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【事例紹介】京都初 性的姿態等撮影未遂罪で逮捕②~条例との違い~

2023-09-03

前回のコラムに引き続き、京阪神宮丸太町駅のホームで女性のスカート内を盗撮しようとしたとして、性的姿態等撮影未遂罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警川端署は29日、性的姿態撮影処罰法違反未遂(撮影)などの疑いで、(中略)会社員の男(24)を逮捕した。
逮捕容疑は29日正午ごろ、京都市左京区の京阪神宮丸太町駅ホームで伏見区の女性(32)の背後からスマートフォンを差し出し、スカート内を撮影しようとした疑い。
同署によると、(中略)同法を適用した府内での逮捕は初めて。

(8月29日 京都新聞 「スマホでスカート内撮影しようとした疑い 性的姿態撮影処罰法で京都府内初の逮捕者」より引用)

性的姿態等撮影罪と京都府迷惑行為等防止条例違反

前回のコラムでも書きましたが、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下、「性的姿態撮影処罰法」といいます。)の施行前は、盗撮をした場合に各都道府県の迷惑行為防止条例が成立していました。
7月13日に施行された性的姿態撮影処罰法京都府迷惑行為等防止条例とどのような部分が異なるのでしょうか。

盗撮と法定刑

性的姿態撮影処罰法京都府迷惑行為等防止条例の大きな違いとして、盗撮を行った場合の刑罰の重さが挙げられます。

盗撮を行った場合に、性的姿態撮影処罰法の法定刑は3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金(性的姿態撮影処罰法第2条)である一方で、京都府迷惑行為等防止条例の場合は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(京都府迷惑行為等防止条例第10条1項)です。
京都府迷惑行為等防止条例では、常習盗撮の場合には刑罰を重く定めていますが、それでも法定刑は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(京都府迷惑行為等防止条例第19条3項)であり、性的姿態撮影処罰法3年以下の拘禁又は300万円以下の罰金と比較すると、性的姿態撮影処罰法が施行されたことにより、盗撮で有罪になった際に科される刑罰がかなり重くなったことが伺えます。

盗撮と写真、動画の提供

次に異なる点として挙げられるのは、盗撮画像や動画などの提供について規定されたことです。

性的姿態撮影処罰法第3条 
1項 性的影像記録(前条第1項各号に掲げる行為若しくは第6条第1項の行為により生成された電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)その他の記録又は当該記録の全部若しくは一部(対象性的姿態等(前条第1項第4号に掲げる行為により生成された電磁的記録その他の記録又は第5条第1項第4号に掲げる行為により同項第1号に規定する影像送信をされた影像を記録する行為により生成された電磁的記録その他の記録にあっては、性的姿態等)の影像が記録された部分に限る。)を複写したものをいう。以下同じ。)を提供した者は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する。
2項 性的影像記録を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

京都府迷惑行為等防止条例では、盗撮した写真や動画の提供について定めはありませんでしたが、性的姿態撮影処罰法では盗撮した写真や動画を提供することを禁止しています。
ですので、盗撮した写真などを誰かに渡した場合には、性的姿態撮影処罰法違反が成立するおそれがあります。

また、特定の人や少数の人に提供した場合と、不特定の人や多数の人に提供した場合とでは、科される刑罰の重さが異なってきます。

盗撮と写真、動画の送信

性的姿態撮影処罰法では、盗撮写真等の提供と同様に、送信についても禁止されています。
ですので、京都府迷惑行為等防止条例には規定されていませんでしたが、盗撮した写真や動画などをインターネット上に投稿した場合には、性的姿態撮影処罰違反が成立するおそれがあります。

第5条 不特定又は多数の者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
1項 正当な理由がないのに、送信されることの情を知らない者の対象性的姿態等の影像(性的影像記録に係るものを除く。次号及び第3号において同じ。)の影像送信(電気通信回線を通じて、影像を送ることをいう。以下同じ。)をする行為
(以降省略)

性的姿態撮影処罰法と京都府迷惑行為等防止条例

今回の事例では、京阪神宮丸太町駅のホームで女性のスカート内を盗撮しようとしたとして、性的姿態等撮影未遂罪(性的姿態撮影処罰法違反未遂)の容疑で逮捕されています。
京都府では性的姿態撮影処罰法違反が適用されている事件での逮捕は今回の事例で初めてだと報道されており、今後、性的姿態撮影処罰法違反が適用される事例が増えていくことが予測されます。

今回の事例では盗撮をしようとしたとして、性的姿態撮影処罰法が適用されています。
性的姿態撮影処罰法京都府迷惑行為等防止条例では、盗撮を行った場合に科される量刑がことなり、新しく施行された性的姿態撮影処罰法では、科される刑罰がかなり重くなっています。
ですので、今後は、以前に比べて盗撮を行った際に科される刑罰が重くなることが予想されます。
弁護士に相談をすることで、科される刑罰を軽くできる場合がありますので、盗撮でお困りの方は弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

また、京都府迷惑行為等防止条例では違反行為にならなかった、盗撮した写真や動画などの提供送信行為が、性的姿態撮影処罰法では違法行為として規定されています。
加えて、提供などの目的による盗撮写真等の保管なども性的姿態撮影処罰法では違反行為となります。(性的姿態撮影処罰法第4条)

以上のように、性的姿態撮影処罰法では、京都府迷惑行為等防止条例では違反行為に当たらない行為であっても違反行為に該当する可能性があります。
性的姿態撮影処罰法違反に該当する行為かどうかについては、事案によって異なります。
事件の見通しなども個々の事案によって異なりますので、盗撮等でご不安な方は、弁護士に相談をしてみることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
盗撮でお困りの方、ご不安な方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

次回のコラムでは、盗撮で捜査を受けた場合の弁護活動についてご紹介します。

【事例紹介】京都初 性的姿態等撮影未遂罪で逮捕①

2023-09-01

京阪神宮丸太町駅のホームで女性のスカート内を盗撮しようとしたとして、性的姿態等撮影未遂罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警川端署は29日、性的姿態撮影処罰法違反未遂(撮影)などの疑いで、(中略)会社員の男(24)を逮捕した。
逮捕容疑は29日正午ごろ、京都市左京区の京阪神宮丸太町駅ホームで伏見区の女性(32)の背後からスマートフォンを差し出し、スカート内を撮影しようとした疑い。
同署によると、(中略)同法を適用した府内での逮捕は初めて。

(8月29日 京都新聞 「スマホでスカート内撮影しようとした疑い 性的姿態撮影処罰法で京都府内初の逮捕者」より引用)

盗撮と犯罪

7月13日に性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下、「性的姿態撮影処罰法」といいます。)が施行されました。
以前は盗撮を行った場合に各都道府県の迷惑行為防止条例が成立していましたが、性的姿態撮影処罰法が施行されたことで、盗撮を行った場合に迷惑行為防止条例ではなく、性的姿態等撮影罪が成立する可能性があります。

性的姿態等撮影罪と盗撮

性的姿態撮影処罰法第2条
1項 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する。
1号 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治40年法律第四十五号)第177条第1項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
2号 刑法第176条第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
3号 行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
4号 正当な理由がないのに、13歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は13歳以上16歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為
2項 前項の罪の未遂は、罰する。
3項 前二項の規定は、刑法第176条及び第179条第1項の規定の適用を妨げない。

上記の条文が性的姿態等撮影罪の条文になります。

性的姿態撮影処罰法では、相手に気付かれないようにスカートなどの服で隠れている下着や性行為中の姿、性的部位などを撮る行為はもちろんのこと、撮影に同意できないような状態にさせて撮影する行為や性的な行為ではないなどと誤信させて撮影する行為などを禁止しています。

今回の事例では、容疑者が京阪神宮丸太町駅のホームで女性のスカート内を盗撮しようとしたと報道されています。
ひそかに下着などを盗撮する行為は、性的姿態撮影処罰法で禁止されていますし、未遂だったとしても刑罰を科されます。
今回の事例で、実際に容疑者が女性の下着を盗撮しようとしたのであれば、性的姿態等撮影未遂罪が成立する可能性があります。

性的姿態等撮影罪と逮捕

逮捕されると、逮捕後72時間以内の間に勾留釈放かが判断されます。
勾留になってしまうと、最長で20日間留置場で過ごすことになり、その間は仕事に行くことはもちろん、家に帰ることもできません。
逮捕されてしまうと会社に本人が直接連絡をすることはできませんから、身体拘束期間が長ければ長いほど、会社に逮捕を知られてしまうリスクが高く、最悪の場合には解雇されてしまうおそれもあります。

ですが、早期釈放を実現することで、会社に事件のことを知られずに、解雇を避けられる場合があります。
弁護士は勾留の判断が行われる前であれば、検察官や裁判官に意見書を提出することができます。
検察官や裁判官に意見書を提出して、会社に連絡をしなければならないことや解雇のおそれがあることなどを訴えることで、勾留されずに釈放が認められる可能性があります。

また、勾留後であっても、弁護士は準抗告の申し立てを裁判所に行うことができますので、弁護士が準抗告を行うことで、勾留満期を待たずに釈放される場合もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に精通した法律事務所です。
刑事事件の豊富な弁護経験を持つ弁護士による身柄解放活動によって、早期釈放を実現できるかもしれません。
意見書の提出は逮捕後72時間以内に行わなければなりませんので、ご家族が逮捕された場合は、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120―631―881までご連絡ください。

次回のコラムでは、性的姿態等撮影罪と京都府迷惑行為等防止条例の違いについて解説します。

【事例紹介】14歳の少女のわいせつ行為を撮影した事例

2023-08-30

14歳の少女のわいせつ行為を撮影したとして、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反で再逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警少年課と西京署は28日、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、京都府久御山町教育委員会生涯学習応援課の非常勤職員の男(29)=八幡市、同法違反の罪(買春)で起訴=を再逮捕した。
再逮捕容疑は(中略)女子生徒2人=ともに(14)=が18歳未満と知りながら、中京区のカラオケ店の個室でわいせつな行為をさせ、その様子をスマートフォンで十数分間撮影し保存した疑い。「間違いありません」と容疑を認めているという。

(8月28日 京都新聞 「14歳少女2人とわいせつ行為、撮影疑い 京都の教育委員会職員の男を再逮捕」より引用)

児童ポルノ製造

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ禁止法」といいます。)第7条
1項 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。自己の性的好奇心を満たす目的で、第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者も、同様とする。
2項 児童ポルノを提供した者は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。電気通信回線を通じて第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。
3項 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
4項 前項に規定するもののほか、児童に第2条第3項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第2項と同様とする。
(以降省略)

児童ポルノ禁止法第7条で規定されているように、日本では、児童ポルノの所持や製造が禁止されています。
児童ポルノとはどういったものを指すのでしょうか。

児童ポルノ禁止法第2条3項
この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

児童ポルノ禁止法では、18歳未満の者を「児童」と規定しています。(児童ポルノ禁止法第2条1項)
ですので、18歳未満の者の性行為の写真や動画、性器等を触っている姿や性器などの性的な部分が強調されていて性的興奮を促すような写真や動画などを撮影すると、児童ポルノ製造に該当するおそれがあり、児童ポルノ禁止法違反が成立する可能性があります。

今回の事例では、14歳の女子中学生2人にわいせつな行為をさせて、その様子をスマートフォンで撮影したと報道されています。
報道の内容だけでは、どういった内容の動画や写真を撮影したのか明らかではありませんが、容疑者がすでに児童買春の疑いで起訴されていることから、性行為中の動画や写真を撮影したのではないかと推測されます。
18歳未満の者の性行為中の写真や動画を撮影する行為は児童ポルノ製造にあたりますので、容疑者が性行為中の動画などを撮影していたのであれば、児童ポルノ禁止法違反が成立する可能性があります。

また、容疑者が撮影したとされている動画などが児童ポルノ禁止法第2条3項1号~3号に該当するような内容であれば、児童ポルノ製造に該当しますので、性行為中の動画などでなくとも児童ポルノ禁止法違反が成立してしまうおそれがあります。

児童ポルノ製造と刑罰

提供や輸出などの目的ではない児童ポルノ製造により児童ポルノ禁止法違反で有罪になった場合には、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科されます。
児童ポルノ製造は、懲役刑が科される可能性もあり、決して罪の軽い犯罪ではありません。

刑事事件と聞くと示談を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
児童ポルノ製造による児童ポルノ禁止法違反では、示談を締結することで、不起訴処分の獲得など、あなたにとって良い結果を得られる可能性があります。
ですが、児童ポルノ禁止法違反の場合、被害者は未成年ですので、示談交渉は被害者の親権者に対して行うことになります。
ですので、子どもを思う気持ちから処罰感情が苛烈になりやすいため、示談交渉が難航してしまう可能性がかなり高く、連絡すら取れない場合も多々あります。
しかし、加害者本人ではなく、弁護士であれば話を聴いてもいいと思われる親御さんもいらっしゃいますので、児童ポルノ禁止法違反などの被害者が未成年の事件の場合は、弁護士を代理人として示談交渉を行うことをお勧めします。

性犯罪に精通した弁護士に相談をすることで、不起訴処分や略式命令による罰金刑、執行猶予付き判決を狙える可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
児童ポルノ製造などの児童ポルノ禁止法違反でお困りの方は、性犯罪に精通した、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

【事例紹介】息子を騙って現金をだまし取った事例~勾留と釈放~

2023-08-27

前回のコラムに引き続き、息子を騙り現金をだまし取ったとして、詐欺罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警中京署は23日、詐欺の疑いで、住所不定、自称建設業の男(24)を逮捕した。同署は特殊詐欺事件の現金回収役とみている。
逮捕容疑は氏名不詳者らと共謀し、(中略)、京都市中京区の女性(85)宅に息子などになりすまして電話をかけ、「現金が至急必要だ」などとうそをつき、女性の自宅近くの路上で2回にわたって現金1550万円をだまし取った疑い。(後略)

(8月24日 京都新聞 「高齢女性の息子なりすまし1550万円詐取 容疑で24歳男逮捕、認否保留」より引用)

勾留と釈放

刑事事件では、逮捕されると72時間以内勾留の判断が行われます。
勾留が決定してしまった場合には、最長で20日間身体拘束を受けることになります。

では、この勾留の決定はどのような基準で決められるのでしょうか。

刑事訴訟法第60条1項
裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
1号 被告人が定まった住居を有しないとき。
2号 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
3号 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

刑事訴訟法第60条1項が規定するように、裁判所が勾留を決定するためには、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある状態で、なおかつ、①住居が定まっていること、②証拠隠滅をするおそれがあると疑うのに相当な理由があること、③逃亡するおそれがあると疑うのに相当な理由があること、の3つのうちどれかに当てはまっている必要があります。

証拠隠滅と聞くと、犯行に使用した物などの物的証拠を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
刑事事件では、物的証拠の他に供述証拠と呼ばれる証拠が存在します。
被害者や容疑者の供述、目撃証言などが供述証拠として扱われるのですが、裁判所が勾留を決定するうえで、物的証拠だけでなく供述証拠の隠滅のおそれがないかどうかを考えて判断を下します。
ですので、家宅捜索が終了しているなど物的証拠を隠滅する可能性が低い場合であっても、被害者に働きかけて供述内容を変更させるおそれがあると判断されれば、勾留が決定してしまう可能性があります。

今回の事例では、容疑者は現金回収役を担ったのではないかと報道されています。
現金回収役ということは、当然被害者の顔を知っていますし、今回の事例では被害者宅の近くで受け渡しが行われていますので、被害者の住居を知っている可能性が高いと思われます。
被害者の顔や住居を知っている場合は、容疑者が被害者に接触したり働きかけを行うことが可能ですので、証拠隠滅のおそれがあると判断される可能性が高いです。
証拠隠滅のおそれ勾留の要件の一つですので、今回の事例のような場合では、勾留が決定してしまう可能性が高く、釈放も認められづらい可能性があります。

弁護士が証拠隠滅のおそれ逃亡のおそれがないことを主張することで、釈放を認められる場合があります。

弁護士は勾留が判断される前(逮捕後72時間以内)であれば、検察官や裁判官に意見書を提出することができますし、勾留が決定した後でも裁判所に準抗告の申し立てを行うことができます。
意見書準抗告で、親族の監督により証拠隠滅逃亡をさせないことや勾留が続くことでの不利益などを主張することで、釈放される可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に精通した法律事務所です。
繰り返しになりますが、意見書の提出は逮捕後72時間以内にする必要があり、時間との勝負になります。
ですので、ご家族が詐欺罪などの刑事事件で逮捕された方は、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881で承っております。

【事例紹介】息子を騙って現金をだまし取った事例~詐欺罪~

2023-08-25

息子を騙り現金をだまし取ったとして、詐欺罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警中京署は23日、詐欺の疑いで、住所不定、自称建設業の男(24)を逮捕した。同署は特殊詐欺事件の現金回収役とみている。
逮捕容疑は氏名不詳者らと共謀し、(中略)、京都市中京区の女性(85)宅に息子などになりすまして電話をかけ、「現金が至急必要だ」などとうそをつき、女性の自宅近くの路上で2回にわたって現金1550万円をだまし取った疑い。(後略)

(8月24日 京都新聞 「高齢女性の息子なりすまし1550万円詐取 容疑で24歳男逮捕、認否保留」より引用)

詐欺罪

刑法第246条
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪が成立するためには、①人を欺き誤信させること②財物を交付させることの2点が必要になります。

①人を欺き誤信させるとは、人にうそをついて、相手に信じさせる行為をいいます。
ただ、人を欺けば必ずしも詐欺罪が成立するわけではなく、詐欺罪が成立するためには、相手が財物の交付を検討するうえで重要な要件に関するうそである必要があります。

また、②財物を交付させるとは、相手の意思で財物を渡させることを指します。

今回の事例では、容疑者は共謀して、被害者宅に息子になりすまして電話をかけて「現金が至急必要だ」などとうそをつき、被害者宅の近くの路上で現金をだまし取ったとされています。
実際に容疑者らは被害者の息子ではないですし、うそをついてることになります。
また、息子から至急現金が欲しいといった内容の電話がかかってくれば、母親は息子に現金を渡す算段を付けるでしょうから、息子と騙って現金が必要な旨の電話をかけて相手に信じ込ませる行為は、詐欺罪の構成要件の一つである、人を欺き誤信させる行為にあたると考えられます。
加えて、被害者は路上で現金を渡していますので、詐欺罪のもう一つの構成要件である、財物の交付も満たしていると考えられます。
ですので、今回の事例では、詐欺罪が成立する可能性が高いです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、詐欺事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
詐欺事件では、弁護士に相談をして示談を締結することで、不起訴処分執行猶予付き判決を獲得できる場合があります。
示談でお悩みの方や不起訴処分執行猶予付き判決の獲得を目指している方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部初回接見サービス無料法律相談をご利用ください。

次回のコラムでは、勾留と釈放について解説します。

【事例紹介】手製の銃を見せ、威力業務妨害罪で逮捕

2023-08-23

手製の銃を見せて生活保護を停めないように警告したとして、威力業務妨害罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

手製の銃のようなものを職員に見せて生活保護の継続を求めたとして、京都府警木津署は23日、威力業務妨害の疑いで、京都府木津川市加茂町の男(74)を逮捕した。
逮捕容疑は(中略)、自宅に訪れた同市地域包括支援センターの女性職員に手製の銃のようなものを見せ、「生活保護を止めたらすぐ行く」となどと警告し、市役所に対応策を協議させて業務を妨害した疑い。「業務を妨害したつもりはない」と容疑を否認しているという。
(後略)

(8月23日 京都新聞 「手製の銃?で生活保護継続求める 威力業務妨害容疑で男を逮捕」より引用)

威力業務妨害罪

刑法第233条 
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法第234条
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

刑法第234条が威力業務妨害罪の条文になります。
威力業務妨害罪は簡単に説明すると、脅迫や暴行を行ったり、権力を用いることで相手の業務が妨害されるおそれがある場合に成立します。
業務とは、「職業その他社会生活上の地位に基づき継続して行う事務または事業」をいい(大審院 判決 大正10年10月24日)、仕事などが業務にあたります。

今回の事例では、容疑者が手製の銃のようなものをセンター職員に見せて「生活保護を止めたらすぐ行く」となどと警告したとされています。
手製の銃のようなものを見せられながらそのようなことを言われれば、普通の人は恐怖に感じるでしょう。
ですので、手製の銃を見せながら「生活保護を止めたらすぐ行く」と言う行為は、脅迫にあたる可能性があります。
また、職員が脅迫されたとなれば、センター側も何かしらの対策を講じる必要があるでしょうから、仕事が妨害されるおそれがあります。
今回の事例で報道されているように、容疑者が手製の銃を見せてセンター職員に警告したのであれば、容疑者が威力業務妨害罪に問われる可能性があります。

威力業務妨害罪と不起訴処分

威力業務妨害罪の法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
ですので、威力業務妨害罪で有罪になると、懲役刑か罰金刑が科されることになるのですが、不起訴処分を獲得することができれば、刑罰を科されることはありません。

相手と示談を締結することで、不起訴処分を獲得できる可能性があります。
今回の事例では、被害者がセンターなので、センターの責任者と示談を締結することになります。
センターなどの公的な施設では、責任者と連絡をとることができても、示談に応じてもらえない場合があります。
弁護士であれば示談に応じてもらえる場合がありますので、公的な施設との示談でお悩みの方は弁護士に相談をすることをお勧めします。

また、示談を一度断られている場合でも、再度弁護士が連絡を取ることで示談に応じてもらえる場合があります。
ですので、示談を断られてしまった場合であっても、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス無料法律相談を行っています。
弁護士に相談をすることで、不起訴処分の獲得を目指せるかもしれません。
威力業務妨害罪示談のことでお悩みの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

【解決事例】暴行罪で不起訴処分を獲得した事例

2023-08-21

事例

京都市南区の路上でAさんはVさんと口論になり、Vさんの胸倉を掴みました。
Vさんが警察を呼んだことにより、Aさんは京都府南警察署の警察官に暴行罪の容疑で逮捕されました。
その後、Aさんは釈放され、前科が付くことを避けたいと考えたAさんは弁護士に相談をするため、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部無料法律相談を利用しました。
(※守秘義務により、一部事実とは異なります。)

事件解決のながれ

Aさんが示談締結を望んでいたことから、弁護士は被害者に連絡を取りました。
弁護士は被害者と直接示談交渉をする機会を得ることができ、複数回被害者と示談交渉のやり取りを行うことで、Aさんと被害者の両者が納得できる形で示談を締結することができました。
また、示談を締結する際に宥恕条項を付けてもらうことができました。

宥恕条項付きの示談を締結したことが功を奏し、Aさんは不起訴処分を獲得することができました。
不起訴処分を獲得したことにより、Aさんの当初の希望通り、前科を付けずに事件を解決することができました。

示談締結と弁護活動

今回の事例の様に、刑事事件では示談を締結することで不起訴処分を獲得できる場合があります。

示談交渉は加害者が直接行うことも不可能ではありませんが、証拠隠滅のおそれから被害者の連絡先などを教えてもらえない可能性があります。
また、被害者が知り合いであっても、連絡を取ることで証拠隠滅を疑われる可能性がありますし、思わぬトラブルに発展してしまうおそれがあります。
弁護士であれば被害者の連絡先を教えてもらえる可能性がありますし、トラブルを避けられる可能性もあります。
ですので、示談を考えている方は、弁護士に相談をしてみることがいいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、今回の事例のように不起訴処分を獲得できる可能性がありますので、暴行罪でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
無料法律相談のご予約は、0120―631―881までお電話くださいませ。

【事例紹介】集積所からゲーム機を盗み逮捕

2023-08-18

物流会社の集積所から家庭用ゲーム機を盗んだとして、窃盗罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

大手物流会社の集積所から家庭用ゲーム機を盗んだとして、京都府警向日町署は8日、窃盗の疑いで、京都市伏見区(中略)の配送業、(中略)容疑者(41)を逮捕した。容疑を認めている。
逮捕容疑は7月14日、同府長岡京市にある大手物流会社の集積所で、中古の家庭用ゲーム機(中略)1台(時価約2万円相当)を盗んだとしている。
(中略)この集積所では数年前から保管されていたゲーム機やゲームソフトなどがなくなる被害が続いており、同署が容疑者との関連を慎重に調べる。

(8月8日 産経新聞 THE SANKEI NEWS 「配送拠点から「ニンテンドースイッチ」盗んだ疑い、出入りの配送業男を逮捕」より引用)

窃盗罪

刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪は簡単に説明すると、持ち主の了承なく、人のものを盗ると成立します。

今回の事例では、物流会社の集積所にあった家庭用ゲーム機を盗んだと報道されています。
この家庭用ゲーム機はおそらく会社の所有物だと思われますので、容疑者が会社に無断で家庭用ゲーム機を盗ったのであれば、窃盗罪が成立する可能性が高いです。

窃盗罪と執行猶予

今回の事例では、数年前から集積所保管のゲーム機やゲームソフトがなくなる被害が続いていたと報道されています。
これらの被害が容疑者によるもので合った場合には、被害額はかなり高額になるのではないかと推測されます。
窃盗罪の前科、前歴がなくても、被害額が高額な場合には、裁判が行われる可能性があります。
窃盗罪は罰金刑だけでなく懲役刑も規定されていますので、裁判で有罪になってしまうと、懲役刑が科されてしまう可能性があります。

しかし、示談を締結することで、執行猶予付き判決を得られる可能性があります。

今回の事例では、物流会社の集積所にあるゲーム機を盗んだとされていますので、ゲーム機の所有者はおそらく物流会社でしょう。
ですので、被害弁償を行う場合や示談を締結する場合には、物流会社が相手になると思われます。
企業を相手に示談交渉をする場合、企業の経営方針などから、示談を断られる可能性があります。
企業が相手であっても、弁護士が間に入ることで、示談を締結できる場合がありますので、示談でお悩みの方は弁護士に相談をしてみることが望ましいでしょう。

また、弁護士が検察官と交渉することで、略式命令による罰金刑や不起訴処分を獲得できるかもしれません。
一口に窃盗事件と言っても、事件によって今後の見通しは変わってきますので、窃盗罪でお困りの方は、なるべく早く弁護士に相談をすることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、窃盗事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
経験豊富な弁護士に相談をすることで、不起訴処分執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
窃盗罪の容疑をかけられた方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約は、0120―631―88124時間365日受け付けております。

【事例紹介】同じ団地に住む男性に重症を負わせた事例

2023-08-16

京都市山科区で起きた傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警山科署は12日、傷害の疑いで京都市山科区、自営業の男(51)を逮捕した。
逮捕容疑は、(中略)同じ団地に住む男性(73)の胸ぐらをつかみ、足払いをするなどの暴行を加えて転倒させ、外傷性くも膜下出血などの重傷を負わせた疑い。
(後略)

(8月12日 京都新聞 「「ベランダから因縁」で暴行 同じ団地の住人に重傷負わす 容疑で男逮捕」より引用)

傷害罪

傷害罪とは、簡単に説明すると、人に故意に暴行を加え、けがをさせた場合に成立します。
傷害罪の法定刑は15年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法第204条)ですので、傷害罪で有罪になると、懲役刑や罰金刑が科されてしまう可能性があります。

今回の事例では、容疑者が被害者に足払いなどをして転倒させ、外傷性くも膜下出血などを負わせたとされています。
暴行とは相手に物理的な力を加えることをいいますので、足払いも暴行にあたります。
報道によれば、足払いをした結果、外傷性くも膜下出血を負わせていますので、今回の事例では、傷害罪が成立する可能性が高いです。

傷害罪と釈放

今回の事例では、容疑者が同じ団地に住む被害者にけがを負わせたとされています。
容疑者は被害者の住んでいる部屋番号をおそらく知っているでしょうし、同じ団地に住んでいるとのことですから、容疑者は被害者の家の近所に住んでいることになります。

被害者の家を知っていたり、被害者の家の近所に住んでいる場合、被害者の保護や証拠隠滅のおそれなどから、逮捕勾留のリスクがかなり高くなりますし、釈放は認められづらいです。
ですが、近所に住んでいたり、被害者の住所を知っているからといって、必ずしも釈放が認められないわけではありません。

弁護士は、勾留判断前には検察官や裁判官に意見書を提出できますし、勾留が決定した後でも、裁判所に準抗告の申し立てを行えます。
意見書準抗告の申し立てにより、監視監督できる親族がいること、証拠隠滅のおそれがないことを主張することで、釈放が認められる可能性があります。

意見書の提出は、勾留の判断がなされるまでですので、逮捕後72時間以内に提出する必要があります。
ですので、ご家族が逮捕された方は、お早めに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120―631―88124時間受け付けております。

【解決事例】高額の万引き事件で事件化しなかった事例

2023-08-13

事例

Aさんは京都市東山区にある勤務先のお店で万引きを繰り返していました。
ある日、お店にAさんの万引きが発覚し、Aさんはお店が用意した、お店が認識していた被害額を支払うことを認める内容の上申書にサインをしてしまいました。
今後の見通しを知りたいと思ったAさんとその家族は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部無料法律相談を利用し、弁護活動を依頼することに決めました。
(守秘義務により、一部事実とは異なります。)

弁護活動の流れ

依頼後すぐに、弁護士はお店とやり取りを行い、お店とAさんが直接話せる機会を設けていただけることになりました。
Aさんがサインした上申書は、実際にAさんが万引きを行っていた時期よりも長い期間万引きを行っていたことになっており、そのため、被害額の算定もAさん自身が思う金額よりも高く見積もられていました。
弁償額が実際の被害金額に近くなるように、Aさんに万引きを行っていた時期を正確に伝えることなどをアドバイスしました。
お店との話し合いにより、Aさんが万引きを行っていた期間を訂正することができ、被害額の算定も見直されることになりました。
その後もお店とのやり取りを続け、被害弁償を行うことができたことで、Aさんの万引き事件は警察署に被害届を出されることなく、事件化せずに事件を終わらせることができました。

刑事事件と被害届

犯罪にあたる行為をしたとしても、全ての事件で逮捕されたり、捜査を受けるわけではありません。
今回の事例では、被害にあったお店が警察署に被害届を出していない状態であり、被害弁償を行ったことで、被害届を出されなかったため、当事者間だけで事件を解決することができました。
事件化してしまった場合には、示談の締結被害弁償を行ったとしても、確実に不起訴処分になるわけではありません。
ですので、可能であれば、被害者が被害届を提出する前に、被害者と示談被害弁償について話し合うことが望ましいといえます。

ですが、加害者が被害者と直接やり取りを行った場合、トラブルになる可能性が高いですし、事件化してしまった場合には、証拠隠滅被害者の安全の確保などの観点から、逮捕されてしまうリスクがあります。
また、当事者間では、今回のAさんの事例のように、事実と異なっているなどの主張を行うことが罪悪感などから困難になる場合もあります。
そういったリスクを少しでも減らすためにも、被害者とやり取りを行う場合は、弁護士を代理人として行うことが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は刑事事件に精通した法律事務所です。
示談交渉などの被害者対応でお困りの方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービス無料法律相談のご予約は、0120―631―881までお電話ください。

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