Archive for the ‘暴力事件’ Category
傷害致死罪と傷害罪、暴行罪
傷害致死罪と傷害罪、暴行罪
京都市上京区の傷害致死事件を基に傷害罪、暴行罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
ケース
勤務終りのAさんは、京都市上京区にある自宅に会社の後輩であるVさんを招きました。
AさんとVさんは楽しくお酒を飲んでいましたが、次第にVさんがAさんに不遜な態度をとるようになりました。
AさんはVさんの態度にだんだんと怒りがわいてきました。
ついに我慢できなくなったAさんは、Vさんに少し痛い目にあわせてやろうと思い、傍に置いてあったスプレー缶でVさんの頭を殴りました。
殴られたVさんは頭から血を流し転倒しました。
我に返ったAさんは直ぐに救急車を呼びましたが、搬送先の病院でVさんは死んでしまいました。
その後、Aさんは傷害致死罪の容疑で京都府上京警察署の警察官に逮捕されました。
(フィクションです。)
今回の事例のAさんは、Vさんを殴って死なせてしまったということのようです。
今回の記事では、まず暴行によって成立する犯罪として代表的な傷害罪、暴行罪について解説します。
傷害罪
傷害罪は、刑法204条で規定されており、「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められています。
傷害罪で有罪となった場合は、15年以下の懲役、もしくは、50万円以下の罰金のどちらかの刑罰が科されることになります。
暴行罪と傷害罪の違い
暴行罪と傷害罪は異なる罪です。
暴行罪とは、その名の通り相手に暴行を加えた際に適用されます。
暴行罪は刑法208条で規定されており、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と定められています。
一方で傷害罪は、多くの場合、暴行等の結果として相手に怪我等をさせてしまった場合に適用されます。
ですので、例外もありますが、簡単に言うと相手を殴る等の暴行を加えたときに怪我を負わせなければ暴行罪、怪我を負わせてしまえば傷害罪となるというイメージでよいでしょう。
暴行を加えない傷害罪
先ほど、相手に暴行を加えた結果、相手が怪我を負った場合に傷害罪が適用されると書きました。
しかし、相手に暴行を加えていなくとも、相手の身体に傷害を与えたときに傷害罪が適用される場合があります。
例えば、騒音により頭痛や精神的障害を生じさせた場合や、けが人を治療しなかった場合などでも傷害罪は適用される可能性があります。
実際の裁判では、騒音により、傷害を負わせたとして有罪判決が下された事件もあります(最判平成17.3.29)。
この事件はいわゆる奈良騒音傷害事件として知られる事件であり、ラジオや時計のアラームなどによる騒音によって、隣人に慢性頭痛などの傷害を負わせた事件です。
この事件では、騒音を出して隣人に慢性頭痛などの症状を出した行為が傷害罪と認められ、最終的に懲役1年8月の有罪判決が下りました。
暴行事件、傷害事件、傷害致死事件に強い弁護士活動
このように、単に相手に暴力をふるったということだけでも結果が違えば成立する犯罪も異なりますし、時には暴行をしていなくとも傷害罪が成立することもあります。
簡単な話に見えて、実はどういった行為からごういった犯罪が成立するのかということは慎重に検討しなければならないことなのです。
こうした検討には、刑事事件の専門的な知識が必要ですから、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では刑事事件・少年事件を中心に取り扱っております。
傷害致死事件、傷害事件、暴行事件でなにかお困りのことがございましたら、0120―631―881までお電話おかけください。
24時間365日いつでもお待ちしております。
また、初回の法律無料相談や初回接見サービスもおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。
次回の記事では、今回のケースを用いて傷害致死罪と殺人罪の違いについて解説します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
店舗への落書きは建造物損壊罪?器物損壊罪?
店舗への落書きは建造物損壊罪?器物損壊罪?
店舗への落書きは建造物損壊罪になるのか、器物損壊罪になるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
〜事例〜
京都市山科区に住んでいるAさんは、近所の飲食店Vが大人数の客で騒がしいことをよく思っていませんでした。
飲食店Vへの鬱憤が溜まったAさんはある日、飲食店Vの店舗の入口のドアや壁面に「いい加減にしろ」「やかましい店」などとスプレー塗料やペンキを使って落書きをしました。
飲食店Vは、店舗の落書きを発見して京都府山科警察署に被害届を提出。
京都府山科警察署の捜査の結果、落書きはAさんによるものと発覚し、Aさんは建造物損壊罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの逮捕を知ったAさんの家族は、京都市の刑事事件に対応している弁護士に相談し、今後の手続きの流れや可能な弁護活動について詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・落書きによって刑事事件に?
今回の事例のAさんは、飲食店Vの店舗に落書きをして逮捕されています。
落書き程度で刑事事件になり、逮捕されるような事態になるのか、と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、落書きも立派な犯罪になり得る行為です。
店舗に落書きをすることで成立しうる主な犯罪としては、今回のAさんの逮捕容疑である建造物損壊罪と、器物損壊罪が挙げられます。
建造物損壊罪と器物損壊罪は、刑法に定められている犯罪です。
刑法第260条(建造物損壊罪)
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。
よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
刑法第261条(器物損壊罪)
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
建造物損壊罪も器物損壊罪も、それぞれ対象となるものを「損壊」することで成立する犯罪です。
建造物損壊罪の対象は「建造物」であり、器物損壊罪の対象は「他人の物」です。
建造物損壊罪の「建造物」は「家屋その他これに類似する建築物」(大判大正3.6.20)とされており、ざっくりと建物一般を指していると捉えて問題ないでしょう。
ここで注意しなければいけないのは、その建物から取り外せる物は「建造物」なのか「他人の物」なのかという問題です。
例えば、建物内にある襖を壊したとして、襖は「建造物」と言えるのか、といった問題です。
現在この問題については、建物から取り外せる物については、取り外すことがどれほど容易か、その物が建物の構造上どれほど重要なものか、といった点を考慮して判断されています。
玄関のドアが「建造物」かどうかが問題となった裁判では、玄関のドアは取り外し可能なものではあるものの、玄関のドアは外界と住居との遮断、防犯、防音等の重要な役割を果たしていることから「建造物」と言えるとされました(最決平成19.3.20)。
では、建造物損壊罪と器物損壊罪の「損壊」とはどういったことを指しているのでしょうか。
建造物損壊罪や器物損壊罪の「損壊」は、その物の効用を害する一切の行為を指すとされています。
簡単に言えば、その物をその物として使えなくしてしまう行為が建造物損壊罪や器物損壊罪の「損壊」に当てはまる行為なのです。
例えば、壺を割ってしまうといった物理的な破壊行為はもちろん、食器に放尿するといった、その後その物を心理的に使用できなくする行為も「損壊」行為となります。
建造物を対象とした場合、落ちにくいペンキやインクで大々的に落書きした場合のように、建物の外観や美観を著しく汚し、原状回復が相当程度困難にしたような場合も「損壊」行為とされます。
今回のAさんの落書き行為をこれに当てはめて考えてみましょう。
Aさんは、飲食店Vの店舗の壁や入り口に、ペンキやスプレー缶を利用して落書きしたとのことです。
壁や入り口は「建造物」である店舗から取り外すことのできない部分であったり、店舗にとって機能上重要な部分であったりしますから、Aさんが落書きをした部分は「建造物」であったと言えるでしょう。
そして、ペンキやスプレー缶といった、簡単には落ちない塗料によって落書きをしたことから、原状回復が簡単にはできない、外観を大きく損なう行為をしたと考えられます。
このことから、Aさんには建造物損壊罪が成立すると考えられるのです。
繰り返しになりますが、落書きという言葉からはいたずらや嫌がらせ程度のものであるというイメージがつきやすいものの、建造物損壊罪や器物損壊罪といった犯罪が成立します。
特に建造物損壊罪は、起訴されれば公開の法廷に立つこととなる非常に重い犯罪です。
落書き行為をしないことはもちろんですが、もしも落書き行為によって刑事事件となってしまったら、早期に弁護士に相談し、刑事手続きに対応していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、落書きによる刑事事件についてのご相談も受けつけています。
まずはお気軽に、0120ー631ー881までお電話ください。

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京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
改正少年法の「特定少年」とは?
改正少年法の「特定少年」とは?
改正少年法の「特定少年」とはどういったものなのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府京田辺市に住んでる高校3年生(18歳)のAさんは、近所の書店で雑誌を万引きしたところを店員に見とがめられ、店員を突き飛ばして逃亡しました。
その後、Aさんは京都府田辺警察署の警察官に事後強盗罪の容疑で逮捕され、Aさんの両親にも逮捕の知らせが届きました。
Aさんの両親は、少年法が改正され厳しくなるといったニュースを見ていたため、今後Aさんがどのような処分を受ける可能性があるのか不安に思い、少年事件を取り扱っている弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・改正少年法と「特定少年」
令和4年4月1日に、改正少年法が施行されます。
少年法では、20歳未満の者を「少年」と定義し(少年法第2条第1項)、少年法の対象としています。
しかし、令和4年4月1日から施行される改正少年法では、この20歳未満の「少年」のうち、18歳と19歳の少年を「特定少年」として17歳以下の少年と分けて考える部分が出てきます。
まずは、改正少年法の中で「特定少年」という言葉の出てくる条文を確認してみましょう。
改正少年法第62条
第1項 家庭裁判所は、特定少年(18歳以上の少年をいう。以下同じ。)に係る事件については、第20条の規定にかかわらず、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは、決定をもつて、これを管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
第2項 前項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、特定少年に係る次に掲げる事件については、同項の決定をしなければならない。
ただし、調査の結果、犯行の動機、態様及び結果、犯行後の情況、特定少年の性格、年齢、行状及び環境その他の事情を考慮し、刑事処分以外の措置を相当と認めるときは、この限りでない。
第1号 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であつて、その罪を犯すとき16歳以上の少年に係るもの
第2号 死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件であつて、その罪を犯すとき特定少年に係るもの(前号に該当するものを除く。)
改正少年法第62条第1項では、改正少年法において18歳・19歳の少年は「特定少年」として扱われるということに加え、「特定少年」に係る少年事件については、少年法第20条の規定にかかわらず、諸々の事情から相当と認められるときには検察官への送致(いわゆる「逆送」)をしなければならないということを定めています。
なお、少年法第20条では、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の少年事件について諸々の事情に照らして相当と認められる場合には逆送を行うことや、故意の犯罪行為によって被害者を死亡させた少年事件で事件当時16歳以上であった少年については原則逆送とすることが定められています。
さらに、改正少年法第62条第2項では、先ほど記載した少年法第20条で定められていた、故意の犯罪行為によって被害者を死亡させた少年事件で事件当時16歳以上の少年を原則逆送とするというもの(改正少年法第62条第2項第1号)だけでなく、事件時に「特定少年」であった場合には「死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件」について原則逆送とすることが定められています(改正少年法第62条第2項第2号)。
原則逆送とするときの条件が16歳以上の少年については「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件」とされているのに対し、「特定少年」については「死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪の事件」と、16歳以上の少年に比べて範囲が拡大していることが分かります。
例えば、今回の事例のAさんの場合、容疑をかけられている犯罪は事後強盗罪(刑法第238条)で、その刑罰は「5年以上の有期懲役」と定められています。
改正少年法のもとでは、「短期1年以上の懲役」にあたる犯罪の事件を「特定少年」時に起こした場合は原則逆送となりますから、令和4年4月1日以降にAさんが18歳となっている状態で今回の事件を起こしていた場合には、Aさんの事件は原則逆送されることとなります。
こうしたことから、改正少年法のもとでは、「特定少年」が逆送され、成人と同じ刑事手続きに乗りやすくなるといえるでしょう。
こういったことから、今回の事例のAさんの両親が見たニュースのように、「改正少年法では処分が厳しくなる」というようにとらえられたのだと考えられます。
・「特定少年」と逆送
ここで、「逆送」とは、家庭裁判所から検察官へ事件を送りなおすことを指します。
通常の少年事件は、警察・検察での捜査を終えた後、検察から家庭裁判所に送致されます。
「逆送」では、そこからさらに家庭裁判所から検察へ事件を戻すことになるため、「『逆』送致」=「逆送」と呼ばれているのです。
逆走された少年事件は、成人と同様の刑事手続きの流れに乗ることになります。
検察官が起訴するかどうかを判断し、起訴されれば裁判となり、有罪になれば刑罰を受けることになります。
場合によっては刑務所へ行くことになることも考えられます。
ですから、改正少年法のもとで特に逆送の可能性のある「特定少年」による少年事件については、刑事裁判となることも見据えて弁護活動をしてもらうことが重要です。
今回取り上げた逆送について以外にも、改正少年法下では、「特定少年」として取り扱われる18歳・19歳の少年の手続きが現行の少年法と大きく異なります。
少年事件も多く取り扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、改正少年法に関係するご相談も受け付けています。
子どもが少年事件を起こしてしまったが改正少年法下でどういった扱いになるのか不安だという方、「特定少年」の手続きが分からないとお悩みの方は、お気軽にご相談下さい。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
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窓を割った建造物損壊事件で逮捕されてしまった
窓を割った建造物損壊事件で逮捕されてしまった
窓を割った建造物損壊事件で逮捕されてしまったというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、京都府城陽市にある宿泊施設Vに泊まった際、施設の対応が気にくわなかったことから、嫌がらせをしてやろうと考え、ハンマーを使ってVの窓ガラス(縦約0.5メートル、横約2メートル)を1枚割りました。
Vの職員が窓が割れていることに気付き、京都府城陽警察署に通報。
捜査の結果、Aさんが窓ガラスを割ったことが判明し、Aさんは建造物損壊罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんが逮捕されたことを知ったAさんの妻は、突然の事態に何をしてよいのか分からず、混乱しています。
Aさんの妻は、とにかく事態を把握したいと考え、京都府の逮捕に対応している弁護士に問い合わせ、Aさんの下へ接見に行ってもらうことにしました。
(※令和3年11月7日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・窓を割って建造物損壊罪に
今回の事例のAさんは、宿泊施設Vの窓ガラスを割ったことで建造物損壊罪に問われているようです。
こうした物を壊す犯罪としては、Aさんの逮捕容疑となっている建造物損壊罪の他に、器物損壊罪もイメージされるところです。
刑法第260条(建造物等損壊罪)
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。
よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
刑法第261条(器物損壊罪)
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
刑法第264条(親告罪)
第259条、第261条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
この2つの犯罪は、罪名にある通り、壊した対象が何かという部分に大きな違いがあります。
壊した対象物が異なるだけだと思われるのかもしれませんが、建造物損壊罪が成立するのか器物損壊罪が成立するのかでは、有罪となったときに科される刑罰の重さが大きく異なります。
条文からも見て取れるように、建造物損壊罪には罰金刑の規定がないため、罰金を支払って終了ということはできません。
建造物損壊罪で起訴されれば刑事裁判を受けることになりますし、有罪となれば刑務所へ行く可能性も出てきます。
さらに、器物損壊罪が親告罪=被害者等による告訴(被害申告と処罰意思の表明)がなければ起訴されない犯罪であるのに対し、建造物損壊罪の起訴には告訴は必要とされていません。
今回の事例のAさんは、宿泊施設Vの窓ガラスを割って建造物損壊罪に問われています。
Aさんは窓ガラスを割って=壊しているため、建造物損壊罪や器物損壊罪にある「損壊」という行為をしていること自体に間違いはないでしょう。
しかし、窓ガラスは単なる「(他人の)物」であり、「建造物」に当たらないのではないかと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここで、建造物損壊罪のいう「建造物」とは、一般的に、その建物から取り外し可能でないもの、もしくはその建物の中で重要な役割を持っているものを指すと考えられているということに注目してみましょう。
これらに当てはまらないものは、「建造物」以外の物であるとされ、器物損壊罪が成立する可能性が高くなります。
今回の事例でAさんが割った窓ガラスは、もしかするとその性質上、宿泊施設Vという建物から取り外せるものかもしれません。
もしも取り外せるタイプの窓ガラスであれば、建造物損壊罪の「建造物」ではなく、器物損壊罪の「(他人の)物」という判断になるかもしれません(はめ込み式の窓ガラスなどの場合は、そもそも建物から取り外せない一体となっているものと判断されやすいでしょう。)
。
しかし、過去の事例では、建造物損壊罪の客体である「建造物」であるかどうかは、取り外し可能かどうかだけではなく、その建造物における機能の重要性も考慮する必要があると判断されている事例があります。
例えば、今回の窓ガラスであっても、建造物の外壁と接合して、外界との遮断や防犯等の重要な役割を担っていると判断されれば、「建造物」にあたると考えられる可能性もあります(参考判例:最決平19.3.20)。
窓ガラスと一口に言っても、さまざまなタイプの窓ガラスが存在するため、「窓ガラスだから器物損壊罪」「窓ガラスだから建造物損壊罪」と簡単に判断できるものではないのです。
先ほど触れたように、物を損壊する行為によって建造物損壊罪が成立するのか、器物損壊罪が成立するのかによって、刑罰の重さなども大きく変わってきます。
だからこそ、そもそも自分にどういった犯罪が成立し得るのか、それはなぜなのか、どのような手続きが予想されるのかといったことを早い段階で把握し、適切な対応を取ることが必要です。
そのためには、刑事事件の専門家である弁護士にまずは相談してみることがオススメといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕された方向けのサービスも取り揃えております。
まずはお気軽にお問い合わせください。

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強制性交等事件で合意があったと主張したい
強制性交等事件で合意があったと主張したい
強制性交等事件で合意があったと主張したいというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市北区に住んでいる会社員の男性Aさんは、知人のVさんと、自宅で性行為をしました。
Aさんは当然Vさんの合意があって性行為をしたと思っていたのですが、翌朝Aさんが目覚めたときにはVさんはすでにいなくなっており、京都府北警察署から「強制性交等罪の被害を受けたという被害届が出ている」と呼び出しの連絡がありました。
Aさんは、あくまで合意のもと性行為をしたと思っていたため、警察署に行く前に強制性交等事件について扱っている刑事事件専門の弁護士へ今後の対応について相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・強制性交等事件で合意があったと主張したい
今回の事例のAさんは、強制性交等罪の疑いをかけられているようです。
刑法第177条(強制性交等罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
強制性交等罪の条文には、性交等をする手段として「暴行又は脅迫を用い」ることが強制性交等罪が成立する要件として書かれています。
この条文の文字から、目立った暴行等がなければ「暴行又は脅迫」をしていないとして強制性交等罪にあたらないのではないかと考えられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際に殴る蹴るといった分かりやすく強い暴行があったのかということだけではなく、被害者との体格等の違いや関係性、事件の起きた場所やその状況といった様々な事情を総合して考慮した結果、強制性交等罪の「暴行又は脅迫」に当たるのかどうかが判断されます。
そのため、強制性交等罪にあたり得るかどうかは、本人の供述だけではなく、事件当時の状況や被害者との関係等、全ての詳しい事情を専門的に検討する必要があるのです。
そして、今回の事例のAさんのように、強制性交等事件では「合意があった」と思って性交等をしたのに、相手方はそう思っておらず、思いもよらず被害届や告訴が出されたというケースも存在します。
Aさんが考えているように、あくまで合意のもとの行為だったと主張するのであれば、強制性交等罪の容疑に対して否認するということになります。
繰り返しになりますが、強制性交等事件では、当事者の認識だけでなく、客観的に見て合意があったように見えたのかどうか、当時の当事者の関係性はどうであったのか等の事情を詳細に検討する必要があります。
加えて、取調べを受ける際にも、「合意があった」と主張するためには取調べ対応の仕方をきちんと把握しておく必要があります。
被疑者の権利や刑事事件の手続を知らずに取調べに対応することになれば、手続きや権利を知らないことによって意図せず不利な言動をしてしまうリスクもあります。
もしも自白を迫られたり誘導されたりして自白をした供述調書を取られてしまえば、それを覆さなければならないという難しい状況にも陥ってしまいます。
だからこそ、合意があったと主張したいということであれば、まずは刑事事件に強い弁護士に相談し、強制性交等罪にあたる可能性があるのかどうか、捜査への対応はどのようにすべきなのかといったことを聞いておくことが大切なのです。
さらに、容疑に対して否認する場合、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されやすい傾向にあり、そうなると逮捕・勾留による身体拘束のリスクもあります。
そうなってしまった場合にすぐに活動を開始できるように準備しておく必要もあるため、やはり弁護士には早い段階で相談・依頼しておくことが重要でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件を専門に取扱っています。
強制性交等事件で合意があったと主張したい、警察から呼び出されて弁護士の話を聞いておきたいという方は、お気軽にご相談下さい。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
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置引きが強盗罪に?
置引きが強盗罪に?
置引きが強盗罪に発展してしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、京都市南区にあるカフェを利用している際、隣の席に座ったVさんが財布をソファの上に置きっぱなしにしているところを見ました。
Aさんは、「こっそり持って行ってもばれないかもしれない」と思い、Vさんが雑誌を見ている間にこっそりVさんの財布をこっそり自分の方へ引き寄せると、そのまま財布を持って店を出ました。
しかし、Aさんが店を出るところでVさんが財布を取られたことに気が付いて追いかけてきたため、Aさんは咄嗟にVさんを突き飛ばし、激しく転倒させたうえで逃走しました。
その後、通報を受けた京都府南警察署の捜査により、Aさんは事後強盗罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは、置引き程度のつもりだったのに強盗罪の容疑で逮捕されたことに驚き、家族の依頼で警察署にやってきた弁護士に接見すると、どうして強盗罪の容疑をかけられているのか詳しく聞いてみることにしました。
(※令和3年11月15日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)
・置引きが強盗罪になる?
置引きとは、置いてある他人の物を持ち去ってしまう窃盗行為の手口の1つです。
今回のAさんが置いてあったVさんの財布を持ち逃げしようとした行為は、まさにこの置引きの手口であったといえるでしょう。
多くの場合、置引きには窃盗罪が成立します。
置引きと聞いて窃盗罪をイメージする方も多いでしょう。
刑法第235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
しかし、今回のAさんの逮捕容疑は事後強盗罪という強盗罪の1種です。
置引きが強盗罪にまでなることがあるのでしょうか。
事後強盗罪は、刑法第238条に定められている犯罪です。
刑法第238条(事後強盗罪)
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
事後強盗罪の主体となるのは「窃盗」です。
これは「窃盗犯」を指しており、今回のAさんも置引きをしている窃盗犯ですから、Aさんは事後強盗罪の主体となり得ることになります。
そして、この「窃盗」が盗んだ財物を取り返されることや捕まることを防ぐため、犯罪のあとを隠すために暴行や脅迫をした場合に成立するのが事後強盗罪です。
今回のAさんは、Vさんが財布を取られたことに気が付いて追いかけてきたところを突き飛ばして逃げ切っています。
Aさんは財布を取り返されることや捕まることを防ぐためにVさんを突き飛ばすという暴行をふるっていると考えられます。
こうしたことから、Aさんには事後強盗罪が成立すると考えられるのです。
ここで、事後強盗罪の法定刑は「強盗として論ずる」ということから、強盗罪と同じものです。
刑法第236条第1項(強盗罪)
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
窃盗罪が「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」という刑罰と定められているのに比べると、強盗罪の刑罰は下限が5年の懲役刑のみで罰金刑の規定もないという、非常に重い刑罰が設定されていることが分かります。
さらに、もしもVさんがAさんの暴行によって怪我をしていた場合には、事後強盗罪ではなく強盗致傷罪が成立する可能性もあります。
刑法第240条(強盗致死傷罪)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
強盗致傷罪も事後強盗罪のように主体が限定されており、「強盗」=強盗犯ということになります。
Aさんの場合、事後強盗罪を犯している強盗犯ということになりますので、AさんがVさんを突き飛ばした時にVさんが怪我をしていれば、Aさんには強盗致傷罪が成立することになるのです。
強盗致傷罪となれば、その刑罰は「無期又は6年以上の懲役」となり、さらに重い刑罰が予想されることになります。
単なる置引きがきっかけであったとしても、その後の行動によっては強盗罪や強盗致傷罪といった非常に重い犯罪が成立します。
特に、強盗致傷罪となった場合には、起訴されれば裁判員裁判の対象となり、特別な準備も必要となってきます。
まずは自分が容疑をかけられている犯罪の把握、その犯罪で起訴されたり有罪となったりした場合の見通し・手続の把握などをすることが重要ですから、早い段階で弁護士に相談してみましょう。
刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、置引き事件から強盗事件まで、幅広い事件のご依頼・ご相談を受け付けています。
まずはお気軽にお問い合わせください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
児童ポルノ製造・強要事件を弁護士に相談
児童ポルノ製造・強要事件を弁護士に相談
児童ポルノ製造・強要事件を弁護士に相談するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
Aさんは、動画配信アプリを通じて京都府宮津市に住んでいるという女子高生Vさん(16歳)と知り合いました。
アプリ内のメッセージ機能を使ってやり取りするようになったAさんとVさんは、メッセージアプリでもアカウントを教え合い、やり取りをするようになりました。
その後、Aさんが「裸の写真が見たい」とVさんに伝え、Vさんに服を脱いだ写真を送ってもらう関係に発展しました。
しかし、Vさんが次第に写真を送ることを怖がり渋るようになると、AさんはVさんに対して「言うことを聞かないなら今まで送って来た写真を拡散するぞ」「晒されたくないなら写真を送れ」などと言うようになりました。
VさんはしばらくAさんの言う通りにしていましたが、恐怖に耐え切れず、両親に相談。
Vさんとその両親は京都府宮津警察署へ被害を申告し、Aさんは児童ポルノ製造による児童ポルノ禁止法違反と強要罪の容疑で逮捕されてしまいました。
事件について知ったAさんの家族は、京都府の逮捕に対応している弁護士に相談し、Aさんのもとへ接見に行ってもらうことにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・写真を送らせる=児童ポルノ製造に
今回のAさんの逮捕容疑の1つである児童ポルノ製造行為とは、文字通り児童ポルノを作り出すことを指します。
児童ポルノ禁止法第7条第4項
前項に規定するもののほか、児童に第2条第3項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第2項と同様とする。
「前項に規定するもの」とは、児童ポルノを提供する目的での児童ポルノの製造・所持・運搬・輸出入行為のことです。
児童ポルノを提供する、すなわち、他の人へ渡したり広めたりする目的以外で児童に児童ポルノ禁止法第2条第3項にある姿態を取らせて写真などを撮影して児童ポルノを作成した場合に、この条文に該当する児童ポルノ禁止法違反となります。
つまり、自分でその写真を見て楽しむといった目的のために児童ポルノ製造行為をしたような場合には、この条文に該当する児童ポルノ禁止法違反になるということです。
そして、「第2条第3項各号」とは、児童ポルノ禁止法の中で児童ポルノというものを定義している条文です。
例えば、児童相手の性交の様子や性交類似行為や、児童が一部又は全部服を脱いでいて性的部分を強調している様子などが当てはまります。
今回のAさんがVさんに写真を送らせた目的は定かではありませんが、自分で写真を見る目的であれば、先述の児童ポルノ禁止法の条文に当たることになります。
さらに、Aさんが送らせたVさんの写真はVさんの裸の写真であるため、「児童ポルノ」に定義されることになるでしょう。
そして、ここで、その児童ポルノを「製造した」という文言から、実際に児童ポルノにあたる写真を撮影したのはVさん自身ではないかと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、今回の事例ではAさんから児童ポルノをVさんに作らせたという経緯ですから、AさんがVさんに写真を撮らせることで児童ポルノ製造をしたということになります。
こうしたことから、Aさんには児童ポルノ製造の罪に当たると考えられるのです。
・児童ポルノと強要罪
今回のAさんは、児童ポルノ製造による児童ポルノ禁止法違反だけでなく、強要罪の容疑もかけられています。
刑法第223条第1項(強要罪)
命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
強要罪は、脅迫や暴行を用いて人に義務のないことをさせることで成立する犯罪です。
似たような犯罪に脅迫罪がありますが、脅迫罪が脅迫するだけにとどまるのに対し、強要罪では加えて人に義務のないことを行わせる犯罪です。
人に義務のないことを強いるという分、強要罪の方が法定刑も重く設定されています。
参考:刑法第222条第1項(脅迫罪)
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
今回のAさんは、Vさんの裸の写真を拡散させると脅迫し、Vさんにさらなる写真の提供を要求しています。
裸の写真を拡散されるということはVさんの名誉が害される可能性のあることで、「名誉…に対し害を加える」旨の告知と言えるでしょう。
当然、VさんにAさんへ裸の写真を提供する義務はないですから、Aさんには強要罪が成立すると考えられるのです。
児童ポルノを児童から送らせていたという事件では、その児童ポルノ自体を材料に脅迫罪や強要罪にあたる行為をしてしまったという被疑者・被告人の方もままいらっしゃいます。
児童ポルノ製造による児童ポルノ禁止法違反だけでなく、脅迫罪や強要罪も犯してしまっているとなれば、それぞれの犯罪にどのように対応していけばよいのか分からなくなってしまうかもしれません。
だからこそ、まずは専門家である弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、児童ポルノ禁止法違反事件や強要事件などの刑事事件を専門に取扱っています。
0120-631-881ではお問い合わせを24時間いつでも受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。

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飲み会からの帰り道で逮捕されてしまったら
飲み会からの帰り道で逮捕されてしまったら
飲み会からの帰り道で逮捕されてしまったというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
会社員のAさんは、京都市山科区にある職場近くで飲み会をしました。
その飲み会からの帰り道、酔っていたAさんは、通行人であるVさんとトラブルになり、Vさんのことを殴ってけがをさせる傷害事件を起こしてしまいました。
通報を受けた京都府山科警察署の警察官が臨場し、Aさんは傷害罪を犯したとして現行犯逮捕されました。
しかし、Aさんは、飲み会から帰ろうとしたところまでは覚えているのですが、その後の記憶は酔っ払っていたこともあり、全く思い出せません。
逮捕されて警察官に話を聞かれたAさんでしたが、「覚えていない」ということしか言えず、不安に思っています。
その後、Aさんの家族が逮捕を知って弁護士をAさんのもとへ派遣。
Aさんは接見に来た弁護士に事件やその手続きについて相談しました。
(※この事例はフィクションです。)
・飲み会帰りに逮捕されてしまった
今回のAさんは、その飲み会の帰りに傷害事件を起こして現行犯逮捕されるに至っています。
お酒が入ることによって気が大きくなるなどし、傷害事件などの暴力事件を起こしてしまったというご相談は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にもよく寄せられるご相談です。
そして、当事者に飲み会中や飲み会帰りでお酒が入っていたというケースでは、Aさんのように酔っ払っていた影響で事件当時の記憶がない、という方も多くいらっしゃいます。
自分の記憶がないにもかかわらず傷害事件の被疑者として警察官から取調べを受けるのですから、不安を感じて当然でしょう。
事件当時の記憶がなければ、傷害罪について自分がやったと認めることもできませんから、容疑を否認していると捉えられ、逮捕・勾留されて取調べを受けることになるケースも見られます。
その場合、「認めれば帰宅を許される」と誘導をほのめかされることもあるようですし、余計に不安が募ってしまうことでしょう。
だからこそ、こうしたケースの場合には、すぐに弁護士に相談して今後の対応を検討することが重要です。
Aさんのような飲み会帰りに起こった傷害事件では、現行犯逮捕されてしまい、訳の分からないまま警察署に留置されてしまう、というケースも多々見られます。
こうした場合、刑事手続きへの不安や自身の記憶がなかったり曖昧であったりすることから、取調べにおいて自身の認識と異なる供述へ誘導されてしまうリスクが考えられます。
そうしたリスクを軽減するために、弁護士から被疑者の権利や取調べでの注意点、刑事手続きの流れなどを詳しく聞いてアドバイスを受けることが有効なのです。
取調べは逮捕直後から開始されることになりますから、逮捕直後から弁護士への相談・依頼をすることが重要です。
・逮捕直後に弁護士に相談
先述したように、逮捕されてからすぐに弁護士と会って話を聞くことのメリットは大きいものです。
ですから、ご家族などが逮捕されたということを知ったすぐ後から、弁護士に相談・依頼することがおすすめされます。
例えば、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービスがあります。
初回接見サービスでは、お申込みいただいてから最短即日で弁護士が逮捕・勾留された被疑者・被告人のもとへ接見へ向かいます。
逮捕されてしまったご本人はもちろん、そのご家族なども刑事手続きに対する不安は大きいでしょうから、まずは1度弁護士の話をそれぞれ聞いてみることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門の弁護士が突然の逮捕にも対応しています。
まずはお気軽にご相談ください。

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親子喧嘩をきっかけに逮捕されてしまった
親子喧嘩をきっかけに逮捕されてしまった
親子喧嘩をきっかけに逮捕されてしまったというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都府舞鶴市に住んでいるAさん(20代男性)と母親のVさん(50代女性)は、ある日、親子喧嘩をしました。
最初は言い合っていた2人ですが、ついついヒートアップし、取っ組み合いになってしまいました。
騒ぎに気付いた近所の人が京都府舞鶴警察署に通報。
警察官が駆け付けた際、AさんはVさんに馬乗りになって押さえつけている状態でした。
そのため、警察官はAさんを暴行罪の容疑で逮捕。
AさんもVさんも、まさか親子喧嘩によって逮捕されてしまうとは思わず、困惑してしまいました。
そこで、父親であるBさんが、刑事事件を取り扱っている弁護士に逮捕について相談し、今後どのようにすべきかアドバイスを求めてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)
・親子喧嘩から逮捕に発展?
この記事を読まれている方の中にも、親子喧嘩をしたことがあるという方はいらっしゃるでしょう。
そんな親子喧嘩から刑事事件に発展し、逮捕されるという事案は、実際のところ少なからず起きています。
上記事例のように、親子喧嘩がヒートアップしてつい手が出てしまったというようなケースで、他のご家族の方が不安に思って警察へ通報されたり、近所の方が騒ぎに気付いて通報されたりといった形で警察が臨場し、現行犯逮捕されることもあるようです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にも、そういった親子喧嘩をきっかけとして逮捕に至ったケースのご相談・ご依頼は寄せられています。
親子喧嘩となると、身内で起きた単なる喧嘩とあって、そう大事にならないだろうと考える方も少なくありません。
しかし、ただの親子喧嘩がヒートアップしただけであっても、暴力をふるってしまえば刑法における暴行罪や傷害罪が成立します。
たとえ加害者と被害者が血縁関係であっても、暴行罪や傷害罪の成立に影響はありませんから、親子喧嘩から暴行事件や傷害事件になってしまうことは十分考えられる話なのです。
刑法第204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑法第208条(暴行罪)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
しかし、今回の事例のように、当事者同士が親子喧嘩の延長線上であるとしか認識していなかったような場合には、当事者同士はもちろん、他のご家族の方も、刑事事件となり逮捕された状況に大きく困惑してしまうことでしょう。
だからこそ、こうした時には早期に弁護士に相談することをおすすめいたします。
親子喧嘩をきっかけとした刑事事件の場合、加害者と被害者が同居しているケースも多いため、加害者と被害者の接触を避けるなどのために、逮捕などの身体拘束を伴った捜査となることもあります。
逮捕されてしまったら、すぐに弁護士に相談してみることをおすすめいたします。
今回の事例のAさんとVさんのように、当事者自身が処罰感情を抱いていないという場合には、第三者かつ専門家である弁護士がその旨を丁寧に聞き取って証拠化する、今後同じようなことの起きないよう再犯防止策を練るなどして、釈放や寛大な処分の獲得に向けて活動することになるでしょう。
特に釈放を求めるタイミングには限りがあるため、逮捕直後から弁護士に相談しておくことで、釈放を求めるタイミングをフルにいかすことが期待できるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、親子喧嘩をきっかけとした逮捕にも迅速に対応しています。
京都府の刑事事件のご相談・ご依頼はお気軽にお問い合わせください。

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監禁致傷罪の刑罰の重さは?
監禁致傷罪の刑罰の重さは?
監禁致傷罪の刑罰の重さについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
~事例~
京都市左京区に住んでいる会社員の男性Aさんは、同じ会社で働いている同僚の女性Vさんを自宅に呼び、一緒に食事していました。
Aさんは、Vさんのことを好ましく思っていたこともあり、もっと長時間一緒に過ごしたいと考え、Vさんの飲み物に睡眠薬を入れ、Vさんの意識を失わせると、翌朝まで自宅から出られないようにしました。
Vさんは、意識を取り戻すと自力でAさん宅から出ると、近くにあった京都府下鴨警察署の交番に助けを求めました。
Aさんは、監禁致傷罪の容疑で京都府下鴨警察署に逮捕されることになり、Aさんの家族は逮捕の連絡を受け取ってすぐ、京都市の逮捕に対応している弁護士に相談することにしました。
(※令和3年10月12日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)
・監禁致死傷罪の刑罰の重さは?
今回の事例のAさんは監禁致傷罪の容疑で逮捕されていますが、Aさんのように刑事事件を起こして逮捕されてしまった状況において、被疑者本人やその家族が心配する大きなことの1つとして挙げられるのが、有罪になった場合の刑罰の重さがどれほどになるのかということでしょう。
罰金を支払って終わりとなるのか、それとも正式裁判となって公開の法廷に立つことがあるのか、そこで有罪となったら執行猶予が付く可能性があるのか、それとも実刑となって刑務所に行くことになるのか、将来に大きく関わることだからこそ、関心も高く不安も大きいでしょう。
ここで、監禁罪や監禁致死傷罪の刑罰について確認してみましょう。
刑法第220条(逮捕及び監禁罪)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
刑法第221条(逮捕及び監禁致死傷罪)
前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
監禁罪の刑罰が「3月以上7年以下の懲役」と定められているのに対し、監禁致死傷罪の刑罰は、「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」と定められています。
監禁罪のように「3月以上7年以下の懲役」とされていれば、どれほどの重さの刑罰か想像しやすいですが、「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」と言われても、刑罰の重さがどのくらいの範囲でさだめられているのか分かりづらいという方も多いでしょう。
「傷害の罪と比較して」とは、監禁致傷罪と監禁致死罪それぞれの場合について、刑法の傷害の罪、すなわち傷害罪と傷害致死罪それぞれと比較して重い刑罰である方で処断することを指しています。
例えば、監禁致傷罪の場合を検討してみましょう。
刑法の傷害罪は以下のように刑罰を定めています。
刑法第204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
傷害罪の刑罰として定められているのは「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となりますから、これと監禁罪の「3月以上7年以下の懲役」という刑罰を比較していくことになります。
これらを比較すると、刑罰の下限は監禁罪の「3月以上」「の懲役」の方が重く、上限は傷害罪の「15年以下の懲役」が重いことが分かります。
このことから、それぞれ重い部分を取り、監禁致傷罪の刑罰は「3月以上15年以下の懲役」ということになるのです。
なお、監禁致死罪の場合は、「3年以上の有期懲役」となります。
刑法では、執行猶予を付すことのできるのは言い渡された刑が3年以下の懲役であることが条件であるとされていますが(刑法第25条)、監禁致傷罪で有罪となった場合、先述の「3月以上15年以下の懲役」の範囲で刑罰が言い渡されることになりますから、言い渡される刑罰の重さ次第では執行猶予を付けることができるということになります。
ですから、早い段階から示談交渉などの被害者対応や、カウンセリングの受診などの再犯防止策の構築など、執行猶予獲得のための準備をしていくことが重要と言えるでしょう。
刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕直後から被疑者やその家族のサポートを開始することができます。
監禁致傷事件などの刑事事件にお悩みの際は、お早めに弊所弁護士までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
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