治警察署までの初回接見費用:3万6,500円