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深夜のホテルに侵入して金庫にある現金を奪い取った男を強盗罪の疑いで逮捕
深夜のホテルに侵入して金庫にある現金を奪い取った男を強盗罪の疑いで逮捕
深夜のホテルに侵入して金庫にある現金を奪い取った男が強盗罪の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事件概要
京都府右京警察署は、強盗罪の疑いで京都市内に住む自称フリーランスの男を逮捕した。
男は、京都市右京区にあるホテルに深夜侵入し、巡回していた夜間スタッフに日本刀を突きつけて金庫に保管されていた現金70万円を奪い取った疑いが持たれている。
取調べに対し男は、「取引先への支払のため緊急でお金が必要だった」と容疑を認めている。
(フィクションです)
強盗罪
刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
本件で、男はホテルの金庫にある現金を奪い取ろうとして深夜に侵入し、日本刀を夜間スタッフに突きつけたようです。
強盗罪では、ナイフなどの凶器が用いられることが多く、本件では日本刀が使用されたようです。
日本刀などの凶器を突きつけられると、被害者が死亡したり怪我をしたりといったことが発生しやすいと言えますから、強盗罪は、とても危険で悪質な犯罪と言えます。
強盗罪の法定刑が5年以上の有期懲役と非常に重たいのも、単に人の財産に対する侵害行為にとどまらず人の生命・身体・自由に対する侵害行為という側面も有する犯罪であるためです。
手段としての「暴行又は脅迫」
強盗罪の場合、暴行・脅迫は財物を無理やり奪い取る手段として規定されていますから、本罪における暴行とは、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使を意味し、脅迫とは、反抗を抑圧するに足りる程度の害悪の告知を言います。
また、反抗を抑圧するに足りる程度とは、簡単にいうと、抵抗することが困難な程度のことをいいます。
問題となった行為が、被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫であるか否かは、「社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものかどうか」という客観的基準によって決せられます(最判昭和24年2月8日)。
この判断は、暴行又は脅迫の態様、行為者及び被害者の状況、日時や場所などを総合考慮して判断されますが、特に重視されるのは、暴行又は脅迫の態様です。
本件の男は、ホテルの金庫の中にある金目のものを目当てに、深夜のホテルに忍び込み、夜間スタッフに対して日本刀を突きつけて現金70万を奪い取ったようです。
ホテルの夜間スタッフが男性であったとしても、日本刀を突きつけられれば多くの人は抵抗することができないでしょう。
もし抵抗すれば日本刀で切りつけられ大怪我をしたり、最悪の場合には命を落とす可能性があるからです。
したがって、男が夜間スタッフに対し、日本刀を突きつけた行為は、反抗を抑圧するに足りる程度の有形力の行使、すなわち強盗罪における暴行にあたりそうです。
本件では、反抗を抑圧するに足りる程度の暴行によって現金70万円を奪っていますので、強盗罪が成立する可能性があります。
できるだけ早く弁護士に相談を
強盗罪を犯してしまった場合には、被害者との間で示談をまとめることができるかどうかが重要となります。
というのは、強盗罪の量刑は5年以上の懲役であり、示談がまとまらない場合には執行猶予がつくための要件である下された量刑が3年以下であるという要件を満たすことができない可能性があるからです。
逆に、示談をまとめることができれば、刑が減軽され、下される量刑が3年以下となり執行猶予がつく可能性があります。
本件で日本刀を突きつけられた被害者のように、強盗罪の被害者は加害者に対して恐怖心を持っていたり、強い処罰感情を有していると考えられますから、加害者自ら示談交渉を行うことは得策ではありません。
加害者が直接連絡を取ろうとしても被害者に拒絶される可能性が高いですが、弁護士であれば交渉に応じてくれることは少なくありません。
示談交渉は、法律のプロである弁護士に一任されることをおすすします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、強盗事件を含む豊富な刑事弁護の経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弊所の弁護士が交渉を行うことで、下される量刑を減軽させたり、執行猶予付判決を得たりすることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。
高額なトレーディングカードをカードショップから盗んだ容疑で男を逮捕
高額なトレーディングカードをカードショップから盗んだ容疑で男を逮捕
高額なトレーディングカードをカードショップから盗んだ容疑で男が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事件概要
京都市中京区に住む会社員のAは、子供の頃から大好きだったトレーディングカードを収集する趣味を持っていました。
ある日、Aは普段からよく訪れる京都市内のカードショップで、ずっと欲しかった高額なトレーディングカードが展示されているのを見かけました。
そのカードは非常に高価で、Aには購入する余裕がありませんでした。
事件当日、Aはいつものようにカードショップを訪れ、高額カードが展示されている棚の鍵がかかっていないことに気付きました。
衝動に駆られたAは、ついそのカードを盗んでしまいました。
犯行の様子は店内の防犯カメラに録画されており、後日、京都府中京警察署の警察官によって窃盗罪の容疑で逮捕されました。
取調べに対し、Aは「ずっと欲しかったが値段が高くて買えなかったため、つい盗んでしまった」と容疑を認めています。
(フィクションです)
窃盗罪とは
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃取とは、他人の占有する財物を、その占有者の意思に反して自己または第三者の占有に移転することを言います。
まず、占有が認められるためには、客観的要件としての財物に対する事実的支配(客観的支配)と、主観的要件として財物に対する支配意思が必要です。
例えば、他人が自由に出入りすることができない自宅などの閉鎖的な支配領域内に置いている物には、家主の客観的支配が認められます。
また、家の中にある物については、家主はそれが自分のものだという支配意思もあるでしょう。
したがって、家の中に置いているものについては、家主が占有していると考えられます。
本件のAは、カードショップで展示されていた高額なトレーディングカードを衝動的に盗んだようです。
このカードは、ショップの展示棚に置かれていたものであり、店側にはこのカードに対する強い客観的な支配が認められそうです。
また、店側にはこのカードが当店のものであるという強い支配意思も有していたと考えられそうです。
したがって、カードショップは、このカードを占有していたと言えます。
そして、Aは、このカードを無断で持ち帰ろうとしたようです。
展示棚のカードは非売品であり、店側は店外に持ち出されることを想定していないでしょうから、Aは、当該カードをその占有者である店側の意思に反して自己の占有に移転したと言えます。
Aは、カードが店のものであると認識した上で、どうしても欲しいという気持ちから持ち去ろうとしたようですから、本件では窃盗罪が成立する可能性があります。
できるだけ早く弁護士に相談を
本件のように警察に逮捕されると、単に身柄を拘束されるだけでなく、容疑についての取調べが行われることになります。
取調べの内容は、調書として文書化されて、被疑者は確認の上それにサインするよう求められます。
サインしてしまった調書は、裁判で証拠として用いられることがあり、仮に、証拠として提出された場合にその内容を覆すのは非常に困難です。
調書は、取調べで供述した内容がそのまま一言一句記載されるわけではなく、取調べ室にいた警察官のフィルターを通して作成されます。
場合によっては、供述した内容と微妙に異なることがあり、その微妙な違いが後の裁判で有罪無罪の判断に大きく影響する可能性があります。
したがって、取調べ前に何をどのように供述するのかを整理しておく必要があります。
もっとも、法律に詳しくない一般の方にとって、どのように受け答えするのが適切か判断することは困難です。
そこで、できるだけ早い段階で弁護士に相談してアドバイスを受けることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、窃盗罪を含む豊富な刑事弁護の経験を持つ法律事務所です。
早い段階で弁護士に相談して取調べに対するアドバイスを得ておくことで、適切に取調べに対処することができ供述調書が思いがけず不利に働くことを防げる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回無料法律相談、初回接見サービスをご希望の方は、0120-631-881までお電話ください。
ご家族が逮捕されたら弁護士に相談を
ご家族が逮捕されたら弁護士に相談を
家族が逮捕されたと警察署から連絡が・・・突然の家族が逮捕された場合にはどうすればいいのでしょうか。
今回のコラムでは釈放を求める弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
7月7日の昼下がり、京都府伏見警察署から夫のAさんを逮捕したと連絡ありました。
突然の連絡にどうすればいいのかわからなくなったAさんの妻はインターネットで家族が逮捕された場合の対応を検索し、すぐに弁護士に相談をした方がいいことを知りました。
すぐさま弁護士に相談をするために土日祝日即日対応可能な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部に連絡し初回接見サービスを利用することにしました。
(事例はフィクションです。)
勾留阻止
刑事事件では、逮捕されると72時間以内に勾留の判断が行われます。
この勾留を阻止することができれば、勾留されることなく釈放されることになります。
勾留されてしまうと最長で20日間さらに身体拘束が続くことになりますから、会社に出勤することはできず、仕事先に事件のことを知られてしまったり、解雇などの処分にふされてしまう可能性があります。
弁護士は勾留判断前(逮捕後72時間以内)であれば、勾留請求に対する意見書を提出することができます。
この意見書を提出し、検察官や裁判官に釈放を求めることで、勾留されることなく早期釈放を実現できる可能性があります。
繰り返しになりますが、この意見書は勾留が判断される逮捕後72時間以内に提出しなければなりません。
釈放を求めるためには入念な準備が必要ですから、できる限り早い段階で弁護士に相談をすることが重要になります。
準抗告の申し立て
勾留が決定してしまった後であっても、裁判所に対して勾留決定に対する準抗告の申し立てをすることができます。
弁護士が裁判所に対して、家族の監督により逃亡や証拠隠滅のおそれがないことや会社を解雇してしまうおそれがあるなど被る不利益を訴え、釈放を求めることで釈放を認めてもらえる可能性があります。
初回接見サービス
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回接見サービスを行っています。
土日祝日であっても、ご依頼があれば弁護士が留置されている警察署に行き本人に接見を行います。
弁護士が接見をしてアドバイスを行うことで、少しでも良い結果を得られる可能性があります。
ご家族が逮捕された場合は、土日祝日即日対応可能な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
初回接見サービスのご予約は0120ー631ー881にで24時間365日受け付けております。
学校行事用物品の水増し請求により私立中学校総務部長が逮捕された事例
学校行事用物品の水増し請求により私立中学校総務部長が逮捕された事例
学校行事用物品の水増し請求により私立中学校総務部長が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事件概要
京都府中京警察署は、京都市中京区に住む私立中学校の総務部長である男性Aを逮捕しました。
Aは、学校行事に用いる物品の購入を一任されており、その際に物品の水増し請求を行った疑いが持たれています。
Aは、離婚後の養育費の支払いや住宅ローンの返済のため多額の資金が必要となり、その資金を捻出するために背任行為に及んだとされています。
Aは業者Pと共謀し、本来10万円程度の物品を30万円に水増し請求させ、差額の20万円をPと山分けをしていたようです。
年度末に学校の経理担当者が物品の購入金額の不自然さに気付き、校長に報告したことから事件が発覚。
取り調べに対し、Aは「家庭の問題で急に多額の金が必要になり、つい魔が差した」と容疑を認めています。
(フィクションです)
背任罪とは?
刑法247条が規定する背任罪は、他人のためにその事務を処理する者(①)が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的(②)で、その任務に背く行為(③)をし、本人に財産上の損害を加える(④)犯罪です。
背任罪の主体は、「他人のためにその事務を処理する者(①)」です。本件のAは、私立中学校Sの総務部長として、学校行事に用いる物品の購入を一任されていたため、背任罪が規定する「他人のためにその事務を処理する者」に当たる可能性があります。
また、背任罪が成立するためには、図利・加害目的すなわち「自己もしくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的(②)」が必要です。
ここでの「本人」とは事務処理を委託した者を言います。
本件では、私立中学校SがAに物品の購入を任せていたため、S校が「本人」にあたります。
そしてAは、「本人」である学校に支払わせた水増し請求分をPと山分けしていたため、自己と第三者の利益を図ったとして図利・加害目的があったと評価されそうです。
次に、背任行為すなわち「任務に背く行為(③)」が背任罪の成立に必要です。
背任行為とは、事務処理者として当該事情の下で信義則上当然行うべく期待される行為をしなかったことをいいます。
本件では、Aは、総務部長として業務に必要な物品を適切な金額で購入することを学校から任されていたにもかかわらず、それに反して業者と共謀し水増し請求を行い過大な代金を学校に支払わせていたため、背任行為があったと言えそうです。
最後に、「本人に財産上の損害を加えたこと(④)」も必要となります。本件では、学校は水増し請求により適正価格よりも20万円分多く支払っているため、Aは本人に財産上の損害を与えたと言えそうです。
以上より、本件では背任罪が成立する可能性が高いと言えます。
なるべく早く弁護士に相談を
背任罪を犯してしまった場合には、できるだけ早く弁護士に示談交渉を依頼することをお勧めします。
早い段階で被害者との間で示談を成立させ、真摯な謝罪と損害を弁償することができれば、不起訴処分になる可能性があります。
仮に不起訴処分にならなかったとしても、判決前に被害者との間で示談を成立させることができれば、量刑が軽くなったり執行猶予付判決を得ることができるかもしれません。
本件のAのように、加害者は被害者からの信頼を裏切り損害を与えた人物であるため、被害者は加害者に対し強い処罰感情を持っている可能性があります。
加害者本人が示談交渉に乗り出すのは得策ではありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、背任事件など刑事事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、不起訴処分の獲得のほか、量刑を軽くしたり執行猶予付判決を得ることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。
友人から預かっていた高級ワインを無断で飲んでしまった男が横領罪の疑いで逮捕された事例
友人から預かっていた高級ワインを無断で飲んでしまった男が横領罪の疑いで逮捕された事例
友人から預かっていた高級ワインを無断で飲んでしまった男が横領罪の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
京都府中京警察署は、京都市中京区に住む会社経営の男性A(45)を横領罪の疑いで逮捕した。
京都府中京警察署によると、自宅に取引先を招いて接待をすることになったAは、取引先の重役がワイン愛好家であると知り、話の種にでもなればいいと考えて、海外のワインを専門的に取り扱う店を経営する知人Bに、希少価値の高いワインを接待中だけ数本自宅に置かせてもらえないかと頼んだ。
Bは、大切に扱い接待が終わり次第返却することを条件に、希少価値の高い百万円以上する非売品のワインを1日だけ預けることに承諾した。
ところが、Aは、接待当日に取引先の重役とワインの話で盛り上がり気が大きくなり、ワインを開けて振る舞ってしまった。
それを知って怒ったBは京都府中京警察署に被害届を提出した。
(フィクションです)
横領罪とは
刑法252条1項
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。
本件では、Aは、経営者の知り合いであるBから、希少価値の高いワインを一時的に家に置かせてもらうという約束だったにもかかわらず、そのワインを飲んでしまい横領罪の疑いで逮捕されています。
横領罪とは、簡単にいうと他人から預かっている物などを売ったりしてしまうと成立する犯罪です。
まず、252条1項に書かれている通り、横領罪を犯すことができるのは、他人の物を占有している人に限られます。
本件では、Aは、ワイン専門店を経営するBからの高級ワインを預かっていますから、Aには横領罪が成立する可能性があります。
次に、横領罪の客体は、条文上「自己の占有する他人の物」とされていますが、文字通り自己の占有する他人の物すべてが客体となるわけではありません。
偶然に自己が占有することになった物を横領する行為については、刑法254条の占有離脱物横領罪が成立します。
したがって、252条の横領罪の客体となるのは、持ち主から頼まれて預かった場合のように、委託信任関係を原因として支配下にある他人の物に限定されます。
本件では、Aは、Bが大事に持っていたワインを接待日限定で預かっていたようですから、このワインは、252条の横領罪の客体となる可能性があります。
そして、本罪の行為は、横領することです。
横領とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、他人の物に対し経済的用法に従って所有者でなければできないような処分をする行為です(最判24年3月8日)。
例えば、物を売るという行為や、食べ物などを消費するという行為は、その所有者にしか許されない行為ですから、横領に当たります。
本件では、Aは、接待日にワイン好きの取引先の重役と話が弾むことを期待して、その日限定でワインを数本預かっていたにもかかわらず、その任務に背きワインをその場で振る舞ってしまったようです。
したがって、Aの行為は横領にあたり、横領罪が成立する可能性があります。
加えて、横領罪が成立するためには、故意すなわちAが横領にあたる行為を認識しながら実行したことが必要です。
Aは、Bから本件ワインを購入したわけではなく、接待日に飾りとして家に置かせてもらっていただけですから、Bのものであると認識していながらあえてワインを消費したと言えそうです。
したがって、故意もあったということになり、横領罪が成立する可能性があります。
詐欺罪
今回の事例ではAの意図によっては、横領罪ではなく詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺罪とは簡単に説明すると、財物の交付について重大な事項について嘘をつき、嘘を信じた相手から財物を受け取ると成立する犯罪です。
例えば、AがはなからBにワインを返すつもりがないのに、接待が終わり次第返すと嘘をついてBからワインを受け取ったのであれば詐欺罪が成立します。
ですが、今回の事例では気が大きくなったAがワインをふるまってしまったようなので、おそらくBからワインを預かった段階で騙し取ろうと考えていたわけではないでしょうから、横領罪が成立すると考えられます。
なるべく早く弁護士に相談を
横領罪は他の多くの犯罪と同様に被害者のいる犯罪です
しかし、加害者と被害者は見ず知らずの他人ではなく、元々物を預けるというような信頼関係があるという特徴があります。
知らない仲ではないため、被害弁償がされれば被害届を出さない被害者もいらっしゃるようです。
したがって、きちんと謝罪と被害弁償をして示談をすれば、被害届が提出されず、事件化を防げる可能性があります。
横領罪の場合、被害者と加害者は知り合いではあるものの、被害者からすると加害者は、信頼して物を預けていたのにその信頼を裏切った人物ですから、逮捕されずに自由に動ける場合でも加害者自ら示談交渉を行うのは得策ではありません。
場合によっては、妥当な金額とは言えない金銭や条件を要求されるかもしれません。
そこで、示談交渉は、交渉のプロである弁護士に一任されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、横領事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が、被害者側と示談交渉を行うことで示談を成立させることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
コンビニで500円分のお菓子を万引きし窃盗罪の容疑で逮捕された事例
コンビニで500円分のお菓子を万引きし窃盗罪の容疑で逮捕された事例
コンビニで500円分のお菓子を万引きした事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
就職活動中である大学4年生のAさんは、京都府亀岡市にあるコンビニで500円分のお菓子を万引きしました。
万引きの一部始終を見ていた店員に通報され、Aさんは京都府亀岡警察署の警察官に逮捕されることになりました。
(事例はフィクションです。)
万引きと犯罪
お店などで掲示されているポスターで「万引きは犯罪です」などと記載されたものを見たことがある方も多いかと思います。
万引きをするとどのような罪に問われるのでしょうか。
日本では、万引き罪といった罪はなく、万引きをした場合の多くは窃盗罪が成立します。
窃盗罪は刑法第235条で規定されています。
刑法第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
窃盗罪を簡単に説明すると、人の物をその人の許可なく、自分や他人の物にすると成立する犯罪です。
万引きでは、お店が所有している商品をお店の許可なく、自分の物にするわけですから、窃盗罪が成立します。
今回の事例では、Aさんは500円分のお菓子を万引きしたようなので、窃盗罪が成立する可能性が高いといえます。
万引きと前科
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
罰金刑を科されたり、執行猶予付き判決を獲得できたとしても前科になりますから、窃盗罪で有罪になると必ず前科が付くことになります。
Aさんは現在大学4年生であり、就職活動中です。
Aさんは、就職活動に悪影響を及ぼさないように、何としてでも前科を避けたいようです。
万引きと不起訴処分
不起訴処分とは起訴されない処分のことをいいます。
起訴されなければ有罪になることはありませんから、前科も付くことはありません。
弁護士による弁護活動で不起訴処分を得られる可能性があります。
万引き事件では、お店に謝罪と賠償をすることで、不起訴処分を得られる可能性があります。
ですが、お店によっては謝罪や賠償の申し出を受け入れてもらえないことも少なくありません。
一度断られた場合であっても、再度弁護士が申し入れをすることによって示談を受け入れてもらえる場合がありますので、示談交渉は弁護士に任せることが望ましいでしょう。
また、弁護士は検察官に対して処分交渉をすることができます。
被害額が高額とはいえないことや初犯であり悪質性が高いとはいえないこと、お店側と示談を締結していることなど、弁護士が有利に働く事情を訴え不起訴処分を求めることで、不起訴処分を得られる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
万引き事件で逮捕された方、現在捜査を受けている方は、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
【事例紹介】腕をつかんで性的乱暴を加えようとしたとして不同意性交等致傷罪で逮捕された事例
【事例紹介】腕をつかんで性的乱暴を加えようとしたとして不同意性交等致傷罪で逮捕された事例
性的乱暴を加えようとしたとして不同意性交等致傷罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
京都府綾部市内のホテルで20代の女性に性的乱暴を加える目的で、両腕をつかむなどしてけがを負わせたとして28歳の作業員の男が逮捕されました。
(6月16日 NBC長崎放送 「性的暴行を加える目的で 女性にけがを負わせる 不同意性交等致傷の疑いで男(28)を逮捕」より地名・警察署名を変更して引用しています。)
綾部警察署の調べによりますと、(中略)容疑者は(中略)京都府綾部市内のホテルで20代の女性に性的乱暴を加える目的で両腕をつかむなどして全治1週間のけがを負わせた疑いがもたれています。
事件後、(中略)容疑者が、金を支払わず、現場を立ち去ったことから、ホテルが警察に通報。被害女性から事情を聞くなどした警察は(中略)容疑者を不同意性交等致傷とホテルの宿泊代などを支払わなかった詐欺(無銭飲食)の疑いで逮捕しました。
(後略)
不同意性交等罪
刑法第177条1項
前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。
不同意性交等罪とは簡単に説明すると、相手の同意を得ずに性交等にあたる行為をすると成立する犯罪です。
今回の事例では、被害者に性的乱暴を加える目的で両腕をつかんだと報道されています。
腕をつかむ行為は暴行にあたりますし、刑法第176条1項1号では「暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。」と規定されています。
ですので、暴行は刑法第177条1項が規定する「前条第一項各号に掲げる行為」にあたることになります。
不同意性交等罪は未遂でも罰せられます(刑法第180条)ので、実際に容疑者が被害者の同意なく性行為をしようと被害者の両腕をつかんだが、性行為はできなかったのであれば、不同意性交等未遂罪が成立する可能性があります。
不同意性交等致傷罪
刑法第181条2項
第百七十七条若しくは第百七十九条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する。
不同意性交等致傷罪は簡単に説明すると、不同意性交等罪、不同意性交等未遂罪、監護者性交等罪、監護者性交等未遂罪を犯して人にけがをさせた場合に成立する犯罪です。
不同意性交等罪だけでなく、不同意性交等未遂罪も不同意性交等致傷罪の対象となりますので、性交等をしなかった(未遂で終わった)としても、相手にけがを負わせた場合には不同意性交等致傷罪が成立することになります。
先ほど述べたように、今回の事例では不同意性交等未遂罪が成立する可能性があります。
また、報道によれば、被害者の両腕をつかんで全治1週間のけがを負わせたとされていますから、容疑者には不同意性交等致傷罪が成立するおそれがあります。
不同意性交等致傷罪の法定刑は、無期又は6年以上の懲役であり、刑法の中でも比較的刑罰の重い犯罪だといえます。
弁護士による示談交渉や取調べ対策などの弁護活動で、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得したり、少しでも科される罪を減刑できるかもしれません。
不同意性交等致傷罪で逮捕・捜査されている方、その他刑事事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
SNS上で隣人を薬物中毒者と言って名誉を毀損した事例
SNS上で隣人を薬物中毒者と言って名誉を毀損した事例
SNS上で隣人を薬物中毒者と言って名誉を毀損した事例について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事件概要
京都府東山警察署は、京都市東山区に住む60代の男性Aを逮捕した。
Aは、隣に住むVさんに昼夜問わず大音量でテレビを流されたことで夜眠れなくなったため、たびたびVさんに音量を下げるよう要求したが、一向に聞き入れてくれなかった。
頭にきたAさんは、最近使い始めたSNSで、Vさんを本名で名指しして「Vは頭がおかしい。あいつは薬物中毒者で近所の人全員が迷惑にしてる」などと投稿した。
これに気づいたVさんは警察が相談したところ、Aさんは逮捕されるに至った。
取調べに対し、Aさんは「家族に愚痴を言う感覚で投稿してしまった。こんな大事になると思ってなかった。」と容疑を認めている。
(フィクションです)
名誉毀損罪
刑法230条1項
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
本件Aさんは、隣に住むVさんが昼夜問わずテレビを大音量で流すことに腹を立て、SNS上でVさんを頭のおかしい薬物中毒者などと罵ったようです。
本件Aの行為は名誉毀損罪にあたるのでしょうか?
まず、「公然と」というのは、摘示された事実を不特定または多数人が認識できる状態をいいます(最判昭和36年10月13日)。
不特定とは、相手方が限定されていないという意味です。
多数人とは、社会一般に知れわたる程度の人数という意味であり相当の多数であることを必要とします。
Aさんは、SNS上でVさんを、頭がおかしい薬物中毒者だと投稿しています。
SNS上の投稿は誰でもみることができますから、Aの書き込みは、不特定の人が認識できる状態にあったと言えそうです。
したがって、Aさんは「公然と」人の名誉を毀損したと言えそうです。
次に、「事実を摘示」したといえるかも問題となります。
ここでの事実とは、事実証明の対象となりうる程度に具体的であり、かつ、それ自体として人の社会的評価を低下させるような事実をいいます。
本件Aさんは、「Vが頭のおかしい薬物中毒者」と投稿しています。
頭のおかしい薬物中毒者かどうかは、真実かどうか照明の対象となりうる程度に具体的です。
また、頭のおかしい薬物中毒者と思われた場合、その人は関わってはダメな反社会的な人物であるとして、社会的評価が低下する可能性があります。
以上より、Aは、公然と事実を摘示してVさんの名誉を棄損したとして、名誉棄損罪が成立する可能性があります。
なお、名誉棄損罪の成立には、現実にAさんの発言によりVさんの名誉が棄損されたことが必要でしょうか?
この点、条文の文言からは必要であるように思われます。
しかし、被害者の名誉が現実に棄損されたかどうかの判断は非常に困難ですから、判例によれば被害者の名誉が現実に侵害される必要はありません(大判昭和13年2月28日)。
できるだけ早く弁護士に相談を
名誉毀損罪は親告罪ですから、Vさんが告訴しないければAさんは起訴されません(刑法232条)。
起訴されなければ、前科がつくこともありませんから、告訴を防げるかどうかは非常に重要です。
被害者の告訴を阻止するためには、被害者に真摯に謝罪をして告訴をしないという内容の示談をまとめることが重要になります。
もっとも、加害者が直接被害者と交渉することは得策ではありません。
Vさんからすれば、Aさんは自分のことを頭のおかしい薬物中毒者などとSNS上で投稿して自分の名誉を毀損するような行為をした人物ですから、通常は強い処罰感情を有しており、謝罪すら受け入れてもらえないかもしれません。
仮に交渉に応じてくれたとしても過大な要求をされる可能性もあります。
そこで、被害者との話し合いは、示談交渉のプロである弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者と連絡を取ることに強い抵抗を感じる被害者であっても、弁護士相手であれば交渉に応じてくれることは少なくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、名誉毀損事件を含む豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が示談交渉を行うことで、告訴されることを防げる可能性があります。
可能な限り早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
無料法律相談、初回接見サービスのご予約は、0120-631-881にて受け付けております。
【事例紹介】レストランで下半身を露出したとして公然わいせつ罪で逮捕された事例
【事例紹介】レストランで下半身を露出したとして公然わいせつ罪で逮捕された事例
レストランで下半身を露出したとして公然わいせつ罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。
事例
(前略)京都市のレストランで、下半身を露出したとして、23歳の男が逮捕されました。
(6月21日 HBCニュース 「「店内で大声を出している男性がいる」の通報受け、駆け付けると…なぜかレストランで“全裸”の23歳の男、その場で逮捕も「何もしていない」 現場は札幌市のススキノ」より地名を変更して引用しています、)
公然わいせつの疑いで逮捕されたのは、住所と職業不詳の23歳の男です。
(中略)警察は詳しい経緯については捜査中としていますが、従業員から「店内で大声を出している男性がいる」という通報を受け、駆け付けると、男が全裸だったため、その場で逮捕しました。
住所と職業不詳の23歳の男は、酒を飲んだ状態ではなく、取り調べに対しては「何もしていない」と話し、容疑を否認しています。
(後略)
公然わいせつ罪
刑法第174条
公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
公然わいせつ罪とは簡単に説明すると、不特定多数の人がわいせつ行為を認識できるような状態にすると成立します。
公然わいせつ罪が成立する行為の典型例として、全裸で路上を歩く行為などが挙げられます。
ですので、不特定多数の人がいるような状況で性器を露出する行為は公然わいせつ罪が規定するわいせつ行為にあたると考えられます。
今回の事例では、容疑者の男性がレストランで下半身を露出したと報道されています。
レストランは不特定多数の人が利用する場所ですし、そのような場所で下半身(性器)を露出する行為は、わいせつ行為にあたると考えられます。
ですので、容疑者が実際にレストランで下半身(性器)を露出したのであれば、公然わいせつ罪が成立する可能性があります。
公然わいせつ罪で逮捕されたら
刑事事件では、逮捕後72時間以内に勾留するかどうかの判断が行われます。
勾留が決定した場合には、最長で20日間勾留される可能性があります。
弁護士は勾留が決定するまでの間であれば、検察官や裁判官に勾留請求に対する意見書を提出することができます。
この意見書を提出し、釈放を求めることで、勾留されることなく釈放を認めてもらえる可能性があります。
勾留請求に対する意見書は、勾留が判断されるまでのあいだ、つまり、逮捕後72時間以内に提出する必要があります。
ですので、勾留阻止を求める場合には時間との勝負になります。
この意見書の提出を逃してしまうと、釈放を求める貴重な機会を2回も失ってしまうことになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は刑事事件に精通した法律事務所です。
数々の事件で釈放を実現させてきた弁護士に相談をすることで、ご家族を早期に釈放してもらえるかもしれません。
初回接見サービスを行っていますので、公然わいせつ罪などでご家族が逮捕された方は、お早めに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。
小学生からバックを脅し取った男を強盗罪で逮捕
小学生からバックを脅し取った男を強盗罪で逮捕
塾から帰宅途中の小学生からブランド物のバックを脅し取った男が強盗罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説いたします。
事例
京都府南警察署は、京都市南区内の大学に通う男子大学生A、Bを強盗罪の疑いで逮捕した。
AとBは、授業が終わって自宅に帰る途中に、高級ブランドのバックを持った小学生Vを見つけてバックを奪い取ってやろうと考えた。
Vが、ひとけのない道に入ったところで、2人は後ろから近づきAがVを羽交締めにし、Bが持っていたカッターナイフを見せつけながら「バックよこせ。抵抗するなら殺すぞ。バックから手を離せ」と言って強引にバックを奪い取った。
泣きながら自宅に帰ったVが両親にバックを取られたことを伝えたため、警察に被害届が出されAとBは逮捕されるに至った。
取調べに対し、Aらは「自分が必死にバイトして買おうとしていたバックを、小学生が持っていたので気に食わなくて自分のものにしてやろうと思ってやってしまった」と容疑を認めている。
(フィクションです。)
強盗罪とは
刑法236条1項
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
強盗罪は、量刑が5年以上の有期懲役ですから、非常に重たい犯罪の1つです。
銀行強盗のように、拳銃などの凶器を使用するなどして、被害者に抵抗することを難しくさせ、無理やりに財産を奪うような行為が強盗罪にあたります。
強盗罪は、単に人の財産に対する侵害行為にとどまらず人の生命・身体・自由に対する侵害行為という側面も有するため非常に重い刑が課されます。
本件のAとBは、小学生のVが持っていたブランド物のバックを、Vを羽交締めにしたりカッターナイフを見せつけたりするなどして無理やり奪ったようです。
手段としての暴行又は脅迫
強盗罪の場合、暴行・脅迫は財物を無理やり奪い取る手段として規定されていますから、本罪における暴行とは、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使を意味し、脅迫とは、反抗を抑圧するに足りる程度の害悪の告知を言います。
問題となった行為が、被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫であるか否かは、「社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものかどうか」という客観的基準によって決せられます(最判昭和24年2月8日)。
この判断は、暴行又は脅迫の態様、行為者及び被害者の状況、日時や場所などを総合考慮して判断されます。
本件では、AとBは、小学生のVが持っていたブランド物のバックを手に入れようとして、Vを羽交締めにした上で、カッターナイフをVに突きつけて、バックをよこさないと殺すなどと脅したようです。
小学生からすれば、大学生は体が大きくて力も自分より強い存在ですし、本件はAとBの2人がかりで犯行を行った上、Aらはカッターナイフを使用したようですから、Vが反抗することは困難であったと考えられます。
したがって、Aらが羽交締めしてカッターナイフを見せつけた行為は、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使、すなわち強盗罪における暴行に当たると言えそうです。
また、AらはVに対し、カッターナイフを見せつけながらカバンをよこさないと殺すと言っています。
殺すというのは、身体に対する害悪の告知であり、本件状況下では、上述のようにVがAらに反抗するのは困難でしょうから、強盗罪における脅迫にあたりそうです。
以上より、本件でAらは、暴行と脅迫を用いてバックという他人の財物を奪ったと言えそうですから、強盗罪が成立する可能性があります。
できるだけ早く弁護士に相談を
強盗罪の量刑は5年以上の有期懲役です。
執行猶予がつくためには懲役刑の場合は下される量刑が3年以下である必要がありますから、本件のAとBに執行猶予がつくことはないのでしょうか?
この点については、被害者に真摯に謝罪して示談が成立していれば、刑の減軽がされ、3年以下の懲役が下される可能性があり、この場合には、執行猶予がつく可能性があります。
執行猶予なしで懲役刑が言い渡された場合、AとBは大学に行くことができなくなり、大学を退学になるかもしれません。
したがって、示談を成立させることができるかどうかは非常に重要となります。
もっとも、事件の加害者が被害者に謝罪のために接触しようとしても拒絶される可能性が高いです。
Vの両親からすれば、自分の大切な子供を羽交締めにしてカッターナイフを突きつけて大切なバックを奪い取った加害者に対して、強い処罰感情を有しているでしょう。
そこで、示談交渉は弁護士に一任されることをおすすめします。
加害者からのコンタクトを断固拒絶している被害者も、弁護士とであれば示談交渉に応じてくれることは少なくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、強盗事件の豊富な弁護経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弁護士が被害者側と示談交渉を行うことで、量刑を減軽させたり執行猶予付判決を得たりすることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部にご相談ください。