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覚せい剤事件では逮捕されやすい?①
覚せい剤事件では逮捕されやすい?①
京都府八幡市に住んでいるAさんは、数年前から覚せい剤をインターネットで購入しては自分で使用していました。
しかしある日、覚せい剤の購入に使用していたホームページが閉鎖されているのに気付いたAさんは、もしかして警察の捜査の手が及んでホームページ閉鎖に至ったのではないかと考えました。
そうであるならば、そこで覚せい剤を購入していた自分自身も捜査されることになり、京都府八幡警察署に逮捕されてしまうのではないかと不安に思ったAさんは、刑事事件に強い弁護士に相談してみることにしました。
そこで、まずはインターネットから弁護士を探し、無料法律相談を受け付けている事務所で予約を取ることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・覚せい剤に関連する犯罪
覚せい剤は、皆さんご存じの通り、覚せい剤取締法で規制されている違法薬物です。
覚せい剤は、使用することはもちろん、所持するだけでも覚せい剤取締法違反となります。
覚せい剤事件でよく見られるのは、覚せい剤の輸出入、所持、使用、譲渡といった違反行為です。
これらはそれぞれ、覚せい剤取締法で以下のように規制されています。
【覚せい剤の輸出入】
覚せい剤取締法第41条
第1項 覚せい剤を、みだりに、本邦若しくは外国に輸入し、本邦若しくは外国から輸出し、又は製造した者(第41条の5第1項第2号に該当する者を除く。)は、1年以上の有期懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、無期若しくは3年以上の懲役に処し、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
第3項 前2項の未遂罪は、罰する。
【覚せい剤の所持・譲渡・譲受】
覚せい剤取締法41条の2
第1項 覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
第3項 前2項の未遂罪は、罰する。
【覚せい剤の使用】
覚せい剤取締法41条の3
次の各号の一に該当する者は、10年以下の懲役に処する。
第1項 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者
(※注:覚せい剤取締法第19条
左の各号に掲げる場合の外は、何人も、覚せい剤を使用してはならない。
第1号 覚せい剤製造業者が製造のため使用する場合
第2号 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者が施用する場合
第3号 覚せい剤研究者が研究のため使用する場合
第4号 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
第5号 法令に基いてする行為につき使用する場合)
覚せい剤はこのような規制がなされており、特に輸出入や所持・譲渡・譲受については、その目的が営利目的であった場合、より重く処罰されることになります。
なお、覚せい剤の輸出入を行った場合には、覚せい剤取締法だけでなく、いわゆる「麻薬特例法」や「関税法」にも違反するおそれがあることにも注意が必要です。
覚せい剤に関連する犯罪はイメージされるよりも多く細かく規定されていることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
こうした覚せい剤事件の逮捕が不安なときには、専門家である弁護士に相談してみましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士によるサービスは、0120-631-881からいつでもお問い合わせ・ご予約が可能です。
専門スタッフが丁寧にご案内いたしますので、遠慮なくお電話ください。
大麻バター所持で逮捕
大麻バター所持で逮捕
京都府城陽市に住んでいる19歳のAさんは、大麻に興味を持っていました。
するとある日、インターネットで知り合ったBさんから、「大麻バターというものがあって、気軽に大麻を使える」という話を聞きました。
インターネットで大麻バターのことを調べたAさんは、大麻バターは合法だと書いてあるホームページも見受けられたし、大麻バターであれば大麻草自体を所持するわけではないのだから大丈夫だろうと思い、Bさんから大麻バターを購入し、使用していました。
しかしある日、京都府城陽警察署の警察官がAさんの家に家宅捜索に訪れました。
そこでAさんの所持していた大麻バターは押収され、Aさんは大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・大麻バター
大麻バターとは、大麻成分を含むバターのことで、その成分からカンナビスバターなどとも呼ばれることがあるようです。
大麻草にはカンナビノイドという化学物質が含まれており、このカンナビノイドという化学物質が、大麻を利用した際に多幸感をもたらすなどの精神作用を与えると言われています。
そのカンナビノイドという大麻成分は、油に溶ける性質を持っているため、この性質を利用してバターに大麻成分を溶け込ませたのが大麻バターです。
大麻バターは通常のバターと同様、食事に利用することで用いられ、そうして大麻を摂取するのです。
一般的に広まっているイメージとしては、乾燥させた大麻をパイプなどで喫煙することによって摂取するイメージが強いかもしれませんが、大麻バターのような大麻草そのものではなく、大麻入り食品を摂取することで大麻を使用するケースもあるのです。
大麻バターの他にも、大麻成分を油に溶け込ませた大麻オイルや、そもそも大麻自体を食品に混ぜる大麻クッキーなどがあると言われています。
・大麻入り食品と大麻取締法違反
さて、今回のAさんは大麻バターという大麻成分の入った食品を所持していたことによって、大麻取締法違反の容疑で逮捕されてしまったようです。
しかし、Aさんの考えていたように、大麻草そのものを持っていたわけではなくとも、大麻取締法違反となってしまうのでしょうか。
大麻取締法を見てみましょう。
大麻取締法1条
この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。
ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。
この条文によると、大麻取締法のいう「大麻」とは、大麻草そのものだけでなく大麻草を使用した製品のことも含んでいるということが分かります。
つまり、大麻草からバターに大麻成分を溶け込ませたものである大麻バターも、大麻取締法の規制対象である「大麻」に該当するということになるのです。
大麻取締法24条の2
大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
ですから、大麻バターを所持することはこの大麻取締法24条の2に違反することになるのです。
ただし、今回のAさんは19歳であり20歳未満の少年であるため、原則的には少年事件として扱われることになり、刑罰を受けることは基本的にはありません。
しかし、Aさんの年齢が19歳であることから、手続き途中に成人し、刑事事件としての扱いに切り替わる可能性があることも注意が必要です。
今回のAさんの事案では、大麻取締法違反という犯罪の性質に注目した弁護活動はもちろんのこと、刑事事件としての手続きに切り替わる可能性のある少年事件としての弁護活動も意識しなければならないということです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく少年事件も多く取り扱っています。
だからこそ、それぞれの犯罪の特色に注目した弁護活動も、刑事事件・少年事件それぞれの特徴を抑えた弁護活動も可能です。
京都府・滋賀県の大麻取締法違反事件などの刑事事件・少年事件の逮捕にお困りの際は、弊所弁護士までご相談下さい。
(京都府城陽警察署までの初回接見費用:3万8,200円)
京都府綾部市の少年大麻所持事件②
京都府綾部市の少年大麻所持事件②
~前回からの流れ~
Aさんは、京都府綾部市に住んでいる中学3年生です。
不眠で悩んでいたAさんは、インターネットで大麻を使用すればよく眠れるという内容の記事を見かけ、インターネットを通じて知り合った男性Bさんから大麻を購入し、大麻を使用するようになりました。
その後Aさんは、大麻だけでなく、MDMAなども購入して使用していたのですが、ある大麻を使用した日に大麻の作用で自宅内で暴れ、それをきっかけに家族から救急車を呼ばれ、病院に運ばれました。
そして、病院の検査で大麻の使用が発覚し、Aさんは大麻取締法違反の容疑によって京都府綾部警察署に逮捕されてしまうことになりました。
その後の捜査で、Aさんの部屋から大麻だけでなくMDMAも見つかり、Aさんは麻薬取締法でも追送検される予定です。
Aさんの家族は、どうにかAさんを釈放してほしい、また、どうにか同じことを繰り返さずに更生できるようにしたいと、京都の少年事件を扱う弁護士に相談することにしました。
(※平成31年3月25日産経新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・「追送致」とは?
今回のAさんは、まず最初に大麻取締法違反の容疑で逮捕され、その後、MDMA所持等による麻薬取締法違反で「追送致」されることになっています。
ではこの「追送致」とはいったい何で、どういった時に行われるのでしょうか。
まず、刑事事件・少年事件については、原則的に警察などによって捜査が行われ、その後検察庁へ事件が送られます。
この検察庁に事件が送られる手続きのことを「送致」と言います。
逮捕されている場合には被疑者の身柄と一緒に証拠等の書類を検察庁へ送致します。
そして、逮捕等身体拘束を伴わない刑事事件、いわゆる在宅事件では、証拠等書類のみが検察庁へ送致されます(これがいわゆる「書類送検」です。)。
そして検察庁に送致された後に、検察官が逮捕に引き続く身体拘束である「勾留」を請求するかどうか、被疑者を起訴するか否か、少年事件の場合は家庭裁判所に送致するかどうか等を判断していくことになります。
「追送致」は、この検察官へ事件を送る「送致」について、すでに送致を行った同じ被疑者の別件の刑事事件・少年事件(いわゆる「余罪」と呼ばれるもの)を追加で送致していく手続きです。
つまり、Aさんの場合、当初発覚していた大麻取締法違反の容疑で逮捕され、検察庁に送致された後、MDMAの所持や使用が発覚したため、そのMDMAに関する麻薬取締法違反事件が追加で検察庁に送致=「追送致」されたということになります。
なお、Aさんのような少年事件の場合、原則として検察官に事件が送られた後、家庭裁判所への事件の送致が行われます。
ここでも、家庭裁判所に事件が送致された後に余罪が発覚したり、余罪の捜査が行われている間に本件として立件されていた事件が先に家庭裁判所への送致が行われていたような場合には、「追送致」が行われることになります。
・Aさんのための弁護・付添人活動
Aさんの事件に限らず、大麻等違法薬物に関連した刑事事件・少年事件では、事件の性質上証拠隠滅が容易なことから、逮捕や勾留といった身体拘束の処分が行われやすいと言われています。
しかし、だからといって釈放を目指した活動ができないわけではありません。
ご家族等周りの方との協力のもと、検察官や裁判官に対して証拠隠滅のおそれがないことを法律に基づいた主張を行うことで、釈放を目指していくことができます。
どのような方法によって証拠隠滅のおそれのないことを示していくのか等は、刑事事件・少年事件それぞれによって異なります。
Aさんの場合であれば、ご家族による監督によって証拠隠滅の機会をなくしていくことなどが考えられますが、それもAさんのご家族やAさん自身の環境がどういったものかにもよりますから、一度弁護士に具体的な事情と共に相談されることが望ましいでしょう。
そして、前回の記事でも触れた通り、大麻は他の違法薬物の使用の入り口となってしまう可能性もある薬物です。
現にAさんはMDMAという別の違法薬物に手を出してしまっています。
現在受けている身体拘束から解放してもらう、という活動ももちろん大切ですが、その後を考えることも大切です。
Aさんは20歳未満であるため、少年事件の手続きにのっとり、原則刑事罰を受けることはありませんが、違法薬物を複数種類使用していたことから、少年の更生に適さない環境であると判断されれば、少年院送致といった処分も考えられます。
もちろん、そういった処分を受けなかったとしても、Aさんがまた違法薬物を繰り返してしまえば元も子もありません。
ですから、今後Aさんが同様の犯罪に触れないよう、再犯防止のための活動をしていくこと、さらにはそれを証拠化し、Aさんが社会のもとで更生できるという主張をしていくことが必要となってきます。
こうした活動も、薬物事件に関する知識だけでなく、少年事件の手続きにも精通していることが求められますから、弁護士への相談・依頼をされることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件についてのご相談・ご依頼に迅速に対応できるよう、24時間いつでもお問い合わせが可能です。
0120-631-881では専門スタッフがお問い合わせに合ったサービスをご案内いたしますので、まずは遠慮なくお電話ください。
京都府綾部市の少年大麻所持事件①
京都府綾部市の少年大麻所持事件①
Aさんは、京都府綾部市に住んでいる中学3年生です。
Aさんは、高校受験等について悩むことも多く、眠れない日が続いていました。
するとある日、インターネットで検索をしていると、「大麻を使用すればよく眠れる」といった記事が出てきました。
その記事の内容に惹かれたAさんは、インターネットを通じて知り合った男性Bさんから大麻を購入し、大麻を使用するようになりました。
その後Aさんは、大麻だけでなく、MDMAなども購入して使用していたのですが、ある大麻を使用した日に大麻の作用で自宅内で暴れ、それをきっかけに家族から救急車を呼ばれ、病院に運ばれました。
そして、病院の検査で大麻の使用が発覚し、Aさんは大麻取締法違反の容疑によって京都府綾部警察署に逮捕されてしまうことになりました。
その後の捜査で、Aさんの部屋から大麻だけでなくMDMAも見つかり、Aさんは麻薬取締法でも追送検される予定です。
Aさんの家族は、どうにかAさんを釈放してほしい、また、どうにか同じことを繰り返さずに更生できるようにしたいと、京都の少年事件を扱う弁護士に相談することにしました。
(※平成31年3月25日産経新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・大麻とMDMA
いわゆる大麻は、ご存知の方も多いように、大麻草という植物の一部を乾燥させたり樹脂化させたり、あるいは液体化させたりしたものを指します。
一方、MDMAはいわゆる合成麻薬と呼ばれる薬物であり、幻覚剤に分類される薬物です。
MDMAを使用することによって多幸感を感じるという効果があると言われていますが、その乱用によって死亡者が出ることもある危険な薬物です。
現在の日本では、大麻は大麻取締法で、MDMAは麻薬の一種として麻薬取締法で規制されています。
大麻については使用の規制はありませんが、所持や譲渡については大麻取締法で規制がなされており、実際問題、大麻を所持せずに使用することは不可能ですから、大麻を使用していれば大麻所持を行ったとして大麻取締法違反で摘発される可能性が高いと言えるでしょう。
大麻取締法24条の2
大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
麻薬取締法66条
ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第69条第4号若しくは第5号又は第70条第5号に該当する者を除く。)は、7年以下の懲役に処する。
大麻取締法66条の2
第27条第1項又は第3項から第5項までの規定に違反した者は、7年以下の懲役に処する。
(※注:麻薬取締法27条5項 何人も、第1項、第3項又は第4項の規定により禁止される麻薬の施用を受けてはならない。)
こうした規制のある大麻やMDMAですが、上記事例のAさんは、まず大麻取締法違反の容疑で逮捕されているところ、MDMAも所持・使用をしていたようです。
大麻取締法違反事件では、このように違う種類の違法薬物の所持や使用も発覚するケースが少なからず見られます。
というのも、大麻は「ゲートウェイドラッグ」とも呼ばれており、より依存性や副作用の強力な他の違法薬物の使用の入り口になる薬物であると言われている側面があるのです。
大麻は、他の違法薬物と比べて安価な相場であるともいわれており、そうしたことから最初に大麻に手を出す、という人も多くいるようです。
しかし、一度大麻等違法薬物に手を出してしまうと、再度同じ大麻やその他違法薬物に手を出すときのハードルが低くなり、手を出しやすくなってしまいます。
そして、使用感に慣れていってしまうと、より大きい効果を求めて、副作用や依存性の高い薬物に手を広げてしまうということもあるようです。
こうしたことから、大麻はゲートウェイドラッグであるとも言われており、大麻取締法違反だけでなく、その他の違法薬物の所持や使用の罪が重なってしまう刑事事件も少なからずあるのです。
大麻などの薬物事件に限らず、複数の犯罪をしてしまった場合、事件の見通しや弁護活動を推し量ることは、一般の方だけではなかなか難しくなってしまうでしょう。
そうした時こそ、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
弊所の弁護士は刑事事件・少年事件専門の弁護士ですから、複数の犯罪に関わる複雑な刑事事件のご相談・ご依頼も安心してお任せいただけます。
まずはフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
次回の記事では、Aさんの事件に焦点を当てて、詳しく検討していきます。
京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件③
京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件③
~前回からの流れ~
Aさんは、京都府舞鶴市で、X国から大麻を輸入し、その大麻を販売して利益を得ることを数年の間繰り返していたことから、京都府舞鶴警察署に、麻薬特例法違反の容疑で逮捕されることとなりました。
Aさんは、弁護士との接見(面会)を重ねる中で、麻薬特例法違反で起訴され、有罪となった場合、懲役刑や罰金刑の他に「没収」や「追徴」という処分を受ける可能性があるという話を聞きました。
そこでAさんは、それらが一体どういった処分なのかを弁護士に詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・麻薬特例法違反事件で受けうる処分
前回の記事では、大麻取締法違反と麻薬特例法違反がどういった点で異なるのか、どういった違いから成立が分かれるのかに触れました。
今回の記事では、麻薬特例法違反となった場合に受ける可能性のある処分について取り上げます。
まず、Aさんのような業として大麻輸入行為をしたという麻薬特例法違反で有罪となった場合には、「無期又は5年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金」に処せられることになります。
これに加えて、Aさんが弁護士から聞いたように、「没収」や「追徴」という処分を受ける可能性があります。
麻薬特例法11条1項
次に掲げる財産は、これを没収する。
ただし、第6条第1項若しくは第2項又は第7条の罪が薬物犯罪収益又は薬物犯罪収益に由来する財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産に係る場合において、これらの罪につき第3号から第5号までに掲げる財産の全部を没収することが相当でないと認められるときは、その一部を没収することができる。
1号 薬物犯罪収益(第2条第2項第6号又は第7号に掲げる罪に係るものを除く。)
2号 薬物犯罪収益に由来する財産(第2条第2項第6号又は第7号に掲げる罪に係る薬物犯罪収益の保有又は処分に基づき得たものを除く。)
麻薬特例法12条
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成11年法律第136号。以下「組織的犯罪処罰法」という。)第14条及び第15条の規定は、前条の規定による没収について準用する。
この場合において、組織的犯罪処罰法第14条中「前条第1項各号又は第4項各号」とあるのは、「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律第11条第1項各号又は第3項各号」と読み替えるものとする。
※組織犯罪処罰法14条
前条第1項各号又は第4項各号に掲げる財産(以下「不法財産」という。)が不法財産以外の財産と混和した場合において、当該不法財産を没収すべきときは、当該混和により生じた財産(次条第1項において「混和財産」という。)のうち当該不法財産(当該混和に係る部分に限る。)の額又は数量に相当する部分を没収することができる。
※組織犯罪処罰法15条1項
第13条の規定による没収は、不法財産又は混和財産が犯人以外の者に帰属しない場合に限る。
ただし、犯人以外の者が、犯罪の後情を知って当該不法財産又は混和財産を取得した場合(法令上の義務の履行として提供されたものを収受した場合又は契約(債権者において相当の財産上の利益を提供すべきものに限る。)の時に当該契約に係る債務の履行が不法財産若しくは混和財産によって行われることの情を知らないでした当該契約に係る債務の履行として提供されたものを収受した場合を除く。)は、当該不法財産又は混和財産が犯人以外の者に帰属する場合であっても、これを没収することができる。
麻薬特例法13条1項
第11条第1項の規定により没収すべき財産を没収することができないとき、又は同条第2項の規定によりこれを没収しないときは、その価額を犯人から追徴する。
つまり、薬物犯罪の犯罪行為により得た財産や、その財産を使って得た財産は「没収」され、「没収」が不可能な場合には「追徴」されることになるのです。
「没収」とは、その物の所有権をはく奪し、国庫に帰属させることを言います。
すなわち、その物を取り上げて、国のものとしてしまう、ということです。
「追徴」とは、「没収」ができない場合に、その物の価額を強制的に納付させることを言います。
ですから、Aさんの場合、懲役刑や罰金刑だけでなく、大麻輸入やその大麻の販売によって得た利益について「没収」や「追徴」をされることになると考えられるのです。
このように、実は刑事事件の処分は犯罪によって様々で、どういった処分が見込まれるのかは成立した犯罪やその詳しい内容によります。
しかし、こうした見通しがなければ、どういった処分を目指していくか、争うべき事柄が何かという方針が立てられないこともあります。
だからこそ、刑事事件に巻き込まれてしまった時、刑事事件に悩んだ時には、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。
弊所の弁護士は、刑事事件専門の弁護士として、ご相談者様のお悩みに真摯に対応いたします。
お問い合わせは0120-631-881まで、遠慮なくお電話ください。
京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件②
京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件②
~前回からの流れ~
Aさんは、京都府舞鶴市で、X国から大麻を輸入し、その大麻を販売して利益を得ることを数年の間繰り返していたことから、京都府舞鶴警察署に、麻薬特例法違反の容疑で逮捕されることとなりました。
Aさんは、家族の依頼を受けた弁護士と接見(面会)し、大麻輸入行為であっても麻薬特例法違反となるケースがあることを聞きました。
そこでAさんは、弁護士に、大麻輸入行為で大麻取締法違反となった場合と、大麻輸入行為で麻薬特例法違反となった場合の違いについて、さらに詳しく話を聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・大麻取締法違反と麻薬特例法違反~成立の分かれ目
前回の記事で取り上げたように、「麻薬」特例法違反という通称ではありますが、大麻輸入行為等も麻薬特例法違反となりえます。
では、Aさんのように大麻を輸入した場合に、大麻取締法違反が成立した場合と麻薬特例法違反が成立した場合で何が異なってくるのでしょうか。
そもそも、この2つの犯罪は、どういった点で成立する犯罪が分かれるのでしょうか。
もう一度それぞれの条文を見てみましょう。
麻薬特例法5条
次に掲げる行為を業とした者(これらの行為と第8条の罪に当たる行為を併せてすることを業とした者を含む。)は、無期又は5年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
2号 大麻取締法第24条又は第24条の2(所持に係る部分を除く。)の罪に当たる行為をすること。
大麻取締法24条
1項 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。
条文を見てみると、大麻輸入行為の場合、「業として」行えば麻薬特例法違反に、そうでなければ大麻取締法違反になるということが分かります。
麻薬特例法のいう「業として」行うとは、大麻輸入等の規制薬物に関連する不正行為を反復継続する意思に基づき、業態的・営業的活動であると認められる形態で活動することであると解釈されています。
何をもって「業態的・営業的活動」と言えるかについては、どれだけの期間その不正行為が継続されていたのか、不正行為によって得た利益はどれほどであるのか等、それぞれの事案を詳しく検討することで判断されますから、一概に「何回輸出入をしているから麻薬特例法違反になる」とは言えません。
ですから、一般の方だけで大麻取締法違反によって処罰されるのが適切なのか、それとも麻薬特例法違反となる可能性があるのかを判断することは非常に難しいと言えるでしょう。
・大麻取締法違反と麻薬特例法違反~2つの違い
では、大麻取締法違反と麻薬特例法違反、どちらが成立するかによって何が変わるのでしょうか。
まずは、2つの法律を見比べると分かる通り、麻薬特例法違反として処罰される方が、大麻取締法違反として処罰されるよりもより厳しく重い刑罰を受けることになることが分かります。
大麻取締法違反と麻薬特例法違反では、いわゆる「法定刑」が異なるのです。
そして、ここで注意すべきなのは、Aさんのような大麻輸入行為が大麻取締法違反になるのか麻薬特例法違反になるのかということで異なってくることが、ただ単純に刑罰が重くなるかどうかだけではないということです。
先ほども触れた通り、大麻取締法では、営利目的で大麻を輸入した場合の法定刑は7年以下の懲役(情状によっては200万円以下の罰金も併科)ですが、業として大麻輸入を行って麻薬特例法違反となった場合の法定刑には、無期懲役が含まれることになります。
これにより、以下の裁判員法2条1号に該当することとなり、業として大麻輸入を行ったという麻薬特例法違反で裁判となった場合には裁判員裁判を受けることになるのです。
裁判員法2条
地方裁判所は、次に掲げる事件については、次条又は第3条の2の決定があった場合を除き、この法律の定めるところにより裁判員の参加する合議体が構成された後は、裁判所法第26条の規定にかかわらず、裁判員の参加する合議体でこれを取り扱う。
1号 死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件
裁判員裁判は、手続きもそれに伴う弁護活動も、通常の刑事裁判とは異なる特殊なものとなります。
裁判員裁判となれば、被告人自身の負担も、その周囲の方の負担も大きくなってしまう可能性があります。
だからこそ、裁判員裁判になる可能性があるのであれば、より刑事事件に詳しい専門家である弁護士のサポートが重要になってくると言えます。
このように、大麻取締法違反となるのか、それとも麻薬特例法違反となるのかは、その規定されている刑罰の重さが大きく異なるだけでなく、裁判の手続きがどのようなものになるのかにも影響します。
そういった場合に頼れるのが、刑事事件に強い弁護士です。
こうした2つの犯罪の成立について争いたいとお悩みの方、麻薬特例法違反事件にお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。
お問い合わせは24時間いつでも0120-631-881にて受け付けています。
次回の記事では、麻薬特例法違反事件で考えうる処分について取り上げます。
京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件①
京都府舞鶴市の大麻輸入麻薬特例法違反事件①
Aさんは、京都府舞鶴市で、X国から大麻を輸入し、その大麻を販売して利益を得ることを数年の間繰り返していました。
しかしある日、舞鶴税関支署により、Aさんの大麻輸入行為が発覚し、Aさんは京都府舞鶴警察署に麻薬特例法違反の容疑で逮捕されることとなりました。
Aさんは、「自分が輸入していたのは大麻であったのに、麻薬特例法違反という罪名で逮捕されたのはなぜなのだろうか」と思い、Aさんの家族が依頼した弁護士が接見(面会)に来た際に、弁護士に質問してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・大麻輸入なのに麻薬特例法?
Aさんは、大麻を販売するために大麻輸入行為を繰り返したという麻薬特例法違反の容疑で逮捕されています。
Aさんも疑問に思っているように、大麻なのに麻薬特例法という法律に違反することになるのでしょうか。
大麻に関しては、大麻取締法によって規制されているのではないのでしょうか。
麻薬特例法とは、「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」という法律の通称です。
麻薬特例法が定められている趣旨は、その1条にあります。
麻薬特例法1条
この法律は、薬物犯罪による薬物犯罪収益等をはく奪すること等により、規制薬物に係る不正行為が行われる主要な要因を国際的な協力の下に除去することの重要性にかんがみ、並びに規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図り、及びこれに関する国際約束の適確な実施を確保するため、麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)、大麻取締法(昭和23年法律第124号)、あへん法(昭和29年法律第71号)及び覚せい剤取締法(昭和26年法律第252号)に定めるもののほか、これらの法律その他の関係法律の特例その他必要な事項を定めるものとする。
つまり、麻薬特例法は、麻薬や向精神薬、大麻、覚せい剤などの規制薬物に関する特例であり、「麻薬」特例法という通称で呼ばれてこそいるものの、麻薬特例法の対象には麻薬や向精神薬だけでなく、大麻やあへん、覚せい剤についても含まれるということになります。
では、どういったことをした場合、麻薬特例法によって処罰されることになるのでしょうか。
今回のAさんのような、大麻取締法違反にかかる例にとって見てみましょう。
麻薬特例法では、以下のような形で、麻薬特例法違反として処罰するケースを定めています。
麻薬特例法5条
次に掲げる行為を業とした者(これらの行為と第8条の罪に当たる行為を併せてすることを業とした者を含む。)は、無期又は5年以上の懲役及び1,000万円以下の罰金に処する。
2号 大麻取締法第24条又は第24条の2(所持に係る部分を除く。)の罪に当たる行為をすること。
大麻取締法24条
1項 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。
大麻取締法24条の2
1項 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。
すなわち、大麻取締法で禁止されている大麻輸入行為等について、「業として」行った場合には、大麻取締法違反ではなく、麻薬特例法違反として処罰されることになるのです。
なお、このほか、薬物犯罪による収益と知りながらその収益を収受したり、規制薬物の輸出入に係る薬物犯罪をする意思で規制薬物として物品を輸出入したり、薬物犯罪の濫用をあおったりそそのかしたりした場合にも、麻薬特例法違反となります。
では、麻薬特例法違反と大麻取締法違反では、具体的に何が異なってくるのでしょうか。
そして、どういった違いによって成立する犯罪が変わってくるのでしょうか。
次回の記事で詳しく取り上げます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、麻薬特例法違反事件を含む薬物事件のご相談も数多く承っています。
京都府・滋賀県で麻薬特例法違反にお困りの際は、まずは弊所弁護士までご相談ください。
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(フリーダイヤル:0120-631-881)
コカインと覚せい剤を間違えて所持したら?③
コカインと覚せい剤を間違えて所持したら?③
~前回からの流れ~
滋賀県東近江市に住んでいるAさんは、コカインを使ってみたいと思い、インターネットでコカインを販売しているというBさんに連絡を取り、お金を渡して薬物を譲り受けました。
ある日、滋賀県東近江警察署の警察官が令状をもってAさん宅に家宅捜索に訪れ、Aさんの持っていた薬物を発見しました。
そこで、AさんはBさんから譲り受けた薬物をコカインだと思い込んで所持していたのですが、警察の捜査でその薬物が覚せい剤であったことが発覚しました。
Aさんは違法薬物を所持していたとして逮捕されてしまったのですが、Aさんは、「自分はあくまでコカインを所持している認識しかなかった。だが実際に持っていたのは覚せい剤だった。自分はいったいどういった犯罪で裁かれるのだろう」と不安に思い、家族の依頼で接見に訪れた京都府・滋賀県の刑事事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※最決昭和61.6.9を基にしたフィクションです。)
・Aさんに対する弁護活動
前回の記事では、今回のAさんに関しては、麻薬取締法違反の範囲で犯罪が成立する可能性が高いことに触れました。
では、今回のAさんに対しては、どのような弁護活動が考えられるでしょうか。
①成立する犯罪を争う
前回の記事にも取り上げた通り、覚せい剤取締法違反が成立するのか、麻薬取締法違反が成立するのかでは、法定刑に大きな差があります。
覚せい剤取締法違反(単純所持):10年以下の懲役
麻薬取締法違反(コカイン単純所持):7年以下の懲役
ですから、不当に重い刑罰を受ける可能性のある犯罪を疑われているのであれば、成立する犯罪について争う必要があると言えるでしょう。
もちろん、犯罪が成立すべきでない場合に容疑をかけられているのであればそれは冤罪ということになりますから、犯罪の成立自体を弁護士と協力して争っていくことも考えられます。
どちらにせよ、自分たちの主張をただ述べるだけでは、捜査機関も裁判所も簡単には納得してくれません。
法律・証拠に基づいた主張が必要となりますから、専門家の弁護士に頼りましょう。
また、こうした事実で争う場合には、捜査段階での取調べ対応が重要となることが多いです。
捜査機関の誘導に乗ってしまったり、不用意な対応によって意思に反した調書が作られてしまっては、後の裁判で不利に扱われるおそれがあります。
弁護士のアドバイスをこまめに受けることによって、こうした事態を避けられる可能性が高まります。
②身柄解放活動を行う
前々回の記事で取り上げたように、違法薬物に関連する刑事事件では、逮捕・勾留のような身体拘束手続きが取られることが多いです。
この身体拘束からの身柄解放を目指した活動が考えられます。
捜査段階で釈放を目指すことはもちろん、起訴された後の保釈についても、法律の専門家である弁護士だからこそ、それぞれの事情を証拠化して説得的に主張していく活動が可能です。
③情状弁護を行う
容疑を認めている事件で起訴されてしまった場合には、より有利な判決を獲得するために、情状弁護を行うことが考えられます。
例えばAさんであれば、コカイン・覚せい剤といった違法薬物の所持をしてしまっていますから、その後どうやって違法薬物に手を出さずに生活していくかという再犯防止策を練ったり、入手先など違法薬物の関係先と一切の連絡を絶ったりした上でそれを証拠化し、再犯防止の対策がきちんとできていることを主張していくことが考えられます。
他にも、違法薬物に関連した刑事事件では、専門機関での治療やカウンセリングを行い、再犯防止に努めることで情状弁護の材料とすることも考えられます。
以上に挙げた弁護活動はあくまでも一例です。
実際の刑事事件では、依頼者の方それぞれの事情が異なりますから、それぞれのご希望や環境に合わせた弁護活動が必要となってきます。
だからこそ、刑事事件に困ったら、まずは直接弁護士に相談し、詳しい事情を擦り合わせながら弁護方針を確認してみることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、0120-631-881でいつでもお問い合わせを受け付けております。
まずはお気軽にお電話ください。
コカインと覚せい剤を間違えて所持したら?①
コカインと覚せい剤を間違えて所持したら?①
滋賀県東近江市に住んでいるAさんは、コカインを使ってみたいと思い、インターネットでコカインを販売しているというBさんに連絡を取り、お金を渡して薬物を譲り受けました。
ある日、滋賀県東近江警察署の警察官が令状をもってAさん宅に家宅捜索に訪れ、Aさんの持っていた薬物を発見しました。
そこで、AさんはBさんから譲り受けた薬物をコカインだと思い込んで所持していたのですが、警察の捜査でその薬物が覚せい剤であったことが発覚しました。
Aさんは違法薬物を所持していたとして逮捕されてしまったのですが、Aさんは、「自分はあくまでコカインを所持している認識しかなかった。だが実際に持っていたのは覚せい剤だった。自分はいったいどういった犯罪で裁かれるのだろう」と不安に思い、家族の依頼で接見に訪れた京都府・滋賀県の刑事事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※最決昭和61.6.9を基にしたフィクションです。)
・コカイン所持
コカインは、コカの木から取れる有機化合物で、局所麻酔薬にも使われているもので、日本では、麻薬取締法(正式名称:麻薬及び向精神薬取締法)で麻薬として所持等の行為を規制されています。
コカインには、覚せい剤に似た中枢神経興奮作用もあり、摂取によって爽快感や興奮を得られるとされていますが、そうした作用の持続時間が短いことから使用頻度が高くなり、依存症になりやすいとも言われています。
また、コカインの過剰摂取は、心疾患や脳の損傷を引き起こす可能性があり、他の違法薬物同様、危険な薬物であるといえるでしょう。
上述の通り、コカインの所持は麻薬取締法によって規制されています。
麻薬取締法66条
ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持した者(第69条第4号若しくは第5号又は第70条第5号に該当する者を除く。)は、7年以下の懲役に処する。
麻薬取締法では、麻薬をジアセチルモルヒネ=ヘロインとそれ以外に分けて罰則を定めています。
ヘロイン以外の麻薬であるコカインは、このように所持しているだけでも7年以下の懲役という大変重い刑罰を受けることになります。
なお、コカインの所持目的が自分で摂取するためなどの目的ではなく、営利目的であった場合には、さらに重い刑罰が下されます。
・覚せい剤所持
覚せい剤とは、精神刺激薬の一種で、脳神経に作用して心身の働きを一時的に活性化させる薬です。
しかし、乱用によって依存症になったり、幻聴・幻覚を引き起こしたり、過剰投与によって死亡してしまったりするケースも多く、日本では覚せい剤取締法によってその所持等が規制されています。
覚せい剤取締法41条の2
覚せい剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
こちらも、先ほどのヘロイン同様、所為しているだけで犯罪となりますし、所持の目的が営利目的であった場合には、さらに重い刑罰が科されることになります。
・違法薬物の所持と逮捕
今回のAさんのように、コカインや覚せい剤といった違法薬物の所持事件では、逮捕・勾留による身体拘束を伴う捜査が行われることが非常に多いです。
それは、違法薬物という証拠物が簡単に隠滅できてしまったり、売人等の関係者が複数にわたる可能性があったりするという事件の性質によります。
Aさんのように、令状を持った警察官がやってきて家宅捜索されるというケースも珍しくありません。
逮捕や家宅捜索は突然なされることも多いうえ、日常的に関わる機会のない強制手続きでしょうから、被疑者本人はもちろんのこと、その周囲の家族や友人の方も大きく戸惑われることが予想されます。
どうしていいのか分からない、何が分からないかも分からない、という状況であれば、まずは専門家である弁護士を頼りましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、コカインや覚せい剤を含む違法薬物所持事件のご相談・ご依頼も多く承っています。
逮捕に迅速に対応するための初回接見サービスも行っていますから、違法薬物所持事件にお困りの方にも安心してご相談いただけます。
お問い合わせは0120-631-881でいつでも行っていますので、お気軽にお電話ください。
次回の記事では、Aさんのケースについて詳しく触れていきます。
(滋賀県東近江警察署までの初回接見費用:4万2,500円)
長浜市の業務上横領・薬機法違反事件で逮捕なら
長浜市の業務上横領・薬機法違反事件で逮捕なら
Aさんは、滋賀県長浜市にある病院で、薬剤部の管理職として働いています。
ある日Aさんは、自分の管理している薬の中に、知人が欲しがっていた薬があることに気が付きました。
そこでAさんは、その薬を抜き出し、知人に手渡しで販売しました。
こうしたことに味を占めたAさんは、管理している薬の在庫をごまかし、売却することを繰り返していました。
しかし、監査によって薬の在庫におかしな点があることが判明し、病院は滋賀県長浜警察署に届出ました。
その後、Aさんによる着服が発覚し、Aさんは業務上横領罪と薬機法違反の容疑で逮捕されることとなりました。
(※平成31年1月21日福井新聞ONLINE配信記事を基にしたフィクションです。)
・お金でなくても業務上横領罪?
業務上横領罪というと、銀行員や経理として働いている人が銀行や会社のお金を着服する、というイメージが強いかもしれませんが、業務上横領罪の対象となる物はお金そのものだけとは限りません。
刑法253条(業務上横領罪)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。
業務上横領罪の対象となる物は、「業務上自己の占有する他人の物」です。
「物」としか定めがありませんから、それがお金かどうかは業務上横領罪が成立するうえで問題とはなりません。
「自己の占有する」とは、自分が管理・支配している、という意味です。
今回の事例に当てはめてみると、Aさんは薬剤部の管理職として働いており、その立場に基づいて反復継続して薬を管理していました。
しかし、その薬はAさん自身の物ではなく、当然病院の物です。
ですから、Aさんの管理している薬は「業務上自己の占有する他人の物」であり、それを横領することは業務上横領罪となるのです。
なお、業務上横領罪にいう「横領」とは、自身の権限を越えてその物に対して行う不法領得の意思を実現する一切の行為を言うとされています。
今回のAさんは、薬を管理してこそいますが、勝手に薬を自分の物にして第三者に売ってしまうような権限はないでしょうから、「横領」したと考えられるのです。
・薬を売ったら薬機法違反?
今回のAさんは、横領によって着服した薬を勝手に第三者に販売していますが、これは薬機法違反(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律違反)になる行為です。
薬機法では、医薬品や医薬部外品、化粧品を業として販売するために許可を受けなければならないと規定しています(薬機法12条1項)。
しかし、今回のAさんは勝手に第三者に薬を販売していたのですから、この規定に違反する無許可販売を行っていたことになります。
薬の無許可販売で薬機法違反となると、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処せられるか、又はこれらの併科とされる可能性が出てきます(薬機法84条2号)。
今回のAさんのように、その行為の態様によっては、業務上横領罪と薬機法違反という、一見なかなか結びつかないような犯罪を同時にしてしまうこともありえます。
こうした場合、処分の重さはもちろん、それぞれの犯罪がどうして成立するのか、それぞれの犯罪に合った弁護活動はどのようなものか、といった様々なことを考慮しなければならず、逮捕されてしまった本人だけでなく、周囲の方も不安になってしまうことでしょう。
こうした時こそ、刑事事件専門の弁護士事務所である弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。
弊所の弁護士は、ご依頼いただいてから24時間以内に逮捕された方と面会し、最短即日でご依頼者様へご報告とアドバイスを行います。
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(滋賀県長浜警察署までの初回接見費用:上記フリーダイヤルまでお電話ください)