Archive for the ‘刑事事件’ Category

自分の口座を売買した男を送検

2025-07-20

自分の口座を売買した男を送検

通帳とお金

自分の口座を他人に売買した男が送検された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務京都支部が解説いたします。

事例

京都府宇治警察署によりますと、昨年(2024年)10月12日、インターネットで「口座を高い値段で買いとります」と表示するサイトから自分の口座を売った容疑で男(26)が送検されました。
調べによると男は、昨年8月26日手軽に儲けられると謳うサイトにアクセスしたところ、自分の口座が1口座15万円で売れるという内容に、すぐさま2つのネット銀行で口座を作り、サイトを通して口座情報を売却したとのことです。
1週間後に男が指定する口座には30万円の振込がありました。
その後、男が売った口座が特殊詐欺事件で使用された事が判明し、警察が男に事情を聞いたところ口座を売却したことを認めました。
男の口座に振込んできた、相手の口座もやはり売却された口座だったとのことです。
男は「まさか自分の口座が犯罪に使われるとは思わなかった」と供述しているとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

口座売買をするとどんな罪になる?

口座を授受する行為は「犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)」違反(第28条2項)に該当します。
自身の銀行口座を他人に譲り渡したり、他人の口座を譲り受ける行為(ネットバンキングであればID・パスワードの情報を授受すること)に該当すれば、1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科されることになります。
授受の際、有償・無償は問われません。
また他人に譲り渡す目的で口座を開設する行為、他人・架空名義の口座を開設する行為に該当すれば、詐欺罪(刑法第246条:10年以下の拘禁刑)が成立することになるでしょう。

特殊詐欺(オレオレ詐欺など)やSNS型投資詐欺(インターネット上に著名人の名前をかたったり、必ず儲かるとの謳い文句でSNSに誘導し、最終的に投資金などの名目で、金銭等を振り込ませる詐欺)による被害金は売買された口座を利用して授受されています。
警視庁によりますと、口座の譲渡など「犯罪収益移転防止法」による摘発(2024年)は4500件ほどに上り年々増加傾向にあるとのことです。

今回の事例では男は他人に譲り渡す目的で口座を開設し、実際に他人に口座を譲り渡しています。
そのため詐欺罪犯罪収益移転防止法違反が成立することになるでしょう。

逮捕・送検されたら弁護士へ相談を

手軽に稼げると謳うサイトが近年、横行しています。
特に若者を中心に気軽にサイトにアクセスし、その指示通りに操作することによって犯罪に加担するケースが増えています。
今回の口座の売買もその一例でしょう。
警視庁は金融機関などと連携し、法改正や対策の検討を進めています。

犯罪に加担したかもしれない、ご家族が犯罪に巻き込まれたかも、などご心配な方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご連絡ください。
フリーダイヤル:0120―631―88124時間365日受付中
またすでにご家族が逮捕されている場合は、早くて当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)も提供しています。
接見後は弁護士から、ご依頼人に現状と今後の見通しを丁寧に説明いたします。

家庭ごみを不法に捨てた疑いで男を逮捕

2025-07-16

家庭ごみを不法に捨てた疑いで男を逮捕

ごみ

家庭ごみを不法に捨てた疑いで逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務京都支部が解説いたします。

事例

京都府福知山警察署によりますと、今年2月20日京都府福知山市内在住の男(58)を家庭ごみを不法に投棄した疑いで逮捕したとのことです。
昨年12月2日から複数回にわたり、同市内のゴミ捨て置場にタンスや家電製品など家庭ごみが不法に捨てられていました。
ごみ捨て置場を管理する町会から警察に相談があり、監視カメラと警察の捜査により名前が浮上した男に事情を聞いたところ、犯行を認めたとのことです。
男は実家で一人暮らしだった父親が死亡し、その遺品整理のため家具や家電など大型の家庭ごみを深夜、近くのごみ捨て置き場に複数回にわたり不法に投棄したとのことでした。
同市内では市の委託業者にゴミの引取りを頼んだ場合、一点570~3、070円の引き取り料金がかかるとのことです。
男は「一回ごみを捨てても誰にも言われなかったため、大丈夫だろうと思いごみを捨て続けた。ごみを捨てただけで、まさか逮捕されるなんて」と、犯罪になる認識がなかったと供述しているそうです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

家庭ごみの不法投棄は何罪になる?

ごみの投棄などは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に定められています。
同法は廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物のを適正に処理し、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的としています。(第1条)
また「廃棄物」とはごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、糞尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)と規定し(第2条1項)、「産業廃棄物」以外のものを「一般廃棄物」と位置付けています(同条2項)。
家庭ごみはこの「一般廃棄物」にあたることになります。
同法には「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」(第16条)と定められており、これに違反した場合は「5年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」(第25条1項14号)と規定されております。

今回の事例では男が家庭ごみ(一般廃棄物)を市の委託業者に有料で依頼をするか、特定の引取り所に自ら持ち込むべきところ、不法にゴミ捨て置場に投棄しています。
そのため廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反に該当し、有罪になった場合は5年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金又は拘禁刑と罰金の両方が科せられることになるでしょう。

様々な事情で国選弁護人を選ぶ場合、逮捕後すぐに依頼できる訳ではありません。
検察が身柄拘束を必要と認め裁判所が相当と判断した場合、勾留状が発せられ、そこから最大20日間勾留されることになります。
依頼できるのはこの勾留状が発せられた後、もしくは在宅捜査なら起訴後になります。
そのため、弁護人不在の期間に弁護士に相談をすることができず、捜査機関や裁判所への働きかけにより身柄解放の働きかけもできない、不利な状況に置かれることになります。
そのため私選弁護人に依頼をすることは、とても重要になります。
さらに刑事事件に精通した弁護士は捜査機関、裁判所とのやり取りの実績・経験があるため、心強い味方になるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件でお困りの方からのご相談をお待ちしております。
フリーダイヤル:0120―631―881までお気軽にお問合せください。
24時間365日受付中です。
またご家族が逮捕されている場合は、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供しています。

市役所勤務の元部長が部下をたたいたとして略式命令

2025-07-13

市役所勤務の元部長が部下をたたいたとして略式命令

ガベル

市役所勤務の元部長が元部下の頭を叩いたとして略式命令を受けた刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

京都地方検察庁によりますと、京都府南丹市役所の元部長の男(56)が昨年(2024年)12月15日、職場でその当時部下であった男性の後頭部をたたいたとして傷害罪略式起訴され、12月26日、裁判所から罰金15万円の略式命令を受けたとのことです。
同署によりますと、男は昨年12月1日、職場で元部下である男性を叱責し後頭部を厚みのある書類でたたいているところを、別の職員が目撃し110番通報をしたとのことです。
たたかれた男性はむち打ちと診断され、男は「ケガを負わせるつもりはなかった」と供述していたとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

人を殴ったら何罪になる?

故意をもって他人に暴行し相手がケガをしなかった場合は暴行罪(刑法第208条)が成立し、刑罰は2年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処せられます。
一方、相手がケガをした場合は傷害罪(刑法第204条)が成立し、15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処すると、さらに重い罰則が規定されています。

意図していた結果以上の重い結果が発生した場合を結果的加重犯と呼びます。
例えば相手にケガを負わせる意図がなく暴行をした末、結果的に相手がケガを負った場合には傷害罪が成立し、さらに重い結果として相手が死亡した場合には、傷害致死罪(刑法第205条)が適用されることがあります。

略式命令とは?

今回の事例のように財産刑(罰金、科料、没収)を科する、公判を開くことなく書面審理で行う簡易的な手続きを略式手続といいます。
刑事訴訟法第461条から第470条にて規定されています。

一般的に略式手続の流れは以下のようになります。
・検察官による捜査が終わり財産刑の処分が相当と判断した場合、被疑者および弁護士にその意向が伝えられます。
・被疑者および弁護士が承諾した場合、検察官は被疑者に対し、略式手続きの必要事項を説明し、通常の裁判を受けることができる旨を告げ、略式手続に異議がないか確かめます。
・意義がない場合は書面でその旨を明らかにし、被疑者が署名押印をします。
・検察官が上記の書面とともに起訴状、事件の証拠書類等を添付して裁判所に略式命令(一般の裁判でいう判決にあたります)の請求をします。
このように検察官が略式手続で起訴をすることを略式起訴といいます。
・特に審理が必要ないと判断した場合、裁判所は請求を受けた日から14日以内に略式命令を発します。
・納付書が届き、罰金を納付します。
ここで期日をすぎても納付ができない場合、その金額を日数に換算して労役場に留置し、労役に服する処分が科せられます(換刑処分)

なお略式命令を受けた者が正式裁判を請求した場合でも、判決が出る前に請求書を取り下げれば、略式命令を確定させることは可能です。

略式手続は被告人にとってメリットがあります。
①手続が簡易で時間がとられない
②公開の法廷に立つ必要がないため、公の場に晒されることがない
③身柄拘束がされていた場合は、早期に釈放になる

しかし、デメリットもあります。
①違法な捜査での証拠もそのまま審理で使用されることになる
②公判のように事実の争いができない(無罪の主張などができない)
③罰金刑でも前科がつきますので、前科がつくことが確定する

今回の事例では後頭部をたたき、むち打ちの診断を受けていますので、相手にケガを負わせる意図がなかったとしても、傷害罪が成立するでしょう。
また略式命令により罰金15万円を科されていますので、前科がつくことになります。

略式起訴されたら

上記に記載したように略式起訴はメリット・デメリットがあります。
身柄拘束が続きそのまま公判で争うことにより更に拘束期間が長くなる事を回避したい場合や、事実の争いがなく刑罰も財産刑で相当と認められる場合は、略式起訴で進めることを弁護士から検察に掛け合うことが可能な場合もあります。
また事実関係に争いがある場合には略式起訴を拒否し、公判に持ち込むことも可能です。

略式起訴を受け入れるか、拒否して公判を行うかの見極めは難しく、公判で争うことにより、財産刑より重い自由刑(拘禁刑など)になる場合もありますし、裁判次第では身柄拘束が長期に及び、社会復帰に時間がかかる可能性もあります。

略式起訴を受け入れるのか悩んでいる場合は刑事事件に精通した弁護士が力強い味方になります。
被疑者にとって一番に良い方法を一緒に考え、そのために検察との交渉を円滑にすすめてくれるでしょう。
場合によっては不起訴をめざすことも可能かもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件の実績を積んだ弁護士が皆さんのサポートをいたします。

刑事事件でお困りの方はフリーダイヤル:0120―631―881までお気軽にお問合せください。
無料法律相談のご予約は24時間365日受付中です。

店舗のトイレットペーパーを持ち帰った場合、逮捕される?

2025-07-11

店舗のトイレットペーパーを持ち帰った場合、逮捕される?

トイレットペーパー泥棒

店舗のトイレットペーパーを盗んだ容疑で逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

京都府北警察署によりますと、今年1月24日に同区内のスーパーに設置してあるトイレからトイレットペーパーを盗んだ疑いで、同区在住の無職の女(52)を逮捕したとのことです。
被害にあったスーパーでは以前からトイレットペーパーが頻繁になくなることがあり、監視カメラや従業員の見回りを行っていました。
以前、監視カメラに写っていた不審な動きをする女に従業員が声をかけたところ、荷物の中からスーパーの印があるトイレットペーパーが発見され、その場で警察に通報され逮捕されたとのことです。
供述によると、女は2年前から同スーパーの他に、同区内のコンビニなど複数店舗で犯行を重ねていたとのことでした。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

トイレットペーパーの持ち去りは犯罪になる?

店舗のトイレットペーパーは売物ではなく、またトイレで自由に使えるものですので、気楽に持ち帰っても特に問題ないだろうと思う方もいるかもしれません。
しかしトイレットペーパーを持ち去る行為は、窃盗罪になります。

窃盗罪とは、下記のように規定されています。
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。」(刑法第235条)

窃盗罪の成立要件として不法領得の意思をもって他人の財物を窃取する行為が該当します。
窃盗罪における不法領得の意思とは「権利者を排除して、他人の物を自己の所有物として、その経済的用法に従い、利用し処分する意思」だとされています。(大審院 判決 大正4年5月21日)
トイレットペーパーはトイレを利用する客に、無料で提供するためにある店舗の財物です。
トイレットペーパーを持ち去る行為は、トイレットペーパーを所有している権利者を排除して自分の物にする行為だといえます。
また、自宅などで使用したり転売する目的などがあるのであれば、経済的用法に従い利用し処分する意思があるといえるでしょう。
そのため自分や他人が占有する目的でトイレットペーパーを持ち帰った場合は、窃盗罪が成立することになります。

窃取の回数も単発で、被害金額が少額であればお店と被害弁償をすることにより、警察に通報されずに済む場合があります。
しかし、今回の事例のように常習性があったり、被害金額が大きい場合は警察に通報され、逮捕・勾留になる可能性があります。

今回の事例では被害店舗が複数あり、また期間として2年間繰り返されているため、常習性が認められます。
その場合、ただのトイレットペーパーの持帰り程度では済まず、検察へ送検、起訴される可能性もでてきます。
また証拠隠滅や逃亡のおそれがあると検察判断した場合、検察官が裁判所に勾留請求し、裁判官が請求を認めた場合は10日間(場合によっては20日)勾留される場合があります。

刑事弁護のご相談は

弁護活動によって、不起訴・減刑をめざすのではあれば刑事事件に精通した弁護士が心強い味方になるでしょう。
弁護活動では被害者との示談身柄解放への働きかけ、捜査機関による取調べの対策など様々な点をサポートいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、知識・経験を積んだ弁護士がご相談に乗ります。
無料法律相談はフリーダイヤル:0120―631―881までお気軽にお問合せください。
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行列に割り込みした男を軽犯罪法違反で任意同行

2025-07-09

行列に割り込みした男を軽犯罪法違反で任意同行

バス停

行列に割り込みした男が軽犯罪法違反で任意同行を求められた刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

京都市左京区下鴨警察署によりますと、今年の2月15日、同区内にあるバス停でバスを待っている乗客の行列に威嚇しながら割り込みした男を軽犯罪法違反任意同行をしたとのことです。
同署によりますと、同区内でバス停でバスを待っている行列に「邪魔なんだよ!」と威嚇しながら割り込みしたとのことです。
一部始終を目撃していた通行者が110番をし、駆けつけた警察官は男に任意同行を求めました。
男は素直に任意同行に応じたとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

軽犯罪法違反は?

軽犯罪法は社会の秩序を保つため、軽微な犯罪を規定している法律です。
違反した場合は拘留又は科料(第1条)に処せられ、情状に因り、その刑を免除し、又は拘留及び科料を併科(第2条)されることがあります。
拘留とは1日以上30日未満の期間、刑事施設に身柄を拘束するものです。
また科料とは千円以上1万円未満の金銭を納付するよう命じられるものです。
拘留も科料も軽い刑にはなりますが、前科はつきます。

今回の事例では威嚇をもって公共の乗物であるバスの行列に割り込む行為をしています。
この行為も軽犯罪法で規定されており、犯罪が成立する可能性があります。

軽犯罪法第1条13号
公共の場所において多数の人に対して著しく粗野若しくは乱暴な言動で迷惑をかけ、又は威勢を示して汽車、電車、乗合自動車、船舶その他の公共の乗物、演劇その他の催し若しくは割当物資の配給を待ち、若しくはこれらの乗物若しくは催しの切符を買い、若しくは割当物資の配給に関する証票を得るため待っている公衆の列に割り込み、若しくはその列を乱した者

今回の事例の男はバスを待っている乗客の列に威嚇しながら割り込みしています。
威勢を示して公共の乗物の列に割り込んでいますから、男に軽犯罪法違法が成立する可能性があるでしょう。
「殺すぞ!」「痛い目にあいたいのか!」などの暴言で威嚇した場合は、脅迫罪強要罪等に問われる場合もあります。
またその場所が鉄道機関の施設内である場合は、鉄道営業法違反に該当することもあるでしょう。

警察から任意同行を促されたら

任意同行は刑事訴訟法第198条に規定されているように、出頭を拒み、または出頭後、いつでも退去することができます。
つまり、逮捕・勾留されていない場合は、取調べは任意で行われるということです。
しかし、捜査に協力をしなかった場合、警察としては「証拠隠滅のおそれ」や「逃亡のおそれ」を懸念し、より積極的な対応をしてくるかもしれません。

刑事弁護のご相談は

警察に任意同行を求められ、今後のことが心配などお困りのことがございましたら、刑事事件に精通した弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご連絡ください。
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窃盗をした男を時効間近で逮捕

2025-07-06

窃盗をした男を時効間近で逮捕

手錠とガベル

窃盗の罪を犯した男が時効間近で逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

京都府上京警察署は昨年(2024年)6月6日、無職の男(58)を時効間近の窃盗罪の疑いで逮捕しました。
同署によりますと、2017年8月15日、京都府上京区在住の女性がバックをひったくりされ、捜査していましたが、犯人の逮捕まで至っておりませんでした。
しかし昨年、女性が質店にてバックの中にあった宝石が売りにだされているのを発見し、警察に連絡いたしました。
連絡をうけた警察官が店舗に赴き、宝石を売ったとされる男性に事情を聞いたところ、男の名前が浮上したとのことです。
警察は男に事情を聴いたところ、罪を認めたとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

窃盗罪とは?

窃盗罪とは、下記のように規定されています。
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。」(刑法第235条)
つまり他人のお金や宝石など財産的価値があるものを、自分や他人が占有する意思をもって盗む行為をいいます。
ひったくりや空き巣などが該当しますが、犯行の手段もしくは逃亡の過程などの窃盗の一連の行動で他人に暴行を加えてしまった場合は強盗罪もしくは事後強盗罪が成立する可能性があります。

刑事事件の時効とは?

刑罰には時効があります。
刑事での時効「消滅時効」「公訴時効」があります。
「消滅時効」とは刑の言渡しが確定した後、刑を執行できる期間をいいます(刑法第32条)。
普通は判決後に刑務所へ輸送され、そこで身柄拘束されることになるため、逃亡がない限り消滅時効が成立することはないでしょう。
一方、「公訴時効」は実際に犯罪が行われ、検察官が起訴することができる期間をいいます(刑事訴訟法第250条)。
一般でいわれる時効がこれにあたり、時効が完成すればその犯罪行為に対して、捜査・起訴されることがなくなります。

以下、各時効期間に該当する罪名の一部を列記いたします。
・人を死亡させた罪であって拘禁刑に当たるものの場合
①無期拘禁刑に当たる罪については30年
(不同意わいせつ致死罪、不同意性交等致死罪)
②長期20年の拘禁刑に当たる罪については20年
(傷害致死罪、危険運転致死罪)
③前2号に掲げる罪以外の罪については10年
(業務上過失致死罪、過失致死罪)
・人を死亡させた罪であって拘禁刑以上の刑に当たるもの以外の罪の場合
①死刑に当たる罪については25年
(現住建造物等放火罪、外患誘致罪)
②無期拘禁刑に当たる罪については15年
(強盗致傷罪)
③長期15年以上の拘禁刑に当たる罪については10年
(強盗罪、傷害罪)
④長期15年未満の拘禁刑に当たる罪については7年
(窃盗罪、詐欺罪、恐喝罪、業務上横領罪)
⑤長期10年未満の拘禁刑に当たる罪については5年
(未成年者略取及び誘拐罪、監禁罪、収賄罪)
⑥長期5年未満の拘禁刑又は罰金に当たる罪については3年
(暴行罪、侮辱罪、過失傷害罪、過失致死罪、名誉毀損罪、器物損壊罪)
⑦拘留又は科料に当たる罪については1年
(軽犯罪法違反)

上記の規定は2010年に改正されました。
家族が殺害された遺族から時効により罪に問えないのはおかしい、との声をうけ、見直されることになりました。
例えば,「人を死亡させた罪」(殺人罪、強盗殺人罪など)のうち,罰則規定の上限が死刑であるものについては,公訴時効は廃止されました。

また一部の性犯罪の時効期間も長くなっています。(刑事訴訟法第250条3項)
不同意わいせつ等致傷罪、強盗・不同意性交等罪など:15年から20年に延長
不同意性交等罪、監護者性交等罪など:10年から15年に延長
不同意わいせつ罪、監護者わいせつ罪など:7年から12年に延長

今回の事案では歩いている女性からバックをひったくりしておりますので、窃盗罪が成立し、公訴時効は7年になります。
犯行は2017年8月15日に行われていましたので、2024年8月15日には時効が完成するところでした。

時効完成直前に逮捕されたら

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、窃盗罪をはじめとする刑事事件に精通した法律事務所です。
窃盗罪などでご家族の方が逮捕された、警察の捜査、呼び出しを受けて困っている、被害者と示談したい方はフリーダイヤル:0120―631―881までお気軽にお問合せください。

また、ご家族が逮捕されている場合は、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供しています。
初回接見サービスのご予約は24時間365日受付中です。

収賄罪の容疑で市役所職員を逮捕

2025-07-02

収賄罪の容疑で市役所職員を逮捕

賄賂

収賄罪の容疑で逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務京都支部が解説いたします。

事例

京都府京丹後市の市役所職員の男(56)が市有地の所有権をめぐり便宜を図る見返りに現金を受け取ったとされる収賄罪の容疑で、京都府京丹後警察署逮捕されました。
調べによると男は昨年(2024)4月20日に、市有地の所有権を主張する男性から土地を購入するため、不動産会社代表に便宜をはかった見返りとして現金50万円を受け取ったとみられています。
男は容疑を認めているとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

収賄罪とは?

賄賂を受けとる行為は収賄罪に該当し、刑法第197条から第197条の5まで規定されています。
このように収賄に該当する行為が多岐にわたるため、複数の条文で定めされています。
(なお賄賂を贈る贈賄罪は第198条に規定されています。)

1.単純収賄罪(第197条1項前段)
公務員が、その職務に関して賄賂を収受し、又は賄賂を要求若しくは約束したときは、5年以下の拘禁刑の罰則が規定されています。

2.受託収賄罪(第197条1項後段)
公務員が請託(その担当すべき職務に対し依頼を受けて承諾すること)を受け、賄賂を受取ったときは、7年以下の拘禁刑の罰則が規定されています。

3.事前収賄罪(第197条2項)
公務員になろうとする者が、請託を受け、賄賂を受取り、又は賄賂を要求若しくは約束をしたときは、公務員となった場合に5年以下の拘禁刑の罰則が規定されています。
例えば選挙に立候補している者が事前に賄賂をうけとり、当選した後に依頼の行為を行うような場合は事前収賄罪にあたります。

4.第三者供賄罪(第197条の2)
公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは、5年以下の拘禁刑の罰則が規定されています。

5.加重収賄罪及び事後収賄罪(第197条の3)
① 公務員が前の1~4の罪を犯し、不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、1年以上の有期拘禁刑の罰則が規定されています。
② 公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、①と同様の1年以上の有期拘禁刑が規定がされています。
③ 公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の拘禁刑の罰則が規定されています。

6.あっせん収賄罪(第197条の4)
公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、5年以下の拘禁刑の罰則が規定されています。

7.没収及び追徴(第197条の5)
犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴すると規定されています。

身分犯とは?

上記の1~6には全て「公務員が」と規定されています。
これは身分犯といわれるもので、特に真正身分犯といわれるものです。

真正身分犯とは構成要件において行為者が一定の身分をなければ犯罪を構成しないもので、収賄罪では公務員以外の民間人は適用されません。
(いわゆる国公立大学の職員など「みなし公務員」は適用になります。)
しかし民間人による公正性や透明性が求められる取引や仕事の場合は、例えば会社法など個別の法律で収賄罪が規定されています。
ちなみに贈賄罪に関しては、収受した者が公務員なら、贈賄した民間人にも適用になります。

また不真正身分犯とは構成要件において行為者が一定の身分をあることで法定刑が加重あるいは減軽されるものをいいます。
例えば賭博罪に該当する行為を常習性がある者が行った場合は、常習賭博罪になります。

今回の事例は賄賂をうけとり、職務として土地購入のあっせんを民間企業にしています。
特に不正な行為をしていると認められない場合、男がその職務に関する事項について依頼を受けてこれを承諾することによって、賄賂を受取ったときは、受託収賄罪が該当するでしょう。
また不正行為が伴っていた場合は、加重収賄罪が適用になるでしょう。

収賄罪で逮捕されてしまったら

公務員が収賄罪逮捕された場合は、報道されることが多く、社会的に不利益を被る場合があります。
身柄開放や不起訴、減刑を目指すのであれば、刑事事件に精通した弁護士が心強い味方になるでしょう。
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酒に酔った男がタクシーの運転手を殴り現行犯逮捕

2025-06-29

酒に酔った男がタクシーの運転手を殴り現行犯逮捕

お酒

酒に酔った男がタクシーの運転手を殴ったとして逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務京都支部が解説いたします。

事例

京都府亀岡警察署は今年3月15日、京都府亀岡市に住む医師の男(48)を現行犯逮捕したと発表しました。
男は3月15日未明、京都府亀岡市の路上で、50代のタクシー運転手の頭部を数回殴る暴行を加えた疑いが持たれています。
運転手にけがはありません。
同署によりますと、男は飲み会の帰宅途中に利用したタクシー運転手と口論になり、後部座席から運転手の頭部を数回殴ったということです。
近くを通った男性から「男がタクシーの運転手を殴っている」と110番通報があり、暴行が発覚しました。
警察官が現場に駆け付けたところ、通報した男性が男を確保していたということです。
男は酒に酔った状態で、調べに対して「何も覚えておりません」と話しているということです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

人を殴ったら何罪になる?

人を殴った場合は、通常、暴行罪傷害罪が成立することになるでしょう。
暴行罪(刑法第208条)とは他人に暴行を加え、その他人を傷害するにいたらなかった場合に成立します。
刑罰は2年以下の拘禁刑若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料です。
一方、傷害罪は(刑法第204条)は他人に暴行を加え、その他人に傷害を負わせた時に成立します。
刑罰は15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金で、暴行罪より重い処罰が科せられます。

また意図していた犯罪以上に重い結果が発生した場合、重い結果の犯罪に該当することを結果的加重犯と呼びます。
例えば相手に傷害を負わせる意図がなく暴行をした末、結果的に相手が傷害を負った場合には傷害罪が成立し、さらに重い結果として相手が死亡した場合には、傷害致死罪が適用されることがあります。

泥酔状態で暴行をした場合の責任能力は?

泥酔した状態で暴行をした場合の刑事責任能力はどのようになるのでしょうか。
刑法第39条1項には心神喪失者(責任能力を欠く場合)の行為は、罰しないと規定されています。
心神喪失とは精神障害により物事の善悪を判断する弁識能力がなく、この弁識に従って行動する能力がない場合をいいます。

同じく刑法第39条2項には心神耗弱者(責任能力が限定される場合)の行為は、その刑を減軽するとあります。
心神耗弱とは精神障害により善悪を判断する弁識能力が欠如する程度に達してないものの、その能力が著しく減退する状態をいいます。

この心神喪失心神耗弱に該当する酩酊状態が以下の異常酩酊になります。
酩酊状態には大きく分けて2種類あります。
普通(単純)酩酊:一般的な酔い方で、特に異常な興奮や幻覚がなく、血中アルコール濃度が徐々に高くなっていく過程が6つのステップで分かれています。
一方、心神喪失心神耗弱に該当する異常酩酊はさらに分けて病的酩酊複雑酩酊があります。

病的酩酊は意識障害が認められ、幻覚や幻聴などの症状が現れます。
複雑酩酊はいわゆる「酒乱」と呼ばれており、お酒を飲むと人格がかわったようになり、粗暴や異常な興奮がみられます。
病的酩酊心神喪失複雑酩酊心神耗弱が認められる可能性があります。
しかし病的酩酊複雑酩酊と判断されたとしても、その行為者の犯行時の飲酒状況、日ごろからの飲酒状況、その犯行時の事情を総合的に検討した上で責任能力を判断するべきといわれています。

今回の事例では男はタクシーの運転手の頭部を数回殴る暴行をしておりますが、相手に傷害を負わせておりませんので、暴行罪が該当するでしょう。
また犯行に関して「何も覚えていない」と供述していますが、もし以前からの自身の飲酒の態度や影響などを認識していたにもかかわらず事件を起こしてしまった場合は、未必の故意と判断され、責任能力は認められるでしょう。

暴行罪で逮捕されてしまったら

今回の事例の男は医師のため医師法第4条、同法第7条1項に規定されているように、罰金以上の刑に処せられた場合は、戒告三年以内の医業の停止免許の取消しになる場合があります。
そのため不起訴を目指す弁護活動が重要になってくると考えられます。
不起訴や減刑を目指すのであれば、被害者との示談交渉は大きな一歩となるでしょう。
示談交渉をする際、検察から被害者の情報は行為者には開示してもらえない可能性が高いため、代わりに示談交渉をしてくれる経験豊富な弁護士が強い味方になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、多くの刑事事件を取り扱ってきた実績があります。
被害者と示談したいなどとお考えの方はフリーダイヤル:0120―631―881までお気軽にお問合せください。
無料法律相談などのご予約は、24時間365日受付中です。

不正乗車を繰り返した男を逮捕

2025-06-27

不正乗車を繰り返した男を逮捕

改札

不正乗車を繰り返したとして逮捕された刑事事件に対する弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務京都支部が解説いたします。

事例

京都府下京署は、今年1月23日、不正乗車などを繰り返していたとして、自営業の男を鉄道営業法違反の容疑で逮捕いたしました。
同署によりますと、この男は今年1月20日、大阪に出張先に行く際、京都駅から大阪駅までの特急列車の特急券を買わずにグリーン車に乗車し、電車を降りる際、不審な動きをしているところを駅員に呼び止められ、逃亡しようとしたところを駅員に取り押えられました。
取調べの中で男は、不正乗車を「一度成功したのが癖になり、何度も繰り返し行ってしまった」と述べ、過去20回程度繰り返し行った損害額は15万円程になるとのことです。
(※実際にあった事件をもとに作成したフィクションです)

不正乗車はどんな罪になる?

不正乗車とは、鉄道をはじめとして旅客輸送の旅客利用する際に本来定められた乗車券などを持たずに、運賃を不正に免れようとする行為のことをいいます。

事例の男は京都駅から大阪駅までグリーン車を利用したようですから、東海旅客鉄道株式会社が運送する鉄道を不正に利用したと考えられます。
東海旅客鉄道株式会社では、不正乗車について旅客営業規則第264条1項に規定しており、下記に該当する不正乗車を行った場合、乗車駅からの区間に対する普通旅客運賃と、その2倍以上に相当する額の増運賃を請求されるため、未払の通常料金と合わせて3倍以上の運賃を支払うことになります。

①係員の許諾を得ずに乗車券を持たずに乗車した場合
②改札を通らず、または不正に通り乗車した場合
③無効な乗車券で乗車した場合
④検札に応じない、または乗車券の回収に応じない場合
⑤定期券を利用して他の区間を利用した場合

適切な乗車券を持たずに不正乗車をした場合、基本的には鉄道営業法違反(第29条)が適用になるでしょう。
罰則規定は2万円以下の罰金又は科料です。
また、不正乗車を目的にした鉄道施設への立ち入りを軽犯罪法違反として摘発する場合があります。
罰則は拘留(1日以上30日未満の期間)または科料(1,000円以上1万円未満の金銭を支払う刑)です。
これらの刑は軽いと考えがちですが、有罪になった場合は前科となり、将来に影響を与える可能性があります。

加えて常習性があったり、損害額が高額、証拠隠滅を図るなど、悪質性が高いと判断される場合などは、鉄道営業法違反ではなく、以下のような犯罪が適用される可能性があります。
詐欺罪(第246条):10年以下の拘禁刑
電子計算機使用詐欺罪(第246条の2):10年以下の拘禁刑

今回の事例では不正乗車を意図して20回程度繰り返しているため常習性があると判断される可能性が高く、損害額も数百円ではなく10万円以上と高額です。
また逃亡をしようとしたことが要因になり逮捕にいたりました。
初動の容疑は鉄道営業法違反ですが、取調べにより、鉄道営業法違反ではなく、より重い刑罰が規定されている詐欺罪電子計算機使用詐欺罪が成立する可能性があるでしょう。

不正乗車で逮捕されてしまったら

不正乗車が発覚した場合でも、逮捕される可能性はそこまでは高くなく、損害金を鉄道会社に支払いをすれば、警察に通報されず事件化なしで終了する場合もあるようです。
しかし、今回の事例のように悪質性が高いと判断されると警察に通報され、逮捕、ことによっては検察に送致され起訴される場合もあるでしょう。

不起訴処分を獲得して前科を避けたい、起訴されても量刑を少しでも軽くしてほしいといった場合は、鉄道会社と示談締結をしてもらい、捜査機関や裁判所に働きかけてもらうために弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に精通した弁護士がお困り事をお聞きし、丁寧にご説明いたします。
無料法律相談などのご予約は、365日24時間受付 フリーダイヤル:0120―631―881までお気軽にお問合せください。

ハサミを正当な理由なく所持していた事で取調べ

2025-06-25

ハサミを正当な理由なく所持していた事で取調べ

はさみ

今回は、ハサミを正当な理由がない状態で所持していたため、取調べを受けることになった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。

事例

Aさんは、普段から護身用としてハサミをカバンに入れていました。
ある日、京都府向日市の路上を歩いていたところ、警察官に呼び止められ、所持品検査を受けることになりました。
所持品検査の結果、Aさんのカバンの中から刃渡り5センチメートルのハサミが出てきました。
Aさんは、警察官からハサミを所持していた理由について聞かれると、「物騒な世の中なので護身用として持っていた。」と説明したところ、京都府向日町警察署に任意同行を求められ、取調べを受ける事になってしまいました。
(事例はフィクションです。)

銃砲刀剣類所持等取締法銃刀法

銃砲刀剣類所持等取締法とは、いわゆる銃刀法と呼ばれている法律です。
銃刀法では、正当な理由がなく銃砲や刀剣類を所持することを禁止しています。
事例のハサミは、包丁やナイフ、カッターと同じく、刃物に分類され、銃刀法の22条で刃物の携帯についてこのように規定されています。

刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物の携帯の禁止
何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれらの刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りでない。

(銃刀法22条)

銃刀法における刃物の携帯の禁止違反で刑罰を受けることになれば、二年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金が科されることになります。
(銃刀法31条の18第2項)

銃刀法で携帯が禁止される刃物とは

銃刀法では、刃体の長さが6センチメートルを超える刃物の携帯が禁止行為となり、刃体の長さが6センチメートル未満であれば、携帯の禁止はされていません。
さらに、業務その他正当な理由による場合があれば、所持することを認められています。

正当な理由とは、社会通念上、合理的に認められ、正当化できる理由であることを意味します。
つまり、一般的な常識を基準として判断されるということです。

例えば、今からキャンプに行くためにナイフを運んでいる場合やこれから仕事で使う包丁や授業で使うカッターを持ち運んでいるような場合には正当な理由があると判断されるでしょう。
しかし、犯罪に使うために刃物を所持している場合や護身用で所持している、かっこいいから所持しているという様な理由での所持は、正当な理由とはいえず、違反となってしまうでしょう。

銃刀法の刃物所持の例外として、刃の長さが8センチメートル以下のはさみ、折りたたみナイフ、果物ナイフなどの刃物で政令で定められた基準に該当しているものは携帯が認められています。
(銃刀法22条)
例えば、ハサミの場合は、8センチメートル以下で、刃の先端が鋭くなく、刃が鋭利でなければ、携帯が認められます。
(銃砲刀剣類所持等取締法施行令43条1号)

銃刀法では、刃体の長さが6センチメートル未満の刃物の携帯については禁止行為ではありませんが、刃物を隠して携帯することは、軽犯罪法違反となってしまう可能性があります。

軽犯罪法違反の刃物所持について

軽犯罪法1条2号では、正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を与えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は、拘留又は科料に処するとして禁止されています。
また、情状によってその刑を免除し、又は拘留及び科料を併科されることがあります。
(軽犯罪法2条)

軽犯罪法における刃物の所持については、隠して携帯することが禁止されています。

隠して携帯とは、自宅や居室以外の場所で、手に持ち、身体に帯びるなど直ちに使用できる状態で、人目につかないように隠して身辺に置くことをいいます。

人から見て刃物を持っていると分かる状態であれば問題ありませんが、人から見えないように隠して持っているのが禁止されているということです。

Aさんの行為について

Aさんの所持していたハサミは、刃渡り5センチメートルのため、先端が鋭利で鋭くなければ、銃刀法における禁止行為とは判断されないと思われます。
しかし、Aさんは護身用としてハサミを携帯し、かつ、カバンの中に入れて人から見えない状態で携帯しているため、軽犯罪法の違反行為に該当する可能性があるでしょう。

取調べを受けることになれば

まずは、弁護士に相談することをおすすめします。

Aさんは職務質問を受けた際、所持の理由について、「護身用として持っている。」と答えているため、警察官に正当な理由とならない違反行為と判断されてしまった可能性があります。
実際には、刃物所持について正当な理由があったとしても、職務質問を受けて気が動転してしまい、本心とは違う供述をしてしまう場合もあるでしょう。
その場合、本心とは違う供述調書が作成されてしまい、さらに不利になってしまうことも考えられます。

このような事態を避けるために、早期に弁護士に相談することをお勧めいたします。
弁護士に相談することで、適切なアドバイスを得られ、自身の有利な方向に事件を進めることができるでしょう。

銃刀法違反軽犯罪法違反でお困りの方は、まずは弁護士に相談することが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に精通した法律事務所です。
銃刀法違反軽犯罪法違反でお困りの方、その他の刑事事件・少年事件でお困りの方は、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部までご相談ください。

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