Archive for the ‘刑事事件’ Category

京都府迷惑防止条例違反(痴漢)で勾留回避

2019-09-15

京都府迷惑防止条例違反(痴漢)で勾留回避

京都府南丹市在住のAさんは,京都府南丹市内を走行中の電車内で,偶然乗り合わせたVさんのお尻を右掌で触りました。
Aさんは,Vさんに右手を掴まれ,電車が停車した駅の駅員に突き出されました。
駅員が通報し,Aさんは臨場した警察官と京都府南丹警察署まで任意同行された後,取調べを受け,痴漢行為を認めたため逮捕されました。
Aさんの妻は,京都府南丹警察署からAさんを痴漢事件の被疑者として逮捕したと聞き,急いで弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

~迷惑防止条例違反(痴漢)~

迷惑防止条例は,市民に迷惑を与えるさまざまな行為を禁止し,罰則を定めたもので,都道府県ごとに定められています。
迷惑防止条例では,性犯罪についても規定しており,いわゆる痴漢にも罰則が定められているので,痴漢をした場合,その痴漢事件の発生地の迷惑防止条例違反として刑事事件となりえます(なお,態様によっては各都道府県の迷惑防止条例違反ではなく,刑法上の強制わいせつ罪となる可能性もあります。)。

京都府の迷惑防止条例=京都府迷惑行為防止条例では,以下のようにして痴漢行為を禁止しています。

京都府迷惑防止条例3条
何人も,公共の場所又は公共の乗物において,他人を著しく羞恥させ,又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で,次に掲げる卑わいな行為をしてはならない。
(1) みだりに,他人の身体の一部に触ること(着衣の上から触ることを含む。)。
(2) みだりに,物を用いて他人の身体に性的な感触を与えようとすること。
(以下略)

Aさんは電車内でVさんのお尻を右の掌で触るという行為をしていますが,このAさんの行為はいわゆる痴漢であり,典型的な迷惑防止条例違反といえます。
そして,京都府迷惑防止条例違反のうち,この痴漢行為に当てはまった場合には,「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」(京都府迷惑防止条例10条1項)となります。
ただし,常習としてこうした痴漢行為をしていたと認められた場合には,より重い「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となります(京都府迷惑防止条例10条3項)。
なお,この常習であるかどうかは単に痴漢の余罪や回数が多いかどうかということだけではなく,前科前歴の有無や期間といった様々な事情から判断されます。

迷惑防止条例違反痴漢)の法定刑は前述のとおりであり,他の犯罪と比較して軽い部類といえます。
しかし,現行犯であった場合やAさんのように被害者や目撃者がその場で駅員や警察へ通報したような場合には,逮捕されてしまうことも十分考えられます。
迷惑防止条例違反痴漢)で逮捕されてしまった場合,何もしないでいると,勾留されてしまい,長期間身体拘束されてしまう可能性もありますが,特に現行犯逮捕のような場合には,弁護士身柄解放活動をすることで釈放される場合も少なくありません。
ですから,こうした痴漢事件で逮捕されてしまった際には,なるべく早く弁護士に依頼して,刑事事件化や勾留を避けるために動くべきでしょう。

逮捕に引き続く身体拘束である勾留をするためには,被疑者に逃亡の可能性と証拠隠滅の可能性があることが必要です。
そのため,弁護士の活動としては,検察官や裁判所に対し,逃亡や証拠隠滅の可能性がないことを主張することが考えられます。
例えば,同居家族の監督が期待できること,被疑者に扶養家族がいること,被疑者が職場で責任ある立場にあること,被疑者と被害者が全くの他人であること,駅の1日の乗降客数が多く被害者に接触することは現実的ではないこと,被疑者が反省し謝罪の意思を有していること,示談が成立しそうであることなどの事情があれば,それらを的確に主張していくことになるでしょう。

また,弁護士は示談のために動き,被疑者に代わって被疑者に対して謝罪の意思を伝え,損害を賠償する示談交渉を行うこともできます。
電車内での痴漢事件では,被害者がどこのどなたかということが分からないことが圧倒的に多いです。
そのため,示談交渉をするには被害者の同意のもとに捜査機関から被害者の方の連絡先を教えてもらう必要がありますが,通常被疑者本人やその関係者に直接被害者の方の情報を教えるということは考えにくいです。
それは,痴漢行為を受けた被害者の方の恐怖感情や処罰感情が強いことも多く,その被害者の方が被疑者に個人情報を知られることをよしとしないことが多いためです。
だからこそ,弁護士を間に入れ,直接のやり取りをしなくてよい状況を作ることで示談交渉を受けてもらいやすくしていくことができるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所痴漢事件も含む刑事事件専門の法律事務所です。
京都府痴漢事件にお困りの際は弊所弁護士までご相談ください。

京都市中京区で名誉毀損事件

2019-09-13

京都市中京区で名誉毀損事件

京都市中京区に住むAさんは,会社の飲み会に参加しました。
飲み会の終盤で,上司のVさんが店員と揉めだし,その店員を殴り全治2週間の怪我を負わせました。
日頃からVさんによるパワハラに耐えかねていたAさんは,この事実を記載しVさんは乱暴者だという内容のビラを社内の掲示板に貼り出しました。
Vさんが警察に相談したことで,Vさんの社内関係者に対して名誉毀損罪による立件を念頭に京都府中京警察署の警察官による事情聴取が開始されました。
自身が被疑者になるかもと怖くなったAさんは弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

【名誉毀損罪】

人の名誉を傷つけたり,人を侮辱することはそれぞれ名誉毀損罪や侮辱罪などによって処罰の対象となります。
事実の適示によらず,単に軽蔑の価値判断を示すことによって名誉を害した場合には侮辱罪の適用が考えられますが,今回はVさんによる店員への暴行(傷害)行為という事実を示しているので,名誉毀損罪の適用が最も濃厚といえます。

刑法第230条第1項は,「公然と事実を適示し,人の名誉を毀損した者は,その事実の有無にかかわらず,3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」と名誉棄損罪を規定しています。
名誉毀損罪における名誉とは,人に対する社会的評価を意味します。
例えば,ある人が特定の女性と親密に交際しているという事実は,それを公表することによってその人の社会的評価を下げるものではないですが,その関係がいわゆる不倫であると示すときは倫理的・道徳的非難を含むことになり名誉毀損行為となる場合があります。

今回の事件のように,被害者が過去に犯した犯罪の事実についても,それが公になると被害者の社会的評価は下がるものと考えられますので,名誉棄損行為に当たるとされる場合が多いです。

名誉棄損罪の成立において,示された事実は,それが真実であることを要しません。
つまり,本当にあったことでなくとも,あるいは本当であったことでも,その事実を述べることにより被害者の社会的評価が害される危険を持つものであれば名誉棄損罪の処罰の対象となり得るということです。

また,名誉棄損罪の成立の際,実際に被害者の名誉が害される必要はありません。
それは,名誉を害するような行為があったとしても,その行為によって被害者の社会的評価が低下したことを確認するのはほとんど不可能だからです。
そこで,名誉毀損罪が成立するためには,名誉が実際に侵害されたことは必要とされず,侵害の危険が生じたことで十分とされています。
加えて,社会的評価を下げるのに適した行為をすることで侵害の危険が生じたものとされ,実際に具体的な侵害の危険が生じることは必要とされません。

一方,名誉毀損罪の成立要件となる行為には公然性が必要とされています。
公然とは,不特定または多数の人が知ることのできる状態をいいます。
ただし,判例によれば,事実を示した相手が特定かつ少数人に止まる場合であっても,そこから他の人に伝播し最終的に不特定多数者が認識し得る可能性があれば公然性が認められるとされています(最判昭和34・5・7刑集13巻5号641頁)。

加えて,名誉棄損罪の成立には事実を適示されることによって社会的評価が害される人物が特定されていることも必要です。
つまり,「日本人」や「京都府民」などといった漠然とした表示では特定性を欠くことになり,被害者の氏名やその者とはっきりと分かる属性が示されていなければ名誉毀損罪は成立しません。

さて,今回のAさんはVさんの店員に対する暴行を示しています。
暴行行為は暴行罪等で処罰される犯罪にあたりうるので,この事実を示されたVさんの社会的評価は害されたものといえます。
AさんはVさんの暴行行為に関するビラを社内の掲示板のみに貼っており,公然性が問題になり得ますが,会社には社外の人間も多く出入りし,さらには判例の理論に則れば,ビラを見た人物が周囲の人物に拡散してしまう可能性も否定できず公然性も認められるでしょう。
したがって,Aさんの行為は名誉毀損罪に当たり得るものといえます。

【真実性の証明】

刑法第230条の2は第1項で「前条(230条)第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り,かつ,その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には,事実の真否を判断し,真実であることの証明があったときは,これを罰しない」と定めています。

同条第2項によって,公訴前の犯罪行為に関する事実は公共の利害に関する事実とみなされるので,Aさんが起訴された場合はこの規定を利用することにより名誉毀損罪の成立を回避することが考えられます。

ただし,主たる目的が公益を図るところになければならないため,Aさんが既にパワハラへの報復目的であったことを示している場合は真実性を証明することによる処罰回避は難しくなります。

【活動の方針】

名誉毀損罪は親告罪なので,Vさんの告訴がなければ起訴されません。
Vさんは既に警察へ相談していますが,告訴されているかは不明です。
さらには,起訴される前であれば告訴を取り消すことができるので,Vさんと早めに示談をして告訴しない(あるいは取り下げる)ようにすることができれば起訴を回避することができます。

示談交渉を当事者のみで行う場合,成立までにかかる時間やその内容などで多くの負担を要します。
また,被害者が加害者と接触することを拒み,交渉を開始することができないケースも多いです。
お早めに弁護士に依頼していただくことで,そういった負担を軽減し,依頼者様により有利な内容で示談を成立させる可能性を飛躍的に高めることができます。

名誉毀損罪の被疑者となってしまった方,京都府中京警察署で取調べを受けることになってしまった方はお早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

詐欺のような窃盗事件?②

2019-09-05

詐欺のような窃盗事件?②

~前回からの流れ~
Aさんは、京都市左京区に住んでいるVさん(84歳)の家を銀行員を装って訪ね、「銀行の者ですが、現在キャッシュカードの悪用が相次いでいるので、システムの変更が必要となりました。それまでキャッシュカードを使用せずに厳重に保管してもらいたいのです」などと言って、Vさんにキャッシュカードを封筒に入れさせ封をさせました。
そして、「開けていないという証拠のために封の部分に印鑑を押してもらいたいので取ってきてください」などと言ってVさんにいったん席を外させ、その隙に偽物のカード状のものが入った別の封筒とVさんのキャッシュカードの入った封筒をすり替えました。
さらにVさんに「システムの変更に必要です」と言ってキャッシュカードの暗証番号を聞き出し、「2週間程度でシステム変更のお知らせをしますので、それまでカードはこのまま封筒に入れておいて使わないでください」と言ってVさん宅を後にしました。
後日、いつまでたっても連絡がこないと不審に思ったVさんが封筒を確認すると、偽物のカードが入っていたため、京都府下鴨警察署に通報。
捜査の結果、Aさんは窃盗罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和元年9月2日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・詐欺のような窃盗事件?

前回の記事では、今回のAさんのケースにかかわりがあると考えられる2つの犯罪、窃盗罪詐欺罪を取り上げました。
今回の記事では、具体的にAさんのケースがなぜ窃盗罪に問われたのか、検討していきます。

前回の記事でも取り上げたように、窃盗罪詐欺罪はそれぞれ刑法に規定されている犯罪です。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

刑法246条
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

窃盗罪詐欺罪は、どちらも財産に対する犯罪ですが、窃盗罪は相手の意思に反して物を自分の管理・支配下におくことで成立し、詐欺罪は相手をだますことで相手の意思で財物を引き渡させることで成立する点に違いがあります。
この点を頭に置きながら、今回のAさんのケースを見てみましょう。

Aさんは、たしかにVさんに銀行員を装ってシステム変更のためにキャッシュカードの保管と暗証番号が必要だという嘘をつき、Vさんをだましています。
ここだけ見ると、人をだましているのだから詐欺罪のようにも思えますが、AさんはVさんにキャッシュカードを引き渡させているのではなく、Vさんが印鑑を取りに行っている間にカードの入った封筒をすり替えることでキャッシュカードを取っています。
つまり、Aさんのケースでは、AさんはVさんのことをだましてはいますが、キャッシュカードをVさんの意思で「交付させ」ているのではなく、Vさんの意思に反して奪い取ってしまったということになります。
ですから、Aさんには詐欺罪ではなく窃盗罪が成立すると考えられるのです。

・詐欺のような窃盗事件の量刑

窃盗罪詐欺罪では、その刑罰に罰金刑のみの規定がある分、窃盗罪の方が軽い刑罰の定められている犯罪であるといえます。
詐欺罪の場合、刑罰として定められているのが懲役刑のみですから、罰金刑のみで処罰する規定がない=起訴されるということは必ず正式な刑事裁判を受けることになり、そこで有罪となれば執行猶予が付かない限り刑務所へ行くことになるのです。

では、詐欺罪で起訴されれば必ず刑事裁判になるのであれば、詐欺罪にならないように、Aさんのような詐欺のような窃盗事件を起こせば軽い処分で済むのでしょうか。
たしかに、窃盗罪は先ほど触れたように罰金刑のみで処罰することが可能であり、万引きなどの軽微な窃盗事件では、事件にもよりますが不起訴処分や略式罰金(罰金を支払うことで事件を終了させる手続き)となる場合も多いです。

しかし、窃盗罪であれば必ず不起訴や罰金刑で終了するわけではありません。
条文にもある通り、窃盗罪にも懲役刑は規定されており、個々の窃盗事件の被害額や犯行態様といった様々な事情を考慮して科せられる刑罰が決められます。
特に今回のような、詐欺に近い手段を用いての窃盗事件では、より悪質な犯行態様であるとみなされ、窃盗罪の中でも重く、詐欺罪に近い量刑で判断されることも十分考えられます。
ですから、成立する罪名が窃盗罪だからと言って軽く考えることはせず、まずは弁護士に相談することが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕・勾留された方向けの初回接見サービスや、在宅捜査を受けている方向けの初回無料法律相談を実施しています。
詐欺事件窃盗事件にお困りの際は、遠慮なく0120-631-881までお問い合わせください。

詐欺のような窃盗事件?①

2019-09-03

詐欺のような窃盗事件?①

Aさんは、京都市左京区に住んでいるVさん(84歳)の家を銀行員を装って訪ね、「銀行の者ですが、現在キャッシュカードの悪用が相次いでいるので、システムの変更が必要となりました。それまでキャッシュカードを使用せずに厳重に保管してもらいたいのです」などと言って、Vさんにキャッシュカードを封筒に入れさせ封をさせました。
そして、「開けていないという証拠のために封の部分に印鑑を押してもらいたいので取ってきてください」などと言ってVさんにいったん席を外させ、その隙に偽物のカード状のものが入った別の封筒とVさんのキャッシュカードの入った封筒をすり替えました。
さらにVさんに「システムの変更に必要です」と言ってキャッシュカードの暗証番号を聞き出し、「2週間程度でシステム変更のお知らせをしますので、それまでカードはこのまま封筒に入れておいて使わないでください」と言ってVさん宅を後にしました。
後日、いつまでたっても連絡がこないと不審に思ったVさんが封筒を確認すると、偽物のカードが入っていたため、京都府下鴨警察署に通報。
捜査の結果、Aさんは窃盗罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和元年9月2日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・窃盗罪

まずは今回のAさんの逮捕容疑である窃盗罪がどういった犯罪が確認してみましょう。
皆さんがご存知のように、窃盗罪は誰かの物を盗むことで成立し、身近なところでは万引きや置引き、ひったくり(例外あり)などが代表的な窃盗罪にあたる行為として挙げられます。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪は、その物を占有している人=その物を管理・支配している人の意思に反してその物を奪取=奪う犯罪です。
こうしたことから窃盗罪は「奪取罪」というくくりでくくられたりもします。
ここでポイントとなるのは、窃盗罪はその物の占有者の意思に反してその物を自分の管理・支配下においてしまうことで成立するのだということです。

・詐欺罪

今回のAさんの事例を見て、「Vさんをだましてキャッシュカードを取っているのに窃盗罪で逮捕されているのはなぜなのだろう」「窃盗罪ではなく詐欺罪なのではないか」と不思議に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、そもそも詐欺罪とはどういった犯罪なのでしょうか。
こちらも確認してみましょう。

刑法246条
人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

つまり、詐欺罪の成立には、「人を欺」き、さらに「財物を交付させ」ることが必要とされます。
「人を欺」くとは、大まかに言えば人をだますことではありますが、この行為は「財物を交付させ」るために行われている必要があります。
単純に嘘をついただけ、人をだましただけでは詐欺罪にはなりません。
そして「財物を交付させ」るとは、簡単に言えば財物を引き渡させるということです。
すなわち、詐欺罪の場合、窃盗罪のようにその物の占有者の意思に反して物を奪い取る犯罪ではなく、相手をだますことで相手の意思でこちらに物を受け渡させる=交付させる犯罪なのです。
こうした点が窃盗罪詐欺罪の異なる点の1つであり、窃盗罪が「奪取罪」というくくりに入るのに対し、詐欺罪が「交付罪」というくくりに入るゆえんでもあります。

今回の記事では、今回のAさんの事例にかかわりそうな窃盗罪詐欺罪という2つの犯罪とその違いを詳しく確認しました。
次回は具体的にAさんのケースを考えていきます。

京都府詐欺事件窃盗事件にお困りの際は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士にご相談ください。
弊所の刑事事件専門弁護士が、複数の犯罪でどれが成立するのか分からない、似たような犯罪の違いが分からない、見通しを教えてほしいといったご相談にも丁寧に対応いたします。
ご予約・お問い合わせは0120-631-881でいつでも受け付けております。

盗品等関与事件で逮捕②盗品等保管罪

2019-09-01

盗品等関与事件で逮捕②盗品等保管罪

京都市左京区に住んでいるAさんは、知人であるBさんから、「引っ越しをするのだがその準備のために一時的に荷物を預かってほしい」と頼まれ、Bさんから時計のコレクションや高級バッグなど複数の荷物を預かりました。
Aさんは、その頼みを受け入れ、Bさんからの荷物を預り、自宅で保管していました。
すると後日、京都府下鴨警察署の警察官が来て、Aさんは盗品等保管罪の容疑で逮捕されてしまいました。
警察官の話では、Bさんが預かってくれと言ってきていた荷物は、Bさんが強盗をして奪ったものであるとのことでした。
Aさんは、家族が接見を依頼した弁護士に面会し、無実を訴えています。
(※この事例はフィクションです。)

・盗品等関与罪の「盗品等」

今回のAさんが容疑をかけられているのは、盗品等関与罪のうち、盗品等保管罪です。

刑法256条1項
盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。

刑法256条2項
前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。

この条文のうち、刑法256条2項の「前項に規定する物」(=刑法256条1項の「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって両得された物」)を「保管」しているという部分にあたると考えられたのでしょう。

ここで、Aさんが預かっていた物は、Bさんが強盗事件を起こして奪ってきたものです。
盗品等保管罪という犯罪名から、「強盗で奪われた被害品も対象となるのか」「あくまで窃盗で盗まれた物のみが対象なのではないか」と不思議に思う方もいるでしょう。
しかし、盗品等関与罪の対象と定められている物は、刑法256条1項で「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」とされています。
盗品」は窃盗によって盗まれた被害品であることに不思議はないでしょう。
問題は、「その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」の部分です。

財産に対する罪とは、一般的に「財産犯」とも呼ばれ、窃盗罪のほか、強盗罪、詐欺罪、恐喝罪、横領罪、背任罪が挙げられます。
さらに、盗品等関与罪では、それらの犯罪によって「領得」された物を盗品等関与罪の客体としています。
「領得」とは、簡単に言えば、他人の財物を自分又は第三者の物にするために取得することを言います。
そのような「領得」が可能な財産犯は、先ほど挙げた財産犯のうち、窃盗罪、強盗罪、詐欺罪、恐喝罪、横領罪となります。
つまり、盗品等関与罪の客体としては、窃盗罪の被害品である「盗品」だけではなく、強盗罪、詐欺罪、恐喝罪、横領罪の被害品も含まれることになるのです。

今回、Aさんが預かっていたBさんの荷物は、強盗事件の被害品でした。
その荷物を自宅で預かる=保管していたわけですから、客観的に見れば、Aさんは盗品等関与罪のうちの盗品等保管罪を犯してしまっていたことになります。

・盗品等保管罪と否認

しかし、前回の記事の事例同様、Aさんは盗品であると知っていたわけではありません。
こうした場合、事実を争っていくことになるでしょう。
刑事事件で容疑を否認して事実を争っていくとなると、裁判で有罪か無罪かを判断してもらうのだから、裁判の場で主張をすればいいと思われがちです。
ですが、実はこうした否認事件の場合、裁判当日に自分自身の主張を証言すればそれだけでよいというわけではありません。

なぜなら、裁判では今まで受けた取調べで作成された供述調書などが証拠として出され、そうした証拠も含めて有罪なのか無罪なのかが判断されるからです。
すなわち、逮捕され取調べを受ける段階から、その供述が裁判で証拠として出されるかもしれないということを考えながら対応を行っていかなければ、意図せずして自分に不利な証拠を自分で作ってしまう可能性があるということなのです。
逮捕や勾留がつらいからとりあえず認めて、後で裁判の時に弁解しようなどと思っても、容疑を認めている供述調書があれば、それを裁判当日の証言のみで撤回するのは至難の業です。

そうした事態を避けるためにも、逮捕されてしまった時にはすぐに弁護士のサポートを受けることが望ましいでしょう。
逮捕・勾留されるということは身体拘束され、周りとの自由な連絡もできなくなるということですから、誰にも助けを求めることができません。
ただでさえ容疑を否認し続けるということは精神的にも大きな負担のかかることです。
弁護士にこまめに面会し、取調べのアドバイスや見通しだけでなく、周囲の人たちとの橋渡しをしてもらうことで、事件の面だけでなく、精神的な面でもケアしてもらうことができます。

前回の記事でも述べたように、盗品等保管罪など、盗品等関与罪のうち刑法256条2項に規定されている犯罪は、罰金刑と懲役刑が併科される前提の法定刑であり、非常に重い犯罪です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、事例のような否認事件はもちろん、容疑を認めているような事件についてもご相談・ご依頼をお待ちしています。
逮捕・勾留・呼び出しにお困りの際は、遠慮なく0120-631-881までお電話ください。

盗品等関与事件で逮捕①盗品運搬罪

2019-08-30

盗品等関与事件で逮捕①盗品運搬罪

京都府南丹市に住むAさんは、友人のBさんから「少し運んでほしいものがある。自分の車では積み込むスペースが足りないので、Aさんの車で運んでほしい。お礼はするから指示した場所まで来て荷物を積み込み、目的地まで運んでほしい」と頼まれました。
Bさんがお礼はするといっていたため、Aさんは快く引き受け、Bさんが指定した場所でAさんの持ってきていた荷物を積み込むと、Aさんから聞いていた目的地まで自動車を運転して荷物を運び、Aさんに引き渡しました。
すると後日、京都府南丹警察署の警察官がBさんのもとを訪れ、盗品運搬罪の容疑で逮捕してしまいました。
警察官から聞いたところ、AさんがBさんから頼まれて運んだ荷物は全て盗品で、Bさんは窃盗罪の容疑で逮捕されているとのことでした。
Bさんは寝耳に水であるとして容疑を否認しています。
(※この事例はフィクションです。)

・盗品等関与罪

窃盗行為によって盗まれた物(被害品)や、そのほか財産犯罪によって奪われた物に関連する犯罪として、盗品等関与罪と呼ばれる犯罪があります。
この盗品等関与罪は刑法256条1項・2項に規定されています。

刑法256条1項
盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。

刑法256条2項
前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。

この2つの条文が規定している犯罪を盗品等関与罪と呼ぶのですが、その形態により、より細かく分けた犯罪名で呼ばれることもあります。
今回の記事から複数回にわたって、この盗品等関与罪について取り上げていきます。

・なぜ盗品等関与罪は罰せられる?

そもそも、なぜ盗品等関与罪は罰せられるのでしょうか。
盗品等関与罪では、窃盗行為や財産犯罪をした人ではなく、その被害品である盗品等にかかわった人が罰せられます。
窃盗行為等をしていない人が罰せられるのに疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。

盗品等関与罪が犯罪とされている理由については、一般に、窃盗罪等の財産犯罪の被害を受けた被害者(「盗品等」を盗まれてしまったり奪われてしまったりした被害者)が盗品を取り返そうと思っても、盗品等関与罪に規定されているような行為をされてしまえば、盗品の追求が困難になってしまうからだ、と言われています。
そのほか、学説によっては、財産犯罪によって発生した違法な状態(例えば盗品が盗まれたままの状態)を継続させてしまう行為だからであるという説や、盗品等関与罪に定められている行為が認められてしまえば財産犯罪が起こることを助長してしまうからであるという説もあります。
こうしたことから、窃盗行為等をした本人でなくとも、盗品等関与罪に定められた行為をしてしまえば罰せられることになるのです。

・盗品運搬罪

では、今回のAさんは盗品等関与罪のうちどういった罪に当たるのでしょうか。
Aさんは、盗品をBさんの指示に従って運搬していることから、いわゆる「盗品運搬罪」に該当するおそれがあります。
先ほど挙げた条文で言えば、刑法256条2項の「前項に規定する物を運搬し」という部分が当てはまります。
盗品運搬罪で有罪となれば、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金となります。

ここで注意すべきなのは、盗品運搬罪の法定刑は10年以下の懲役「及び」50万円以下の罰金であるという点です。
つまり、懲役刑と罰金刑が併科されることが前提となっているのです。
ですから、罰金刑が規定されてはいるものの、罰金刑のみで処罰されることはありませんので、盗品運搬罪で起訴されるということは正式な刑事裁判を受けるということになるのです(つまり、罰金だけ払って事件終了となる略式手続は利用できません。)。
だからこそ、公判弁護活動も見据えて、早め早めに弁護士に相談することが求められるのです。

今回の事例では、Aさんは盗品であることを知らずに運搬を行ってしまっています。
こうした場合、盗品運搬罪の故意がないとして争うことも考えられます。
先ほど触れたように、盗品運搬罪で起訴されるということは公開の法廷に立って刑事裁判を受けることを意味します。
裁判本番での対応はもちろんのこと、そこできちんと自分の言い分を主張するためには、取調べ段階から慎重な対応をしていくことが求められます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に精通した弁護士が、取調べ段階から公判弁護活動まで、一貫して丁寧な弁護活動で被疑者・被告人本人やそのご家族をサポートします。
盗品運搬事件等の盗品等関与事件逮捕にお困りの際は、お気軽に弊所までお問い合わせください。

(京都市伏見区)直接殴らなくても公務執行妨害罪?②

2019-08-28

(京都市伏見区)直接殴らなくても公務執行妨害罪?②

~前回からの流れ~
Aさんは、京都市伏見区の路肩に運転していた自動車を停めて車内で休憩していたところ、あたりを巡回していた京都府伏見警察署の警察官から職務質問を受けました。
警察官は窓の外からAさんに職務質問をしていたのですが、Aさんは職務質問を受けることが億劫になり、車を急発進させました。
その結果、運転席のドアに手をかけていた警察官を引きずって転倒させ、軽傷を負わせる事態となりました。
Aさんは公務執行妨害罪と傷害罪の容疑で京都府伏見警察署に逮捕されることとなり、その知らせを聞いたAさんの家族は、急いで弁護士に相談することにしました。
相談を受けた弁護士は、まずは事件全体の詳細を知ると同時にAさんに今後の手続きや対応をアドバイスする必要があるとして、すぐに逮捕されているAさんに直接面会することにしました。
(※令和元年8月13日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・直接殴らなくても公務執行妨害罪

前回の記事までで、Aさんのケースは「公務員」である京都府伏見警察署の警察官が、職務質問という「職務を執行する」際に起きた出来事であるため、ここでAさんが警察官に対して「暴行又は脅迫」を加えていると認められれば、Aさんは公務執行妨害罪に問われることになるだろうということが確認できました。
しかし、今回のケースでは、Aさんは警察官に直接殴る蹴る突き飛ばすといった暴行を加えているわけではありません。
こうした場合にも公務執行妨害罪は成立するのでしょうか。

結論から言うと、こうした場合でも公務執行妨害罪は成立する可能性があります。
過去の判例では、公務執行妨害罪のいう暴行・脅迫は、公務員に向けられた有形力の行使である必要はあるが、必ずしも直接に公務員の身体に加えられる必要はなく、公務員の身体に感応しうるものであれば足りる、と解釈されています(最判昭和37.1.23)。
よく挙げられる例としては、司法巡査が現行犯逮捕の現場で差し押さえて置いていた覚せい剤のアンプルを踏みつけて壊した行為(最決昭和34.8.27)があります。
その他、公務員本人ではなく、公務員の指揮下にその手足となって働き、職務の執行に密接不可分の関係にある補助者に暴行を加えられたような場合でも、公務執行妨害罪の「暴行」であると判断された例もあります(最判昭和41.3.24)。
つまり、直接公務員を殴りつけるなどの暴行でなくとも、公務執行妨害罪は成立しうるのです。

今回のAさんのケースを見てみると、Aさんは警察官の職務質問中、車を急発進させています。
警察官に直接分かりやすく暴行を加えたわけではありませんが、警察官がそばにいて自動車に触れていると認識して車を急発進させたのであれば、警察官への有形力の行使が認められ、職務質問中の警察官へ「暴行」を加えた=公務執行妨害罪であると判断される可能性が高いでしょう。

・公務執行妨害罪と傷害罪

今回のAさんは、公務執行妨害罪を犯してしまった際に、警察官に怪我を負わせてしまっています。
ですから、Aさんには公務執行妨害罪だけでなく、傷害罪も成立することが考えられます。

刑法204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

Aさんは警察官に怪我をさせようと思って車を発進させたわけではないかもしれませんが、傷害罪は暴行罪の結果的加重犯=結果が予想よりも重くなった場合に成立するより重い罪です。
つまり、公務執行妨害罪の「暴行」の結果、その結果が重くなり警察官に怪我を負わせていることから、Aさんには傷害罪が成立すると考えられるのです。

そして、今回の場合、Aさんは警察官に暴行を振るうという1つの行為によって、公務執行妨害罪と傷害罪という2つの罪を犯していることになります。
こうしたケースでは、「観念的競合」という考え方が用いられ、この2つの犯罪のうち最も重い刑により処断されます。
つまり、Aさんの場合では、公務執行妨害罪と傷害罪では傷害罪の法定刑の方が重く設定されていますので、傷害罪の法定刑の範囲で処罰が決められるということになります。

どういった行為が公務執行妨害罪となるのか、他にも犯罪は成立するのか、複数犯罪が成立した場合どういった処理が考えられるのか等、刑事事件については様々な疑問があることでしょう。
そうした疑問の数々は、専門家の弁護士に相談するのが一番です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が事務所での初回無料法律相談や、逮捕・勾留された方向けの初回接見サービスを実施しています。
まずは0120-631-881までお電話ください。

(京都市伏見区)直接殴らなくても公務執行妨害罪?①

2019-08-26

(京都市伏見区)直接殴らなくても公務執行妨害罪?①

Aさんは、京都市伏見区の路肩に運転していた自動車を停めて車内で休憩していたところ、あたりを巡回していた京都府伏見警察署の警察官から職務質問を受けました。
警察官は窓の外からAさんに職務質問をしていたのですが、Aさんは職務質問を受けることが億劫になり、車を急発進させました。
その結果、運転席のドアに手をかけていた警察官を引きずって転倒させ、軽傷を負わせる事態となりました。
Aさんは公務執行妨害罪と傷害罪の容疑で京都府伏見警察署に逮捕されることとなり、その知らせを聞いたAさんの家族は、急いで弁護士に相談することにしました。
相談を受けた弁護士は、まずは事件全体の詳細を知ると同時にAさんに今後の手続きや対応をアドバイスする必要があるとして、すぐに逮捕されているAさんに直接面会することにしました。
(※令和元年8月13日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・公務執行妨害罪

今回のAさんは公務執行妨害罪の容疑で逮捕されていますが、そもそも公務執行妨害罪は、刑法95条に規定のある犯罪です。

刑法95条
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

公務執行妨害罪の客体は「公務員」です。
今回のAさんのケースのような警察官や、市役所や区役所の職員、公立学校の先生等が「公務員」の例として考えられます。
そしてその「公務員」が「職務を執行する」際に、暴行・脅迫をした者に成立するのが公務執行妨害罪です。

では、その「職務を執行する」とはどういうことかというと、簡単に言えば、公務員の仕事をするということです。
つまり、警察官や市役所職員といった「公務員」であっても、休日のプライベートな時間を過ごしている最中に暴行・脅迫された場合には、公務執行妨害罪ではなく暴行・傷害罪や脅迫罪、強要罪といった犯罪が成立するにとどまるということになります。

今回のAさんのケースで言えば、京都府伏見警察署の警察官は付近の見回りをしており、職務質問をしています。
職務質問は、警察官執務執行法という法律の2条に定められている行為で、警察官の職務の1つです。

警察官職務執行法2条
警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。

この職務質問の最中の警察官は、まさに「公務員が職務を執行」しているところであるといえるでしょう。
なお、公務執行妨害罪にいう「職務」は適法な「職務」であることが要求されます。
違法な公務の執行は保護される必要がなく、これを保護してしまえば公務員の地位を保護することになってしまい、公務執行妨害罪の趣旨(=公務の執行の適正を保護すること)から外れてしまうからです。
ですから、万が一、Aさんのケースで職務質問が違法なものであったような場合には、Aさんは公務執行妨害罪を問われずに済む可能性もあります(ただし、自動車を急発進させて警察官に怪我をさせていることから、傷害罪等については問われる可能性が残ります。)。

また、判例では職務の執行中だけでなく、職務開始直前の、執務と密接に関連した待機状態も含むと認められている例もあることから、仕事の時間になっていない=必ず公務執行妨害罪となるわけではなく、その詳細な事情を考慮されて判断されるものであると注意するべきでしょう。

さて、この「公務員が職務を執行する」際に暴行・脅迫をすることで公務執行妨害罪が成立するのですが、今回のAさんのような場合でも公務執行妨害罪は成立するのでしょうか。
次回の記事で詳しく見ていきましょう。

0120-631-881では、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の専門スタッフがいつでもお問い合わせを受け付けています。
公務執行妨害事件の場合、警察官相手に暴行等を行い、その場で現行犯逮捕されてしまうというケースも多く見られます。
突然の逮捕にお困りの際は、刑事事件専門の弊所弁護士までご相談ください。

傷害致死事件の情状弁護

2019-08-22

傷害致死事件の情状弁護

Aさんは,京都市山科区の飲食店で行われた職場の飲み会の際,同僚のVさんと口論になり,Vさんの顔面を数回殴りました。
飲み会に参加していたほかの人や飲食店の従業員がAさんを止め,救急車を呼びましたが,VさんはAさんに殴られたことが原因で外傷性くも膜下出血となってしまい,搬送先の病院で死亡してしまいました。
Aさんは,救急車と一緒に通報を受けてかけつけた京都府山科警察署の警察官に,傷害致死罪の容疑で逮捕されました。
Aさんは,口論をしていたとはいえVさんを殴ったことを非常に反省しており,その気持ちをどうにか表していきたいと考えています。
Aさんの家族は刑事事件に強いという弁護士に弁護活動を依頼し,情状弁護をしてもらうことにしました。
(フィクションです。)

~傷害致死罪~

人を傷害した場合に,その傷害を受けた人が死亡したときは,傷害致死罪(刑法205条)が成立し,3年以上の有期懲役が科せられます。
人の死の結果が生じたことについて過失がなくとも,人を傷害する故意があったのであれば,傷害致死罪は成立します(最判昭和26年9月20日)。
なお,人を殺す意思までもって人を傷害し,その結果傷害を受けた人が亡くなってしまった場合には,殺人の故意をもって人を殺してしまったわけですから,殺人罪が成立します。
つまり,傷害致死罪が成立するのは,大まかに言えば「殺すつもりはなかったが与えた暴行・傷害がもとになって亡くなってしまった」というような場合なのです。

ただし,傷害行為と人の死の結果について因果関係がなければ,傷害致死罪は成立しません。
Aさんは口論の結果Vさんを殴っているのですから,Aさんに傷害の故意があることは問題ないでしょう。
そしてAさんに殴られたためにVさんが外傷性くも膜下出血になって死亡したのですから,Aさんの傷害行為とVさんの死の結果には因果関係が認められます。
AさんはVさんを殺そうと思って殴ったり,死んでしまっても構わないと殴ったりしたわけでもなさそうですから,Aさんには傷害致死罪が成立すると考えられるのです。

~傷害致死事件と弁護活動~

傷害致死罪が成立することについて全く争いがなく刑事事件化して逮捕されてしまったような場合,被害者が亡くなっている事件であり,その法定刑が重いことからも,早期の釈放を実現させることは簡単ではありません。
被害者遺族と示談が成立しても,なかなか釈放されない場合も考えられます。
だからこそ,刑事事件に強い弁護士のサポートを受けながら,釈放を目指すと同時に身体拘束されている被疑者本人のケア,周囲のご家族のケアをしてもらうことが重要になってくるといえるでしょう。

また,傷害致死事件裁判員裁判の対象事件となります。
裁判員裁判は,刑事裁判に至るまでの過程や手続きも特殊であり,さらに刑事裁判に一般の方である裁判員が参加します。
そのような場合であっても,刑を軽くしてもらうように弁護活動を進めていくことは可能です。
例えば,刑事裁判の場で,犯行の悪質性が低いことや被害者遺族との示談締結など,判決を決めるうえで被告人の有利になるような事情があれば,その事情を主張していくことが考えられます。
これを情状弁護といいます。
弁護士は情状弁護を行うことで,執行猶予付き判決の獲得や刑罰の減軽を目指していきます。

刑事裁判の場で情状弁護をするためには,被害者遺族への謝罪・賠償を含めた示談交渉や,被告人の周囲の人と協力した再犯防止対策の構築,その傷害致死事件の犯行当時やその前後の詳細な事情の検討など、さまざまなことに専門的な視点をもって取り掛からなければなりません。
だからこそ,傷害致死事件でお困りの際は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士まで,お早めにご相談ください。
弊所の刑事事件専門の弁護士が,逮捕直後の弁護活動から刑事裁判での情状弁護活動まで,迅速に対応いたします。

覚せい剤所持事件で保釈を目指す

2019-08-20

覚せい剤所持事件で保釈を目指す

Aさんは、覚せい剤に興味を持ち、数か月前からインターネットを利用して覚せい剤を購入し、京都府福知山市の自宅で覚せい剤を使用していました。
しかし、Aさんの挙動がおかしいことに気づいた近隣住民が京都府福知山警察署に通報したことにより、Aさんは覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは勾留され、起訴されることも決まりました。
Aさんの家族は、どうにかAさんの身体拘束を解くことはできないかと、保釈について弁護士に相談することにしました。
相談後、Aさんの家族は弁護活動を依頼することにし、弁護士はAさんに速やかに接見を行い、保釈請求をするための準備を始めました。
(※この事例はフィクションです。)

・保釈とは

保釈とは、起訴後、保釈保証金の納付を条件に、被告人の身体拘束を解く制度のことを言います。
保釈は起訴後に可能となる制度であるため、逮捕段階や被疑者段階での勾留では利用することはできません。

そして、保釈の際に納付する保釈保証金とは、一般的に保釈金と呼ばれるもので、その額は事件や被告人の環境によって変動します。
保釈金は、保釈中に逃亡したり証拠隠滅をしたりしないようにするための担保とされるもので、それらの条件を破ってしまった場合に一部または全部没収されることになります。
そのため、その人の没収されてしまったら困るという額が保釈金とされるのです。
なお、保釈中に保釈の条件を守ることができれば、最終的に保釈金は戻ってきます。

そして、保釈金が払えれば保釈される、というわけではないことに注意が必要です。
保釈されるためには、逃亡や証拠隠滅等のおそれがないと認められる必要が出てきますから、客観的に見てそうしたおそれのない環境であることを主張していくことが求められます。
つまり、よくイメージされがちなように「お金をたくさん払えば保釈される」ということではないのです。

保釈には、3つの種類があり、それぞれ権利保釈、裁量保釈、義務的保釈と呼ばれています。
権利保釈は、保釈の要件(刑事訴訟法89条1~6号)を満たす場合は、保釈の請求があれば保釈しなければならないという保釈のことをいいます。
また、裁量保釈は、上記権利保釈に該当しない場合でも、裁判所が適当と認める場合には、保釈を許すことができるという保釈です。
最後の義務的保釈とは、勾留による身体拘束が不当に長くなった場合になされる保釈のことをいいます。

これらの保釈をするためには、裁判所に対して保釈請求を行わなくてはなりません。
保釈請求の際には、先ほど触れたように、被告人が逃亡しないことや証拠隠滅のおそれがないことなどを、具体的な事情にからめながら裁判官に主張する必要があります。
刑事事件に強い弁護士と被告人本人、被告人の周囲の方々が一丸となることで、この環境をつくり、保釈に向けた一歩を踏み出すことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件専門の法律事務所ですから、保釈に関連したご相談やご依頼も、多数承っております。
覚せい剤などの薬物事件は、逮捕・勾留といった身体拘束を受ける確率が高い事件であると言われています。
京都府の覚せい剤事件やその保釈請求についてお困りの際は、まずは弊所の弁護士まで、ご相談ください(お問い合わせフリーダイヤル:0120-631-881)。

« Older Entries