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監禁致傷罪の刑罰の重さは?

2021-10-21

監禁致傷罪の刑罰の重さは?

監禁致傷罪の刑罰の重さについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市左京区に住んでいる会社員の男性Aさんは、同じ会社で働いている同僚の女性Vさんを自宅に呼び、一緒に食事していました。
Aさんは、Vさんのことを好ましく思っていたこともあり、もっと長時間一緒に過ごしたいと考え、Vさんの飲み物に睡眠薬を入れ、Vさんの意識を失わせると、翌朝まで自宅から出られないようにしました。
Vさんは、意識を取り戻すと自力でAさん宅から出ると、近くにあった京都府下鴨警察署の交番に助けを求めました。
Aさんは、監禁致傷罪の容疑で京都府下鴨警察署に逮捕されることになり、Aさんの家族は逮捕の連絡を受け取ってすぐ、京都市の逮捕に対応している弁護士に相談することにしました。
(※令和3年10月12日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)

・監禁致死傷罪の刑罰の重さは?

今回の事例のAさんは監禁致傷罪の容疑で逮捕されていますが、Aさんのように刑事事件を起こして逮捕されてしまった状況において、被疑者本人やその家族が心配する大きなことの1つとして挙げられるのが、有罪になった場合の刑罰の重さがどれほどになるのかということでしょう。
罰金を支払って終わりとなるのか、それとも正式裁判となって公開の法廷に立つことがあるのか、そこで有罪となったら執行猶予が付く可能性があるのか、それとも実刑となって刑務所に行くことになるのか、将来に大きく関わることだからこそ、関心も高く不安も大きいでしょう。

ここで、監禁罪監禁致死傷罪の刑罰について確認してみましょう。

刑法第220条(逮捕及び監禁罪)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

刑法第221条(逮捕及び監禁致死傷罪)
前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

監禁罪の刑罰が「3月以上7年以下の懲役」と定められているのに対し、監禁致死傷罪の刑罰は、「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」と定められています。
監禁罪のように「3月以上7年以下の懲役」とされていれば、どれほどの重さの刑罰か想像しやすいですが、「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」と言われても、刑罰の重さがどのくらいの範囲でさだめられているのか分かりづらいという方も多いでしょう。
「傷害の罪と比較して」とは、監禁致傷罪監禁致死罪それぞれの場合について、刑法の傷害の罪、すなわち傷害罪と傷害致死罪それぞれと比較して重い刑罰である方で処断することを指しています。

例えば、監禁致傷罪の場合を検討してみましょう。
刑法の傷害罪は以下のように刑罰を定めています。

刑法第204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪の刑罰として定められているのは「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」となりますから、これと監禁罪の「3月以上7年以下の懲役」という刑罰を比較していくことになります。
これらを比較すると、刑罰の下限は監禁罪の「3月以上」「の懲役」の方が重く、上限は傷害罪の「15年以下の懲役」が重いことが分かります。
このことから、それぞれ重い部分を取り、監禁致傷罪の刑罰は「3月以上15年以下の懲役」ということになるのです。
なお、監禁致死罪の場合は、「3年以上の有期懲役」となります。

刑法では、執行猶予を付すことのできるのは言い渡された刑が3年以下の懲役であることが条件であるとされていますが(刑法第25条)、監禁致傷罪で有罪となった場合、先述の「3月以上15年以下の懲役」の範囲で刑罰が言い渡されることになりますから、言い渡される刑罰の重さ次第では執行猶予を付けることができるということになります。
ですから、早い段階から示談交渉などの被害者対応や、カウンセリングの受診などの再犯防止策の構築など、執行猶予獲得のための準備をしていくことが重要と言えるでしょう。

刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕直後から被疑者やその家族のサポートを開始することができます。
監禁致傷事件などの刑事事件にお悩みの際は、お早めに弊所弁護士までご相談ください。

睡眠薬を飲ませて監禁致傷事件に

2021-10-18

睡眠薬を飲ませて監禁致傷事件に

睡眠薬を飲ませて監禁致傷事件に発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市左京区に住んでいる会社員の男性Aさんは、同じ会社で働いている同僚の女性Vさんを自宅に呼び、一緒に食事していました。
Aさんは、Vさんのことを好ましく思っていたこともあり、もっと長時間一緒に過ごしたいと考え、Vさんの飲み物に睡眠薬を入れ、Vさんの意識を失わせると、翌朝まで自宅から出られないようにしました。
Vさんは、意識を取り戻すと自力でAさん宅から出ると、近くにあった京都府下鴨警察署の交番に助けを求めました。
Aさんは、監禁致傷罪の容疑で京都府下鴨警察署に逮捕されることになり、Aさんの家族は逮捕の連絡を受け取ってすぐ、京都市の逮捕に対応している弁護士に相談することにしました。
(※令和3年10月12日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)

・監禁罪・監禁致傷罪とはどんな犯罪なのか?

今回の事例のAさんは、Vさんに睡眠薬を飲ませて意識を失わせ、それによってAさんの自宅からVさんを出られないようにしたという行為によって監禁致傷罪の容疑をかけられ逮捕されています。
Aさんの逮捕容疑である監禁致傷罪は、刑法で以下のように定められている犯罪です。

刑法第220条(逮捕及び監禁罪)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

刑法第221条(逮捕及び監禁致死傷罪)
前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

刑法第221条の「前条の罪」は、刑法第220条に定められている逮捕罪及び監禁罪のことを指します。
つまり、監禁罪を犯し、そのことによって人を傷害した場合に、今回問題となっている監禁致傷罪が成立するということになります。

では、そもそも監禁罪における「監禁」とはどういった行為を指すのでしょうか。
監禁罪における「監禁」とは、一定の場所から脱出できないように相手の移動の自由を奪うことを指すと考えられています。
なお、手足を縛るといった直接的な強制力を使って相手の移動の自由を奪った場合は、同じ刑法第220条に定められている「逮捕」の方に当たると考えられています。

ですから、「監禁」の具体例としては、部屋に閉じ込める、自動車の中に閉じ込めるといったケースが考えられます。
そして、その「監禁」が行われる方法としては、部屋に鍵をかけるといったケースが思いつきやすいですが、それ以外にも、相手を乗せた自動車やバイクを高速で走行させる、脅迫によって恐怖心をあおり心理的に動けなくする、睡眠薬を飲ませて意識を失わせることで移動を不可能にするといった方法が挙げられます。

こうした「監禁」を「不法に」行うことで監禁罪が成立します。
「不法に」とは、正当な理由がなく行われることを指します。
例えば、警察官が被疑者を逮捕するという行為は、確かに「逮捕」に当たる行為ですが、刑法・刑事訴訟法に基づいた正当な行為であるため、「不法に」行われたものではない=逮捕罪には当たらないということになります。

今回のAさんについては、睡眠薬によってVさんの意識を失わせてAさんの自宅から出られないようにしている上、その行為は正当な理由があって行われたものではないため、「不法に」人を「監禁」しているものと考えられ、まずは監禁罪が成立すると考えられます。

・睡眠薬で眠らせる=「傷害」に?

先ほど、「監禁致傷罪監禁罪を犯したことによって人を傷害したときに成立する」ということを確認し、今回の事例のAさんにはひとまず監禁罪は成立しそうだというところまで検討しました。
今回の事例のAさんは監禁致傷罪の容疑で逮捕されていますから、監禁罪を犯したことでVさんを傷害したと疑われていることになります。
ここで、「Vさんに怪我を負わせているわけでもないのに傷害したことになるのか?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに、「傷害」や「致傷」といった言葉からは、流血を伴う切り傷や擦り傷、骨折などの物理的で分かりやすい怪我を思い浮かべやすいです。
しかし、刑法でいわれる「傷害」とは、人の生理的機能に障害を与えることであると解されています。
つまり、先ほど例として挙げた切り傷や擦り傷、骨折などの物理的に分かりやすい怪我だけでなく、意識障害なども「障害」に当てはまるのです。

今回のAさんは、Vさんを監禁するにあたって、Vさんに睡眠薬を飲ませることでVさんの意識を失わせるという意識障害を引き起こしています。
そのため、Aさんの行為は監禁罪を犯したことによってVさんを傷害した=監禁致傷罪にあたると考えられるのです。

刑事事件では、言葉のイメージから実際に成立する犯罪と想像していた犯罪が異なってしまうことがあります。
自分にかけられた容疑をきちんと把握しながら刑事手続きに対応していくことも重要なことですから、早い段階から専門家である弁護士に相談し、自分にかけられた容疑が何であるのか、なぜその容疑をかけられているのかを把握しておきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、刑事事件専門の弁護士が逮捕直後から相談者様をサポートします。
まずはお気軽にご相談ください。

覚醒剤取締法違反で逮捕直後に接見

2021-10-14

覚醒剤取締法違反で逮捕直後に接見

覚醒剤取締法違反で逮捕直後に接見を依頼するケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都府福知山市に住んでいるAさんは、以前から覚醒剤に興味を持っていました。
興味を抑えられなくなったAさんは、SNSを通じて覚醒剤を販売しているという人にコンタクトを取ると、そこから覚醒剤を購入。
そしてAさんは、購入した覚醒剤を自身の鞄に入れて持ち歩いていたのですが、京都府福知山警察署の警察官から職務質問と所持品検査を受け、持っていた覚醒剤を発見されてしまいました。
Aさんは覚醒剤取締法違反の容疑で京都府福知山警察署に逮捕されてしまい、家族のもとに逮捕の連絡がいきました。
Aさんが逮捕されたことを警察官から聞いたAさんの家族はすぐにでもAさんに面会しようとしましたが、警察官から「逮捕直後に面会はできない」と言われてしまいました。
Aさんの様子を知ることは出来ないか、Aさんの力になれないかと考えたAさんの家族は、刑事事件を取り扱う弁護士に接見を依頼することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・覚醒剤所持と覚醒剤取締法違反

覚醒剤取締法では、許可なく覚醒剤を所持することを禁じています。
ですから、覚醒剤をただ持っているだけでも覚醒剤取締法違反という犯罪になるのです。
加えて、覚醒剤所持行為を営利目的で行っていた場合、単純に所持しているよりも刑罰が重くなります。

覚醒剤取締法第41条の2
第1項 覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は、10年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。

覚醒剤取締法第41条の2第1項では、単純な覚醒剤所持行為、すなわち自分で覚醒剤を使用するためなどの目的で覚醒剤を所持していた場合についての処罰を定めています。
それに対して、覚醒剤取締法第41条の2第2項では、営利目的での覚醒剤所持行為、例えば覚せい剤を他者に販売するための所持行為などについての処罰を定めています。
これら2つを比較すると、単純な覚醒剤所持行為よりも営利目的の覚醒剤所持行為の方が重い刑罰が定められていることが分かります。
営利目的で覚醒剤を所持していた方が、覚醒剤を拡散させるという面でも、それで利益を出そうとしていたという面でも、悪質性が高いと判断されるのです。

ですから、何の目的で覚醒剤を持っていたかということは非常に重要なことなのですが、覚醒剤所持行為の目的が何だったかということは、覚醒剤を所持していた人の内心の問題ですから、目に見えるわけではありません。
もちろん所持していた覚醒剤の量や事件関係者とのやり取りの内容などの客観的な事情も考慮されますが、覚醒剤を所持していた本人の取調べでの供述も重要となってきます。
もしも営利目的以外の目的で覚醒剤を所持していたのに営利目的での覚醒剤所持であると判断されてしまえば、不当に重い刑罰を受けることになりかねないからです。

だからこそ、まずは刑事事件に強い弁護士と直接話し合って、取調べへの対応方法や被疑者の持っている権利についてアドバイスをもらうことが重要なのです。

・逮捕直後の接見するメリットとは?

弁護士が持っている権利の1つに、接見交通権というものがあります。
この接見交通権が保障されていることで、弁護士は被疑者・被告人と立会人なくして接見(面会)ができ、さらに、逮捕後48時間という家族の方でさえ接見(面会)のできない時間帯でも接見(面会)できるのです。

この弁護士の接見(面会)を通して、ご家族への伝言の授受や、取調べへの助言などを行うことができるため、被疑者・被告人ご本人やご家族の精神的負担の軽減を図ることが可能です。
先ほど触れたように、覚せい剤所持事件では取調べへの対応も重要となりますから、早期に弁護士と会ってアドバイスをもらっておくことが大切となるのです。
また、弁護士が接見(面会)に行くことで、刑事事件の今後の流れや今現在の状況を逐一知ることができるため、ご本人やご家族の不安も解消することができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士は、初回接見サービスなどを通じて、覚醒剤取締法違反で逮捕されてお困りの方のサポートをいたします。
刑事事件・薬物事件で逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部の弁護士まで、ご相談ください。

遺失物横領事件で呼び出されたら

2021-10-11

遺失物横領事件で呼び出されたら

遺失物横領事件で呼び出されてしまったというケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市下京区に住んでいるAさんは、ある日、近所にあるスーパーマーケットに立ち寄りました。
その際、Aさんは店の前の道路に財布が落ちているところを発見しました。
Aさんがその財布を拾って中身を確認したところ、現金7万円が入っていることが分かりました。
Aさんは、「どうせ誰も見ていないのだろうし、このままもらってしまってもいいだろう」と考え、財布ごと現金を持ち帰ってしまいました。
後日、財布の落とし主であるVさんが京都府下京警察署に財布が見つからないと相談。
Aさんが財布を拾ってそのまま持ち帰る様子が防犯カメラに撮影されていたことから、Aさんは京都府下京警察署遺失物横領事件について聞かせてほしいと呼び出しを受けました。
警察に呼び出しを受けたAさんは、「このまま逮捕されてしまうのか」「自分はどうなってしまうのか」と不安になり、京都府刑事事件に対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・遺失物横領罪

遺失物横領罪は、刑法に定められている犯罪の1つで、占有離脱物横領罪とも呼ばれることのある犯罪です。

刑法第254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

遺失物や漂流物とは、占有者の意思によらずにその占有を離れ、まだ誰の占有にも属していない物をいいます。
占有とは、その物に対する事実上又は法律上の支配力がある状態のことをいいます。
すなわち、遺失物横領罪は、その物を占有して(=事実上又は法律上の支配を行って)いた人の意思によらずにその占有を離れ、まだ誰の支配も受けていない物を横領(=他人の物を不法に自分の物にしてしまう)することによって成立します。

今回の事例のように、道に落ちていた財布などの落とし物は、誰もその落とし物を管理・支配していないということから、遺失物として扱われることとなります。
ですから、その落とし物を勝手に自分の物にしてしまうことは遺失物横領罪となりうるのです。

ただし、注意が必要なのは、お店の中に落ちていた落とし物などはお店が落とし物として管理するので、その物に対してお店の占有が認められる場合があるということです。
その場合は窃盗罪や横領罪が成立する可能性があることになるため、落とし物を自分のものにしたからといって必ずしも遺失物横領罪になるわけではないのです。
こうした部分についても、法律的な検討が必要となるため、弁護士に相談して自分の行為が何罪にあたり得るのか確認してみることがおすすめです。

・警察に呼び出されたら

自身が刑事事件の被疑者として警察に呼び出されてしまったら、Aさんのように逮捕やこの先の手続に対して不安になってしまう方も多いでしょう。
今回の事例のように、落とし物を自分の物にしてしまう遺失物横領事件は、やろうと思えば簡単にやれてしまう犯罪であることから、軽い気持ちで起こしてしまう人も少なくありません。
だからこそ、警察から呼び出された時に事の大きさに驚いて不安になってしまうということもあります。

そうしたときは、まずは刑事事件の専門家である弁護士に相談してみましょう。
弁護士刑事事件の流れや被疑者の持っている権利などを詳しく聞いておくことで、分からない・知らないことによる不安の軽減が期待できます。
取調べなどへの適切な対応の仕方についてもアドバイスをもらえるというメリットもあります。
警察に呼び出されたら、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、初回無料法律相談を行っています。
遺失物横領事件を起こしてしまって悩んでいる、警察から呼び出しをされて不安だという方は、ご遠慮なくご相談ください。

ロマンス詐欺事件で逮捕されたら

2021-10-07

ロマンス詐欺事件で逮捕されたら

ロマンス詐欺事件逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都府綾部市に住んでいる女性VさんとSNSを通じて知り合うと、海外に住んでいる医者を装い、Vさんと親しくなりました。
そしてAさんは、「日本で一緒に暮らしたい」「私が日本に行ったら結婚しよう」などと話すと、日本への渡航費用が必要だと言い含めて、Vさんから150万円を振り込ませました。
その後、Aさんと連絡がつかなくなったことからロマンス詐欺の被害に遭ったと気が付いたVさんが京都府綾部警察署に相談したことをきっかけに捜査が始まり、Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和3年10月1日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・ロマンス詐欺

ロマンス詐欺とは、インターネット上の交流サイトやSNSなどで知り合った相手に対して恋愛関係になったように見せかけ、金銭を騙し取る詐欺の一種です。
ロマンス詐欺の中でも、海外の相手を騙すものを国際ロマンス詐欺などとも呼んだりします。
ロマンス詐欺は、名前に「詐欺」と入っていることからもわかる通り、詐欺罪に該当する犯罪です。

刑法第246条第1項
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

詐欺罪の成立要件は、①「人を欺」くこと、②①に基づいて「財物を交付させ」ることです。
このうち、①の「人を欺」く行為は欺罔行為(ぎもうこうい)とも呼ばれ、相手が②の「財物を交付させ」るに至る重要な事実について偽ることを指します。
つまり、ただ単に相手に嘘をついただけでは①の要件を満たさず、それが嘘であれば相手が②の行為をしないであろうことについて嘘をつかなければ詐欺罪成立の要件を満たさないということです。

ロマンス詐欺の場合、相手に対して恋愛関係になったり、結婚の意思があったりするように見せかけるという部分が①に当たることになるでしょう。
例えば、今回のAさんの事例であれば、AさんはVさんと日本で結婚することをほのめかし、日本への渡航費用に必要だからと150万円を要求し、振り込ませています。
しかし、Vさんからすれば、Aさんが日本でVさんと結婚するための渡航費用という話が嘘であれば、150万円という「財物」をAさんへ引き渡すことはしなかったということになるでしょう。
ですから、今回のロマンス詐欺事件では①の要件が満たされていると考えられます。

さらに、詐欺罪成立の要件である②は、①の欺罔行為によって騙された被害者がそれに基づいて財物を交付することです。
今回の事例を見てみると、VさんはAさんが自分と恋愛関係にあり、自分と結婚する意思があるのだと騙されたことによって、それに基づいてAさんに150万円を渡していることになります。
つまり、詐欺罪成立の要件である②も満たすことになると考えられるのです。

こうしたことから、ロマンス詐欺には詐欺罪が成立すると考えられるのです。

・ロマンス詐欺事件と逮捕

ロマンス詐欺事件では、被疑者が被害者の連絡先を知っていること等から、被疑者と被害者の接触を避けるために、今回の事例のAさんのように逮捕されてしまうことも考えられます。
さらに、ロマンス詐欺の特性上、被疑者と被害者がインターネットを介して連絡を取っていることが多く、被疑者の住所地から離れた警察署に逮捕されてしまうことも大いに考えられます。
そうなると、被疑者の家族などが逮捕に対してすぐに活動を開始できないおそれが出てきてしまいます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部は、京都支部を含めて全国13都市にある支部と連携をとりながら刑事弁護活動を行っています。
遠隔地に住む被疑者がロマンス詐欺事件を起こして京都府で逮捕されてしまった、自分は京都府に住んでいるが別の場所で家族が逮捕されてしまったといったご相談にも迅速に対応が可能です。
ロマンス詐欺事件逮捕にお悩みの際は、まずは遠慮なくご相談ください。

未承認の検査キット販売で薬機法違反

2021-10-04

未承認の検査キット販売で薬機法違反

未承認の検査キット販売で薬機法違反に問われたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市中京区で会社を経営しているAさんは、感染症Xへの感染の有無が判定できると宣伝し、検査キットYを販売しました。
しかし、この検査キットYは国の承認を受けていない未承認のものでした。
京都府中京警察署が捜査をした結果、Aさんは薬機法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんは、「検査キットとして作られたものを販売したのに犯罪となったのか」と不思議に思い、自分のどういった行為にどのような犯罪の容疑がかけられているのかなどを、家族の依頼によって接見に訪れた弁護士に相談することにしました。
(※令和3年9月28日NHK NEWS WEB配信記事を基にしたフィクションです。)

・薬機法と「医薬品」

今回のAさんは違反した容疑をかけられている薬機法とは、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」という法律です。
法律名の中に入っているように、この法律では「医薬品」についての規制もおこなっています。

薬機法で「医薬品」とは以下のように定義づけられています。

薬機法第2条第1項
この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物をいう。
第1号 日本薬局方に収められている物
第2号 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)及びこれを記録した記録媒体をいう。以下同じ。)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)
第3号 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)

このうち、第2号部分では、「人…の疾病の診断…に使用されることが目的とされている物であって、機械器具等…でないもの」が「医薬品」であるとされています。
逆に言えば、目的が「人…の疾病の診断…に使用されること」であれば「医薬品」となりうるわけですから、人が何かの病気にかかっていないか診断する目的であると表されている物は、その実態がどうあるかに関わらず、薬機法内の「医薬品」となりえることになります。
今回の事例のAさんは「感染症Yへの感染の有無が判定できる」=「人…の疾病の診断」ができるとして検査キットYを宣伝していることから、検査キットYはまさしく「人…の疾病の診断…に使用されることが目的とされている物」=薬機法の「医薬品」であるということになるでしょう。

薬機法では、この「医薬品」の製造販売について、厚生労働大臣の承認を得なければならないとされています。

薬機法第14条第1項
医薬品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品を除く。)、医薬部外品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品を除く。)又は厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品の製造販売をしようとする者は、品目ごとにその製造販売についての厚生労働大臣の承認を受けなければならない。

例えば、外国で医薬品として製造販売が許可されている製品や、「医薬品」として製造されていた物でも、日本で厚生労働大臣の承認を受けていなければ、それは薬機法上未承認の「医薬品」となってしまい、薬機法に違反してしまうということになります。

加えて、薬機法では、この「医薬品」を販売するにあたって、許可を得なければいけないと定められています。

薬機法第24条第1項
薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。以下同じ。)してはならない。ただし、医薬品の製造販売業者がその製造等をし、又は輸入した医薬品を薬局開設者又は医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者に、医薬品の製造業者がその製造した医薬品を医薬品の製造販売業者又は製造業者に、それぞれ販売し、授与し、又はその販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列するときは、この限りでない。

医薬品」としてその物を販売するには、先ほど触れた「医薬品」その物に対する厚生労働大臣の承認を受けるだけでなく、販売のための許可も受けなければいけません。

なお、注意が必要なのは、未承認の「医薬品」については、広告も薬機法内で規制されているということです。

薬機法第68条
何人も、第14条第1項(中略)の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

Aさんの事例からは、少なくとも未承認の「医薬品」の広告をし、さらにその未承認の「医薬品」を販売していることが分かりますので、これらの行為による薬機法違反が考えられます。
さらに、Aさんが「医薬品」を販売する許可を受けずに販売をしていた場合、無許可販売による薬機法違反が成立することも考えられます。

このように、特に薬機法のような特別法の関わる刑事事件では、違反となる行為が細かく定められており、定義も細かく決められていることが多いため、一般の方だけで理解しようとすると難しい面もあります。
だからこそ、まずは刑事事件に対応している弁護士に相談してみることをおすすめいたします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、未承認の医薬品販売による薬機法違反事件のご相談・ご依頼も承っています。
まずはお気軽にご相談ください。

詐欺事件で再逮捕が続いてしまったら

2021-09-30

詐欺事件で再逮捕が続いてしまったら

詐欺事件再逮捕が続いてしまっているケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

〜事例〜

京都府南丹市に住んでいるAさんは、特殊詐欺グループの一員として近隣の地域で複数件詐欺行為をはたらいていました。
ある日、京都府南丹警察署の警察官がAさんの自宅を訪れ、Aさんは詐欺罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、Aさんが逮捕された後から面会することもできず、Aさんの身体拘束が長期となっていることを心配し、現在Aさんがどういった状況にあるのか、どのようなサポートが可能なのか、刑事事件に詳しい弁護士に相談しました。
そして、弁護士の接見の結果、Aさんは最初に詐欺罪逮捕された後、別の詐欺事件再逮捕されていたことがわかりました。
(※この事例はフィクションです。)

・再逮捕とは?

逮捕・勾留といった強制的に身体拘束をする処分は、被疑者・被告人の身体の自由を奪う=被疑者・被告人の権利を侵害する処分です。
ですから、逮捕・勾留といった処分が濫用されてしまうと、むやみやたらと権利侵害が行われてしまうことになります。
そういった事態を防ぐために、逮捕・勾留には裁判所の発行する令状が必要であったり、逮捕は最大72時間、勾留は延長を含めて20日間という時間制限が設けられていたりしています。

しかし、この逮捕・勾留を何回でもすることができてしまえば、権利侵害の濫用を許すことになってしまい、先ほど挙げたような規定も意味のないものとなってしまいます。
そのため、日本の刑事手続きには、「再逮捕・再勾留禁止の原則」(一罪一逮捕・一罪一勾留の原則)と呼ばれる原則があります。
この原則は、1つの犯罪について逮捕・勾留は1回限りという原則です。
例えば、AさんがVさんという被害者に対する詐欺事件を起こしたとすれば、その詐欺事件でAさんを逮捕・勾留するのは1回だけにしましょうということです。

ですが、今回のAさんは最初の逮捕の後、再逮捕されているようです。
これは許される行為なのでしょうか。

ここで注意しなければいけないのは、同じ犯罪(同じ事件)での再逮捕・再勾留は禁止されているものの、別の犯罪(別の事件)での再逮捕・再勾留は許されると考えられていることです。
例えば、今回のAさんが最初に逮捕されたのが被害者Vさんに対する詐欺事件だったとして、AさんがVさんに対する詐欺事件でもう1回逮捕(再逮捕)されることは日本の刑事手続き上問題のあることですが、被害者Xさんに対する詐欺事件という、Vさんに対する詐欺事件とは別の詐欺事件について逮捕(再逮捕)されることは問題ないと考えられているのです。
今回の事例のAさんは、詐欺行為を複数件はたらいていたようですから、いわゆる余罪が多くあった状態であると考えられます。
ですから、その余罪部分について再逮捕されたと考えられるでしょう。

・再逮捕が続いたらどうすべき?

先ほど、逮捕は最大72時間、勾留は延長を含めて最大20日間と記載しましたが、再逮捕・再勾留されてしまった場合でもこの時間制限は同じです。
つまり、逮捕・勾留をされて最大23日間身体拘束された後に再逮捕・再勾留されてしまうと、さらに最大23日身体拘束されることになってしまうのです。

ですから、再逮捕・再勾留が繰り返されると長期にわたって身体拘束されてしまうことになるため、弁護士に積極的に身柄解放活動をしてもらうことが望ましいでしょう。
理論上余罪がある分再逮捕・再勾留できることになるため、詐欺事件などで余罪が多い場合には再逮捕される可能性があることにも注意しながら身柄解放活動などを行う必要があります。

さらに、特殊詐欺事件では弁護士以外の者との接見や差し入れが禁止される接見等禁止処分が付されている場合も多く、再逮捕・再勾留が重なるほど家族などの周囲の人たちとの連絡もたたれてしまう場合があります。
弁護士を通じて伝言を伝えるなどすることで、家族間での連携を取ることが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、詐欺事件の逮捕にお困りの方、再逮捕によってお悩みの方を刑事事件専門の弁護士がサポートしています。
お困りの際は、お気軽に0120ー631ー881までお問い合わせください。
専門スタッフがご相談者様に合ったサービスをご案内いたします。

盗撮と児童ポルノの関係とは?

2021-09-27

盗撮と児童ポルノの関係とは?

盗撮と児童ポルノの関係について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

〜事例〜

京都府京都市東山区に住んでいるAさんは、近所にある市民プールに行った際、女子更衣室に忍び込んでカメラを仕掛け、更衣室を利用した女性客を盗撮しました。
しかし、女性客らが盗撮用カメラに気づいたことから、京都府東山警察署が盗撮事件として捜査を開始し、ほどなくしてAさんは、京都府迷惑行為防止条例違反(盗撮)と、児童ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕されることになりました。
Aさんは、盗撮をした自分が児童ポルノ禁止法違反まで犯していると疑われていることに驚き、家族の依頼で接見に訪れた弁護士に詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・盗撮行為と児童ポルノ

今回のAさんのような盗撮行為は、実は様々な犯罪に該当する可能性のある行為です。
代表的なものでいえば、各都道府県のいわゆる迷惑防止条例違反が挙げられます。
各都道府県で規定されている迷惑防止条例は、盗撮や痴漢といった行為を禁止しており、京都府も例外ではありません。

京都府迷惑防止条例第3条
第2項 何人も、公共の場所、公共の乗物、事務所、教室、タクシーその他不特定又は多数の者が出入りし、又は利用する場所又は乗物にいる他人に対し、前項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 通常着衣等で覆われている他人の下着等を撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をしようとして他人の着衣等の中をのぞき込み、又は撮影する機能を有する機器(以下「撮影機器」という。)を通常着衣等で覆われている他人の下着等に向けること。
第3号 前項第6号に規定する機器を使用して、通常着衣等で覆われている他人の下着等の映像を撮影すること。
第3項 何人も、住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる他人に対し、第1項に規定する方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 当該状態にある他人の姿態を撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をしようとして、他人の姿態に撮影機器を向けること。
第4項 何人も、第1項に規定する方法で第2項に規定する場所若しくは乗物にいる他人の着衣等で覆われている下着等又は前項に規定する場所にいる着衣の全部若しくは一部を着けない状態にある他人の姿態を撮影しようとして、みだりに撮影機器を設置してはならない。

京都府では、更衣室での盗撮も条例によって規制されていますから、今回のような更衣室での盗撮行為はまず京都府迷惑防止条例違反となることが考えられます。
注意しなければならないのは、京都府の場合、盗撮目的でカメラを設置することだけでも犯罪となるということです。

次に挙げられるのが、刑法の建造物侵入罪です。
建造物侵入罪は、文字通り建造物に「侵入」することで成立する犯罪ですが、「侵入」とは、管理者の意思に反する立ち入りであると言われています(この解釈については諸説ありますが、現在はこの解釈が一般的とされています。)。
どこかの建物やその内部の部屋に入る際、その人物が盗撮目的であるなら、管理者は立ち入りを許可しないでしょう。
そのため、盗撮目的の立ち入りは建造物侵入罪に該当すると判断されることがあります。

そして、その他にも盗撮行為によって成立しうる犯罪があります。
それが軽犯罪法違反です。
軽犯罪法では、いわゆる「のぞき見」を禁止しているのですが、盗撮することはこの「のぞき見」と同視されており、上記の迷惑防止条例違反や建造物侵入罪に当たらない盗撮行為は、軽犯罪法違反として検挙される事例が多く見られます。

このうち、今回のAさんは、市民プールの更衣室という公衆の利用する場所で通常人が着衣を身に着けない状態でいるような場所を盗撮していたことから、先ほど触れた通り京都府迷惑行為防止条例違反となる可能性が高いと言えるでしょう。
しかし、Aさんはこれに加えて児童ポルノ禁止法違反という犯罪の容疑をかけられています。
実は、先ほど挙げた3つの犯罪の他にも、盗撮した対象、つまり被害者がどういった人か、ということによって、児童ポルノ禁止法違反という犯罪が成立する可能性があります。
いわゆる児童ポルノ禁止法では、児童ポルノを製造することが禁止されています。
児童ポルノとは、18歳未満の児童の裸などの画像や動画、そのデータ等を指します。
つまり、盗撮した対象の中、被害者の中に18歳未満の児童がいた場合、その盗撮した写真が児童ポルノとなり、盗撮行為によって児童ポルノを製造したということになり、児童ポルノ禁止法違反が成立する可能性があるのです。
今回のようにプールの更衣室など、どの年齢層の人も利用する可能性があり、かつ裸になる可能性のある場所での盗撮事件では、被害者の中に児童が含まれている可能性が出てきます。
また、学生を狙った盗撮事件でも、被害者が18歳未満の児童である可能性があります。

さらに、児童ポルノ禁止法では、自動ポルノを盗撮によって製造した場合についての規定もありますから、こちらにも注意が必要です。

盗撮といっても、その対象や場所によって様々な犯罪が成立するため、刑事事件の経験・知識がなければかかっている容疑について把握することも難しい場合があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、盗撮事件・児童ポルノ禁止法違反事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
突然の逮捕にどうしていいか分からないとお困りの際は、遠慮なく弊所フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

ストーカーで迷惑行為防止条例違反に?

2021-09-23

ストーカーで迷惑行為防止条例違反に?

ストーカー迷惑行為防止条例違反に問われた事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

〜事例〜

京都府亀岡市に住んでいるAさんは、近所に住んでいる隣人Vさんのことを気にくわないと思っており、ことあるごとに対立していました。
Vさんへの嫌悪感を抑えきれなかったAさんは、嫌がらせ目的でVさんにつきまとったり、Vさんの自宅のポストへ「お前のことを監視している」「いつも見ているぞ」という内容の手紙を何度も投函したりしました。
Vさんが「ストーカー被害に遭っている」と京都府亀岡警察署に相談した結果、京都府亀岡警察署が捜査を開始。
その後、Aさんは京都府亀岡警察署に、京都府迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの家族は、警察から「つきまといなどの嫌がらせの件」で逮捕されたと聞いていたため、てっきりストーカー規制法違反逮捕されていると思ったため、京都府迷惑防止条例違反という罪名を聞いて驚き、弁護士にこれがどういった犯罪なのか詳しく聞いてみることにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・ストーカーで迷惑防止条例違反に

今回の事例でAさんがしていたつきまとうなどの行為から、ストーカーという単語を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ストーカーとは、元々英語の「stalk」という単語からきている言葉で、「stalk」には忍び寄る、追跡するといった意味があります。
ですから、「ストーカー」という場合には、人のことをこっそりついていく=つきまといなどをする人というイメージが強いでしょう。

では、ストーカー行為によって成立する犯罪として、どんな犯罪を思い浮かべるでしょうか。
多くの方は、いわゆるストーカー規制法をイメージするのではないでしょうか。
文字通り、ストーカー規制法ではストーカー行為を規制しているのですが、今回のAさんは、Vさんへのつきまとい行為等をした結果、京都府迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されています。
Aさんのつきまとい行為等はストーカー行為ではないのでしょうか。

ここで、京都府迷惑防止条例(正式名称:京都府迷惑行為等防止条例)を確認してみましょう。

京都府迷惑行為防止条例第6条
何人も、特定の者に対する職場、学校、地域社会、商取引、金銭貸借、係争又は調停の関係に起因する妬み、恨みその他悪意の感情(これらの感情のうち、ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)第2条第1項に規定する怨恨の感情を除く。)を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次に掲げる行為(第1号から第4号までに掲げる行為については、身体の安全若しくは住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復して行ってはならない。
第1号 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ち塞がり、住居等の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
第2号 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
第3号 面会その他の義務のないことを行うことを要求すること。
第4号 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
第5号 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、若しくはファクシミリ装置その他電気通信の手段を用いて送信すること。
第6号 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
第7号 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
第8号 その性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し、若しくはその知り得る状態に置くこと。

第1号〜第8号で挙げられている行為は、確かに一般的に「ストーカー」と呼ばれる行為でしょう。
しかし、ストーカー規制法が規制しているストーカー行為は「恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」(ストーカー規制法第2条)で行われるものであると定義されています。
つまり、恋愛感情やそれが満たされなかったことによる怨恨での「ストーカー」でないかぎり、ストーカー規制法違反とはならないのです。
一方で、迷惑防止条例で規制しているストーカー行為は、このストーカー規制法が規制している目的でのストーカー行為以外であるため、今回のAさんのように嫌がらせ目的でつきまとい等をした場合、一般に呼ばれる「ストーカー」であったとしても、ストーカー規制法違反ではなく迷惑防止条例違反となるということになります。

刑事事件では、このように、一般に知られている単語と実際に成立する犯罪の間にギャップがあるケースもあります。
だからこそ、刑事事件専門弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部弁護士がお力になります。
弊所の弁護士は初回無料法律相談や初回接見サービスなど様々なサービスをご用意しています。
まずはお気軽にご相談ください。

無届風俗営業で風営法違反

2021-09-09

無届風俗営業で風営法違反

無届風俗営業風営法違反に問われたケースついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

〜事例〜

Aさんは京都市左京区で男性客をメインの顧客とする個室マッサージ店を経営していました。
このマッサージ店は、表向きは一般のマッサージ店を装っていましたが、その実態は、マッサージと称して性的なサービスも提供されている、風俗店でした。
Aさんの店が無届営業をしている風俗店であるという通報があったことで京都府川端警察署が捜査を開始。
京都府川端警察署の捜査によって、Aさんのマッサージ店の内偵捜査等が行われ、ついにAさんは風営法違反の疑いで逮捕されました。
(※この事例はフィクションです。)

・風営法違反

風営法とは、正式名称を「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」という名前の法律で、風俗営業等に関してその営業時間や営業場所を制限し、青少年の立ち入りを規制することによって、風俗業務の適正化を図ることを目的としています。

風営法が規制の対象とする風俗営業等には、第2条第1項の定義する風俗営業や、同第4項が定義する接待飲食等営業、同第5項が定義する性風俗関連特殊営業などがあります。
そのうち性風俗関連特殊営業は、店舗型性風俗関連特殊営業無店舗型性風俗特殊営業映像送信型性風俗特殊営業店舗型電話異性紹介営業と無店舗型電話異性紹介営業に分けられます。
今回のAさんのケースでは、お店で性的なサービスを行っていますので、Aさんのお店が店舗型性風俗関連特殊営業に当たらないかが問題となります。

店舗型性風俗関連特殊営業について、風営法は以下のように定義しています。

風営法第2条第6項
この法律において「店舗型性風俗特殊営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。

第1号 浴場業(公衆浴場法(昭和23年法律第139号)第1条第1項に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業
第2号 個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業(前号に該当する営業を除く。)
第3号 専ら、性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行その他の善良の風俗又は少年の健全な育成に与える影響が著しい興行の用に供する興行場(興行場法(昭和23年法律第137号)第1条第1項に規定するものをいう。)として政令で定めるものを経営する営業
第4号 専ら異性を同伴する客の宿泊(休憩を含む。以下この条において同じ。)の用に供する政令で定める施設(政令で定める構造又は設備を有する個室を設けるものに限る。)を設け、当該施設を当該宿泊に利用させる営業
第5号 店舗を設けて、専ら、性的好奇心をそそる写真、ビデオテープその他の物品で政令で定めるものを販売し、又は貸し付ける営業
第6号 前各号に掲げるもののほか、店舗を設けて営む性風俗に関する営業で、善良の風俗、清浄な風俗環境又は少年の健全な育成に与える影響が著しい営業として政令で定めるもの

これらの具体例を挙げてみると、ソープランドなどが第1号に、店舗型ファッションヘルスなどが第2号に、ストリップ劇場などが第3号に、ラブホテルなどが第4号に、アダルトグッズショップなどが第5号に、出会いカフェなどが第6号に、それぞれ当たると考えられます。
今回の事例のAさんのお店は、表向きは一般的なマッサージ店を称しているものの、個室で性的なサービスを行っていることから、実質的にはこのうちの第2号営業に当たると考えられます。

風営法上、これらの風俗営業や性風俗関連特殊営業を行う際には、管轄する都道府県公安委員会に届出を行わなければならず、風俗営業の場合は許可も必要になります(風営法第3条、同第27条)。
性風俗関連特殊営業の営業の届出をしなかった場合、6月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金または併科に処されます(風営法第52条)。

さらに、店舗型性風俗関連特殊営業は、一部の官公庁、学校、図書館、児童福祉施設やその他各都道府県が定める条例で指定された区画の周囲200メートルの区域内で営業することを禁止されています(風営法第28条)。

性風俗関連特殊営業を営業禁止区域内で営業した場合には、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金または併科に処されます(風営法第49条)。

事件の概要からは明らかではありませんが、Aさんが経営するマッサージ店は無届営業もしくは禁止区域内営業またはその両方で摘発を受け、Aさんが逮捕されるに至ったものと考えられます。

無届営業や禁止区域内営業による風営法違反では被害者と呼べる存在がなく、示談によって解決を図ることが難しいため、被害者対応以外の活動によって釈放を求めたり刑の減軽を求めたりしなければなりませんから、早急に刑事事件に強い弁護士に事件を相談・依頼し、事案に応じた適切な対応をとることが重要になります。
どういった弁護活動が可能であり効果的であるのかは、専門家でなければ分からないでしょう。
だからこそ、刑事事件を取り扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部へお気軽にご相談ください。
0120-631-881では専門スタッフがご相談者様に合ったサービスをご案内しています。

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