私物の電動キックボードを傷つけられた男が3万円を脅し取った疑いで逮捕

私物の電動キックボードを傷つけられた男が3万円を脅し取った疑いで逮捕

財産犯

私物の電動キックボードを傷つけられた男が3万円を脅し取った疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事件概要

京都府山科警察署は、自営業を営む男性A(35)を恐喝罪の疑いで逮捕しました。
Aは、自分の私物である電動キックボードをコンビニの駐輪場に停めて買い物をしていたところ、同じ駐輪場に停めてあったシェアリングサービスの電動キックボードと勘違いしたV(24)が、誤ってAの電動キックボードの運転スイッチを押してしまいました。
その結果、キックボードが壁にぶつかり、本体が凹んでしまいました。
Aがコンビニから出てきた際、この状況に気付き、Vに対して「どうしてくれるんや!」と怒鳴り、「弁償しないとボコボコにするぞ」と脅しました。
驚いたVは、財布に入っていた3万円をAに渡してしまいました。
この一部始終を目撃していた他の買い物客が警察に通報し、駆けつけた警察官によりAは逮捕されました。
取り調べに対し、Aは「自分の財産を壊されて怒りが収まらなかった」と容疑を認めています。
(フィクションです)

恐喝罪とは

刑法第249条1項
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

本件で、AはVに対して「ボコボコにするぞ」と脅して現金3万円を受け取っており、このAの行為は恐喝罪に該当する可能性があります。

まず、恐喝罪にいう恐喝とは、①財物交付に向けられた、人を畏怖させるに足りる脅迫または暴行であり、②その反抗を抑圧するに至らない程度の行為を指します。
本件で、Aは「ボコボコにするぞ」と言ってVを怖がらせています。
これは身体に対する害悪の告知であり、Aの発言は財物交付に向けられた人を畏怖させるに足りる脅迫に該当します(①)。

次にAの行為は、Vの反抗を抑圧するに至らない程度と言えるでしょうか。
仮に、反抗を抑圧する程度の脅迫に該当した場合、恐喝罪ではなく強盗罪の成否が問題となります。
例えば、鋭利な刃物などの凶器を被害者に向けて脅迫した場合、要求に応じないと命の危険があるため、金品を差し出すしかありません。
このような場合、反抗を抑圧する程度の脅迫に該当し、恐喝罪ではなく強盗罪が成立する可能性があります。

本件では、Aは「ボコボコにするぞ」と脅しましたが、凶器を用いたわけではありませんので、反抗を抑圧する程度の脅迫とは言えないでしょう。
したがって、Aの発言は恐喝に該当すると考えられます(②)。

以上より、Aには恐喝罪が成立する可能性があります。

できるだけ早く弁護士に相談を

恐喝罪の法定刑は十年以下の懲役です。

執行猶予がつくためには、下される量刑が三年以下であることが必要ですから、恐喝罪を犯した場合には執行猶予がつかない可能性があります。
仮に執行猶予がつかず実刑判決が下った場合、刑務所に拘束されるため、日常生活に大きな影響を及ぼしますから、量刑を3年以内に抑えることができるかどうかが非常に重要になってきます。

下される量刑を抑えるには、被害者との間で示談を成立させることが重要です。
ただし、本件のように、脅迫された被害者からすると、加害者とは関わりたくないと思う可能性が高いため、本人自ら示談交渉を行うのは困難です。
そこで、交渉のプロである弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、示談交渉を数多く成立させてきた豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣無料法律相談のご予約は0120-631-881にて受け付けております。

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