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逮捕されていない少年事件も弁護士へ
逮捕されていない少年事件も弁護士へ
逮捕されていない少年事件を弁護士に相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市南区の中学校に通っている中学3年生のAくん(15歳)は、ある日、出かけた先の京都市南区にある商業施設内の階段で、前を歩いていた女性Vさんのスカートの中をスマートフォンで盗撮してしまいました。
盗撮行為の目撃者が通報したことで、Aくんは駆け付けた京都府南警察署の警察官に任意同行されることになりました。
しかし、Aくんは逮捕されることなくその日のうちに帰宅を許され、後日また京都府南警察署に呼び出されて取調べを受けることになりました。
Aくんの両親は、逮捕されないのであれば大事にはならないのではないかと思っていましたが、少年事件は通常の刑事事件と異なる手続きであるということを知り、不安を感じて弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・逮捕されていない=弁護士は不要?
上記事例のAくんは、盗撮をした疑いで京都府南警察署に任意同行され、逮捕されることなく帰宅を許されています。
このような場合、今後は取調べのために何度か警察署に呼び出される、いわゆる在宅事件として捜査が進むことになるでしょう。
事例のAくんも、後日京都府南警察署で取調べを受けることになっているようです。
こうした、逮捕されずに手続きが進んでいく在宅事件の場合、「大事になっている」という感覚はわきにくいかもしれません。
逮捕されてしまえば、身体拘束によって家族とも会えなくなりますし、学校や職場にも通えなくなりますから、すぐにでも釈放をしてほしいと考える方が多く、弁護士のサポートが早急に必要であると考える方が多いでしょう。
ですが、逮捕されていない在宅事件では、通常通り自宅で生活することができますし、取調べのない日は職場や学校に通うことができますから、なかなか緊急性が高いようには見えず、弁護士に弁護活動を頼むほどのことではないのではないか、と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、逮捕されていない在宅事件においても、弁護士の役割は非常に大きいものなのです。
例えば、今回のAくんの事例を考えてみましょう。
Aくんは中学3年生の未成年ですから、Aさんの両親が聞いた話のとおり、成人の刑事事件とは異なる少年事件として手続きが進んでいくでしょう。
少年事件の場合、たとえ捜査段階で逮捕されずに在宅事件として進められていたとしても、事件が家庭裁判所に送致された後、観護措置という措置が取られれば、少年は一定期間(平均的には4週間程度)、鑑別所に収容されることとなってしまいます。
そうなれば、学校へ行けなかったり、就業先に行けなかったりといった不都合が出てくることはもちろん、少年本人や家族にも負担がかかってしまうことになりかねません。
さらに、家庭裁判所へ送致されるまでの取調べ等の手続きは、成人の刑事事件とほとんど同様の手続きによって行われます。
たとえ未成年でも、被疑者として1人で取調べに臨まなければならないのです。
未成熟な少年が、捜査官相手にきちんと主張したいことを貫けるかどうか、という問題も出てきます。
かけられている容疑が冤罪であった場合はもちろん、そうでなくとも目的や手段、実際にやったこと等を自分の認識通り話せるかどうかによって、処分にも大きな影響が出てしまう可能性があります。
また、今回の事例のAくんのような盗撮事件では、被害者の方への謝罪や賠償をしていくことも考えられるでしょう。
盗撮事件においては、被害者の方は見ず知らずの方であることも多いです。
そうした中で謝罪や賠償を行っていくには、まずは被害者の方と連絡を取るために連絡先を教えてもらわなければなりませんが、通常、捜査機関は盗撮をした当事者に直接被害者の連絡先を教えることはしません。
盗撮された被害者としては、当然加害者側に対して処罰感情や恐怖を感じていることも多いためです。
そうすると、被害者に対して自分たちだけで謝罪や弁償をするということは難しくなってしまいます。
そして、少年事件の場合、終局処分は家庭裁判所が少年の更生にとって適切な処分を判断することで決まります。
少年の更生にとってよい環境を自分たちで作れているかどうかという点は、この判断の際に重視されることの1つです。
そのためには、少年の更生のためにどういったことが必要なのか、現在の環境からどこをどう変えるべきなのか適切に把握し、行動する必要があります。
このように、たとえ逮捕をされていなくとも、刑事事件・少年事件の専門的知識が必要な活動は多く存在します。
特に、少年事件の場合は、前述のように家庭裁判所に事件が送致されてからも身体拘束のリスクがある上に、終局処分での判断が少年の更生に適切かどうかという点で考えられることから、逮捕されていないから軽く済むに決まっている、ということはありません。
まずは専門家の話を聞いてみるというところから、刑事事件・少年事件を把握してみることをおすすめします。
京都府の少年事件でお困りの際は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士まで、ご相談ください。
弊所の弁護士は、盗撮事件などの性犯罪から、傷害事件などの暴力犯罪、万引きなどの財産犯罪まで、幅広く活動しています。
初回無料法律相談もございますので、逮捕されていない在宅事件の少年事件を起こしてしまったという方もお気軽にご相談ください。
相手が同意していても強制わいせつ罪?
相手が同意していても強制わいせつ罪?
相手が同意していても強制わいせつ罪に問われたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府宮津市に住んでいる24歳のAさんは、近所に住んでいる小学生のVさん(12歳)と度々挨拶や立ち話をする仲でした。
ある日、Vさんからキスをしてほしいと言われたAさんは、Vさんにキスをして抱きしめたり、Vさんの胸や臀部といった身体を触ったりするようになりました。
AさんとVさんがキスなどの行為をするようになってしばらくしてから、Vさんの両親が、Vさんが何か隠している様子であることに気が付き、Vさんを問い詰めたことで、AさんとVさんの関係が発覚しました。
Vさんの両親が京都府宮津警察署に相談し、Aさんは強制わいせつ罪の容疑で話を聞かれることになりました。
Aさんは、「キスやハグなどは全てVさんから言い出したことで、相手のVさんは同意していた。それでも犯罪になるのか」と思い、刑事事件に対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・「相手の同意がある=強制わいせつ罪にならない」ではない?
強制わいせつ罪という名前から、強制わいせつ罪は「強制的にわいせつな行為をする」という犯罪のイメージがある方も多いのではないでしょうか。
そのため、「わいせつな行為に対して相手の同意がない=強制わいせつ罪が成立する」、「わいせつな行為に対して相手の同意がある=強制わいせつ罪が成立しない」というイメージの方も少なくありません。
しかし、今回のAさんは、相手であるVさんの同意があった上でキスなどをしているにもかかわらず、強制わいせつ罪に問われているようです。
このように、相手の同意があったにも関わらず強制わいせつ罪に問われることがあるのでしょうか。
まずは、強制わいせつ罪の条文を確認してみましょう。
刑法第176条(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪の条文の前段では、「暴行又は脅迫を用いて」わいせつな行為をした者に強制わいせつ罪が成立する旨が定められています。
これは先ほど挙げたような、「相手の同意を得ないわいせつな行為に強制わいせつ罪が成立する」といった、世間一般の強制わいせつ罪のイメージと重なるものではないでしょうか。
ただし、ここで注意しなければいけないのは、この「暴行又は脅迫を用いて」わいせつな行為をした場合に強制わいせつ罪が成立するのは、「13歳以上の者」への行為と限定されているということです。
これに対して、相手が13歳未満の者であった場合については、強制わいせつ罪の条文の後段に定められています。
13歳未満の者が相手であった場合、強制わいせつ罪は「わいせつな行為をした」だけで成立します。
つまり、被害者の年齢次第では、「暴行又は脅迫」という手段が用いられなくとも、わいせつな行為をしただけで強制わいせつ罪が成立することになるのです。
「わいせつな行為をした」だけで成立するのですから、相手がわいせつな行為に同意していたとしても強制わいせつ罪が成立することになるのです。
当然、13歳未満の者に対して暴行や脅迫を用いてわいせつな行為をした場合にも強制わいせつ罪は成立しますが、相手の同意があったからといって必ずしも強制わいせつ罪にはならないというわけではないのです。
今回の事例のAさんは、12歳のVさん相手にキスなどをしているようです。
AさんはVさんの同意を得てした行為だと考えているようにですが、先ほど確認したように、相手が13歳未満の場合、相手に同意があったとしても、わいせつな行為をしただけで強制わいせつ罪が成立します。
ですから、Vさんの同意の有無に関係なく、Aさんには強制わいせつ罪が成立すると考えられるのです。
・被害者が未成年の強制わいせつ事件
強制わいせつ事件は被害者の存在する刑事事件ですから、被疑者・被告人が容疑を認めているのであれば、被害者への謝罪や被害弁償は、重要な弁護活動の1つとなってきます。
しかし、加害者である被疑者・被告人やその家族など近しい人たちが被害者に直接接触することは、刑事手続上よくないと考えられることが多いです。
被疑者・被告人やその家族が被害者に謝罪したいと捜査機関に申し出ても、連絡先等を教えられないと断られることが多いです。
というのも、加害者である被疑者・被告人が直接被害者に接触することで、証拠隠滅(例えば証言の変更を迫るなど)や被害者へ危害を加えるといったおそれが考えられるためです。
被害者側としても、当然加害してきた被疑者・被告人に怒りや恐怖の感情を抱いていることが多く、直接接触することは避けたいという意向であることも多いです。
特に、被害者が未成年である場合には、被害者本人ではなく、その両親などの保護者が謝罪等の相手となります。
自分の子供が性被害にあった状況ですから、被害感情が強いことが当然予想されます。
もしも当事者同士で謝罪の場を設けられたとしても、余計にこじれてしまう可能性も考えられます。
だからこそ、謝罪・被害弁償・示談交渉には、弁護士を間にはさむことがおすすめされます。
被害者の側からしても、直接加害者本人と接触せずに済むため、安心して話を聞くことができます。
被疑者・被告人の側からしても、法律の専門家であり第三者である弁護士が間に入ってくれることは安心できる要素でしょう。
早い段階から弁護士に相談・依頼することが望ましいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、強制わいせつ事件などの性犯罪事件も承っています。
京都府の強制わいせつ事件にお困りの際は、お気軽にご相談ください。
児童ポルノ所持事件と略式手続
児童ポルノ所持事件と略式手続
児童ポルノ所持事件と略式手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
~事例~
京都府福知山市に住んでいるAさんは、海外の動画サイトから16歳の女子学生が性交する動画1本と衣服を一切に身に着けていない女子学生の画像1点をダウンロードして保存していました。
これらの動画は、Aさんが個人で見るために、Aさんのパソコンで保管していました。
しかし、ある日、Aさんの自宅に京都府福知山警察署の警察官が来て、児童ポルノ所持による児童ポルノ禁止法違反の疑いで家宅捜査を受けました。
Aさんは京都府福知山警察署で取調べを受けることになり、その後も何回か取調べに呼ばれると伝えられました。
その中で、自分の刑事事件について略式手続が取られるかもしれないと耳にしたAさんは、詳しい話を聞いてみたいと弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・児童ポルノ所持事件
児童ポルノの所持の禁止は、正式名称を「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」という法律(以下、児童ポルノ禁止法)で定められた犯罪行為です。
児童ポルノ禁止法では、以下の条文で児童ポルノの所持を禁止しています。
児童ポルノ禁止法第7条第1項
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
自己の性的好奇心を満たす目的で、第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。
児童ポルノ禁止法において、児童ポルノの単純所持は、たとえその所持の目的が自身の性的欲求を満たすためであっても禁止されています。
児童ポルノの単純所持の場合は、児童ポルノの販売目的の所持の場合に比べて法的刑は軽くなっています。
これは、販売目的で児童ポルノを持っていたのであれば、児童ポルノがさらに広がるおそれがありますが、単純所持であればその可能性は低いことから、性的虐待の程度が小さいと判断されるためです。
本件の場合には、Aさんは児童ポルノの単純所持に当たり、かつ所持している児童ポルノは計2点と少ないため、罰金刑も考えられる事案です。
・略式手続
では、Aさんが受けるかもしれないと言われた略式手続とは、どういった手続きなのでしょうか。
一般に略式手続と呼ばれる手続きは、刑事訴訟法第461条から第470条にかけて定められている刑事裁判の手続です。
略式手続の特徴は、簡易に迅速に裁判が行われるため、迅速な裁判が行われる点です。
この略式手続をするためには、
1 簡易裁判所の管轄に属する事件であること
2 100万円以下の罰金、科料などを科すことができる事件であること
3 被疑者が略式手続を行うことに異議がないこと
が必要になります。
以上の要件を満たす場合に、検察官が簡易裁判所に対して書面で公訴を提起することによって行われることができます(刑事訴訟法第462条第1項)。
また、略式手続の日数ですが、略式手続の請求を受けた裁判所は、略式命令が可能かつ略式命令が相当と判断した場合には略式手続の請求を受けた日から14日以内に判断することになっています(刑事訴訟法規則第290条第1項)。
そのため約2週間という速さで罰金などの判断が出ることになります。
また、略式判決に不服がある場合には、公判を請求することもできます(刑事訴訟法第465条)。
今回の事案についてみると、児童ポルノの単純所持の量刑は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
そのため、Aさんが同意すれば、管轄の簡易裁判所に公訴を提起することによって略式手続となる可能性も考えられるでしょう。
ただ、実際にAさんの立場になった場合、どうするべきかよくわからないと思う人も多いでしょう。
その場合には、刑事事件に強い弁護士に相談しながら決めることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件でお悩みの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。
専門のスタッフが、 24時間体制で無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。
盗撮用カメラの設置だけでも刑事事件に
盗撮用カメラの設置だけでも刑事事件に
盗撮用カメラの設置だけでも刑事事件になりえるということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府綾部市に住んでいる男性会社員Aさんは、以前から盗撮に興味があり、ついに自分で小型カメラを購入すると、近所のファミリーレストランのトイレの個室内にカメラを設置しました。
Aさんは女性の下着姿や下着を脱いでいる姿を盗撮したいと思っていたのですが、
①カメラがうまく作動せず、結局トイレの様子は撮影できていませんでした。
②トイレが男女共用であったこともあり、カメラを仕掛けてからトイレを利用したのは男性客のみであり、盗撮できていたのは男性客がトイレを利用する様子だけでした。
しばらくして、トイレの個室内にカメラがあることに気が付いた客が店員に相談したことがきっかけで京都府綾部警察署に通報され、捜査の結果、Aさんは盗撮のためにカメラを設置した京都府迷惑防止条例違反の容疑で話を聞かれることになりました。
Aさんは、「目的通りのものが撮影できていなかったのに犯罪になるのか」と思い、盗撮事件を含む刑事事件を扱う弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・盗撮に関わる迷惑防止条例
多くの盗撮事件では、今回の事例のAさんが容疑をかけられているような迷惑防止条例違反という犯罪が成立します。
迷惑防止条例は、各都道府県ごとに定められている条例で、例えば京都府では「京都府迷惑行為等防止条例」という条例が定められています。
こうした迷惑防止条例では、公共の場所や乗物(都道府県によってはその他の場所も含む)での盗撮行為が禁止されていることが多く、そのため、先ほど触れたように盗撮事件ではこの迷惑防止条例に違反したという犯罪が成立することが多いのです。
当然、盗撮をしようとして目的通り盗撮を成し遂げた場合には、盗撮をしたことによる迷惑防止条例違反となることに不思議はないでしょう。
しかし、今回のAさんの事例の①や②のように、当初の目的とは異なる結果になってしまった場合はどうなるのでしょうか。
①の場合
今回のAさんの事例で①のように、盗撮目的でカメラを設置したものの結果的に撮影ができていなかったような場合は、盗撮できていなかったのだから犯罪とはならないのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、京都府迷惑防止条例では、盗撮行為の禁止に関して、未遂罪の規定を置いているわけではありません(未遂罪が処罰されるには未遂罪の規定がなければいけません。)。
しかし、京都府迷惑防止条例には、盗撮行為自体以外の盗撮に関連する行為についても禁止している条文があります。
京都府迷惑防止条例第3条第4項
何人も、第1項に規定する方法で第2項に規定する場所若しくは乗物にいる他人の着衣等で覆われている下着等又は前項に規定する場所にいる着衣の全部若しくは一部を着けない状態にある他人の姿態を撮影しようとして、みだりに撮影機器を設置してはならない。
「第1項に規定する方法」とは、京都府迷惑防止条例第3条第1項にある「他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法」のことを指しています。
例えば、今回のAさんの事例のようにトイレの個室内にカメラを設置してトイレを利用する様子を盗撮するといった方法は、一般的に他人に恥ずかしいという感情を持たせたり、不安感や嫌悪感を抱かせたりするような方法と言えるでしょう。
また、「第2項に規定する場所若しくは乗物」とは、京都府迷惑防止条例第3条第2項の「公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物」のことを指します。
さらに、「前項に規定する場所」とは、京都府迷惑防止条例第3条第3項の「住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」を指します。
ですから、今回のAさんの事例のような飲食店内のトイレといった場所は、これらの場所に当てはまることになるのです。
そして、これらの方法でこれらの場所に盗撮目的で「みだりに撮影機器を設置」することがこの条文で禁止されているのですから、①のようにたとえ撮影が出来ていなかったとしても迷惑防止条例違反となるのです。
②の場合
今回のAさんの事例の②では、Aさんが盗撮しようと思っていた女性客ではなく、男性客が撮影されています。
「同性だからいいではないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、迷惑防止条例では盗撮行為の被害者の性別を限定することはしていません。
ですから、たとえ撮影されたのが同性であっても、盗撮する目的の人物でなくても、盗撮による迷惑防止条例違反は成立することになります。
京都迷惑防止条例第3条第2項
何人も、公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物にいる他人に対し、前項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 通常着衣等で覆われている他人の下着等を撮影すること。
京都府迷惑防止条例第3条第3項
何人も、住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる他人に対し、第1項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 当該状態にある他人の姿態を撮影すること。
当然、被害者感情としても、「同性だから盗撮されてもよい」とはならないでしょうから、容疑に間違いがないのであれば、真摯に被害者対応をしていくことも大切となるでしょう。
盗撮というと、実際に撮影できて初めて刑事事件となるというイメージの方もいらっしゃるかもしれませんが、カメラを設置するだけでも刑事事件化する可能性もあります。
態様によっては迷惑防止条例違反だけでなく、別の犯罪も成立する可能性もありますから、まずは刑事事件の専門家である弁護士に、成立しうる犯罪や対応を聞いてみることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、こうした盗撮に関連する刑事事件のご相談・ご依頼も承っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
ホテルでデリヘル嬢の盗撮…何罪?
ホテルでデリヘル嬢の盗撮…何罪?
ホテルでデリヘル嬢の盗撮をした場合に何罪が成立するのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府木津川市のホテルに宿泊していたAさんは、デリヘル店に連絡すると、デリヘル嬢Vさんを読んでサービスをしてもらうことにしました。
Aさんは、デリヘル嬢がサービスを行う様子をこっそり盗撮して後で見返そうと考え、Vさんがホテルに来るまでにホテルの室内に盗撮用の小型カメラを仕掛けました。
そしてデリヘル嬢Vさんがホテルに到着し、Aさんの部屋で服を脱ぐなどしてサービスをする様子をこっそり盗撮しました。
しかし、Vさんがサービスを終えて帰るという段階になって、部屋に仕掛けられたカメラにVさんが気付き、Aさんの盗撮行為が発覚。
Vさんの通報によって、Aさんは京都府木津警察署に盗撮事件の被疑者として話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)
・ホテルでの盗撮は何罪?
盗撮事件は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にも多くご相談が寄せられる刑事事件の1つです。
小型のカメラが簡単に入手できる環境になっていることや、ほとんどのスマートフォンにカメラ機能がついていることなどから、やろうと思えば簡単に盗撮行為ができてしまうのかもしれません。
そうしたことから、盗撮事件は比較的身近に起こり得る刑事事件であるため、盗撮という行為が犯罪であることや、どういった行為が一般的に盗撮と言われているのかをご存知の方も多いでしょう。
しかし、日本には「盗撮罪」という犯罪があるわけではないため、盗撮行為によって成立する犯罪名に「盗撮」という言葉が使われるわけではありません。
盗撮行為の態様や、どういった場所で盗撮行為が行われたかといった事情を考慮し、その事件の事情に当てはまる犯罪が成立するのです。
例えば、多くの都道府県の迷惑防止条例で盗撮行為に関する規制が定められていますが、その内容は都道府県ごとに異なるため、盗撮が行われた都道府県がどこか、また盗撮が行われた場所がどこなのかということによって迷惑防止条例での規制の対象となったりならなかったりするのです。
今回のAさんの事例を考えてみましょう。
Aさんは、ホテルの室内で、デリヘル嬢Vさんがサービスをする様子を盗撮していたようです。
ホテルがあったのは京都府木津川市ですから、迷惑防止条例が適用されるとすれば、京都府の迷惑防止条例が適用されることになります。
では、京都府迷惑防止条例の盗撮行為に関する条文を確認してみましょう。
京都府迷惑防止条例第3条
第2項 何人も、公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物にいる他人に対し、前項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 通常着衣等で覆われている他人の下着等を撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣等の中をのぞき込み、又は撮影する機能を有する機器(以下「撮影機器」という。)を通常着衣等で覆われている他人の下着等に向けること。
第3項 何人も、住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる他人に対し、第1項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 当該状態にある他人の姿態を撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をしようとして、他人の姿態に撮影機器を向けること。
第4項 何人も、第1項に規定する方法で第2項に規定する場所若しくは乗物にいる他人の着衣等で覆われている下着等又は前項に規定する場所にいる着衣の全部若しくは一部を着けない状態にある他人の姿態を撮影しようとして、みだりに撮影機器を設置してはならない。
まず、京都府迷惑防止条例第3条第2項で規制されている盗撮行為は、「公共の場所」や「公共の乗物」、「不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物」で行われたものに限定されています。
電車や駅などで行われた盗撮行為や、学校の教室などで行われた盗撮行為は、この条文によって規制されています。
そして、京都府迷惑防止条例第3条第3項では、先ほど挙げた「公共の場所」等だけではなく、住居や宿泊の用に供する施設の客室=ホテルの部屋なども規制の対象としています。
つまり、駅や電車などの公共性のある場所や開かれた場所だけでなく、ホテルの一室などの私的な空間での盗撮行為もこの迷惑防止条例で規制しているのです。
今回のAさんは、ホテルの一室でデリヘル嬢Vさんがサービスを行っている様子を盗撮していますが、Vさんが服を脱いでデリヘルのサービスをしている様子は、京都府迷惑防止条例第3条第3項にある「着衣の全部又は一部を着けない状態」であるといえるでしょうから、Aさんにはこの条文に違反したことによる京都府迷惑防止条例違反が成立すると考えられるのです。
なお、もしもAさんの仕掛けたカメラが不具合などで映像や画像を記録できていなかったとしても、京都府迷惑防止条例では盗撮目的でカメラを設置することも禁止していることから、盗撮ができていなかったからといって処罰されないということではないことも注意が必要です。
今回の事例では、盗撮事件が起こった都道府県が京都府であったため、迷惑防止条例の中にホテルの一室が含まれていたことで迷惑防止条例違反となるだろうと考えられますが、別の都道府県ではホテルの一室が迷惑防止条例の規制対象とならない事もあります。
当事者だけで自分の盗撮行為がどういった犯罪になり得るのか判断することは難しいですから、弁護士に相談してみることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、盗撮事件などの性犯罪についてもご相談・ご依頼を受け付けています。
ホテルでの盗撮事件や、風俗トラブルの絡んだ刑事事件についても、お気軽にご相談ください。
風俗店の本番強要トラブルが刑事事件に
風俗店の本番強要トラブルが刑事事件に
風俗店の本番強要トラブルが刑事事件に発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、京都市北区にある風俗店を利用した際、好みの女性キャストVさんからサービスを受けることになりました。
このお店ではいわゆる本番行為が禁止されていましたが、Aさんは、Vさんがあまりに好みに合致していたため、Vさんに対して本番行為を強要し、無理矢理本番行為に及ぼうとVさんを押し倒して押さえつけるなどしました。
しかし、Vさんが声をあげて人を呼んだため、店の男性スタッフが駆け付けたことでAさんはVさんから引き離されました。
そしてAさんは店側から「本番行為の強要をしただろう。対応次第では京都府北警察署に届け出ることも考える」と言われてしまいました。
自分がどうなるのか怖くなったAさんは、ひとまず風俗店との話し合いの前に弁護士に相談して詳しい話を聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・風俗店と本番強要トラブル
そもそも原則として、風俗店ではいわゆる「本番行為」は禁止されています。
というのも、お金をもらって本番行為をするということは売春に当たるため、それを風俗店として認めてしまえば風俗店が売春防止法違反という犯罪に問われてしまうためです。
ですから、風俗店では本番行為が禁止されており、利用客にもその旨は伝えられます。
しかし、今回のAさんは風俗店を利用した際に女性キャストVさんに対して本番行為を強要してしまったようです。
こうした行為はどのような犯罪になる可能性があるのでしょうか。
相手方の同意がないにもかかわらず無理に本番行為を行ってしまった場合は強制性交等罪(刑法第177条)の成立が考えられます。
刑法第177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交,肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし,5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
強制性交等罪が成立する場合で、さらにその行為時に相手に怪我をさせてしまったときは強制性交等致傷罪(刑法第181条第2項)に問われる可能性もあります。
強制性交等致傷罪の法定刑は無期または6年以上の懲役となっています。
強制性交等罪には未遂犯処罰規定(刑法第180条)がありますので、本番を強要したものの実際に行為は行わなかったというときでも、強制性交等未遂罪として罪に問われる可能性は残ります。
また、先ほど挙げた強制性交等致傷罪は強制性交等未遂罪の機会に怪我をさせた場合にも成立しますので、注意が必要です。
強制性交等罪の成立要件である暴行・脅迫は、相手方の反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫でなければなりません。
「反抗を抑圧する」とは、物理的・精神的に反抗できない状態にすることを意味します。
したがって強制性交等罪の要件である暴行・脅迫は、少なくとも被害者の反抗を著しく困難にする程度の強度が必要であるということになります。
しかし、実際は相手方の意思に反するという事実が認められれば、暴行・脅迫があった場合、それは相手の反抗を抑圧する暴行・脅迫であると扱われる傾向が強く、さらに単純に加えられた力の強さや脅迫の強さだけでなく、その行為時の他の事情についても考慮に入れて判断されることもあります。
例えば、場所的な要素としてエレベーターのような狭い場所であればそれほど強い力を加えずとも相手の抵抗を押さえつけることができますし、加害者と被害者の事情としてそれらの体格や年齢などが違えばそういった事情も考慮されることになるでしょう。
ここで、被害者側が容易に抵抗できたと考えられるのに抵抗されなかったという理由で、強制性交等罪が要求する程度の暴行・脅迫がなかったと無罪を言い渡されたり訴追されなかったりするという意見もあります。
たしかに過去にそのような判断が下されたこともありました(最判平成23.7.25)が、性犯罪被害者が被害に遭った際に容易には抵抗できない心理状態にあることなど種々の事情から当該被害者にとって抵抗が困難であると認められた際には、比較的軽微な暴行・脅迫しかなかったとしても反抗を抑圧する程度のものであったと認められるケースも存在します。
また、先ほど触れた強制性交等致傷罪の結果である「傷害」には、キスマークをつけることや性病をうつすことも含まれます。
もちろん、本番を強要する際に行われた暴行行為によって傷害結果が生じた場合も強制性交等致傷罪の成立が考えられます。
今回の事例にあてはめて考えてみると、Aさんはまだ本番行為を行っていないので強制性交等罪に問われることはないでしょう。
しかし、AさんにはVさんの意に反して無理に本番行為をする目的があり、Vさんを押し倒したことなどがその目的を達成するための行為であったと考えられるときには強制性交等未遂罪として捜査が行われる可能性があります。
・本番強要トラブルと弁護活動
風俗店での本番強要トラブルについては、被害者が直接またはお店を経由して警察に被害届を出すことなどによって捜査が開始される場合がほとんどです。
捜査が開始された場合、容疑がかかる犯罪が強制性交等罪という重い犯罪であることから逮捕されてしまう可能性もあります。
ですから、本番行為を強要してしまったら、お早めに刑事事件に強い弁護士に相談されることをおすすめします。
刑事事件化してしまった場合や刑事事件化が心配される場合、弁護士が被害者と示談交渉をしたり、警察等と逮捕を回避する交渉することにより逮捕されるリスクを減らす活動が考えられます。
そして、示談交渉に関しては、弁護士を介して示談交渉を行うべきと考えられます。
当事者間で直接交渉を行おうとしても、風俗店側が無理な要求を行ったり、話し合いが進まない場合も多いです。
示談がまとまらないまま時間が過ぎてしまうと、その間に刑事手続きが進み取り返しの付かない状況になってしまうおそれもあります。
刑事事件に強い弁護士に依頼することで円滑に示談交渉を進めることが期待できますし、依頼者にとって不当な不利益を回避することにもつながります。
本番行為による風俗トラブルに関わるものだけに限らず、刑事事件はスピードが命です。
早期に動き出すことによって逮捕や起訴を回避できる可能性を高めることができます。
もし起訴に至ってしまった場合でも、早めに準備をしておくことによって執行猶予の獲得を狙うこともできます。
風俗店で本番行為を強要してしまった方、強制性交等罪や強制性交等致傷罪の被疑者となってしまった方は、お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士にご相談ください。
シャワー室への侵入で取調べ
シャワー室への侵入で取調べ
シャワー室への侵入で取調べを受けたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府城陽市の会社Xに勤務している男性会社員のAさんは、会社にある女性用シャワー室に侵入したとして、その現場を目撃した同僚に、京都府城陽警察署に通報されてしまいました。
Aさんは、京都府城陽警察署で事情を聞かれることになり、そこで自身に建造物侵入罪と京都府迷惑防止条例違反の容疑がかけられているということを知りました。
自分への処分や自分がたどる刑事手続が今後どのようになるのか不安になったAさんは、京都府の刑事事件に対応している弁護士の初回無料法律相談を利用して、弁護士に詳しい話を聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・シャワー室やトイレへの侵入
今回の事例のAさんは、会社内にある女性用のシャワー室に立ち入ったことで犯罪を行った疑いをかけられています。
ただ単純に男性が女性用の、あるいは女性が男性用のシャワー室やトイレなどに立ち入ったということが絶対に犯罪となるわけではありません。
しかし、事情によっては犯罪に問われる可能性のある行為であるということにも注意しなければなりません。
以下では、シャワー室やトイレへの侵入によって問われうる犯罪について確認していきます。
・建造物侵入罪
今回の事例のAさんにかけられている容疑の1つとして建造物侵入罪という犯罪があります。
建造物侵入罪は、刑法第130条前段に規定されている犯罪です。
刑法第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
建造物侵入罪という名前から、建造物侵入罪は建物そのものに立ち入る行為を処罰する犯罪であるというイメージのある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、建造物侵入罪では、建造物その物への侵入行為のほかにも、立ち入りが許された建造物内部において立ち入ることが禁止されている区画に立ち入る場合についても処罰することになっています。
立ち入り行為が建造物侵入罪にいう侵入に当たるかどうかは、居住者や看守者の意思に反する立ち入りであるかどうか、立ち入りによって事実上の平穏が侵害されたといえるかどうかという2つの点を考慮して判断されます。
例えば、今回の事例で問題となっているシャワー室やトイレといった場所は、普段衣服によって隠されている身体の一部または全部を露出する場所です。
そこに異性が正当な理由なく立ち入るとなれば、安心してそのシャワー室やトイレなどを利用できない状態になると考えることができます。
さらに、正当な理由なしに異性がシャワー室やトイレに入るようなことは、その建造物の看守者(管理している者)の意思にも反することになるでしょう。
こうしたことから、正当な理由なしに異性用とされているシャワー室やトイレに立ち入ることは建造物侵入罪に当たることになると考えられるのです。
ただし、建造物侵入罪の条文にも「正当な理由がないのに」とあるように、シャワー室やトイレへの立ち入りに正当な理由があれば、建造物侵入罪は成立しないということになります。
例えば、異性によるトイレへの立ち入りについては、本来使用すべきトイレがいっぱいで失禁してしまうのを回避するために止む無く立ち入った場合や、トイレに清掃目的で立ち入った場合などが考えられます。
・迷惑防止条例違反
今回の事例のAさんは、先ほど触れた建造物侵入罪だけでなく、京都府迷惑防止条例違反の疑いもかけられています。
各都道府県の迷惑防止条例では、盗撮やのぞき行為を禁止していることが多く、今回の事例のAさんは女性用シャワー室に立ち入っていたという事情から、そうした行為による迷惑防止条例違反を疑われている可能性があります。
京都府迷惑防止条例第3条
第3項 何人も、住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる他人に対し、第1項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 当該状態にある他人の姿態を撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をしようとして、他人の姿態に撮影機器を向けること。
例えば、Aさんが女性用シャワー室に立ち入って盗撮行為をしようとカメラなどをシャワー室を利用している人に向けていたり、その様子を盗撮していたりすれば、Aさんにはこの迷惑防止条例違反も成立することになるのです。
都道府県や行為の行われた場所によっては、のぞき行為でも迷惑防止条例違反となるケースもあります。
・軽犯罪法違反
のぞき行為については、軽犯罪法第1条第23号でも「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」を罰する規定があります。
場所などの関係上迷惑防止条例違反にはならない場合でも、立ち入り行為の目的がのぞきであり、実際にのぞき行為をしていたような場合には、軽犯罪法違反に問われる可能性も出てくることになります。
このように、シャワー室やトイレへの侵入によって成立する可能性のある犯罪は複数存在します。
侵入の目的や侵入してからした行為によっても成立する犯罪は異なりますから、シャワー室やトイレへの侵入によって刑事事件化してしまい、取調べを受けることになったら、まずは弁護士に相談し、自分が問われうる犯罪についてきちんと聞いておきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、弁護士による初回無料法律相談も受け付けています。
まずはお気軽にご相談ください。
おふざけがエスカレートして強制わいせつ事件に?
おふざけがエスカレートして強制わいせつ事件に?
おふざけがエスカレートして強制わいせつ事件に至ったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市南区に住むAさんは、自宅で友人の女性Vさんと酒を飲んでいました。
お酒が回ってきたAさんは、おふざけのつもりでVさんの太ももを触りはじめました。
Vさんが嫌がるそぶりを見せないことからAさんの行為はエスカレートし、Vさんのお尻や胸を揉むなどした上、無理矢理キスしようとしたところで突如Vさんが激怒し、そのまま京都府南警察署に通報されてしまいました。
Aさんは、警察官から簡単に話を聞かれた後、強制わいせつ事件の被疑者として京都府南警察署で取調べを受けることになりました。
おふざけの延長線上の行為だったつもりなのに強制わいせつ罪という犯罪の容疑をかけられてしまったと不安になったAさんは、刑事事件を取り扱う弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・強制わいせつ罪
今回のAさんは、Vさんの太ももを触るのに加え、Vさんのお尻や胸を揉み無理矢理キスしようとしています。
この行為は、Aさんに容疑をかけられている強制わいせつ罪(刑法第176条)という犯罪になる可能性のある行為です。
刑法第176条(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪における「わいせつな行為」とは、被害者の意思に反して他人から触れられたり見られたくない身体の一部に触れたりするなどして被害者の性的羞恥心を害し、かつ一般通常人でも性的羞恥心を害されるであろう行為のことをいいます。
つまり、性的に恥ずかしいと思わせるような行為を相手の意思に反して行うことが強制わいせつ罪の「わいせつな行為」となるのです。
具体的には、陰部や胸、お尻や太ももなどに触れる行為や、裸にして写真を撮る行為、無理矢理キスしようとする行為などが挙げられます。
強制わいせつ罪が成立するためには、この「わいせつな行為」を行う手段として暴行・脅迫が用いられることが必要です。
この暴行・脅迫は被害者の反抗を著しく困難ならしめる程度のものでなければなりません。
すなわち、相手の抵抗を押さえつける程度に強い暴行・脅迫が用いられることが求められるのです。
ここで注意したいのは、実際に反抗されたとしても、客観的に反抗することが著しく困難であったと認められる限り強制わいせつ罪の成立は妨げられないということです。
ですから、相手が反抗してきたからといって必ずしも強制わいせつ罪の暴行・脅迫に当たらない(強制わいせつ罪が成立しない)とは限らず、加害者と被害者の体格や年齢、関係性、事件の起こった現場の状況など、様々な事情を総合的に考慮して強制わいせつ罪にあたるか判断されることになります。
また、強制わいせつ罪を含む性犯罪ではわいせつな行為と手段としての暴行・脅迫が必ずしも別個に存在しません。
例えば、陰部をもてあそぶという「わいせつな行為」に当たる行為が、手段としての「暴行」としての性格ももつとして、強制わいせつ罪が成立するということもあります。
今回の事例についても、AさんがVさんに行った太ももを触る行為に始まる一連の行為は、その強度などによっては、強制わいせつ罪にいう「わいせつな行為」に当たるおそれがあると同時に、Vさんへの「暴行」でもあると判断される可能性があります。
・おふざけから刑事事件に発展?
ここまでの検討で、Aさんの行為は強制わいせつ罪にあたり得る行為であるということが確認できました。
しかし、強制わいせつ罪は故意犯=故意がなければ成立しない犯罪なので、Aさんに強制わいせつ罪が成立するとなると、Aさんに強制わいせつ罪の故意がなければならないことになります。
AさんはおふざけのつもりでVさんに触れる等の行為をしていますが、こうした場合に「故意」があると判断できるのかと疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
刑事事件で「故意がある」というためには、悪いことをしているという意識までは必要ではありませんが、その行為が構成要件(条文に定められているその犯罪が成立するために必要な条件のこと)に該当する行為であることの認識とその行為によって生じる結果の予見が必要です。
したがって、たとえ本人がおふざけのつもりでやった行為だったとしても、必ずしも故意が否定されるわけではありません。
ですから、今回のAさんがおふざけのつもりでVさんの身体を触ったり無理矢理キスしようとしたりしていたのだとしても、事件の状況によっては強制わいせつ罪の故意が認められる可能性もあるということになります。
しかし、今回の事例でいえば、Aさんの行為を嫌がらなかったのだからVさんがわいせつな行為を行われることに同意していたとAさんが考えていた可能性があります。
もしも被害者が行われる行為に同意していたのであれば、それは犯罪とはなりません。
このときに問題となるのは錯誤(=勘違い)です。
勘違いをしていたからといって必ずしも犯罪とならないわけではありませんが、例えば、Aさんがどの程度酒に酔っていたのか、AさんとVさんの関係性はどのような関係性だったのか、事件に至る経緯はどのようなものだったのかといった細かい事情によっては、AさんがVさんの同意があるものだと錯誤をしてしまったことに相当性があるとして、強制わいせつ罪に問われることを避けられる可能性もあります。
ですが、こうした検討は細かい事情全てを専門的に調べていかなければできないものです。
一般の方のみで検討を行うことは困難でしょうから、早い段階で専門家である弁護士に相談し、検討してもらうことが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、おふざけからエスカレートして刑事事件に発展してしまったとお困りの方のご相談も受け付けています。
在宅捜査を受けている、または、まだ捜査は受けていないが刑事事件化が不安であるという方については、初回無料法律相談がおすすめです。
まずはお気軽にご相談ください。
児童ポルノ単純所持罪は弁護士に相談
児童ポルノ単純所持罪は弁護士に相談
児童ポルノ単純所持罪を弁護士に相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府向日市に住むAはネット上で見つけた児童ポルノ画像をアップロードしているサイトから自身のパソコンに画像をダウンロードして保存していました。
すると、あるとき京都府向日町警察署の警察官がAの自宅を訪れ、Aは児童ポルノ所持の疑いで警察署に連行されることになってしまいました。
Aは逮捕はされませんでしたが、このままでは前科がついてしまうと考え、刑事事件に強い弁護士の無料法律相談へ行くことにしました。
(この話はフィクションです。)
~児童ポルノ法~
まず、児童ポルノに関する規定は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、児童買春、児童ポルノ法)」にあります。
児童買春、児童ポルノ法はその名の通り、児童ポルノ関連事件や児童買春関連事件など児童(18歳未満の者)に関する性犯罪を幅広く防止する目的のため設立されました。
今回は、Aが逮捕されてしまった児童ポルノの単純所持について詳しく見ていきましょう。
まず児童ポルノとは、どのようなものを指すのか確認しましょう。
児童ポルノの定義については児童買春、児童ポルノ法第2条第3項に規定されています。
児童買春、児童ポルノ法第2条第3項
この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
1号「児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態」
2号「他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」
3号「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」
そして、児童ポルノの所持については児童買春、児童ポルノ法第7条に規定されており、罰則は、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となっています。
~児童ポルノ所持を疑われてしまったら弁護士に相談を~
今回の事例では、詳しく記載されていませんが、Aが誤って児童ポルノに当たる画像をダウンロードしてしまったかもしれません。
例えば、誤って児童ポルノをダウンロードした場合や他人から勝手に児童ポルノが送られてきたという場合には、しっかりと事実を主張していくことで、不起訴処分の獲得や無罪判決獲得の可能性もあります。
ただ、不起訴処分や無罪判決の獲得を目指していくという場合には刑事事件に強い弁護士に弁護活動を依頼した方がよいでしょう。
刑事事件に強い弁護士であれば、それぞれの事件に合わせた効果的な主張をしていくことができます。
弁護活動の依頼を検討されている方だけでなく、児童買春、児童ポルノ法違反事件を疑われている方や、児童買春、児童ポルノ法違反になってしまうのではないか、と不安を抱えている方は、ひとまず刑事事件に強い弁護士に見解を聞くようにしましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスを行っています。
フリーダイヤル0120-631-881にて24時間体制でご予約を受け付けておりますので、京都府向日市の児童買春、児童ポルノ法関連事件でお困りの方やそのご家族がおられましたらお気軽にお問い合わせください。
児童ポルノ禁止法違反事件で罰金刑を目指す
児童ポルノ禁止法違反事件で罰金刑を目指す
児童ポルノ禁止法違反事件で罰金刑を目指す場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、小さい子供に性的興味を持っていたこともあり、京都市左京区にある自宅のパソコンなどに18歳未満の子どもが写った児童ポルノ動画10点を保存していたとして、京都府下鴨警察署に児童ポルノ禁止法違反の容疑で捜査を受けることになりました。
Aさんは、まさか児童ポルノを持っていただけでも刑事事件の当事者になるとは思ってもよらず、捜査を受けたことに驚いています。
Aさんは、「自分も起訴されてドラマのような法廷に立つことになるのだろうか」と不安に思い、弁護士に今後の手続きについて相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・児童ポルノの所持と児童ポルノ禁止法
上記事例のAさんは、児童ポルノを自宅のパソコンに保存していたことで児童ポルノ禁止法違反の容疑をかけられているようです。
児童ポルノ禁止法では、18歳未満の者を「児童」としています(児童ポルノ禁止法第2条第1項)。
児童ポルノ禁止法では、その「児童」の写った写真や映像について、以下に当てはまるものを「児童ポルノ」としています。
児童ポルノ禁止法第2条第3項
この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
第1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
第2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
第3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
そして、この「児童ポルノ」について、児童ポルノ禁止法では以下のように定めています。
児童ポルノ禁止法第7条第1項
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
自己の性的好奇心を満たす目的で、第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。
この条文を見ると、児童ポルノは「所持」しているだけで処罰されることが分かります。
児童ポルノは、たとえ自分が撮影していなくとも、持っているだけで犯罪となる物なのです。
今回の事例のAさんは、自身の性的興味から児童ポルノ動画を自宅のパソコンに保存していた=所持していたのですから、児童ポルノ禁止法違反となっているというわけです。
・児童ポルノ禁止法違反と罰金刑
今回の事例でAさんは、ドラマに出てくるような法廷に立って裁判にかけられることになるのかと不安になっているようです。
たしかに、犯罪をしてしまって刑罰を受けるとなると、ドラマにあるような法廷に立って、傍聴人に見られながら裁判を受けるというイメージがわきやすいかもしれません。
しかし、犯罪に問われる場合、必ず公開の法廷に立って裁判を受けなければならないかというとそうではありません。
略式命令による罰金刑になった場合、公開の法廷で裁判を受けずとも事件を終息させることができます。
例えば、今回のAさんの事例では、Aさんにかけられた容疑である児童ポルノ所持による児童ポルノ禁止法違反の法定刑は、上述の通り1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
100万円以下の罰金又は科料を科し得る事件であり、かつ被疑者に異議がないとき、検察官は略式命令の請求をすることができます(刑事訴訟法第461条、第461条の2)。
略式命令は非公開で行われる裁判であるため、いわゆる正式起訴による刑事裁判で公開の法廷で裁判が行われる場合に比べて、被疑者の情報が外部に流出するおそれが低くなります。
ですから、被疑者容疑を認めているようなケースでは、略式命令による罰金刑を目指すことによって、事件のことが外部に拡散されることを防ぐという手段もありえるのです。
ただし、当然罰金刑にしてほしいといったからといって罰金刑になるというわけではなく、被害の重さや犯行態様の悪質性、反省の度合いや再犯防止策の構築具合など、様々な事情から刑罰が決定されますから、専門家の弁護士に相談し、適切な処分を求める活動をしてもらうことが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
児童ポルノ禁止法違反事件にお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご相談ください。