Archive for the ‘刑事事件’ Category

当て逃げだと思っていたのにひき逃げで逮捕?②

2020-03-31

当て逃げだと思っていたのにひき逃げで逮捕?②

当て逃げだと思っていたのにひき逃げ逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都府京田辺市にあるショッピングモールに自動車を運転して買い物に来ていました。
Aさんが帰ろうと駐車場から車を発進させた際、運転を誤って、前に停まっていた自動車に追突させてしまいました。
Aさんが車内から様子を伺ったところ、その車には誰も乗っていないように見えたため、「高速で走っているところをぶつかったわけではないのだし、車も大きく壊れたわけではない。放置しても大丈夫だろう」と考えたAさんは、そのまま車を運転して帰宅しました。
すると後日、Aさん宅に京都府田辺警察署の警察官がやってきました。
Aさんは、先日駐車場で車をぶつけてしまったことを思い出し、当て逃げの犯人として取調べを受けるのだろうと思っていました。
しかし、警察官は「ひき逃げ事件の被疑者として逮捕する」という旨を伝え、Aさんはひき逃げ事件の被疑者として逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・当て逃げだと思ってもひき逃げに?

今回のAさんは、自分のした行為が当て逃げだと思っていたようですが、実際にかけられた容疑はひき逃げでした。
前回の記事で確認した通り、当て逃げもひき逃げも、交通事故を起こしながら道路交通法の義務に違反する道路交通法違反ということは共通しています。
そして、その交通事故で人が死傷しているのかどうか、それに対して救護等をしたのかどうかによって当て逃げひき逃げかが代わってくることになります。
ですから、簡単に考えれば、交通事故が物損事故なのか人身事故なのかによって当て逃げひき逃げか変わるということになります。

今回のAさんは、駐車場で自動車を動かした際に低速度で他の車にぶつかったようです。
その際、Aさんは相手の車に誰も乗っていないと思ってそのまま立ち去っていますが、その中に人がいて怪我をしていれば、それは人身事故となる可能性があります。
たとえ駐車場での低速度での交通事故であっても、捻挫やむちうちなどの怪我を負ってしまい診断書が出ることは考えられますし、その怪我が交通事故に由来するものであれば、人身事故として処理されることも考えられます。
今回のAさんの場合も、Aさんが見落としていたところに車の搭乗者がいて、Aさんの車との衝突によって怪我をしていたことが考えられます。

駐車場や渋滞中などに起こった低速度の交通事故でも、人身事故になる可能性があることに注意しましょう。
どちらにせよ、人身事故でも物損事故でも起こしてしまった場合には道路交通法上の義務がありますから、そのまま立ち去らないようにしましょう。

・ひき逃げをしてしまったら何罪?

前回の記事でも触れた通り、ひき逃げ行為自体は道路交通法に違反した道路交通法違反という罪になります。
これは当て逃げ行為の場合も同じですが、ひき逃げをしてしまった場合には、この道路交通法違反のほかにも犯罪が成立します。

人身事故を起こしてしまった場合には、自動車運転処罰法の中に規定のある、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪といった犯罪が成立します。
これはひき逃げ当て逃げといった行為ではなく、人身事故を起こしてしまったこと自体に成立する犯罪です。
今回のAさんのような不注意によって相手に怪我を負わせてしまった交通事故の場合、過失運転致傷罪が成立する可能性が高いでしょう。

自動車運転処罰法5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

まとめると、ひき逃げ事件の場合、ひき逃げ行為に成立する道路交通法違反と、人身事故を起こしたことに成立する過失運転致死傷罪などという、2つの犯罪が成立することになるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、こうした当て逃げひき逃げのような交通事故に関連した刑事事件のご相談も受け付けています。
当て逃げひき逃げといった、現場から一度逃げているという事情のある刑事事件では、逃亡のおそれが高いとして逮捕されることも珍しくありません。
突然の逮捕は刑事事件に強い弁護士にぜひご相談ください。

当て逃げだと思っていたのにひき逃げで逮捕?①

2020-03-29

当て逃げだと思っていたのにひき逃げで逮捕?①

当て逃げだと思っていたのにひき逃げ逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都府京田辺市にあるショッピングモールに自動車を運転して買い物に来ていました。
Aさんが帰ろうと駐車場から車を発進させた際、運転を誤って、前に停まっていた自動車に追突させてしまいました。
Aさんが車内から様子を伺ったところ、その車には誰も乗っていないように見えたため、「高速で走っているところをぶつかったわけではないのだし、車も大きく壊れたわけではない。放置しても大丈夫だろう」と考えたAさんは、そのまま車を運転して帰宅しました。
すると後日、Aさん宅に京都府田辺警察署の警察官がやってきました。
Aさんは、先日駐車場で車をぶつけてしまったことを思い出し、当て逃げの犯人として取調べを受けるのだろうと思っていました。
しかし、警察官は「ひき逃げ事件の被疑者として逮捕する」という旨を伝え、Aさんはひき逃げ事件の被疑者として逮捕されてしまいました。
(※この事例はフィクションです。)

・当て逃げとひき逃げの違い

今回のAさんは、自分では当て逃げをしてしまったと思っていたところ、ひき逃げの容疑で逮捕されてしまっています。
当て逃げひき逃げも、交通事故を起こしてしまったところから義務を果たさずに逃げてしまった場合に成立しますが、実は「当て逃げ」「ひき逃げ」という犯罪があるわけではありません。
当て逃げやひき逃げは、道路交通法の条文に違反する、道路交通法違反という犯罪の通称なのです。

まず、道路交通法には、交通事故を起こしてしまった際の義務として、以下の義務が定められています。

道路交通法72条1項
交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。
この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

簡単に言えば、交通事故を起こしたときにはすぐに運転をやめ、負傷者を救護する義務や道路上の危険を防止する義務、警察官等に交通事故について報告する義務を果たさなければならないということになっているのです。
これに違反するのが当て逃げ引き逃げ、ということになります。

道路交通法117条
1項 車両等(軽車両を除く。以下この項において同じ。)の運転者が、当該車両等の交通による人の死傷があつた場合において、第72条(交通事故の場合の措置)第1項前段の規定に違反したときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2項 前項の場合において、同項の人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるときは、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

道路交通法119条
次の各号のいずれかに該当する者は、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処する。
10号 第72条(交通事故の場合の措置)第1項後段に規定する報告をしなかつた者

道路交通法117条1項・2項が定めているのが、いわゆる救護義務違反または危険防止措置義務違反、つまり、交通事故によって死傷者が出た場合に救護をしたり道路上の危険を防止する措置をしたりする義務を果たさなかったという道路交通法違反です。
多くの場合、これが一般に言われる「ひき逃げ」の罪です。

そして、道路交通法119条10号では、いわゆる報告義務違反、交通事故を起こしたときに警察等に事故を報告しなかったという道路交通法違反です。
交通事故による死傷者がいない物損事故を起こし逃げた場合=当て逃げの場合、この道路交通法違反となることが多いでしょう。

さて、こうした当て逃げひき逃げですが、実際にAさんのように、当て逃げだと思っていたのにひき逃げ逮捕されることはありえるのでしょうか。
次回の記事で詳しく触れていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、交通事故に絡んだ刑事事件のご相談・ご依頼も受け付けています。
当て逃げ事件ひき逃げ事件逮捕にお困りの際は、遠慮なく弊所弁護士までご相談下さい。

違法マッサージ店経営で逮捕②

2020-03-27

違法マッサージ店経営で逮捕②

違法マッサージ店経営で逮捕されてしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都市右京区でマッサージ店を経営していました。
そのマッサージ店は、表向きは通常のマッサージをサービスとして提供するマッサージ店とされていましたが、実は性的サービスを地峡する違法マッサージ店であり、さらにそのマッサージ店のあるエリアは風俗営業が禁止されているエリアでした。
その日も、Aさんはいつもと同じようにマッサージ店を営業させていたのですが、京都府右京警察署の警察官が令状をもってやってきて、Aさんは違法マッサージ店を経営したとして、風営法違反の容疑で逮捕されることとなってしまいました。
Aさんの家族は、Aさんがなかなか帰ってこないことから心配し、京都府右京警察署に問い合わせたところ、Aさんが逮捕されていることを知りました。
そこで、Aさんの家族は弁護士に依頼し、Aさんがどうして逮捕されているのかを聞いてくるとともに、Aさんに今後についてアドバイスしてもらうよう接見に行ってもらうことにしました。
(※令和2年3月24日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)

・風営法と風俗営業等の許可・届け出

前回の記事では、Aさんの経営していたような内容のマッサージ店、つまり風営法上の「店舗型性風俗関連特殊営業」などを営業させるには、営業禁止エリア外での営業が必要であること、営業禁止エリア内で営業してしまえば風営法違反となることに触れました。
しかし、風俗営業等を営業するには、こうしたエリアの制限を守ればよいだけではありません。

風営法に定められている風俗営業等を営業するには、風営法に定められているように許可を取ったり届出を提出したりしなければなりません。
例えば、今回のAさんの経営していたようなマッサージ店が該当するであろう「店舗型性風俗関連特殊営業」の場合、以下のように定められています。

風営法27条1項
店舗型性風俗特殊営業を営もうとする者は、店舗型性風俗特殊営業の種別(第2条第6項各号に規定する店舗型性風俗特殊営業の種別をいう。以下同じ。)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する公安委員会に、次の事項を記載した届出書を提出しなければならない。
(略)

つまり、この公安委員会への届け出を出さずに性的サービスを提供するマッサージ店を経営すれば、無許可営業をしていることとなり、違法マッサージ店を経営したことによる風営法違反となってしまうのです。

風営法52条
次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
4号 第27条第1項、第31条の2第1項、第31条の7第1項、第31条の12第1項又は第31条の17第1項の届出書を提出しないで性風俗関連特殊営業を営んだ者

今回のAさんのように、風俗営業等を営業禁止エリア内で営業してしまっていたような場合には、この風営法上の届出の提出や許可を受けていない可能性が高いです。
そうなると、この風営法の条文にも違反してしまうということになります。

風営法違反事件では、店の関係者が存在することも多いことから、逮捕されて身体拘束されてしまう可能性も高いです。
Aさんのような経営者や、店で実際に働いていた従業員まで逮捕されてしまうことも多いですから、そのご家族などは事情が分からず困ってしまうこともあります。
だからこそ、逮捕されてしまったと知った時からできるだけ早く、弁護士に相談することが望ましいといえます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕直後から刑事事件専門の弁護士が活動を行います。
まずは初回接見サービスのご利用がおすすめです。
お気軽にご相談ください。

違法マッサージ店経営で逮捕①

2020-03-25

違法マッサージ店経営で逮捕①

違法マッサージ店経営逮捕されてしまった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは、京都市右京区マッサージ店を経営していました。
そのマッサージ店は、表向きは通常のマッサージをサービスとして提供するマッサージ店とされていましたが、実は性的サービスを地峡する違法マッサージ店であり、さらにそのマッサージ店のあるエリアは風俗営業が禁止されているエリアでした。
その日も、Aさんはいつもと同じようにマッサージ店を営業させていたのですが、京都府右京警察署の警察官が令状をもってやってきて、Aさんは違法マッサージ店を経営したとして、風営法違反の容疑で逮捕されることとなってしまいました。
Aさんの家族は、Aさんがなかなか帰ってこないことから心配し、京都府右京警察署に問い合わせたところ、Aさんが逮捕されていることを知りました。
そこで、Aさんの家族は弁護士に依頼し、Aさんがどうして逮捕されているのかを聞いてくるとともに、Aさんに今後についてアドバイスしてもらうよう接見に行ってもらうことにしました。
(※令和2年3月24日YAHOO!JAPANニュース配信記事を基にしたフィクションです。)

・マッサージ店と風営法

今回のAさんは、違法マッサージ店を経営したとして、風営法違反の容疑をかけられ逮捕されてしまっています。
通常のマッサージを提供するマッサージ店の場合は不要ですが、性的サービスを行うマッサージ店、いわゆる風俗エステや性感エステ、ファッションヘルスなどと呼ばれる店の場合、風営法風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の規制を受けることとなることから、風営法の規定に従って営業をしなければなりません。

風営法2条
5項 この法律において「性風俗関連特殊営業」とは、店舗型性風俗特殊営業、無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業及び無店舗型電話異性紹介営業をいう。
6項 この法律において「店舗型性風俗特殊営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。
2号 個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業(前号に該当する営業を除く。)

今回のAさんが経営していたような形態のマッサージ店では、上記の風営法の条文に当てはまり、風営法の規制を受けることになると考えられます。

・風営法と風俗営業等禁止エリア

風営法の規制対象となる風俗営業等が受ける規制の1つに、営業禁止区域があるということが挙げられます。
風営法では、以下の条文で今回のAさんのマッサージ店が該当するであろう「店舗型性風俗特殊営業」の営業禁止区域について定めています。

風営法28条
1項 店舗型性風俗特殊営業は、一団地の官公庁施設(官公庁施設の建設等に関する法律(昭和26年法律第181号)第2条第4項に規定するものをいう。)、学校(学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定するものをいう。)、図書館(図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定するものをいう。)若しくは児童福祉施設(児童福祉法第7条第1項に規定するものをいう。)又はその他の施設でその周辺における善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する必要のあるものとして都道府県の条例で定めるものの敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。)の周囲200メートルの区域内においては、これを営んではならない。
2項 前項に定めるもののほか、都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、条例により、地域を定めて、店舗型性風俗特殊営業を営むことを禁止することができる。
(略)

つまり、風営法上の学校や図書館の周辺等については風営法で一括して営業の制限がされており、さらに都道府県ごとに営業禁止のエリアが設けられているという形になります。
この営業禁止区域内で風俗営業等を営業すれば、風営法違反になってしまいます。

風営法49条
次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
5号 第28条第1項(第31条の3第2項の規定により適用する場合及び第31条の13第1項において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
6号 第28条第2項(第31条の3第2項の規定により適用する場合及び第31条の13第1項において準用する場合を含む。)の規定に基づく都道府県の条例の規定に違反した者

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕直後から初回接見サービスをご利用いただけます。
初回接見サービスをご利用いただくことで、事件の概要を把握し、今後の対応をどのように行っていくべきかより具体的に見通すことができます。
専門スタッフが丁寧にご案内致しますので、ますはフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

万引きGメンに現行犯逮捕されたら

2020-03-23

万引きGメンに現行犯逮捕されたら

万引きGメン現行犯逮捕されてしまったケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都府木津川市に住むAさんは、生活費を節約したいとの思いから、ここ何か月か近所のスーパーで万引きをすることを繰り返していました。
その日もスーパーに行って万引きをしてしまったAさんでしたが、スーパーの出入り口から店を出たところ、スーパーの万引きGメンに腕をつかまれ、「万引きしましたよね」と言われ、逮捕されてしまいました。
その後、Aさんは京都府木津警察署の警察官に引き渡され、警察署の留置場に留置されることになりました。
Aさんの家族は、京都府木津警察署からAさんが現行犯逮捕されて警察署にいるということを聞き、慌てて弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・万引き

万引きと言ってしまえば聞こえは軽いかもしれません。
しかし、万引き窃盗罪という立派な犯罪の一種です。
窃盗罪を犯した者は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。

刑法235条(窃盗罪)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

万引きという言葉の軽さや、初犯で被害額が少ない場合には弁償や謝罪をすることで微罪処分や不起訴処分となることも多いことから、万引きを繰り返してしまうという方も少なくありません。
確かに、万引きで長期の有期刑となることはなかなか多くなく、特に初犯の場合は大事にならずに済む場合も少なくないことから、「万引きくらいではたいしたことにならない」と思ってしまうかもしれません。
しかし、それはあくまで初犯であったり、被害額が少額であったり、謝罪や弁償やできて被害者・被害店舗が許してくれたりといった事情が重なったがためのことであることが多いです。
たとえ少額の万引きであろうと、前科・前歴があったり、余罪が大量にあったりした場合は、当然、刑罰も重い処分となってきます。
万引きだからと甘く考えずに、刑事事件に強い弁護士に早期に相談し、してしまった万引き行為の対処だけでなく、今後万引きを繰り返さないよう、当事者だけでなくその周囲の人と弁護士と協力して考えていくことが、真の事件解決への一歩となります。

・万引きGメンに逮捕されることがある?

警察の特集やテレビ番組などで、いわゆる万引きGメンと呼ばれる私服警備員を見たことのある方もいるでしょう。
万引きGメンは、あくまで警備員などの民間の企業の者です。
しかし、今回のAさんのように、万引きGメン現行犯逮捕されることもあります。
一般人が警察などの捜査機関のように人を逮捕することはできるのでしょうか。

実は、現行犯人の逮捕=現行犯逮捕の場合、警察などの捜査機関でなくとも犯人を逮捕することは可能です。

刑事訴訟法213条(現行犯逮捕)
現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。

刑事訴訟法の現行犯逮捕の条文では、「何人でも」と書いてあります。
つまり、現行犯逮捕の場合、捜査機関に限らず、誰でも犯人を逮捕をすることができるのです。
したがって、今回のような私服警備員や万引きGメンであっても、万引きの現場を目撃していた場合、犯人を逮捕できる、ということになります。

万引きGメンなどの私人に逮捕された被疑者は、その後すみやかに警察などに引き渡されます(刑事訴訟法214条)。
そしてその後、今回のAさんのように警察署の留置場に留置され、取調べ等を受けることになるでしょう。
取調べに臨む際には、被疑者のもつ権利や手続きの流れなどをきちんと把握して臨む方が望ましいです。
弁護士に接見してもらい、アドバイスをもらっておくことがおすすめです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、逮捕直後から弁護士が接見へ向かう初回接見サービスのお申し込みも受け付けています。
専門スタッフがご案内しますので、現行犯逮捕の知らせを受けてお困りの際は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。

マスクの高額転売で刑事事件②

2020-03-21

マスクの高額転売で刑事事件②

マスク高額転売刑事事件へ発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市南区に住んでいるAさんは、新型の感染症が流行していることでマスクの品切れが続いていることに乗じて、マスクを転売して儲けようと考えました。
そこでAさんは、ドラッグストアやスーパーマーケットでマスクを買い占めると、通常販売価格の10倍以上の値段をつけてフリマアプリやショッピングサイトに出品・売買し、いわゆる高額転売を行いました。
すると後日、京都府南警察署の警察官がAさん宅を訪れ、Aさんはマスク高額転売をしたことで警察から話を聞かれることとなってしまいました。
Aさんは、マスク高額転売刑事事件に発展するとは思いもよらず、刑事事件に強い弁護士に相談することとしました。
(※この事例はフィクションです。)

・国民生活緊急安定措置法施行令

前回の記事で触れた通り、国民生活緊急安定措置法では、指定物資の供給が著しく不足し、相当期間その需要と供給のバランスを回復させることが難しい場合には、国民生活緊急安定措置法施行令によって指定物資の譲渡等について制限等を設けることができるうえ、それに違反した物については刑罰を科すことを定めることができるとされています。
今回は、マスク高額転売の規制のために国民生活緊急安定措置法施行令が改正されたということになります。

改正された国民生活緊急安定措置法施行令では、衛生マスクが指定物資(=「生活関連物資等」)とされています。

国民生活緊急安定措置法施行令1条
国民生活安定緊急措置法(以下「法」という。)第26条第1項の政令で指定する生活関連物資等は、衛生マスクとする。

経済産業省のホームページによると、衛生マスクには、一般に売られている使い捨てマスクから産業用マスクや医療用マスクまで含まれているとのことです。
このマスクの転売について定めているのが、国民生活緊急安定措置法施行令の以下の条文です。

国民生活緊急安定措置法施行令2条
衛生マスクを不特定の相手方に対し売り渡す者から衛生マスクの購入をした者は、当該購入をした衛生マスクの譲渡(不特定又は多数の者に対し、当該衛生マスクの売買契約の締結の申込み又は誘引をして行うものであつて、当該衛生マスクの購入価格を超える価格によるものに限る。)をしてはならない。

国民生活緊急安定措置法施行令7条
1項 第2条の規定に違反した場合には、当該違反行為をした者は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2項 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する。

簡単にこのマスク高額転売の規制を説明すると、
①スーパーやコンビニ、ドラッグストアやネットショップなど不特定の相手に販売している店や個人、業者からから購入したマスクを
②購入価格よりも高い値段で
③インターネットや店などを通じて不特定または多数の者に対して転売する
ことが規制されているということになります。
ですから、Aさんの行ったような高額転売行為はこの条文に違反することになるのです。

その時々の世情により、こうした聞きなれない法律や政令に違反する犯罪が出てくることもあります。
刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、こうした目新しい犯罪についてのご相談ももちろん可能です。
刑事事件の手続き等、気になることは専門家である弁護士に聞いてみましょう。
初回無料法律相談のお申込みはいつでも可能ですから、まずはお気軽にお問い合わせください。

マスクの高額転売で刑事事件①

2020-03-19

マスクの高額転売で刑事事件①

マスク高額転売刑事事件へ発展したケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市南区に住んでいるAさんは、新型の感染症が流行していることでマスクの品切れが続いていることに乗じて、マスクを転売して儲けようと考えました。
そこでAさんは、ドラッグストアやスーパーマーケットでマスクを買い占めると、通常販売価格の10倍以上の値段をつけてフリマアプリやショッピングサイトに出品・売買し、いわゆる高額転売を行いました。
すると後日、京都府南警察署の警察官がAさん宅を訪れ、Aさんはマスク高額転売をしたことで警察から話を聞かれることとなってしまいました。
Aさんは、マスク高額転売刑事事件に発展するとは思いもよらず、刑事事件に強い弁護士に相談することとしました。
(※この事例はフィクションです。)

・マスクの高額転売で刑事事件?

現在、新型肺炎の影響でマスクの品切れ状態が続いているところが多いようです。
そんな中、Aさんのようにマスクを買い占め、通常の販売価格以上の高額で転売する行為が多く見られています。
こうした事態を受け、つい先日、「国民生活安定緊急措置法施行令」という政令が改正され、3月11日に公布、3月15日に施行されました。
これにより、マスク高額転売をした場合、刑事事件となる可能性が出てくることになったのです。

そもそも、国民生活緊急安定措置法とはどういった法律なのでしょうか。
国民生活緊急安定措置法は、第一次オイルショックの際にできた法律です。
なかなか聞くことのない法律名ですが、国民生活緊急安定措置法の目的は以下のように決められています。

国民生活緊急安定措置法1条
の法律は、物価の高騰その他の我が国経済の異常な事態に対処するため、国民生活との関連性が高い物資及び国民経済上重要な物資の価格及び需給の調整等に関する緊急措置を定め、もつて国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を確保することを目的とする。

第一次オイルショックでは、物価が急激に上昇し、トイレットペーパーの買い占め騒動が起こるなどしました。
こうした事態に対応するためにできたのが国民生活緊急安定措置法なのです。
国民生活緊急安定措置法では、物価の高騰やそのおそれによって生活と関連性が高い物についての価格の著しい上昇やそのおそれがあるとき、その生活と関連性が高い物について「生活関連物資等」として指定することができます。
第一次オイルショック時には、国民生活緊急安定措置法国民生活緊急安定措置法施行令によってトイレットペーパーが指定物資とされ、標準価格が定められたことがあります。

今回のマスク高額転売に関わるのも、この国民生活緊急安定措置法国民生活緊急安定措置法施行令です。
国民生活緊急安定措置法では、先ほど触れたトイレットペーパーのように指定物資の標準価格を定めることだけでなく、指定物資の供給が著しく不足し、相当期間その需要と供給のバランスを回復させることが難しい場合には、国民生活緊急安定措置法施行令によって指定物資の譲渡等について制限等を設けることができるうえ、それに違反した物については刑罰を科すことを定めることができるとされています。

国民生活緊急安定措置法26条1項
物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合において、生活関連物資等の供給が著しく不足し、かつ、その需給の均衡を回復することが相当の期間極めて困難であることにより、国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営に重大な支障が生じ又は生ずるおそれがあると認められるときは、別に法律の定めがある場合を除き、当該生活関連物資等を政令で指定し、政令で、当該生活関連物資等の割当て若しくは配給又は当該生活関連物資等の使用若しくは譲渡若しくは譲受の制限若しくは禁止に関し必要な事項を定めることができる。

国民生活緊急安定措置法37条
第26条第1項の規定に基づく政令には、その政令若しくはこれに基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反した者を5年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する旨の規定及び法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して当該違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する旨の規定を設けることができる。

つまり、今回のマスク高額転売に対する規制は、この国民生活緊急安定措置法26条1項と37条に基づいて国民生活緊急安定措置法施行令が改正されたことによるということなのです。
その詳しい内容については次回の記事で触れていきます。

新しく法律や政令が改正された場合、報道で「何をしたらどれだけの刑罰があるか」は簡単に触れられていても、具体的にどういった法律や政令に違反するのか、どのような行為がどういった条文に基づいて処罰されるのか、自分の行為のどこが違反するのか等、細かいことが分からないことも多いでしょう。
刑事事件専門弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では、そういった刑事事件の細かい疑問にも、専門家である弁護士が丁寧にお答えいたします。
まずはお気軽に初回無料法律相談や初回接見サービスからご利用ください。

覚せい剤所持事件で釈放・保釈

2020-03-17

覚せい剤所持事件で釈放・保釈

覚せい剤所持事件釈放保釈を狙う弁護活動について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都府亀岡市に住むAさんは,数年前から覚せい剤を使用しており,いつでも覚せい剤を使えるよう,常に覚せい剤を持ち歩いていました。
ある日,Aさんがいつものように覚せい剤を持って京都府亀岡市の路上を歩いていたところ,京都府亀岡警察署の警察官に職務質問され,Aさんが所持していた覚せい剤が見つかりました。
簡易鑑定の結果,Aさんが持っていた物が覚せい剤であると判明し,Aさんは,覚せい剤取締法違反(所持)で逮捕されました。
Aさんの家族は,何とかAさんを釈放することはできないかと,弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

~覚せい剤取締法違反(覚せい剤所持・使用)~

覚せい剤は,医師や研究者が研究する場合など一部の場合を除いて,原則所持や使用が禁止されています(覚せい剤取締法14条,19条)。

覚せい剤取締法14条1項
覚せい剤製造業者,覚せい剤施用機関の開設者及び管理者,覚せい剤施用機関において診療に従事する医師,覚せい剤研究者並びに覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者の外は,何人も,覚せい剤を所持してはならない。

覚せい剤取締法19条
左の各号に掲げる場合の外は,何人も,覚せい剤を使用してはならない。
1号 覚せい剤製造業者が製造のため使用する場合
2号 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者が施用する場合
3号 覚せい剤研究者が研究のため使用する場合
4号 覚せい剤施用機関において診療に従事する医師又は覚せい剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
5号 法令に基いてする行為につき使用する場合

これに違反し,覚せい剤を所持・使用した者は,10年以下の懲役が科されます(覚せい剤取締法41条の2,41条の3)。

覚せい剤取締法41条の2
1項 覚せい剤を,みだりに,所持し,譲り渡し,又は譲り受けた者(第42条第5号に該当する者を除く。)は,10年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は,1年以上の有期懲役に処し,又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
3項 前二項の未遂罪は,罰する。

覚せい剤取締法41条の3
1項 次の各号の一に該当する者は,10年以下の懲役に処する。
1号 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者
(略)
2項 営利の目的で前項の違反行為をした者は,1年以上の有期懲役に処し,又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
3項 前二項の未遂罪は、罰する。

~覚せい剤取締法違反事件と釈放・保釈~

覚せい剤取締法違反のような薬物事犯の場合,多くの場合は逮捕され,勾留延長満期まで勾留されてしまいます。
というのも,覚せい剤取締法違反のような薬物事犯では,覚せい剤を捨てるなどして物的証拠を隠滅してしまうことも,売買先等と口裏を合わせることで証言という証拠を隠滅してしまうことも容易であるとされているからです。
そのため,捜査段階で釈放を求める活動を行っても,覚せい剤取締法違反事件ではなかなか釈放が認められない傾向にあります。
もちろん,釈放のための環境を整え,それを主張していくことはできますし,後述する保釈の準備も同時に進めることにつながりますから,弁護士と協力しながら釈放を求めていくことが望ましいでしょう。

そして,勾留延長満期を迎え起訴されてしまえば,裁判が終わるまで勾留が続きます。
起訴後には,捜査段階とは異なり,保釈を請求することができます。
そのためには,身元引受人の確保や,帰住先の確保等を行う必要がありますから,釈放を求める活動と同様,弁護士のサポートを受けながら保釈を求めるための環境を作っていくことが大切です。
保釈のためには保釈保証金が必要ですが,保釈支援協会に立て替えてもらうこともできます。
保釈の場合,すでに起訴されて証拠が確保されていると考えられることや,保釈金を担保するという条件があることなどから,捜査段階よりもその請求が認められやすいと言われています。
また,保釈は理論上は何度でも請求できるため,一度保釈請求が認められなかったとしても,環境を整え直すなどすれば再度請求することができます。
弁護士に相談しながら粘り強く保釈を求める活動をしてもらうことも重要です。

釈放・保釈が認められることは,被疑者・被告人だけでなくその周囲の方の大きな手助けになります。
覚せい剤取締法違反の罪に問われてお困りの方,釈放保釈にお悩みの方は,刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部弁護士にご相談下さい。

触らせて強制わいせつ罪

2020-03-15

触らせて強制わいせつ罪

触らせて強制わいせつ罪になった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

京都市北区に住んでいるAさんは、小さな女の子に興味を持っていました。
ある日Aさんが京都市北区内の道路を通行中、11歳のVさんがAさんの前を歩いていました。
Aさんは欲を抑えられなくなり、Vさんを人気のない路地裏に連れ込むと、Vさんの手を掴み、VさんにAさん自身の下半身を触らせました。
Vさんが帰宅後、両親に報告したことから京都府北警察署に通報され、その後の捜査でAさんの犯行が発覚。
Aさんは強制わいせつ罪の容疑で京都府北警察署に逮捕されました。
(※この事例はフィクションです。)

・触らせても強制わいせつ罪?

強制わいせつ罪は、刑法に規定されている犯罪です。

刑法176条(強制わいせつ罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

この強制わいせつ罪の条文を見ると、「加害者が被害者に触った」という態様の時に強制わいせつ罪が成立するように見えます。
しかし、今回の事例のように「相手に触らせた」という場合でも、「わいせつな行為をした」とみなされます。
というのも、強制わいせつ罪の「わいせつな行為」というのは、大まかに言えば被害者の性的羞恥心を害する行為であると解されているためです。
これは、強制わいせつ罪は、性的自由を守るための犯罪であるためです。

今回のAさんのように、自身の下半身を触らせるといった行為は、被害者の性的羞恥心を害する行為であると考えられますから、たとえ自分が相手の身体を触るようないわゆる「痴漢」の態様でなかったとしても、強制わいせつ罪の「わいせつな行為」となる可能性があるのです。

・暴行・脅迫がなくても強制わいせつ罪?

今回のAさんの行為が強制わいせつ罪の「わいせつな行為」に当たりうることは先ほど確認しましたが、ここで、「今回のAさんはVさんに対して暴行も脅迫もしていないのではないか」と疑問に思う方もいるかもしれません。
たしかに、強制わいせつ罪の条文の前段には、「暴行又は脅迫を用いて」わいせつな行為をした者に強制わいせつ罪が成立する旨が書いてあります。
しかし、強制わいせつ罪の条文の但し書き部分を見てみると、被害者が13歳未満の者の場合には、わいせつな行為をするだけで強制わいせつ罪が成立すると決められていることが分かります。
すなわち、今回のAさんは、暴行や脅迫を加えていなくとも、被害者のVさんが13歳未満であることから、わいせつな行為をした時点で強制わいせつ罪の成立が考えられるということになるのです。

・強制わいせつ事件と弁護活動

強制わいせつ事件で考えられる弁護活動としては、まず被害者との示談交渉が考えられるでしょう。
しかし、強制わいせつ事件では、被害者の処罰感情が強いことが多く、当事者が謝罪の意向を示してもそもそも取り次いでもらえないということも多いです。
特に、今回のAさんのような被害者が幼い強制わいせつ事件では、謝罪・示談交渉の相手は被害者の親となることが多く、処罰感情が強くなるのも自然なことといえます。

こうした場合でも、専門家であり第三者である弁護士を通じての謝罪・示談交渉の意思を示すことで、話を聞いてくださる被害者やその親御さんもいらっしゃいます。
ですから、強制わいせつ事件の示談交渉や弁護活動については、まずは一度弁護士に相談してみることが望ましいでしょう。

京都強制わいせつ事件でお困りの際は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部弁護士までご相談ください。

18歳以上だと思っていても青少年健全育成条例違反?

2020-03-13

18歳以上だと思っていても青少年健全育成条例違反?

18歳以上だと思っていても青少年健全育成条例違反になるのかということについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部が解説します。

~事例~

Aさんは,京都府南丹市のホテルで,SNSで知り合ったVさんと性交しました。
Aさんは,SNSのVさんのプロフィールに18歳以上であると記載されていたため,Vさんは18歳以上だと思っていました。
しかし,実際は,Vさんは16歳の高校生でした。
その後,AさんとVさんの関係を知ったVさんの母が京都府南丹警察署へ通報し,Aさんは,青少年健全育成条例違反の容疑で京都府南丹警察署の警察官に逮捕されました。
Aさんは,家族の依頼で接見に来た弁護士に,自分は18歳未満だと分かっていたわけではないこと,そうした状況でも青少年保護育成条例違反になるのかということを相談することにしました。
(フィクションです。)

~青少年保護育成条例違反~

18歳未満の者に対し,みだらな行為等をすると,各都道府県で定められている青少年健全育成条例違反(青少年保護育成条例違反)となる可能性があります。
よく報道で見られる「淫行」は,この青少年健全育成条例違反のことを指しています。
青少年健全育成条例の条文中で「(18歳未満の青少年と)淫らな行為」や「淫行」をすることを禁止していることから,「淫行」と言われているのです。

京都府にも青少年健全育成条例があり,正式名称は「青少年の健全な育成に関する条例」(以下、「京都府青少年健全育成条例」)と言います。
この条例により,京都府では18歳未満の青少年と淫らな行為,例えば性交や性交類似行為をすることは禁止されており(京都府青少年健全育成条例21条1項),18歳未満と淫行した場合には,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科せられます(京都府青少年健全育成条例31条1項1号)。

京都府青少年健全育成条例21条1項
何人も,青少年に対し,金品その他財産上の利益若しくは職務を供与し,若しくはそれらの供与を約束することにより,又は精神的,知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて,淫行又はわいせつ行為をしてはならない。

京都府青少年健全育成条例31条1項
次の各号のいずれかに該当する者は,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
1号 第21条の規定に違反した者

~18歳未満と知らなくても青少年健全育成条例違反?~

犯罪が成立するためには,故意=犯罪に当たる行為の認識が必要です。
つまり,今回のような淫行による青少年健全育成条例違反が成立するには,「18歳未満と淫行をする」という認識がなければならないことになります。
しかし,今回のAさんは,Vさんが18歳未満であることを知りませんでした。
ですから,AさんにはVさんが18歳未満であるという認識=淫行による青少年健全育成条例違反の故意がなく,たとえAさんがVさんにした行為が青少年健全育成条例違反「淫行」に当たるとしても,犯罪は成立しないように思えます。

ですが,京都府青少年健全育成条例を確認すると,次のような条文があります。

京都府青少年健全育成条例31条7項
第13条の2第4項,…,第21条,…の規定に違反した者は,当該青少年の年齢を知らないことを理由として,第1項から第3項まで,第4項(第4号に係る部分に限る。)及び第5項(第2号,第5号,第6号及び第10号に係る部分を除く。)の処罰を免れることができない。
ただし,当該青少年の年齢を知らないことに過失がないときは,この限りでない。

つまり,京都府青少年健全育成条例の場合,相手が18歳未満であることを知らなかったとしても,必ずしも故意がなく京都府青少年健全育成条例違反にならないというわけではないということなのです。
「相手の年齢を知らなかった」と言えば処罰を受けずに済むというわけではないことに注意が必要です。

一方,但し書きにあるように,相手が18歳未満であることを知らなかったことに対し過失がない場合には処罰されずに済む可能性が出てきます。
過失があるかないかは,相手の見た目や相手とのやり取り等も含めて事件ごとに判断されることになりますから,弁護士に詳しい事情を伝えて見通しを立ててもらうことをおすすめします。

青少年健全育成条例違反の容疑を認めるにせよ否認するにせよ,取調べへの対応や,逮捕されている場合の身柄解放活動等の弁護活動は大切になってきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所京都支部では,青少年健全育成条例違反事件のご相談・ご依頼も多くいただいています。
まずはお気軽にフリーダイヤルよりお問い合わせください(0120-631-881)。

« Older Entries