【事例紹介】出頭し、業務上横領罪で逮捕された事例

京都市下京区のコンビニで売上金などを着服したとして、業務上横領罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

事例

京都府警下京署は19日、業務上横領の疑いで、(中略)逮捕した。
逮捕容疑は、勤務する下京区内のコンビニで(中略)店の売上金など計320万円を着服した疑い。同署によると、男はコンビニで売上金の集計や管理を担う責任者だった。
経営者が金庫に保管していた現金が無くなっていることに気付いて通報し、男は19日に出頭したという。

(4月20日 京都新聞 「コンビニ売上金320万円横領疑い 25歳の店員男を逮捕 京都府警」より引用)

業務上横領罪

業務上横領罪は、刑法第253条で「業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。」と規定されています。

業務上横領罪は、簡単に説明すると、仕事上、保管を任されている他人のお金やものを着服すると成立します。

今回の事例では、容疑者が売上金など320万円を着服したとされています。
報道によると、容疑者は売上金等の管理を任されていますし、着服したとされている320万円はコンビニのお金です。
ですので、今回の事例では、業務上横領罪が成立する可能性があります。

出頭と自首

今回の事例では、容疑者が自ら出頭したとされています。
出頭と聞くと、自首をイメージする方もいらっしゃるのではないでしょうか。

刑法第42条1項では、自首について、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」と規定しています。
「捜査機関に発覚する前に」とありますが、何について発覚する前なのでしょうか。

判例では、刑法第42条1項について「犯罪の事実が全く官に発覚しない場合は勿論犯罪の事実は発覚していても犯人の何人たるかが発覚していない場合をも包含するのであるが犯罪事実及び犯人の何人なるかが官に判明しているが犯人の所在だけが判明しない場合を包含しない」と判断しています。(最高裁判所 昭和24年5月14日)
つまり、犯罪の事実や犯人が誰であるかが発覚する前に自らの意思で出頭する場合であれば自首は成立します。
一方で、犯人が誰であるかが判明しているが、居場所がわからない場合などは、自首は成立しません。

出頭とは、捜査機関に自ら赴くことをいいます。
一見すると出頭自首は同じものに思えますが、上記のように自首が成立するには条件があり、必ずしも自らの意思で出頭したからといって、自首が成立するわけではありません。
自首が成立するかどうかは、事件の事情によって異なりますから、自首を検討していらっしゃる方は、事前に、弁護士に相談をすることが望ましいでしょう。

また、自首が成立しない場合に出頭する意味がないかと言われるとそうではありません。
刑事事件といえば、逮捕を連想される方もいらっしゃると思います。
刑事事件では、全ての事件が逮捕されるわけではなく、逮捕されずに在宅で捜査がなされる場合もあります。
在宅で捜査がされれば、それまでと同じように生活を送れるので、職場や学校への事件の発覚を防げる可能性があり、社会生活への影響が小さくなります。
逮捕される場合として挙げられるのが、証拠隠滅や逃亡のおそれが高いと判断された場合です。
ですので、弁護士が一緒に出頭することや、事前に家族などを身元引受人として準備することで、証拠隠滅や逃亡のおそれがないと判断してもらえれば、逮捕リスクを少しでも減らせる可能性があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、無料法律相談を行っています。
自首を検討していらっしゃる方、逮捕されないか不安な方は、ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
無料法律相談のご予約は、0120ー631ー881で受け付けております。

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