【事例紹介】重要文化財を損傷 公務執行妨害罪・文化財保護法違反

重要文化財を損傷した疑いのある男性が公務執行妨害罪の容疑で逮捕された事件を基に、公務執行妨害罪と文化財保護法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

15日午前4時半ごろ、京都市南区九条町の東寺(教王護国寺)で、「門をたたいている男がいる」と警備員が110番した。京都府警南署の署員が駆け付けると、男がつばを吐きかけたため、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕した。
南署と東寺によると、重要文化財の南大門で、男はワインボトルのようなものでたたいていたという。壁面には複数の傷が付いており、同署は文化財保護法違反の疑いでも捜査する。
(後略)

(12月15日 京都新聞 「世界遺産の東寺、ワインボトルでたたかれ門損傷か 京都府警、男を逮捕」より引用)

公務執行妨害罪

刑法第95条1項
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行または脅迫を加えた者は、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金に処する。

公務執行妨害罪は、簡単に説明すると、暴行や脅迫を行って公務員の職務を妨害した場合に成立します。

人に対して故意に有形力を行使することが、刑法で言う「暴行」になります。
例えば、今回の事例で報道されているようなつばを吐きかける行為は有形力の行使にあたります。
報道によると、容疑者は通報により駆け付けた警察官に対してつばを吐きかけたとされていますので、容疑者の行為が事実であれば、公務執行妨害罪が成立することになります。

実際に、静岡県で職務質問中の警察官の顔につばを吐きかけた事件でも公務執行妨害罪の容疑で逮捕されています。
(2022年4月10日 あなたの静岡新聞 「警察官の顔に唾吐きかける 公務執行妨害の疑いで男逮捕 清水署」より)

文化財保護法

文化財保護法第195条1項
重要文化罪を損壊し、毀損し、または隠匿した者は、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処する。

今回の事例では、容疑者がワインボトルのようなもので重要文化財である南大門をたたいていたと報道されています。
また、壁面には複数の傷が確認されていますので、容疑者が実際にワインボトルのようなもので南大門をたたき、傷をつけたのであれば、容疑者は重要文化財を毀損したことになります。
重要文化財を毀損すると文化財保護法違反になりますので、報道が事実であり、なおかつ容疑者が文化財保護法違反で有罪になってしまった場合には、5年以下の懲役か禁錮もしくは100万円以下の罰金が科されることになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
早期に弁護士をつけ検察官や裁判官に働きかけを行うことにより、勾留の阻止や釈放を目指せるかもしれません。
ご家族が逮捕された方、公務執行妨害罪や文化財保護法違反などの刑事事件でお困りの方は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービスや無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にお電話ください。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら