【事例紹介】強盗で奪ったものを運搬し、刑事事件に

強盗事件によって奪われた腕時計を運搬したとして盗品等運搬罪で起訴された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都市中京区で昨年5月に高級腕時計買い取り販売店から多数の腕時計が奪われた事件で、京都地検は28日、京都府警に強盗の疑いで逮捕された(中略)被告の男(22)=窃盗罪で起訴=を、盗品等運搬罪で起訴した。強盗容疑については不起訴処分(嫌疑不十分)とした。
起訴状によると、昨年5月3日、仲間が強取してきた腕時計11点(1322万8千円相当)を、盗品と知りながら岐阜県内から東京駅まで運んだとしている。
(後略)

(2月28日 京都新聞 「「ルフィ」との関連も捜査 京都の時計店強盗、盗品の運搬で男を起訴 強盗容疑は不起訴処分」より引用)

盗品等運搬罪

刑法第256条
1、盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。
2、前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。

盗品等運搬罪は、盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物(以下「盗品等」といいます)を、犯罪行為によって得られたものだと知りながら運搬した場合に成立します。
運搬とは、委託を受けて盗品等の場所を移転することをいいます。
また、盗品等運搬罪は、犯罪によってえられたものかもしれないと思いながら盗品等を運搬するだけでも成立します。

今回の事例では、被告人は何者かが強盗事件を起こしたところ、その被害品である腕時計を盗品だと知りながら、岐阜県から東京までは運んだとされています。
強盗罪は財産に対する罪に該当しますので、強盗事件によって強取された腕時計は、盗品等運搬罪の対象となります。
ですので、被告人が、腕時計が強盗事件によって強取された物だと知っていたか、強盗事件窃盗事件などの刑事事件で得られたものかもしれないと思いながら腕時計を運搬していた場合は、盗品等運搬罪が成立します。

盗品等運搬罪で有罪になった場合

盗品等運搬罪の法定刑は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金です。
ですので、盗品等運搬罪で有罪になってしまうと懲役刑と罰金刑の両方が科されることになってしまいます。

一見すると、窃盗罪の法定刑と同じように思われるのですが、窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金(刑法第235条)であり、窃盗罪で有罪になった場合には懲役刑か罰金刑のどちらかが科されます。
ですので、窃盗罪盗品等運搬罪では、懲役刑と罰金刑の両方を科される盗品等運搬罪の方が窃盗罪よりも刑事罰が重く規定されていることがわかります。

被害者と示談を締結することで、不起訴処分を獲得できる可能性があります。
また、不起訴処分の獲得が難しい場合であっても、被害者と示談を締結することで、執行猶予付きの判決を獲得できる場合があります。

おそらく、盗品等運搬罪では、被害者の連絡先等を知らない場合が多いでしょう。
そういった場合には警察官などに被害者の連絡先を教えてもらうことになるのですが、被害者保護の観点や被害者が連絡先を教えたくないなどの理由により、教えてもらえない可能性が高いです。
連絡先を教えてもらえない場合には、当然、示談交渉を行うことができません。

弁護士が代理人として被害者情報の打診を行うことで、被害者の連絡先等を教えてもらえる場合があります。
示談交渉を行うためには被害者と連絡を取ることが必要不可欠ですので、示談交渉を行う際には弁護士を通じて行うことが望ましいといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に精通した法律事務所です。
示談を考えている方、盗品等運搬罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の初回接見サービス、無料法律相談をご利用ください。
初回接見サービス、無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881で受け付けております。

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