Archive for the ‘刑事事件’ Category

交通検問で無免許運転発覚

2019-05-21

交通検問で無免許運転発覚

滋賀県東近江市に住んでいるAさんは、2年前に交通違反を累積し、運転免許を失効していました。
しかし、運転免許失効後も車を運転しており、Aさんの妻もそのことを知っていました。
Aさんは、「元々運転免許を持っていたことに違いはないのだから、特に問題ないだろう」と思っていました。
ある日、Aさんは、奥さんに車を出してほしいと言われ、車に奥さんを乗せて滋賀県東近江市にあるショッピングモールへ向かいました。
そして、その途中で、交通検問をしていた滋賀県東近江警察署の警察官に運転免許の提示を求められ、そこで無免許運転が発覚しました。
後日、Aさんと奥さんは滋賀県東近江警察署に、無免許運転とその幇助の容疑で呼び出されました。
(※この事例はフィクションです。)

・無免許運転と幇助

道路交通法64条1項には、無免許運転の禁止が定められており、これに違反すると道路交通法違反となり、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(道路交通法117条の2 2項)。
 
また、無免許運転をした本人だけでなく、同乗者なども無免許運転の幇助となり、罰せられる可能性があります。
幇助とは、犯行を実行する人助け、犯行を容易にすることを言います。
道路交通法64条2項は、無免許の人に自動車などを提供することを禁じています。
そして、同条3項は、無免許の人に運転を依頼・要求してその車に同乗することを禁じています。
これらは、無免許運転をしやすくしている行為と言えるため、無免許運転の幇助と言われています。
無免許運転の幇助をして道路交通法に違反した場合、自動車などの車両の提供は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に、無免許運転の依頼・要求と同乗は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。

上記の事例では、Aさんは運転免許を失効しています。
たとえ過去に運転免許を取得していたとしても、失効してしまえば無免許状態となります。
ですから、Aさんは無免許運転をしていると言え、道交法違反が成立します。
このほか、例えばいわゆる免停状態で運転しても、免許の効果が及ばない期間に運転しているため、無免許運転となります。

そしてAさんの奥さんは、無免許のことを知りながらAさんに運転を依頼してその車に同乗していますので、無免許運転の幇助となります。

・交通検問

いわゆる検問は、以下の3種類に分けることができます。

①緊急配備検問
特定の犯罪の発生に対して、犯人検挙や情報収集を目的としてなされる検問(刑訴法197条1項、警職法2条1項)。

②交通検問
交通違反の予防検挙を目的とする検問(道路交通法61条、63条)。

③警戒検問
不特定の一般犯罪の予防検挙を目的とする検問。

②や③の検問は、まだ犯罪が発覚していない時点での検問となるので、原則的には任意捜査となります。
しかし、これらは、交通違反の多発する地域等の適当な場所で、短時分の停止を求めることは、相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法や態様で行われる限り適法であるとされています(最決昭55.9.22)。

Aさんのように、交通検問によって無免許運転が発覚するという道交法違反事件も多くあり、後日呼び出されて取り調べを受けることもあります。

そうした場合には、早期に弁護士に相談し、取調べの対策を練っておくことがおすすめされます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士は、無免許運転やその幇助でお困りの方、交通検問で犯罪が発覚して逮捕されそうな方のお力になります。
初回無料相談や初回接見サービスも行っておりますので、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士まで、ご相談ください。
(お問い合わせ:0120‐631‐881

マンションで性風俗店営業により風営法違反

2019-05-20

マンションで性風俗店営業により風営法違反

Aさんは、京都市左京区のマンションの一室を借り上げ、そこでエステ店と称して性的サービスを提供する店を営業していました。
Aさんはその店をエステ店として情報サイトにも広告掲載していました。
するとある日、エステ店に京都府川端警察署の警察官がやってきて、Aさんは風営法違反の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの妻は、Aさんが京都府川端警察署に逮捕されたと聞いて非常に困惑しました。
そして、どうにか詳しい話を聞くことはできないかと、京都滋賀刑事事件を取り扱う弁護士に相談してみることにしました。
そこでAさんの妻は、依頼を受けてAさんと接見した弁護士から、今回Aさんに容疑がかかっていると考えられる風営法違反の内容が「無許可営業」と「禁止区域営業」であると聞きました。
(※令和元年5月18日京都新聞配信記事を基にしたフィクションです。)

・風営法違反

風俗店の営業に関わる刑事事件でよく登場するのが今回のAさんも違反の容疑をかけられている風営法です。
風営法は、正式名称を「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」と言います。
その名前の通り、風営法では風俗営業についての規制や、その業務の適正化のための決まり事を定めています。
風営法の対象となる風俗営業には、性的サービスを提供する性風俗店の営業も含まれています。
ですから、性風俗店を営業する場合には、風営法に則った営業が必要になってきます。

Aさんの妻は、今回のAさんに考えられる風営法違反は「無許可営業」と「禁止区域内営業」であると弁護士から伝えられています。
それぞれどういった内容の風営法違反なのでしょうか。

・風営法違反~無許可営業

風営法では、風俗営業をする際、各都道府県の公安委員会に許可をもらわなければならないとされています。

風営法3条1項
風俗営業を営もうとする者は、風俗営業の種別(前条第1項各号に規定する風俗営業の種別をいう。以下同じ。)に応じて、営業所ごとに、当該営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)の許可を受けなければならない。

今回のAさんは、エステ店を装って性風俗店を営業していたわけですから、風俗営業の許可を公安委員会から受けているわけではないでしょう。
そうなれば、無許可で風俗営業をしているわけですから、風営法のこの条文に違反することになるのです。
なお、無許可営業により風営法違反となった場合、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」されます(風営法49条1号)。

・風営法違反~禁止区域内営業

風営法では、「店舗型性風俗特殊営業」という種類に当てはまる風俗営業について、一部例外を除いて一定の区域での営業を禁止しています。

風営法28条1項
店舗型性風俗特殊営業は、一団地の官公庁施設(官公庁施設の建設等に関する法律(昭和26年法律第181号)第2条第4項に規定するものをいう。)、学校(学校教育法(昭和22年法律第26号)第一条に規定するものをいう。)、図書館(図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定するものをいう。)若しくは児童福祉施設(児童福祉法第7条第1項に規定するものをいう。)又はその他の施設でその周辺における善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する必要のあるものとして都道府県の条例で定めるものの敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。)の周囲200メートルの区域内においては、これを営んではならない。

同法同条2項
前項に定めるもののほか、都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、条例により、地域を定めて、店舗型性風俗特殊営業を営むことを禁止することができる。

今回のAさんは、マンションの一室で性的サービスを提供する営業を行っていました。
風営法のいう「店舗型性風俗特殊営業」には、「個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業」が含まれています(風営法2条6項2号)。
Aさんの行っていた性風俗店営業はこれに当てはまると考えられます。
ですから、Aさんは学校等の施設から200メートルより離れた場所での営業や、条例で禁止されている区域外での営業を求められていたのですが、その禁止区域内で営業をしてしまっていたゆえに、禁止区域内営業での風営法違反の容疑もかけられているのでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、こうした風営法違反事件のご相談も承っています。
無許可営業等による風営法違反事件では、店の従業員等関係者も多く考えられることから、逮捕を伴っての捜査も考えられます。
弊所の初回接見サービスでは、弁護士が迅速な接見と報告を行います。
京都滋賀風営法違反事件にお困りの際は、遠慮なくご相談ください。
(お問い合わせ:0120-631-881

車を乗り回して横領事件②

2019-05-19

車を乗り回して横領事件②

~前回からの流れ~
京都府京丹後市の派遣会社で働くAさんは、ある日、郵便局の配送の仕事を引き受けることになりました。
その際、Aさんは郵便局から配送のために郵便局の車を使用するよう言われました。
しかし、Aさんは業務時間中に業務を行うのが嫌になり、配送の仕事をせずに郵便局の車を利用して遊びに出かけてしまいました。
Aさんが配送から戻ってこないことに気づいた郵便局員が捜索願いを出したことで、京都府京丹後警察署が捜査を開始したところ、Aさんが市内の駐車場に車を停め、車内でくつろいでいるところを発見しました。
Aさんは京都府京丹後警察署横領罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和元年5月15日NHKNEWSWEB配信記事を基にしたフィクションです。)

・横領罪と業務上横領罪

前回の記事では、Aさんが横領罪に当たりえるということを取り上げました。
ここで、横領罪という犯罪の中で「業務上横領罪という犯罪もあるのではないか」とイメージされる方も多いのではないかと思います。
特にAさんのような仕事中の横領事件については、業務上横領罪ではないか、と考える方もいらっしゃると思います。

ここで、横領罪と業務上横領罪の条文を見比べてみましょう。

刑法252条(横領罪)
自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。

刑法253条(業務上横領罪)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

横領罪業務上横領罪では、このように受ける可能性のある刑罰の重さが全く異なります。
条文上異なる部分と言えば「業務上」かどうかという部分ですが、これはどういった部分から判断されるのでしょうか。

業務上横領罪のいう「業務」とは、「委託を受けて他人の物を占有・保管する事務を反復継続して行う地位」であるとされています。
なお、この「業務」は仕事(職業)である必要はありません。
この地位に基づいて横領行為をすれば業務上横領罪となり、この地位が認められなければ(単純)横領罪となるということになります。

今回のAさんは、確かに仕事中ではありました。
しかし、Aさんは派遣会社の仕事として郵便局の配送業務を振られたということですので、ここに「反復継続」しているということが認められず、単なる横領罪となったのではないかと考えられます。

・横領事件の弁護活動

横領事件では、横領によって損害が発生していることがほとんどであることから、被害賠償を含めた被害者対応をすることが考えられます。
特に今回のAさんの場合には、横領行為そのものによって発生した損害、例えば車を使用することによって発生する使用価値の減少等以外にも、郵便物の配送の遅れや信用失墜等によって発生する損害も考えられます。
こうした際には、どういった損害が考えられるのか、どのようにその損害を弁償していくのか、ということも考えていかなければなりません。
そしてそれらを考慮しながら示談交渉も行わなければなりません。
弁護士に依頼することで、示談交渉そのものや、示談交渉の内容についての検討の際の負担を減らすことが期待できます。

また、Aさんのように逮捕されている横領事件では、その身柄解放のために弁護士に活動してもらうことが考えられます。
逮捕から勾留までは、最長でも72時間の間に決定がなされます。
横領事件自体の検討や釈放の可能性を高めるための準備を入念に行うためには、早い段階から弁護士に相談し、意見を取り入れることが重要であると言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、迅速な対応を行うために、お問い合わせ用フリーダイヤルは24時間いつでも通じるようになっています(0120-631-881)。
京都府滋賀県横領事件を含む刑事事件で逮捕されてお悩みの際には、まずはお気軽にこちらまでお電話ください。
京都府福知山警察署までの初回接見費用:お電話にてご案内いたします。)

車を乗り回して横領事件①

2019-05-18

車を乗り回して横領事件①

京都府京丹後市の派遣会社で働くAさんは、ある日、郵便局の配送の仕事を引き受けることになりました。
その際、Aさんは郵便局から配送のために郵便局の車を使用するよう言われました。
しかし、Aさんは業務時間中に業務を行うのが嫌になり、配送の仕事をせずに郵便局の車を利用して遊びに出かけてしまいました。
Aさんが配送から戻ってこないことに気づいた郵便局員が捜索願いを出したことで、京都府京丹後警察署が捜査を開始したところ、Aさんが市内の駐車場に車を停め、車内でくつろいでいるところを発見しました。
Aさんは京都府京丹後警察署横領罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和元年5月15日NHKNEWSWEB配信記事を基にしたフィクションです。)

・横領罪

横領罪は、刑法252条に規定されている犯罪です。

刑法252条(横領罪)
自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。

横領という言葉を聞くと、会社等のお金を自分の懐に入れるというイメージが強いかもしれませんが、条文を見ていただければお分かりいただける通り、横領罪の対象は「他人の物」であり、金銭に限定しているわけではありません。
そのため、例えば上記事例の車であったり、楽器や骨とう品といったものであっても、それが自己の占有する他人の物であれば、横領すれば横領罪となります。

先ほども触れた通り、横領罪の対象となる物については、「自己の占有する」「他人の物」とされています。
なお、横領罪の「物」には、不動産も含むとされています。
この「他人の物」とは言葉通り、自分以外の他の人の物であるということを指しますが、「自己の占有する」という部分が分かりにくいのではないかと思います。
そもそも横領罪での「占有」とは、物に対しての事実上または法律上の支配のある状態のことを指します。
つまり、「自己の占有する他人の物」とは、「自分が事実上又は法律上支配している他人の物」ということになります。
横領罪では、この「占有」がその物の所有者と横領を行った者との委託信任関係に基づく占有である必要があるとされています。

そして、「横領」とは、その委託物について「不法領得の意思を実現するすべての行為」を言うとされています(最判昭和28.12.25)。
「不法領得の意思」とは、「他人の物の占有者が委託の任務に背いてその物につき権限がないのに、所有者でなければできないような処分をする意思」であるとされています(最判昭和24.3.8)。

さて、今回のAさんは、配送業務に使用するために郵便局の車を預けられている状態です。
車はそもそも郵便局の物ですから横領罪の言う「他人の物」ということになるでしょう。
Aさんは配送業務をするためにその車を借り、鍵等も渡されていると考えられます。
こうしたことから、Aさんは郵便局から車の管理権限を委託されていたと考えられますから、車は「自己の有する他人の物」となります。
そしてAさんはその車を、委託された任務である配送業務には使わずに、私用で乗り回してしまっています。
私用で車を乗りまわすという行為は、Aさんに与えられた権限を超えていると考えられますし、所有者でなければできない行為でしょう。
ですから、Aさんは車を「横領」したと考えられ、そのためにAさんには横領罪が成立すると考えられるのです。

このように、横領罪1つとっても条文の中に分かりづらい言葉が紛れていたり、過去の判例からその意味や解釈を推し量っていかなければならなかったりします。
こうした作業ができるのが、専門知識のある弁護士です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門に扱う弁護士が、ご相談者様の悩みを解消すべく迅速に対応します。
京都府滋賀県横領事件にお困りの際は、弊所弁護士までご相談下さい。

次回の記事では、横領罪の中の種類と弁護活動について触れていきます。

京都市上京区のストーカー事件で逮捕

2019-05-16

京都市上京区のストーカー事件で逮捕

Aさんは,京都市上京区内に住むVさんの自宅に押し掛け,自分と会うように要求する内容の手紙をVさん宅のポストに入れるといった行為を繰り返していました。
Vさんが京都府上京警察署に通報し,Aさんは京都府上京警察署の警察官にストーカー規制法違反の容疑で逮捕されました。
Aさんの家族は,まさか自分の家族がストーカー事件を起こして逮捕されるとは思わず,刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

~ストーカー規制法違反~

ストーカー行為等の規制等に関する法律ストーカー規制法)上のストーカー行為を行った場合,1年以下の懲役または100万円以下の罰金刑が科せられます(ストーカー行為規制法18条)。

ストーカー行為」(ストーカー規制法2条3項)とは,同一の者に対し,好意等によりつきまとい等を反復してすることとされています。
つまり,①「つきまとい等」を②同一人物に反復しておこなえば,ストーカー行為となります。
このうち①「つきまとい等」とは,(a)好意や怨恨目的で,(b)特定の人やその関係者に,(c)(一部の行為については不安を感じさせる方法で)つきまといや電話,メールなどをすることとされています(ストーカー規制法2条)。

次に,②反復性は,行為全体をみて判断されます。
つまり,具体的に何回以上当該行為を行えば反復性があるということではなく,つきまとい1回,待ち伏せ1回でも,全体をみて反復していたと判断されることがあります。
こうしたことから,Aさんの行為は,ストーカー行為に当たる可能性が高いです。

なお,好意等ではなく嫌がらせ等の目的でつきまとい行為をしていた場合には,ストーカー規制法違反ではなく,各都道府県に定められている迷惑防止条例違反として捜査される可能性があります。

ストーカー規制法違反事件では,被害者へのストーカー行為をしていることから,逮捕によって身体拘束されて捜査をされるケースも多く見られます。
逮捕されてしまったり勾留されてしまったりという場合には,弁護士は早期釈放と,最終的な処分の軽減のために動きます。
なるべく早く弁護士に依頼し,被害者に対して被害弁償を行うことや示談交渉をすることが重要なポイントとなります。
被害者と示談が成立し,被害者が処罰を望んでいないというところまで持っていけば,早期釈放や不起訴処分へとつながりやすくなります。
示談ができれば,起訴されたとしても,正式な裁判をせずに罰金を支払うだけで刑事処分が終了する略式裁判となる可能性もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,釈放を目指した活動や示談交渉など,刑事事件の様々な活動を一貫して迅速に行います。
京都・滋賀の刑事事件にお困りの際は,弊所の弁護士までご相談ください。
(お問い合わせ:0120-631-881

滋賀県近江八幡市で逮捕

2019-05-15

滋賀県近江八幡市で逮捕

滋賀県近江八幡市内の高校に通うAさんは、近くにあるV大学の後期試験を控えて勉強に追われる日々を送っていました。
しかし試験日も近づいてきたある日、勉強漬けの日々に嫌気がさして、かといって単位を失うのも嫌だったことから、「試験をどうにかして延期、あるいは中止にしたい」と考えました。
そこでAさんはあるインターネット上の掲示板で、「V大学の××号教室に爆弾をしかけた」と投稿しました。
Aさんの目論見通りに試験は延期になり、大学は封鎖されて警察による捜索が行われました。
Aさんは本気で爆弾をしかけようとは思っていなかったため、爆弾は見つかりませんでしたが、後日突然、滋賀県近江八幡警察署から捜査員が自宅に来て、Aさんは「威力業務妨害罪」の容疑で逮捕されてしまいました。
(事例はフィクションです)

~威力業務妨害罪(刑法第234条)~

Aさんにかけられた犯罪容疑である「威力業務妨害罪」について解説します。
業務を妨害する犯罪には、刑法第233条後段の「偽計業務妨害罪」および234条の「威力業務妨害罪」、刑法第95条の「公務執行妨害罪」がありますが、今回は前二者を取り上げます。

【業務とは】
この法律で保護される業務とは、「職業その他社会生活上の地位に基づき反復継続して行う事務または事業」を指します。
会社やその他社会的団体によって行われる事業は保護対象になりますが、家族によって行われる日常的な家庭生活や一回的な式典(例えば、結婚式など)は含まれません。

【偽計とは】
第233条後段の「偽計」というのは、「人を欺罔し(だますこと)、または人の不知、錯誤を利用する」ことをいいます。
実際に裁判において認められた事例としては、障害物を海底に沈めることにより魚網を破壊する行為(漁業者に対する妨害)、虚偽の電話注文により配達をさせる行為(宅配業者あるいは生産業者に対する妨害)、他人のキャッシュカードの暗証番号を盗撮するために銀行出張所のATMを一般客のふりをして長時間占拠する(銀行に対する妨害)などがあります。

【威力とは】
234条にいう「威力」とは、「人の自由意志を制圧するに足る勢力の使用」のことを指します。
一見しただけでは判然としませんが、例えば暴行や脅迫、地位や集団の勢力などを利用することを意味します。
実際に裁判において認められた事例としては、デパートで生きた蛇をまき散らす、株主総会の議場で怒号する、猫の死骸を机の引き出しに入れておいて被害者に発見させるなど人に対して威力を加える類型と、貨車の扉を開くことにより石炭を落下させる行為やイルカを捕獲している網のロープを切断するというように、物に働きかけた結果として人の意思を制圧する、そういった行為でも威力に当たるとされています。

~「威力」と「偽計」~

Aさんの行為は、誰にでも閲覧可能なインターネット上の掲示板に爆発物をしかけると書き込みしたことから、間接的ではありますが、脅迫的言動を用いて大学の試験業務を妨害したことになります。
嘘の書き込みであることから、人を欺罔した場合の「偽計」なのではないかと考える余地もありますが、嘘の脅迫的書き込みにより大学関係者の試験を行う意思を制圧していることから、「威力」であるともいえます。
「偽計」と「威力」の区別に関しては定義から考えても区別があいまいなところがありますが、行為の態様あるいは結果が公然・誇示的・可視的であれば「威力」、逆に非公然・隠密的・不可視的であれば偽計という区別が支持されています。
この区別に則れば、インターネット上の爆破予告は「威力」を用いた業務妨害といえるでしょう。

滋賀県京都府刑事事件を起こしてしまった方、滋賀県近江八幡警察署逮捕されてしまった方、そのご家族・ご友人の方はぜひ「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」所属の刑事専門弁護士初回無料相談をぜひご利用ください。
早期解決を目指し、あなたのかけがいのない日常を取り戻すために全力を尽くします。

初回法律相談:無料
滋賀県近江八幡警察署までの初回接見費用:39,000円

不倫発覚から刑事事件~ほう助犯

2019-05-14

不倫発覚から刑事事件~ほう助犯

~前回からの流れ~
京都府向日市に住んでいるAさんは、ある日、夫のBさんと知人であるVさんが不倫していることを知りました。
Aさんは怒り心頭となって、Vさんを自宅に呼び出すと、「今回のことを許してほしいと思うなら払えるだけ慰謝料を支払え。そうでなければVさんの職場にでも近所にでも不倫のことをばらまいてそれ相応の代償を払ってもらうから」と言い放ちました。
Vさんが「今は手持ちのお金がない」と言ったところ、Aさんは「では車でATMまで連れて行くからそこでお金をおろして支払え」と言い、Vさんを車に乗せると近くのATMまで連れていき、そこでVさんに預金を引き出させ、慰謝料として300万円を支払わせました。
Aさんの夫であるBさんは、一連の出来事の最中ずっとAさんのそばにいましたが、Aさんの剣幕を見て、特に止めることもせずに黙ってみていました。
その後、Vさんが京都府向日町警察署に相談したことから、Aさんは恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そして、Bさんも恐喝罪監禁罪ほう助の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

・ほう助犯

前回までの記事では、Aさんを中心に恐喝・監禁事件を検討してきました。
今回の記事では、Bさんについて考えていきます。
Bさんは、恐喝罪と監禁罪のほう助犯として警察か取調べを受けていますが、そもそも「ほう助犯」とはどういったことを指すのでしょうか。

刑法62条
正犯を幇助した者は、従犯とする。

いわゆるほう助犯は、刑法62条のこの条文に当てはまる人のことを指します。
「幇助」は「ほうじょ」と読み、その意味は、(犯罪行為を)実行することを容易にする行為を言います。
つまり、ほう助犯と言われた場合、ある犯罪をする人を手助けして、その犯罪行為の実行を容易にした、という疑いが欠けられていることになります。
このほう助犯ほう助という行為については、物理的方法でも精神的方法でも構わないとされています。
物理的な方法でいえば、殺人をしようという人に対して凶器を渡すようなことが考えられます。
対して精神的な方法でいえば、犯罪をしようとする人に対して激励をするようなことが考えられます(なお、激励などによって犯罪をする意思を促進したり強固にしたりした場合にはほう助犯ということになりますが、犯罪をするつもりのない人に新たに犯罪をする意思を生じさせた場合にはほう助犯ではなく「教唆犯」となります。)。

ここで今回のBさんを考えてみましょう。
Bさんは、AさんのVさんに対する恐喝罪と監禁罪のほう助犯の容疑をかけられているようですが、Bさん自身はAさんに加勢したり、何か道具を準備したりということはしていないようです。
黙って見ていただけのBさんにも、ほう助犯は成立する可能性があるのでしょうか。

ほう助犯は、先ほど確認したように、正犯(犯罪を実行する本人)の犯罪実行行為を容易にすれば成立します。
今回のBさんの場合、Aさんの行為を止めずに黙って見ていることによってAさんが恐喝行為や監禁行為をすることを容易にしていると捉えることができます。
そのため、Bさんに恐喝罪と監禁罪のほう助犯が成立する可能性が出てくるのです。
このように、「何もしない」ということをすることでほう助と判断される可能性があることに注意が必要です。

ほう助犯となった場合、正犯の受ける可能性のある刑罰よりも軽い範囲で刑罰を受けることになります(刑法63条)。

・Bさんの注意点

今回のBさんは、ほう助犯として取調べを受けることになっていますが、ここで注意すべき点があります。
それは、もしも取調べで自分の認識と違う発言をしてしまったり、そういった認識なく誘導に乗ってしまったりした場合、不当に重い犯罪の容疑をかけられてしまう可能性があるということです。

先ほど触れたように、ほう助犯は正犯よりも受ける可能性のある刑罰が軽くなります。
しかし、ほう助犯ではなく共犯(ここでいう「共犯」とは、単に一緒に犯罪に関わったという意味の「共犯」ではなく、犯行の共謀をしたり実行を一緒にしたりといった「共犯」を指します。)であるとされてしまえば、犯行を実行した正犯と同じ範囲で刑罰を科される可能性が出てくるのです。
そうなれば、本来受けるべき刑罰よりも不当に重い刑罰を受けてしまう可能性が出てきてしまうのです。
例えば、実はAさんと共謀して恐喝行為や監禁行為をしていたのではないか、Aさんの恐喝・監禁行為にもっと積極的に加担していたのではないか、と疑われ、取調べでも聞かれるかもしれません。
そうした際、自分の思う主張の通りに供述を行えなければ、知らず知らずの間に冤罪をかけられてしまうかもしれないのです。

これは恐喝・監禁事件に限らず、刑事事件全般に言えることです。
だからこそ、ほう助犯などの容疑をかけられてしまったら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門弁護士までご相談ください。
取調べの対応の仕方から被害者の方への対応まで、刑事事件を専門に扱う弁護士が一貫してサポートを行います。
お問い合わせは0120-631-881までお電話ください。
京都府向日町警察署までの初回接見費用:3万7,200円)

不倫発覚から刑事事件~監禁罪

2019-05-13

不倫発覚から刑事事件~監禁罪

~前回からの流れ~
京都府向日市に住んでいるAさんは、ある日、夫のBさんと知人であるVさんが不倫していることを知りました。
Aさんは怒り心頭となって、Vさんを自宅に呼び出すと、「今回のことを許してほしいと思うなら払えるだけ慰謝料を支払え。そうでなければVさんの職場にでも近所にでも不倫のことをばらまいてそれ相応の代償を払ってもらうから」と言い放ちました。
Vさんが「今は手持ちのお金がない」と言ったところ、Aさんは「では車でATMまで連れて行くからそこでお金をおろして支払え」と言い、Vさんを車に乗せると近くのATMまで連れていき、そこでVさんに預金を引き出させ、慰謝料として300万円を支払わせました。
Aさんの夫であるBさんは、一連の出来事の最中ずっとAさんのそばにいましたが、Aさんの剣幕を見て、特に止めることもせずに黙ってみていました。
その後、Vさんが京都府向日町警察署に相談したことから、Aさんは恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そして、Bさんも恐喝罪監禁罪のほう助の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

・監禁罪

前回までの2つの記事では、Aさんにかかっている容疑の1つである恐喝罪という犯罪に着目しました。
今回の記事では、Aさんにかかっているもう1つの容疑である監禁罪という犯罪に注目していきます。

監禁罪は、刑法220条に規定されている犯罪です。

刑法220条(逮捕・監禁罪)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

逮捕・監禁罪は、被害者の行動の自由を奪う行為をする犯罪であり、人の身体・行動の自由を守るための規定であると言えます。
このうち、今回注目する監禁罪は、この刑法220条の後段部分、「不法に人を」「監禁」することで成立します。
監禁罪に言う「監禁」とは、一般に、人の身体を場所的に拘束し、その行動の自由を奪うことを言います。
つまり、ある場所からその人が脱出することを不可能もしくは著しく困難にすることによって「監禁」したと言えるのです。

今回のAさんは、この監禁罪に問われていますが、事例の中で「監禁」という単語に結びつくシチュエーションがなかなか分かりづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、監禁罪の言う「監禁」とは、部屋や建物の中への監禁だけに限りません。
たとえ脱出の方法があったとしても、社会通念上人が脱出するのに困難を感じるような方法で行動の自由を奪っていれば、監禁罪の「監禁」になります。
例えば、過去の事案には、自動車を疾走させて脱出困難としたことに監禁罪を認めた事案(最決昭和30.9.29)や、走る原付バイクから降りられないようにしたことを監禁罪と認めた事案(最決昭和38年4月18日)などがあります。
これらを考えた上でAさんの事案を見てみると、Aさんは不倫の慰謝料を支払わせるために、Vさんを車に乗せてATMまで連れて行っています。
車に乗せられて発進されてしまえば、車がどこかに停車しない限り、車内から脱出することは一般的に困難と言えるでしょう。
こうしたことから、Aさんには、Vさんを車内に監禁したという監禁罪が成立しうるということなのです。

なお、監禁罪の成立には、一般に被害者が「自分は監禁されている」と認識していなくてもよいと考えられています。
冒頭で触れたように、監禁罪は行動の自由を保護するための規定であると考えられているため、「自由に行動できない」という状況がある以上、被害者の現実的な認識は不要であると考えられているのです。

・恐喝罪と監禁罪

今回のAさんは、恐喝罪監禁罪の容疑をかけられていますが、仮にこの2つの犯罪が成立するとすれば、どれほどの刑罰を受ける可能性があるのでしょうか。
過去の事案では、恐喝罪監禁罪併合罪の関係にあるとされました(最判平成17年4月14日)。
併合罪とは、同一人物が起こした確定裁判を経ていない2つ以上の犯罪を処理する時の考え方です。
併合罪となった場合には、以下の刑法の規定にのっとって法定刑が決められます。

刑法47条
併合罪のうちの2個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とする。
ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。

今回の恐喝罪監禁罪の場合であれば、最も重い刑は恐喝罪の「10年以下の懲役」であるため、その2分の1を加え、「15年以下の懲役」が恐喝罪監禁罪が併合罪となった場合に受ける可能性のある刑罰の範囲となるのです。

恐喝罪監禁罪は、どちらも懲役刑のみの規定という、非常に重い犯罪です。
態様や被害状況によっては刑事裁判となる可能性も高い犯罪ですから、すぐにでも弁護士に相談し、より早く弁護活動やその準備にとりかかってもらうことがおすすめされます。
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不倫発覚から刑事事件~恐喝罪②

2019-05-12

不倫発覚から刑事事件~恐喝罪②

~前回からの流れ~
京都府向日市に住んでいるAさんは、ある日、夫のBさんと知人であるVさんが不倫していることを知りました。
Aさんは怒り心頭となって、Vさんを自宅に呼び出すと、「今回のことを許してほしいと思うなら払えるだけ慰謝料を支払え。そうでなければVさんの職場にでも近所にでも不倫のことをばらまいてそれ相応の代償を払ってもらうから」と言い放ちました。
Vさんが「今は手持ちのお金がない」と言ったところ、Aさんは「では車でATMまで連れて行くからそこでお金をおろして支払え」と言い、Vさんを車に乗せると近くのATMまで連れていき、そこでVさんに預金を引き出させ、慰謝料として300万円を支払わせました。
Aさんの夫であるBさんは、一連の出来事の最中ずっとAさんのそばにいましたが、Aさんの剣幕を見て、特に止めることもせずに黙ってみていました。
その後、Vさんが京都府向日町警察署に相談したことから、Aさんは恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そして、Bさんも恐喝罪監禁罪のほう助の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

・不倫相手への慰謝料請求で恐喝罪?

前回の記事では、恐喝罪という犯罪について詳しく検討しました。
今回の記事では、Aさんが恐喝罪にあたるのかどうかについて考えていきます。

さて、今回のAさんですが、夫Bさんの不倫相手であるVさんに対し、慰謝料を請求しています。
ここで、「不倫相手に対して慰謝料を請求することは正当なことなのではないのか」とも思えます。
確かに、実際に不倫の事実があった場合には、不倫相手に対して慰謝料を請求できる場合があります。
しかし、問題はその請求等のやり方です。

過去の事案では、借金の取り立てについて恐喝罪の成否が争われたものがあります。
貸したお金を返してもらうことや、その催促をすることは正当な行為であるといえるでしょう。
しかし、その事案では、たとえ権利行使の手段として行った恐喝行為であったとしても、その権利の範囲内を超えた行為であったり、その権利行使の方法が社会通念上一般に認容すべきものと認められるべき程度を超えているような場合には、恐喝罪が成立するとされました(最判昭和30.10.14)。
つまり、不倫の慰謝料を請求するという正当な権利があったとしても、その方法次第では恐喝罪になってしまうおそれがあるのです。

今回のAさんの言動を具体的に見てみましょう。
Aさんは、「不倫を許されたければ慰謝料を払え。さもなくば職場や近所に不倫の事実を広める」という旨をVさんに伝えています。
職場や近所に不倫の事実を広められるということは、Vさんにとって自身の社会的評価を下げる可能性のあること=害を加えられることであるといえます。
ですから、Aさんは害悪の告知=脅迫という手段を用いてVさんに慰謝料=財物を要求していることになり、恐喝行為をしていることになります。
そしてAさんは、その脅し文句に基づき、Vさんから慰謝料として300万円を受け取っています。
不倫の事実を広めることを脅し文句に慰謝料を請求することは、社会通念上一般に認容すべきものとは言い難いでしょうから、Aさんには恐喝罪が成立する可能性が高いと考えられるのです。

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不倫発覚から刑事事件~恐喝罪①

2019-05-11

不倫発覚から刑事事件~恐喝罪①

京都府向日市に住んでいるAさんは、ある日、夫のBさんと知人であるVさんが不倫していることを知りました。
Aさんは怒り心頭となって、Vさんを自宅に呼び出すと、「今回のことを許してほしいと思うなら払えるだけ慰謝料を支払え。そうでなければVさんの職場にでも近所にでも不倫のことをばらまいてそれ相応の代償を払ってもらうから」と言い放ちました。
Vさんが「今は手持ちのお金がない」と言ったところ、Aさんは「では車でATMまで連れて行くからそこでお金をおろして支払え」と言い、Vさんを車に乗せると近くのATMまで連れていき、そこでVさんに預金を引き出させ、慰謝料として300万円を支払わせました。
Aさんの夫であるBさんは、一連の出来事の最中ずっとAさんのそばにいましたが、Aさんの剣幕を見て、特に止めることもせずに黙ってみていました。
その後、Vさんが京都府向日町警察署に相談したことから、Aさんは恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまいました。
そして、Bさんも恐喝罪監禁罪のほう助の容疑で話を聞かれることになりました。
(※この事例はフィクションです。)

上記事例のように、不倫発覚からトラブルとなり、それが刑事事件となってしまった、というケースもまま見られます。
今回の記事から複数回、恐喝罪監禁罪の容疑で逮捕されてしまったAさんと、ほう助犯として取調べを受けているBさんのケースについて取り上げていきます。

・恐喝罪

まず、Aさんが容疑をかけられている犯罪の1つである恐喝罪について詳しく見ていきましょう。

刑法249条(恐喝罪)
人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

刑法を見てみると、恐喝罪については以上のように規定されています。
文面だけ見れば非常に短く単純なものではあるのですが、では具体的にどういったことが「恐喝」に当たるのかどうかということは、専門知識がなければ検討することは難しいです。
だからこそ、恐喝罪に限らず、犯罪の容疑をかけられた際には専門知識を有する弁護士に相談することが望ましいのですが、以下では簡単に恐喝罪の内容を説明します。

恐喝罪のいう「恐喝」とは、脅迫または暴行を用いて相手を畏怖させ、財物の交付を要求することを言います。
脅迫は害悪の告知(害悪を加えることの告知)、暴行は有形力の行使を言います。
この時、脅迫または暴行の程度が相手の犯行を抑圧しない程度であることが求められます(もしも相手の犯行を抑圧するほどの脅迫または暴行であった時には、恐喝罪ではなく強盗罪が成立することになります。)。
例えば、ナイフなどの凶器を手にして相手を脅迫し金銭を要求したような場合には、相手はそれに対して反抗することはできないと考えられますから、恐喝罪ではなく強盗罪が成立すると考えられます。

そして、恐喝して「財物を交付させた」とは、先述の恐喝行為によって畏怖した相手が処分行為をすることで、その財物の支配(占有)を得ることを言います。
つまり、恐喝罪が成立するには、恐喝行為と交付行為の間に因果関係がなければならないことになります。
例えば、恐喝行為を受けたものの、被害者が全く畏怖しておらず、逆に恐喝をしてきた者を憐れんで金銭を渡してやった、という場合には、恐喝行為と財物の受け渡しの間に因果関係がないことになりますから、恐喝罪は成立せず、恐喝未遂罪が成立するにとどまることになります。

なお、恐喝行為をしたものの、財物の交付まで達成されなかった場合には、恐喝未遂罪となります。
恐喝未遂罪となった場合には、「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる」という刑法43条の規定により、恐喝罪が成立した時よりも刑罰が減軽される可能性があります。

では、今回のAさんはこの恐喝罪にあたるのでしょうか。
次回の記事で詳しく当てはめていきます。

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