【事例紹介】他人のau PAYアカウントを不正利用し逮捕された事例

他人名義のau PAYアカウントでたばこを買った容疑で逮捕された事例を基に、詐欺罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

電子決済サービス「au PAY」の他人名義のアカウントで不正に買い物をしたとして、京都府警サイバー犯罪対策課と南署は6日までに、詐欺の疑いで、住所不定、香港人の男(26)を逮捕した。
逮捕容疑は、大阪府吹田市のアルバイトの男(28)=詐欺罪で起訴=らと共謀し、5月25日、大阪市福島区のコンビニで、京都市北区の60代男性名義の「au PAY」決済用画面を提示し、たばこ3カートン(約1万7千円)を購入してだまし取った疑い。
(後略)

(12月6日 京都新聞 「他人名義「au PAY」アカで買い物疑い 香港人の男、関空で逮捕」より引用)

詐欺罪

刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪を簡単に説明すると、相手の財産交付に関する判断に影響を及ぼすようなうそをつき、欺いた相手から財物を交付されると成立します。

今回の事例では、容疑者が他人名義のau PAY決算画面を提示し、コンビニでたばこ3カートンを購入したと報道されています。
au PAYを提供しているKDDIでは、au PAYを登録している本人以外が利用することを禁止しています。
ですので、au PAY決済画面を用いて買い物をする場合、本人以外はその決算画面を利用できる資格を持っていないことになります。

しかし、報道によると容疑者は他人のau PAY決済画面を提示することで、たばこ3カートンを購入したとされています。
報道のとおり、購入の際に他人名義の決済画面を用いたのであれば、容疑者は購入に用いたau PAYを利用する資格を持っていなかったことになります。
au PAYの決済画面を会計時に提示することは、au PAYを利用できる資格を持っていると店員に示すことになりますから、実際に利用する資格のない容疑者が他人の決済画面を提示したのであれば店員にうそをついたことになります。

また、そういった場合に、店員が客がau PAYを不正利用していることを知っていれば、商品を販売していなかったでしょう。
ですので、報道が事実である場合には、容疑者はコンビニ店員に対して、財物=商品を交付させる判断に影響を及ぼすようなうそをつき、欺いた店員から財物(たばこ)を交付されているので、詐欺罪が成立するといえます。

他人名義のau PAYを不正利用した場合の裁判例

他人名義のau PAYを不正利用し、詐欺罪に問われた事件の裁判例をご紹介します。
(ご紹介する裁判例は、今回の事例と事件内容などが少し異なります。)

他人名義のau PAYの決済画面を用いて、コンビニで加熱式たばこ10カートンを購入した事件では、被告人に懲役2年執行猶予5年が言い渡されました。
(12月9日 京都新聞 「他人名義「au PAY」で買い物、中国籍の男に執行猶予判決 京都地裁」より)

ご紹介した裁判例は今回の事例と同様に、他人名義のau PAYの決済画面を用いて、たばこを購入しています。
裁判例では詐欺罪の成立が認められていますので、報道内容が事実であった場合には、今回の事例の容疑者も詐欺罪が認められ、有罪判決が下される可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件を中心に扱う法律事務所です。
詐欺事件の豊富な弁護経験を持つ弁護士に相談をすることで、事件の見通しや手続の流れ、可能な弁護活動などを把握することに役立ちます。
弊所では初回接見サービス、無料法律相談を行っております。
ご予約は0120ー631ー881で24時間受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら