Archive for the ‘刑事事件’ Category
あおり運転で妨害運転罪
あおり運転で妨害運転罪
あおり運転で妨害運転罪になったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市右京区に住んでいるAさんは、自宅近くの道路で自動車を運転していた際、後続車を運転していたVさんの運転にいらだち、突然急ブレーキを踏むあおり運転を複数回行いました。
Vさんは危険を感じて停車し、京都府右京警察署に通報。
Vさんの車に搭載されていたドライブレコーダーからAさんのあおり運転行為が発覚し、Aさんは京都府右京警察署で妨害運転罪の容疑で取調べを受けることになりました。
Aさんは、あおり運転に関わる刑事事件にも対応している弁護士に相談し、取調べへの対応や今後の手続の流れを詳しく聞くことにしました。
(※令和2年9月8日毎日新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・妨害運転罪
昨今、あおり運転が問題となり、あおり運転に関連するニュースもよく目にするようになりました。
あおり運転は重大な交通事故に繋がり得る危険な行為であることもあり、あおり運転を規制する流れができてきました。
その流れの中で、今年の6月に道路交通法が改正され、「妨害運転罪」が創設されたのです。
妨害運転罪は、あおり運転を処罰するものです。
妨害運転罪という名前ではあるものの、正式な犯罪名としては、道路交通法違反となります。
道路交通法では、もともと危険な運転行為を個別に定め、刑罰を決めていましたが、今回の改正では、以下のようにして「妨害運転」=あおり運転に当てはまる運転態様を挙げ、これに当てはまった場合には妨害運転罪として処罰することを定めています。
道路交通法第117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第11号 他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者
イ 第17条(通行区分)第4項の規定の違反となるような行為
ロ 第24条(急ブレーキの禁止)の規定に違反する行為
ハ 第26条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為
ニ 第26条の2(進路の変更の禁止)第2項の規定の違反となるような行為
ホ 第28条(追越しの方法)第1項又は第四項の規定の違反となるような行為
ヘ 第52条(車両等の灯火)第2項の規定に違反する行為
ト 第54条(警音器の使用等)第2項の規定に違反する行為
チ 第70条(安全運転の義務)の規定に違反する行為
リ 第75条の4(最低速度)の規定の違反となるような行為
ヌ 第75条の8(停車及び駐車の禁止)第1項の規定の違反となるような行為
この条文で挙げられているイ~ヌの10個の類型が、いわゆるあおり運転として処罰される運転態様となります。
このあおり運転をして妨害運転罪となった場合、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となります。
これは無免許運転や酒気帯び運転の刑罰と同じ重さの刑罰であることからも、あおり運転が厳罰化されたことがお分かりいただけると思います。
今回のAさんは、後続車であるVさんの運転する車に急ブレーキを繰り返していたということですから、このあおり運転の態様のうち「ロ」に該当するとして妨害運転罪の容疑をかけられたものと考えられます。
さらに、あおり運転をしたことによって道路上に著しい危険を生じさせた場合については、以下のように定められています。
道路交通法第117条の2
次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第6号 次条第11号の罪を犯し、よつて高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者
この場合、ただあおり運転をした場合よりもさらに厳しく罰せられることになります。
最近のあおり運転への世間の関心の高まりにより、今回のAさんの事例のように、ドライブレコーダーをきっかけとしてあおり運転事件が発覚し、刑事事件の当事者となることも少なくないでしょう。
妨害運転罪のような新設された犯罪については、なかなか理解することが難しかったり、見通しが立てづらかったりしますから、まずは刑事事件の専門家に話を聞いてみることをおすすめいたします。
刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、あおり運転による妨害運転事件のご相談も受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
ホテルでの盗撮事件
ホテルでの盗撮事件
ホテルでの盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、京都府南丹市内の飲食店でで食事をしている際、同じく客として訪れていた女性Vさんと知り合いました。
2人は意気投合し、その足で近くのホテルに泊まることになりました。
Aさんは、Vさんのことを好ましく思っていたため、ホテルでVさんが着替える様子や裸になる様子、Aさんと性行為をする様子をスマートフォンを利用してこっそり盗撮していました。
しかし翌朝、VさんがAさんの盗撮行為に気付き、京都府南丹警察署に通報。
Aさんは、京都府南丹警察署で京都府迷惑防止条例違反の容疑で話を聞かれることとなってしまいました。
その日は帰宅を許されたAさんでしたが、今後の手続きが不安になり、弁護士に相談することに決めました。
(※この事例はフィクションです。)
・ホテルでの盗撮事件
盗撮行為の多くは、各都道府県の定める迷惑防止条例によって処罰されます。
迷惑防止条例は、都道府県ごとに決められていることからその内容も都道府県によって異なります。
例えば、盗撮行為が行われた場所によって迷惑防止条例違反に当たるかどうかといったことや、盗撮行為によって迷惑防止条例違反となった場合の刑罰の重さは、どの都道府県の迷惑防止条例が適用されるのかによって変わってくるのです。
京都府では、「京都府迷惑行為等防止条例」という迷惑防止条例が定められており、この迷惑防止条例の中には盗撮行為についても規定があります。
京都府迷惑防止条例第3条
第2項 何人も、公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物にいる他人に対し、前項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 通常着衣等で覆われている他人の下着等を撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣等の中をのぞき込み、又は撮影する機能を有する機器(以下「撮影機器」という。)を通常着衣等で覆われている他人の下着等に向けること。
(略)
※注:「前項に規定する方法」とは、同条例同条第1項の「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」を指します。
第3項 何人も、住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全文又は一部を着けない状態でいるような場所にいる他人に対し、第1項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 当該状態にある他人の姿態を撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をしようとして、他人の姿態に撮影機器を向けること。
(略)
※注:「第1項に規定する方法」とは、同条例同条第1項の「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」を指します。
京都府の迷惑防止条例は昨年12月に改正され、新たに「宿泊の用に供する施設の客室」等における盗撮も迷惑防止条例の規制対象となりました。
宿泊施設での盗撮を明確に対象として条文に記載している迷惑防止条例は全国でも初めてであり、京都府迷惑防止条例の特徴の1つといえるでしょう。
今回のAさんは、宿泊するホテルの1室=「宿泊の用に供する施設の客室」でVさんの「通常着衣の全文又は一部を着けない状態」の姿を同意なく撮影しています。
勝手に盗撮することは、「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」であると考えられますから、Aさんの盗撮行為は京都府迷惑防止条例第3条第3項第1号に違反すると考えられるのです。
なお、京都府迷惑防止条例では、盗撮ができた場合だけでなく、盗撮をしようと撮影機器を相手に向ける行為や盗撮をしようと撮影機器を設置する行為も禁じているため、たとえ盗撮ができていなかったとしてもそれだけで犯罪となることにも注意が必要です。
盗撮と一口に言っても、どこの都道府県で行った盗撮かという事情によって、適用される条例が異なります。
さらに、近年では迷惑防止条例による盗撮の処罰範囲を拡大する改正が行われる都道府県も少なくありませんから、自分や家族が盗撮事件の当事者となってしまっても、どの迷惑防止条例のどの部分に当たるのか、どういった刑罰が予想されるのかといったことが分かりづらいケースもあるでしょう。
だからこそ、まずは刑事事件専門の弁護士に相談し、事件の見通しや今後の対応を詳しく聴くことがおすすめです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、ホテルでの盗撮事件を含む刑事事件についてのご相談・ご依頼を受け付けています。
まずはお気軽にお問い合わせください。

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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
転売による生活安定緊急措置法違反事件
転売による生活安定緊急措置法違反事件
転売による生活安定緊急措置法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市山科区に住んでいるAさんは、通販サイトを運営しています。
Aさんは、会社Xが販売している定価1,500円程度のエタノール入りのハンドソープをドラックストア等で購入すると、それを自身の運営する通販サイトで2倍以上の値段をつけて転売しました。
するとある日、京都府山科警察署の警察官がAさんの自宅を訪れ、Aさんは生活安定緊急措置法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんが逮捕された旨を京都府山科警察署の警察官から聞きましたが、聞きなれない犯罪名に不安を感じ、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(※令和2年8月25日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)
・転売で生活安定緊急措置法違反
生活安定緊急措置法は、正式名称を「国民生活安定緊急措置法」といいます。
生活安定緊急措置法は、第一次オイルショックの際のトイレットペーパーの買い占め騒動をきっかけに定められた法律で、「物価の高騰その他の我が国経済の異常な事態に対処するため」に「国民生活との関連性が高い物資及び国民経済上重要な物資の価格及び需給の調整等」の緊急措置を定める法律です(生活安定緊急措置法第1条)。
生活安定緊急措置法では、「国民生活との関連性が高い物資及び国民経済上重要な物資」を「生活関連物資等」と定めることができ、さらにこの「生活物資等」について、その譲渡等に制限を求めることもできます。
生活緊急安定措置法26条1項
物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合において、生活関連物資等の供給が著しく不足し、かつ、その需給の均衡を回復することが相当の期間極めて困難であることにより、国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営に重大な支障が生じ又は生ずるおそれがあると認められるときは、別に法律の定めがある場合を除き、当該生活関連物資等を政令で指定し、政令で、当該生活関連物資等の割当て若しくは配給又は当該生活関連物資等の使用若しくは譲渡若しくは譲受の制限若しくは禁止に関し必要な事項を定めることができる。
生活緊急安定措置法37条
第26条第1項の規定に基づく政令には、その政令若しくはこれに基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反した者を5年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する旨の規定及び法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して当該違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する旨の規定を設けることができる。
今年3月にはこの「生活関連物資等」に「衛生マスク」が(生活安定緊急措置法施行令第1条第1号)、今年5月には「消毒等用アルコール(中略)であって、消毒(中略)に使用されることが目的とされているもの(略)」が(生活安定緊急措置法施行令第1条第2号)指定されました。
そして、生活緊急安定措置法施行令では、この「生活関連物資等」の転売についても定められています。
生活緊急安定措置法施行令第2条
前条各号に掲げる生活関連物資等(以下この条において「特定生活関連物資等」という。)を不特定の相手方に対し売り渡す者から特定生活関連物資等の購入をした者は、当該購入をした特定生活関連物資等の譲渡(不特定又は多数の者に対し、当該特定生活関連物資等の売買契約の締結の申込み又は誘引をして行うものであつて、当該特定生活関連物資等の購入価格を超える価格によるものに限る。)をしてはならない。
生活緊急安定措置法施行令第7条
第1項 第2条の規定に違反した場合には、当該違反行為をした者は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第2項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する。
すなわち、「生活関連物資等」について、不特定の相手に販売している店や個人、業者等(例:スーパーやドラッグストアなど)から購入した物を、購入価格よりも高い価格で不特定多数の者に転売する行為が生活安定緊急措置法違反となるのです。
法律は時代の流れ等によっても変わっていき、家族等が耳慣れない犯罪の当事者になってしまうことがあります。
聞きなれない犯罪の容疑で逮捕されてしまえば、当事者も周囲の方も混乱してしまうでしょう。
だからこそ、転売による生活安定緊急措置法違反事件で逮捕されたら、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
刑事事件に強い弁護士がご相談者様の不安解消のためにサポートいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
覚醒剤取締法違反事件の任意同行
覚醒剤取締法違反事件の任意同行
覚醒剤取締法違反事件の任意同行について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市伏見区に住んでいるAさんは、SNSを通じて覚醒剤を購入しました。
Aさんはそうして覚醒剤を使用していたのですが、ある日、京都府伏見警察署の警察官がAさんの自宅を訪れ、令状を示して家宅捜索を行いました。
Aさんは覚醒剤を使い切っていたことから、家宅捜索では覚醒剤が発見されることはありませんでしたが、警察官から任意同行と尿の提出を求められました。
Aさんは任意同行についていくことになったのですが、残された家族は、Aさんが任意同行の後逮捕されてしまうのではないかと心配しています。
(※この事例はフィクションです。)
・覚醒剤の所持と使用
ご存知の方も多いように、覚醒剤を使用することはもちろん、所持することもそれだけで犯罪となります。
覚醒剤取締法では、以下のように覚醒剤の所持や使用を禁止しています。
覚醒剤取締法第41条の2第1項
覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
覚醒剤取締法第19条
次に掲げる場合のほかは、何人も、覚醒剤を使用してはならない。
第1号 覚醒剤製造業者が製造のため使用する場合
第2号 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者が施用する場合
第3号 覚醒剤研究者が研究のため使用する場合
第4号 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
第5号 法令に基づいてする行為につき使用する場合
覚醒剤取締法第41条の3第1項
次の各号の一に該当する者は、10年以下の懲役に処する。
第1号 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者
今回のAさんは当然、覚醒剤取締法第19条にあるような覚醒剤製造業者等ではないため、覚醒剤を所持・使用することは覚醒剤取締法違反となります。
・任意同行
刑事訴訟法第198条第1項では、捜査の必要があるとき、検察官や司法警察職員は、被疑者の出頭を求め、取り調べることができるとされています。
いわゆる「任意同行」を求めることができるとされているのです。
刑事訴訟法第198条第1項
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。
但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。
任意同行は、文字通り任意で行われるものであるため、被疑者が出頭するかどうか自由に選べます。
任意同行について定めている刑事訴訟法第198条第1項の但し書きにも、出頭を拒否したり出頭後に退去したりすることができると書かれています。
しかし、任意同行を求められた時点ですでに逮捕状が出ている場合もあり、そうした場合は出頭を拒否すると逃亡のおそれがあると判断され、すぐに逮捕されてしまう可能性もあります。
また、今回のAさんの家族が心配しているように、任意同行をされた後に逮捕状がとられ、任意同行で出頭した後そのまま逮捕に至る、というケースもあります。
覚醒剤取締法違反のような薬物犯罪では、任意同行を受けた後尿検査の結果を待って逮捕されることもあります。
覚醒剤取締法違反のような薬物犯罪では、覚醒剤自体も隠滅しやすいうえに、覚醒剤の入手先である売人など関係者も存在することが考えられ、証拠隠滅のおそれが大きいと判断されやすい=逮捕されやすい犯罪であると考えられています。
前述のように任意同行の場合の出頭の拒否は自由ですが、拒否すれば逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとされてしまう可能性もあり、任意同行から帰宅が許されても尿検査の結果次第で逮捕されることも考えられるということであれば、どうしていいのか分からなくなってしまうという方も多いでしょう。
そんな時こそ、刑事事件に詳しい弁護士に相談することで、任意同行への対応や、その後の取調べへの対応の不安を解消する手助けになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士は、刑事事件を専門に取り扱っています。
逮捕されてしまっている方には逮捕されている方に弁護士が直接会いに行く初回接見サービスを、在宅で捜査を受けている段階の方には初回無料法律相談をご用意しています。
任意同行後に逮捕されてしまった、任意同行後帰宅したが今後の逮捕が心配だ、というご相談も受け付けておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
置き引き事件で準現行犯逮捕
置き引き事件で準現行犯逮捕
置き引き事件で準現行犯逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、京都府木津川市の道路で、傍らに荷物を置いて電話をしていたVさんの荷物を手に取ると、素早くその場を去ろうとしました。
しかし、Vさんは荷物を取られたことにすぐに気が付き、Vさんの荷物を持って逃げるAさんを「待て、泥棒!」などと声を上げながら追いかけました。
途中でAさんは追いかけてきたVさんに捕まり、その場で通報を受けた京都府木津警察署の警察官に引き渡されました。
Aさんは、窃盗罪の容疑で準現行犯逮捕されたこととなり、京都府木津警察署に留置されることになりました。
その知らせを聞いたAさんの家族は、すぐに弁護士に相談してAさんの様子を見てきてもらったうえで、準現行犯逮捕とは何か、今後の手続きはどのようになるのかなどを詳しく聞くことにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・置き引き
そもそも、置き引きとは、置いてある他人の荷物を勝手に持って行ってしまうことを指し、窃盗行為の1種類であるとされています。
状況によっては占有離脱物横領罪という犯罪が成立することもありますが、置き引きは多くの場合、刑法の窃盗罪が成立するとされています。
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
今回のAさんも、Vさんの傍に置いてあったVさんの荷物を勝手に持っていくという置き引きの態様であることから、この窃盗罪が成立すると考えられます。
・準現行犯逮捕とは?
現行犯逮捕とは、皆さんがご存知のように、現在犯罪をしている人や現在犯罪を行い終わった現行犯を逮捕することを指します。
刑事訴訟法第212条第1項
現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。
刑事訴訟法第213条
現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。
現行犯逮捕はまさに犯罪が行われていたり行い終わったりしているその場で犯人を逮捕することから冤罪の危険性も少ないとされ、通常の逮捕とは異なり、「逮捕状なくして」できる逮捕です。
さらに、現行犯逮捕は「何人でも」できるとされていることから、警察官や検察官だけでなく、一般人もすることができます。
一般人の行った現行犯逮捕は「常人逮捕」や「私人逮捕」と呼ばれることもあります。
では、今回のAさんがされた準現行犯逮捕とはどういった逮捕なのでしょうか。
刑事訴訟法では、先ほど挙げた「現行犯人」でなくとも、以下の条件に当てはまった場合には「現行犯人」とみなすとしています。
刑事訴訟法212条第2項
左の各号の一にあたる者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときは、これを現行犯人とみなす。
第1号 犯人として追呼されているとき。
第2号 贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。
第3号 身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。
第4号 誰何されて逃走しようとするとき。
つまり、まさに犯行現場であるという状況でなくとも、上記の条件に当てはまれば現行犯人と同じように現行犯逮捕ができるということになります。
こうしたことから、刑事訴訟法第212条第2項に該当して現行犯逮捕されることを、現行犯逮捕に準ずることから「準現行犯逮捕」と呼ぶのです。
今回のAさんは、置き引きをしてからすぐにVさんに見つかり追いかけられていますから、「罪を行い終つてから間がないと明らかに認められる」と言えるでしょう。
そして、AさんはVさんに「待て、泥棒!」と声を上げられながら追いかけられていますが、これは「犯人として追呼されているとき」に当たります。
こうしたことから、Aさんは「現行犯人」とみなされることになりますから、準現行犯逮捕されうることになります。
先述のように、現行犯逮捕は警察官でない一般人でも可能な逮捕ですから、今回の場合はVさんがAさんを準現行犯逮捕し、京都府木津警察署の警察官に引き渡したということになるでしょう。
現行犯逮捕や準現行犯逮捕されてしまうと、突然周囲と連絡がつかなくなってしまい、逮捕された方の家族も心配されることが多いです。
特に準現行犯逮捕の場合には、本当に準現行犯逮捕の条件に当てはまっているのか、手続きに誤りはないのかなど検討すべきことも多いです。
だからこそ、準現行犯逮捕されてしまったらまずは弁護士に相談しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、365日いつでもお問い合わせを受け付けていますので、京都府の準現行犯逮捕にお困りの際はお気軽にお問い合わせください。

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盗撮事件で逮捕回避
盗撮事件で逮捕回避
盗撮事件で逮捕回避活動を行う場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、たびたび京都市左京区にある駅構内の階段に盗撮用の小型カメラを設置し、駅を利用する女性のスカートの中を盗撮していました。
ある日、Aさんはいつものように京都市左京区にある駅を訪れると、盗撮用のカメラを駅の階段に仕掛けました。
しかし、駅員に盗撮カメラを仕掛けているところを目撃され、京都府下鴨警察署に通報されました。
その様子を見たAさんは、盗撮用のカメラをそのまま置きっぱなしにしてその場から逃げました。
自宅に逃げ帰ったAさんですが、自分のしたことを後悔し、これから自分が逮捕されるのではないかと不安に思うようになりました。
そこでAさんは、刑事事件を取り扱う弁護士に連絡し、出頭をしたいということと、何とか逮捕を回避できないかということを相談しました。
(※この事例はフィクションです。)
・刑事事件を起こしたら必ず逮捕される?
報道番組や新聞、ネットニュースなどで、刑事事件を起こしたとされる被疑者が逮捕されたというニュースを見たことのある方は多いでしょう。
こうした報道を目にしているからか、刑事事件を起こせば必ず逮捕される、というようなイメージがついている方も多いかもしれません。
しかし、実は刑事事件を起こしたからといって必ず逮捕されるわけではありません。
被疑者を逮捕するためには、逮捕の必要性や相当性といった条件が必要です。
逮捕をするには原則として逮捕状が必要になりますが、逮捕状は裁判所が逮捕するために必要な条件がそろっていると判断しないと発行されません。
というのも、被疑者を逮捕するということは、被疑者の自由を奪って強制的に身体拘束をするということです。
つまり、逮捕をするということは被疑者の権利を侵害するということになるのです。
人の権利を侵害するということは重大なことですから、これを強制的にできてしまう逮捕という行為が濫用されないよう、逮捕にも条件をつけているのです。
逆に言えば、逮捕するための条件がそろわない場合は逮捕してはいけないということになりますから、刑事事件を起こしてしまっても逮捕の条件を満たさない場合には逮捕されないということになります。
では、逮捕のための条件とはどういったものでしょうか。
逮捕するために必要な条件とは、逃亡のおそれがあることや、証拠隠滅のおそれがあること等です。
したがって、これらのおそれがないことを主張することで、逮捕を回避できる可能性があるのです。
芸能人や有名人が刑事事件を起こしても、逮捕されずに捜査を受けているという報道を見て疑問を感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、あれは芸能人や有名人だから特別扱いを受けているということではなく、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと判断されたり、逮捕する相当性がないと判断されたに過ぎないのです。
とすると、今回のAさんのように逮捕を避けたい場合については、出頭の前や出頭時に逮捕の必要性や相当性がないことを主張することで、逮捕を回避できる可能性が出てくるということになります。
具体的には、ご家族に身元引受の約束をしてもらって書類として提出したり、ご家族など周囲の方と協力して監督体制を作っていくことを証拠化して提出したり、逮捕による不利益が甚大であることを主張したりすることが考えられます。
こうした逮捕回避のための活動は、刑事事件の知識や経験のある弁護士に依頼することでスムーズに行うことが期待できます。
刑事事件を起こしてしまって逮捕が心配な場合や、出頭したいがその後の逮捕が不安だという場合には、まずは一度弁護士に相談してみることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕を回避したいとお悩みの方のご相談やご依頼も承っています。
弊所の刑事事件専門の弁護士は、少しでも逮捕のリスクを減らせるよう、依頼者様のために尽力いたします。
弁護士への相談は敷居が高いと考える方もいらっしゃいますが、弊所ではお気軽にご利用いただける初回無料法律相談もございます。
相談のご予約は24時間いつでも0120-631-881で受け付けていますので、まずは遠慮なくお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
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生レバー提供の食品衛生法違反事件で逮捕
生レバー提供の食品衛生法違反事件で逮捕
生レバー提供の食品衛生法違反事件で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府京田辺市で焼き肉店を経営していたAさんは、メニューでは「牛の炙りレバー」と表記していたものの、実際には牛の生レバーを客に提供していました。
Aさんは客にレバーを提供する際に加熱するよう伝えることもなく、Aさんの店では生レバーが食べられると口コミで話題になっていました。
するとある日、京都府田辺警察署に警察官がAさんの店に訪れ、Aさんは食品衛生法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんが逮捕されてしまったと聞き、慌てて今後の対応を刑事事件に対応している弁護士事務所に問い合わせ、相談しました。
(※令和2年7月14日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・生レバー提供と食品衛生法違反
今回のAさんの逮捕容疑は食品衛生法という法律に違反したことです。
そもそも、食品衛生法とは、「食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もつて国民の健康の保護を図る」ことを目的としている法律です(食品衛生法第1条)。
この目的のために、食品衛生法では、以下のようなことを定めています。
食品衛生法第13条
第1項 厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、販売の用に供する食品若しくは添加物の製造、加工、使用、調理若しくは保存の方法につき基準を定め、又は販売の用に供する食品若しくは添加物の成分につき規格を定めることができる。
第2項 前項の規定により基準又は規格が定められたときは、その基準に合わない方法により食品若しくは添加物を製造し、加工し、使用し、調理し、若しくは保存し、その基準に合わない方法による食品若しくは添加物を販売し、若しくは輸入し、又はその規格に合わない食品若しくは添加物を製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、保存し、若しくは販売してはならない。
食品衛生法第72条
第1項 第13条第2項(第62条第1項及び第2項において準用する場合を含む。)若しくは第3項、(中略)の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。
第2項 前項の罪を犯した者には、情状により懲役及び罰金を併科することができる。
つまり、特定の食品については、厚生労働省によって指定された方法で加工等を行わなければ、販売できないということになり、これを守らなければ食品衛生法違反となってしまうのです。
牛のレバーについては、「食品、添加物等の規格基準」という厚生労働省が定めている基準の中に、規定が定められています。
「食品、添加物等の規格基準」の1-Bの9では、牛の肝臓、すなわち牛のレバーは加熱して提供するか、客に加熱させる場合には加熱が必要なこと等を伝えなければならないとされています。
つまり、牛のレバー提供する際、客に加熱させるのであればその客に加熱が必要なことを伝えなければならず、それを怠った場合、「基準に合わない方法による食品若しくは添加物を販売」していることになりますから、食品衛生法に違反することになるのです。
今回のAさんの事例を考えてみましょう。
Aさんは、牛のレバーを提供する際、客に対して加熱するように伝えず提供していたことから、「食品、添加物等の規格基準」に合わない方法でレバーを販売していたことになります。
こうしたことから、Aさんは食品衛生法違反となったのでしょう。
生レバー提供による食品衛生法違反事件の場合、内偵捜査が入り、実際に生レバー提供行為があるかどうかを確認してから逮捕となる流れが多いでしょう。
今回のAさんの事例でも、Aさんにとっては突然の逮捕だったかもしれませんが、事前に捜査員が内偵捜査をして事実を確かめてから逮捕に至った可能性があります。
店全体で生レバー提供行為をしていたとなれば、事件の関係者も多数に及ぶことから、口裏合わせ防止などのために逮捕されてしまう可能性が高まります。
逮捕に迅速に対応していくためには、早い段階で専門家の弁護士からサポートを受けることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、生レバー提供による食品衛生法違反事件にも刑事事件専門の弁護士が対応いたします。
0120-631-881では、逮捕直後からスピードをもって活動を開始できるよう、24時間いつでも専門スタッフがお問い合わせを受け付けています。
まずはお気軽にご連絡ください。

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京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
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淫行と児童買春の違い
淫行と児童買春の違い
淫行と児童買春の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市下京区に住むAさんは、SNSとメッセージアプリを通じて高校2年生のVさんと知り合いました。
Vさんと親しくなったAさんは、Vさんと食事をすることになりました。
京都市下京区の飲食店でVさんと食事をした後、AさんとVさんは近くのホテルへ向かい、そこで性交をしました。
その後、2人はそろってホテルを出たのですが、巡回中の京都府下京警察署の警察官から職務質問を受けたことで、Vさんが18歳未満であることと、Aさんと性交したことが発覚しました。
Aさんは児童買春の容疑で逮捕されてしまいましたが、Aさん自身としてはお金を払って性交したわけではないと容疑を否認しています。
そこでAさんは、家族が依頼して接見に訪れた弁護士に、自分の認識でも児童買春となってしまうのか相談しました。
(※この事例はフィクションです。)
・「淫行」と「児童買春」の違い
前回までで見てきた通り、淫行も児童買春も、18歳未満の者と性交等をした場合に成立しうる犯罪だということがわかります。
この2つの大きな違いは、「性交等の対償を渡すか対償を渡す約束をしているかどうか」という部分にあります。
例えば、京都府の青少年健全育成条例では、淫行は「何人も、青少年に対し、金品その他財産上の利益若しくは職務を供与し、若しくはそれらの供与を約束することにより、又は精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて、淫行又はわいせつ行為をしてはならない。」(青少年健全育成条例第21条第1項)と禁止されており、「精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて」淫行をすれば青少年健全育成条例違反となることから、性交等の対象を渡したりその約束をしたりすることは条件とされていません。
対して、前回の記事で確認した通り、児童買春となるには性交等への対償やその約束が必要となってきます。
この点が、淫行と児童買春の大きな違いなのです。
そして、淫行と児童買春にはもう1つ大きな違いがあります。
それは法定刑、つまり、その犯罪で有罪となった場合に受ける刑罰の重さの範囲が異なるのです。
もう一度、淫行と児童買春の法定刑を確認してみましょう。
青少年の健全な育成に関する条例第31条第1項
次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第1号 第21条の規定に違反した者
児童買春禁止法第4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
京都府の場合、淫行をした青少年健全育成条例違反の場合「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となります。
それに対し、児童買春をした場合は「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」ですから、淫行に比べて児童買春となった方がかなり重い刑罰を受ける可能性が出てくることになります。
ですから、実際には淫行にとどまるにも関わらず、児童買春の罪で有罪となってしまえば、不当に重い刑罰を受ける可能性が出てきてしまうということになるのです。
・淫行の事実しかないのに児童買春を疑われたら
今回のAさんの事情を見ると、Aさんは淫行に当たる行為のみを行なっているという認識にも関わらず、児童買春の容疑をかけられているということのようです。
たしかに、Aさんの認識としては対価として何かを支払っている事実はありませんが、例えばVさんとの食事を性交等の対価としていた場合には児童買春となる可能性もありますから、そうした疑いで捜査されているのでしょう、
先ほど触れたように、淫行と児童買春では刑罰の重さが大きく異なってきますから、本当にAさんが対償の供与やその約束をしていないのであれば、淫行にとどまる事実しかないことをきちんと主張し続けなければなりません。
しかし、取調べでは、被疑者となったAさん1人で取調べのプロである警察官や検察官に対応しなければなりません。
気づかぬうちに自身の主張とは異なる形で自供してしまったり、上手く誘動されてしまったりというリスクもあります。
だからこそ、取調べの状況を弁護士と確認し合いながら、逐一アドバイスをもらって対応していくことが重要なのです。
不当に重い刑罰を受けることを避けるためにも、まずは弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、淫行事件・児童買春事件にも刑事事件専門の弁護士が迅速に対応いたします。
逮捕直後からご利用いただける初回接見サービスのお申し込みも24時間体制で受け付けています。
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どんなことをしたら児童買春になる?
どんなことをしたら児童買春になる?
どんなことをしたら児童買春になるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市下京区に住むAさんは、SNSとメッセージアプリを通じて高校2年生のVさんと知り合いました。
Vさんと親しくなったAさんは、Vさんと食事をすることになりました。
京都市下京区の飲食店でVさんと食事をした後、AさんとVさんは近くのホテルへ向かい、そこで性交をしました。
その後、2人はそろってホテルを出たのですが、巡回中の京都府下京警察署の警察官から職務質問を受けたことで、Vさんが18歳未満であることと、Aさんと性交したことが発覚しました。
Aさんは児童買春の容疑で逮捕されてしまいましたが、Aさん自身としてはお金を払って性交したわけではないと容疑を否認しています。
そこでAさんは、家族が依頼して接見に訪れた弁護士に、自分の認識でも児童買春となってしまうのか相談しました。
(※この事例はフィクションです。)
・「児童買春」とは
児童買春も、前回確認した淫行のように、18歳未満の者と性交等をした場合に成立する可能性のある犯罪です。
児童買春は、通称「児童買春禁止法」(正式名称「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」)で禁止されています。
児童買春禁止法第4条
児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。
「児童買春」の定義は、児童買春禁止法では以下のように定められています。
児童買春禁止法第2条第2項
この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
第1号 児童
第2号 児童に対する性交等の周旋をした者
第3号 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
ここで注意すべきなのは、児童買春とは児童本人にお金を渡して性交等をすることだけを指しているわけではないということです。
例えば、児童買春禁止法によれば、児童買春は「対償を供与」するか「その供与の約束」をして児童に対して性交等をすれば児童買春となります。
ですから、お金を渡していなくても性交等をするかわりにお金を渡す約束をして性交等をするだけでも児童買春ですし、「対償」は金銭と限定されているわけでもないですから、性交等をするかわりに物を買い与えたり食事を奢るなどしても児童買春となるのです。
また、性交等の対償を渡す相手は児童本人とも限られません。
児童買春をすすめてきた人や児童の保護者などに対償を渡した場合でも児童買春となり、児童買春禁止法違反となるのです。
前回の記事から、淫行(青少年健全育成条例違反)と児童買春(児童買春禁止法違反)という18際未満の者と性交等をした場合に成立しうる犯罪を取り上げてきました。
では、この2つの違いと注意すべき点はどういった部分になるのでしょうか。
次回の記事で詳しく触れていきます。
京都府の児童買春事件にお困りの際は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご相談ください。
0120ー631ー881では、専門スタッフがご相談者様の状況に合わせた弊所弁護士によるサービスを24時間いつでもご案内中です。
児童買春事件を含めた刑事事件のご相談については、お気軽にお問い合わせください。

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「淫行」をしたら何罪?
「淫行」をしたら何罪?
「淫行」をしたら何罪になるのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市下京区に住むAさんは、SNSとメッセージアプリを通じて高校2年生のVさんと知り合いました。
Vさんと親しくなったAさんは、Vさんと食事をすることになりました。
京都市下京区の飲食店でVさんと食事をした後、AさんとVさんは近くのホテルへ向かい、そこで性交をしました。
その後、2人はそろってホテルを出たのですが、巡回中の京都府下京警察署の警察官から職務質問を受けたことで、Vさんが18歳未満であることと、Aさんと性交したことが発覚しました。
Aさんは児童買春の容疑で逮捕されてしまいましたが、Aさん自身としてはお金を払って性交したわけではないと容疑を否認しています。
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・18際未満の者との性交で成立する犯罪
時折ニュースでも聞かれる「淫行」や「児童買春」が18歳未満の者との性交等によって成立する犯罪であるということは、ご存じの方も多いでしょう。
ぼんやりとでも「18歳未満の者と性交等をすれば犯罪になる」とだけ認識している方もいらっしゃるかもしれません。
その通り、18歳未満の者と性交等をすれば、その態様によって、いわゆる「淫行」や「児童買春」といった犯罪になりえます。
では、その「淫行」や「児童買春」はどういった犯罪で、それぞれの違いはどういったところにあるのでしょうか。
・「淫行」とは
報道などでもよく聞かれる「淫行」ですが、実は「淫行」という犯罪があるわけではありません。
「淫行」とは、各都道府県の青少年健全育成条例が禁止している、青少年=18歳未満の者との「みだらな行為」や「淫行」をしてしまったことによる青少年健全育成条例違反のことを指しています。
京都府の場合、「青少年の健全な育成に関する条例」という条例があり、その中で18歳未満である青少年との淫行を禁止している条文があります。
青少年の健全な育成に関する条例第21条第1項
何人も、青少年に対し、金品その他財産上の利益若しくは職務を供与し、若しくはそれらの供与を約束することにより、又は精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて、淫行又はわいせつ行為をしてはならない。
「淫行」の定義については、過去の判例で「青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為」とされています(最判昭和60.10.23)。
この定義から、例えば結婚を前提とした真剣交際のような場合には、この「淫行」には当たらないと考えられています。
京都府の場合、18歳未満の者との淫行をして青少年健全育成条例違反となった場合、以下の刑罰に処せられます。
青少年の健全な育成に関する条例第31条第1項
次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第1号 第21条の規定に違反した者
なお、京都府の場合、淫行に関して相手の年齢を知らなかったという場合でも、以下の規定があることに注意が必要です。
青少年の健全な育成に関する条例第31条第7項
第13条の2第4項、(略)、第21条、(略)の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、第1項から第3項まで、第4項(第4号に係る部分に限る。)及び第5項(第2号、第5号、第6号及び第10号に係る部分を除く。)の処罰を免れることができない。
ただし、当該青少年の年齢を知らないことに過失がないときは、この限りでない。
すなわち、単に相手の年齢を知らなかった(相手が18歳未満だと思わなかった)と言っても、過失がない場合をのぞいて淫行となってしまうということなのです。
例えば、単に年齢を聞いていなくて18歳以上だと思い込んでいたというような場合には、年齢を確認していない過失があるとされ、淫行となってしまうと考えられます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、淫行事件のご相談・ご依頼も多く承っています。
京都府の淫行事件にお困りの際は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。
次回の記事では18歳未満の者と性交等をした際に成立が考えられるもう1つの犯罪「児童買春」について詳しく取り上げます。

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