覚醒剤取締法違反事件の任意同行

2020-08-13

覚醒剤取締法違反事件の任意同行

覚醒剤取締法違反事件任意同行について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市伏見区に住んでいるAさんは、SNSを通じて覚醒剤を購入しました。
Aさんはそうして覚醒剤を使用していたのですが、ある日、京都府伏見警察署の警察官がAさんの自宅を訪れ、令状を示して家宅捜索を行いました。
Aさんは覚醒剤を使い切っていたことから、家宅捜索では覚醒剤が発見されることはありませんでしたが、警察官から任意同行と尿の提出を求められました。
Aさんは任意同行についていくことになったのですが、残された家族は、Aさんが任意同行の後逮捕されてしまうのではないかと心配しています。
(※この事例はフィクションです。)

・覚醒剤の所持と使用

ご存知の方も多いように、覚醒剤を使用することはもちろん、所持することもそれだけで犯罪となります。
覚醒剤取締法では、以下のように覚醒剤の所持や使用を禁止しています。

覚醒剤取締法第41条の2第1項
覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。

覚醒剤取締法第19条
次に掲げる場合のほかは、何人も、覚醒剤を使用してはならない。
第1号 覚醒剤製造業者が製造のため使用する場合
第2号 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者が施用する場合
第3号 覚醒剤研究者が研究のため使用する場合
第4号 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
第5号 法令に基づいてする行為につき使用する場合

覚醒剤取締法第41条の3第1項
次の各号の一に該当する者は、10年以下の懲役に処する。
第1号 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者

今回のAさんは当然、覚醒剤取締法第19条にあるような覚醒剤製造業者等ではないため、覚醒剤を所持・使用することは覚醒剤取締法違反となります。

・任意同行

刑事訴訟法第198条第1項では、捜査の必要があるとき、検察官や司法警察職員は、被疑者の出頭を求め、取り調べることができるとされています。
いわゆる「任意同行」を求めることができるとされているのです。

刑事訴訟法第198条第1項
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。
但し、被疑者は、逮捕又は勾留されている場合を除いては、出頭を拒み、又は出頭後、何時でも退去することができる。

任意同行は、文字通り任意で行われるものであるため、被疑者が出頭するかどうか自由に選べます。
任意同行について定めている刑事訴訟法第198条第1項の但し書きにも、出頭を拒否したり出頭後に退去したりすることができると書かれています。

しかし、任意同行を求められた時点ですでに逮捕状が出ている場合もあり、そうした場合は出頭を拒否すると逃亡のおそれがあると判断され、すぐに逮捕されてしまう可能性もあります。
また、今回のAさんの家族が心配しているように、任意同行をされた後に逮捕状がとられ、任意同行で出頭した後そのまま逮捕に至る、というケースもあります。
覚醒剤取締法違反のような薬物犯罪では、任意同行を受けた後尿検査の結果を待って逮捕されることもあります。

覚醒剤取締法違反のような薬物犯罪では、覚醒剤自体も隠滅しやすいうえに、覚醒剤の入手先である売人など関係者も存在することが考えられ、証拠隠滅のおそれが大きいと判断されやすい=逮捕されやすい犯罪であると考えられています。
前述のように任意同行の場合の出頭の拒否は自由ですが、拒否すれば逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとされてしまう可能性もあり、任意同行から帰宅が許されても尿検査の結果次第で逮捕されることも考えられるということであれば、どうしていいのか分からなくなってしまうという方も多いでしょう。

そんな時こそ、刑事事件に詳しい弁護士に相談することで、任意同行への対応や、その後の取調べへの対応の不安を解消する手助けになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部弁護士は、刑事事件を専門に取り扱っています。
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