【事例紹介】綾部市で起きた脅迫による暴力行為等処罰法で逮捕

京都府綾部市で起きた脅迫による暴力行為等処罰法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警綾部署は29日、暴力行為等処罰法違反の疑いで、住居不詳、無職の女(34)を逮捕した。

逮捕容疑は(中略)持参してきたはさみを男性職員(42)の額に突きつけ(中略)脅した疑い。容疑を認めているという。

(8月29日 京都新聞 「「逃げるんか」市職員の額にはさみ突きつけて脅す 容疑で34歳女を逮捕」より引用)

暴力行為等処罰法

暴力行為等処罰法(暴力行為等処罰に関する法律)第1条
団体もしくは多衆の威力を示し、団体もしくは多衆を仮装して威力を示しまたは凶器を示しもしくは数人共同して刑法第208条、第222条または261条の罪を犯したる者は3年以下の懲役または30万円以下の罰金に処す。

刑法第208条では暴行罪、第222条では脅迫罪、第261条では器物損壊等罪がそれぞれ規定されています。

簡単に説明すると、脅迫罪は、生命や身体などに害を加えることを相手に伝えて脅した際に適用される犯罪です。
今回の事例の女性は男性職員にはさみを突き付けて脅しているので、男性職員の身体に対して害を加えるということを男性職員に伝えて脅しているといえ、脅迫罪が適用されると考えられます。
加えて、女性は脅す際にはさみを用いています。
凶器を用いて刑法第222条(脅迫罪)の罪を犯した場合は、暴力行為等処罰法の第1条に違反することになります。
ですので、今回の事例の女性が有罪となった場合は、3年以下の懲役か30万円以下の罰金が科されることになります。

では、実際に、暴力行為等処罰法違反で有罪になった場合、どのような量刑が科されるのでしょうか。

今年の8月に埼玉県で起きた、凶器のカッターナイフを用いてバスの乗客を脅した事件では、暴力行為等処罰法違反(暴力行為法違反)で送検され、略式起訴により罰金刑が科されました。
(8月27日 埼玉新聞 「路線バス内でカッターナイフ…凶行寸前に取り押さえられた男、不起訴に 暴力行為法違反では略式起訴」より)

略式起訴(略式手続)を大まかに説明すると、公判を行わずに非公開の場で罰金や科料の支払いを命じ、それによって刑事手続きを終了させる手続きのことです。
略式起訴は公判に比べて時間がかかりませんし、公判のように審理が公開されるわけではないため、時間的な負担や、周囲に刑事事件を知られるリスクが少なく刑事事件を終わらせることができます。
しかし、略式起訴で罰金刑になった場合でも、前科がつくことになってしまいますから、前科を回避したいとお考えの場合には、早い段階から不起訴処分を目指して活動を行う必要が出てきます。
不起訴処分を目指すには、被害者の方との示談締結や再犯防止策の構築などが有効ですが、これらの活動を当事者だけで行うには難しいため、弁護士へのご相談・ご依頼が望ましいでしょう。
暴力行為等処罰法違反でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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