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(京都府亀岡市)振り込め詐欺とだまされたふり作戦②
(京都府亀岡市)振り込め詐欺とだまされたふり作戦②
~前回からの流れ~
京都府亀岡市に住んでいるVさんは、Aさんから、Vさんの息子を装った電話を受けました。
AさんはVさんに「事故を起こしてしまって示談金100万円が必要だ。今から友人を向かわせるから100万円を渡してくれ」と伝えました。
Vさんは、とりあえず話を聞きましたが、よく報道されている振り込め詐欺だと思い、相手にしないようにしようと考えました。
すると、今度は京都府亀岡警察署の警察官を名乗るBさんから電話が入りました。
Bさんは、「私は京都府亀岡警察署の警察官です。今捜査している振り込め詐欺グループの電話番号リストにこの番号があったので電話させてもらいました。もし振り込め詐欺グループから電話があれば、だまされた作戦にご協力ください」と言ってきました。
Vさんは、警察官が張り込んでいるのでだまされたふりをしてお金を渡してほしいというBさんの言葉を信じて、自宅にやってきた息子の友人を名乗る人物に100万円を渡しました。
しかし、その後いくら待っても警察から連絡が来ないことを不審に思ったVさんが、京都府亀岡警察署に連絡すると、Aさんという警察官がいないこと、現在だまされたふり作戦を頼んでいる事件がないことを知りました。
そこでVさんは、今までの経緯を京都府亀岡警察署に話し、被害届を出しました。
その後の捜査により、AさんとBさん、友人役をしたCさんが、詐欺罪の容疑で逮捕されました。
(※この事例はフィクションです。)
・だまされたふり作戦を装った詐欺事件
前回の記事では、振り込め詐欺とだまされたふり作戦について触れました。
今回は、Aさんらの詐欺事件のような、だまされたふり作戦を装った詐欺事件について取り上げます。
振り込め詐欺事件は、複数人が一緒になって役割分担をして、詐欺を計画・実行していることも多い詐欺事件です。
だまされたふり作戦を装った詐欺事件でも、被害者にあたかもだまされたふり作戦に協力しているかのように思わせるため、典型的な振り込め詐欺を装った電話をかける役(今回の事例で言えばAさん)と、その詐欺についてだまされたふり作戦を提案する警察の役(今回の事例であればBさん)、さらに現金やキャッシュカードを受け取るいわゆる「受け子」の役(今回の事例で言えばCさん)といった役割分担がなされていることが多いです。
だまされたふり作戦を装った詐欺事件では、先に詐欺らしき怪しい電話がかかってきた後で警察を名乗る電話が来ることから、後でかかってきた警察を装った電話を信じてしまいやすく、さらにだまされたふり作戦に協力して犯人を検挙するのだという善意からも信じてしまうこともあるようです。
だまされたふり作戦を装った詐欺の場合、「警察に協力してだまされたふりをしているだけなので犯人はすぐに検挙され、お金等はすぐに返ってくる」と被害者に信じ込ませることで、お金等をだまし取っていることから、ほかの手口の詐欺同様、刑法の詐欺罪にあたります。
刑法246条(詐欺罪)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
詐欺罪の「人を欺いて」とは、簡単に言えば「人をだまして」ということになりますが、このだます内容については、その事実が嘘であると知っていれば(その事実についてだまされていると知っていれば)、被害者が財物を渡さなかったであろう内容である必要があるとされています。
今回のようなだまされたふり作戦を装った詐欺事件では、被害者が本物の警察のだまされたふり作戦に協力しているのであって、犯人の検挙やお金の返還がなされると思って財物であるお金を渡しているということになります。
もしもこれが本物のだまされたふり作戦でないと知っていれば、お金を渡さなかったでしょうから、詐欺罪の「人を欺いて」にあたることになるのです。
・だまされたふり作戦を装った詐欺事件の弁護活動
先ほど触れたように、だまされたふり作戦を装った詐欺事件では、複数人共犯者が存在することが多いです。
そうなれば、口裏合わせを防止するために、逮捕・勾留といった身体拘束を伴う捜査が行われる可能性も高く、さらに弁護士以外との接見を禁止する接見禁止処分も付される可能性があります。
そうなれば、身体拘束によって会社や学校にいけないだけでなく、ご家族とも面会できずに1人で長期間の身体拘束期間を乗り切らなければなりません。
これは被疑者にとって非常に負担の重いことです。
弁護士に依頼することで、ご家族との伝言のやり取りを行えるだけでなく、この接見禁止処分自体をご家族に限って解除する活動もしてもらうことができます。
さらに、詐欺事件には被害者が存在するため、弁護士を通じて謝罪と弁償を行い、示談締結を目指すことも重要な活動の1つです。
だまされたふり作戦を装った詐欺事件は計画性もあり、悪質であると判断される可能性があります。
きちんと謝罪を行い、被害弁償を行うことで、反省の意を伝えることができます。
こうした活動にも、専門家である弁護士の力が大きな助けとなります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が詐欺事件にも迅速に対応いたします。
まずはお電話にて、お気軽にお問合せください。
(フリーダイヤル:0120-631-881)
(京都府亀岡市)振り込め詐欺とだまされたふり作戦①
(京都府亀岡市)振り込め詐欺とだまされたふり作戦①
京都府亀岡市に住んでいるVさんは、Aさんから、Vさんの息子を装った電話を受けました。
AさんはVさんに「事故を起こしてしまって示談金100万円が必要だ。今から友人を向かわせるから100万円を渡してくれ」と伝えました。
Vさんは、とりあえず話を聞きましたが、よく報道されている振り込め詐欺だと思い、相手にしないようにしようと考えました。
すると、今度は京都府亀岡警察署の警察官を名乗るBさんから電話が入りました。
Bさんは、「私は京都府亀岡警察署の警察官です。今捜査している振り込め詐欺グループの電話番号リストにこの番号があったので電話させてもらいました。もし振り込め詐欺グループから電話があれば、だまされた作戦にご協力ください」と言ってきました。
Vさんは、警察官が張り込んでいるのでだまされたふりをしてお金を渡してほしいというBさんの言葉を信じて、自宅にやってきた息子の友人を名乗る人物に100万円を渡しました。
しかし、その後いくら待っても警察から連絡が来ないことを不審に思ったVさんが、京都府亀岡警察署に連絡すると、Aさんという警察官がいないこと、現在だまされたふり作戦を頼んでいる事件がないことを知りました。
そこでVさんは、今までの経緯を京都府亀岡警察署に話し、被害届を出しました。
その後の捜査により、AさんとBさん、友人役をしたCさんが、詐欺罪の容疑で逮捕されました。
(※この事例はフィクションです。)
・振り込め詐欺
振り込め詐欺は、電話や手紙などによって被害者をだまし、金銭の振込をさせる手口の詐欺です。
振り込め詐欺は注意喚起も多くなされており、報道でもよく取り上げられるタイプの詐欺ですから、振り込め詐欺ときいてどういった詐欺なのかイメージしやすいという方も多いでしょう。
振り込め詐欺の例としては、オレオレ詐欺や架空請求詐欺、還付金詐欺が挙げられます。
振り込め詐欺はその名前の通り、刑法246条に規定のある詐欺罪にあたる犯罪行為です。
刑法246条(詐欺罪)
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
振り込め詐欺では、被害者の親族や関係者や公務員、そのほかの会社の職員など別の身分を装ったり、嘘の事実を本当のように伝えたりしてお金を振り込ませているため、「人を欺いて財物を交付させ」るということになるのです。
・だまされたふり作戦
こうした振り込め詐欺や特殊詐欺といった詐欺事件に対して、最近注目されているのが「だまされたふり作戦」です。
だまされたふり作戦は、その名前の通り、詐欺にだまされたふりをして、詐欺事件の被疑者の検挙を行うというものです。
詐欺のターゲットとされた被害者が、振り込め詐欺事件でだますための電話がかかってきた段階で詐欺だと気づき、警察に通報した場合、警察と協力して振り込め詐欺事件の被疑者を検挙する、というパターンが多いです。
この時、振り込め詐欺の中でいわゆる「受け子」と呼ばれている、金銭やキャッシュカード等を被害者から受け取る役割をしている人が現行犯逮捕されるケースが多く、そこから振り込め詐欺グループが検挙されていくこともあります。
このだまされたふり作戦で実際に被疑者が検挙されているケースもあり、報道されることもあります。
ですから、だまされたふり作戦についてご存じの方も少なくないかもしれません。
しかし、上記事例のように、このだまされたふり作戦を騙って詐欺をする手口も現れ始めています。
次回の記事ではこの手口について詳しく触れていきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門に取り扱っています。
振り込め詐欺事件ももちろん、弊所弁護士が迅速に対応を開始いたします。
振り込め詐欺事件は集団で行われることも多く、そうしたことから逮捕・勾留がなされることも珍しくありません。
身柄解放活動や身体拘束時の対応を含め、弁護士に早急に相談されることがおすすめです。
0120-631-881ではいつでもお問合せを受け付けておりますので、まずはお気軽にお電話ください。
チケット不正転売禁止法違反事件で逮捕されたら②
チケット不正転売禁止法違反事件で逮捕されたら②
~前回からの流れ~
京都市伏見区に住んでいるAさんは、チケット転売により儲けようと考え、チケット会社Xから、人気アイドルグループYのコンサートのチケットを購入しました。
そして、定価より数倍高い値段をつけてインターネットで転売先を募ることを繰り返していました。
するとある日、Aさんの自宅に京都府伏見警察署の警察官がやってきて、Aさんはチケット不正転売禁止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・「不正転売」とは
前回の記事では、チケット不正転売禁止法の対象となるチケットについて詳しく触れましたが、今回の記事では、チケット不正転売禁止法のいうチケットの「不正転売」はどういった行為を指すのか見ていきます。
チケット不正転売禁止法2条4項
この法律において「特定興行入場券の不正転売」とは、興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするものをいう。
「特定興行入場券」とは、いわゆるチケットのことを指していますから、この条文がチケットの不正転売について定義づけている条文であるといえます。
この条文によると、①「興行主の事前の同意を得ない」、②「業として行う有償譲渡であり」、③「興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とする」という条件を満たしたとき、チケットの不正転売とされることがわかります。
①「興行主の事前の同意を得ない」
その興行、例えばライブやコンサートの興行主の同意なしの転売を指します。
例えば、興行主が公式で行っているチケットのリセールシステムや交換サイトを利用した転売の場合、公式が運営しているわけですから、興行主は転売に同意しているものと考えられます。
しかし、フリマアプリやネットオークションで勝手にチケット転売することは、わざわざ興行主に連絡を取って許可を得ない限り、同意を得ていない転売であると考えられるでしょう。
②業として行う有償譲渡
この「業として」とは、反復継続の意思をもって、ということです。
つまり、チケット不正転売禁止法では、チケットの不正転売を、繰り返すつもりでする行為に限定しているのです。
この場合、反復継続の意思をもって行う行為であればよいので、たとえ1回目の不正転売であっても反復継続の意思が認められれば「業として」に該当すると考えられます。
③「興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とする」
簡単にいえば、これは定価より高い値段でチケット転売行為をすることを指します。
つまり、定価での取引はチケット不正転売禁止法のいうチケットの不正転売にはあたりません。
・チケット不正転売禁止法の禁止していること
では、チケット不正転売禁止法はどういったことを禁止しているのでしょうか。
チケット不正転売禁止法3条
何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならない。
チケット不正転売禁止法4条
何人も、特定興行入場券の不正転売を目的として、特定興行入場券を譲り受けてはならない。
チケット不正転売禁止法3条では、先ほど詳しく触れたチケットの不正転売そのものを禁止しています。
そして、同法4条は、チケットの不正転売そのものではなく、チケット転売目的でのチケットの購入を禁止しています。
ですから、たとえチケット転売行為を成し遂げていなかったとしても、チケット転売目的でチケットを購入しただけでチケット不正転売禁止法違反になるのです。
なお、これらの行為をしてチケット不正転売禁止法違反となれば、「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれらの併科」となります(チケット不正転売禁止法9条)。
刑事事件では、一般の方のみで見通しを立てたり手続きへの対応を行ったりすることが難しい場面が多く存在します。
特にチケット不正転売禁止法はまだ施行されて日が浅く、過去の事例があるわけではないため、チケット不正転売禁止法違反事件で逮捕された場合にどうしてよいかわからず困ってしまうということも想定されます。
そういった時こそ、刑事事件の専門家である弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。
0120-631-881では、24時間いつでも弊所弁護士によるサービスをご案内しております。
チケット不正転売禁止法違反事件で逮捕されたら①
チケット不正転売禁止法違反事件で逮捕されたら①
京都市伏見区に住んでいるAさんは、チケット転売により儲けようと考え、チケット会社Xから、人気アイドルグループYのコンサートのチケットを購入しました。
そして、定価より数倍高い値段をつけてインターネットで転売先を募ることを繰り返していました。
するとある日、Aさんの自宅に京都府伏見警察署の警察官がやってきて、Aさんはチケット不正転売禁止法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)
・チケット不正転売禁止法
先日、2019年6月14日に、チケット不正転売禁止法が施行されました。
チケット不正転売禁止法とは、正式名称を「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」という法律です。
昨今話題に上っている、アーティストのコンサートやライブ、展示会といったチケットの転売行為を取り締まる法律で、これに違反してチケット転売を行えば、刑事事件となり刑罰が科されます。
今回の記事では、チケット不正転売禁止法を詳しく見ていきましょう。
・チケット不正転売禁止法の対象
まず、チケット不正転売禁止法の対象となるチケットは、どのようなチケットなのでしょうか。
チケット不正転売禁止法の条文を見てみましょう。
チケット不正転売禁止法2条
1項 この法律において「興行」とは、映画、演劇、演芸、音楽、舞踊その他の芸術及び芸能又はスポーツを不特定又は多数の者に見せ、又は聴かせること(日本国内において行われるものに限る。)をいう。
2項 この法律において「興行入場券」とは、それを提示することにより興行を行う場所に入場することができる証票(これと同等の機能を有する番号、記号その他の符号を含む。)をいう。
3項 この法律において「特定興行入場券」とは、興行入場券であって、不特定又は多数の者に販売され、かつ、次の要件のいずれにも該当するものをいう。
1号 興行主等(興行主(興行の主催者をいう。以下この条及び第5条第2項において同じ。)又は興行主の同意を得て興行入場券の販売を業として行う者をいう。以下同じ。)が、当該興行入場券の売買契約の締結に際し、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する旨を明示し、かつ、その旨を当該興行入場券の券面に表示し又は当該興行入場券に係る電気通信の受信をする者が使用する通信端末機器(入出力装置を含む。)の映像面に当該興行入場券に係る情報と併せて表示させたものであること。
2号 興行が行われる特定の日時及び場所並びに入場資格者(興行主等が当該興行を行う場所に入場することができることとした者をいう。次号及び第5条第1項において同じ。)又は座席が指定されたものであること。
3号 興行主等が、当該興行入場券の売買契約の締結に際し、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める事項を確認する措置を講じ、かつ、その旨を第1号に規定する方法により表示し又は表示させたものであること。
イ 入場資格者が指定された興行入場券 入場資格者の氏名及び電話番号、電子メールアドレス(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成14年法律第26号)第2条第3号に規定する電子メールアドレスをいう。)その他の連絡先(ロにおいて単に「連絡先」という。)
ロ 座席が指定された興行入場券(イに掲げるものを除く。) 購入者の氏名及び連絡先
つまり、チケット不正転売禁止法の対象とされているチケットは、①販売の際に興行主の同意のない有償譲渡が禁止されている旨を明示しており、それがチケットに記載されており、②興行日時・場所・座席又は入場資格者が特定されており、③チケット購入者の氏名や連絡先が確認できる措置が講じられており、それがチケットに記載されているものとなります。
ですから、例えば、開催日時の指定がされていないチケットや、販売時に購入者の連絡先等の確認のないチケットは、チケット不正転売禁止法の対象外となるのです。
現在、インターネットを利用して大手チケット会社からチケットを購入しようとすれば、チケット会社への会員登録を求められたり、その場限りの利用であってもメールアドレスや氏名等を登録する必要が出てくることが大半です。
さらに、そうしたチケットサイトの利用規約では、興行主の同意のない有償譲渡を禁止する規約が定めてあることが多く、販売の際にはその利用規約の確認を求められることになっているでしょう。
そして、配信または発行されたチケットには、注意事項として、同意のない有償譲渡の禁止等が書いてあることがほとんどです。
そうなれば、上記①や③に当てはまるチケットが大半であることがわかります。
ですから、「このチケットは大丈夫だろう」と甘く考えてチケット転売行為をしてしまう、ということは避けた方がよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の弁護士の所属する法律事務所です。
刑事事件専門だからこそ、新しい法律・犯罪にも迅速に丁寧に対応をしていくことができます。
チケット不正転売禁止法違反事件でお困りの際は、弊所弁護士までご相談ください。
次回の記事では、チケットの「不正転売」とはどのようなことを指しているのか、法律を確認しながら見ていきます。
京都府南丹市の児童ポルノ製造事件
京都府南丹市の児童ポルノ製造事件
Aさんは,SNSで知り合った京都府南丹市在住の小学6年生のVさんを,自宅に呼び,Vさんの裸の写真を撮りました。
帰宅したVさんがAさんに裸の写真を撮られたことを親に話したことで,親が京都府南丹警察署まで通報しました。
その後,Aさんは,捜査を開始した京都府南丹警察署の警察官に児童ポルノ規制法違反(製造)の容疑で逮捕されました。
Aさんの家族は,Aさんが警察に連れていかれたことで慌ててしまい,どうしたらよいのかわからなくなってしまいました。
そこで,Aさんの家族は,インターネットで弁護士を探し,すぐに対応をしてくれるという刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
~児童ポルノ規制法違反(製造)~
児童ポルノを製造することは,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童ポルノ規制法)で禁止されています。
児童ポルノを製造した場合,3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科せられます(児童ポルノ規制法7条4項,2項)。
「児童ポルノ」には,衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを写した写真等が含まれます(児童ポルノ規制法2条3項)。
18歳未満の児童であるVさんの裸を撮影した写真は児童ポルノ(児童ポルノ規制法2条3項1号)に該当します。
ですから,その写真を作成することで児童ポルノ製造をしたAさんの行為は,児童ポルノ規制法違反となる可能性が高いのです。
なお,今回のAさんの場合,小学6年生のVさん相手に児童ポルノ製造を行っています。
もしもこの際,Vさんにわいせつな行為をしていれば,児童ポルノ製造による児童ポルノ規制法違反だけでなく,刑法上の強制わいせつ罪や,児童福祉法違反といった別の犯罪も成立しうることに注意が必要です。
~弁護活動~
児童ポルノ規制法違反(製造)の罪は,前述のとおり,決して軽い犯罪ではありません。
警察への相談や通報によって刑事事件化すれば,逮捕されてしまう可能性も低くありません。
もし,児童ポルノ規制法違反事件で警察の捜査を受け,逮捕され,刑事事件になれば,自宅や職場等を捜索され,事件が周囲に知れてしまうおそれがあります。
さらに,取調べでは,児童ポルノの入手先や余罪についても追及されることになるので,事前に信頼できる刑事事件専門の弁護士に相談する事をお勧めします。
また,児童ポルノを製造したことに争いがないのであれば,弁護士に相談して示談することをお勧めします。
示談ができれば,略式罰金等によって公の法廷に立たずに事件を収束させることができる可能性が出てくる他,裁判になったとしても有利な情状となります。
しかし,児童ポルノ製造事件での示談の相手方は,被害者本人が未成年であるため,被害者の親となりますが,自分の子供が被害に遭っているわけですから,被害感情を強く持っていらっしゃる方も多いです。
そうした場合,当事者同士のやりとりでは,示談交渉が難しい場合もあります。
その意味でも,第三者的立場で専門的な意見を述べることのできる弁護士に依頼すべきです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,児童ポルノ製造事件等,児童に関連する刑事事件のご相談も受け付けております。
事件の性質上,児童ポルノにかかわる刑事事件はなかなか人に相談しづらいという声も聴かれます。
弁護士であれば,相談内容が外に漏れる心配もありませんから,安心してご相談いただけます。
京都府の児童ポルノ製造事件に御困りの際は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士までご相談ください。
軽犯罪法違反で逮捕?
軽犯罪法違反で逮捕?
京都市山科区に住んでいるAさんは、ハードロックなどの音楽を聴くことを趣味としていました。
Aさんは朝早くや夜遅くという時間帯にも関わらず自宅の窓を開けて音楽を大音量で聞いており、周辺住民から苦情が入ることもありましたが、それを無視していました。
しばらくこうしたことが続き、周辺住民が京都府山科警察署に通報しました。
通報を受け、京都府山科警察署から警察官がやってきてAさんに注意をしましたが、Aさんは警察官に言い返し、注意に従わず無視したり、警察官を追い返したりしていました。
そうしたことが半年ほど続いたある日、Aさんはついに軽犯罪法違反の容疑で京都府山科警察署に逮捕されてしまいました。
(※令和元年6月10日朝日新聞DIGITAL配信記事を基にしたフィクションです。)
・軽犯罪法違反
軽犯罪法とは、33個の行為を挙げ、それらについて取り締まっている法律です。
今回のAさんの場合、警察官の注意を無視して騒音を発生させていたことから、軽犯罪法1条14号「公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者」に該当すると判断され、軽犯罪法違反とされたのでしょう。
軽犯罪法では、こういったいわゆる静穏妨害の罪以外にも、虚偽通報の罪(1条16号)や覗きの罪(1条23号)などが規定されています。
なお、軽犯罪法の規定されている刑罰は全て拘留または科料とされています。
拘留は1日以上30日未満の刑事施設への拘置、科料は1,000円以上1万円未満の没収です。
これだけ見ると比較的軽い刑罰であるように見えますが、刑罰であることには変わりありませんから、軽犯罪法違反で有罪が確定し、これらの刑罰を受ければ前科となります。
・軽犯罪法違反では逮捕されない?
この記事を読まれている方の中には、もしかすると上記事例に疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
上記事例のAさんは、軽犯罪法違反の容疑で逮捕されていますが、インターネット等では、「軽犯罪法違反では逮捕されない」という情報が散見されるからです。
それでは、刑事訴訟法の逮捕についての規定を確認してみましょう。
刑事訴訟法199条
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。
ただし、30万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、2万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪については、被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合に限る。
先ほど触れたように、軽犯罪法違反の法定刑は拘留または科料ですので、刑事訴訟法の言う「拘留又は科料に当たる罪」であることになります。
ですから、軽犯罪法違反の場合、逮捕をするには「被疑者が定まつた住居を有しない場合又は正当な理由がなく前条の規定による出頭の求めに応じない場合」に限られることになるのです。
ここで「前条の規定」とは、刑事訴訟法198条の「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。」という規定を指しています。
つまり、軽犯罪法違反の場合、住所不定の場合か正当な理由なく任意出頭を拒否した場合にのみ逮捕される可能性が出てくることになります。
こうしたことから軽犯罪法違反の容疑で逮捕されることが珍しくなり、「軽犯罪法違反は逮捕されない」というイメージがついてしまう原因となったのだと考えられます。
しかし、住所不定もしくは正当な理由のない任意出頭の拒否という条件に当てはまれば、軽犯罪法違反であっても逮捕される可能性はあるわけですから注意が必要です。
上記事例のAさんは警察官を追い返すといった行為もしていることから、正当な理由なく任意出頭を拒否したと判断されたのではないかと考えられます。
逮捕されてしまえば一定期間身体拘束されることになりますし、逮捕されたことによって事件が報道され、世間に刑事事件を起こしたと知られてしまう可能性も出てきてしまいます。
ですから、そもそも逮捕をされないようにすること、逮捕されてしまったら釈放を求めていくこと、その後の取調べ等の手続きへの対応を知っておくことが重要となります。
そうしたことは、刑事事件に強い専門家である弁護士に早めに相談しましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、0120-631-881でいつでも専門スタッフが弊所弁護士によるサービスを案内しています。
逮捕が不安な方、ご家族ご友人が逮捕されてしまったという方は、まずは遠慮なくお電話ください。
同乗者相手でもひき逃げになる?②
同乗者相手でもひき逃げになる?②
~前回からの流れ~
Aさん(20歳男性)は、自身の友人であるVさん(20歳男性)を後ろに乗せ、京都市右京区内の道路をバイクで走行していました。
すると、Aさんがよそ見運転をしてしまったことから、対向車と接触してしまいました。
対向車の運転手とAさんに怪我はありませんでしたが、Vさんはその事故により全治3週間の怪我を負ってしまいました。
Aさんは事故を起こしてしまったことに動揺して、Vさんと対向車の運転手をおいてその場から逃げてしまいました。
すると翌日、Aさん宅に京都府右京警察署の警察官がやってきて、Aさんはひき逃げ事件の被疑者として、過失運転致傷罪と道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
話を聞いたAさんの家族は、対向車の運転手に怪我がないのにひき逃げとなってしまうのか不思議に思い、交通事件も扱う刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(※令和元年6月2日産経新聞配信記事をもとにしたフィクションです。)
・同乗者相手でもひき逃げ?
今回のAさんの起こした事故では、Aさん自身と対向車の運転手は怪我をせず、Aさんの運転していたバイクに同乗していたVさんが怪我をしています。
ひき逃げというと、事故に遭った相手側の運転手や同乗者、歩行者が被害者となるイメージが強いと思いますが、Aさんのような、自分の運転していた車やバイクに同乗していた同乗者が怪我をしたような場合でもひき逃げとなるのでしょうか。
結論から申し上げますと、Aさんのような、事故を起こした人が運転していた車の同乗者が怪我をした場合でも、その同乗者に対して救護等を行わなければ、ひき逃げとなります。
まずは人身事故を過失で引き起こしてしまった場合に適用される、いわゆる過失運転致死傷罪を見てみましょう。
自動車運転処罰法5条(過失運転致死傷罪)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
過失運転致死傷罪の条文を見ると、単に「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者」に過失運転致死傷罪が成立するとされています。
ですから、その「死傷」という結果が、事故の相手の車に乗っていた人や歩行者でなくとも、この犯罪は成立するということになります。
つまり、自分の過失によって事故を起こし、その結果自分の車に乗っていた同乗者が怪我をしたり死亡したりした場合にも、過失運転致死傷罪が成立することになるのです。
そして、ひき逃げについて定めている道路交通法の条文も再度確認してみましょう。
道路交通法72条1項
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。
この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。
こちらについても、定められている内容は負傷者を救護することや警察へ報告することだけであり、怪我を負った人がどういった人か=相手側の車に乗っていた人や歩行者なのか、同乗者なのか、といった区別・限定はされていません。
ですから、たとえ負傷者が同乗者だけであったとしても、救護しなかったり警察への報告をしなかったりすれば道路交通法の義務に違反し、ひき逃げとなるのです。
こうしたことから、Aさんの事件についてもひき逃げと認められると考えられます。
ひき逃げ事件では、一度現場から逃げていることから、逮捕や勾留といった身体拘束を伴う捜査が行われやすいといわれています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ひき逃げによって逮捕されてしまったというご相談ももちろん承っています。
まずは0120-631-881からお問い合わせください。
同乗者相手でもひき逃げになる?①
同乗者相手でもひき逃げになる?①
Aさん(20歳男性)は、自身の友人であるVさん(20歳男性)を後ろに乗せ、京都市右京区内の道路をバイクで走行していました。
すると、Aさんがよそ見運転をしてしまったことから、対向車と接触してしまいました。
対向車の運転手とAさんに怪我はありませんでしたが、Vさんはその事故により全治3週間の怪我を負ってしまいました。
Aさんは事故を起こしてしまったことに動揺して、Vさんと対向車の運転手をおいてその場から逃げてしまいました。
すると翌日、Aさん宅に京都府右京警察署の警察官がやってきて、Aさんはひき逃げ事件の被疑者として、過失運転致傷罪と道路交通法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
話を聞いたAさんの家族は、対向車の運転手に怪我がないのにひき逃げとなってしまうのか不思議に思い、交通事件も扱う刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(※令和元年6月2日産経新聞配信記事をもとにしたフィクションです。)
・そもそもひき逃げとは
最近は交通事故が報道される機会も多いですが、その中でもひき逃げ事件は、皆さんの目に触れることも多いでしょう。
しかし、ひき逃げという行為がどういった犯罪に当てはまるのか、具体的な犯罪名はなかなか知られていません。
ひき逃げはよく使われる単語ではありますが、「ひき逃げ」という犯罪名は存在しません。
よく言われる「ひき逃げ」は、交通事故の中でも人身事故を起こしてしまった場合に発生する道路交通法上の義務に違反したことを指しています(物損事故の場合は「当て逃げ」となります。)。
その義務とは、道路交通法の以下の条文に定められています。
道路交通法72条1項
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。
この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。
このうち、前段の規定については「救護義務」(負傷者の救護をする義務)、「危険防止措置義務」(道路上の危険を防止する措置をする義務)と呼ばれており、後段の規定については「報告義務違反」(事故について警察に報告する義務)と呼ばれています。
ひき逃げは、人身事故を起こしているにも関わらず、この義務を果たさずに逃げていることから、道路交通法上の義務に違反する道路交通法違反となるのです。
そして、ひき逃げの場合、そもそも人身事故を起こし、人を死傷させてしまっています。
この部分に関しては、道路交通法ではなく、いわゆる自動車運転処罰法(正式名称:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)に定められています(今回は過失=不注意によって事故を起こしてしまった場合に限定して紹介します。)。
自動車運転処罰法5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
これがいわゆる過失運転致死傷罪と呼ばれる犯罪で、過失による人身事故の際に適用される犯罪です。
すなわち、ひき逃げの場合、多くはこの過失運転致死傷罪と、先ほど紹介した道路交通法違反の2つが成立することになるのです。
では、Aさんの場合、どういった経緯からひき逃げと判断されるのでしょうか。
次回の記事で詳しく検討します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ひき逃げなど交通事故に関連した刑事事件も取り扱っています。
京都府のひき逃げ事件でお困りの際は、お問合せ用フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
逮捕されなかったのに後から身体拘束?
逮捕されなかったのに後から身体拘束?
Bさんは、息子である高校1年生のAさんと夫であるCさんと京都市右京区で暮らしています。
ある日、Bさんは、京都府右京警察署から、Aさんを痴漢事件の被疑者として取り調べている、という連絡を受けました。
Bさんが急いで京都府右京警察署に行くと、警察官から、「お母さんも迎えに来てくれていることだし、逮捕はせずに帰します。ただ、後日取り調べが残っているのでまた連絡します」と伝えられました。
その後、何度か京都府右京警察署に取り調べに呼ばれていたAさんでしたが、逮捕されずにすんでいたため、BさんとCさんはそれほど大事ではないのだろうと考えていました。
しかしある日、家庭裁判所から連絡が来ると、Aさんは少年鑑別所に収容され、4週間の観護措置を取られることになりました。
BさんとCさんは突然の身体拘束に驚き、少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・後から身体拘束される?
今回の事例のAさんは20歳未満であるため、Aさんの起こした痴漢事件は少年事件として処理されます。
少年事件は成人の刑事事件とは異なった手続きや制度も多く、一般の方からするとわかりづらいことも多いです。
今回のAさんは、逮捕されずに捜査されていたものの、家庭裁判所に事件が送致された後に身体拘束されることになったようです。
逮捕されずに捜査されてきたのに、後から身体拘束されるような事態になることはあるのでしょうか。
まず、少年事件であっても、捜査段階、つまり、家庭裁判所に事件が送致される前は成人の刑事事件とほとんど変わらない手続きを踏みます。
ですから、被疑者が少年である少年事件でも、逃亡や証拠隠滅のおそれが認められれば、成人同様逮捕や勾留といった身体拘束をされることも考えられます。
しかし、今回のAさんは逮捕されずに帰宅を許されています。
内容が複雑でない事件であれば、逮捕されずに複数回取り調べがされているような状況であれば、その後逮捕や勾留によって身体拘束をされるということは考えにくくなります。
ですから、Aさんについても、逮捕されずに帰宅を許されていること、その後の取り調べも在宅捜査として進められていることからすれば、今後身体拘束されるおそれは少ないと見ることができます。
ただし、先ほど触れたように、Aさんの痴漢事件は少年事件です。
少年事件と成人の刑事事件の手続きの違いの1つに、「観護措置」の有無が挙げられます。
少年事件では、警察や検察といった捜査機関での捜査が終了した後、家庭裁判所に事件が送られます。
その後、家庭裁判所では少年の更生のためにどういった処分が望ましいかを決めるために、少年本人の性格や資質のほか、少年の周囲の環境や経歴といったことを調べていきます。
この際、より専門的に少年の資質を調べることが必要であると判断された場合には、少年鑑別所に少年を収容して調査を行う「観護措置」がとられることがあります。
この「観護措置」は、捜査段階に行われる逮捕・勾留といった身体拘束とは性質や目的が違うため、たとえ捜査段階で逮捕の必要がないと判断されて在宅捜査で手続きが進められてきた少年事件でも、家庭裁判所に送致されたら観護措置の必要があると判断された、ということが起こりうるのです。
実際に、今回のケースのAさんのように、逮捕・勾留されずに捜査されてきた少年事件が、家庭裁判所送致後に観護措置を取られ、少年が身体拘束を受けることになった、というケースはまま見られます。
観護措置は、より専門的に少年の資質等を調べてもらうことのできる措置であるため、少年にとってデメリットばかりがあるわけではありません。
例えば、本人や家族の気づかない問題が、専門家が少年の暮らしぶりを見ることによって明らかになるということもあります。
しかし、観護措置を取られてしまえば、少年は一定期間鑑別所の外に出ることができません。
観護措置は通常4週間程度とられることが多いため、それだけの間学校や職場を休むことになってしまいます。
だからこそ、観護措置を回避する、観護措置の時期をずらしてもらう、一時的に観護措置を取り消してもらうといった方法を弁護士と検討し、協力して取り組んでいくことが求められるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、0120-631-881で専門スタッフが24時間いつでも弊所弁護士によるサービスをご案内しています。
逮捕・勾留を伴う少年事件はもちろん、逮捕・勾留がなかったのに家庭裁判所送致後に身体拘束をされてしまったという少年事件に御困りの方もお問い合わせください。
盗撮事件からストーカー事件に?②
盗撮事件からストーカー事件に?②
~前回からの流れ~
京都府綾部市に住んでいるAさん(17歳)は、男子高校生です。
Aさんは、通っている塾の近くの商業施設でよく見かける女性Vさんに対して好意を寄せていました。
奥手な性格であったAさんは、見知った仲でもないVさんに声をかけることができず、いつもVさんの姿を探しては見ていました。
しかしある日、エスカレーターに乗った際、ふと前を見るとVさんが自分の前の段に乗っていました。
Aさんは出来心でVさんのスカートの中をスマートフォンで盗撮してしまいました。
これに気づかれなかったことに味を占めたAさんは、半年以上、Vさんを探しては近くに行って盗撮するということを繰り返していました。
するとある日、ついに盗撮行為を警備員に見つかり、Aさんは盗撮事件の被疑者として逮捕され、京都府綾部警察署に留置されることとなりました。
警察の捜査では、Aさんのスマートフォンから、Vさんの盗撮写真が大量に出てきていると聞かされています。
Aさんは、両親の依頼した少年事件に強い弁護士と接見した際、今後ストーカー規制法違反でも捜査される可能性があると言われました。
(※この事例はフィクションです。)
・盗撮からストーカーが発覚?
前回の記事では、Aさんの商業施設での盗撮行為が、京都府の迷惑防止条例違反になるだろう、ということに触れました。
そのAさんは、最初は盗撮事件の被疑者として逮捕されているものの、弁護士の話ではストーカー規制法違反での捜査も考えられると言われています。
ストーカー規制法は、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」という法律です。
ストーカー規制法は、その名前の通り、ストーカー行為を規制している法律で、ストーカー規制法の中で、ストーカー行為は以下のように定義されています。
ストーカー規制法2条1項
この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
1 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
(略)
ストーカー規制法2条3項
この法律において「ストーカー行為」とは、同一の者に対し、つきまとい等(第1項第1号から第4号まで及び第5号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復してすることをいう。
つまり、ストーカー規制法にいう「つきまとい等」の行為を反復=繰り返すことで、ストーカー規制法の禁止しているストーカー行為となるのです。
今回のAさんの行動を見てみましょう。
Aさんは、Vさんに対して好意を持ち、その結果Vさんにつきまとって盗撮することを繰り返しています。
これらは、ストーカー規制法2条1項1号の「つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。」に当たる可能性があります。
ストーカー規制法のいう「つきまとい等」や「ストーカー行為」は、ストーカーの被害者がこれらの行為に気づいていなかったからといって否定されるものではありません。
加えて、ストーカー行為によるストーカー規制法違反は、近年の改正で非親告罪となっています。
ですから、たとえAさんの行為にVさんが気づいていなかったとしても、Aさんはストーカー規制法違反となる可能性があるのです。
特に、今回のように、AさんがVさんと分かる盗撮写真を撮影しており、データが残っていれば、それが継続的に繰り返されていることも分かります。
そうなれば、盗撮写真がきっかけでストーカー規制法違反の容疑で捜査されることも十分考えられます。
このように、最初は違う犯罪で検挙された少年事件でも、後々の捜査で別の犯罪の容疑がかかることが予想されるものもあります。
こうした見通しは、少年事件はもちろんのこと、刑事事件の知識・経験がなければ立てることが難しいです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件・少年事件専門の弁護士が初回無料相談や初回接見サービスから相談者様のサポートを行います。
まずはお気軽にフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
