京都府綾部市の少年大麻所持事件②

2019-03-28

京都府綾部市の少年大麻所持事件②

~前回からの流れ~
Aさんは、京都府綾部市に住んでいる中学3年生です。
不眠で悩んでいたAさんは、インターネットで大麻を使用すればよく眠れるという内容の記事を見かけ、インターネットを通じて知り合った男性Bさんから大麻を購入し、大麻を使用するようになりました。
その後Aさんは、大麻だけでなく、MDMAなども購入して使用していたのですが、ある大麻を使用した日に大麻の作用で自宅内で暴れ、それをきっかけに家族から救急車を呼ばれ、病院に運ばれました。
そして、病院の検査で大麻の使用が発覚し、Aさんは大麻取締法違反の容疑によって京都府綾部警察署に逮捕されてしまうことになりました。
その後の捜査で、Aさんの部屋から大麻だけでなくMDMAも見つかり、Aさんは麻薬取締法でも追送検される予定です。
Aさんの家族は、どうにかAさんを釈放してほしい、また、どうにか同じことを繰り返さずに更生できるようにしたいと、京都少年事件を扱う弁護士に相談することにしました。
(※平成31年3月25日産経新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・「追送致」とは?

今回のAさんは、まず最初に大麻取締法違反の容疑で逮捕され、その後、MDMA所持等による麻薬取締法違反で「追送致」されることになっています。
ではこの「追送致」とはいったい何で、どういった時に行われるのでしょうか。

まず、刑事事件少年事件については、原則的に警察などによって捜査が行われ、その後検察庁へ事件が送られます。
この検察庁に事件が送られる手続きのことを「送致」と言います。
逮捕されている場合には被疑者の身柄と一緒に証拠等の書類を検察庁へ送致します。
そして、逮捕等身体拘束を伴わない刑事事件、いわゆる在宅事件では、証拠等書類のみが検察庁へ送致されます(これがいわゆる「書類送検」です。)。
そして検察庁に送致された後に、検察官が逮捕に引き続く身体拘束である「勾留」を請求するかどうか、被疑者を起訴するか否か、少年事件の場合は家庭裁判所に送致するかどうか等を判断していくことになります。
「追送致」は、この検察官へ事件を送る「送致」について、すでに送致を行った同じ被疑者の別件の刑事事件少年事件(いわゆる「余罪」と呼ばれるもの)を追加で送致していく手続きです。
つまり、Aさんの場合、当初発覚していた大麻取締法違反の容疑で逮捕され、検察庁に送致された後、MDMAの所持や使用が発覚したため、そのMDMAに関する麻薬取締法違反事件が追加で検察庁に送致=「追送致」されたということになります。

なお、Aさんのような少年事件の場合、原則として検察官に事件が送られた後、家庭裁判所への事件の送致が行われます。
ここでも、家庭裁判所に事件が送致された後に余罪が発覚したり、余罪の捜査が行われている間に本件として立件されていた事件が先に家庭裁判所への送致が行われていたような場合には、「追送致」が行われることになります。

・Aさんのための弁護・付添人活動

Aさんの事件に限らず、大麻等違法薬物に関連した刑事事件少年事件では、事件の性質上証拠隠滅が容易なことから、逮捕や勾留といった身体拘束の処分が行われやすいと言われています。
しかし、だからといって釈放を目指した活動ができないわけではありません。
ご家族等周りの方との協力のもと、検察官や裁判官に対して証拠隠滅のおそれがないことを法律に基づいた主張を行うことで、釈放を目指していくことができます。
どのような方法によって証拠隠滅のおそれのないことを示していくのか等は、刑事事件・少年事件それぞれによって異なります。
Aさんの場合であれば、ご家族による監督によって証拠隠滅の機会をなくしていくことなどが考えられますが、それもAさんのご家族やAさん自身の環境がどういったものかにもよりますから、一度弁護士に具体的な事情と共に相談されることが望ましいでしょう。

そして、前回の記事でも触れた通り、大麻は他の違法薬物の使用の入り口となってしまう可能性もある薬物です。
現にAさんはMDMAという別の違法薬物に手を出してしまっています。
現在受けている身体拘束から解放してもらう、という活動ももちろん大切ですが、その後を考えることも大切です。
Aさんは20歳未満であるため、少年事件の手続きにのっとり、原則刑事罰を受けることはありませんが、違法薬物を複数種類使用していたことから、少年の更生に適さない環境であると判断されれば、少年院送致といった処分も考えられます。
もちろん、そういった処分を受けなかったとしても、Aさんがまた違法薬物を繰り返してしまえば元も子もありません。
ですから、今後Aさんが同様の犯罪に触れないよう、再犯防止のための活動をしていくこと、さらにはそれを証拠化し、Aさんが社会のもとで更生できるという主張をしていくことが必要となってきます。
こうした活動も、薬物事件に関する知識だけでなく、少年事件の手続きにも精通していることが求められますから、弁護士への相談・依頼をされることをおすすめいたします。

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