Archive for the ‘財産事件’ Category
万引きすると何罪?将来に影響は?
身近な犯罪の一つとして、万引きがあります。
万引きを行った場合、どのような罪が成立するのでしょうか。
今回のコラムでは、万引きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
Aさんは、京都市東山区にあるコンビニでお菓子を万引きしました。
店を出た直後、Aさんはコンビニの店員に呼び止められ、店長と話しをすることになりました。
その後、店長は京都府東山警察署に万引きがあったことを通報し、Aさんは京都府東山警察署の警察官に話を聞かれることになりました。
(事例はフィクションです。)
窃盗罪とは何か?
窃盗罪は、刑法第235条によって定義されています。
この法律には、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と規定されています。
簡単に言えば、他人の財物を無断で取る行為が窃盗罪とされています。
万引きと窃盗罪の関係
一般的には店舗で商品を買わずに無断で持ち出すこ行為を万引きといいます。
しかし、法的にはこの万引き行為は「窃盗罪」に該当します。
つまり、万引きを行った場合、独立した「万引き罪」というものは存在せず、窃盗罪が成立するのです。
今回の事例のAさんは、コンビニで万引きをしていますので、窃盗罪が成立することになります。
この点が一般的な認識と異なる場合が多く、万引きを軽い犯罪と考えがちですが、実際には窃盗罪として法的に厳しく取り扱われます。
窃盗罪の罰則は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
万引きの場合であっても窃盗罪として裁かれる以上、上記のような刑罰が科される可能性があります。
このように、万引きによって窃盗罪が成立した場合、その罰則は決して軽くはありません。
また、万引きをした状況や背景によっては、さらに厳しい罰が科される場合もあります。
例えば、高額な商品を狙った万引きや、転売目的での万引きは、一般的な万引きよりも罰が重くなる可能性があります。
このように、万引きと窃盗罪は密接な関係にあり、万引き行為がどのような目的状況で行われたかによって、その後の法的処分が大きく変わることがあります。
万引きと悪影響
会社員が万引きをした場合に、万引きをしたことを会社に知られると、解雇されてしまう可能性があります。
万引きは軽い犯罪だと捉えられがちですが、被害額が高額だったり、世間の目を引くような物珍しい犯罪内容である場合には、万引きであっても報道される可能性が高いです。
報道されると会社に事件のことを知られるリスクがありますし、逮捕された場合には長期間会社に出勤できないことで万引きをしたことや逮捕されたことを会社に知られてしまうおそれがあります。
また、学生が万引きをした場合にも、学校に万引きしたことを知られることによって、退学や停学になってしまうおそれがあります。
万引きをすることで、窃盗罪で有罪になった場合には、前科が付くことになりますから、就職や転職活動にも悪影響を及ぼす可能性があります。
窃盗罪と罰則
窃盗罪に対する罰則は、刑法第235条に明確に規定されています。
具体的には、「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」とされています。
懲役刑と罰金刑どちらが科されるのかは、前科前歴、余罪、被害額などから総合的に判断されます。
例えば、万引きしたものが高額な財物であった場合や、転売目的で万引きした場合、万引きの前科がある場合には、科される罰則がより重くなる可能性があります。
また、被害者との示談が成立した場合や、初犯である場合などは、罰則が軽減される可能性も考えられます。
さらに、窃盗罪で有罪となった場合、その後の社会復帰も困難になることが多いです。
具体的には、前科があることが、就職や転職の際に悪く評価される可能性が高いです。
企業は前科がある人を進んで取りたがらないでしょうから、就職や転職活動が難航するおそれが非常に高く、希望する職種に就けない可能性があります。
事例のAさんはコンビニでお菓子を万引きしていますが、万引きしたものがお菓子であろうと、窃盗罪で有罪になる可能性がありますので、前科が付いてしまうおそれは十分にあります。
被害額が数百円だからといって窃盗罪が成立しなくなるわけではありませんので、上記のように会社の解雇や学校の退学処分、その後の就職、転職活動に悪影響を及ぼす可能性は非常に高いです。
たった一度の万引きで将来を棒に振ってしまうおそれがありますので、万引きを軽い犯罪だと捉えるのは極めて危険だといえます。
被害弁償と示談の可能性
万引きなどの窃盗罪の場合は、被害者と示談を締結することで、不起訴処分の獲得を目指せる可能性があります。
万引きの場合、被害者は万引きをした店舗になるので、その店の責任者と示談を締結することになります。
店相手の示談交渉の場合、断られてしまうケースが多いです。
ですが、弁護士が連絡を取り、被害者がしっかりと反省をしていることを伝えることで、示談を締結してもらえる場合があります。
ですので、万引きで示談を考えている場合は、弁護士に相談をすることをお勧めします。
転売目的の万引きとその重罪性
万引きが単なる衝動的な行動でなく、転売目的で行われた場合、その罪の重さは一層増します。
転売目的での万引きは、通常の万引きに比べて悪質性が高いと判断される可能性が高く、そのために法的な処分も厳しくなる傾向にあります。
具体的には、転売目的での万引きは、一般的な万引きよりも罰則が重くなる可能性が高いです。
これは、転売によって得られる利益が犯罪を助長すると考えられるため、より厳しい罰が科されるのです。
また、転売目的の万引きは、しばしば犯罪組織との関連が指摘されることもあります。
そのような場合、窃盗罪だけでなく、組織犯罪に関する法律に抵触する可能性も出てきます。
これによって、さらに罰則が重くなるケースも考えられます。
このように、転売目的での万引きは、多くのリスクと重大な法的影響を持っています。
そのため、この種の万引きが疑われる場合は、専門の弁護士のアドバイスが不可欠です。
窃盗罪に強い弁護士の重要性
窃盗罪、特に万引きなどの犯罪に関与した場合、専門の弁護士の支援が非常に重要です。
なぜなら、窃盗罪は一見単純に見えても、多くの法的要素が絡む複雑な犯罪であり、その対応には専門的な知識が必要だからです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、万引きなどの窃盗事件に精通した法律事務所です。
万引きや窃盗罪に強い弁護士に相談をすることで、不起訴処分の獲得など、よりよい結果を得られるかもしれません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
万引きで捜査を受けた方は、お気軽に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
キャバクラで無銭飲食したらどうなるの?
キャバクラで無銭飲食をしたとして、詐欺罪の疑いで逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
祇園のキャバクラで246万円分の無銭飲食をしたとして、京都府東山警察署は自称会社経営の男性(50)を詐欺罪の疑いで逮捕した。
男は、最初から支払いの意思がないにもかかわらず、祇園にあるキャバクラ店「まいこ祭り」に入店し、シャンパン数十本を注文した疑いがかけられている。
(2021年4月14日神戸新聞「出所翌日、一晩で63万円の無銭飲食 容疑で男逮捕」を参考にしたフィクションです。)
無銭飲食をすると何罪になる?
本件では、無銭飲食をした男が詐欺罪に問われています。
詐欺罪を規定する刑法246条1項は、「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」としています。
「人を欺いて財物を交付させた」というのは、①被害者を欺いて(欺罔行為)、②それにより被害者が錯誤に陥り、③その錯誤に基づいて被害者が交付行為を行い、④その交付行為により財物が行為者に移転する、ということを意味します。
欺罔行為とは?
嘘をつく行為が全て、詐欺罪となりうる欺罔行為となるわけではありません。
詐欺罪となりうる欺罔行為とは、財物の交付に向けて人を錯誤に陥らせることをいい、その内容は財物の交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ることであるとされています。
本件では、男は店員に対して「飲み食いした分の料金を払うつもりだ」と明確に嘘をついたわけではなく、店員が勝手に料金を支払ってもらえると勘違いしたようです。
支払の意思がないことを店員に告知しなかったという点をとらえて、本件は不作為による欺罔行為のケースと思われるかもしれません。
※被害者がすでに錯誤に陥っていると知りながら、真実を告げない行為を不作為による欺罔行為といいます。
例えば、生命保険を契約する際に、今までにかかったことのある病気を申告しなかった場合などが、不作為による欺罔行為にあたります。
しかし、常識的に考えれば注文時に代金を支払うと明言しなくても、注文すれば当然、注文した分の代金を後で払うことを意味するでしょう。
したがって、社会通念上、男の行為は注文という作為によって、店員を「男が注文した分の代金を払ってくれる」という錯誤に陥れたということができます。
そして、代金を払ってもらえることは財物を交付(シャンパン等の提供)するうえで、大前提となる重要な事項です。
以上より、代金を支払うつもりがないことを秘してシャンパンを注文した行為は、欺罔行為と言えるでしょう。
実際に、最高裁の昭和30年7月7日決定も、所持金がなく、支払い意思もないのに料亭で宿泊、飲食した行為は、宿泊と飲食をした際に詐欺罪が既遂に達する=支払いの意思なく注文をする行為は欺罔行為にあたると解釈しており、支払い意思のない状態での飲食店での注文は作為による欺罔行為だと認定しています。
欺罔行為に続く因果経過
上述のように、詐欺罪が成立するためには、①被害者を欺いて(欺罔行為)、②それにより被害者が錯誤に陥り、③その錯誤に基づいて被害者が交付行為を行い、④その交付行為により財物が行為者に移転する、という因果経過が必要です。
本件では、代金を支払うつもりがないことを秘してシャンパンを注文し(①)、それにより被害者が注文分の料金を支払ってもらえると錯誤に陥り(②)、その錯誤に基づき被害者が男にシャンパン等を提供しており、これが交付行為に該当します(③)。
そしてこの交付行為によって、シャンパンという財物が被害者から男に移転しています(④)。
したがって、本件では詐欺罪が成立する可能性が高いと言えます。
弁護士に相談を
詐欺罪は被害者のいる犯罪です。
被害者との間で示談を成立することができれば、不起訴処分となる可能性があります。
起訴された場合にも示談が成立していることは、罪の減軽や執行猶予付判決の獲得につながる可能性が高いです。
もっとも、本件のように、詐欺罪の容疑がかけられると逮捕されることが少なくなく、逮捕された状態で、示談を進めること非常に困難ですし、被害者が示談交渉に応じてくれるとも限りません。
そこで、弁護士に示談交渉をお任せすることをおすすめします。
加害者と直接示談交渉することに抵抗を感じる被害者でも、弁護士が相手であれば、示談交渉に応じてくれることは少なくありません。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
覆面男によるスタンガンを使ったコンビニ強盗事件
覆面男によるスタンガンを使ったコンビニ強盗事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
京都市北区の閑静な住宅街にある深夜のコンビニで、覆面を被った男が店員に対しスタンガンを突きつけてレジを開けろと脅して、現金10万円とタバコを奪って逃走した。
事件のタイミングで、店内にいた店員と客に怪我はなかった。
(10月18日 伊勢新聞「鈴鹿でコンビニ強盗 覆面包丁男 現金奪い逃走」を参考にしたフィクションです)
強盗罪とは
本件の現金・タバコのように、他人の財物を奪う行為について、刑法236条1項は、「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する」と規定しています。
本件では強盗罪が成立するのでしょうか。
手段としての「暴行又は脅迫」
強盗罪が成立するかどうかを考えるうえで、強盗罪の手段とされる「暴行又は脅迫」の程度が問題となります。
というのは、刑法上、強盗罪の他にも恐喝罪や公務執行妨害罪などで「暴行又は脅迫」という要件が課される犯罪類型が存在しています。
それぞれの罪が必要としている「暴行又は脅迫」の程度はそれぞれの罪によって異なります。
強盗罪は、被害者の財産を守る法律である一方で、被害者の生命・身体・自由を守る側面も持っています。
強盗罪における「暴行又は脅迫」は、被害者の反抗を抑圧するほどの強度の「暴行又は脅迫」であると解されています。
したがって、本罪の暴行は、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使を意味し、本罪の脅迫は、反抗を抑圧するに足りる程度の害悪の告知を意味します。
問題となった加害者の行為が、被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫であるか否かは、「社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものかどうか」という客観的基準によって決せられます(最判昭和24年2月8日)。
この判断は、暴行又は脅迫の態様、行為者及び被害者の状況、日時や場所などを総合考慮して判断されます。
その中でもとりわけ重視されることが多いのが暴行又は脅迫の態様であり、加害者が殺傷能力の高い凶器を使用した場合には、社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫と判断される可能性が高くなります。
なお、暴行又は脅迫が反抗を抑圧する程度に至らない場合については、恐喝罪の成否が問題となります。
本件では、男はスタンガンを突きつけてレジを開けるように要求しています。
スタンガンは、海外では死亡事例も多数報告されている非常に危険な凶器です。
これを突きつけた状態でレジを開けることを要求する行為は、要求に従わなければスタンガンを体に当てるつもりであることを示していると言えます。
スタンガンは命を脅かすおそれがあるわけですから、社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の害悪の告知、つまり強盗罪が規定する脅迫にあたると推測されます。
「強取」の意味
強取とは、被害者などの反抗を抑圧するに足りる程度の暴行・脅迫を手段として財物を奪取することを言います。
本件では、男はスタンガンを突きつけるという、反抗を抑圧するに足りる程度だと思われる脅迫を行った上で、10万円とタバコを奪い取っていますから、「強取」にあたると考えられます。
ですので、本件では強盗罪が成立する可能性が高いと言えます。
ところで、本件では、社会通念上反抗を抑圧するに足りる程度の脅迫がされたと推測されますが、実際に被害者の反抗が抑圧されたのかは不明です。
例えば、被害者が柔道の有段者で、反抗が抑圧されるまでには至らなかったが、怖いとは思って財物を提供した場合、強盗罪は成立するのでしょうか?
この点について、判例は、社会通念上、反抗を抑圧するに足りる程度の暴行・脅迫がなされたが、実際には被害者は反抗が抑圧されなかった場合であっても、その暴行又は脅迫が原因で被害者が怖がって財物を提供した場合に関しても強盗罪が成立するとしています(最判昭和23年11月18日)。
したがって、上記の場合にも、強盗罪が成立する可能性があります。
執行猶予を付けてもらうためには
強盗罪の法定刑は、5年以上の有期懲役であり、非常に重い罪と言えます。
執行猶予がつくためには、裁判で下された刑が3年以下の懲役である必要がありますから、強盗罪の場合、刑の減軽がされない限り実刑判決は避けられません。
それでは、どのような場合に刑が減軽されるうるのでしょうか?
刑が減軽される場合として、被害者との示談が成立しているケースがあげられます。
したがって、強盗罪を犯してしまった場合には、被害者に被害弁償をして反省していることを伝えることで示談を成立させられるかどうかが重要になります。
弁護士に相談を
もっとも、加害者が独力で示談を成立させることは非常に困難です。
強盗罪のような重い刑罰が課される事件では、逃亡の恐れありとして身柄を拘束される可能性が高く、身体拘束を受けている状態では自ら示談交渉をすることはできません。
仮に自由に動けたとしても、被害者が知り合いでない場合には連絡先を知ることは困難ですし、入手できたとしても被害者が自分を攻撃してきた加害者と直接話し合いに応じてくれるでしょうか。
しかし、弁護士に依頼をすることで示談交渉を着実に進められる可能性があります。
また、加害者本人ではなく弁護士に対してであれば、被害者が連絡先を教えて話し合いの応じてくれることは少なくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、強盗事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、執行猶予付判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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不法領得の意思って? 転売目的窃盗で逮捕
ロードバイクを盗んだ疑いで逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
京都市中京警察署は、ロードバイクを盗んだ疑いで京都市内に住む会社員の男を逮捕した。
盗まれた自転車は、世界最大規模の自転車プロ競技大会として知られる「ツール・ド・フランス」で2023年に優勝した選手と同じ型のロードバイクで、100万以上の値がつくとのこと。
逮捕容疑は、京都市内で建設業を営む会社の駐輪場で、同社の代表取締役(58)が所有するロードバイクを盗んだ疑い。
男は盗んだバイクをネットのフリマサイトで売るつもりだったとして逮捕容疑を認めているという。
(2022年12月17日 京都新聞「自転車盗みネット出品→被害者知人発見し購入→担いで現れた容疑16歳逮捕」の記事を参考にしたフィクションです)
窃盗罪とは
窃盗罪について刑法235条は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪」とする、と規定しています。
「窃取」とは、他人の占有する財物を、その占有者の意思に反して自己または第三者の占有に移転することをいいます。
また、「占有」とは財物の事実的支配や管理のことをいいます。
簡単に説明すると、誰が見ても持ち主がいることが明らかであり、持ち主が自分の物だと意識している場合に占有があるとみなされます。
ある特定の財物を所有している所有者が、事実的に支配している領域内にその特定の財物を置いていた場合、その特定の財物は所有者に占有が認められます。
これは、所有者が事実的に支配している領域内に置かれた物なので、客観的に見ても所有者やその他特定の人物が所有している物だとわかりますし、おそらく所有者に占有の意思もあるでしょう。
ですので、基本的に、事実的に支配している領域内に置かれた物には占有が認められることになります。
本件では、盗まれたロードバイクは、その所有者が経営する会社の駐輪場に置かれていたようです。
ロードバイクの所有者が経営する会社の駐輪場ですので、事件現場の駐輪場はその所有者が事実的に支配している領域内だといえます。
そうであるならば、客観的に見てそのロードバイクは所有者の持ち物ないしは、その会社にいる人が所有している物と推測できるはずです。
また、そのロードバイクは所有者が自分の物だと思っているはずでしょうから、このロードバイクは所有者が占有していたといえるでしょう。
そして、逮捕された会社員は、占有者である持ち主(代表取締役)に無断で売ろうとして持ち去ったようなので、占有者の意思に反して自己の占有に移転したと言えるでしょう。
先ほど窃取とは、他人の占有する財物を、その占有者の意思に反して自己または第三者の占有に移転することと書きました。
ロードバイクは財物にあたりますので、占有者(代表取締役)に無断で自己(逮捕された会社員)の占有に移転させた行為は窃盗罪が成立する可能性があります。
不法領得の意思
条文に明記されていないものの、判例によれば、窃盗罪の成立には「不法領得の意思」、すなわち「権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従いこれを利用し又は処分する意思」が必要とされます(最判昭和26年7月13日、大判大正4年5月21日)。
「権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様に」部分を「権利者排除意思」、「その経済的用法に従いこれを利用し又は処分する意思」部分を「利用処分意思」といいます。
なぜ、判例はこのような条文に明記されていない要件を必要としているのでしょうか?
権利者排除意思
権利者排除意思は、窃盗罪と使用窃盗を区別するために必要だとされています。
使用窃盗とは、他人の財物を無断で一時使用することであり、被害者の被る被害が軽微であることから不可罰(刑罰を科されない)とされています。
例えば、メモを取る際に他人のボールペンを一時的に使うような場合が使用窃盗にあたります。
上記の例の場合、ボールペンを使用した際に一時的に占有が移転しています。
占有が移転しているのであれば窃盗罪が成立するのではないかと思われるかもしれませんが、メモを取る目的でボールペンを使用したのであれば占有が移転していた時間はごくわずかでしょう。
ボールペンを一時使用した人は自分の物にしようとしたわけではありませんし、ボールペンの所有者が被る被害は極めて軽いといえます。
このように被害者が被る被害が軽微な場合に窃盗罪が成立しないようにするために、権利者排除意思が必要だといえます。
本件では、男はロードバイクを持ち去って転売しようとしており、被害者に返還する気はなかったようです。
被害者が被る被害は軽微だとはいえないでしょうから、本件は使用窃盗にあたらないでしょう。
利用処分意思
利用処分意思は、毀棄・隠匿の罪との区別のために必要だとされています。
毀棄・隠匿の罪は、簡単に説明すると、物を損壊したり隠すことで、利用を妨げる罪です。
例えば器物損壊罪や信書隠匿罪などがこれにあたります。
これらの罪は窃盗罪と占有侵害行為である点で共通します。
毀棄・隠匿の目的での占有侵害と区別するためにも、利用処分意思の有無で区別する必要があります。
本件では、男は、自己に占有を移転させたロードバイクをネットのフリマサイトで転売つまり処分しようとしています。
転売行為は自分が利用する目的だとはいえませんが、利用処分意思があるといえるのでしょうか。
不法領得の意思における経済的用法の解釈について裁判例は、「ここにいう「経済的用法」とは,その物を本来予定されている用法どおりに用いることを指すものでは必ずしもなく,窃取した財物をその財物として利用する意思があれば不法領得の意思があるといわざるを得ない」としています。(神戸地方裁判所 平成15年10月9日判決)
ロードバイクが本来予定されている用法はロードバイクに乗って走行することでしょう。
しかし、上記裁判例によると、本来の用法どおりに用いるだけでなく利用する意思があればいいと解されますので、本件のように転売目的でロードバイクを盗む行為について利用処分意思があったといえるでしょう。
また、転売する目的でロードバイクを盗んでいますので、毀棄・隠匿の目的にもあたらないと考えられます。
以上により、本件では不法領得の意思の観点から考えても、窃盗罪が成立しそうです。
逮捕された先に待ち受けているのは?
本件では、男は逮捕されて中京警察署にて身柄を拘束されています。
検察官は、勾留の必要があると判断すれば、逮捕後72時間以内に裁判官に勾留請求を行います。
勾留とは逮捕に続く身体拘束であり、最長で20日間拘束される可能性があります。
本件では、逮捕された男は会社員とのことなので、勾留された場合、会社に長期間にわたって出勤することができず、刑事事件を起こしたことが会社の知るところとなり、解雇される可能性があります。
また逮捕されている間、捜査機関は被疑者の取調べを行います。
逮捕されて不安な状態から解放されたいと思うがあまり、捜査機関の言われるままに不利な供述の書かれた調書にサインしてしまうことが少なくありません。
この調書は後の裁判で証拠として扱われますから、不利な供述の調書にサインをすることで、裁判で窮地に陥ることになるかもしれません。
できるだけ早くに弁護士に相談を
上述の通り、勾留された場合の不利益が大きいため、逮捕された場合には勾留されないことが非常に重要となります。
早期に弁護士に依頼することができた場合、弁護士から検察官や裁判官に対して勾留請求に対する意見書を提出することで、勾留を阻止できる可能性があります。
また、逮捕の初期の段階から弁護士のアドバイスを受けることで、逮捕され一人きりとなった不安を軽減し、取調べに適切に対応することができる可能性が高まります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、窃盗事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
数多くの事件で勾留を阻止してきた弁護士が検察官・裁判官に対応することで、身柄拘束の長期化を防ぐことができる可能性があります。
可能な限り早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
【事例紹介】暴力団に言うぞと脅し、50万円を受けとった事例②
前回のコラムに引き続き、近隣男性から現金を脅し取ったとして、恐喝罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
慰謝料名目に近隣に住む男性から現金を脅し取ったとして、伏見署は4日、恐喝の疑いで伏見区深草(中略)の(中略)容疑者(57)を逮捕した。「脅し取ったものではない」などと供述し、容疑を否認している。
(10月4日 産経新聞 THE SANKEI NEWS 「「咳払いうっとうしいねん」近隣男性に因縁つけ50万円恐喝、容疑で男を逮捕」より引用)
(中略)
逮捕容疑は9月30日、男性に対し「金払え、払わんかったら暴力団に言うぞ」などと怒鳴りつけ、慰謝料名目で現金50万円を脅し取ったとしている。
逮捕と釈放
今回の事例では、被害男性は容疑者の近隣に住んでいると報道されています。
被害者が家の近くに住んでいる場合は、加害者が被害者に接触することが容易であると判断される可能性が高く、釈放が認められづらい場合が多いです。
また、今回の事例のような否認事件(容疑を否認している事件)では、捜査が長期に及ぶ場合が多く、証拠隠滅や逃亡のおそれが高いと判断されることも少なくないことから、被害者が近隣に住んでいる場合と同様に、釈放が認められにくいです。
弁護士は、勾留が判断される前であれば、検察官や裁判官に勾留に対する意見書を提出することができます。
意見書で、家族が監督することで被害者に接触できないようにさせることや、逃亡をさせないことを主張することで、釈放が認められる場合があります。
この意見書は勾留が判断される前に提出する必要がありますので、勾留が判断される逮捕後72時間以内に行う必要があります。
検察官や裁判官に釈放を認めてもらえるような意見書を提出するには、意見書を作成する時間も必要になります。
勾留請求に対する意見書を提出できる期間は限られていますので、早期釈放を考えている方は、できる限り早く弁護士に相談をする必要があります。
また、勾留が決定してしまった後でも、裁判所に勾留決定に対する準抗告の申し立てをすることができます。
弁護士が申し立てを行うことで、釈放が認められる場合もありますので、勾留が決定した後でも弁護士に相談をすることをお勧めします。
繰り返しになりますが、勾留請求に対する意見書は勾留が決定するまで、逮捕後72時間以内に提出しなければなりません。
ですので、この逮捕後72時間を逃してしまうと、釈放を求める機会を2回失ってしまうことになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、数々の身柄事件で早期釈放に導いてきた実績のある法律事務所です。
早期釈放を目指すためにも、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は、0120ー631ー881で24時間365日受け付けております。

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【事例紹介】暴力団に言うぞと脅し、50万円を受けとった事例①
近隣男性から現金を脅し取ったとして、恐喝罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
慰謝料名目に近隣に住む男性から現金を脅し取ったとして、伏見署は4日、恐喝の疑いで伏見区深草(中略)の(中略)容疑者(57)を逮捕した。「脅し取ったものではない」などと供述し、容疑を否認している。
(10月4日 産経新聞 THE SANKEI NEWS 「「咳払いうっとうしいねん」近隣男性に因縁つけ50万円恐喝、容疑で男を逮捕」より引用)
(中略)
逮捕容疑は9月30日、男性に対し「金払え、払わんかったら暴力団に言うぞ」などと怒鳴りつけ、慰謝料名目で現金50万円を脅し取ったとしている。
恐喝罪
恐喝罪は、刑法第249条1項で「人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。」と規定されています。
簡単に説明すると、暴行や脅迫を行い、お金などを受け取ると恐喝罪が成立します。
また、この暴行や脅迫が抵抗することが難しいような内容であれば、恐喝罪ではなく強盗罪が成立する可能性があります。
暴行とは有形力の行使を指し、殴る行為や肩を掴む行為などが暴行にあたります。
また、脅迫とは、人の命や身体、財産などに危害を加えると知らせる行為をいいます。
今回の事例は恐喝罪の容疑で逮捕されていますが、恐喝罪は成立するのでしょうか。
今回の事例では、容疑者が「金払え、払わんかったら暴力団に言うぞ」などと怒鳴りつけて現金50万円を脅し取ったとされています。
恐喝罪が成立するためには、暴行や脅迫が必要です。
報道されている容疑者の行為は暴行や脅迫にあたるのでしょうか。
暴力団に怖いイメージを持っている方が多くいると思います。
「暴力団に言うぞ」と言われれば、暴力団に暴力を振るわれるなど、なにか危害を加えられるのではないかと心配になるでしょう。
脅迫は人の命や身体に危害を加えると知らせる行為を指しますので、直接的に「殺すぞ」や「暴力団に襲わせるぞ」などと言わなくても、危害を加えるような内容を相手に伝えられれば、脅迫にあたります。
ですので、「金払え、払わんかったら暴力団に言うぞ」という発言は、直接的に相手に危害を伝える内容ではないものの、暴力団に言うことで危害を加えられる可能性を示唆していると考えられますので、脅迫にあたる可能性があるといえます。
実際に容疑者が報道されているような内容を被害男性に伝え、被害男性から現金を受け取ったのであれば、恐喝罪が成立する可能性があります。
脅迫にあたるかどうかについて、明確に基準があるわけではありません。
ですので、捜査段階で脅迫にあたると判断された場合であっても、実際には脅迫にあたらない可能性があります。
脅迫にあたるかあたらないかは、事案によって異なります。
脅迫にあたるかどうかによって恐喝罪が成立するのかどうかも変わってきますし、処分の見通しも事案によって変わってきますので、一度、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
恐喝罪で捜査を受けている方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
次回のコラムでは、逮捕と釈放について解説します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
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他人のキャッシュカードを使うと何罪?
事例概要
京都府下京警察署は、現金30万円を窃取したとして、京都市下京区に住む無職の男(29)を逮捕した。
男は、四条通で泥酔していたVのポケットから財布を抜き取り、中に入っていたVのA銀行のキャッシュカードを使ってA銀行のB支店のATMから現金30万円を引き出した疑いがもたれている。
(事例はフィクションです。)
他人のキャッシュカードで現金を引き出すとどうなる?
結論から申し上げると、この行為は、窃盗罪に該当する行為に当たる可能性があります。
窃盗罪については、刑法235条が「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」と規定しています。
同条の「窃取」とは、他人の占有する財物を、占有者の意思に反して、その占有を侵害し自己又は第三者の占有に移転させることと解されています。
本事例では、引き出された30万を誰が占有していたことになるのでしょうか?キャッシュカードの持ち主でしょうか?それともA銀行でしょうか?
この30万は、ATMを管理するA銀行B支店の支店長が事実上支配する現金であり占有していたのはA銀行となります。
そして事例によれば、男はその占有を侵害して自らの占有に移転した=「窃取した」ということになります。
ですので、事例の男性の行為は窃盗罪が成立する可能性があります。
逮捕された後に、起訴を防ぐためにできることはある?
一般論として、窃盗事件の場合、被害額が小さいケースや初犯である場合に不起訴になることがあります。
しかし、被害額や初犯かどうかといった事情は逮捕後にどうにかできる性質のものではありません。
不起訴の可能性を少しでも高めるために、逮捕後にできる活動としては、被害者との示談交渉が挙げられます。
被害弁償をして被害者に謝罪をした上で示談を成立させることができた場合、起訴前であれば起訴猶予など不起訴となる可能性が上がります。
仮に起訴後であったとしても罰金刑や執行猶予付判決に落ち着つかせることができるかもしれません。
弁護士に相談してより良い結果を
もっとも、加害者本人が示談交渉をすることは得策とはいえません。
今回のような事例では、Vさん相手に示談交渉を行うことになります。
Vさんは事件に遭ったことで事例の男性に恐怖を抱いているかもしれませんし、加害者本人の示談に向けた熱心な行動が、被害者の目には脅迫とうつるかもしれません。
そうなった場合、交渉の場につくことすら拒否されてしまうでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、窃盗事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と交渉を行うことで、不起訴処分、罰金刑、執行猶予付判決などより軽い処分にできる可能性がございます。
特に起訴前に示談が成立すれば不起訴処分となり前科を回避することができるかもしれませんので、可能な限り早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。

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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 京都支部 弁護士紹介
【事例紹介】特殊詐欺事件 成立するのは何罪?②~窃盗罪~
前回に引き続き、京都府宇治市で起きた特殊詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警宇治署は13日、京都府宇治市の女性(81)がキャッシュカード2枚をだまし取られ、現金計223万円6千円を引き出されたと発表した。特殊詐欺事件として捜査している。
(9月13日 京都新聞 「【速報】キャッシュカード入り封筒をすり替え 81歳女性、ATMから現金引き出される」より引用)
同署によると、(中略)女性宅に警察官を名乗る女から「名前がリストに載って(個人情報が外部に)漏れている」などと電話があった。通話中の約40分後に男が訪れ、キャッシュカード2枚が入った封筒を別の封筒にすり替えて持ち去った。
(中略)複数回にわたり同市内など京都府内のATMで現金が引き出されたという。
窃盗罪
前回のコラムでは、今回の事例では詐欺罪が成立しないのではないかと解説しました。
では何罪が成立するのでしょうか。
今回の事例で成立する可能性があるのは窃盗罪です。
窃盗罪は刑法第235条で「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
窃盗罪は簡単に説明すると、人のものをその人の許可なく勝手に盗ると成立する罪です。
今回の事例では、キャッシュカードが入った封筒と別の封筒をすり替えることで、キャッシュカードを手に入れています。
被害女性は犯人がキャッシュカードを持っていくことを許可していないでしょうから、犯人は持ち主である被害女性に許可を得ずにキャッシュカードを持ち去ったことになります。
ですので、今回の事例では、窃盗罪が成立する可能性が高いです。
詐欺罪、窃盗罪の弁護活動
今回の事例では、詐欺罪ではなく窃盗罪が成立する可能性が高いです。
詐欺罪の法定刑は十年以下の懲役(刑法第246条1項)、窃盗罪の法定刑は十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金(刑法第235条)です。
詐欺罪には罰金刑の規定はありませんが、窃盗罪には罰金刑が規定されています。
上記のように詐欺罪と窃盗罪では規定されている刑罰が違いますが、特殊詐欺事件の場合は、詐欺罪が成立する場合と窃盗罪が成立する場合とで大幅に科される刑罰が変わることはありません。
ですので、同じ被害額の特殊詐欺事件で、詐欺罪が成立する場合には懲役刑が科されるが、窃盗罪が成立する場合には罰金刑が科されるなどといったことは、ほとんどありません。
ということは、特殊詐欺事件で窃盗罪が成立する場合は、懲役刑が科される可能性が高いということです。
実際に、初犯で前科がなくとも、特殊詐欺事件で窃盗罪の罪に問われた場合に懲役刑が科されているケースが多くあります。
刑事事件では、示談を締結することで、執行猶予付き判決を獲得できる場合があります。
加害者が被害者と直接示談交渉をしてしまうと、被害者感情を逆撫でしてしまったり、処罰感情を苛烈にさせてしまう可能性があります。
そうなると、示談を締結することは難しくなってしまいますので、示談を考えている方は、一度弁護士に相談をしてみることをお勧めします。
弁護士を間に入れて示談交渉をすることで、トラブルなく示談を締結できる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、詐欺罪、窃盗罪の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
弁護士に相談をすることで、執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
詐欺罪、窃盗罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービス、無料法律相談のご予約は、0120―631―881までご連絡ください。

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京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
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【事例紹介】特殊詐欺事件 成立するのは何罪?①~詐欺罪~
京都府宇治市で起きた特殊詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府警宇治署は13日、京都府宇治市の女性(81)がキャッシュカード2枚をだまし取られ、現金計223万円6千円を引き出されたと発表した。特殊詐欺事件として捜査している。
(9月13日 京都新聞 「【速報】キャッシュカード入り封筒をすり替え 81歳女性、ATMから現金引き出される」より引用)
同署によると、(中略)女性宅に警察官を名乗る女から「名前がリストに載って(個人情報が外部に)漏れている」などと電話があった。通話中の約40分後に男が訪れ、キャッシュカード2枚が入った封筒を別の封筒にすり替えて持ち去った。
(中略)複数回にわたり同市内など京都府内のATMで現金が引き出されたという。
特殊詐欺事件と成立する罪
今回の事例では、警察官を名乗る女性から電話があり、キャッシュカード2枚が入った封筒を別の封筒ですり替えられ、持ち去られたと報道されています。
今回の事例では、何罪が成立するのでしょうか。
詐欺罪
報道によると、今回の事例は特殊詐欺事件として捜査されているそうです。
特殊詐欺事件ということは、今回の事例では詐欺罪が成立するのでしょうか。
詐欺罪について考えていきましょう。
詐欺罪は刑法第246条1項で、「人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。」と規定されています。
詐欺罪は簡単に説明すると、人にうそをついて信じこませ、財物などを渡させると成立します。
また、うそをつけば何でもいいかと言うとそうでもなく、財物を渡すことを判断するうえで、重要な要素になる事柄でなくてはなりません。
詐欺罪が成立するためには、
①財物を渡す判断をするうえで重大なうそをつく
②相手がうそを信じる
③相手から財物を受け取る
以上の3つが必要になります。
では、今回の事例にあてはめて詐欺罪が成立するのかを考えていきましょう。
今回の事例では、警察官を名乗る女性が「名前がリストに載って(個人情報が外部に)漏れている」と電話しています。
おそらく電話をかけた女性は警察官ではないでしょうし、電話の内容も事実ではないでしょう。
警察官の身分を使われてしまうと話している内容なども信じてしまいますし、指示通りに動いてしまうことも多いでしょうから、警察官の身分を騙りうその内容の電話をすることは、財物を渡す判断をするうえで重大なうそにあたると考えられます。
ですので、上記の詐欺罪が成立するための要件の①は満たしていると考えられます。
報道によれば、電話の後に男が訪れてキャッシュカードが入った封筒を別の封筒と入れ替え持ち去ったと報道されています。
被害女性がキャッシュカードを封筒に入れて訪れた男性の応答をしていることから、被害者はうそを信じたのでしょう。
詐欺罪の成立要件②は満たしていると思われます。
では③の財物を受け取るはどうでしょうか。
今回の事例では、キャッシュカードが入った封筒を別の封筒と入れ替えています。
結果として、犯人はキャッシュカードを手に入れていますが、すり替えることで手に入れたのであって、被害者から受け取ったわけではありません。
ですので、③は満たしませんので、詐欺罪は成立しないと考えられます。
詐欺罪が成立しないとなると今回の事例では何罪が成立するのでしょうか。
次回のコラムでは、今回の事例で成立する可能性のある犯罪について解説します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、刑事事件に精通した法律事務所です。
弁護士に相談をすることで、科される刑罰が軽くなることや不起訴処分などを獲得できる場合があります。
窃盗罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の無料法律相談をご利用ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都市中心部にある刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う法律事務所です。
京都を中心に近畿地方一円の刑事事件・少年事件について、逮捕前・逮捕後を問わず、刑事事件・少年事件の刑事弁護活動を専門に扱う実績豊富な弁護士が素早く対応致します。
当事務所は初回の法律相談を無料で行っております。土日祝日であっても夜間を含め、24時間体制でご相談を受け付けております。お急ぎの方については、お電話後すぐに弁護士とご相談いただくことも可能です。刑事事件・少年事件に関することなら、どんな疑問でも、どなた様でもご相談ください。
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窃盗罪と弁護活動:事例を通して見る効果的な対応策
窃盗罪は一見単純な犯罪のように思えますが、実際には成立要件や罰則が非常に複雑です。
この記事では、窃盗罪で起訴された場合にどのような弁護活動が行われるのか、具体的な事例を交えて解説します。
窃盗罪の基本的な成立要件
窃盗罪とは、簡単に説明すると、他人の所有物を所有者に無断で盗むと成立します。
窃盗罪が成立するためには、いくつかの成立要件が必要です。
まず、物の不正な取得が必要です。
これは、所有者の許可なく物を手に入れる行為を指します。
また、加害者が物を盗む意図を持って取得していることが必要です。
もしも窃盗罪の成立要件が満たされていない場合、無罪を勝ち取れる可能性があります。
弁護士の役割と重要性
窃盗罪で起訴された場合、窃盗罪の弁護活動に精通した弁護士に相談をすることが重要です。
弁護士は、成立要件や罰則に詳しい専門家ですので、その知識と経験を活かしてあなたの権利を守ります。
具体的には、あなたの有利になるような証拠を集め、少しでも裁判で有利な結果を得られるように目指します。
まず、弁護士は事前調査を行い、被告が実際に窃盗罪の成立要件を満たしているかどうかを確認します。
この段階で、成立要件が満たされていないと判断した場合には、無罪を主張するための証拠を集めます。
窃盗罪の弁護経験が豊富な弁護士による弁護活動で、あなたに科される刑罰が少しでも軽くなる可能性があります。
また、場合によっては無罪を獲得することも可能な場合があります。
そのため、窃盗罪に精通した弁護士に相談をすることが非常に重要になります。
事例1:成立要件が満たされていないケース
窃盗罪の成立要件が満たされていないケースも少なくありません。
例えば、Aさんはお店に設置してあるアンケート記入すベースでアンケートの記入をしました。
そのアンケートスペースではペンが誰でも自由に使えるように置かれあり、Aさんは置かれているペンはアンケート記入のお礼品として持ち帰れると思い、使用したペンを持ち帰りました。
実際は、アンケートのお礼品はなく、ペンを持ち帰ってもいいというのはAさんの誤解でした。
客観的に見ればAさんはお店の許可なく、お店の所有物であるペンを持ち帰っているため窃盗罪にあたるように思われます。
しかし、Aさんは持って帰ってもいいものだと誤解していたので、他人の物を盗る意識はなかったことになります。
このようなケースでは、窃盗罪の故意性が欠けていることから、窃盗罪が成立しない可能性があります。
弁護士が具体的な証拠を集め、Aさんには盗む意図がなかったことを主張することで、無罪を獲得できるかもしれません。
上記の事例のように成立要件が明確に満たされていないケースでは、弁護士による弁護活動によって無罪を獲得できる可能性があります。
事例2:被害者と示談を締結したケース
窃盗罪においては、被害者と示談を締結することで科される刑罰が軽くなる可能性があります。
加害者が被害者と直接示談交渉をすることは不可能ではありませんが、加害者と被害者が直接やり取りを行うことでトラブルを生む可能性があります。
弁護士が間に入ることで円滑に示談を締結できる場合がありますので、示談交渉をするときには弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。
また、示談を締結することで、執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
事例3:犯行が立証されないケース
窃盗罪で有罪になるためには、犯行が明確に立証される必要があります。
例として、Cさんが店内で商品を盗もうとしたが、その瞬間に店員に見つかり逮捕されました。
しかし、店内の防犯カメラは故障しており、Cさんが実際に商品を手に取った瞬間が映っていないとします。
このようなケースでは、犯行の立証が困難となります。
弁護士が証拠が不十分であること、目撃証言が曖昧であることなどを指摘することで無罪を目指せる場合があります。
他にも犯行を犯した可能性がある第三者がいる場合、その点を強調するなど、あなたに有利になる証拠を集めることで無罪を獲得できる可能性があります。
事例4:前科がある場合
窃盗罪の前科がある場合、その事実が量刑に大きな影響を与えることが考えられます。
例えば、Fさんが過去にも窃盗で有罪判決を受けている場合、再度窃盗を犯したとされた場合の刑罰は通常よりも重くなる可能性が高いです。
窃盗を繰り返してしまう場合には、クレプトマニア(窃盗症)である可能性があります。
カウンセリングや自助グループに参加し、クレプトマニア(窃盗症)の治療を行うことで、症状が緩和されることがあります。
弁護士がカウンセリングや自助グループに参加し、更生に向けた生活を送っていることを主張することで、科される刑が軽くなる可能性があります。
また、前科がある場合でも、その罪状や経緯、時間がどれだけ経過しているかなども考慮されます。
弁護士はこれらの要素を踏まえて、被告人の社会復帰が可能であると訴えることもあります。
ただし、前科がある場合の弁護は、裁判官や検察官を納得させるためには相当なスキルと戦術が要求されます。
まとめ
この記事では、窃盗罪における様々な事例とそれに対する弁護活動を解説しました。
窃盗罪は一見単純な犯罪に見えますが、成立要件や刑罰、弁護活動は多岐に渡ります。
例えば、盗んだ物の価値や犯行が立証されない場合、前科がある場合といった多くの要素が、最終的な判決に影響を与える可能性があります。
弁護士はこれらの特定の事情や証拠を精査し、それに基づいて少しでもいい結果を得られるように弁護をします。
各ケースにはそれぞれ独自の弁護活動が必要であり、高度な法律的知識と経験が求められます。
窃盗罪に関わる可能性がある場合、専門の弁護士に相談することが非常に重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、窃盗罪の弁護経験が豊富な法律事務所です。
窃盗罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の無料法律相談をご利用ください。

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