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滋賀県近江八幡市で逮捕

2019-05-15

滋賀県近江八幡市で逮捕

滋賀県近江八幡市内の高校に通うAさんは、近くにあるV大学の後期試験を控えて勉強に追われる日々を送っていました。
しかし試験日も近づいてきたある日、勉強漬けの日々に嫌気がさして、かといって単位を失うのも嫌だったことから、「試験をどうにかして延期、あるいは中止にしたい」と考えました。
そこでAさんはあるインターネット上の掲示板で、「V大学の××号教室に爆弾をしかけた」と投稿しました。
Aさんの目論見通りに試験は延期になり、大学は封鎖されて警察による捜索が行われました。
Aさんは本気で爆弾をしかけようとは思っていなかったため、爆弾は見つかりませんでしたが、後日突然、滋賀県近江八幡警察署から捜査員が自宅に来て、Aさんは「威力業務妨害罪」の容疑で逮捕されてしまいました。
(事例はフィクションです)

~威力業務妨害罪(刑法第234条)~

Aさんにかけられた犯罪容疑である「威力業務妨害罪」について解説します。
業務を妨害する犯罪には、刑法第233条後段の「偽計業務妨害罪」および234条の「威力業務妨害罪」、刑法第95条の「公務執行妨害罪」がありますが、今回は前二者を取り上げます。

【業務とは】
この法律で保護される業務とは、「職業その他社会生活上の地位に基づき反復継続して行う事務または事業」を指します。
会社やその他社会的団体によって行われる事業は保護対象になりますが、家族によって行われる日常的な家庭生活や一回的な式典(例えば、結婚式など)は含まれません。

【偽計とは】
第233条後段の「偽計」というのは、「人を欺罔し(だますこと)、または人の不知、錯誤を利用する」ことをいいます。
実際に裁判において認められた事例としては、障害物を海底に沈めることにより魚網を破壊する行為(漁業者に対する妨害)、虚偽の電話注文により配達をさせる行為(宅配業者あるいは生産業者に対する妨害)、他人のキャッシュカードの暗証番号を盗撮するために銀行出張所のATMを一般客のふりをして長時間占拠する(銀行に対する妨害)などがあります。

【威力とは】
234条にいう「威力」とは、「人の自由意志を制圧するに足る勢力の使用」のことを指します。
一見しただけでは判然としませんが、例えば暴行や脅迫、地位や集団の勢力などを利用することを意味します。
実際に裁判において認められた事例としては、デパートで生きた蛇をまき散らす、株主総会の議場で怒号する、猫の死骸を机の引き出しに入れておいて被害者に発見させるなど人に対して威力を加える類型と、貨車の扉を開くことにより石炭を落下させる行為やイルカを捕獲している網のロープを切断するというように、物に働きかけた結果として人の意思を制圧する、そういった行為でも威力に当たるとされています。

~「威力」と「偽計」~

Aさんの行為は、誰にでも閲覧可能なインターネット上の掲示板に爆発物をしかけると書き込みしたことから、間接的ではありますが、脅迫的言動を用いて大学の試験業務を妨害したことになります。
嘘の書き込みであることから、人を欺罔した場合の「偽計」なのではないかと考える余地もありますが、嘘の脅迫的書き込みにより大学関係者の試験を行う意思を制圧していることから、「威力」であるともいえます。
「偽計」と「威力」の区別に関しては定義から考えても区別があいまいなところがありますが、行為の態様あるいは結果が公然・誇示的・可視的であれば「威力」、逆に非公然・隠密的・不可視的であれば偽計という区別が支持されています。
この区別に則れば、インターネット上の爆破予告は「威力」を用いた業務妨害といえるでしょう。

滋賀県京都府刑事事件を起こしてしまった方、滋賀県近江八幡警察署逮捕されてしまった方、そのご家族・ご友人の方はぜひ「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」所属の刑事専門弁護士初回無料相談をぜひご利用ください。
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不倫発覚から刑事事件~ほう助犯

2019-05-14

不倫発覚から刑事事件~ほう助犯

~前回からの流れ~
京都府向日市に住んでいるAさんは、ある日、夫のBさんと知人であるVさんが不倫していることを知りました。
Aさんは怒り心頭となって、Vさんを自宅に呼び出すと、「今回のことを許してほしいと思うなら払えるだけ慰謝料を支払え。そうでなければVさんの職場にでも近所にでも不倫のことをばらまいてそれ相応の代償を払ってもらうから」と言い放ちました。
Vさんが「今は手持ちのお金がない」と言ったところ、Aさんは「では車でATMまで連れて行くからそこでお金をおろして支払え」と言い、Vさんを車に乗せると近くのATMまで連れていき、そこでVさんに預金を引き出させ、慰謝料として300万円を支払わせました。
Aさんの夫であるBさんは、一連の出来事の最中ずっとAさんのそばにいましたが、Aさんの剣幕を見て、特に止めることもせずに黙ってみていました。
その後、Vさんが京都府向日町警察署に相談したことから、Aさんは恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そして、Bさんも恐喝罪監禁罪ほう助の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

・ほう助犯

前回までの記事では、Aさんを中心に恐喝・監禁事件を検討してきました。
今回の記事では、Bさんについて考えていきます。
Bさんは、恐喝罪と監禁罪のほう助犯として警察か取調べを受けていますが、そもそも「ほう助犯」とはどういったことを指すのでしょうか。

刑法62条
正犯を幇助した者は、従犯とする。

いわゆるほう助犯は、刑法62条のこの条文に当てはまる人のことを指します。
「幇助」は「ほうじょ」と読み、その意味は、(犯罪行為を)実行することを容易にする行為を言います。
つまり、ほう助犯と言われた場合、ある犯罪をする人を手助けして、その犯罪行為の実行を容易にした、という疑いが欠けられていることになります。
このほう助犯ほう助という行為については、物理的方法でも精神的方法でも構わないとされています。
物理的な方法でいえば、殺人をしようという人に対して凶器を渡すようなことが考えられます。
対して精神的な方法でいえば、犯罪をしようとする人に対して激励をするようなことが考えられます(なお、激励などによって犯罪をする意思を促進したり強固にしたりした場合にはほう助犯ということになりますが、犯罪をするつもりのない人に新たに犯罪をする意思を生じさせた場合にはほう助犯ではなく「教唆犯」となります。)。

ここで今回のBさんを考えてみましょう。
Bさんは、AさんのVさんに対する恐喝罪と監禁罪のほう助犯の容疑をかけられているようですが、Bさん自身はAさんに加勢したり、何か道具を準備したりということはしていないようです。
黙って見ていただけのBさんにも、ほう助犯は成立する可能性があるのでしょうか。

ほう助犯は、先ほど確認したように、正犯(犯罪を実行する本人)の犯罪実行行為を容易にすれば成立します。
今回のBさんの場合、Aさんの行為を止めずに黙って見ていることによってAさんが恐喝行為や監禁行為をすることを容易にしていると捉えることができます。
そのため、Bさんに恐喝罪と監禁罪のほう助犯が成立する可能性が出てくるのです。
このように、「何もしない」ということをすることでほう助と判断される可能性があることに注意が必要です。

ほう助犯となった場合、正犯の受ける可能性のある刑罰よりも軽い範囲で刑罰を受けることになります(刑法63条)。

・Bさんの注意点

今回のBさんは、ほう助犯として取調べを受けることになっていますが、ここで注意すべき点があります。
それは、もしも取調べで自分の認識と違う発言をしてしまったり、そういった認識なく誘導に乗ってしまったりした場合、不当に重い犯罪の容疑をかけられてしまう可能性があるということです。

先ほど触れたように、ほう助犯は正犯よりも受ける可能性のある刑罰が軽くなります。
しかし、ほう助犯ではなく共犯(ここでいう「共犯」とは、単に一緒に犯罪に関わったという意味の「共犯」ではなく、犯行の共謀をしたり実行を一緒にしたりといった「共犯」を指します。)であるとされてしまえば、犯行を実行した正犯と同じ範囲で刑罰を科される可能性が出てくるのです。
そうなれば、本来受けるべき刑罰よりも不当に重い刑罰を受けてしまう可能性が出てきてしまうのです。
例えば、実はAさんと共謀して恐喝行為や監禁行為をしていたのではないか、Aさんの恐喝・監禁行為にもっと積極的に加担していたのではないか、と疑われ、取調べでも聞かれるかもしれません。
そうした際、自分の思う主張の通りに供述を行えなければ、知らず知らずの間に冤罪をかけられてしまうかもしれないのです。

これは恐喝・監禁事件に限らず、刑事事件全般に言えることです。
だからこそ、ほう助犯などの容疑をかけられてしまったら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門弁護士までご相談ください。
取調べの対応の仕方から被害者の方への対応まで、刑事事件を専門に扱う弁護士が一貫してサポートを行います。
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不倫発覚から刑事事件~監禁罪

2019-05-13

不倫発覚から刑事事件~監禁罪

~前回からの流れ~
京都府向日市に住んでいるAさんは、ある日、夫のBさんと知人であるVさんが不倫していることを知りました。
Aさんは怒り心頭となって、Vさんを自宅に呼び出すと、「今回のことを許してほしいと思うなら払えるだけ慰謝料を支払え。そうでなければVさんの職場にでも近所にでも不倫のことをばらまいてそれ相応の代償を払ってもらうから」と言い放ちました。
Vさんが「今は手持ちのお金がない」と言ったところ、Aさんは「では車でATMまで連れて行くからそこでお金をおろして支払え」と言い、Vさんを車に乗せると近くのATMまで連れていき、そこでVさんに預金を引き出させ、慰謝料として300万円を支払わせました。
Aさんの夫であるBさんは、一連の出来事の最中ずっとAさんのそばにいましたが、Aさんの剣幕を見て、特に止めることもせずに黙ってみていました。
その後、Vさんが京都府向日町警察署に相談したことから、Aさんは恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そして、Bさんも恐喝罪監禁罪のほう助の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

・監禁罪

前回までの2つの記事では、Aさんにかかっている容疑の1つである恐喝罪という犯罪に着目しました。
今回の記事では、Aさんにかかっているもう1つの容疑である監禁罪という犯罪に注目していきます。

監禁罪は、刑法220条に規定されている犯罪です。

刑法220条(逮捕・監禁罪)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

逮捕・監禁罪は、被害者の行動の自由を奪う行為をする犯罪であり、人の身体・行動の自由を守るための規定であると言えます。
このうち、今回注目する監禁罪は、この刑法220条の後段部分、「不法に人を」「監禁」することで成立します。
監禁罪に言う「監禁」とは、一般に、人の身体を場所的に拘束し、その行動の自由を奪うことを言います。
つまり、ある場所からその人が脱出することを不可能もしくは著しく困難にすることによって「監禁」したと言えるのです。

今回のAさんは、この監禁罪に問われていますが、事例の中で「監禁」という単語に結びつくシチュエーションがなかなか分かりづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、監禁罪の言う「監禁」とは、部屋や建物の中への監禁だけに限りません。
たとえ脱出の方法があったとしても、社会通念上人が脱出するのに困難を感じるような方法で行動の自由を奪っていれば、監禁罪の「監禁」になります。
例えば、過去の事案には、自動車を疾走させて脱出困難としたことに監禁罪を認めた事案(最決昭和30.9.29)や、走る原付バイクから降りられないようにしたことを監禁罪と認めた事案(最決昭和38年4月18日)などがあります。
これらを考えた上でAさんの事案を見てみると、Aさんは不倫の慰謝料を支払わせるために、Vさんを車に乗せてATMまで連れて行っています。
車に乗せられて発進されてしまえば、車がどこかに停車しない限り、車内から脱出することは一般的に困難と言えるでしょう。
こうしたことから、Aさんには、Vさんを車内に監禁したという監禁罪が成立しうるということなのです。

なお、監禁罪の成立には、一般に被害者が「自分は監禁されている」と認識していなくてもよいと考えられています。
冒頭で触れたように、監禁罪は行動の自由を保護するための規定であると考えられているため、「自由に行動できない」という状況がある以上、被害者の現実的な認識は不要であると考えられているのです。

・恐喝罪と監禁罪

今回のAさんは、恐喝罪監禁罪の容疑をかけられていますが、仮にこの2つの犯罪が成立するとすれば、どれほどの刑罰を受ける可能性があるのでしょうか。
過去の事案では、恐喝罪監禁罪併合罪の関係にあるとされました(最判平成17年4月14日)。
併合罪とは、同一人物が起こした確定裁判を経ていない2つ以上の犯罪を処理する時の考え方です。
併合罪となった場合には、以下の刑法の規定にのっとって法定刑が決められます。

刑法47条
併合罪のうちの2個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とする。
ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。

今回の恐喝罪監禁罪の場合であれば、最も重い刑は恐喝罪の「10年以下の懲役」であるため、その2分の1を加え、「15年以下の懲役」が恐喝罪監禁罪が併合罪となった場合に受ける可能性のある刑罰の範囲となるのです。

恐喝罪監禁罪は、どちらも懲役刑のみの規定という、非常に重い犯罪です。
態様や被害状況によっては刑事裁判となる可能性も高い犯罪ですから、すぐにでも弁護士に相談し、より早く弁護活動やその準備にとりかかってもらうことがおすすめされます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、いつでも専門スタッフに繋がるフリーダイヤルをご用意しています(0120-631-881)。
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不倫発覚から刑事事件~恐喝罪②

2019-05-12

不倫発覚から刑事事件~恐喝罪②

~前回からの流れ~
京都府向日市に住んでいるAさんは、ある日、夫のBさんと知人であるVさんが不倫していることを知りました。
Aさんは怒り心頭となって、Vさんを自宅に呼び出すと、「今回のことを許してほしいと思うなら払えるだけ慰謝料を支払え。そうでなければVさんの職場にでも近所にでも不倫のことをばらまいてそれ相応の代償を払ってもらうから」と言い放ちました。
Vさんが「今は手持ちのお金がない」と言ったところ、Aさんは「では車でATMまで連れて行くからそこでお金をおろして支払え」と言い、Vさんを車に乗せると近くのATMまで連れていき、そこでVさんに預金を引き出させ、慰謝料として300万円を支払わせました。
Aさんの夫であるBさんは、一連の出来事の最中ずっとAさんのそばにいましたが、Aさんの剣幕を見て、特に止めることもせずに黙ってみていました。
その後、Vさんが京都府向日町警察署に相談したことから、Aさんは恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そして、Bさんも恐喝罪監禁罪のほう助の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

・不倫相手への慰謝料請求で恐喝罪?

前回の記事では、恐喝罪という犯罪について詳しく検討しました。
今回の記事では、Aさんが恐喝罪にあたるのかどうかについて考えていきます。

さて、今回のAさんですが、夫Bさんの不倫相手であるVさんに対し、慰謝料を請求しています。
ここで、「不倫相手に対して慰謝料を請求することは正当なことなのではないのか」とも思えます。
確かに、実際に不倫の事実があった場合には、不倫相手に対して慰謝料を請求できる場合があります。
しかし、問題はその請求等のやり方です。

過去の事案では、借金の取り立てについて恐喝罪の成否が争われたものがあります。
貸したお金を返してもらうことや、その催促をすることは正当な行為であるといえるでしょう。
しかし、その事案では、たとえ権利行使の手段として行った恐喝行為であったとしても、その権利の範囲内を超えた行為であったり、その権利行使の方法が社会通念上一般に認容すべきものと認められるべき程度を超えているような場合には、恐喝罪が成立するとされました(最判昭和30.10.14)。
つまり、不倫の慰謝料を請求するという正当な権利があったとしても、その方法次第では恐喝罪になってしまうおそれがあるのです。

今回のAさんの言動を具体的に見てみましょう。
Aさんは、「不倫を許されたければ慰謝料を払え。さもなくば職場や近所に不倫の事実を広める」という旨をVさんに伝えています。
職場や近所に不倫の事実を広められるということは、Vさんにとって自身の社会的評価を下げる可能性のあること=害を加えられることであるといえます。
ですから、Aさんは害悪の告知=脅迫という手段を用いてVさんに慰謝料=財物を要求していることになり、恐喝行為をしていることになります。
そしてAさんは、その脅し文句に基づき、Vさんから慰謝料として300万円を受け取っています。
不倫の事実を広めることを脅し文句に慰謝料を請求することは、社会通念上一般に認容すべきものとは言い難いでしょうから、Aさんには恐喝罪が成立する可能性が高いと考えられるのです。

京都府滋賀県刑事事件にお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください。
不倫のトラブルが絡んだ刑事事件では、その性質上、なかなか他人には相談しづらいでしょう。
しかし、弁護士が相手であれば、相談内容が漏洩する心配もありませんし、専門知識に基づいて見通しやアドバイスをもらうことができます。
まずはお気軽にご相談ください。
京都府向日警察署までの初回接見費用:3万7,200円)

不倫発覚から刑事事件~恐喝罪①

2019-05-11

不倫発覚から刑事事件~恐喝罪①

京都府向日市に住んでいるAさんは、ある日、夫のBさんと知人であるVさんが不倫していることを知りました。
Aさんは怒り心頭となって、Vさんを自宅に呼び出すと、「今回のことを許してほしいと思うなら払えるだけ慰謝料を支払え。そうでなければVさんの職場にでも近所にでも不倫のことをばらまいてそれ相応の代償を払ってもらうから」と言い放ちました。
Vさんが「今は手持ちのお金がない」と言ったところ、Aさんは「では車でATMまで連れて行くからそこでお金をおろして支払え」と言い、Vさんを車に乗せると近くのATMまで連れていき、そこでVさんに預金を引き出させ、慰謝料として300万円を支払わせました。
Aさんの夫であるBさんは、一連の出来事の最中ずっとAさんのそばにいましたが、Aさんの剣幕を見て、特に止めることもせずに黙ってみていました。
その後、Vさんが京都府向日町警察署に相談したことから、Aさんは恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そして、Bさんも恐喝罪監禁罪のほう助の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

上記事例のように、不倫発覚からトラブルとなり、それが刑事事件となってしまった、というケースもまま見られます。
今回の記事から複数回、恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまったAさんと、ほう助犯として取調べを受けているBさんのケースについて取り上げていきます。

・恐喝罪

まず、Aさんが容疑をかけられている犯罪の1つである恐喝罪について詳しく見ていきましょう。

刑法249条(恐喝罪)
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

刑法を見てみると、恐喝罪については以上のように規定されています。
文面だけ見れば非常に短く単純なものではあるのですが、では具体的にどういったことが「恐喝」に当たるのかどうかということは、専門知識がなければ検討することは難しいです。
だからこそ、恐喝罪に限らず、犯罪の容疑をかけられた際には専門知識を有する弁護士に相談することが望ましいのですが、以下では簡単に恐喝罪の内容を説明します。

恐喝罪のいう「恐喝」とは、脅迫または暴行を用いて相手を畏怖させ、財物の交付を要求することを言います。
脅迫は害悪の告知(害悪を加えることの告知)、暴行は有形力の行使を言います。
この時、脅迫または暴行の程度が相手の犯行を抑圧しない程度であることが求められます(もしも相手の犯行を抑圧するほどの脅迫または暴行であった時には、恐喝罪ではなく強盗罪が成立することになります。)。
例えば、ナイフなどの凶器を手にして相手を脅迫し金銭を要求したような場合には、相手はそれに対して反抗することはできないと考えられますから、恐喝罪ではなく強盗罪が成立すると考えられます。

そして、恐喝して「財物を交付させた」とは、先述の恐喝行為によって畏怖した相手が処分行為をすることで、その財物の支配(占有)を得ることを言います。
つまり、恐喝罪が成立するには、恐喝行為と交付行為の間に因果関係がなければならないことになります。
例えば、恐喝行為を受けたものの、被害者が全く畏怖しておらず、逆に恐喝をしてきた者を憐れんで金銭を渡してやった、という場合には、恐喝行為と財物の受け渡しの間に因果関係がないことになりますから、恐喝罪は成立せず、恐喝未遂罪が成立するにとどまることになります。

なお、恐喝行為をしたものの、財物の交付まで達成されなかった場合には、恐喝未遂罪となります。
恐喝未遂罪となった場合には、「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる」という刑法43条の規定により、恐喝罪が成立した時よりも刑罰が減軽される可能性があります。

では、今回のAさんはこの恐喝罪にあたるのでしょうか。
次回の記事で詳しく当てはめていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、恐喝事件の取り扱いももちろん行っています。
逮捕されてしまっている方にも安心して、かつ迅速にご相談いただけるように、初回接見サービスなどのお問い合わせを24時間365日いつでも受け付けています(0120-631-881)。
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爆破予告で威力業務妨害事件

2019-05-10

爆破予告で威力業務妨害事件

Aさんは、京都市東山区にある商業施設に電話し、「商業施設内に爆弾をしかけた。今日の昼12時に爆破する」と爆破予告の電話をかけました。
商業施設は爆破予告を受け、京都府東山警察署に通報しました。
そして、商業施設の従業員や利用客を避難させ、爆発物の探索等が行われましたが、商業施設から爆発物は見つかりませんでした。
捜査の結果、爆破予告をしたのがAさんであることが判明し、Aさんは京都府東山警察署威力業務妨害罪の容疑で逮捕されることとなりました。
(※令和元年5月8日産経新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・威力業務妨害罪

Aさんは、商業施設に爆破予告をしたことから、威力業務妨害罪の容疑で逮捕されています。
威力業務妨害罪は、刑法234条に規定されている犯罪です。

刑法234条(威力業務妨害罪)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

この「前条」とは、刑法233条の偽計業務妨害罪のことを指しています。

刑法233嬢(偽計業務妨害罪)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

つまり、「威力を用いて人の業務を妨害」して威力業務妨害罪となれば、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられるということになります。

威力業務妨害罪の「威力」とは、「犯人の威勢、人数及び四囲の状勢からみて、被害者の自由意思を制圧するにたりる勢力」を指すと言われています(最判昭和28.1.30)。
威力業務妨害罪と先ほど挙げた偽計業務妨害罪との違いとしては、威力業務妨害罪で用いられる「威力」が相手の意思を制圧してしまうものであるのに対し、偽計業務妨害罪で用いられる「偽計」は相手の錯誤(勘違い)を誘発するものであるという部分が挙げられます。
なお、どちらの場合においても、これらの犯罪が成立するには現実に相手が抑圧されたり錯誤に陥ったりされる必要はないとされています。

そして、威力業務妨害罪が保護している「人の業務」とは、人が社会的地位に基づいておこなう職業やその他継続して従事することを必要とする仕事を言います。
仕事や業務という言葉があるものの、「人の業務」は経済的な収入を得る目的のものでなくともよいとされています。
威力を用いてこの「人の業務」を妨害した者が威力業務妨害罪となるのですが、威力業務妨害罪の成立には、実際に業務が妨害されたという事実は不要であり、業務が妨害される危険が発生すればよいと考えられています。

・Aさんの威力業務妨害事件

今回のAさんの威力業務妨害事件を検討してみましょう。
Aさんは商業施設に爆破予告をしています。
爆破予告があったことで、商業施設としては利用客や従業員の安全のために、商業施設を通常通り営業することはできなくなりました。
今回のケースでは、爆破予告をすることで商業施設側の自由意思を制圧していると考えることができますから、たとえ実際に爆発物を仕掛けていなかったとしても、「威力」を用いていると考えることができます。
そして、爆破予告によって商業施設は通常営業をすることができなくなっていますから、「業務を妨害した」とも言えるでしょう(先ほど触れた通り、もしも商業施設が実際に営業を取りやめるといったことをしなくても、営業を妨げる危険が認められれば「業務を妨害した」と認められます。)。
以上のことから、Aさんには商業施設に対する威力業務妨害罪が成立すると考えられます。

加えて、今回のような場合には、商業施設に対する威力業務妨害罪だけでなく、警察に対する威力業務妨害罪が成立する可能性もあります。
爆破予告があったと通報があれば、警察は出動して警戒を強化する、爆発物の捜索をする等の対応をしなければなりません。
通常警察官が行っている仕事も業務妨害罪の「人の業務」ですから、爆破予告によって警戒を強化させることで本来の「業務」を滞らせた場合には、警察に対する威力業務妨害罪も成立する可能性があるのです。

爆破予告による威力業務妨害事件は度々報道される刑事事件ではありますが、このように、被害者が複数生じてしまうこともあります。
また、今回のAさんのように、複数の企業がテナントとして入っている商業施設などを対象として威力業務妨害事件を起こしてしまった場合には、示談交渉等を行う際にも交渉や検討が複雑化する可能性もあります。
だからこそ、威力業務妨害事件でお困りの際は、刑事事件に強い弁護士のフォローを受けることがおすすめです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、専門スタッフが24時間いつでも、相談者様に合ったサービスのご案内を受け付けています。
爆破予告等による威力業務妨害事件にお困りの際は、0120-631-881までお電話ください。
京都府東山警察署までの初回接見費用:3万4,100円)

滋賀県守山市で建造物等損壊・器物損壊事件③

2019-05-04

滋賀県守山市で建造物等損壊・器物損壊事件③

~前回からの流れ~
Aさんは、滋賀県守山市に住んでいます。
Aさんは、隣の家に住むBさんとの折り合いが悪く、日頃から小さなトラブルを頻繁に起こしていました。
ある日、Aさんは…
①Vさん宅に招かれた際、Vさん宅の部屋を仕切っているふすまを蹴り壊しました。
②Vさん宅の外壁を斧で殴りつける等して壊しました。
③Vさん宅の玄関の扉を金属バットでたたく等して壊しました。
Aさんは、通報を受けて捜査を開始した滋賀県守山警察署に逮捕されたのですが、まさか自分の家族が刑事事件の被疑者として逮捕されるとは思ってもいなかったAさんの家族は戸惑い、まずは詳しい話を聞きたいと、京都府滋賀県刑事事件を取り扱っている弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・2つの犯罪の弁護活動

前回の記事では、Aさんの①~③の行為にそれぞれ建造物等損壊罪器物損壊罪が成立するということを取り上げました。

刑法260条(建造物等損壊罪)
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。

刑法261条(器物損壊罪)
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

前々回の記事でも取り上げましたが、この2つの犯罪の大きな違いは「親告罪」であるかどうかという点です。
親告罪は、告訴がなければ起訴されない犯罪のことを言います。
告訴とは、犯罪被害の申告に加えて、犯人の処罰を求める申し出のことです。
なお、こちらも刑事事件の手続きでよく使われる「被害届」については、犯罪被害の申告のみを指します。
建造物等損壊罪は非親告罪といい、起訴に告訴を必要としない犯罪ですが、器物損壊罪は親告罪です。
ですから、器物損壊事件で被疑者となった場合には、起訴前に被害者と告訴を出さない、又は告訴を取り下げる内容の入った示談することができれば不起訴になるということになります。
そのため、器物損壊事件では早急な謝罪と示談交渉が求められます。

もちろん、建造物等損壊事件においても被害者への対応は非常に重要です。
器物損壊罪のように親告罪ではないにせよ、建造物等損壊罪も被害者の存在する犯罪ですから、被害者への謝罪や弁償ができているのかどうか、被害感情がどの程度であるのかといったことは処分を決めるに際して重要視されます。
そのため、親告罪のように起訴前に示談締結となったとしても必ずしも不起訴になるわけではないとしても、示談交渉を後回しにしてしまったりおろそかにしてしまったりということはおすすめできません。

また、建造物等損壊罪器物損壊罪のもう1つの大きな違いは、器物損壊罪には罰金刑の規定があるのに対して、建造物等損壊罪には懲役刑のみの規定となっています。
罰金刑の場合、100万円以下の罰金であれば略式手続という手続きを取ることができます。
略式手続が取られた場合には、公開の法廷に立つ必要はなく、罰金を支払うことで事件の終息となります。
罰金刑の規定がないということは、この略式手続を取ることができないということです。
先ほどあげたように、建造物等損壊罪には罰金刑の規定がありませんから、建造物等損壊罪で起訴されるということは公開の法廷に立ち、正式な刑事裁判を受けるということになるのです。
刑事裁判の弁護活動は早期から準備することでより充実したものになります。
先ほど触れた示談交渉も、起訴前に締結し、評価してもらうことができればそもそも刑事裁判になることを避けられる可能性が出てきますし、刑事裁判になったとしても有利に働く証拠として使うことができます。

今回のAさんのような、近所に住んでいる人同士のトラブルから刑事事件に発展したような場合には、もちろん事件の性質も関連しますが、被疑者と被害者の接触の可能性があるとして逮捕されてしまうことも考えられます。
逮捕されてしまえば当然家族にも会社にも自由に行き来することはできませんし、連絡を入れることもできません。
さらに、先述した示談交渉に取り掛かろうにも、被疑者本人は身体拘束されてしまっていますし、そうでなくともさらなるトラブルを起こしたくないという懸念や被害感情から連絡自体を断られてしまったり、当事者同士での話し合いによりさらにこじれてしまったりというケースも考えられます。
こうしたことから、建造物等損壊事件器物損壊事件では、早急に弁護士に相談することが必要であると言えます。
0120-631-881では、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の専門スタッフが、弊所弁護士によるサービスのご案内を行っています。
逮捕されている方もそうでない方も、京都滋賀刑事事件にお困りの際はお気軽にお電話ください。

滋賀県守山市で建造物等損壊・器物損壊事件②

2019-05-03

滋賀県守山市で建造物等損壊・器物損壊事件②

~前回からの流れ~
Aさんは、滋賀県守山市に住んでいます。
Aさんは、隣の家に住むBさんとの折り合いが悪く、日頃から小さなトラブルを頻繁に起こしていました。
ある日、Aさんは…
①Vさん宅に招かれた際、Vさん宅の部屋を仕切っているふすまを蹴り壊しました。
②Vさん宅の外壁を斧で殴りつける等して壊しました。
③Vさん宅の玄関の扉を金属バットでたたく等して壊しました。
Aさんは、通報を受けて捜査を開始した京都府城陽警察署に逮捕されたのですが、まさか自分の家族が刑事事件の被疑者として逮捕されるとは思ってもいなかったAさんの家族は戸惑い、まずは詳しい話を聞きたいと、京都府滋賀県刑事事件を取り扱っている弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

前回の記事では、Aさんの行為に成立しうる2つの犯罪、建造物等損壊罪と器物損壊罪について取り上げました。

刑法260条(建造物等損壊罪)
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。

刑法261条(器物損壊罪)
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

今回の記事では、Aさんの①~③の行為がそれぞれと建造物等損壊罪器物損壊罪、どちらに当たりうるのでしょうか。

・①について

上記事例の①で、AさんはVさん宅の部屋を仕切っているふすまを蹴り壊しています。
家の中にある戸を壊していることから、建造物等損壊罪となるのではないかとも思えます。
しかし、建造物等損壊罪の「建造物」の一部であると言えるためには、毀損しなければ取り外しができない状態であることを要するとされています(大判明43.12.16)。
例えば、畳は一見建物の一部のように見えますが、取り外しが容易であることから「建造物」の一部とは認められません。

今回のAさんが破壊したのはふすまであり、ふすまは取り外しが容易であることから「建造物」の一部とは認められず、器物損壊罪が成立するにとどまると考えられます。

・②について

次に、上記事例の②について検討しましょう。
AさんはVさん宅の外壁を殴りつけるなどして壊しています。
①で見た条件を考えると、住宅の外壁は住宅から取り外すことはできませんし、Vさん宅が「建造物」であることは疑いようがありません。

こうしたことから、②ではAさんに建造物等損壊罪が成立すると考えられます。

・③について

③では、AさんはVさん宅の玄関の扉を壊しています。
①で取り上げたような考え方を使えば、玄関の扉は取り外しができるものであることから、「建造物」の一部とは考えられず、器物損壊罪が成立するように思われます。
しかし、実は建造物等損壊罪の「建造物」については、単純に取り外しできるかどうかだけで判断されるわけではありません。

「建造物」かどうかの判断の際には、その物がどれほど建造物と接合しているのか、その物が建造物の機能にとってどれほど重要なのかというったことが総合的に判断されます。
今回のAさんの③の行為のような、玄関の扉を壊した過去の事例では、玄関の扉は建造物の建物内と外界との遮断や防犯、防風、防音といった機能を担っていることから「建造物」の一部であると認められたものがあります(最判平19.3.20)。
ですから、今回の③についても、玄関の扉を破壊した行為については建造物等損壊罪が成立すると考えられるのです。

法律名からは違いが分かりやすいように思える建造物等損壊罪器物損壊罪ですが、法律の細かい解釈まで知っていなければ、どちらが成立するのが適当であるのか判断することは非常に難しいです。
だからこそ、建造物等損壊事件器物損壊事件の被疑者となってしまったら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士までご相談ください。
弊所の刑事事件専門の弁護士が、成立する犯罪やそれに伴った手続き、見通しについて丁寧にご相談に乗らせていただきます。
(お問い合わせ:0120-631-881

滋賀県守山市で建造物等損壊・器物損壊事件①

2019-05-02

滋賀県守山市で建造物等損壊・器物損壊事件①

Aさんは、滋賀県守山市に住んでいます。
Aさんは、隣の家に住むVさんとの折り合いが悪く、日頃から小さなトラブルを頻繁に起こしていました。
ある日、Aさんは…
①Vさん宅に招かれた際、Vさん宅の部屋を仕切っているふすまを蹴り壊しました。
②Vさん宅の外壁を斧で殴りつける等して壊しました。
③Vさん宅の玄関の扉を金属バットでたたく等して壊しました。
Aさんは、通報を受けて捜査を開始した滋賀県守山警察署に逮捕されたのですが、まさか自分の家族が刑事事件の被疑者として逮捕されるとは思ってもいなかったAさんの家族は戸惑い、まずは詳しい話を聞きたいと、京都府滋賀県刑事事件を取り扱っている弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

Aさんは、隣の家に住むVさんの家に関連する物を壊したことによって逮捕されています。
今回の事例で成立が考えられる犯罪は、建造物を壊した時に成立する「建造物等損壊罪」と、物を壊した時に成立する「器物損壊罪」でしょう。
まずはこの2つの犯罪がどういった犯罪であるのか確認してみましょう。

・建造物等損壊

建造物等損壊罪は、刑法260条に規定されている犯罪です。

刑法260条(建造物等損壊及び同致死傷)
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、5年以下の懲役に処する。
よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

建造物等損壊罪は、「建造物」か「艦船」を「損壊」した場合に成立する犯罪です。
この建造物等損壊罪の対象となる「建造物」とは、家屋やそれに類似する建築物を指すとされており、「建造物」と認められるには、屋外を有し障壁又は柱材で支えられて土地に定着し、その内部に人が出入りできるようになっていることが求められるとされています。
つまり、外塀や門については建造物等損壊罪の「建造物」とは認められないことになります。

そして、「損壊」とは、単純に物理的にその「建造物」を壊すということだけではなく、その効用を滅却・減損させることをいうとされています。
ですから、何かの建物を破壊した時はもちろん、その「建造物」の用途をなくさせたり、価値を下げてしまうようなことをしてしまったりすれば、建造物等損壊罪の「損壊」をしたということになります。
例えば、建物の外壁に大々的にペンキで落書きをしたような場合には、その建物の外観や美観を著しく損ねることになり、さらに原状回復に相当な困難を生じさせることから、その建物(「建造物」)の効用を減損させたとして建造物等損壊罪が成立する場合があります。

・器物損壊罪

器物損壊罪は、刑法261条に規定されている犯罪です。

刑法261条(器物損壊罪)
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

器物損壊罪の条文の「前3条」とは、先ほど触れた建造物等損壊罪と、公文書等毀棄罪、私文書等毀棄罪のことを指します。
つまり、この3つの犯罪の客体に当てはまらない「他人の物」を「損壊」又は「傷害」することで器物損壊罪が成立する、ということになります。
なお、この「他人の物」には、動産・不動産のほか、動物も含まれますから、他人のペットを傷つけたような場合にも器物損壊罪となります。

器物損壊罪のいう「損壊」は、先ほどの建造物等損壊罪でも類似の説明を行いましたが、物理的にその物を壊してしまうことのほか、物本来の効用を失わせることも含みます。
例えば、他人の食器に対して放尿した場合に器物損壊罪を認めた事例が見られます(大判明42.4.16)。
これは、食器に放尿するという行為によって、食器本来の効用である飲食に使用するということができなくなってしまう(洗ったとしても放尿された食器を使用して飲食するということは難しいと考えられる)ため、物の効用を失わせたと判断されたのです。

そして、器物損壊罪を考える上で重要な点の1つとして、器物損壊罪が親告罪であることが挙げられます。

刑法264条
第259条、第261条及び前条の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
(※注:刑法261条が器物損壊罪)

親告罪とは、告訴がなければ起訴できない犯罪のことで、告訴とは、被害者等の告訴権者が、捜査機関等に対して犯罪被害の申告に加えて、犯人への処罰を希望する申告を言います。
ですから、器物損壊罪については、告訴がなされる前に示談を締結して告訴を出さないようにしてもらうか、告訴が出されてから起訴されるまでの間に示談を締結して告訴を取り下げてもらうかすることによって、起訴されることなく、前科がつくことを回避することができます。

一見違いが分かりやすいように見える2つの犯罪ですが、実はAさんのような事例の場合、どのような判断がなされるかは専門知識が必要となってきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件について、自分が犯してしまった犯罪が何なのか、またどういった時に成立するどういった犯罪なのか、ということから、その犯罪での弁護活動はどういったものが考えられるのか、見通しはどういったものなのか、というところまで、刑事事件専門の弁護士が丁寧にお答えいたします。
京都府滋賀県刑事事件にお悩みの際は、まずは一度、弊所弁護士までご相談ください。
次回の記事では、Aさんの①~③についてそれぞれ何罪が成立するのかを検討していきます。
滋賀県守山警察署までの初回接見費用:4万1,200円)

飲酒の上で傷害事件③

2019-04-29

飲酒の上で傷害事件③

~前回からの流れ~
滋賀県草津市に住むAさんは、友人たちとの飲み会をした後、自宅に帰るためにバスに乗り込んだところ、酔っぱらって眠ってしまった。
Aさんが目を覚ますと滋賀県草津警察署の警察官に囲まれており、バスの終点でAを起こそうとした運転手Vさんに対し、「俺の眠りを邪魔するな」等と言いながら殴りかかり、怪我を負わせたとのことだった。
Aさんは「酔っていて何も覚えていない」と警察官に話したところ、傷害罪の容疑で逮捕されてしまった。
Aさんは、滋賀県草津警察署に引致されたところで、家族の依頼によってやってきた、京都府滋賀県刑事事件に対応している弁護士と面会することになった。
Aさんは弁護士に、飲酒によって何も記憶がないが、今回の傷害事件がどういった風に進んでいくのか相談することにした。
(フィクションです。)

前回の記事では、記憶をなくすほど飲酒をして酔っ払っていたAさんにも責任能力が認められ、傷害罪が成立する可能性があることについて触れました。
今回は、Aさんのように飲酒した際に酔っ払って傷害事件を起こしてしまったような場合に考えられる弁護活動について詳しく取り上げていきます。

・飲酒時の傷害事件での弁護活動

1 取調べ対応
まず、自分の犯行を思い出せない場合には、そもそも冤罪である可能性があるので、警察官の取調べに対し安易に事実を認めるのは危険です。
また責任能力は、前回の記事で述べたように様々な要素を総合的に考慮する、極めて専門的な判断になります。
ですので、気付かないうちに誘導されてしまい、自分の認識とは異なる不利な事実を認める調書を作成されてしまう場合もあります。
取調べのプロと相対する捜査機関での取調べにおいて、逮捕された方が自分一人で適切に答えるのは非常に難しいと言えます。

したがって、逮捕された場合には、どれだけ早くすぐに弁護士が接見し、逮捕された方の認識などを聴き取って、どのように取調べに対応すれば自分の言い分をきちんと伝えられるのかといったアドバイスをできるどうかかが重要になります。
逮捕直後から取調べは行われるので、弁護士の接見は早いに越したことはありません。

2 示談
飲酒して自分の犯行を覚えていないという事件では、被害者の方の話に加えて、防犯カメラなどの客観的証拠が重要になってきます。
特に防犯カメラの映像などは、逮捕直後には見せられず、捜査の進行にしたがってこれらの証拠を見せられ、自分の犯行状況を確認することもあります。

そして、覚えていないが自分の犯行に間違いなく、責任能力を争うことも難しいとなった場合には、被害者の方と示談することを目指していくことが考えられます。
被害者の方に賠償金を支払い、示談を締結することで、身体拘束から早期に解放される可能性を高めたり、最終的に不起訴となる可能性を高くすることができるので、飲酒によってはっきり事件の事を覚えていないとしても、示談は非常に重要になります。

しかし、飲酒により犯行を覚えていない場合には、そもそも積極的に示談を進めるかどうかについても、逮捕された方に見せられる証拠や供述などを分析した上で慎重な判断が求められます。
また、被疑者と被害者という当事者同士では、被害者との接触が許されない、感情的になり法外な賠償の要求を受けるなど、示談交渉をしたいはずであったのにトラブルになることもあります。
ですので、示談を検討する場合には同種の事件を多く経験している、刑事事件を専門に扱う弁護士に依頼することをお勧めします。

0120-631-881では、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士によるサービスについてのお問い合わせやお申込みを24時間365日いつでも受け付けています。
飲酒していた家族が夜中に逮捕されたと連絡がきた、飲み会から帰ってこなかった家族が逮捕されてしまったと聞いた、というようなときも、24時間いつでもお問い合わせが可能だからこそ、すぐにご連絡いただけます。
京都滋賀飲酒時の刑事事件にお悩みの際は、弊所弁護士までご相談ください。
責任能力の問題等複雑な事情の絡む刑事事件でも、刑事事件専門だからこそ、丁寧にご説明いたします。
滋賀県草津警察署までの初回接見費用:37,300円)

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